2020年8月20日配信<0510archives>「昔も今も“作事奉行”と“穴太衆”!?――東京オリンピック選手村の事業協力者は白昼堂々の“談合”で『三井不動産レジデンシャル企業連合』に決定!!」<内幕>


東京都が発表した選手村の開発イメージ



 たとえ参加資格があっても、指をくわえて見ているしかなかったのが、東京・晴海に1000億円を投じて6000戸を建設するという「東京オリンピック・パラリンピック選手村整備」の事業協力者選定作業だった。

 中堅不動産業者がいう。

「早くから東京都と大手不動産業者がガッチリと手を組み、青写真を描いていました。選定のスケジュールは発表されていたものの、我々のような中堅業者が入り込むスキはまったくありませんでした」

 企業努力が足りなかった業者の“ボヤキ”ではない。

 3月末、東京都は、選手村整備の事業協力者を「三井不動産レジデンシャル」を代表とする企業グループに決めた。

 グループの構成員は以下の通りである。

「NTT都市開発」、「新日鉄興和不動産」、「住友商事」、「住友不動産」、「大和ハウス工業」、「東急不動産」、「東京建物」、「野村不動産」、「三井物産」、「三井不動産」、「三菱地所」、「三菱地所レジデンス」。

 13社の事業協力者名を『2020晴海Smart Cityグループ』といい、協議事項に多様な入居者への対応、生活利便施設、医療福祉施設の導入、エネルギー低減策などを含んでおり、条件が厳しいのは確かだが、この顔ぶれを見れば、東京都と不動産業界がガッチリと手を携えていたのがわかる。

 実際、応募はこのグループだけで競争相手はいなかった。

「三井・三菱・住友」の財閥系に加え、「大和ハウス」、「東急不動産」、「東京建物」の専業大手の他、「NTT」、「新日鉄」、「野村」など異業種参入組がバランス良く参加、“財界本流”ではない中堅どころが参入する余地はなかった。

 だが、こんな選定方法で将来の「1000億円事業」の公正さは確保できるのだろうか。

 その選考過程を順を追って振り返ってみよう。

 東京都都市整備局オリンピック・パラリンピック準備局が、選手村予定地の住宅プランを発表したのは昨年12月19日である。

 それによれば、選手村の建設地は中央区晴海5丁目の約18ヘクタールで、整備してオリンピックに供用された後、14階から17階の板状住宅棟22棟と50階建て超高層タワー2棟を建設、商業施設も設置することになっている。

 選手村整備に向けて、東京都が事業協力者の募集を開始したのは1月23日で、参加申請が2月2日まで、提案書の受付締切は3月6日までだった。

 その後、3月17日にプレゼンテーション・ヒアリングが実施されたが、参加するのが1グループなのだから、自動的に「晴海Smart Cityグループ」に決まった。

 東京都は、今後、同グループと共同で施設内容や導入施設とその機能などを検討。そのうえで、来年春に選手村整備の事業認可を取得、16〜19年度に第一期工事として選手村関連施設を建設、大会後の20〜23年度の二期工事で宿泊棟として建設した建物を分譲マンションに改修、合わせて超高層タワーと商業施設を建設する。

 息の長いビッグプロジェクトで、実際の建物整備は、施行者の都に代わって、民間資金で建物を建設する「特定建築者制度」を適用。業者には民間デベロッパーが想定されているが、優先されるのは事業協力者となった「晴海Smart Cityグループ」であるのはいうまでもない。

 だが、事業への参画はどの業者も望むところであり、今後の事業展開において「公平さと公正さ」が担保される仕組み作りが必要なのは言うまでもない。【午】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 


2020年6月2日配信「東京高検検事長賭け麻雀事件を教訓とすべきは、むしろ司法担当記者だ!」<事件>

 
(wikipedia)

 

 黒川弘務東京高検検事長が、政府の自粛要請中に賭博罪に相当する「賭け麻雀」を繰り返していたことが発覚、自ら職を辞したが、賑やかな辞任報道に比べ、ほとんど触れられないのが、「検察とマスコミ」の関係だろう。
 
 弊誌は、5月21日配信で検察庁法改正を先送りさせた「検察の正義」について論考した。
 
 黒川氏を検事総長に就けようとした安倍政権の工作の数々を押し戻したのは、ツイッターに代表される国民の声であり、国会審議で抵抗した野党であり、政府への意見書やインタビューなどで検察人事の公平性と中立性を訴えた検察OBらの熱意だった。
 
 しかし、検察は、「正義を具現する組織」と言われるほど単純な官庁ではない。
 
 すべて「正義」は相対的なもの。「検察の正義」もあれば「官邸の正義」もある。
 
 これまで特捜検察がどれだけ強引な捜査を繰り返してきたか。彼らが手掛けた過去の数々の政界摘発事件を振り返れば、それは明らかであり、政権が検察の“行き過ぎ”に歯止めをかけようと、過去に何度も規制しようと試みたことでも分かるというものである。
 
 検察庁は公訴権を持つ特別官庁で準司法ではあるが、一方で法務省は政府が人事権を持つ行政組織であり、人事に影響力を行使しようとするのは当然のことである。
 
 文春砲の炸裂後、燎原の火の如く反対の声が湧き上がったのは、「森友学園」、「加計学園」や「桜を見る会」で証明された「首相がウソを押し通し、官僚がそれを忖度して支える」という構図にうんざりし、「政府を監視する検察までそんな組織になってはならない」という思いでみんなが一致したからだ。
 
 しかし、黒川辞任で改めて証明したのは検察の独善である。
 
 稲田伸夫検事総長は、形ばかりの謝罪コメントを発表したが、本人の肉声での陳謝の言葉はなく、また法務省の調査も形ばかりで、「訓告」で幕を引きたいのは明々白々。本来なら検察官適格審査会に黒川氏をかけるべきであり、さらに後任が黒川氏と検事総長ポストを争っていた林真琴名古屋高検検事長とくれば結局、スキャンダルを利用して官邸圧力を排し、当初の目論見通り、検察人事を完全に取り戻したことになる。
 
 この手前勝手な「検察の正義」を、これまで“補完”したのがマスコミ各社の司法担当記者だった。
 
 地検特捜部だけでなく、国税、証券監視委員会、公正取引委員会などの捜査・調査機関は、すべて公訴権を持つ検察に事前相談、事件の「筋」を決めるために、あらゆる大型事件の情報は検察に集まり、各社数名の“腕きき”を司法記者会に配置する。
 
 一線検事がマスコミ対応することはないが、検察幹部は会見だけでなく、それなりに取材に応じてレクチャーし、時に捜査情報をリークするので、検事と記者の関係は“主従”に近い。
 
 検事の意向は絶対である。
 
 今回、「産経」「朝日」の記者が接待麻雀を行っていたが、自粛期間中でもやろうという意欲を持ったのは、間違いなく“積み木中毒”の黒川氏であり、記者の立場で拒むことなど出来なかった。
 
 ただ、現在は、検察情報に沿って強制捜査をいち早く報じることが、それほど価値を生む時代ではない。
 
 夜討ち朝駆けで人間関係を作り、スクープを飛ばすことでどれだけ読者の関心を呼ぶかは心もとなく、その価値観ではマスコミが滅び行く運命にあるのは、日々、減少する新聞発行部数が示している。
 
「マスコミ」を「マスゴミ」と称するのはネットの画一的な批判だが、検察報道で当たっているのは、司法記者が読者より情報をくれる検察幹部を意識した記事を書くことが多い点だ。
 
 上述したように、事件発覚後の「稲田検察の独善と秘密主義」は目に余った。
 
 黒川氏の定年延長にも、接待麻雀にも、なんら意思を表明することなく、無言でやり過ごして人事を取り戻した。
 
 それは、検察の唯我独尊と傲慢を象徴しているが、司法記者はそれを検証することも批判することもない。
 
 これでは賭け麻雀事件は、一過性のものとして忘れ去られ、検察は不可侵の立場を継続し、司法担当記者との主従関係も旧態依然のままでは、国民の信頼を得ることはできない。
 
 国民が期待する情報は、抜いた抜かれたの「スクープ」ではない。
 
 SNSに瞬時に情報があがる状況で、プロの司法記者に求められるのは「検察に媚びない正確な情報」と、その「背景説明」である。
 
 今回の事件を教訓とすべきは、むしろ「マスコミ司法記者」であろう。【🐕】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年5月21日配信「大山鳴動の末の先送り!――検察の“ロッキード世代”が検察庁法改正を許さなかった理由」<事件>


(wikipedia)


 「検察の正義」というものを、ツイッターで検察庁法改正反対に声を上げた国民、国会審議に抵抗する野党、表現に差はあるものの、概ね反対だったマスメディアが、すべて信じているわけではない。
 
 むしろ逆で、検察と近い関係を持った、つまりはターゲットとして狙われたことのある「政・官・財」のそれなりの地位のある人間はもとより、それを報ずる記者、報道によって事件の全体像を掴むことが出来る国民は、「正義」を振りかざす強大な権力集団の持つ怖さに気付いている。
 
 だが、今回の場合、夫々が横一線で連帯した。
 
 それは、森友、加計、桜を見る会で繰り返された「クロをシロ」と言いくるめる安倍政権、人事で官僚を忖度させる安倍官邸にうんざりしているからだ。
 
 なかでも、彼らが問題視したのは、「内閣や法相が必要と判断したら検察幹部の定年を3年延長できる」という特例規定である。
 
 65歳定年延長に反対する者はほとんどいないが、この規定には「検察を牛耳りたい官邸の思惑」が滲み出る。
 
 ただ、政権サイドが、これほど多くの反対に見舞われるとは思わなかったとすれば、その「傲慢さ」は安倍政権の末期の表れであろう。
 
 なぜ、特例規定が許されないか。
 
 それは連名で抗議した松尾邦弘元検事総長など検察OBが、自らを「ロッキード世代」と名乗り、田名角栄元首相を逮捕したロッキード事件の体験をもとに、政治に距離を置く「検察のあるべき姿」を訴えているところに表れている。
 
 45年前のロッキード事件を覚えている世代も少なくなった。
 
 田中角栄元首相の金脈が、76年2月、米議会証言を糸口に、検察は、「元首相逮捕」という金字塔を打ち立てたが、以降、「闇将軍」となった元首相の力を恐れ、約10年、政界に手を出せない忍従の時期が続いた。
 
 元首相は、刑事被告人となり、「数は力」の論理で派閥膨張主義に走り、事件当時に75人だった田中派は、79年の40日抗争で63人となったものの、80年に100人の大台を超え、87年、最大規模に達した時は142人を数えた。
 
 その力で元首相は、党も内閣も枢要ポストを握り、法相には「隠れ」も含めた田中派を配し、検察に睨みを効かせた。
 
 その結果、検察が政治家に手を伸ばすのは86年の与野党代議士を起訴した「撚糸工連事件」まで待たねばならなかった。
 
 その後、元首相が前年、脳卒中に倒れ、ようやく「政治の枷」から解き放たれた。
 
 そこから検察の快進撃は続き、「リクルート事件」で「政・官・財」の構造を再び暴くが、リクルートで失脚した竹下登元首相の盟友の金丸信元副総理の処遇を巡って、検察は激しい非難にさらされる。
 
 「東京佐川急便事件」において5億円の裏金が発覚したのに、「上申書と20万円の罰金」だけで済ませようとしたからで、「政界実力者だから見過ごすのか」といった批判が嵐のように起き、検察庁前の石の看板にペンキがぶち撒かれた。
 
 危機感をもった検察は、金丸元副総裁の周辺を徹底的に洗い、約70億円もの隠し資産に辿り着き、93年3月、元副総裁を逮捕し、巨額脱税事件を仕上げた。
 
 田中、竹下、金丸……いずれも日本の高度経済成長を支えた旧田中派の政治家たちを検察は、ロッキード事件以降、旧田中派の摘発を通じて、「政官財の癒着」を暴いていった。
 
 その「衣鉢を継ぐ者」が、小沢一郎元民主党幹事長だった。
 
 27歳で田中派入りして政界修行を積み、後継の「竹下派7奉行」のひとりとして頭角を現わし、金丸元副総裁に可愛がられたが、金丸逮捕で竹下派は瓦解、小沢氏は羽田孜氏とともに新党を結成、持論の「二大政党制」へ向けて動き、後の民主党結成に繋げる。
 
 民主党は、07年の統一地方選、参院選にも勝利、「次の総選挙で衆院でも逆転、民主党政権は確実」と言われていた。
 
 その時、「西松建設」からの不正献金を嗅ぎつけた東京地検特捜部が、09年3月、小沢氏の政治団体「陸山会」の政治資金規正法違反で摘発、秘書を逮捕した。
 
 小沢氏が、旧田中派流の集金システムを持っていたのは確かだが、逮捕に至ったのは、検事総長の国会同意人事、検事正の公選制など「政治主導」を進めていた小沢氏とその周辺が、「検察に対しても政治主導」を構想していたことが背景にあった。
 
 所詮は小沢も田中、竹下、金丸と同根じゃないか!――そんな思いの検察が、「法務・検察の秩序」を守ろうと手掛けたのが「陸山会事件」の本質である。
 
 ただ、秘書逮捕は10年1月も続いたが、「小沢逮捕」には行き着かなかった。
 
 そういう意味では未達だが、検事総長人事をイジらせなかったという意味で検察の得点となり、痛み分けとなった。
 
 だが、検察は、同時期、大阪地検特捜部で行っていた「厚労省女性局長事件」で、証拠改竄という取り返しのつかない失敗を犯した。
 
 特捜部長以下が逮捕起訴され、政界はもちろん国民的批判を浴びた。
 
 この時、「検察の在り方検討会議」が設置され、類い稀なる調整能力を評価されて事務局長となったのが黒川弘務氏(現東京高検検事長)だった。
 
 その手腕を買われて官房長となり、以降、事務次官として都合7年半、「政界との窓口」を務めた。
 
 黒川氏の役割は、政権の意向を汲みつつ、検察の思惑も通すこと。共謀罪のような安倍政権の「肝煎り法案」を通すのに貢献する一方、刑事訴訟法改正による司法取引の導入など、検察の捜査現場に“武器”を与えた。
 
 そういう意味で安倍氏は、検察が最も弱った時代に政権を握り、黒川氏という「官邸代理人」を得て、検察庁法を改正、他の霞が関と同様、支配下に置こうとした。
 
 だが、政治と検察の関係は、「ロッキード事件」以降、40数年にわたり、対立と緊張のなかにあり、その経緯を知る検察OBは、「人事を握られ、政権に組み込まれることなどあってはならない」と、憤る。
 
 が、かつて1年で政権を放り出し、今、「一強」を謳歌する安倍首相には、その「歴史と緊張感」がわからない。
 
 そこが、OBを含む検察総体の怒りにつながり、それをメディアが報道、国民は森友事件以降の政権の相次ぐ傲慢に重ねて怒りのツイートをしたことで一大騒動に発展。――法案の先送りも当然の帰結である。【🐭】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年5月14日配信<0510archives>「奇怪千万!――次期検事総長人事の背景」<事件>

 

首相官邸(左)と検察庁(Wikipedia)


 「法務・検察」も所詮は官僚機構で、人事権を握る政権の意向に従わざるを得ないことを痛感させられたのが、「官邸の代理人」といわれる黒川弘務東京高検検事長の定年延長だった。
 
 黒川検事長の定年は63歳の誕生日を迎える2月8日。稲田伸夫検事総長は、NO2である東京高検検事長の後任を林真琴名古屋高検検事長とし、自身が仕切る今年4月の国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)を終えた後、林氏の定年である7月30日までに退任、林氏に検事総長を譲る、というスケジュールを想定していた。
 
 だが、定年延長で黒川検事総長となるのは確実で、検察は、官邸に人事権を譲った。
 
 それにつけても思い出されるのが、10年前の小沢一郎事件である。
 
 09年3月の大久保隆規秘書から10年1月の石川知裕秘書(逮捕時は代議士)の逮捕まで、東京地検特捜部は徹底的に政治資金規正法違反を追及、狙いは当時の民主党政権における最大実力者の小沢一郎幹事長の逮捕だった。
 
 その理由は、小沢幹事長が唱えた「検察改革」である。
 
 「小沢は、田中角栄、金丸信という“2人の親父”を特捜部によって失っている。検察庁と検察捜査に根深い不信を持っている小沢は、検察改革に踏み込もうとし、その私案をまとめていた」(ベテラン司法記者)
 
 それは検事総長の内閣同意制、検事正の公選制、録音録画を義務付ける捜査の可視化などである。
 
 なかでも検察が危機感を募らせたのは、内閣同意制や公選制で、そうなると民間から検事総長や検事正が選ばれる可能性もあるわけで、決して容認できなかった。
 
 通常であれば、04年10月に購入した不動産を、05年1月に不動産登記したというのは「期ズレ」であり、政治資金収支報告書の修正で済むものを、「ゼネコンの裏ガネを隠す意図があった」として強引に捜査。最後は、それを「小沢の指示」として逮捕を目論んだが、石川秘書らが認めず、結局、「秘書の犯罪」で終結した。
 
 その小沢事件と比べれば、今回は「官邸の言いなり」である。
 
 人事を決めるのは検事総長だが、検事総長、最高検次長、全国八カ所の高検検事長は、「天皇の認証官」であるため、任免には閣議決定が必要で、黒川氏の定年を見据えて昨年末、遅くとも今年初めまでには内示を出さねばならなかった。
 
 だが、稲田総長の人事案を持っていった辻裕教法務事務次官に対し、菅義偉官房長官ら官邸は、なかなか首を縦に振らず、2月8日までの稲田総長の退任を促す始末だった。
 
 「永田町の監視役」でもある検察が、政権に人事を委ねてはならないという思いと、5年に一度の国連イベントの日本開催は50年ぶりである京都コングレスを成功させたいと思いから、稲田氏は退任に同意せず、辻次官は間に入って苦労した。
 
 ただ、政権には検事総長に退任を命じる権限はなく、検事の身分は検察庁法によって固く守られている。
 
 「稲田氏が辞めない以上、林検事総長を認めるしかない」という観測が政界にも流れていた頃、広島地検が想定外の捜査に着手した。
 
 1月15日の河井克行前法相と妻の河井案里参院議員への強制捜査である。
 
 19年夏の参院選で、河井案里陣営が運動員に報酬を過払いしたとして、市民団体などから公職選挙法違反の告発状が広島地検に出されていた。
 
 それを受けての強制捜査だが、「時効が迫っているわけではなく、任意の取調べでも十分なのに、カジノ事件で秋元司前内閣府副大臣が逮捕され、ただでさえ政権が批判されている今、なぜ強制調査なのか」という批判が、政権サイドから一斉に挙がった。
 
 政界捜査には、検事総長の承認が欠かせない。
 
 稲田総長のゴーサインを「自分に退職を迫った政権への意趣返し」と捉え、「やはり稲田ではダメだ」という声が官邸の総意となって、検察庁法違反の声もあるなか、黒川氏の半年間の定年延長という前代未聞の“奇策”が生まれた。
 
 小沢氏への反発から捜査に突入、願いが果たせず強引な捜査を批判された10年前と、政権を揺るがす捜査を行って返り討ちのように人事権を奪われた今回の歪な人事。――安倍政権にも検察にも欠けているのは、「国民にとって必要な検察体制はどうあるべきか」という視点である。
 
 どっちもどっち。昔も今も両者にあるのは、自分たちの勢力を保持、拡大させたいという独善的な姿勢には、国民の支持は得られないと思うのだが……。<🐏>

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年5月1日配信<0510archives>「コロナショックで未曾有の経済危機に求められる緊縮財政からの大転換」<政治>

 
安倍首相(wikipedia)

 

 コロナショックが世界経済を直撃、カネとモノの流れが止まり、今後、不況が長期化するのは避けられない。
 
 パンデミックは中国から欧州へ移ったとされるが、日本には世界と比較しても厳しい状況があり、経済でいえば最大級の不況が襲う可能性がある。
 
 それは、デフレ経済が好転しないなかでの消費増税によって、19年10〜12月の実質GDP成長率が、マイナス7・1%と壊滅的な打撃を受けている最中にコロナショックが襲ったことだ。
 
 しかも、じゃぶじゃぶの金融緩和を続けても好転しないデフレ(需要不足)のなか、野球、大相撲、サッカー、演劇、コンサート、学校、会食、飲み会、国内外の旅行など全てに自粛ムードが広がって、さらに需要は低下、経済は壊滅的だ。
 
 民間に需要がなければ政府が需要を創出するとともに、あらゆる政策的な救済手段を家計と企業に行わなければならない。
 
 約1・6兆円の緊急対応策第2弾では、とても対応できず、与野党ともに超大型の財政出動を第3弾の緊急対応策が必要なことでは一致している。
 
 自民党の「日本の未来を考える勉強会」は、積極財政論者の藤井聡京都大学教授(元内閣官房参与)を呼んで勉強会を実施、メンバーの安藤裕代議士は、「30兆円規模の補正予算案の編成や消費税の一時0%」といった、大胆な経済政策を求めた。
 
 国民民主党の玉木雄一郎代表は、国民への10万円給付、消費税5%への減税、事業者への事業損失補填などで30兆円規模の緊急経済対策を提案した。
 
 デフレ脱却、消費税5%を提言していたれいわ新選組や共産党も財政出動に異論はなく、安倍晋三首相も14日の会見で「必要かつ十分な経済財政政策を」と、明言した。
 
 放置すればGDPの10%は吹っ飛ぶといわれており、深刻さは日を追うごとに鮮明となり、飲食街の個人経営は既に、資金繰りに詰まる店が続出、給付が数ヵ月先の信用保証協会融資を求めるレベルではない。
 
 それだけに財政出動は当然で、リーマンショックや東日本大震災を上回る規模になるのも当然だが、必要なのは一過性に終わらせず、これを機に、財政健全化の発想を転換、財政収支のバランスを取る「プライマリーバランス(PB)規律」を見直すべきだろう。
 
 必要なときには必要なだけの財政出動を行って、国が経済を支えるべきなのに、不況の20年の間、政府支出は一向に増えず、制度はきしみ国民は2極化のなかに沈んでいる。
 
 政府がムダな歳出を削ろうという発想は当然だが、「事業仕分け」に代表されるように、政治家のパフォーマンスに利用されることが多い。
 
 実のところ日本の公務員数は少なく、雇用者全体に占める政府雇用者比率は5・9%とOECD加盟国(平均は18・1%)のなかで最低だ。
 
 今回のコロナショックで、ダイヤモンド・プリンセス号での感染者急増など厚労省の不手際を指摘する向きは多いが、この30年、公務部門の非正規化や民間委託が進められた結果、厚労省の53%の公務員が非正規であるという現状を押さえておく必要がある。
 
 感染症対策部門の貧困さも同様で、米国の専門家を集めた疾病対策センター(CDC)の年間予算が8000億円で職員数が1万4000人。それに対して日本は、国立感染症研究所の人員が300名で予算が65億円だ。
 
 評判の悪い「全国一斉休校」は、専門家の意見を聞かずに、安倍首相と今井尚哉首相補佐官の2人で決めたと言われており、2人の傲慢さはあるにせよ、その程度の危機管理対応しか出来ない陣容なのである。
 
 その根幹にあるのが、緊縮財政がもたらした政府の予算と陣容の縮小で、それが日本経済を浮揚させず、明るい展望を与えず、デフレに沈めさせた。
 
 今、消費増税に加えてコロナショックが発生、日本経済の奈落の底が見えている以上、PB規律の呪縛を解き、緊縮財政からの大転換を図る時期に来ているのではなかろうか。【🐕】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 


2020年4月28日配信「捜査崩壊――新型コロナ感染拡大で裁判所・検察・警察・拘置所が“機能停止状態”」<事件>

 
開店休業中!(wikipedia)

 

 新型コロナウイルスがもたらすのは「医療崩壊」だけではなく、秩序を揺るがす「捜査崩壊」も始まっている。
 
 裁判所は公判を延期、検察は人事異動をストップ、警察は次々に感染者が出て、強盗殺人など発生モノ以外は捜査に着手できず、拘置所は面会が禁止となった。
 
 東京の家裁、地裁、高裁は、緊急事態宣言の出た4月8日から5月6日まで、急ぎの刑事裁判を除き、ほとんどの公判日程が延期となった。
 
 一時、傍聴席の間隔を空け、裁判官以下、全員がマスクをつけて証人尋問を行っていたが、法廷も「三密」であるのは事実で、宣言以降、開くことはできなくなった。
 
 検察は、4月の人事で、検事と副検事約1000人が異動することになっていたが、森雅子法相が「引っ越しは、新型コロナを撒き散らすようなもの。何を考えているの!」と、一喝して延期となった。
 
 異動に伴い、検事たちは事件の引き継ぎ作業に入っていたが、すべて仕切り直しとなり、一向に収まる気配を見せないなか数ヵ月先になるのは確実で、その間、公判日程の延期と合わせ、作業は滞る。
 
 また、検察と森法相は、森法相の後ろに控える官邸とのギクシャクした関係を引きずり、冷戦状態にある。
 
 今回の異動中止は、官邸が稲田伸夫検事総長の後任に黒川弘務東京高検検事長を据えようと、黒川検事長の定年延長まで画策した問題にも波及する。
 
「黒川検事長の任期は半年延ばしたものの、8月7日までの緊急措置。すべての異動を中止した以上、稲田総長が官邸の意向を汲むことなく8月7日までに勇退しなくていい。そうすると官邸も横車を押せず、検察は人事の独自性を保てる」(検察関係者)
 
 コロナ騒動は、検察VS官邸の関係にまで影響を及ぼすわけだが、その果てに生じた河井克行・案里夫妻の捜査も同様だ。
 
 河井案里参院議員の公職選挙法違反事件は、既に広島地検が公設秘書らを買収罪で起訴。100日裁判が始まっており、確定すれば連座制で案里議員は失職する。ただ、検察はこれで満足せず、河井夫妻から首相、県議、市議らに渡ったカネの流れを捜査している。
 
「こちらも買収罪が成立する可能性が高いのですが、立件するとなると克行は元法相だけにハードルが高く、東京地検に事件を移送、特捜部が聴取などを行うことになっていました。しかし、コロナ騒動の最中だけに、移動、聴取は出来ないということで、在宅起訴となりそうです」(全国紙社会部記者)
 
 全国30万人もの警察官がいる警察は、気の緩みの感染もあって、国民を呆れさせる事例が起こっている。
 
 兵庫県警がいい例だ。
 
 自粛要請が出されていた3月27日夜、神戸西署の幹部歓迎会が行われ、7名が集団感染。ほかに4名の感染者も発生、70名強が自宅待機となり、5月予定の採用試験は中止となった。
 
 警視庁の感染の拡がりは大きく、赤坂署、町田署、玉川署、大塚署、昭島署などで署員の感染が明らかとなった他、渋谷署では同署の留置場に勾留されていた7名の感染が確認された。
 
 こうした感染者の発覚は、署員など当該者の待機を意味するだけでなく、濃厚接触を疑われる数十人の署員が自宅待機を余儀なくされ、警察署機能は失われる。
 
 また、警察の捜査や取り調べ現場は「三密」の最たるもの。長時間の尋問は避けられないが、それが許される環境になく、勢い事件は後回しで、宣言期間中は管内パトロールが中心となりそうだ。
 
 こうした「捜査崩壊」が起きている間にも、犯罪者は「鬼の居ぬまに〜」とばかりに“仕事”を止めず、むしろ活発化させる。――それをどう規制、牽制するかが、今、捜査当局に問われている。【🐍】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年4月11日配信<0510archives>「悪夢再び!?――東京五輪選手村『HARUMI FLAG』大量売却で始まる不動産大暴落の恐れ!」<事件>

五輪選手村用地


 東京五輪選手村の跡地再開発の名称が、「HARUMI FLAG」に決まり、2019年5月から売り出された。

 選手ら1万8000人が宿泊する施設は、そのまま高層50階2棟を始めとするマンション群に生まれ変わる。

 5632戸の新しい街が晴海に誕生するわけだが、そのうち分譲4145戸分の安値売却が、高騰を続けてきたマンション市況を冷やすきっかけになるといわれている。

 「都内では新築マンションの坪単価が350万円を超え、一般のサラリーマンには手が出せない水準になってきています。そうした市況の情勢と、新築ではあっても二次使用という現実などもあって、HARUMI FLAGの坪単価は250万円程度に設定されるようです。この3割引が、マンション相場の下落を誘因、不動産相場全体の暴落を引き起こすことになりそうです」(大手不動産幹部)

 アベノミクスが、景気を下支えし、雇用を改善、株価を右肩上がりにした効果は否定できない。

 ただ、そのカネ余りが様々な歪みを生じさせたのも事実で、そのうちのひとつが、少子化のなか将来の住宅過多を折り込まないマンション建設ブームだった。

 首都圏のマンション価格は、02年の約4000万円を底値に上げ始め、15年には5500万円を超え、18年に入ると、少し条件の良いマンションなら7000万円を超えた。

 五輪需要などで土地代も建設資材も高騰したのが原因で、その悪材料をアベノミクスが薄め、購入意欲を継続させた。

 だが、今後、人口が減少、空き家が増えて中古賃貸マンションの価格相場が崩れるのが明白なのに、一般勤労世帯がローンが組めないようなマンションブームがいつまでも続くわけはない。

 「東京五輪終了後の20年がバブル崩壊の年になる」というのが、マンション業界の常識。「消費税が10%になる前に」と、19年10月の消費税アップを折り込んだ駆け込み需要を煽った反動も予想できる。

 それより前に、HALUMI FLAGの4000戸大量安値供給が、バブル崩壊の引き金を引くと見られている。

 湾岸一等地のファミリータイプ20坪が、約5000万円で売却されれば、相場を下方に大きく牽引することになるのは間違いない。

 しかも、下落はマンションだけでなく、不動産市場全体に及ぶ。

 他の分野でもアベノミクスの反作用が出始めており、それを覆す投資要因がない。

 「スルガ銀行」のシェアハウス騒動に代表されるアパート融資や、ソーシャルレンディング業界最大手の「maneoマーケット」の急成長などは、同じ「カネ余り」がもたらしたものである。

 しかし、明らかな逆回転が始まっている。

 シェアハウス騒動は、スルガ銀行固有のものではなく、地銀や信金が、サブリース業者と手を組んで投資家の需要を開拓、資金を捌きたいという思惑から始まっており、金融業界全体が抱える問題である。

 金融庁が態度を一転させ、投資家が目を覚ました以上、金融機関は融資を絞らざるを得ず、「レオパレス21」、「大東建託」などのサブリース業界は確実に冬の時代を迎える。

 業績不振の不動産業者の“駆け込み寺”となっているソーシャルレンディングも同様。「Maneoマーケット」への業務改善命令に見られるように、債務者保護を名目に劣悪な物件であることを隠し、高利をエサに資金を集めていたのがソーシャルレンディング業界であるのがバレた以上、新たな資金を得るのは難しい。

 結局、マンション、シェアハウス、アパートなどの建設ラッシュは、アベノミクスの生んだ“徒花”であり、バブルのなかに咲いた以上、いつかは終焉を迎える。

 新築マンションでその引き金になるのが五輪選手村だが、目端の利く投資家や業者は、既に不動産の売却に入っており、中国人が買い漁った利殖や民泊目当てのタワーマンションでは投げ売りが始まっている。

 実需に基づかないマネーゲームは終了。――待ち受けるのは、マンション、サブリース業者などの連続倒産という見たくない再びの悪夢である。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年4月7日配信「警視庁捜査2課が新橋地面師事件でマイク内田ら5人逮捕で、疑問山積の白骨事件にまで捜査の手は延びるのか?」<事件>

 
白骨事件の現場(0510報道写真部提供)

 

 東京・五反田の積水ハウス事件以降、地面師事件を断続的に摘発している警視庁捜査2課が、3月25日、「新橋白骨事件」として知られた案件にようやく手を付け、内田マイク、秋葉紘子、喜田泰寿、江部勝幸、大塚洋容疑者を逮捕した。
 
 4年前から「事件」であるのは明白だった。
 
 新橋5丁目に182平方メートルの自宅を持ち、他に新橋4丁目の環状2号線沿いに約170平方メートルの土地を所有する高橋礼子さん(失踪時59歳)が、16年10月19日、遺体で発見された。
 
 高橋さんの姿を近隣住民が、最後に見たのは同年3月12日で、以降、連絡が取れない状況が続いていたことから、町内会長が警察に失踪届を出していた。
 
 失踪から半年が経過、彼女は自宅と隣家のわずか45センチの隙間で白骨死体となって発見されたのだが、かねてからアル中気味で、警察に保護されることも多く、警視庁捜査1課は、「勝手にハマり込んで亡くなった」と、早々に結論を出し、「事件性はない」と、発表した。
 
 それから3年半後の事件化である。
 
 それも、内田マイク容疑者は、積水ハウス事件では主犯格として懲役12年の判決を受けた札付きの人物。2つの土地を合わせて10億円というのだから、高橋さんの失踪に地面師たちが関わっていないわけがなかった。
 
 実際、こんな証言がある。
 
「今回、逮捕された地面師のなかのひとりから、『うろうろされても困るので、高橋さんを拉致監禁してたんだ』という話を聞かされた不動産業者がいる」(取材に当たった記者)
 
 土地の履歴を辿れば、その理由がわかる。
 
 高橋さんは、土地の所有権はそのままに、15年4月10日、大田区大森のワンルームマンションに引っ越している。
 
 新橋に抵当権のついていない“まっさら”な家に住みながら京急沿線の駅から徒歩15分のワンルームマンションに引っ越す理由がない。
 
 そのうえで、高橋さんの土地は、4月28日、木更津の海運業者に移り、以降、相模原の業者→神田の不動産業者→新橋の不動産業者→新宿の不動産業者→新橋の不動産業者(2度目)と、経た上で、最終的な購入業者である「NTT都市開発」に、7月21日に所有権移転している。
 
 アル中気味で両親が亡くなってからはひとり暮らし。友人知人もおらず、町内会のつきあいもないと、いう地面師にとっては格好のターゲットの高橋さんは、15年4月10日までにパスポートなど本人確認の証明書、印鑑登録証などを偽造され、土地を収奪されたことになる。
 
 警視庁捜査2課は内田マイク容疑者らが、秋葉容疑者をなりすまし役にして、木更津の海運業者から手付金3000万円を騙し取ったとして逮捕している。
 
 ということは、地上げ依頼者である「NTT都市開発」までの間に入った4社のなかに、地面師グループと接点を持った業者がいて、そこが事件に関与した可能性が高い。
 
 地面師事件は、引き続き捜査2課の手で解明されるが、「事件性がない」と、早々に諦めた捜査1課は、関係者逮捕を機に再捜査すべきではないのか。
 
 警視庁元捜査関係者が疑問を呈する。
 
「3月から10月といえば真夏を挟む。その間、人通りもある新橋の路上近くに、腐乱死体が放置されていたことになる。気付かれずに放置されるなんてありえない。何らかの工作がなされて、その後、死体が遺棄されたと見るのが自然だ」
 
 孤独とはいえ、子供の頃から住み慣れた土地、少ないとはいえ町内に知り合いはいるのだから地面師グループにとって、高橋さんがふらふら出歩くのは望ましい事態ではなかった。
 
 だから「拉致監禁した」というグループのひとりが漏らした言葉に説得力はある。
 
 監禁もしくは軟禁の間に、高橋さんは亡くなったのではないか――。
 
「事件性なし」で済ませたから再捜査はしない、というのでは高橋さんは浮かばれない…。【🐭】

 


2020年3月20日配信「官邸による、官邸のための黒川人事に反抗した検察が河井克行・安里夫妻に続いて菅原一秀元経産相捜査に着手?」<政治>

 
東京地検(☚wikipedia)

 

 

 検察が、官邸に逆らうように遠慮会釈のない捜査を展開している。
 
 広島地検は、3月3日、公職選挙法違反の疑いで河井案里参院議員と河井克行元法相の秘書や陣営幹部を逮捕、両議員の参考人聴取も行った。
 
 驚かされるのは、そのスピード感である。
 
 昨年7月の参院選で初当選を果たした案里議員の陣営に、選挙カーに乗るウグイス嬢に対し、法定上限の2倍の日当を払った疑いがある、と『週刊文春』電子版の「文春オンライン」が昨年10月に報じ、10月31日には克行氏が法相を辞任した。
 
 その直後、市民団体メンバーが公職選挙法違反(買収)容疑で広島地検に刑事告発。これを受理した同地検は、12月に入ると、車上運動員らへの任意の事情聴取を開始した。
 
 そのうえで、国会開会前の1月15日、広島市の案里、克行両氏の自宅や事務所に家宅捜索に入った。
 
 これに危機感を持ったのが官邸である。
 
「確かに、違反行為は明白だったかも知れない。しかし、運動員の日当上乗せは誰でもやっていること。微罪というしかなく、そんな罪で国会開会の直前、しかも秋元司代議士がカジノ事件で逮捕され、桜疑惑で安倍首相が抗議されている最中に、わざわざ家宅捜索までやる必要があるのか、と官邸は怒った」(ベテラン司法記者)
 
 政治家への捜査着手は検事総長の承認事項であり、総長を始め検察幹部から官邸への通達が慣例である。
 
 それを拒否できるのは、法相だけで検事総長に対する指揮権発動が認められているが、権力の乱用を批判されるのは必至で、過去に使われたのは、70年近く前の造船疑獄の一度しかない。
 
 だから認めるしかなかったのだが、官邸には「稲田伸夫検事総長ではダメだ」という声が広がった。
 
 それが、悪評高い1月31日の黒川弘務東京高検検事長の定年を半年、延長するという閣議決定である。
 
 検察が目論んでいたのは、官邸と近いナンバー2の黒川検事長が2月8日で定年を迎えるので勇退してもらい、その後任に「検察のエース」の林真琴名古屋高検検事長を当て、稲田総長が8月までに勇退、林体制をスタートさせることだった。
 
 だが、河井夫妻への強制捜査は、安倍首相と菅義偉官房長官の双方にケンカを売ることになった。
 
 自民党が参院選で案里氏に1億5000万円という途方もないカネを投じたのは、対立候補の溝手顕正元防災相が、かつて安倍首相を“裏切った”からである。
 
 そして克行氏は、菅氏を囲む「向日葵の会」の代表で、菅グループの中心だった。
 
 それが、人事権を持つ官邸が「定年延長」という“禁じ手”に出た理由だが、それに対して検察は意地を見せた。
 
 立件へ向けて怯むことなく河井陣営の中心メンバーを逮捕、夫妻の参考人聴取も行った。
 
 秘書ら逮捕の3日夜、広島地検は夫妻が滞在していたホテルを訪れ、携帯電話を押収、その際、抵抗する夫妻と揉み合いになったが、検察は「身体検査令状」を出して、つまりボディチェックして押収したのだという。
 
「河井案里議員が素っ裸にされていた!?」と、「日刊ゲンダイ」は扇情的な見出しでこれを報じたが、それだけ強い意欲の表れだ。
 
 さらに事件は、河井夫妻に留まらない。
 
 東京地検特捜部は、既にカニやメロンなどを選挙区内の有権者に贈っていたとして問題になっていた菅原一秀前経産相が、公設秘書に命じて香典を贈っていた容疑で、公職選挙法違反捜査に入っている。
 
 また、秘書へのパワハラや秘書給与の上納疑惑など、菅原氏も疑惑は満載。森本宏特捜部長は、黒川検事長と「意外に仲がいい」(検察関係者)ことで知られ、それだけに菅原氏の立件に意欲を燃やしているという。
 
「森本氏は、官邸人事が検察の独立性を歪めたという危機感を持っているし、事件を着実に仕上げることが、『黒川検事長は官邸の言いなりではない』ことを証明することになると、執念を燃やしている」(同)
 
「過ぎたるは及ばざるが如し」――検察を従わせようとした官邸の「黒川人事」が、逆に検察に火をつけ、「反目」に回らせてしまった?ようである。【🐇】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年3月14日配信「2極化拡大、デフレ進行下の消費税アップと悪材料が重なるなかでのコロナショックで日本経済は奈落の底へ?」<事件>

                                                                           猛威を奮うコロナ君

 

 

 株は暴落、為替は円高――「コロナショック」の先行きが見えない。
 
 新型コロナウイルスに感染した患者数の増加に気を揉む段階は終え、教育、スポーツ、イベントなどは停止若しくは無観客、テレワークや時差出勤、店舗の休業などが日常化、社会・経済活動全体を収縮させ、中国発の暗雲は厚みを増しつつ世界を覆っている。
 
 日本への影響は深刻だ。
 
 昨年10月、消費税をアップして10%としたが、その結果、購買意欲は冷え込んで、昨年10〜12月の実質GDP成長率は前年同期比マイナス6・3%だった。
 
 黒田東彦日銀総裁が、いくら異次元の金融緩和を進めてもインフレ目標の2%には到達せず、デフレ状態を脱却できない日本で、消費税をアップするのは間違いなく悪手。そこに、コロナショックが重なるのだから打撃は計り知れない。
 
 加えて、デフレ下の日本で2極化が進行している。
 
 まず、労働分配率の低下が止まらない。
 
 企業の利益のうち労働者の取り分を示す労働分配率は、40年前に65%前後だったものが、今は55%近く。ロボットやITを始めとするテクノロジーの進歩が、労働の価値を減少させ、加えて労働組合などの権利擁護組織が弱体化、資本家は利益を投資と内部留保に回すようになった。
 
 さらに情報化社会の利益を総取りする、GAFAグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)が、巨大プラットフォーマーとして小売りからメディアに至る利用者を競わせて低価格(デフレ)を進行させ、ウーバーなどのアプリ利用の新興企業は、「自由な労働」を謳いつつ、非正規雇用者から利益を収奪するマシーンと化している。
 
 そんな日本をコロナショックが襲った。
 
 歌舞伎、宝塚、演劇、コンサートは中止され、プロ野球、大相撲、プロバスケットボール、ラグビートップリーグは、無観客試合、もしくは延期に追い込まれた。
 
 自粛要請は安倍晋三首相だが、北海道を始めとする緊急事態宣言は首長が出しており、観光客の減少と合わせ、外に出ない、ものを買わない、カネを使わない生活が浸透、サービス業は壊滅状態である。
 
 加えて、世界経済の牽引車にして消費のリード役だった中国が打撃を受け、今年1〜3月は、マイナス成長に落ち込むという観測も出ている。
 
 日本の製造業の多くは中国とサプライチェーン(供給網)によって結ばれており、急激な落ち込みは避けられない。
 
 「影響は東日本大震災以上で、GDP3兆円の減少」と、予測されているが、この先の見えない落ち込みが、5月まで続けば東京五輪の1年延期、もしくは中止は確実で、影響はさらに甚大だ。
 
 東京、京都などで五輪景気を当て込んで、APAホテル、ダイワロイネット、ドーミインなどのホテルチェーンが、供給過多といっていいほど増加。それによって90年代初めのバブル期を上回る五輪バブルとなったが、五輪が無ければインバウンドブームは完璧に去り、その結果、借金過多で倒産が相次ぐのは、バブルの教訓だ。
 
 逆スパイラルが始まれば、不動産価格も暴落する。
 
 五輪バブルのなか首都圏のマンション価格は一戸あたり8360万円となり、90年11月のバブルピークの7497万円を上回り過去最高。平均的サラリーマンでは手の出なくなった価格は、投機化の現われであり、暴落は必至であろう。
 
 製造、非製造を問わずすべての産業が打撃を受け、2極化のなか非正規雇用やシングルマザーなど生活弱者がしわ寄せを食う状態をどう乗り切るのだろうか。
 
 かくなるうえは大胆な財政出動しか打開策はなく、安倍政権の胆力が求められるのだが……。【🐏】

 

 

 

 

 

 

 

 



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