2018年11月17日配信「レイプ疑惑の山口敬之氏の次はLGBT差別の小川榮太郎氏――安倍首相の周辺文化人が、次々に騒動を巻き起こす理由」<事件>

 


 今年のノーベル平和賞は、性的暴力の被害を訴える人権活動家のナディア・ムラドさん(25・イラク)と、性暴力被害者の治療を行なってきたデニ・ムクウェゲ医師(63・コンゴ民主共和国)に決った。

 世界的な「Me Too(私も)運動」の高まりを見るまでもなく、性に対する差別や暴力は、忌むべき事として企業、学校、家庭などあらゆるコミュニティから排除されている。

 その流れを象徴する受賞だったが、奇しくも日本では、それに逆行する言動の主たちが安倍晋三首相の周辺にいる。レイプ疑惑の山口敬之氏とレズビアン、ゲイなど性的少数者であるLGBT差別に対する擁護発言を行なった小川栄太郎氏である。

 『総理』(幻冬舎)などを著し、「安倍首相と最も親しいジャーナリスト」である元TBS記者の山口氏は、準強姦を行なったとして被害者の伊藤詩織さんから告訴された。

 刑事事件は不起訴となったものの、伊藤さんは『Black Box』(文藝春秋社)を著し、性的被害の傷跡の深さを訴えた。

 小川氏は、波紋を呼んだ杉田水脈代議士の「LBGTは生産性がない」という『新潮45』に掲載した論文を支持する形で、同誌10月号の「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という特集に持論を寄稿したが、「痴漢擁護論を並列させた“とんでも論文”」として批判され、同誌休刊の一原因となった。

 『約束の日 安倍晋三私論』(幻冬舎)を著した小川氏もまた、安倍首相との近さで知られるが、山口、小川の両氏が、性差別に絡んで登場するのは、決して偶然ではない。

 もちろん、安倍首相に性差別意識があるという意味ではなく、揉み手をして最高権力者に近寄ってくる“手合い”は、自分も権力者になったように錯覚、強圧的な言動が目立つようになるということだ。

 それは、自分に同調する人間を重用する安倍政権の姿に重なってくる。

 政治も経済も、権力が長期化すると、側近、イエスマンで周辺を固めるが、安倍首相も3選が目に入った昨年あたりから、その傾向が強くなった。

 進展するグローバリズムと高度化するIT社会は、二極化を生み、その流れについていけない多数派を排外主義の保守派に追い込んでいった。

 その動きに「美しい国」「愛国」「自立防衛」「教育改革」「憲法改正」を掲げる安倍保守政治がマッチ、支持率は衰えない。

 その高支持率に支えられ、政治家も官僚も安倍首相を向き、安倍一強に加担。そこには小選挙区制や内閣人事局といった権力基盤を強固にする制度改革もあり、その結果、明治以降の憲政史上、最長政権となることが視野に入ってきた。

 安倍首相と最も親しいジャーナリスト、評論家である2人には、安倍氏が第一次安倍政権を放り出した後、不遇となった時代から安倍氏を支えてきたという自負がある。

 また、ジャーナリスト、評論家だけでは食えないという現実が、山口氏を「スパコン事件」を引き起こした斎藤元章・ぺジーコンピューティング代表の顧問職にし、小川氏を「反安倍」のメディアを追い込む「放送法遵守を求める視聴者の会」など安倍周辺ビジネスの“主”にした。

 安倍氏との距離感を縮めるためには、無理な論を展開する必要もある。

 小川氏が上梓した『徹底検証 森友・加計事件』(飛鳥新社)は、その典型だろう。

 <安倍晋三は『報道犯罪』の被害者である>という言葉から始まる同書は、客観性を顧慮せず、『朝日新聞』をはじめとするメディアや野党の批判が目的である。

 それは小川氏の“立ち位置”なので当然といえば当然なのだが、問題は「安倍夫妻が森友学園や加計学園から何らかの便宜供与を受けたか否か」ではなく、「安倍周辺に配慮する政治家や官僚の意思決定そのものに問題がある」という事件の本質に思い至っていないことだ。

 同様に、「安倍周辺者」の小川氏は、安倍保守政治に連なる改憲派の杉田氏を応援せざるを得ず、その言動は自分の存在を際立たせるために、より過激にならざるを得なかった。

 また、既に過去の人になった感のある山口氏だが、その後遺症は今なお続いている。

 不起訴になったものの捜査段階では逮捕寸前であり、ストップをかけたのは菅義偉官房長官の“忠臣”といわれる中村格・警視庁刑事部長(当時)だった。

 中村氏の「事件潰し(逮捕見送り)」が週刊誌に報じられ、「出世の道は絶たれた」と、言われたものだが、大方の予想を裏切って、今年9月の警察庁人事で官房長となり、警察庁長官コースに乗っていることを示した。

 山口氏と小川氏が起こした事件は、安倍一強の保守政治のなか、「安倍周辺者」が関与したという意味で、政権長期化が生んだ“驕り”と読むこともできる。

 それが世界的に忌むべき事象の「性差別」であることは、安倍首相も真摯に受け止めるべきだろう。【辰】

 

 

 

 

 

 

 


2018年11月15日配信「第1号案件は『愛媛県松山市・ご当地アイドル自殺訴訟』――新ビジネス・『リーガルファンディング』の功罪」<事件>

リーガルファンディングとは、

なんらかの問題を抱えていて、 訴訟などの解決に向けて動いているが活動資金が足りない!
と困っている人を、募金で支援するサービスです。

(☚リーガルファンデイングHP)


 愛媛県松山市を拠点とするアイドルグループ「愛の葉Girls(えのはガールズ)」のメンバーだった大本萌景(ほのか)さんの自殺は、10月12日、遺族が所属事務所などを相手に約9200万円の損害賠償請求訴訟を起こしたことにより、法廷でその原因が探られることになった。

 脚光を浴びるご当地アイドルに憧れ、中学生の時に夢を叶えてメンバー入り、今年1月からリーダーを務めていた16歳の女の子に何があったのか。なぜ自殺を選んでしまったのか――。

 このニュースが全国レベルで伝わったのは、訴訟を起こした遺族の母・幸栄さん(42)と、姉・可穂さん(19)が、前日の11日、東京で記者会見、事務所で繰り返されたというパワハラ、「辞めるなら1億円を払え」という社長のプレッシャー、約束だった高校への転学費用12万円を事務所が支払わなかったことなど、所属事務所「hプロジェクト」(愛媛県松山市)の非を訴えたことによる。

 ご当地アイドルの自殺は、ワイドショーなどで数多く取り上げられ、それが事務所を糾弾する方向に向かうのも無理はなかった。

 ただ、提訴から少し時間を置くことで、事務所にだけ責任を着せるには、些かの無理があることも見えてきた。

 例えば、「直接の自殺の引き金が12万円を貸さなかった事にある」という点についても、事務所によれば、「わずか12万円を貸さなかったのは、その前提となる“約束事”が萌景さんとの間にあり、それが守られなかったためで、貸す準備はしていた」という。

 それにワイドショーなどでは、「本来、高校の費用は、事務所ではなく、親が出すべきじゃないの?」といった声も上がるようになり、女性週刊誌のなかには、義父と萌景さんとの確執を伝えるものもあった。

 また、「1億円発言」については、事務所社長は否定。さらに「脱退したい」という萌景さんに、マネージャーが「次、また寝ぼけたことを言い出したらマジでブン殴る」と、LINEで伝えたパワハラ行為については、その返信はアッカンベーをした萌景さんの写真で、じゃれ合いの雰囲気が伝わってくるものだった。

 もちろん、萌景さんの気持ちにまで立ち入ることはできないが、9200万円という請求額はいかにも重く、その背後には遺族の側についた弁護団の思惑もありそうだ。

 海外と比べて、圧倒的に芸能事務所の力が強く、芸能人の権利等が守られていないことから、芸能人の側に立つ団体として「日本エンターティナーライツ協会」が設立された。

 「レイ法律事務所」(東京都文京区)内に事務所が置かれ、広報担当を務めるのは、テレビ出演などが多い著名弁護士で、和歌山の「紀州のドンファン死亡事件」で若妻の弁護を引き受けた佐藤大和氏である。

 そして、同協会が立ち上げたのが、日本初のクラウドファンディングで依頼者の救済を行なう一般社団法人「リーガルファンディング」で、この「ご当地アイドルのパワハラ自殺訴訟事案」が、その適用開始第1号。原告代理人には、佐藤氏ら5人の「日本エンターティナーライツ協会」共同代表が就いている。

 「リーガルファンディング」のホームページでは、訴訟費用を支援する人たちの総数と金額を掲載、立ち上げから2週間でその数は340人を超え、200万円近くが集まったが、当面の弁護費用は賄える金額である。

 弱い立場を守ろうとする弁護士たちの意欲は理解できるし、芸能事務所の力が圧倒的に強く、権利が認められない芸能人の劣悪な環境は事実である。

 ただ、その第一号案件を大きくスタートさせるために、「ご当地アイドルの自殺を大きく取り上げ、事務所の非をあげつらい、話題を呼ぶ1億円訴訟にフレームアップしているのではないか」という声も少なくない。

 「クラウドファンディングを利用した裁判費用の調達」といった形態は、フィンテックブームのなか、今後、ますます増えることが予想されるだけに、その“功罪”を考察しておく必要がありそうだ。【丑】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2018年10月10日配信「仮想通貨取引所『ザイフ』から70億円を流出させた“戦犯”は誰か?」<事件>

 

 

 

 仮想通貨交換業者の「ザイフ」がハッキングを受け、67億円の仮想通貨を流出させた事件は、今年1月末に580億円が奪い取られた「コインチェック事件」に次ぐものだけに、「交換業者は、安全面がなってないから、やはりリスキーだ」と、仮想通貨に関心を寄せる投資家に冷水を浴びせかけた。

 しかも、この事件で問題なのは、「ザイフ」を運営する「テックビューロー」が仮想通貨業界でリーダー的存在の朝山貴生氏(43)の会社なのに、朝山氏が一切、表に出ることなく沈黙。記者会見すら開かなかったことだ。

 「コインチェック」の和田晃一良社長は、事件当時27歳。いかにも幼く、パソコンオタクの印象の和田氏は、難しい質問になると対応を大塚雄介取締役(37)に任せ、頼りなさを露呈した。

 この時、ブロックチェーン推進協会副理事長などの要職にあり、流出した仮想通貨NEMを普及させるNEM財団の理事でもあった朝山氏は、会見を開き、追跡可能なブロックチェーン技術を説明、事件の背景などを雄弁に語った。

 だが、自分の会社の不祥事となると貝になった。

 もともと「先見性があって技術力もある人だけど、コミュニケーション障害が指摘され、人付き合いが苦手。コインチェック事件後は、金融庁から厳しく詰められ、『ザイフ』の経営にも熱意を失っていた」(仮想通貨関連業者)という。

 若い業界だけに、仮想通貨の黎明期の頃から関わってきた朝山氏は、業界リーダーの役割を期待されてきた。

 学生時代に起業して成功を収めたというだけに、経営者暦は20年以上に及ぶが、その割には耐性がなく、失礼ながら責任感も使命感もない。

 「ザイフ」に不正アクセスがあったのは、9月14日の午後5時から7時にかけてで、17日に異常を察知、金融庁や大阪府警に被害を届け出ていた。

 そのうえで20日に発表するのだが、その時点で、ジャスダックに上場する金融情報サービスの「フィスコ」から50億円の金融支援を受けることで基本合意に達していた。

 「顧客を動揺させないため」というのは理屈だが、説明責任を果たさず、「フィスコ」に委ねて逃げている印象は否めない。

 金融庁に過去、2度も「業務改善命令」を出されていて、その改善がまったくなされていないのも罪深く、「人さまのおカネを与っている」という意識に欠けており、自力再生を早々に諦めた。

 そういう意味で一番の戦犯は朝山氏だが、金融庁の「どっちつかず」の姿勢が、不正アクセス事件の遠因である。

 仮想通貨を規制する法律はなく、昨年10月、資金決済法の改正で、業者登録によって業者の指導体制を確立した。

 だが、あくまで交換業者の「登録」を義務付けただけで、仮想通貨やトークンと呼ばれる通貨引換証の扱いや販売を禁じたわけではない。

 「あまり規制を強めると、将来、金融をリードするかも知れない仮想通貨や、それを成り立たせるブロックチェーンの事業展開を阻むことになりかねない、という思惑が働いた」(金融庁関係者)

 それが、「ノアコイン」、「スピンドル」といった怪しいコインの国内流通を許した。

 コインチェック事件後は、監視を強め、業務停止命令、業務改善命令を連発したとはいえ、金融商品取引法の範囲内に置き、金融庁の責任で取り締まるという方向には動かなかった。

 そこには、「地銀、ソーシャルレンディングと、ただでさえ問題が多い業界を抱えているのに、仮想通貨まで抱え込みたくない」(金融庁担当記者)という本音があるという。

 この金融庁「第2の戦犯」としたら、切り込むことができない警察当局「第3の戦犯」だろう。

 コンピュータに不正アクセスするハッカーの摘発が難しいのは確かだが、専門家によれば「コインチェック、ザイフともに内部に協力者がいるのは間違いない」と言われている。

 であれば、「コインチェック事件」の場合、関係者の聴取を通じて被疑者を絞り込み、サイバー犯罪対策課など専門部隊が総力を挙げれば、それなりの成果を上げることができるのではないか。

 にもかかわらず、事件後8カ月経っても、犯人像が浮かび上がって来ないのは、「2020年東京五輪のテロ対策などに人手を割かれ、被害救済の出来ているコインチェック事件が後回しにされているのが原因」(前出の事情通)ということで、仮想通貨の優先順位は低い。

 未熟で責任感の欠如した経営陣に、監督官庁の怯懦と捜査当局のヤル気のなさ!――これでは仮想通貨は、非中央集権の象徴として“将来の通貨”になるのは夢物語。いつまでも「危ない人間が操る怪しい通貨」の評価に留め置かれても仕方あるまい。【午】

 

 

 

 


2018年10月4日配信「オンラインサロンの会員を月額3万円で4000人集め、資産50億円を豪語する投資家KAZMAXとは何者か?」

 
KAZMAX氏(☚Twitter)

 

 

 

 ネット上のファンクラブであるオンラインサロンは、堀江貴文氏が月額1万円で2000人を集めており、閉じられた空間の情報コミュニティとして、ビジネス展開が可能であることを示した。

 堀江氏のように「本業が何かを、まったく意識していない」という人の場合、オンラインサロンはファンクラブとして機能し、ロケット開発などを堀江氏とともに夢見て事業化することもある。

 ただ、オンラインサロンが可能なのは、堀江氏のように、サロン主宰者が自分自身をブランディング化できる有名人、才能ある人という意味でのタレント、もとからのファンを持つ芸能人などである。

 「普通の人」は難しいのだが、それが「カネ回り」となると、恥じらいもない情報発信力で、一挙に会員を集めることができるのを証明したのがKAXMAXである。

 本名は吉澤和良で、1989年生まれの29歳。資産家の息子として恵まれた環境に育つものの、「親の倒産で連帯保証人にさせられて〜」という不幸な20代前半を送る。

 借金地獄から逃れ、カリスマ投資家(後述)の運転手になったのを機に投資の世界に入り、仮想通貨に関するツイッターでのつぶやきが次々に当たって人気を集め、今年8月に開始したオンラインサロンは、月額3万円ながら4000人を集めたという。

 一気に注目されるが、バッシングされるのも早く、オンラインサロンとして使っていたDMMには反社情報が寄せられて、DMMからは退出を求められ、別のプラットフォームに移って運営を継続した。

 9月25日には、「シェリングテクノロジー」が大阪で主催するイベントに出演することになっていたが、「中止しなければセミナーをつぶす」といった脅迫行為があったとして出演を見合わせた。

 本人が雑誌インタビューなどで語ったところによれば、仮想通貨の過熱感に疑問を感じ、暴落と反騰を上手く読み込んで、今年2月中旬までに6億円を稼いだという。また、仮想通貨というより、もともとは株や為替、先物のトレーダーで、これまでに築いた資産は50億円と豪語する。

 もちろん、そんな相場に強い天才トレーダーがいないわけではないが、1日に20時間もチャートを見て値動きを研究、「人間心理の集合体」であるチャート分析を得意とし、その典型が「三尊天井に表われる」というのだから、意外にクラシックだ。

 天才もカリスマも自称に過ぎないのではないかと思われる幼さだが、証券専門紙と情報誌、それに口コミに頼ることしか出来なかった加藤某氏や中江某氏の時代と違い、ツイッターやフェイスブックで情報を拡散できる現在、マメさと拡散のノウハウを持ち、仲間がいれば、どのような情報操作も可能。才能、能力以前に、KAZMAXはそれに長けた「現代の投資顧問」である。

 ただ、ネット上で「秒速でカネが稼げる」といった情報を流し、セミナーなどに誘い込んでカネを吐き出させる情報商材屋であるという過去が、KAZMAXにはついて回る。

 「反社とのつきあい」という批判は、猫組長などとの交遊を隠さないことから生じたものだろうが、情報商材屋の過去は消せない。

 前述の投資を覚えたカリスマ投資家とは、現在、「オウケイウェイブ」の社長を務める松田元氏のこと。幾つもの書籍を著し、投資の世界に誘い込む天才といわれる松田氏は、KAZMAXの5つ年上の34歳。情報商材の世界で浮上のきっかけをつかみ、平成松下村塾という投資セミナーを始めた。

 今は、仮想通貨にのめり込み、上場企業の「オウケイウェイブ」をそちらの方面にリード、仮想通貨Wowbitを使った感謝経済圏の確立、といった分野に取り組んでいる。

 ネット社会は、スマホの使い方に習熟、宣伝を兼ねた情報発信を、SNSを含めた様々な手段で行える若者に、飛躍のチャンスを与える。

 その手っ取り早い方法が情報商材で、松田氏がそうであったように、KAZMAXもサロン開設前には「超高速お金拾いシステム」という商材販売に加担した。

 バッシングとそうした過去は無縁ではなく、KAZMAXの猫組長、ウルフ村田といった人脈にも怪しさが漂う。

 「サロンという閉じられた空間」の中で、ツイッターでつぶやき続けており、今は放置されていても、登録免許を受けずに行う投資顧問業を、金融庁がいつまでも黙ってはいないだろう。

 カリスマ投資サロン主宰者の今後は、「スマホ時代の投資環境」の変化を占う意味においても要注目であろう。【酉】

 

 

 

 


2018年9月26日配信「危ない仮想通貨『ノアコイン』が上場を狙って仕掛ける『ビートHD』の株主総会(10月5日)の行方」<事件>

 
ビートHD東京オフィス
(wikipedia)


 「フィリピンの政・官・財・民が一体となって作る仮想通貨で、フィリピンの貧困問題を解決する」――千数百種類もある仮想通貨のなかで、集めたカネも話題性も筆頭といっていいのが「ノアコイン」だろう。

 そのノアコインの運営会社が、6月8日、ケイマン籍で東証2部に上場する「ビート・ホールディングス・リミテッド」(ビートHD)に事実上の買収を意味する株主提案を行ったことで、証券界に激震が走った。

 件の提案に対して会社側は検討を重ねて準備を整え、10月5日、都内で臨時株主総会を開き、提案を受け入れるかどうかを、その代案を含めて株主に諮ることになっているが、認められれば、仮想通貨が、企業買収という形で証券界に認知されることになる。

 詐欺的仮想通貨が9割以上と言われているなか、怪しかろうとなんであろうと、資金力があり、手続きに則って合法的に仕掛ければ上場企業にもなれるわけで、「仮想通貨の今後」を占ううえで注目すべき総会だ。

 そもそも、ノアコイン側が「ビートHD」に突きつけている提案自体、かなり脱法的である。

 提案では、日本で資金決済法上の登録を受けていないノアコインが、日本、北米、シンガポールなどで「仮想通貨取引所を開設する」と、宣言している。

 また、シンガポール、香港またはその他地域の完全子会社化によって、ICO(イニシャル・コイン・オファリング=新規仮想通貨公開)が適法な地域で、ICOを通じて約10億米ドル(約1100億円)の資金調達を行うとした。

 脱法的なビジネスを行えるのは、「ビートHD」がケイマン籍で規制がなく、香港、シンガポール。マレーシアに拠点があって、法の隙間を縫うビジネスが展開しやすいからだろう。

 当然、金融庁も東京証券取引所も、この提案を歓迎していない。

 金融庁は、巨額仮想通貨流出のコインチェック事件以来、仮想通貨の規制強化に務めている。

 今回の提案は、その措置に逆行する提案だし、東証にとっても投資家保護に問題がある仮想通貨の運営会社が、上場企業のオーナーとなることには反対だ。

 しかし、買収を阻止する法的手立てはなく、10月5日の結果を見守るしかない。

 そもそもノアコインは、販売手法に問題があるとして批判された。

 事前販売のプレセールが行われていたのが仮想通貨バブルに沸いていた頃で、ノアコインのことなど知らない歌手や俳優などを客寄せに使い、都市の大ホールを借り切って1000名以上の参加者を集め、セミナーが開催された。

 日本サイドのプロモーターを務めたのは、この種の情報商材の世界では著名な泉忠司氏で、“キング・オブ・コイン”の異名がある。

 その人脈を使った巧みな戦略もあってノアコイン人気は高まったが、その派手なセールスが仇となり、フィリピン政府は、「フィリピン中央銀行は、ノアコインには関係していない」とコメント。ノアコインに賛同しているというフィリピン航空や著名実業家も否定の見解を示し、「政官財民一体」であるハズのプロジェクトに冷水を浴びせかけた。

 普通であればここでポシャるところだが、ノアコインは巻き返す。

 その直後、泉氏は「日本のプロモーター」の立場で、一部に行き過ぎた表現があったことを認めて、フィリピン政府やフィリピン航空の関与を否定、返金に応じることを明らかにした。

 冷却期間を置いた上で、今年2月に再びプレセールを開始、100億円を集金。そのうえで3月に香港などで上場、その直後は1NOAH=4円弱をつけたが、やはり実態が伴っていないだけに下落。現在、0・13円前後に下落。発行残が915億8400万枚なので、時価総額は110億円強だ。

 このままでは「草コイン」といわれ、仮想通貨市場に沈む多くの仮想通貨と同じになってしまうが、もはやプレセールで集める材料はない。

 そこで次に考えついたのが、「ビートHD」という上場企業の「ハコと信用」を使って資金を集め、再浮上する作戦である。

 「ビートHD」は、提案に反対の立場で、ホワイトナイトとして他の仮想通貨と連帯する第2案、金融機関に第三者割当増資を発行する第3案を用意しているが、今のところ、第1提案のノアコインが有力だという。

 仮想通貨と証券界の今後を占う意味でも10月5日の株主総会から目が離せない。【辰】

 

 

 

 

 

 

 


2018年9月15日配信「沈黙を続ける岡野光喜スルガ銀行前会長を特捜部が手掛ける意味と意義」<事件>

ベルナール・ビュッフェ美術館
(☚wikipedia)


 「スルガ銀行」の創業家にして、社長、会長として30年以上も経営トップだった岡野光喜前会長の沈黙が続いている。

 「スルガ銀行」が融資していたシェアハウス業者の連続破たん以降、報道が相次ぎ、金融庁が調査に乗り出すなど社会問題化しているが、これまで釈明に務めてきたのは、米山明弘前社長であり、第三者委員会の調査報告書が発表された9月7日以降は、有国三知男新社長がメディアに対応している。

 シェアハウス「かぼちゃの馬車」を破たんさせた責任は運営会社の「スマートデイズ」にあるが、その商法は「スルガ銀行」の融資なくしては成り立たないもので、第三者委員会は「スルガ銀行の組織的不正」と断定した。

 そして、同行を個人ローン中心の不動産に特化した地銀に育て上げたのは岡野氏であり、組織的な罪を問われるなら、その責任を着せられるのは岡野氏である。

 「スルガ銀行」は岡野家の銀行であり、今も岡野グループで発行済み株式の約15%を保有している。

 岡野氏は、銀行経営者というだけでなく、ベルナール・ビュフェ美術館、井上靖文学館の理事長で、静岡県サッカー協会代表理事で「スルガ銀行チャンピオンシップ」という冠大会を主催する。

 静岡県内の政官界に人脈を築いているのはもちろん、慶応OBとして慶応義塾評議員を務め、福田康夫元首相など中央の政官界にも足場を築いている。

 本店は沼津市だが、岡野氏は東京に居を定めて、東京支店で陣頭指揮を取ってきた。

 地位と名誉を確立、報酬も「スルガ銀行」の好業績を映して、メガバンクトップを上回る2億円近くを受け取っており、配当その他を加えると、日本屈指の富裕層のひとりである。

 名門に生まれ、全てを手にした成功者が、家業からの撤退を余儀なくされ、収入も失った。失意のまま、言葉を発せず、表舞台を去ろうとしているのは、第三者委員会が認定した善管注意義務違反によって、民事上の経営者責任を問われ、株主代表訴訟の被告にされかねないからだ。

 会見に出ず、謝罪のコメントも発表しないのは、不用意な言葉を残したくないためだが、岡野氏は民事だけでなく、今後、刑事責任も追及される可能性が高い。

 岡野ファミリー企業には、大株主として名を連ねる「エス・ジー・インベストメント」、「エス・ジー・アセット」などの他に10数社の企業群があり、いずれも親族が代表を務めるが、「スルガ銀行」はそこに500億円内外の資金を投じているは、ほとんどが「お手盛り融資」であり、金融庁は厳しく調査している。

 また、そのほか岡野氏には10数億円の資金流用疑惑があり、そうした疑惑については、検察への告発となって東京地検特捜部の捜査となる。

 「スルガ銀行」は、地域社会への社会貢献として、長泉町東野に「クレマチスの丘」と名付け、「ベルナール・ビュフェ美術館」、「井上靖文学館」、銀行施設を保存する「スルガ銀行キャンパスカレッジ」などを設置している。

 「クレマチスの丘」は「スルガ平」という高級分譲地に連結、そこを開発・分譲しているのは「エス・ジー・アセット」である。

 一区画が数百坪という高級住宅地を、岡野ファミリー企業と銀行が一体となって開発推進する姿は、健全性の面からは疑わしい。

 「スルガ銀行」は、森信親前金融庁長官が、「地銀の成功例」として推奨してきた銀行だが、その優良行のどこに躓きがあったのか。

 特捜部が手掛ければ、スルガ銀行腐食の原因に行き着くはずだし、そこにこそ事件化の意味と意義がある。

 東海道に香るのは「茶の香り」ならぬ「強欲臭」――「岡野家の所有物」として銀行を私物化してきた歴史を、沈黙のまま逃げ切ることは断じて許されない。【戌】

 

 

 

 

 

 


2018年9月13日配信「😝ごめんネ〜ごめんネ〜😝――🙇頑張ったけどチェーンが切れてもうたから破産するわ!🙇」<事件>


会員の皆様
関係者の皆様

 

破産手続開始に関するお知らせ

 

当社並びに当社の関係会社である株式会社水晶山温泉ランド、かぶちゃん九州株式会社及びかぶちゃんメガソーラー株式会社は、本日付けで東京地方裁判所に対して破産手続開始の申立てを行い、同日付けで破産手続開始の決定を受けました。
 
当社は、ケフィアヨーグルトのたね菌の普及を理念として1992年に創業し、それ以来、「食」、「農」、「環境」をテーマに会員の皆様と共に歩んで参りました。当社は、これまでケフィアヨーグルト等の通信販売を行うほか、一部の会員の皆様から拠出いただいた資金で果物・野菜の栽培や食品加工、環境関連事業等の多数の事業を行い、事業内容の充実と多様化に努めて参りました。近年、更なる新規事業の立ち上げや事業拡大を図るため、会員の皆様から更なる資金を拠出いただき、研究機関との共同研究等も行って参りましたが、現在までその事業の多くが低調であり、また、収益を確保できるまでに相当長期間を要するといった状況であり、思うように収益を上げることが出来ませんでした。

 

これに加えて、近時のシステム不具合によって会員の皆様への支払が遅滞するトラブルが急増し、これを受けて当社に関する記事が立て続けに掲載されたほか、対策弁護団が結成されるなど、当社の信用は著しく悪化し、長期的な関係を前提としている会員の皆様との間で多数の契約解除ないし更新の停止といった事態を招き、資金繰りが逼迫する事態となりました。

 

当社としましては、このような難局を乗り越えるためにあらゆる方策を模索しましたが、今般、とうとう今後の事業の見通しが立たない状況となり、会員の皆様の平等・公平な取扱いを確保するためにも、やむを得ず破産手続開始の申立てを行うに至りました。

 

今後につきましては、破産手続開始の決定と同時に裁判所によって選任された破産管財人の下で手続が進められることになります。そのため、今後の破産手続に関するご質問等に対して、当社が具体的に回答することは出来かねます。誠に申し訳ございませんが、ご質問等につきましては、 株式会社ケフィア事業振興会外3社破産管財人室(コールセンター) (電話番号03-5577-5808) にお問合せをお願い申し上げます。

 

会員の皆様をはじめ、これまで永きにわたり当社にご支援とご協力をいただきました関係者の皆様に、破産手続開始によって多大なるご迷惑をお掛けする事態となりましたことを深くお詫び申し上げます。

 

以上

 

2018年9月3日


株式会社ケフィア事業振興会
代表取締役 鏑木秀彌

 


2018年9月4日配信「『検察の正義』を揺るがす<谷口浩二の妻のブログ>の衝撃度と事件の行方」<事件>

 

 

谷口浩司を信じる妻の疑問

文科省汚職:私立大学研究ブランディング事業と裏口入学、JAXA
谷口浩司の妻です。
乳癌を患って治療中なので皆様に直接対応が出来ないことを最初にお詫び申し上げます。
病気を患うまでは仕事をしていましたが、今は自宅から出たり出られなかったり体調次第の生活です。療養のため主人は職場に近くに部屋を借り、二人の時間を多く取ることを優先してくれていました。
主人は、出来る仕事は自宅でするようにしていたため、私も仕事関係のことを直接見聞きする機会が多くありました。そのため今回の逮捕・起訴には大変驚いています。
事件の真相が知りたい、というのが私の率直な気持ちです。

 

 

 「俺の正義の剣を奪うことが、それほど大事か――」。

 8月24日封切りの『検察側の罪人』で、木村拓哉が演じる東京地検の最上毅検事が、二宮和也が扮する後輩の沖野啓一郎検事に、こう迫るシーンがある。

 最上が大学生の頃、妹のように可愛がっていた女子高校生を殺した犯人が、23年後、別の殺人事件の容疑者として浮上。それを罰することが「正義」だとして、法を犯しながら強引に捜査する最上と、「『自分のシナリオ通りに事件を作る検事になるな』と教えたのはあなたじゃないか!」と、激しく反発する沖野。芸達者な2人の対決は見応えあるが、現実の特捜案件にもそんな対立がある。

 現在、東京地検特捜部が捜査を続けている文部科学省贈収賄事件。――東京医科大の裏口入学を巡る事件では佐野太元局長を受託収賄罪で、「霞が関ブローカー」の谷口浩司被告を収賄ほう助で起訴し、「JAXA」「を巡る事業等で便宜を図った見返りに、高級クラブなどで接待を受けていたとして川端和明元統括官を収賄罪で起訴した。

 贈賄側は、佐野被告については東京医科大の臼井正彦理事長らで、川端被告が谷口被告である。

 8月15日の起訴で事件はひと段落。遅い夏休みを経て、9月から捜査は再開される見通しだが、久々に「霞が関」の高級官僚を連続逮捕した特捜部の「検察の正義」に、「事件を都合良く切り分けただけじゃないか!」と、激しく批判しているのが「谷口浩司の妻」を名乗る人物のブログである。

 マスメディアは、事件報道とブログで提供される「疑惑の証拠」を連関させない。

 ブログは誰が発信人かわからず、そこで公開されている写真、音声データ、領収書などは、衝撃的なものばかりだが、裏の取りようがなく報道はしにくい。

 だが、そこで語られている「谷口の妻」の指摘は鋭い。

 例えば、東京医科大裏口入学事件である。

 昨年、5月、都内の飲食店で、臼井は、佐野に私大ブランディング事業の対象校になるための方策を教えてもらい、その見返りに佐野の合格を了承。佐野は、臼井に『よろしくお願いします』と、頭を下げたという。

 「谷口の妻」は、同じ医者で東京医科大の臼井とも親しく、佐野を交えて飲食をくりかえしてきた吉田統彦衆院議員の存在をあげ、「なぜ吉田先生のことは取り上げず、5月のたった一回の宴席での会話を問題にするのか」と、反発する。

 確かに、谷口の腰の軽さとマメさは驚嘆に値する。

 文科省だけでなく、厚労省、国交省、財務省などの役人と幅広く付き合い、その全てを写真、音声データ、領収書の形で残していた。

 官僚をつなぎ止めるための証拠であるとともに、スポンサー企業に自分の活動を知らしめるためでもあった。

 谷口が、「霞が関ブローカー」として残した足跡は実に華やかで、なぜ官僚側で逮捕・起訴したのが、佐野、川端の2人だけなのかが、確かに分からない。

 両名より深くつきあった官僚がいるし、政界ルートの吉田代議士や政策顧問だった羽田雄一郎参院議員に触れた様子もないのが不思議だ。

 結局、特捜部が文科省のキャリア2人を摘発したのは、事件化させることで、谷口のようなブローカーに、易々と食い込まれる官僚の世界に一罰百戒を与えるためのもので、それが特捜部の考える「正義」だった。

 「谷口の妻」は、その正義を認めず、「コンサルタントとしての業務の一環」を主張、そのために驚嘆する汚染の実態をブログに次々にアップしていった。

 それは、摘発しやすい箇所だけを切り分け、検察のシナリオに沿って立件するという従来と変わらぬ特捜捜査も手法を浮き彫りにした。

 「谷口の妻」はご都合主義捜査を批判、「正義はない」という。

 良い悪いの問題ではなく、立場によって尺度の違う正義を、捜査着手する際の基準とする以上、この種の争いは、録音録画の可視化や司法取引の時代になっても変わることなく発生する。

 ネット社会では、被疑者、容疑者、被告もまた、SNSやブログを使って情報発信、異議を唱える。

 衆人監視のなか劇場型捜査となったわけだが、谷口が証拠の「宝の山」を残した以上、9月以降も捜査は継続。「次はどこをどう切り分けるのか」という監視の目を浴びながら、特捜部は他の省庁ルートや政界ルートを目指すことになる。【戌】

 

 

 

 

 

 


2018年9月1日配信<0510archives>「『かぼちゃの馬車』の次は『レオパレス21』と『大東建託』⁉――サブリース事業が生む、欠落住宅を掴まされローン地獄に陥るオーナーたち」<事件>


レオパレス21本社
(☚wikipedia)

 


 女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」を巡る事件が、底知れぬ広がりを見せている。

 本誌は、6月26日配信で「事件の黒幕はスルガ銀行」と、指摘した。

 確かに「かぼちゃの馬車」を運営する「スマートデイズ」は、経営破綻を折り込み済みの詐欺商法だったが、それを承知でローンをオーナーに組ませ、審査書類の改ざんを承知していたのは「スルガ銀行」だった。

 「地銀の雄」として知られ、そのユニークな個人向けローンが金融庁に賞賛されていた「スルガ銀行」が、詐欺商法に加担していたことを示す今回の事件ほど、ビジネスモデルを失った地銀の迷走を示すものはない。

 さらに事件は、サブリースという業態で繰り広げられているビジネスが、「かぼちゃの馬車」同様の怪しさに彩られていることを証明した。

 アパートオーナーと住宅メーカーは、建築から入居者募集、建物の維持管理まで含める多彩な仕事を、アパートオーナーが住宅メーカーに一括して任せるというサブリース契約を結ぶ。

 この際、オーナーを集めるために過大広告を打つのがサブリース業界の通例で、それが極端に行き過ぎていたのが「スマートデイズ」だった。

 「頭金不要、利回り8%、30年家賃保証」といった惹句でオーナーを募るのだが、オーナーの年収によって物件を決め、不動産売買における中抜き、建設会社からのキックバックなどで高額物件を売りつけながら、高い利回りを設定するのだから空き家率が高くなるのも当然で、それが契約見直し(賃料引き下げ)のあげくの経営破たんに繋がった。

 この怪しい商法が、「スマートデイズ」とその背後の「スルガ銀行」だけでないことは、5月29日に放映されたテレビ東京の「ガイアの夜明け」でも証明された。

 この番組は前半で「スルガ銀行」、後半はアパート・マンション大手の「レオパレス21」を取り上げた。

 驚くべきは、「ゴールドネイル」「ニューゴールドネイル」といった「レオパレス21」のアパートシリーズに建築基準法違反の疑いが発覚したことだ。

 放映されたアパートの屋根裏には、各部屋の仕切り部分がなく、耐震、防犯、防音などさまざまな点で問題のある違法建築物だったが、シリーズで現存する184棟を調べたところ、9割以上の168棟の屋根裏に仕切りがなかったという。

 レオパレスは、「ガイアの夜明け」の放映日に記者会見して「違法建築物の疑い」を認めている。

 そのうえで外部機関や建築士事務所の協力を得て、全棟3万7852棟の調査に踏み切る方針を明らかにした。

 その実現可能性に疑義が生じているのはもちろん、オーナーがレオパレスに不信を抱いているのは、サブリース契約を一方的な理屈で、契約解除に踏み切ったり、家賃減額を通告することがある点だ。

 さすがに売上高約5310億円の企業だけに、倒産を織り込んだ「スマートデイズ」のようないい加減さはないものの、契約を結んだらこっちのものと、住宅を手抜きで建設、都合が悪くなれば勝手に条件変更。その無責任さの裏に、高額ローンを抱えて苦悩するオーナーがいる点は同じである。

 その先にいるのが、アパート経営の雄、サブリース業界の盟主といわれる反面、猛烈なノルマと離職率の高さで知られる“ブラック企業”の「大東建託」である。

 『週刊ダイヤモンド』などで何度も批判の特集を組まれ、最近も『大東建託の内幕』(三宅勝久)が上梓された。

 同書は、サブタイトルに「アパート経営商法の闇を追う」とあるように、どこに需要があるかわからない場所にアパート群が立ち並ぶ商法のカラクリと、社内事情などが明かされている。

 売上高約1兆5570億円を誇る大手の「大東建託」から、業界中堅の「レオパレス21」、そして設立5年で300億円企業となりながら倒産した「スマートデイズ」に共通するのは、サブリース事業である。

 程度の差こそあれ、そこにあるのは1億円、2億円といった高額物件を「売れば目的は達成」というビジネスモデルの持つ危うさである。

 少子高齢化が進み「空き家」が社会問題化している時に、「アパート経営」が利殖として優れているとは思えないが、業者は数多く、それぞれが多彩なメニューを持ち、将来の社会不安を感じる層に働きかければ、契約は可能で、「スルガ銀行」のようにそこに活路を見いだす金融機関と組めば、ビジネスは成り立つ。

 それが、詐欺商法を誘引することは、「かぼちゃの馬車事件」で証明されたことで今、サブリース事業そのものが点検を迫られている。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2018年8月28日配信<0510archives>「『maneoマーケット』に対する厳しい業務改善命令でソーシャルレンディングの終焉」<事件>

葬儀委員長?を務める味形衛新社長(maneoHP)


 金融庁は、7月13日、証券取引等監視委員会からの勧告を受けて調べていた「maneoマーケット」(千代田区・瀧本憲治社長)に対し、8月13日を報告期限とする業務改善命令を出した。

 maneo社が行なっているのは、金融庁の説明では「ウェブサイトにおいて多数の事業会社を営業者とするファンドの取得勧誘(以下プラットフォーム事業という)」であり、一般ではソーシャルレンディングという。

 ソーシャルレンディングは、ここ数年で急増、2017年の市場規模は前年比2・5倍の1316億円だった。

 第二種金融商品取引業者であるmaneo社は、自前の国内最大ファンド事業を行なうとともに、ソーシャルレンディング業者にプラットフォームを貸して勧誘を行なっていた。

 今回、そのなかの「グリーンインフラレンディング」(GIL)において行なわれていた不正が発覚、maneo社は業務改善命令を受けたのだが、その内容は一般投資家の資金を預かる金融業者の資格が問われるものだった。

 第一に受けた命令は、「投資者保護上、問題のある業務運営について、責任の所在を明確にして発生原因を究明すること」である。

 GIL社のファンドへの出資者は3084名で貸付残高は約103億円。ファンドの取得勧誘の際に謳われていたのは、「太陽光発電やバイオマス発電など再生可能エネルギー事業の開発資金」だった。

 だが、実態はGIL社の親会社「JCサービス」が、自社の資金繰りなどに、好き勝手に使っていた。

 その象徴が、「JCサービス」の子会社で将来は運用部門を担う「JC証券」に貸し付けられた2億5000万円のうち5000万円が、細野豪志元環境相に融資されていたことである。

 当然、ファンドの説明には入っていないわけで、「ファンド資金は区分管理されず、ほぼひとつの口座で入出金している状態」(金融庁の発表文)だったという。“横流し”も当然だ。

 maneo社は、GILを差配する中久保正己・JCサービス代表に、ファンド資金の使途と管理運営を一任してきた。

 金融庁は、それが第一の命令につながる行為を生み出したとして、二番目に「金融商品取引業者として必要な営業者の選定・管理に関する業務運営態勢を再構築すること」と、命じている。

 さらに三番目は、「全ての顧客に適切な説明を実施し、説明結果を報告すること」であり、四番目は、「顧客からの問い合わせに誠実かつ適切に対応し、説明責任を果たすこと」。そして五番目が、「一」から「四」までの対応について、8月13日と期限を区切った報告を求めているのだが、どう考えても、期限までに最も重要な(一)の虚偽報告を改善できそうにない。

 ソーシャルレンディング業者が説明する。

 「人気の秘密は10%内外という配当の高さにあります。それだけの配当を払って成り立つ ビジネスがあれば、もっといい条件で銀行が貸してくれます。結果的にGILは、ファンド資金を他のファンドの配当に回す自転車操業に陥った。それがソーシャルレンディングの宿命です。『虚偽勧誘』を止めれば、『maneoマーケット』は回っていきません」

 ソーシャルレンディングのなかでもmaneo社は、「業界のパイオニア、業界最大」を謳うだけに1000億円を超えて群を抜く規模で、GILだけでなく反社会的勢力ともズブズブの「LCレンディング」など幾つもの業者がmaneo社のプラットフォームを利用している。

 金融庁が突き付けた業務改善命令は、maneo社が08年から築き上げたソーシャルレンディングというビジネスモデルを崩壊させるものだった。

 急遽、瀧本憲治社長が代表を降り、新社長を据えたものの、その衝撃を乗り越える簡便な方法があるハズもなく、maneo社の選択肢は顧客離れの果ての「緩慢な死」か、諦めての「突然死(倒産)」のどちらかといわれている。【戌】

 

 

※「LCレンデイング」の系列企業で、不良債権(8億3000万円)の飛ばし先のひとつ「富士リゾートカントリー倶楽部」がデフォルト宣言の噂!

 

 

 

 

 

 

 

 



profile

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

selected entries

categories

archives

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

還暦川柳
還暦川柳 (JUGEMレビュー »)
公益社団法人 全国老人福祉施設協議会

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

テレビはなぜおかしくなったのか
テレビはなぜおかしくなったのか (JUGEMレビュー »)
金平 茂紀,永田 浩三,水島 宏明,五十嵐 仁

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM