2018年9月15日配信「沈黙を続ける岡野光喜スルガ銀行前会長を特捜部が手掛ける意味と意義」<事件>

ベルナール・ビュッフェ美術館
(☚wikipedia)


 「スルガ銀行」の創業家にして、社長、会長として30年以上も経営トップだった岡野光喜前会長の沈黙が続いている。

 「スルガ銀行」が融資していたシェアハウス業者の連続破たん以降、報道が相次ぎ、金融庁が調査に乗り出すなど社会問題化しているが、これまで釈明に務めてきたのは、米山明弘前社長であり、第三者委員会の調査報告書が発表された9月7日以降は、有国三知男新社長がメディアに対応している。

 シェアハウス「かぼちゃの馬車」を破たんさせた責任は運営会社の「スマートデイズ」にあるが、その商法は「スルガ銀行」の融資なくしては成り立たないもので、第三者委員会は「スルガ銀行の組織的不正」と断定した。

 そして、同行を個人ローン中心の不動産に特化した地銀に育て上げたのは岡野氏であり、組織的な罪を問われるなら、その責任を着せられるのは岡野氏である。

 「スルガ銀行」は岡野家の銀行であり、今も岡野グループで発行済み株式の約15%を保有している。

 岡野氏は、銀行経営者というだけでなく、ベルナール・ビュフェ美術館、井上靖文学館の理事長で、静岡県サッカー協会代表理事で「スルガ銀行チャンピオンシップ」という冠大会を主催する。

 静岡県内の政官界に人脈を築いているのはもちろん、慶応OBとして慶応義塾評議員を務め、福田康夫元首相など中央の政官界にも足場を築いている。

 本店は沼津市だが、岡野氏は東京に居を定めて、東京支店で陣頭指揮を取ってきた。

 地位と名誉を確立、報酬も「スルガ銀行」の好業績を映して、メガバンクトップを上回る2億円近くを受け取っており、配当その他を加えると、日本屈指の富裕層のひとりである。

 名門に生まれ、全てを手にした成功者が、家業からの撤退を余儀なくされ、収入も失った。失意のまま、言葉を発せず、表舞台を去ろうとしているのは、第三者委員会が認定した善管注意義務違反によって、民事上の経営者責任を問われ、株主代表訴訟の被告にされかねないからだ。

 会見に出ず、謝罪のコメントも発表しないのは、不用意な言葉を残したくないためだが、岡野氏は民事だけでなく、今後、刑事責任も追及される可能性が高い。

 岡野ファミリー企業には、大株主として名を連ねる「エス・ジー・インベストメント」、「エス・ジー・アセット」などの他に10数社の企業群があり、いずれも親族が代表を務めるが、「スルガ銀行」はそこに500億円内外の資金を投じているは、ほとんどが「お手盛り融資」であり、金融庁は厳しく調査している。

 また、そのほか岡野氏には10数億円の資金流用疑惑があり、そうした疑惑については、検察への告発となって東京地検特捜部の捜査となる。

 「スルガ銀行」は、地域社会への社会貢献として、長泉町東野に「クレマチスの丘」と名付け、「ベルナール・ビュフェ美術館」、「井上靖文学館」、銀行施設を保存する「スルガ銀行キャンパスカレッジ」などを設置している。

 「クレマチスの丘」は「スルガ平」という高級分譲地に連結、そこを開発・分譲しているのは「エス・ジー・アセット」である。

 一区画が数百坪という高級住宅地を、岡野ファミリー企業と銀行が一体となって開発推進する姿は、健全性の面からは疑わしい。

 「スルガ銀行」は、森信親前金融庁長官が、「地銀の成功例」として推奨してきた銀行だが、その優良行のどこに躓きがあったのか。

 特捜部が手掛ければ、スルガ銀行腐食の原因に行き着くはずだし、そこにこそ事件化の意味と意義がある。

 東海道に香るのは「茶の香り」ならぬ「強欲臭」――「岡野家の所有物」として銀行を私物化してきた歴史を、沈黙のまま逃げ切ることは断じて許されない。【戌】

 

 

 

 

 

 


2018年9月13日配信「😝ごめんネ〜ごめんネ〜😝――🙇頑張ったけどチェーンが切れてもうたから破産するわ!🙇」<事件>


会員の皆様
関係者の皆様

 

破産手続開始に関するお知らせ

 

当社並びに当社の関係会社である株式会社水晶山温泉ランド、かぶちゃん九州株式会社及びかぶちゃんメガソーラー株式会社は、本日付けで東京地方裁判所に対して破産手続開始の申立てを行い、同日付けで破産手続開始の決定を受けました。
 
当社は、ケフィアヨーグルトのたね菌の普及を理念として1992年に創業し、それ以来、「食」、「農」、「環境」をテーマに会員の皆様と共に歩んで参りました。当社は、これまでケフィアヨーグルト等の通信販売を行うほか、一部の会員の皆様から拠出いただいた資金で果物・野菜の栽培や食品加工、環境関連事業等の多数の事業を行い、事業内容の充実と多様化に努めて参りました。近年、更なる新規事業の立ち上げや事業拡大を図るため、会員の皆様から更なる資金を拠出いただき、研究機関との共同研究等も行って参りましたが、現在までその事業の多くが低調であり、また、収益を確保できるまでに相当長期間を要するといった状況であり、思うように収益を上げることが出来ませんでした。

 

これに加えて、近時のシステム不具合によって会員の皆様への支払が遅滞するトラブルが急増し、これを受けて当社に関する記事が立て続けに掲載されたほか、対策弁護団が結成されるなど、当社の信用は著しく悪化し、長期的な関係を前提としている会員の皆様との間で多数の契約解除ないし更新の停止といった事態を招き、資金繰りが逼迫する事態となりました。

 

当社としましては、このような難局を乗り越えるためにあらゆる方策を模索しましたが、今般、とうとう今後の事業の見通しが立たない状況となり、会員の皆様の平等・公平な取扱いを確保するためにも、やむを得ず破産手続開始の申立てを行うに至りました。

 

今後につきましては、破産手続開始の決定と同時に裁判所によって選任された破産管財人の下で手続が進められることになります。そのため、今後の破産手続に関するご質問等に対して、当社が具体的に回答することは出来かねます。誠に申し訳ございませんが、ご質問等につきましては、 株式会社ケフィア事業振興会外3社破産管財人室(コールセンター) (電話番号03-5577-5808) にお問合せをお願い申し上げます。

 

会員の皆様をはじめ、これまで永きにわたり当社にご支援とご協力をいただきました関係者の皆様に、破産手続開始によって多大なるご迷惑をお掛けする事態となりましたことを深くお詫び申し上げます。

 

以上

 

2018年9月3日


株式会社ケフィア事業振興会
代表取締役 鏑木秀彌

 


2018年9月4日配信「『検察の正義』を揺るがす<谷口浩二の妻のブログ>の衝撃度と事件の行方」<事件>

 

 

谷口浩司を信じる妻の疑問

文科省汚職:私立大学研究ブランディング事業と裏口入学、JAXA
谷口浩司の妻です。
乳癌を患って治療中なので皆様に直接対応が出来ないことを最初にお詫び申し上げます。
病気を患うまでは仕事をしていましたが、今は自宅から出たり出られなかったり体調次第の生活です。療養のため主人は職場に近くに部屋を借り、二人の時間を多く取ることを優先してくれていました。
主人は、出来る仕事は自宅でするようにしていたため、私も仕事関係のことを直接見聞きする機会が多くありました。そのため今回の逮捕・起訴には大変驚いています。
事件の真相が知りたい、というのが私の率直な気持ちです。

 

 

 「俺の正義の剣を奪うことが、それほど大事か――」。

 8月24日封切りの『検察側の罪人』で、木村拓哉が演じる東京地検の最上毅検事が、二宮和也が扮する後輩の沖野啓一郎検事に、こう迫るシーンがある。

 最上が大学生の頃、妹のように可愛がっていた女子高校生を殺した犯人が、23年後、別の殺人事件の容疑者として浮上。それを罰することが「正義」だとして、法を犯しながら強引に捜査する最上と、「『自分のシナリオ通りに事件を作る検事になるな』と教えたのはあなたじゃないか!」と、激しく反発する沖野。芸達者な2人の対決は見応えあるが、現実の特捜案件にもそんな対立がある。

 現在、東京地検特捜部が捜査を続けている文部科学省贈収賄事件。――東京医科大の裏口入学を巡る事件では佐野太元局長を受託収賄罪で、「霞が関ブローカー」の谷口浩司被告を収賄ほう助で起訴し、「JAXA」「を巡る事業等で便宜を図った見返りに、高級クラブなどで接待を受けていたとして川端和明元統括官を収賄罪で起訴した。

 贈賄側は、佐野被告については東京医科大の臼井正彦理事長らで、川端被告が谷口被告である。

 8月15日の起訴で事件はひと段落。遅い夏休みを経て、9月から捜査は再開される見通しだが、久々に「霞が関」の高級官僚を連続逮捕した特捜部の「検察の正義」に、「事件を都合良く切り分けただけじゃないか!」と、激しく批判しているのが「谷口浩司の妻」を名乗る人物のブログである。

 マスメディアは、事件報道とブログで提供される「疑惑の証拠」を連関させない。

 ブログは誰が発信人かわからず、そこで公開されている写真、音声データ、領収書などは、衝撃的なものばかりだが、裏の取りようがなく報道はしにくい。

 だが、そこで語られている「谷口の妻」の指摘は鋭い。

 例えば、東京医科大裏口入学事件である。

 昨年、5月、都内の飲食店で、臼井は、佐野に私大ブランディング事業の対象校になるための方策を教えてもらい、その見返りに佐野の合格を了承。佐野は、臼井に『よろしくお願いします』と、頭を下げたという。

 「谷口の妻」は、同じ医者で東京医科大の臼井とも親しく、佐野を交えて飲食をくりかえしてきた吉田統彦衆院議員の存在をあげ、「なぜ吉田先生のことは取り上げず、5月のたった一回の宴席での会話を問題にするのか」と、反発する。

 確かに、谷口の腰の軽さとマメさは驚嘆に値する。

 文科省だけでなく、厚労省、国交省、財務省などの役人と幅広く付き合い、その全てを写真、音声データ、領収書の形で残していた。

 官僚をつなぎ止めるための証拠であるとともに、スポンサー企業に自分の活動を知らしめるためでもあった。

 谷口が、「霞が関ブローカー」として残した足跡は実に華やかで、なぜ官僚側で逮捕・起訴したのが、佐野、川端の2人だけなのかが、確かに分からない。

 両名より深くつきあった官僚がいるし、政界ルートの吉田代議士や政策顧問だった羽田雄一郎参院議員に触れた様子もないのが不思議だ。

 結局、特捜部が文科省のキャリア2人を摘発したのは、事件化させることで、谷口のようなブローカーに、易々と食い込まれる官僚の世界に一罰百戒を与えるためのもので、それが特捜部の考える「正義」だった。

 「谷口の妻」は、その正義を認めず、「コンサルタントとしての業務の一環」を主張、そのために驚嘆する汚染の実態をブログに次々にアップしていった。

 それは、摘発しやすい箇所だけを切り分け、検察のシナリオに沿って立件するという従来と変わらぬ特捜捜査も手法を浮き彫りにした。

 「谷口の妻」はご都合主義捜査を批判、「正義はない」という。

 良い悪いの問題ではなく、立場によって尺度の違う正義を、捜査着手する際の基準とする以上、この種の争いは、録音録画の可視化や司法取引の時代になっても変わることなく発生する。

 ネット社会では、被疑者、容疑者、被告もまた、SNSやブログを使って情報発信、異議を唱える。

 衆人監視のなか劇場型捜査となったわけだが、谷口が証拠の「宝の山」を残した以上、9月以降も捜査は継続。「次はどこをどう切り分けるのか」という監視の目を浴びながら、特捜部は他の省庁ルートや政界ルートを目指すことになる。【戌】

 

 

 

 

 

 


2018年9月1日配信<0510archives>「『かぼちゃの馬車』の次は『レオパレス21』と『大東建託』⁉――サブリース事業が生む、欠落住宅を掴まされローン地獄に陥るオーナーたち」<事件>


レオパレス21本社
(☚wikipedia)

 


 女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」を巡る事件が、底知れぬ広がりを見せている。

 本誌は、6月26日配信で「事件の黒幕はスルガ銀行」と、指摘した。

 確かに「かぼちゃの馬車」を運営する「スマートデイズ」は、経営破綻を折り込み済みの詐欺商法だったが、それを承知でローンをオーナーに組ませ、審査書類の改ざんを承知していたのは「スルガ銀行」だった。

 「地銀の雄」として知られ、そのユニークな個人向けローンが金融庁に賞賛されていた「スルガ銀行」が、詐欺商法に加担していたことを示す今回の事件ほど、ビジネスモデルを失った地銀の迷走を示すものはない。

 さらに事件は、サブリースという業態で繰り広げられているビジネスが、「かぼちゃの馬車」同様の怪しさに彩られていることを証明した。

 アパートオーナーと住宅メーカーは、建築から入居者募集、建物の維持管理まで含める多彩な仕事を、アパートオーナーが住宅メーカーに一括して任せるというサブリース契約を結ぶ。

 この際、オーナーを集めるために過大広告を打つのがサブリース業界の通例で、それが極端に行き過ぎていたのが「スマートデイズ」だった。

 「頭金不要、利回り8%、30年家賃保証」といった惹句でオーナーを募るのだが、オーナーの年収によって物件を決め、不動産売買における中抜き、建設会社からのキックバックなどで高額物件を売りつけながら、高い利回りを設定するのだから空き家率が高くなるのも当然で、それが契約見直し(賃料引き下げ)のあげくの経営破たんに繋がった。

 この怪しい商法が、「スマートデイズ」とその背後の「スルガ銀行」だけでないことは、5月29日に放映されたテレビ東京の「ガイアの夜明け」でも証明された。

 この番組は前半で「スルガ銀行」、後半はアパート・マンション大手の「レオパレス21」を取り上げた。

 驚くべきは、「ゴールドネイル」「ニューゴールドネイル」といった「レオパレス21」のアパートシリーズに建築基準法違反の疑いが発覚したことだ。

 放映されたアパートの屋根裏には、各部屋の仕切り部分がなく、耐震、防犯、防音などさまざまな点で問題のある違法建築物だったが、シリーズで現存する184棟を調べたところ、9割以上の168棟の屋根裏に仕切りがなかったという。

 レオパレスは、「ガイアの夜明け」の放映日に記者会見して「違法建築物の疑い」を認めている。

 そのうえで外部機関や建築士事務所の協力を得て、全棟3万7852棟の調査に踏み切る方針を明らかにした。

 その実現可能性に疑義が生じているのはもちろん、オーナーがレオパレスに不信を抱いているのは、サブリース契約を一方的な理屈で、契約解除に踏み切ったり、家賃減額を通告することがある点だ。

 さすがに売上高約5310億円の企業だけに、倒産を織り込んだ「スマートデイズ」のようないい加減さはないものの、契約を結んだらこっちのものと、住宅を手抜きで建設、都合が悪くなれば勝手に条件変更。その無責任さの裏に、高額ローンを抱えて苦悩するオーナーがいる点は同じである。

 その先にいるのが、アパート経営の雄、サブリース業界の盟主といわれる反面、猛烈なノルマと離職率の高さで知られる“ブラック企業”の「大東建託」である。

 『週刊ダイヤモンド』などで何度も批判の特集を組まれ、最近も『大東建託の内幕』(三宅勝久)が上梓された。

 同書は、サブタイトルに「アパート経営商法の闇を追う」とあるように、どこに需要があるかわからない場所にアパート群が立ち並ぶ商法のカラクリと、社内事情などが明かされている。

 売上高約1兆5570億円を誇る大手の「大東建託」から、業界中堅の「レオパレス21」、そして設立5年で300億円企業となりながら倒産した「スマートデイズ」に共通するのは、サブリース事業である。

 程度の差こそあれ、そこにあるのは1億円、2億円といった高額物件を「売れば目的は達成」というビジネスモデルの持つ危うさである。

 少子高齢化が進み「空き家」が社会問題化している時に、「アパート経営」が利殖として優れているとは思えないが、業者は数多く、それぞれが多彩なメニューを持ち、将来の社会不安を感じる層に働きかければ、契約は可能で、「スルガ銀行」のようにそこに活路を見いだす金融機関と組めば、ビジネスは成り立つ。

 それが、詐欺商法を誘引することは、「かぼちゃの馬車事件」で証明されたことで今、サブリース事業そのものが点検を迫られている。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2018年8月28日配信<0510archives>「『maneoマーケット』に対する厳しい業務改善命令でソーシャルレンディングの終焉」<事件>

葬儀委員長?を務める味形衛新社長(maneoHP)


 金融庁は、7月13日、証券取引等監視委員会からの勧告を受けて調べていた「maneoマーケット」(千代田区・瀧本憲治社長)に対し、8月13日を報告期限とする業務改善命令を出した。

 maneo社が行なっているのは、金融庁の説明では「ウェブサイトにおいて多数の事業会社を営業者とするファンドの取得勧誘(以下プラットフォーム事業という)」であり、一般ではソーシャルレンディングという。

 ソーシャルレンディングは、ここ数年で急増、2017年の市場規模は前年比2・5倍の1316億円だった。

 第二種金融商品取引業者であるmaneo社は、自前の国内最大ファンド事業を行なうとともに、ソーシャルレンディング業者にプラットフォームを貸して勧誘を行なっていた。

 今回、そのなかの「グリーンインフラレンディング」(GIL)において行なわれていた不正が発覚、maneo社は業務改善命令を受けたのだが、その内容は一般投資家の資金を預かる金融業者の資格が問われるものだった。

 第一に受けた命令は、「投資者保護上、問題のある業務運営について、責任の所在を明確にして発生原因を究明すること」である。

 GIL社のファンドへの出資者は3084名で貸付残高は約103億円。ファンドの取得勧誘の際に謳われていたのは、「太陽光発電やバイオマス発電など再生可能エネルギー事業の開発資金」だった。

 だが、実態はGIL社の親会社「JCサービス」が、自社の資金繰りなどに、好き勝手に使っていた。

 その象徴が、「JCサービス」の子会社で将来は運用部門を担う「JC証券」に貸し付けられた2億5000万円のうち5000万円が、細野豪志元環境相に融資されていたことである。

 当然、ファンドの説明には入っていないわけで、「ファンド資金は区分管理されず、ほぼひとつの口座で入出金している状態」(金融庁の発表文)だったという。“横流し”も当然だ。

 maneo社は、GILを差配する中久保正己・JCサービス代表に、ファンド資金の使途と管理運営を一任してきた。

 金融庁は、それが第一の命令につながる行為を生み出したとして、二番目に「金融商品取引業者として必要な営業者の選定・管理に関する業務運営態勢を再構築すること」と、命じている。

 さらに三番目は、「全ての顧客に適切な説明を実施し、説明結果を報告すること」であり、四番目は、「顧客からの問い合わせに誠実かつ適切に対応し、説明責任を果たすこと」。そして五番目が、「一」から「四」までの対応について、8月13日と期限を区切った報告を求めているのだが、どう考えても、期限までに最も重要な(一)の虚偽報告を改善できそうにない。

 ソーシャルレンディング業者が説明する。

 「人気の秘密は10%内外という配当の高さにあります。それだけの配当を払って成り立つ ビジネスがあれば、もっといい条件で銀行が貸してくれます。結果的にGILは、ファンド資金を他のファンドの配当に回す自転車操業に陥った。それがソーシャルレンディングの宿命です。『虚偽勧誘』を止めれば、『maneoマーケット』は回っていきません」

 ソーシャルレンディングのなかでもmaneo社は、「業界のパイオニア、業界最大」を謳うだけに1000億円を超えて群を抜く規模で、GILだけでなく反社会的勢力ともズブズブの「LCレンディング」など幾つもの業者がmaneo社のプラットフォームを利用している。

 金融庁が突き付けた業務改善命令は、maneo社が08年から築き上げたソーシャルレンディングというビジネスモデルを崩壊させるものだった。

 急遽、瀧本憲治社長が代表を降り、新社長を据えたものの、その衝撃を乗り越える簡便な方法があるハズもなく、maneo社の選択肢は顧客離れの果ての「緩慢な死」か、諦めての「突然死(倒産)」のどちらかといわれている。【戌】

 

 

※「LCレンデイング」の系列企業で、不良債権(8億3000万円)の飛ばし先のひとつ「富士リゾートカントリー倶楽部」がデフォルト宣言の噂!

 

 

 

 

 

 

 

 


2018年8月21日配信「突然の海外逃亡で仮想通貨『GACKTコイン』の事件化は必至⁉」<事件>

 
内助の功が裏目?

 

 仮想通貨SPINDLE(スピンドル)の企画会社「BLACK STAR&CO」が英国に拠点を移すことになった。

 「GACKTコイン」の名で知られ、今年1月のプレセールなどで100億円ともいわれる資金を集めただけに、窓口の移転は投資家たちの目には「海外逃亡」と映るのは無理もなく、その実態に関心を寄せる金融庁、国税庁、警察など関係当局とともに、「このまま黙って逃がさない」という声が広がっている。

 円やドルといった法定通貨に頼らない仮想通貨の世界では、ブロックチェーンを使って事業を起こそうとする業者は、提供するシステムのなかで通用するトークンと呼ばれる仮想通貨の引換証を発行、それを投資家に購入してもらって開発資金を調達する。

 スピンドルは、仮想通貨ヘッジファンドに投資するプラットフォームを構築、そこへの投資によってトークン購入者が、より豊かになる経済圏を目指している。

 そうした構想は、スピンドルの事業計画書であるホワイトペーパー(WP)に書かれているのだが、仮想通貨やブロックチェーンの基礎知識がなければ、読み解くのは容易ではない。

 そこを解消するのが、歌手にして俳優で格付けランキングの上位に位置するGACKT。大城ガクトという本名でスピンドルプロジェクトに参加、自らのブログやセミナーで仮想通貨がもたらすトークンエコノミーの世界を喧伝、そこにおけるスピンドルの優位性を語ってスピンドル人気を高めた。

 プロジェクトが立ち上がってプライベートプレセールスが始まったのが昨年10月。ホワイトペーパーの発表が12月末で、プレセールの終了が今年1月末と、ICO(トークンを発行しての資金調達でイニシャル・コイン・オファリングの略)環境は絶好だった。

 仮想通貨の人気が沸騰、指標通貨のビットコインで200万円、イーサリアムで15万円を突破、年初からの高騰率は20倍にも達し、「億り人」と呼ばれる投資に成功した億万長者が続出していた。

 スピンドルは、プロジェクトを立ち上げた「BLACK STAR&CO」の宇田修一前社長に金融商品取引法上の問題があるとして行政処分を受けた過去があるなどマイナス情報も流されたが、仮想通貨の熱狂はそれを押し返し、プレセール終了の段階で100億円近い資金(実際は法定通貨の円ではなく、ビットコインとイーサリアムで集められた)を調達している。
 
 だが、1月26日に発覚の約580億円が流出したコインチェック事件は、投資家に冷水を浴びせ、ビットコインを始め、軒並み3分の1程度にまで暴落。その後も低迷を続けており、露わになった仮想通貨交換業者の大甘管理は、金融庁の反省を促して、業界を厳しく取り締まる方針に切り替えた。

 仮想通貨バブルの真っ最中のICOだったスピンドル人気もガタ落ち、5月に海外5カ所で上場したが、一時的に1SPD(スピンドルの通貨単位)=20円近くの値はつけたものの、その後、暴落。今や1SPD=1円前後。プレセール時の価格が30円前後だったので、投資家は大きな損失を抱えている。

 そんな怒りが投資家の間に渦巻いている時に、GACKTと親しい野田聖子総務相の事務所が、金融庁の役人を呼びつけ、「BLACK STAR&CO」の幹部を同席させたうえで圧力をかけていた事実が判明。野田総務相の夫・文信氏に、スピンドル販売疑惑があると「週刊文春」などが報じ、スキャンダルにまみれた。
 
 圧力を受けた金融庁は硬化。逆に、仮想通貨交換業の登録なしにスピンドルを売却していたことを問題視、集団的投資スキームの疑いもあるとして調査を進めている。

 国税庁は販売報酬を含めたスピンドル売却の際の納税に関心を寄せており、警察は代理店を使った販売先に反社会的勢力がいなかったどうかを調査中である。

 そして投資家は暴落に怒り、関係官庁は「うまく行き過ぎたICOに違法性がないか」をチェックしているそんな折も折、投資家の利便性を考えず、日本オフィスを閉鎖し、本社を海外に移すのは敵前逃亡に等しい。

 しかも、8月9日にニュースリリースし、お盆の最中の15日には移転するという“逃げ足”の早さには呆れるしかない。

 この海外移転が、濡れ手に粟の100億円を仲間内で分け合うつもりの“準備”なら許されないのは言うまでもなかろう。【午】

 

 

 

 

 

 


2018年8月14日配信「5年で31億円の水増し請求は“詐欺!!――正直申告もあまりの酷さに『ヤマトHD』に業務停止命令も?」<事件>

 

 

 「ヤマトホールディングス」(ヤマトHD)を激震が襲っている。

 国交省は、引っ越し費用の過大請求で、「ヤマトHD」本社を含む関係先の立ち入り検査に入る予定で、また既に、内部告発の相談を受けている警視庁は正式な告発状が出されれば、捜査に着手する予定だ。

 発端は『あかはた日曜版』が7月1日号で報じた子会社の「ヤマトホームコンビニエンス」(YHC)の常態化した引っ越し費用の水増し請求であり、それを受けての槇本元・YHC元四国支店長の記者会見だった。

 法人契約を結んでいる引っ越しの見積もりは、法人側が「YHC」を信じてまともなチェック作業をしないのをいいことに、引っ越し荷物の総量を多くし、その分、料金を水増し。それが組織的に行われている――。

 衝撃的な会見だったが、取り上げるマスメディアは少なかった。

 告発者はひとり。それも四国という地方で発覚した疑惑であり、「ヤマトHD」という1兆5000億円企業からすれば、1件あたり10万円の引っ越し荷物を例えば20万にする水増し請求は、それほど大きな疑惑とは受け止められなかった。

 むしろ、早めに手を打とうとしたのは「ヤマトHD」サイドである。

 7月24日、国交省記者クラブで記者会見を開き、記録の残る2016年5月から今年6月までに、約12万4000件の邦人向け引っ越し件数のうち、約4割に当たる約4万8000件(2640社)で不適切な請求があり、過大請求総額は約17億円にのぼることを明らかにした。

 会見には山内雅喜・ヤマトHD社長が出席、「事前の見積額でそのまま請求、過大になってしまった」と説明し陳謝。「詳細は第三者による調査委員会に委ねる」として具体的な説明は避けたが、「組織的な犯罪ではない」と、そこは強調した。

 槇本元支店長の会見をほとんどのマスメディアが無視しただけに、謝罪会見で初めて「水増し請求」の事実を知った国民は多く、実際、多くのメディアがトップニュースで扱った。

 昨今の財務省や文部科学省、あるいは日本大学や東京医科大学などの不祥事に見舞われた「官・学」が、逃げに終始したことを考えれば、トップ自らが説明責任を果たした「ヤマトHD」は大企業としての矜恃を見せたと言えよう。

 また、7月31日には約17億円に加え、調査結果を踏まえて約14億円を見積もり、「過去5年で約31億円の水増し請求があった」と発表。「もっと遡るべきではないか」というメディアの批判に応えた。

 逆にいえば、こうした「先取り処理」は、ヤマトHDの危機感の現れだった。

 槇本氏が、最初に内部告発を行ったのは、8年前の法人営業支店長時代からだった。

 自分で獲得した法人客の引っ越し代金が水増しされていたのに気付いた槇本氏は、是正を求め、本社に直訴し、それは修正され、過大分は返金されたものの、担当幹部も担当者も処分されることなく、逆に上司の四国統括支店長に、「なんで通報するんだ!」と、食ってかかられる始末だった。

 ここから槇本氏の「たったひとりの反乱」は始まり、昨年、定年延長で続けてきたドライバー職を辞めるまで、会社側との折衝の場で指摘し続けた。

 8年に及ぶ告発が会社上層部に伝わらないハズはなく、逆に、無視したことが全支店、営業所に伝搬する結果となった。

 不正は、出発の支店である「発作業店」で行われるが、それを受ける「着作業店」でも不正が分かる仕組みとなる。

 少ない荷物で多くの請求が行われていることが分かるからで、「バレなければ水増しは許される」という文化を生んだ。

 紛れもなく「組織的」である。

 上司が「指示する」ということはなく、「バレなければ許される」という不正の蔓延であり、それは8年間、告発し続けた槇本氏の声を封印したことで始まり、そして大きくなった。

 国交省は、社内調査とは関係なく、貨物運送事業法に基づき、立ち入り検査。過大請求は全国128事業所のうち123カ所で発覚しており、「組織的不定」である疑いを強めているが、安全面を指導監督する立場の国交省が、顧客との取り引きにまで検査の範囲を拡大するのは異例だ。

 それだけ事態を重くみているわけで、「支店ぐるみの過大請求の事案」をもとに刑事告発がなされ、それを調べる警視庁の動きと合わせることになれば、「ヤマトHD」を大きく揺るがす事件に発展しそうである。【午】

 

 

 

 

 

 


2018年8月7日配信「幹部2名の収賄逮捕で満身創痍となった文部科学省の自業自得」<事件>

 
「世の中万事〜〜」

 

 

 「モリ・カケ・スパ」など安倍政権を直撃した数々の事件・疑惑では見事なまでに及び腰だった検察特捜部が打って変わって大張り切り。おかげで現職の局長と国際統括官が収賄疑惑で逮捕された文部科学省が、「倫理観なき役所」と、総攻撃を受けている。

 

 その橋渡し役として活躍したのが、文科ブローカーともいうべき谷口浩司被告である。


 政治家の事務所に出入り、その官庁人脈を使って役人と親しくなり、民間業者とのパイプ役となって稼ぐブローカーは少なくなく、「霞が関周辺者」と呼ばれる。

 いわば「官」と「業」の“潤滑油”だが、公共工事などでの談合摘発が相次いだことで、他の省庁ではその種の人物は排除するか、報告義務のある「5000円まで(課長補佐以上)」という範囲内でのランチなどが主流となった。

 だが、佐野太前科学技術・学術政策局長や川端和明前国際統括官は、谷口被告に誘われるままゴルフや高級クラブで接待を受け、ゴルフバックなどの贈答品を受け取っていた。

 トップクラスの相次ぐ逮捕は、「文科官僚の体質」と、断罪されても仕方がない。

 しかも、舞台が東京医科大であることが象徴するように、彼らは「2018年問題」を抱える私大の弱みにつけ込んで、私腹を肥やしている。

 2018年問題とは、「18歳人口」のツルベ落とし的な減少である。

 18歳人口は、1992年の205万人をピークに減り続け、最近は120万人程度で推移していたものの、18年からは再び減少に転じ、31年には100万人を割って、95万人に落ち込むと予想されている。

 この人口減が、今でも厳しい私大経営を直撃する。

 全国の私大の定員割れは半数近いが、なかでも深刻なのが学生数を収容定員で割った充足率の低下校が増えている点である。

 既に80校以上が70%の要注意水準を切っており、そこに18年問題が到来。私大倒産の続出が現実のものとなる。

 そうした状況を作り出してきたのは文科省である。

 18歳人口の減少が始まった91年に大学設置基準が大幅に緩和され、90年の507校が、15年には1・5倍の779校と大学数は増えた。


 文科官僚が、18年問題を察知して取り組んできたとはとてもいえず、むしろ大学の増加が補助金を武器にした権益の強化と天下り先確保につながるからと、放置してきた。

 文科省の“武器”は、各種の補助金・助成金である。

 受託収賄罪で逮捕された佐野被告が、「ブランディング」という訳の分からない私大支援事業の「通し方」を伝授。それを受けて東京医大前理事長の臼井正彦被告が佐野被告の息子を裏口入学させたところに象徴されている。

 私学助成金は年間3000億円にも達し、この配分は文科官僚のさじ加減ひとつであり、それ欲しさに大学側は天下りを受け入れてきた。

 ただ、組織的な斡旋は禁止されており、昨年は文科省の組織的天下りが発覚、大量の処分者を出した。

 そのなかに安倍晋三官邸との対決姿勢で脚光を浴びた前川喜平前事務次官がいた。

 「行政は歪められた」という“名言”で時の人となった前川氏だが、獣医学部や医学部の新設を、「告示」という国民へのお知らせで封じ、岩盤規制を堅持した抵抗勢力である。

 そこを安倍政権は突破しようとした。

 アベノミクスを掲げる安倍官邸が、あの手この手で“障害”を取り除こうとするのは不思議ではない。

 間違っていたのは、規制緩和で益を得るのが「腹心の友」だったからで、前川氏は霞が関と文科省の権益を守ろうとしたのであって、国益や国民のためではなかった。

 その体質が、私大の「私物化」に繋がり、その傲慢さが生んだのが、私大から利益供与を受けるのは当然という歪んだ意識だった。

 組織的な天下り斡旋、前川の乱、そして今回の贈収賄事件――文科省で発生した混乱の芽は同根であり、彼らの満身創痍も自業自得というしかあるまい。【戌】

 

 

 

 

 

 

 


2018年7月24日配信「東京医大裏口入学事件、タイ発電所贈賄事件!――司法取引連発で大活躍の東京地検特捜部だが、権力の監視役にはまだまだ?」<事件>

 (☚wikipedia)


 東京地検特捜部は、タイの発電所建設に絡む現地公務員への贈賄疑惑で、大手発電機器メーカー「三菱日立パワーシステム(MHPS)」と合意、司法取引(協議・合意制度)を用いて不正に関与した社員らを立件(在宅起訴)した。

 今年6月に施行された司法取引第1号事件である。

 現在、特捜部が手掛けている案件に文科省の前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者を、東京医科大に文科省の支援事業に便宜を図った見返りに、自分の息子を入学させたという受託収賄事件がある。

 「霞が関」の高級官僚逮捕という華々しい事件と同時並行で、不正競争防止法が禁じた外国公務員への贈賄を、司法取引の第1号事例として摘発するわけで、大阪地検不正事件後の「特捜改革」のなか、仕事らしい仕事が出来ず、「ムダ飯喰らいの腰抜け集団」と揶揄された頃がウソのような張り切りぶりだ。

 企業も官僚機構も政界も、統治が長期化すると制度疲労が起きて、腐敗する。

 それは宿命といえるもので、組織内の自浄作用で是正できればいいが、それが無理な場合は捜査権力に頼らざるを得ず、そこに地検特捜部の役割があった。

 その復活は喜ばしいが、司法取引の乱用には目を光らせるべきだろう。

 佐野容疑者の受託収賄事件も、その前に行なわれたリニア談合事件も、実質的な司法取引だった。

 自白すれば逮捕もせず、在宅起訴だが、否認するようなら許さない。ガサ入れは何度も行なうし、保釈は認めず実刑判決――この言葉通りとはいわないが、リニア談合事件では「大林組」と「清水建設」が取引に応じて罪を認め、「大成建設」と「鹿島建設」は否認を続けて担当幹部は逮捕された。

 東京医大捜査でも、臼井正彦前理事長鈴木衛前学長は、素直に罪を認め、検察の要望に応じて「裏口入学リスト」など必要なものは全て任意提出。逮捕と大学へのガサ入れは免れている。

 検察捜査への批判は、本格捜査の段階で「事件シナリオ」は構築されており、それに沿った自白を迫って事件を自分たちの望み通りに作り上げる、というものだった。

 その反省から捜査の可視化(録音録画)が図られ、その反対給付として司法取引が導入されたわけだが、リニアや東京医大で繰り返されたのは、自白に甘く否認に厳しい対応をすることで望み通りの捜査を展開するという司法取引の“悪用”だった。

 そして第1号となった司法取引を“利用”したのは、企業側だった。

 切られたのは、「組織のため」に贈賄を行なった担当社員であり、その上司の取締役。会社側は罪を逃れ起訴されない。

 協議・合意制度というのは、捜査対象者や容疑者が、他人の犯罪について捜査機関に供述、証拠を提出する見返りに、罪を軽くしてもらうものである。

 贈収賄など証拠が残らず、供述が頼りとなる難しい事件や、暴力団や大企業などの組織で、「上」の命令に逆らえずやった構成員・社員が、「上」の指示を供述することによる組織犯罪の立件が想定されていた。

 だが、今回は逆である。

 MHPS社は、タイ発電所建設工事の資材を港で荷揚げする際、桟橋の使用量名目で現地公務員から賄賂を要求され、15年2月、約6000万円を支払ったという。

 内部告発で不正を把握したMHPS社は、実行行為者だけでなく法人に対する両罰規定があることから、これを逃れるために司法取引を利用。そのために、今年6月の施行を待ち、MHPS社の弁護士と検察官が協議、合意が成立した。

 組織を守るために社員をあっさりと切り捨てる!――6000万円が担当社員の一存で支払えるわけはなく、だから担当取締役の指示が指摘されているが、そこにあるのは「会社のため」という論理と、それを黙認する組織の体質だろう。――にもかかわらず、それを司法取引利用で乗り越え、組織に波及させなかった。

 後味の悪い司法取引第1号である。

 復活とはいえ、大阪地検特捜部の森友学園捜査が「財務省には波及させない」という官邸を忖度する捜査であったことで証明されるように、まだ本来の「権力の監視役」にはなっていない。

 “焼け太り”の地検特捜部が、今後、司法取引を“活用”しながら、どんな事件を手掛けていくのか。――メディアによる厳しい監視が必要なのだが、緩みっ放しの彼らに、それを期待するのは「ないものねだりの子守歌」かも……?【巳】

 

 

 

 

 

 

 

 


2018年7月18日配信「助成金は3500万円/年!――裏口入学で文科省局長を落とした東京医大の“前歴”」<事件>

 
黒い巨塔(wikipedia)

 

 「森友学園事件」を不発に終わらせた検察が、次に選んだのは東京医大だった。

 東京地検特捜部は、国の支援事業で東京医大に便宜を図った見返りに、自分の息子を同大医学部に裏口入学させたとして文科省前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者を逮捕した。

 佐野容疑者と大学を仲介、受託収賄幇助容疑で逮捕された谷口浩司容疑者の他、点数を水増し、不正合格を指示した東京医大トップの臼井正彦理事長、鈴木衛学長の不正も暴かれ、今後、文科省と私大の補助金を介しての「癒着の構図」にメスが入れられる。

 森友学園では、安倍晋三政権に配慮、財務省官僚の罪を不問に付しながら、政権に関係なければ遠慮なく「霞が関」に踏み込む検察のご都合主義はさておき、補助金と監督権限を武器に、天下りの受け皿にすると同時に“財布代わり”にし、そればかりか自分の子供まで押し込む官僚の腐敗は、徹底的に糾明すべきであろう。

 同時に、東京医大という大学の持つ“体質”についても触れておくべきだ。

 東京医大が450億円の新病院建設工事を巡って、スキャンダルに見舞われたのは2012年から14年かけてのことである。

 まず、時系列で眺めてみよう。

 東京医大は、16年に創立100周年を迎えるということで、それに合わせて新大学病院と既存病院の改修工事を行なうことになった。

 工事を受注したゼネコンは、かねて理事会と親密で過去に実績もある「大成建設」だった。

 だが、学内には「特定の業者に決めつけるのではなく、公正を期すべきではないか」という声があり、その急先鋒が、コンプライアンス担当理事でもある飯森眞喜雄副学長(当時)だった。

 その飯森氏に「不倫疑惑がある」とした怪文書が流れたのは、12年6月頃のことで、それと連動するように右翼団体の正氣塾が街宣活動を行なった。

 その直後、「大成建設」の多田博是副社長が飯森氏に接触、「大成建設への受注協力」を持ちかける。

 12年7月25日、2人はホテルオークラの「山里」で会談、攻撃が続いていた飯森氏は会話をICレコーダーに収めた。

 「力になれば、ニンジン(キックバック)はあるの?」という飯森氏の問いかけに、多田氏が「1%を合法的なコンサルタント料として還元したい」と、述べるなど、かなり生々しい。

 しかし、飯森氏は応じず、正氣塾の攻撃は続いていることから同校OBが「事態打開のため」と称して動き、大成本社に飯森氏を連れていって、「辞表をかけ」と迫っている。

 「書く理由がない」と、飯森氏は断ったが、こうした一連の工作と動きを、警察に相談したこともあって、東京医大は調査委員会を立ち上げて調査を開始する。

 その結果、「飯森攻撃」は収まり、「大成建設」は工作が表面化したこともあって、公募型プロポーザルには参加せず、結局、受注したのは「大林組」だった。
 
 こうした不自然な工作は、いつか必ず社会問題化する。

 13年春頃から受注過程を問題視した警視庁捜査2課が、関心を持って内偵捜査に入った。

 それをいち早く伝えたのが経済月刊誌『FACTA』(13年6月20日発売号)で、半ページほどの短いコラムで経緯を書いたところ、それに過剰反応した東京医大は、すぐに同誌を名誉毀損で提訴した。

 ここから『FACTA』が連続掲載、『週刊文春』が追撃して「録音データ」を公開、東京医大はスキャンダルにまみれた。

 事実なら由々しき事である。

 東京医大は私大なので、大学経営陣とゼネコンなど業者との癒着を立件するのは難しいが、バックリベートがあれば背任罪での摘発は成り立つとして、捜査2課とは別に、東京地検特捜部直告1班が内偵捜査に入った経緯がある。

 また、攻撃を受けた飯森氏も一連の経緯は許し難いとして、警視庁捜査2課に強要未遂で刑事告訴、そちらの捜査も始まった。

 しかし、検察、警察ともに決め手を欠き、なかでも「大成建設」が下りて、受注に至らなかった点が大きく、大きな謎を残しながらも事件は終結した。

 そうした“過去”があるにも拘わらず、東京医大という大学の「体質」は変わらなかった。

 当時、特捜部直告1班を率いていた副部長が、現特捜部長の森本宏氏である。

 東京医大の癒着・隠蔽体質を知る森本部長だけに、今回の摘発は、リベンジの意味合いもありそうである。【寅】

 

 

 

 

 

 

 



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