2015年9月2日配信「人生本因坊師の甘辛時事問答」<連載>



――さながら燎原の火の如く!――「東京五輪ロゴマーク盗作騒ぎ」は、問題になって以来、1ヶ月以上にもなるというのに「サントリー」の景品や動物園、図書館のマークにまで飛び火、一向に収まる気配がありません。

本因坊師「『過去にパクったことは一度もない』、『商標登録されていないことを確認している』、『ベルギーに行ったことはない』など、完全に開き直った記者会見の印象の悪さもさることながら、ここまで尾を引くのは、似てる、似てない以前に“パクリ屋研ちゃん”テレビ向きでないご面相のせいやと思うがな(笑)」

――業界関係者の間では「いい奴」との評判のようですよ。

本因坊師「ワシは人柄の良し悪しを言うとるん違うぞ。テレビを観ている人に好感されない人相だと言うとるんや」

――確かに、鬼瓦みたいな険しい顔は、お世辞にもテレビ映りがいいとは言えませんが…。

本因坊師「おまけに、選ぶのも、選ばれるのも大手広告代理店のOBや関係者ということで、“デザイン村の出来レース”のような印象を与えてしまっているのに、そこへ“デザイン村のドン”と言われる選考委員長がノコノコ出てきて、原案がどうした、修正案をこうしたなどと、よう分からん言い訳なんかするから、さらに火に油を注ぐことになるんや」

――既にベルギーとアメリカ、さらにはスイスで裁判を起こされてしまったし、ここまで“パクリ屋の烙印”を押されてしまってもなお、『IOC』『JOC』は“疑惑のロゴマーク”と心中するつもりのようですが、「何だかなぁ?」って気がします。

本因坊師「新国立競技場でケチがつき、エンブレムでケチがつく。――オリンピックにタカる“強欲虫”に対する“天の怒り”だろう(笑)」

――“強欲虫”たちは、「オリンピックのため」といえば、何でも意のままになると思ってるんでしょうね、きっと。

本因坊師「いっそのことオリンピックなんか返上すれば、問題はすべて解決するのに、どいつもこいつも諦めが悪すぎるぞなもし(笑)」

――オッ、伊予弁ですな(笑)。伊予といえば、“大門の仕事師”も伊予・西条の出身。当然のことながら、その仕事師の“仇敵”で、7月末、麻布署に殺人未遂容疑で逮捕、満期一杯の先月中旬に傷害罪で起訴された“登記の魔術師”に触れないわけにはいきません(笑)。

本因坊師「なるほど!――世間的には無名でも、不動産業界では知らぬ者はいない超有名人だし、最近は手品のネタバレで少々、精彩を欠いてはいるものの“登記の魔術師”の名付け親たる小誌としても放っておくわけにはイカンだろう(笑)」

――しかし、当初の逮捕容疑が、公正証書原本不実記載とか詐欺ならまだしも、殺人未遂とはオドロキ、モモノキ、サンショノキでした(笑)。

本因坊師「同感、同感(笑)。奇人変人ではあるが、本来の分類は法律の隙間を衝き、奇想天外な小技を駆使して相手を翻弄する知能犯なのに、第一報が殺人未遂容疑で緊急逮捕なんだから何かの間違いでは?と耳を疑ったよ」

――2年前に赤坂署にタクシー運転手を殴って逮捕された時は強盗容疑だったし、すっかり1課御用の強行犯になってしまいましたね。

本因坊師「こと自分の不動産に関すると我を忘れて見境がつかなくなる、言うなれば“突発性不動産粘着病”だな!」

――しかし、いくらカッとなったら突飛な行動に走る癖があるとはいえ、自らが呼んでいた麻布署員の前で自動車をぶつけるからには、余程の理由があったんじゃないでしょうか?

本因坊師「その理解不能な行動こそが“突発性不動産粘着病”患者の特徴だわな(笑)」

――起訴後も本人は相変わらず「俺は悪くない。ワシは無罪だ」と絶叫、麻布署の留置係も「こんなイガ○キ野郎は初めてだ!早く小菅へ引っ越ししてくれ」と悲鳴を上げているそうで、情状の悪さから「今回ばかりは実刑の可能性が濃厚だ」と指摘する関係者が大半です。

本因坊師「保釈、さらには執行猶予を取るための示談金として“魔術師”が3000万円を提示したという話も聞いたが、どうなんや?」

――どうですかねえ。赤坂事件の時のことを考えれば、ありえない話ではありませんが、登場人物全員が、腹にイチモツ、背にニモツの“腹黒キツネ”“性悪タヌキ”ばかりですから、既に“示談金オークション”が始まっているとの噂も飛んでいるだけに、下駄を履くまでは分かりませんよ。

本因坊師「なかなか上手いこと言うやないか、今日は!(笑)」

――何年、老師の傍で修行していると思ってるんですか!(キリッ)

本因坊師「それはともかく、今回の事件で誰が得したんや?」

――そりゃあ、京都の案件でも“魔術師”と対峙している“伊予の仕事師”でしょう。一時は「“魔術師”を逮捕させたのは俺だ!」と吹聴していたぐらいですから…。

本因坊師「相変わらず小癪なことを言うのう。奴としては『“魔術師”の居ぬ間の抜け駆け仕事』が狙いという訳だな」

――何しろ名義人の「サーランドピア社」は、この六本木の土地ばかりでなく、日本橋など都内に何ヶ所もの不動産を保有する優良会社なんですから…。

本因坊師「ホ〜ッ!それじゃあ、“伊予の仕事師”が眼の色を変えるのも無理はないな。しかし、登記簿上の人間が真の所有者の意向を無視して勝手に売却するという手法は、どこかで聞いたことがあるぞ」

――以前、「F通商」が画策、紆余曲折の果てに“井桁マークの暴れん坊”として勇名を馳せる「S不動産」が手に入れた“ギロッポンの魔窟”・TSKCCCビルですよ。

本因坊師「そうや、そうや。――あれだって裁判では勝手に売却した奴が勝ったんやろ。そうか、“伊予の仕事師”がお手本にしたのは、この“籠脱けスキーム”だったんやな。

――そう考えると“魔術師”が“発作”を起こすのも無理からぬところ。一方的に粗暴犯呼ばわりするのは可哀そうな気がしないでもありません。

本因坊師「そうやな。『盗っ人にも三分の理』――世間から悪党の烙印を押されまくりの“魔術師”を擁護する立場で、今回の事件を分析してみるのも『週刊0510』らしくてエエんとちゃうか(笑)」

――そうですね。

本因坊師「それじゃあ、次回にでもみっちりやれるように、事件の目撃者探しを含め、もう一度、関係者全員の“足跡”を辿ってみいや」

――ヘイ、合点承知の介! (了)









2015年9月1日配信「東京仙人島通信局発ミニ情報」<連載>



 失語症には精神形成期に起こる小児失語が多い。言語発達障害、遅滞、後天的失語に大別される。神経症候でいえば構音障害に入る。理由としては心因性と器質障害に分けられる。さまざまな類型症例がある。何を訊いても一つことしか喋らない残語症。喋りまくるが錯誤の頻発で意味をなさないジャルゴン発話。教えれば仮名は書けるようになるが表意文字が理解できない。文法障害では“てにをは”が抜ける。動詞・助動詞の活用がでたらめになる。聴力は正常だが語音の弁別ができない。音読はできても意味が理解できない――。
 類語の一つに全失語症というのがある。しかし、その場合は残語がある。それに表意文字の黙読できる率が高い。【『デビルズ・アイランド』・西村寿行・角川書店】


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<社会>

★「極悪火事場泥棒!?」…東京都が宿泊費などを支援する「被災地応援ツアー」「東京さくらツーリスト」が架空ツアーや参加者水増しで235万5000円(1085人分)を詐取。

◆「神奈川県で連続爆発事故」在日米陸軍相模総合補給廠(相模原市)と日鉄住金鋼管川崎製造所(川崎市)で爆発、火災事故。

★「ようやくの逮捕状!?」…京都地検特別刑事部が「佐川印刷80億円流出事件」で海外滞在中の元財務担当役員Y某電子計算機使用詐欺容疑で国際海空港手配。

◆「遅まきながらのイエローカード!?」…厚生労働省が国への副作用報告を怠った「ファイザー社」に医薬品医療機器法違反で業務改善命令。

◆「100年目の分裂!!」弘道会派主導の組運営めぐって不満充満の「山口組」から山健組派13団体が離脱、新団体を結成。(オモテもウラも分裂流行り!?)

★「次の焦点は2項道路の廃道申請!?」…膠着状態の川崎・東田町物件で「成南住宅」管理のプレハブ住宅撤去で残るはラーメン屋タコ焼き屋。


<政治>

★「断じて違憲・廃案!!」「ちょっぴりであろうと、たっぷりであろうと憲法9条の下では集団的自衛権は行使できない」「安倍政権は憲法解釈の理論的整合性と法的安定性を覆そうとしている」「立憲主義の危機だけじゃない。知性の危機、学問の危機、大学の危機に私たちは同感して立ち上がったのです」「安倍政権は野蛮そのもの。文明対野蛮の対立だ」etc――元最高裁判事、元内閣法制局長官らを先頭に日本の法曹関係者(52弁護士会)と学者(108大学)ら300人が勢揃い、安保法案の廃案に向けて猛アピール。

★「寄らばシンゾウの陰!!」細田派(95人)額賀派(53人)岸田派(45人)麻生派(36人)二階派(34人)石原派(14人)山東派(10人)――どいつもこいつも意気地なしで自民党総裁選はシンゾウ首相の無投票再選で決まり。(3年間の冷や飯が怖い?)

★「幼稚、反知性の極み!」「本を読まない人、理詰めに考えない人の特徴が安倍首相の言説によく表われています。そういう人は権力者になってはいけない」「話が5分以上もたない。なぜなら耳学問で本質的にものを捉えようとしないからです」――“右派”の論客・保坂正康氏『サンデー毎日』(8/23号)誌上でシンゾウ政権を徹底批判。

◆「やっぱり辞〜めた!!」シンゾウ首相が中国から招待を受けていた「抗日戦争勝利記念式典」への出席を見送り。

◆「舌は何枚?」「朝鮮半島有事の際の自衛隊派遣は憲法上許されない」――シンゾウ首相が参院予算委員会で朝鮮半島での集団的自衛権行使を否定。

★「お粗末会見!!」「私は被害者!!」――武藤貴也衆院議員「未公開株詐欺疑惑」について身内マスコミ集めて40分の釈明記者会見も中味スカスカで逆効果の巻。

★「未公開株の次は未成年買春疑惑」未公開株詐欺疑惑で自民党を離党した武藤貴也衆院議員が今度は「未成年買春疑惑」で火だるまの最中に頼みの宮崎資紹介秘書が逐電のドタバタ!(☚『週刊文春』)

★「同情?or皮肉?」「あの日に腹切っときゃいいんだよ」――鴻池祥肇・参院平和安全法制特別委員長がツイッター投稿で批判の的にされた礒崎陽輔首相補佐官に“ひと言”!?

◆「情報収集強化を名目にドサクサ紛れの掴み銭?」…内閣官房が平成28年度予算で222億円増1313億円を概算請要求。

◆「新代表は恭子婆ちゃん!!」「次世代の党」代表選めぐって“自民党追随”の中山恭子参院会長と対立した“是々非々路線”の松沢成文幹事長が離党届を提出、無所属に。

★「分裂秒読みで政界引退撤回のドタバタ!?」…「永田町の病に大阪が巻き込まれている場合でない」――トオル大阪市長(維新の会最高顧問)イチロー大阪府知事(同党顧問)が揃って離党、10月に大阪選出の国会議員12人引き連れ「大阪維新の会」結成を表明。

◆「本業多忙につき〜!?」次期大阪府知事、市長選(11/22)に俳優の辰巳琢朗さんが自民党公認で立候補の噂も本人は全面否定。

◆「数学コンプレックス?」「女性にsin、cos、tanを教えて何になる」――伊藤祐一郎・鹿児島県知事が女子高生に対する教育会議で言わずもがなの持論を展開。(バカ!)


<経済>

★「表口から出て裏口からカムバック!?」…引責辞任したはずの小林清志・前東芝副社長がこっそりと半導体部門顧問“復職”の怪!!(ケジメなし!!)

★「次は三信電気」村上世彰氏率いる「C&Iコーポレーション」が保有株買い増し(8.66%)で半導体商社の「三信電気」に照準

◆「“落ちこぼれ生命”買収で首位奪回!」敵は「かんぽ生命」?――「日本生命」が今年度中に「三井生命」3000億円超の買収、完全子会社化を決定。

◆「新規巻き直し」…2019年にマザーズ上場も業績不振で21年に上場を廃止したテーマパーク「USJ」(大阪市)が12月に東証1部に再上場。

◆「もうはまだなり!?」「金融市場は中国経済に悲観的になり過ぎている」――黒田東彦・日銀総裁が「ジャパンソサエティ」(NY)で講演、中国経済の急減速説を否定。

◆「売り食い!?」…お相手は「ジャパンディスプレイ」か「鴻海精密工業」か?――経営再建中の「シャープ」が年内にも主力の液晶事業部門の売却を検討中。


<海外>

◆「台本通り?」…2016年米大統領選民主党候補にヒラリー・クリントン前国務長官の“失速”でジョー・バイデン副大統領の出馬が決定的。

★「畏れ多くも何たる暴言!!」「昭和天皇には中国への侵略戦争の主な責任があり、その後継者である天皇陛下は先の大戦について謝罪すべきだ」――中国・光明日報が無礼極まる記事を掲載。

◆「中韓共闘パフォーマンスで日朝を牽制?」韓国・朴槿恵大統領が中国「抗日戦争勝利記念行事」への出席を表明。

◆「いやはや〜!?」…個人情報流出で世界で3800万人登録(日本人180万人)の不倫SNS「アシュレイ・マディソン」に米国人8人がロサンゼルス地裁などに損害賠償請求訴訟。

★「イガ○キは洋の東西を問わず!?」「株価下落は中国のせい」「ケネディは駐日大使失格」「韓国を守る必要はない」「日米安保条約は不公平」――米・大統領選共和党候補に名乗りを上げたドナルド・トランプ氏がアジア叩きで連日の怪気炎。


<原発>

◆「苦渋の決断」…お魚さんも渋面?――全国漁業協同組合連合会がサブドレンから汲み上げた汚染地下水の海洋放出を決定。


<訃報>

✿世界最高齢の女子アナ・森シノさんが老衰のため死去。享年111歳。合掌。

✿奇術師の北見マキさんが肝臓ガンのため死去。享年74歳。合掌。

✿児童文学作家の岸なみさんが老衰のため死去。享年103歳。合掌。

✿詩人の井上輝夫さんが肺線維症のため死去。享年75歳。合掌。合掌。







2015年8月31日配信「沓掛龍之介の株式道場」<連載>


◆今週の日経平均株価の動向

 想定内の下げ幅1358円〜1845円を遥かに越える2813円下げの1329円戻し。“ジエットコースター”さながらの乱高下に見舞われた株式市場でした。しかし、あの大暴落の最中にも17673円を割らずに19000円を回復したことで、当面の底は打ったと判断していいと思います。また、下落時の売買高が異常に増加したことで、20000円以上の仕込玉は殆ど整理されたと思われます。このことから今後の戻りは、想像以上に早くなると当欄は見ています。今週の下値メドは18550円、上値メドは19450円。注目の癸毅横牽后屮璽縫恒田HD」、癸隠牽隠魁嵒堝哀謄肇蕁廖↓癸毅僑隠粥崟邏HD」も相当に下げましたが、ここはナンピン買い方針で。【龍】


☆中期推奨銘柄

★1813  不動テトラ
<東証1部・8月28日171終値円>



☆中期推奨銘柄

★5805  昭和電線HD
<東証1部・8月28日終値 87円>




☆中期推奨銘柄

★5614  川金HD
<東証1部・8月28日終値376円>
















2015年8月29日配信「週刊0510からのナイスなお知らせ!――新作DVD『橘あきらの伊香保温泉紀行』を希望者先着10名様にプレゼント中!!」







まぶた閉じれば 哀愁の街
尽きぬ思いを 心残して生きた
今日は湯の香に漂う 一人の旅路
来ました湯の町 夢の中まで
思い出すのは 霧の階段 
伊香保の町

 独り、わずかな月あかりのなかで手を合わせて言葉を紡(つむ)いでいます。合わせた掌(てのひら)は、月あかりと同じような透明感に包まれています。
 遠くに宿の灯りが見えます。あるともない微(かす)かな風で芒(すすき)の穂が揺れています。
 この風は、遠い遠いわたしたちふたりの過去から渡ってきた悠久(ゆうきゅう)の風でしょうか。
 時は過ぎても、心のなかは昔のままのような気がします。不思議な不思議な気持ちです。
 閉じたまぶたのなかで、今、わたしはあなたさまと語ります。帰りたくても帰れなかった故郷で、わたしはあなたさまと語ります。

あなたと歩いて 夢追った町
忘れられない すずかけ小道あかり
祭りばやしの太鼓に 声はずませた
揃いの浴衣も あなたと二人
夜のツツジも 赤く燃えます
伊香保の町 


 これからお話しすることは、あの頃の、わたしとあなたさま、ふたりの短い短い物語です。とは言ってみたものの、さて、何から話したものでしょうか。
 そうですね。――まずは、ふたりの馴れ初め(なれそめ)からお話ししましょうか。
 あなたさまと知り合ったのは、この国が敗けた戦争の傷跡もようやく癒(い)えた頃のこと。――ふたりが数え十五の歳の秋でした。
 会うたびの何気ないあなたさまの優しい言葉に、いつしか、淡い淡い恋心を抱いたのが十七歳の夏でした。
 今、手をつなぎ石段を歩いた時のあなたさまの手の温もりを感じます。「幸せになれますように」――短冊に幸せ願った七夕さまの夜、見上げた空に天の川。ツツジ咲く道を揃いの浴衣で歩きました。思いがけず、湯けむりのなかであなたさまに肩を抱かれました。そうそう、富岡製糸場の帰り道、水沢の観音さまに手を合わせ、ふたりで食べたお饂飩(うどん)の味が忘れられません。
 帰らない昔が走馬灯(そうまとう)のように思い出されます。   

別れ間際の 思い出榛名
ほほにひとひら とけた雪物語
なぜに消えゆく白い花 運命の命
凍てつく湯けむり 未練つないだ
忘れられない 今日も来ました
伊香保の町


 ともに白髪の生えるまで、末を誓ったふたりにとって、毎日毎日が狂おしいほどに楽しい時期でした。親の許しもそこそこに、かわいい“宝物”も授かりました。
 でも、運命といわれればそれまでですが、そんな幸せな日も長くは続きませんでした。思いもよらない凶事(まがいごと)が、あなたさまとわたしの仲を引き裂いだのです。 
 なぜ、なぜ?…目の前が真っ暗になりました。
 乳飲み子(ちのみご)抱いてわたしも一緒について往きたいと泣いて縋(すが)れど詮(せん)なきこと。体の芯(しん)に氷柱(つらら)を呑んだような悲しみを今でも忘れることはできません。
 あなたさまのいない伊香保の町は、わたしの心に大きな穴を空けました。
 もう二度と、もう二度とこの町には帰りません。――涙ににじむ榛名山に見送られ、わたしはレールのない夜汽車に乗りました。
 そして今日、あなたさまに会いたい一心で、捨てたはずの伊香保の町に帰って来ました。――ふたりで過ごしたあの日、あの時に返るために…。 【桂】









2015年8月28日配信「父唱娘随!?――27歳の娘をファンドの盟主にした村上世彰の本質と実力」<経済>



 ベールに包まれていた27歳のファンドの盟主・村上絢女史が、8月21日、「黒田電気」の臨時株主総会に登場、マスコミは父・世彰氏に似たクリッとした目と、鋭い舌鋒を持つ同女史を一斉に報じた。

 彼女は、慶応大学を卒業後、外資系金融機関に2年半、勤めて旧村上ファンド入りした。

 旧村上ファンドは、再編整理のうえ、投資部門を「C&Iコーポレーション」がまとめ、不動産部門を「南青山不動産」が担当する。

 ともに今年6月からは絢女史が代表を務めており、文字通り村上グループの“顔”となった。

「黒田電気」が発行する株式の約16%を握る村上グループは、世彰氏ら4名の社外取締役の選任を提案。説明に立った絢女史は、「黒田電気」の不十分なコーポレートガバナンス(企業統治)を指摘、利益の株主への100%還元を迫った。

 やっていることは、06年、ニッポン放送株をめぐるインサイダー事件で逮捕された時とまったく同じで、経営陣の不備を付き、配当戦略の見直しを迫って他の株主の賛同を得ながら会社側を揺さぶり、高値売却を狙うものである。

 違いは、「物言う株主」に対する証券界の受け止め方だろう。

 10年前は、「自分の利益だけを追う証券秩序の破壊者」として東京地検特捜部に狙われて獄に落ちたが、今は、東証が適用した企業統治指針(コーポレートガバナンスコード)によって、物言う行為に理が生まれた。

 上場企業は、企業価値の向上策や株主還元の考え方について、株主に、より明確な説明責任を果たさねばならなくなった。

「時代が父に追いついた」

 先行して登場した米紙のインタビューに、絢氏はこう答えた。

 そう、世彰氏はまったく変わっていない。

 長年の知人が世彰氏の“復活”をこう評する。

彼の本質は相場師。安いところで買って高く売る。企業経営をするつもりはないし、その才能もないから、『物言う株主』として会社を揺さぶり、経営改善と配当性向を高めることを約束させて株価をあげ、売り抜ける。不動産も同じ。リーマンショック後、不動産価格が安過ぎるということで買い集めた。ただ、不動産には『物言う場』がないから、売り抜けには時間がかかる」

 違いは資産規模だろう。

 かつて村上ファンドは、ファンドブームの流れに乗って、資産規模4000億円を超えた。

 だが、規模が大き過ぎて“鯨”となり、小さな池で身動きが取れなくなって、阪神電鉄株買い占めのような無理をして、国民の顰蹙を買い、特捜部出番のきっかけを作った。

 今は、資産規模は約1000億円。しかも村上家のカネである。

「C&Iコーポレーション」は投資家のカネを預かっていない。

 つまり村上父娘はファミリーオフィスを運営するわけで、買い時も売り時も会社への要求も、誰にも遠慮する必要がない。

 相場師である世彰氏は、友達を持たない。

「カネがすべて」の価値基準で、カネを生まない人はパートナーではなく友達でもない。

 かつて「村上ファンド」を立ち上げた時の最初の仲間である丸木強、滝沢建也の二人とは事件化後、配当をめぐってケンカ別れ。その後を支えた投資、不動産両部門の幹部たちもほとんど残っておらず、不動産部門の責任者とは訴訟沙汰になっている。

 ヤマダ電機株などで猛威を振るい、「村上ファンドの別働隊」と評されるファンドの「エフィッシモ」は、代表の高坂卓志氏が村上ファンド出身なので投資の手法は似ているが、連動しているわけではない。

「企業分析、経済や景気の先読みは超一流。でも人情味はなく人としての魅力はない。彼と組むことはもうない」

 かつての仲間の多くが、こう漏らす。逆に言えば、だから娘の絢氏との二人三脚なのだろう

 1000億円は、単一ファンドとしては十分な規模である。

 今後も、物言うファンドのオーナーとして、企業を揺さぶり、高値で売り抜け、資産を積み増す。――が、それ以上でもなければそれ以下でもない。

 日本経済に何かもたらすわけでも、企業秩序にインパクトを与えるわけでもない。目的はカネ儲けのみ!――それが新生・村上ファンドの本質であり実力である。【丑】







2015年8月27日配信「週刊0510・読者の投稿写真」<寄稿>













横浜港花火大会












2015年8月26日配信「人生本因坊師の甘辛時事問答」<連載>


初出/https://twitter.com/kinokuniyanet/status/634011031803572224



――お盆も過ぎたというのに、ホンマに暑いでんなあ。身体が溶けそうですわ!(パタパタ)

本因坊師「黙らっしゃい!(怒)何や、その下品な言葉遣いは!――畏れ多くも阿波蜂須賀藩御用の商人として苗字帯刀を許された我が〜〜」

――(また先祖自慢が始まった!)分かりましたよ。すんません。あんまり暑いので、ついつい〜。

本因坊師「『心頭滅却すれば火もまた涼し』――ガンガンやらにゃ!」

――(チッ!)

本因坊師「ン? 何か言ったか?」

――いえ、何も。老師も御年なんですから張り切りすぎると熱中症になりますから、程々にお願いしますよ。

本因坊師「さてと、今日は何から始めようかのう?」

――色々ありますが、渦中の武藤貴也衆院議員の未公開株詐欺疑惑なんかどうですか?

本因坊師「大口叩いて、いざ尻に火が付くと、さっさと離党。あんなボンクラ代議士が“先鋒”とは、ちょっと役不足だが、お盆休み明けの“サンドバッグ”には、丁度エエかもしれんのう(笑)」

――この事件をスクープした『週刊文春』(8/27)によれば――「値上がり確実な未公開株(公募株)が『国会議員枠』で買えると、23名の出資者から4100万円を集めたものの、買えなかったばかりか、今なお700万円が未返還」――というんですから、投資詐欺と言ってもおかしくない酷い話です。

本因坊師「何ちゅう銘柄や、その未公開株は?」

――昨年末に上場した「CRI・ミドルウェア」(3698・マザーズ)で、初値(11/27)は、13500円と公募価格(2400円)の5.6倍の値段(その後の高値16000円)を付けたそうです。

本因坊師「何をやっとる会社や?」

――ゲームソフトです。

本因坊師「株主は?」

――「セガ」です。

本因坊師「ナヌッ!――匂うな!(笑)」

――何が匂うんですか?

本因坊師「まあな。――しかし、『国会議員枠〜』とは、20世紀末(1988年)の『リクルート事件』を彷彿とさせる話やないか(笑)」

――同社の幹事証券の「HS証券」をはじめ、関係者は一様に「国会議員枠なんてない」と否定していますが、実際のところは、どうなんでしょうか?

本因坊師「どうだろなあ(ヒヒヒ)――『HS証券』といえば、2006年1月には、副社長だった野口某の怪死事件もあったし…(笑)」

――さっきからの奥歯にモノが挟まったような言い方は気になりますが…?

本因坊師「それはそうと、ボンクラ君の政策秘書は、確か久間章生・元防衛相の秘書をしとった宮崎某だが、アイツは今回の事件には関係ないのか?」

――大ありです。「宮崎秘書の知人が、『HS証券』の会長(S某?)と知り合いだから公募株が入手できる」という触れ込みだったそうです。

本因坊師「やっぱり一丁、噛んどったか!(笑)――宮崎というのは、まだ久間がバッジを付けている時代から、とかくの噂がある奴だったからなあ(苦笑)」

――しかも、未返金の700万円というのは、宮崎秘書が他に流用してしまったそうです。

本因坊師「『昔大臣、今ブローカー』――元の親方は親方で、不動産だ、ダイヤモンドだ、補助金だと、ややこしい話に首を突っ込んで晩節を汚しっ放しやし(苦笑)親方が親方なら子分も子分。『傷だらけの人生』の歌詞通りの醜態だわな。♪♪右を向いても左を見ても〜バカとアホウの〜♪♪

――STOP!老師の十八番は後でゆっくり拝聴させて貰いますから。――当の武藤議員は、週刊誌の取材には、まるで被害者みたいなコメントを出していたくせに、さっさと離党届を提出してしまいました。

本因坊師「離党届は表向きの話で、実際は『バカタレ!安保法案の強行採決前に何ちゅうことをしてくれたんや!』と“シンゾウ組”から“破門”されたんじゃろう(笑)」

――学生デモに対して余計なことを言ったばっかりに、10ヶ月も前の“詐欺事件”まで蒸し返されては、政治生命は風前の灯。彼に1票を入れた滋賀4区・60460人の有権者も、さすがに目が覚めるでしょう。

本因坊師「『陰徳善事』――近江八幡の有権者には、次回の選挙では、あんな利己的なボンクラと対極にある人物を選んで欲しいもんや」

――この後は、“盗っ人デザイナー”と、傷害罪で起訴された“登記の魔術師”を俎上に上げる予定だったのですが…急に腹が痛くなったので、すんませんが、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。

本因坊師「ン?――どこかの誰かさんと同じ症状やな(笑)」 (了)








2015年8月25日配信「東京仙人島通信局発ミニ情報」<連載>


 2005年、聖域なき構造改革を唱えた小泉内閣が、「郵政民営化一本」で選挙に大勝してから、はや10年――。自民党から民主党、そして自民党へと政権が移り変わり、ついに「日本の聖域」であった日本郵政グループが株式を上場する。しかし、その内訳は、当初の構造改革の本筋から大きく外れた、市場の掟破りとも思えるシロモノだった。
「親」である日本郵政と、「子」であるゆうちょ銀行とかんぽ生命が、同時に株式上場――。それは利益相反であり、欧米の市場では「禁じ手」とされている。さらに「親」の株を政府が持ち続け、結果的に国が「子」である民間金融の株主に――。そんな国家は世界広しといえども「日本だけ」である。例外中の例外を押し通した官邸、官庁、財界重鎮……それぞれの思惑が複雑にからみ合ったまま、「いびつな親子上場」を迎えるのだ。
 果たして、その「被害者」は誰か――。ときの政権に翻弄される全国23万人の郵政グループ従業員か。戦々恐々とする民間金融、保険、物流、通信業界の競合他社か。それとも無謀な上場失敗の際にツケを払わされる国民か……。
 世界中の投資家が注目する、アベノミクス最終章「郵政上場」――。最後に笑う「勝者」はいったい誰なのか?(別冊宝島『日本郵政の闇』)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<社会>

★「不起訴に異議あり!」…東京地検が不起訴にしたシンゾウ首相の資金管理団体「晋和会」の政治資金規正法違反事件について醍醐聡東大名誉教授らが検察審査会に不服申し立て。

★「雉も鳴かずば撃たれまいwww」「国会議員枠の株ありまっせ!」――学生デモ批判のスカタン衆院議員・武藤某に4100万円の未公開株(「CRI・ミドルウエア」)詐欺発覚で自民党から“破門”。オヨヨ!?(☚『週刊文春』)

★「断末魔!?」受賞辞退のカウントダウン開始?――東京五輪エンブレム盗作疑惑いかさま研チャンに今度は東山動植物園(名古屋市)のシンボルマークにもパクリ疑惑。(パクリ常習犯?)

★「ドロボー擁護してどうするの?」「われわれの説明に耳を傾けようとせず提訴したのはけしからん!」――東京五輪組織委員会が提訴したベルギー人デザイナーを猛批判。

★「一刀両断!」尾木ママ「日本の恥!」デザイン盗作家・佐野某氏を強烈批判!

◆「強姦チョーさん」…愛知県警が同県警北署の望月某巡査部長強姦未遂と住居侵入容疑で逮捕。

◆「一罰百戒!」…神戸地検が号泣元県議・野々村某詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の罪で起訴。

★「元凶は3層構造!」「今回が特殊なケースではないと思う」――年金情報流出事件水島藤一郎・日本年金機構理事長が“グータラ体質”健在の年金機構の体質を謝罪。

★「西室式老醜人事?」…自浄能力ゼロ原因究明もせぬままに“戦犯”(木偶の坊社長&ボンクラ取締役会議長)残留で「東芝」新体制の前途は多難!?

◆「流用拡大」…警視庁捜査2課がビットコイン取引所「マウントゴックス」マルク・カルプレスCEOを3億2100万円の業務上横領容疑で再逮捕。

★「節穴トリオ!?」…被害者の証言は嘘だった!――強姦罪で服役中の受刑者に大阪地検が無罪判決を請求。(裁判官・検察官・警察官も全員がデタラメ証言を盲信のお粗末)

◆「国際海空港手配」…京都府警が米国在住の「FC2」開設者に電磁的記録媒体陳列容疑で逮捕状。

★「泉下の親父が泣いている!?」指南役は往年のフィクサーのお孫さん?――スキャンダル一過でようやく本業回帰も束の間、「F薬品」2代目社長が“夜の帝王”目指して連日連夜、ネオン街で猛特訓の噂?

★「3000万円買い気配でスタート!?」「六本木駐車場傷害事件」で起訴された“登記の魔術師”が慰謝料3000万円を提示も松葉杖の被害者・K某は強気のNO回答


<政治>

★「知性ゼロ!」「まあいいじゃん。それで!」――シンゾウ首相の安保法案参院特別委員会でのガキ丸出し発言鴻池委員長がイエローカード!!

★「嘔吐の次は吐血」…容態悪化は「早く辞めろ」の天の声?――氾濫するシンゾウ首相健康不安説にポスト安倍狙う派閥領袖たちは気も漫ろの巻。

★「参議員の鑑!!」「参院の役割は衆院の拙速を戒める立場だ」――鴻池祥肇・参院安保法案特別委員会委員長が「総裁選の日程と安保法案の決議時期」は関係ないと一喝。

★「大企業栄えて民疲弊!?」「GDPはマイナスでも景気は回復傾向にある」――甘利経済担当相実質GDP▲0.4%(2015年4~6月期)でも自画自賛のノー天気発言。

★「腰抜け茂ちゃん!」つまりは根性無し!!――石破茂・地方創生担当相があれこれ屁理屈並べて自民党総裁選立候補を断念。

★「署名数が1300件を突破!」「反戦平和は池田大作先生の教え」「創価大学の建学の精神に反する」――公明党の支持母体・創価学会内部で安保法案反対の声続々!!

◆「国交相は予言者?」「今でも箱根駅伝は出来る」――噴火騒ぎの箱根町を訪問した太田昭宏・国交相が地震学者顔負けのご託宣。

◆「不戦勝」…岩手県知事選で達増拓也現知事が無投票で3選。


<経済>

◆「スキーム崩壊!?」…売り上げ激減のカタログ通販大手「ニッセン」(社員1400名)が120名の希望退職を募集。

◆「3社目の海外企業買収」「キリンHD」がミャンマーの「ミャンマー・ブルワリー」を697億円で買収、連結子会社化。

◆「新・大塚家具設立?」「匠大塚家具」で巻き返し!?――大塚勝久・前大塚家具会長が保有株95万株売却(17億円)で“軍資金”を確保!?

★「月に叢雲花に風!?」「富士フィルム」が特許権侵害で「DHC」のスキンケア化粧品の製造販売差し止めと損害賠償求め告訴。

◆「将来への布石!?」ニヶシュ・アローラソフトバンク副社長が自己資金600億円で自社株購入を発表。

◆「沈没船からネズミが3000匹!?」…経営再建中の「シャープ」が募った希望退職者3234人が9月末に退社。

★「親娘揃ってモノ言う株主!」「黒田電気」の臨時株主総会で村上世彰氏ら4人を社外取締役に選任する「C&Iホールディングス」の株主提案を反対多数(60%)で否決。


<海外>


◆「犯人はタクシン派勢力!?」タイ・バンコクのエラワン寺院近くで爆弾テロ、死者20名以上の大惨事。

◆「臓器ひとつあたり30〜100$!!」…米・NPO団体「全米家族計画連盟(PPFA)」臓器売買疑惑が政治問題化の兆し!?

◆「ユーロ圏残留の信任選挙!」チプラス・ギリシャ首相が政権基盤の強化狙って辞職、解散・総選挙へ。


<原発>


◆「早々のトラブル!!」九州電力・川内原発が冷却用配管の水漏れで本格稼働を延期


<訃報>

✿米公民権運動の指導者ジュリアン・ボンドさんが死去。享年75歳。合掌。

✿イラストレーターの柳原良平さんが呼吸不全のため死去。享年84歳。合掌。

✿ジャズ評論家の奥成 達さんが腎盂ガンのため死去。享年73歳。合掌。

✿映画監督の大嶺俊順さんが腸炎のため死去。享年81歳。合掌。

✿テレビプロデューサーの岩永 恵さんが死去。享年70歳。合掌。









2015年8月22日配信「週刊0510のおススメ舞台」














2015年8月21日配信「すべては安保法案成立までの“アテ馬”?――成長戦略なきアベノミクスはやっぱり失敗!!」<政治>


三本目の矢はナシ?


 自民党は、「浮かんでは消える」を繰り返してきたIR(統合型リゾート)推進法案の成立を、また断念した。

 通称「カジノ法案」は、アベノミクスの成長戦略の象徴とされ、安倍晋三政権は、早期に法案を成立させ、2020年の東京オリンピックまでにカジノをオープンさせたいとしていたが、ほぼ絶望的な状況である。

 昨年の通常国会で法案成立が期待されたもののダメになり、昨年秋の臨時国会では審議日数不足を理由に先送り。今国会では確実とされながら断念したのは、安全保障関連法案の成立に全精力を傾けるためだ。

 公明党は「ギャンブル依存性対策が不十分である」として、基本的にカジノ法案に乗り気ではない。

 安倍首相が、祖父・岸信介の“遺志”を引き継ぐ覚悟で取り組む安保関連法案が、公明党と協調しなければ成立しない以上、カジノ法案は断念せざるを得ない。

 逆に言えば、安倍政権にとってカジノとはその程度のもので、「アベノミクスの正体」が改めて明らかになった。

 アベノミクスを構成する三本の矢のうち、第一の矢は「金融政策」で、第二の矢が「財政出動」。そして第三の矢が「成長戦略」である。

 国家にとって、第一の矢である金融政策は、日銀の総裁のクビをすげ替えるだけでいいからラクである。

 事実、黒田東彦総裁は、期待通りの緩和政策によってカネを放出。ジャブジャブの資金が株に向かい、さらに、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のカネまで証券市場に回り、株価は右肩上がりを達成した。

 第二の矢である財政出動は、政治家のもっとも得意な景気刺激策、すなわち税金のバラ撒きなので、震災復興、国土強靭化、東京オリンピックなどを材料に資金が投じられ、土木・建設業などは活況を呈している。

 しかし、第三の矢がない。

 規制を緩和して新規事業を育成、日本を成長戦略に乗せるという触れ込みだが、そもそも既得権益層に取り込まれている自民党が、業界を守るカベを壊すことなどできない相談だった。

 そういう意味では、法案など制度設計をする必要はあるが、まだ存在しない分野なので、競合相手となる既得権益層がいないカジノは取り上げやすい成長戦略だった。

 強いていえば、パチンコ・パチスロ業界が唯一の競合相手だが、客層が違うし、「セガ・サミー」「ユニバーサル・エンターテインメント」などのゲーム機業界は、むしろ積極的な推進派で、「ギャンブル反対」の共産党や公明党の一部を除いては、政界も圧倒的多数は推進派だった。

 それでもカジノ法案は蚊帳の外である。

 安倍首相にとっての優先度が、それほど高くない証しであり、成長戦略にそれほど力を入れていないことを証明している。

 今、世界が期待する成長戦略は、ITとスマホ、それに人工知能を組み合わせた新しいサービスの提供で、その典型例が、大前研一氏が「アイドルエコノミー」と呼ぶ分野である。

「アイドル」とは、AKBのようなアイドル(idol)ではなく、「働いていない」「使われていない」を意味するアイドル(idle)のことで、空いているリソース(資産)、空いているキャパシティ(容量)、空いている時間や能力をビジネスに転化するものであり、この分野で期待される企業が配車アプリの「Uber」(ウーバー)であり、空き部屋民泊の「Airbnb」(エアビーアンドビー)である。

 単なるスマホを利用したサービスと受け取られがちだが、その先にあるのは、タクシー・運送・流通・ホテルなどの業界革命であり、今では世界中から資金を集め、両社とも時価総額数兆円に達している。

 が、その分、既存秩序との軋轢を生むのは必然である。

 日本では、国交省が「Uber」の新たなサービス形態を早々に「白タク」として否定、「Airbnb」のサービスを旅館業法違反で許さない。

 株価の維持こそがアベノミクスと信じる安倍政権には、破壊者の論理と将来性を採り入れる気持ちなど寸分もない。

 それを如実に物語っているのが、カジノ法案に対する熱意のなさであり、真に国民が危惧すべきは、カジノの将来性云々ではなく、成長戦略を安保の“出汁”に使って恥じない安倍首相の姿勢である。【卯】






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