2019年3月19日配信「嗚呼、父子鷹!――いよいよ退任が避けられなくなった竹田JOC会長と息子のタニマチ依存体質」<事件>

 
棄権寸前?(Wikipedia)

 

 旧皇族の据わりの良さで日本オリンピック委員会(JOC)会長を10期18年も続けている竹田恒和氏に責任論が急浮上、6月の改選を待たずに退任しそうだ。

 実際、竹田氏は追い詰められている。

 2020年東京五輪招致の際、仏司法当局がパパ・マッサタ・ディアク氏の「隠し口座」と認定しているシンガポールの「ブラック・タイディングス社」の銀行口座に、日本の五輪招致委員会(招致決定後に解散)が180万ユーロ(約2億2000万円)を振り込んだ疑惑は、2年前に発覚している。

 だが、その後の仏司法当局の捜査で、事件はリュインベック予審判事の手で訴追手続きに入ることになり、竹田氏は昨年12月、事情聴取を受けた。

 同氏はこれを「捜査協力」といったニュアンスで説明したが、実際は、身柄を拘束されなかっただけで、容疑者となったのと同じである。

 この状態となれば、9割以上の確率で起訴される。

 従って、仏では予審判事の手に移れば閣僚など政府の重要ポストに就いていれば退任するのが一般的だ。

 しかも、追撃するように、シンガポールに口座を持つイアン・タン・トンタン氏が、「自分の口座は、実際はパパ・マッサタのもの」と、証言を変え、1月16日、偽証罪で有罪判決を受けた。

 パパ・マッサタ氏の父は、収賄座で仏に勾留されているラミン・ディアク氏。五輪招致委が、五輪で汚れたカネを票に替えるディアク父子の「隠し口座」に振り込んだことが、間接的に証明された。

 竹田氏の弁明は、「私は知らなかった」というもの。しかし、「知ろうとしなかった」というのが実態で、一連の招致活動を裏で仕切っていたのが「電通」で、さらに「電通」の“司令塔”が高橋治之元専務だという構図を考えれば、退任が秒読みに入ったと考えていい。

 仏司法当局やそこへの取材を進める英米のメディア、それにリュインベック予審判事から捜査共助を要請された東京地検特捜部が、関係者の事情聴取を始めるのは必至で、日本のメディアも追撃する。

 そうした攻勢に竹田氏が耐えられるはずもなく、「東京五輪に悪影響を与えたくない」という名目で、退任することになろう。

 それに、竹田JOC会長に居続けさせるほどの功績はない。

 01年、任期途中で前会長の八木祐四郎氏が急逝。後を受けて副会長の竹田氏が就任するが、それは2人のタニマチの意向だった。

 ひとりはJOC元会長で、戦後、困窮した竹田宮家を救うように品川の広大な敷地を購入、そこにプリンスホテルを建設した堤義明氏である。

 もうひとりは、竹田氏の兄と慶応幼稚舎の同級生で子供のころから竹田氏を知っていたという高橋氏。無給の名誉職だったJOC会長の給与を1500万円にしたのは、竹田氏の苦境を知っていたからだ。

 その苦境は、竹田氏の妻の実家が、不動産投資の失敗で破産状態になったことに起因している。

 小平市で「松見病院」を経営する義母の松見イク氏は種々の投資好きで知られ、それが嵩じてバブル崩壊により、病院を残してすべて失った。

 竹田氏がカネのかかる馬術に打ち込み、2度のオリンピックに出場、引退後もスポーツ界に関与できたのは、「松見家」の資力だった。

 だが、バブル崩壊で麻布の豪邸売却を余儀なくされると、代表を務める旅行代理店のエルティ―ケーライゼ・ビューロージャパンの経営も思わしくなく、JOC会長職で一息ついたのが実態だった。

 竹田氏だけではない。

 皇室評論家としてメディアに露出する機会の多い竹田恒泰氏は、今回の裏ガネ騒動の際、「周りによって来る人から距離を取るように教えてくれた父が、裏ガネに手を染めるわけがない」と、弁明しフォローしていたが、恒泰氏自身が危ないタニマチに支えられた人である。

 2年前、教育訓練をした企業に与えられる「中小企業緊急安定助成金」を詐取したとして、太陽光発電システムの「日本スマートハウジング」前山亜杜武代表が逮捕されたが、この前山氏が竹田氏とともに「日本を研究し、青少年を育成する」ことを目的とした「竹田研究会」のパートナーだった。

 また、恒泰氏は、06年、『語られなかった皇族たちの真実』を上梓、山本七平賞を受賞して文壇デビューを果たすが、そのころ事務所を置いていたのは、今井洋氏が代表を務める芝・大門の「ナスカジャパン」で、同社の役員にも就いていた。

 今井氏は、不動産業界では名の知れたブローカーで暴力団幹部とともに、真珠宮ビルの物件売却に絡んで逮捕されたこともある。

 親子揃ってタニマチ依存体質。――その正体が判明、五輪の役に立たないばかりは、むしろ悪影響を及ぼすのであれば、恒和氏にはJOC会長の職を辞し、恒泰氏には「竹田家の威光」を利用した言論活動を自粛してもらうしかない。【午】(2019・2/26)

 

 

 

 

 

 


2019年3月15日配信「『御代替わり』を奉祝する主体となるべき神社本庁で田中恆清総長が開き直りの4選を画策中!」<事件>

(☚神社本庁HP)

 

 天皇陛下の譲位に伴う「御代替わり」を目前に控えた今、各種儀式を奉祝する主体となるべき神社本庁の“揺らぎ”が続いている。
 
 3期9年、総長を続けてきた京都・石清水八旛宮宮司の田中恆清氏が、今年6月の改選にも手を挙げ、異例の4期目に突入すべく画策しているというのだ。
 
 全国2万人の神職、8万ヶ所の神社を統括する神社本庁は、長期化する安倍晋三政権の憲法改正を支持する一大勢力で、政治団体の神道政治連盟(神政連)がその役割を担ってきた。
 
 保守改憲勢力の草の根組織に日本会議があるが、田中総長は日本会議の副会長で、右腕の打田文博・神政連会長は、日本会議系「美しい日本の憲法をつくる国民の会」で事務総長を務めている。
 
 神社本庁は、長く「田中−打田体制」の支配下にあったわけだが、強権が腐敗を生むのは組織の形態や洋の東西を問わない。
 
「田中―打田体制」も特定勢力を抱え込むうち、基本財産に手を出した疑いが浮上、一昨年来、揉めに揉め、田中排斥の動きが活発化、マスメディアもその動きに乗って、批判の度を強めている。
 
 昨年9月、役員会の場で田中氏は、いったんは「総長を辞める」と、宣言。退任は既定の路線となったが、10月に入ると前言を翻して続投を宣言した。
 
 これに怒ったのが鷹司尚武統理である。
 
 宗教法人上のトップは総長だが、神社本庁には象徴としての権威を持つ統理がいて、組織をまとめる。
 
 以降、田中氏は変節を批判した鷹司氏に距離を置くようになり、ギクシャクした状態が続いている。
 
 もともと田中−打田体制に反発する勢力が反田中派を形成していただけに、神社本庁は今、統理を巻き込む内紛状態にある。 
 
 こうなったきっかけは、バブル期に7億5000万円で購入した百合丘宿舎(川崎市)を、15年、1億8400万円で、「ディンプル・インターナショナル」という不動産会社に随意契約で売却したことだった。
 
 本来、宿舎は神社本庁の基本財産で売却してはならない。
 
 仮に売却の必要性が出てきた場合は、評議員会の議決を経たうえで、競争入札にかけねばならない。
 
 ところが百合丘宿舎は、随意契約のうえ即日転売され、半年後、さらに転売された価格が3億円を超えており、安値売却を疑うことができた。
 
 また、「ディンプル社」に対しては、その前、青山宿舎、中野宿舎も随意契約で売却していることが判明したうえ、同社系列の「日本メディアミックス」が、季刊誌『皇室』の販売元として“中抜き”の利益を得ており、同社の歴代代表が、打田氏と関係が深いことから癒着が疑われた。
 
 疑惑がさらに深まったのは、ディンプル問題を取り上げ、批判した幹部職員2名を懲戒処分にかけ、ひとりを解雇したことである。
 
 これで反田中派が結束、マスメディアの「田中−打田体制批判」が始まった。
 
 3期でも長いだけに、4期目はないと目されていた田中総長だが、昨秋の退任騒動とその後の統理との確執を経て、打田氏共々、自分たちの正当性を誇示するためにも、4選を画策しているという。
 
 そのためには15人の理事の過半数を田中派で固めなければならない。その理事は、評議員会で選任されるため目下、評議員会を固める作業に入っているという。
 
 同時に、今年5月は統理の改選期にもあたり、田中派としては鷹司統理の退任を狙いたい。
 
 その後任には、仏司法当局から東京五輪疑惑で起訴されるのが確実で、「日本オリンピック委員会の会長退任を余儀なくされるのではと目されている」(=全国紙記者)、旧皇族で一時、「日本メディアミックス」役員に就いていたこともある竹田恒和氏の名前も挙がっている。
 
 神社本庁で、今、起きているのは、御代替わりの奉祝どころではない田中、打田両氏の必死の生き残り工作である。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年3月12日配信<0510archives>「『maneoマーケット』に対する厳しい業務改善命令でソーシャルレンディングの終焉」<事件>

葬儀委員長?を務める味形衛新社長(maneoHP)


 金融庁は、7月13日、証券取引等監視委員会からの勧告を受けて調べていた「maneoマーケット」(千代田区・瀧本憲治社長)に対し、8月13日を報告期限とする業務改善命令を出した。

 maneo社が行なっているのは、金融庁の説明では「ウェブサイトにおいて多数の事業会社を営業者とするファンドの取得勧誘(以下プラットフォーム事業という)」であり、一般ではソーシャルレンディングという。

 ソーシャルレンディングは、ここ数年で急増、2017年の市場規模は前年比2・5倍の1316億円だった。

 第二種金融商品取引業者であるmaneo社は、自前の国内最大ファンド事業を行なうとともに、ソーシャルレンディング業者にプラットフォームを貸して勧誘を行なっていた。

 今回、そのなかの「グリーンインフラレンディング」(GIL)において行なわれていた不正が発覚、maneo社は業務改善命令を受けたのだが、その内容は一般投資家の資金を預かる金融業者の資格が問われるものだった。

 第一に受けた命令は、「投資者保護上、問題のある業務運営について、責任の所在を明確にして発生原因を究明すること」である。

 GIL社のファンドへの出資者は3084名で貸付残高は約103億円。ファンドの取得勧誘の際に謳われていたのは、「太陽光発電やバイオマス発電など再生可能エネルギー事業の開発資金」だった。

 だが、実態はGIL社の親会社「JCサービス」が、自社の資金繰りなどに、好き勝手に使っていた。

 その象徴が、「JCサービス」の子会社で将来は運用部門を担う「JC証券」に貸し付けられた2億5000万円のうち5000万円が、細野豪志元環境相に融資されていたことである。

 当然、ファンドの説明には入っていないわけで、「ファンド資金は区分管理されず、ほぼひとつの口座で入出金している状態」(金融庁の発表文)だったという。“横流し”も当然だ。

 maneo社は、GILを差配する中久保正己・JCサービス代表に、ファンド資金の使途と管理運営を一任してきた。

 金融庁は、それが第一の命令につながる行為を生み出したとして、二番目に「金融商品取引業者として必要な営業者の選定・管理に関する業務運営態勢を再構築すること」と、命じている。

 さらに三番目は、「全ての顧客に適切な説明を実施し、説明結果を報告すること」であり、四番目は、「顧客からの問い合わせに誠実かつ適切に対応し、説明責任を果たすこと」。そして五番目が、「一」から「四」までの対応について、8月13日と期限を区切った報告を求めているのだが、どう考えても、期限までに最も重要な(一)の虚偽報告を改善できそうにない。

 ソーシャルレンディング業者が説明する。

 「人気の秘密は10%内外という配当の高さにあります。それだけの配当を払って成り立つ ビジネスがあれば、もっといい条件で銀行が貸してくれます。結果的にGILは、ファンド資金を他のファンドの配当に回す自転車操業に陥った。それがソーシャルレンディングの宿命です。『虚偽勧誘』を止めれば、『maneoマーケット』は回っていきません」

 ソーシャルレンディングのなかでもmaneo社は、「業界のパイオニア、業界最大」を謳うだけに1000億円を超えて群を抜く規模で、GILだけでなく反社会的勢力ともズブズブの「LCレンディング」など幾つもの業者がmaneo社のプラットフォームを利用している。

 金融庁が突き付けた業務改善命令は、maneo社が08年から築き上げたソーシャルレンディングというビジネスモデルを崩壊させるものだった。

 急遽、瀧本憲治社長が代表を降り、新社長を据えたものの、その衝撃を乗り越える簡便な方法があるハズもなく、maneo社の選択肢は顧客離れの果ての「緩慢な死」か、諦めての「突然死(倒産)」のどちらかといわれている。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年3月5日配信「日大利権OBグループ会社が断末魔に利用した40億円偽造為替手形の使い道」<事件>

甘い話にはご用心なのだが
(☚wikipedia)

 

 

 昨年末、2枚の偽造為替手形のコピーが市中に出回り、騒動となった。


 1枚は額面が40億円。振出日が平成30年7月25日で支払期日が31年1月25日。振出人は東京・板橋に本社を置く「エヌ・エス・ティー」で、引受人は東京・中野の西武信用金庫である。

 もう1枚は、額面が11億円。振出人、引受人とも同じだが、振出日は平成30年7月31日で支払期日が31年1月31日である。

 こんな巨額の為替手形が流通するわけはなく、問い合わせに対し、西武信金は「(エヌ・エス・ティーとの)取引関係はなく、為替手形に押印、記名したような事実はない」と回答。つまり偽造為替手形である。

 「エヌ・エス・ティー」の前代表取締役は、過去に倒産歴のある安藤季賢氏。日大問題が騒がしかった昨年春、「日大利権人脈のひとり」として報じられたことがあり、『週刊文春』(18年6月14日号)は、「日大病院建設の裏ガネ工作を行なった人物」として紹介した。

 その安藤氏の傘下企業には「エヌ・エス・ティー」の他、同住所に本拠を置く「NU校友会蝓廚ある。
「NU」とはNIPPON UNIVERSITYの略で安藤氏は、日大生産工学部OBで田中英寿・日大理事長の右腕といわれる石井進常務理事と昵懇だが、日大の役職についているわけではなく、「NU校友会」は石井−安藤ラインの利権会社だった。

 その「NU校友会」は、日大アメフト部の危険タックルに端を発した日大問題が噴出している最中の6月20日、関連3社とともに、負債総額7億7000万円で破産した。

 3社は、「MFCジャパン」、「スペースパワーホールディングスジャパン」、「一般社団法人都市未来研究所」である。

 安藤氏のグループ企業が、断末魔の状況で、手形を降り出したのが破産を免れた「エヌ・エス・ティー」なのだろう。

 今後、手形偽造での事件化は避けられないのだが、その利用の一端が、警視庁捜査2課に提出された告訴・告発状で明らかになった。

 ただ、訴状は手形詐欺事件ではなく、「アジアコインオークション」を経営する石川雄太氏が、リクルート株購入のために投じた50億円を詐取された、という詐欺事件として告訴・告発がなされている。

 事件は複雑な過程を経ており、その分、被告の数も多く8名に達する。

 被告8名が組んで石川氏を騙したというより、3段階で詐取した印象が強く、まず、50億円をリクルート株に変える段階で2億円が保証料として詐取され、次に、その購入がうまくいかなかったとして一度は50億円が返却されるものの、50億円を運用して55億円にするという名目でコンサルタント料の1億円が引かれた。

 その運用先が「エヌ・エス・ティー」で、同社は、6月15日、見せガネのような形で石川氏の口座に、まず11億4230万円を振り込み、そのうえで次のような説明が石川氏に対してなされたという。

 「『エヌ・エス・ティー』の実質的経営者は、被告訴人兼被告発人の安藤季賢(以下安藤)であること。安藤が50億円を管理しているため、『エヌ・エス・ティー』が振込名義人となっていること。55億円から上記送金額を控除した残額については、Y(本文実名)名義で、石川が代表を務める『EVONE GOLD』の銀行口座に3500万ドルを振込送金したとのことだった」(訴状)

 しかし、実際には送金されず、その代わりに7月25日、石川氏に差し入れられたのが、額面40億円の偽造為替手形だった。

 この50億円のそもそもの出し手が、旅行大手「HIS」とテーマパーク「ハウステンボス」澤田秀雄会長であることから、事件は大きく展開するのは必至。日大問題は不起訴で終結したが、リクルート株詐取事件が、解明されなかった日大利権人脈に伸びそうだ。【卯】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年3月2日配信<0510archives>「悪夢再び!?――五輪選手村『HARUMI FLAG』大量売却で始まる不動産大暴落の恐れ!」<事件>

五輪選手村用地


 東京五輪選手村の跡地再開発の名称が、「HARUMI FLAG」に決まり、来年5月から売り出される。

 選手ら1万8000人が宿泊する施設は、そのまま高層50階2棟を始めとするマンション群に生まれ変わる。

 5632戸の新しい街が晴海に誕生するわけだが、そのうち分譲4145戸分の安値売却が、高騰を続けてきたマンション市況を冷やすきっかけになるといわれている。

 「都内では新築マンションの坪単価が350万円を超え、一般のサラリーマンには手が出せない水準になってきています。そうした市況の情勢と、新築ではあっても二次使用という現実などもあって、HARUMI FLAGの坪単価は250万円程度に設定されるようです。この3割引が、マンション相場の下落を誘因、不動産相場全体の暴落を引き起こすことになりそうです」(大手不動産幹部)

 アベノミクスが、景気を下支えし、雇用を改善、株価を右肩上がりにした効果は否定できない。

 ただ、そのカネ余りが様々な歪みを生じさせたのも事実で、そのうちのひとつが、少子化のなか将来の住宅過多を折り込まないマンション建設ブームだった。

 首都圏のマンション価格は、02年の約4000万円を底値に上げ始め、15年には5500万円を超え、18年に入ると、少し条件の良いマンションなら7000万円を超えた。

 五輪需要などで土地代も建設資材も高騰したのが原因で、その悪材料をアベノミクスが薄め、購入意欲を継続させた。

 だが、今後、人口が減少、空き家が増えて中古賃貸マンションの価格相場が崩れるのが明白なのに、一般勤労世帯がローンが組めないようなマンションブームがいつまでも続くわけはない。

 「東京五輪終了後の20年がバブル崩壊の年になる」というのが、マンション業界の常識。「消費税が10%になる前に」と、19年10月の消費税アップを折り込んだ駆け込み需要を煽った反動も予想できる。

 それより前に、HALUMI FLAGの4000戸大量安値供給が、バブル崩壊の引き金を引くと見られている。

 湾岸一等地のファミリータイプ20坪が、約5000万円で売却されれば、相場を下方に大きく牽引することになるのは間違いない。

 しかも、下落はマンションだけでなく、不動産市場全体に及ぶ。

 他の分野でもアベノミクスの反作用が出始めており、それを覆す投資要因がない。

 「スルガ銀行」のシェアハウス騒動に代表されるアパート融資や、ソーシャルレンディング業界最大手の「maneoマーケット」の急成長などは、同じ「カネ余り」がもたらしたものである。

 しかし、明らかな逆回転が始まっている。

 シェアハウス騒動は、スルガ銀行固有のものではなく、地銀や信金が、サブリース業者と手を組んで投資家の需要を開拓、資金を捌きたいという思惑から始まっており、金融業界全体が抱える問題である。

 金融庁が態度を一転させ、投資家が目を覚ました以上、金融機関は融資を絞らざるを得ず、「レオパレス21」、「大東建託」などのサブリース業界は確実に冬の時代を迎える。

 業績不振の不動産業者の“駆け込み寺”となっているソーシャルレンディングも同様。「Maneoマーケット」への業務改善命令に見られるように、債務者保護を名目に劣悪な物件であることを隠し、高利をエサに資金を集めていたのがソーシャルレンディング業界であるのがバレた以上、新たな資金を得るのは難しい。

 結局、マンション、シェアハウス、アパートなどの建設ラッシュは、アベノミクスの生んだ“徒花”であり、バブルのなかに咲いた以上、いつかは終焉を迎える。

 新築マンションでその引き金になるのが五輪選手村だが、目端の利く投資家や業者は、既に不動産の売却に入っており、中国人が買い漁った利殖や民泊目当てのタワーマンションでは投げ売りが始まっている。

 実需に基づかないマネーゲームは終了。――待ち受けるのは、マンション、サブリース業者などの連続倒産という見たくない再びの悪夢である。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年2月13日配信「ゴーンを保釈させるか否かーー検察と外圧の狭間で右顧左眄する裁判所」<事件>

 
ヒラメ砦(Wikipedia)


 保釈を認めたり、認めなかったり、カルロス・ゴーン被告の処遇を巡って、裁判所が右顧左眄を重ねている。

 保釈を認めなかったのは、検察と一体となって「秩序を守る」という原則から外れ、裁判所が自立しているようにも見えるが、一方で今年に入って、長期勾留に応じているのは、元の原則に戻ったようにも思える。

 裁判所の“揺らぎ”を検証してみよう。

 昨年12月20日、東京地裁が東京地検の勾留期間延長を却下した時、大慌てした特捜部は、前倒しでゴーン被告を特別背任容疑で再逮捕した。

 これは「異例の事態」――「特捜案件」で、東京地裁が勾留延長を却下するなど過去に例がない。

 そこで、「人質司法」と呼ばれているような容疑者・被告が否認する案件については、「何ヵ月でも拘置所を出さない」という“イジメ”のような刑事手続きを止め、法律に沿った裁判所に変化する兆しではないかと、受け止められた。

 ゴーン被告が世界的に著名な経営者で、ブラジル、レバノン、フランスに国籍を持つエスタブリッシュメントにしてコスモポリタンだけに、「弁護士を立ち会わせずに取り調べ、長期勾留して自白を迫る刑事手続きは人権を無視している」と、海外メディアは批判。裁判所は、その“外圧”に屈したようにも思われた。

 検察幹部も、「海外から批判されて裁判所は日和った」と、批判した。

 しかし、本来は保釈は被告人の権利。刑事訴訟法第89条で、保釈の請求があれば、証拠の隠滅、逃亡の恐れがない場合、原則として保釈を認めなければならない。

 ところが、特捜案件の場合、「お上」に逆らって否認している限り、保釈を認めず、何百日も留め置き、事実上の懲罰を加えるのが“原則”だった。

 もっともらしい理由だが、「証拠隠滅」と「逃亡」は、あくまで検察と裁判所の言い逃れに過ぎない。

 全国的に顔と名前が知られ、国会論戦やマスコミ報道で、どこにも逃れられるハズがなく、隠滅する証拠もないのに、「森友学園事件」で被告となった籠池夫妻を1年近くも勾留していたのは、その典型だろう。

 裁判所が特捜案件の被告を否認のまま閉じ込めておくのは100%に近く、被告の有罪率は99・9%に達する。

 特捜案件は、「検察と裁判所が一体となって裁く国家に対する犯罪」であり、無罪であってはならなかった。

 この“予定調和の世界”は、裁判所が検察に従属することによって成り立っている。

 裁判官は、外に対してほとんど情報発信することがない、いわば「ひきこもり族」である。

 ツイッターでつぶやいていたことを理由に懲戒処分を受けた岡口基一裁判官は、その理由をこう語っている。

 「秘密のベールに包まれていれば、権威は高まります。実際、20代で裁判官になっても一人前になるには時間がかかりますから、彼らの実力を知られたら困るわけです」

 また、『絶望の裁判所』(講談社現代新書)の著者の瀬木比呂志元裁判官は、裁判所の実態をこう切り捨てている。

 「日本の司法というあなたの前のステージは、ピラミッド型ヒエラルキーのキャリアシステムと、その奴隷であり、それに毒された裁判官たちによって、すっかり汚されてしまっている」

 そうした「物言う裁判官」の発言から浮かび上がってくるのは、なるべく自分で判断せず、過去の慣例に従っていれば、裁判所の権威は保たれ、最高裁の覚えもめでたいという究極の「事なかれ主義」である。

 だから、勾留する、しないの判断は検察に任せ、「人質司法」を容認した。

 が、その予定調和の世界が、ゴーンという「黒船」の登場で変わった。

 もともと、8年の有価証券報告書の虚偽記載を、5年と3年の2回に分けて最長で40日勾留。その間に特別背任など次の事件を固めるという検察の捜査手法が間違っていた。

 それを容認すれば、海外のメディアから批判され、それを日本のメディアが報じて権威が侵されるのが裁判所には耐えられなかった?ことが、昨年12月20日の勾留期間延長棄却の理由である。

 ただ、それで完全に検察から自立したわけではない。

 今年に入って、特別背任罪で起訴した後も、起訴後勾留を続け、弁護人の2度の保釈請求を却下している。

 「口裏合わせによる証拠隠滅」を疑い、保釈しないということだが、本当は、勾留理由の開示請求や、獄中で『日本経済新聞』のインタビューに応じ、日本の司法批判を続けるゴーン被告が許せない。

 それでは保つべき裁判所の権威が汚される。――それが、保釈を認めない理由だという。

 そもそも裁判所に守るべき権威はあるのか!――揺れ動く裁判所の判断は、逆に、その姑息な思いを内外に抱かせる結果となっている。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年2月5日配信「歌舞伎町銃撃、川崎発砲、大宮刺傷……暴力団による“内向きの事件”頻発の背景」<事件>

 
同類相食む?(☚wikipedia)

 

 

 暴力団が絡む殺傷事件が相次いでいる。

 1月21日午後6時半頃、東京・歌舞伎町のカラオケ店個室で、広域暴力団住吉会系向後睦会の阿部勝幹部(56)が、同じ住吉会系中村会の香山興宗元幹部(65)を射殺した。

 日本有数の繁華街、しかも暴力団の組事務所が密集している場所とあって、「暴力団同士の抗争か」という情報が流れ、一時は警察と地元組織が騒然としたが、「個人的なトラブル」ということで沈静化した。

 住吉会系組織の幹部が、こう解説してくれた。

 「阿部が長期服役中、香山氏が阿部の女に手を出し、クスリ漬けにしたのがトラブルの原因。話し合いはつかず、激高した阿部が、香山氏に数発の銃弾を撃ち込んだ。あまり表沙汰にはしたくないみっともない話だ」

 阿部容疑者は、現場からバイクに乗って逃走し、24日、指名手配された。

 その4日前の1月17日には、午後8時半頃、川崎市川崎区の路上で、広域暴力団稲川会系山川一家若頭補佐の大井司・大井組組長の車に乗っていた男女が、近付いてきた男に撃たれ、重傷を負った。

 運転手を務めていた組員(51)と、組長の姐さん(47)で、銃弾は組員の首、姐さんの肩に当たったものの、命に別状はなく、大井組長は無事だった。

 スーツに帽子、マスク姿の犯人はその場から逃走したが、捜査関係者は、こう推測する。

 「山川一家は稲川会の中核組織で、今も内堀和也組長が稲川会ナンバー2の理事長を務める。その分、組織内の主導権争いは激しく、内紛が絶えない。今回もその一環という説がある」

 その翌日の1月18日には、さいたま市大宮区の雑居ビルに置かれた住吉会系平塚一家の組事務所で、午後3時過ぎ、同じ組織に属する男が、51歳と49歳の組幹部を刃物で襲い、腹を刺して逃走した。

 大宮駅東口駅近くの繁華街。近くには学校などもあって騒然としたが、警察は防犯カメラの映像からすぐに平塚一家組員の柴田郁男容疑者(49)を逮捕。刺された組幹部の命に別状はなかった。

 立て続けに起こった3件の事件に共通しているのは、組織内のトラブルである。

 それも抗争につながる話ではなく、個人的な恨みの果ての殺傷事件の可能性が高く、少なくとも、暴力団以外の企業や組織、人物に“刃”が向かったものではない。

 暴力団担当刑事がいう。

 「一般社会に危害を加えれば、どれだけ激しい弾圧が待っているかを、暴力団幹部はよくわかっている。だから、手を出すことはない。その分、暴力団同士の争いが激しくなり、山口組のように分裂するが、抗争はただでさえシノギが厳しく弱っている組織を、さらに弱める。勢い、うっぷんは内部に向かい、組織内での近親憎悪的なトラブルが多い」

 暴力団への締め付けが、縄張り争いを含む抗争となり、その段階を過ぎて、抗争さえままならなくなると、持て余した暴力が、身内に向かうわけである。

 しかも、高齢化が目立つ。

 暴力団の中核が50代から60代になっているのを象徴するように、今回の事件は、被害者も加害者も“若い衆”にはほど遠い年齢ばかりである。

 暴力団構成員数は、2017年末で3万5000人を割った。――前年比5000人減。確実に絶滅に向かって進んでおり、頻発する身内の抗争は、その“断末魔ぶり”を映している。【丑】

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年1月29日配信「渦中のシンガポール人が有罪判決で、竹田JOC会長の起訴はますます濃厚に」<事件>

落馬寸前?(Wikipedia)


 絶妙のタイミングとはこのことだろう。

 シンガポール地裁は、1月16日、20年東京五輪招致を巡って、収賄疑惑をかけられている東京五輪招致委員会(理事長・竹田恒和氏)の振込口座の持ち主であるイアン・タン被告に対し、当局の事情聴取に虚偽の説明をした罪で禁固1週間の有罪判決を言い渡した。

 その前日、竹田氏は記者会見を開き、仏司法当局が収賄疑惑に絡んで本格捜査に着手したことを受けて、「疑われる事実はない」と、一方的にペーパーを読み上げて7分間の会見を終え、ブーイングを受けた。

 それだけならメディアを敵に回しただけのことだが、タン氏の口座が「収賄口座」だというシンガポール地裁の“間接的”な認定は、今後、捜査共助の形で仏司法当局にもたらされる可能性が高く、竹田氏を追い詰める。

 弊誌(1/16)は、竹田会見に先立ち、疑惑の構図を『仏司法が暴く東京五輪疑惑の焦点は、電通と竹田恒和JOC会長の癒着!』と、題してお伝えした。

 収賄疑惑とは、招致委(㊟既に解散して業務は日本オリンピック委員会<JOC>に)が、招致活動の過程で、アフリカ票の取り込みを狙って、実力者のラミン・ディアク・国際陸上競技連盟前会長の息子であるパパ・マッサタ・ディアク氏と親しいタン氏の口座に、180万ユーロ(約2億2000万円)を振り込んだというもの。

 疑惑は、16年5月に発覚、国会でも取り上げられる騒動となったが、竹田氏は「タン氏は電通から紹介された優秀なコンサルタント。成果物(報告書など)は得ており、収賄の意図も指示もない」と、否定していた。

仏司法当局は、ロシア陸上選手のドーピング問題をきっかけに、タン氏の会社「ブラック・タイディングス」の口座が、実質はパパ・マッサタ氏が自由に使うダミー口座であることを掴んでいた。

 この口座の“帰属”を調べていたシンガポール汚職捜査局に、タン氏は「(パパ・マッサタ氏からの送金は)コンサルタント料だった」などと説明していたものの、その後、「パパ・マッサタ氏に命じられ架空の請求書を作成した」と、明かした。

 地裁の判決は、この虚偽部分だけを罪に問うたものだが、招致委問題に当てはめれば、タン氏口座がパパ・マッサタ氏口座となったわけで、招致委は国際陸連前会長で、国際オリンピック委員会(IOC)委員の親族のダミー口座に、現金を振り込んだことになる。

 収賄以外のなにものでもない――疑惑発覚後、JOCは調査委員会を立ち上げ、約3カ月の調査の末、「疑惑はなし」とする調査結果を公表した。

 しかし、これこそ“お手盛り”の代表のようなレポートで、タン氏やパパ・マッサタ氏らの協力を得られることはなく、その背景や口座の資金移動など客観的証拠も押さえることもなく、招致委内部の証言とタン氏を紹介した「電通」などの調べだけで、結論を出しているのだから、「嫌疑なし」となるのも当然で、あえていえば、手続き上の問題がなかったのは事実なのだろう。

 仏の刑事司法手続きは、日本とは違い、起訴までに2段階を踏む。

 今回も、まず検察当局が3年前から東京五輪招致に疑惑があるとして捜査を進め、ある程度の確証を得られたことで予審判事の手に委ねられ、昨年12月からの本格捜査となった。

 既に、竹田氏は仏で聴取を受けており、予審判事が起訴する確率は平均で8割だ。

 80年代からサッカーのワールドカップ、オリンピック、世界陸上などは急速に商業化が進み、放映権料なども高騰、招致合戦は札束の乱れ飛ぶ激しく危ういものになった。

 そこに踏み込んで行ったのが「電通」で、リード役を務めたのが高橋治之元専務。その高橋氏が、慶応の幼稚舎時代の後輩で、「カズ」と呼ぶほど親しかった竹田氏を東京五輪招致で支えた。

 タン氏の推薦も、タン氏への支払いも、実際に仕切ったのは「電通」であり、その旨は「調査報告書」にも書かれている。

 シンガポール汚職捜査局に対して行なったタン氏の「自白」は、タン氏の役割については捜査過程で掴んでいる筈の仏予審判事の訴追手続きを、さらに一歩進めるものとなった。

 起訴され、公判請求される頃には、さらに証拠と証言が集まり、竹田氏と「電通」を追い詰めるに違いない。

 その時、政府と東京都とJOCはどうするのか。――ナントカのひとつ覚えで「潔白だ!」と弁解を繰り返す前に、その日に備えた“準備”を急ぐべきであろう。【巳】

 

 

 

 

 

 

 


2019年1月24日配信<0510archives>「人間を丸裸にするビッグデータ、人工知能、SNS時代に成立した共謀罪法の底知れぬ怖さ」<事件>

 

 

 ネット空間では、ニュース、ゲーム、メール、会話、地図、そして多種多様な情報を、「原則タダ」で入手できる。

 全てのモノに値段を付け、その売買によって生活を豊かにするという資本主義の原則に従えば、「タダの空間」はありえない。

 実際、利用者は、サービスを提供するプラットフォーマーたちに、「個人情報の提供」という“対価”を支払っている。

 ログイン情報を通じて、年齢、氏名、性別、住所といった基礎情報を提供しているのはもちろん、通話の相手、メールの相手と内容、検索を通じた趣味嗜好、友人の種類とつきあいの幅、位置情報の提供を通じた生活パターンまで提供、丸裸といっていい状態だ。

 グーグル、ヤフー、ライン、フェイスブック、アマゾンといった検索エンジン、ネットワーク構築、物品販売を通じたプラットフォーマーたちは、得た情報を自社のビジネスに生かす一方、広告空間の提供という形で莫大な利益をあげている。

 今、広告分野ではネット広告が主流になりつつあり、ラジオ、雑誌、新聞はとうに抜き去られており、二ケタ成長が続く現状では、テレビCMを抜くのも時間の問題だ。

 ネット広告が優れているのはターゲティングである。

 例えばフェイスブックでは、趣味嗜好はもちろん人種や宗教、政治的傾向まで「いいね!」を送った友人知人の傾向で、読み解くことが可能で、そうした個人データを分析の上、より成約に至る確度の高いターゲティング広告を打つことができる。

 また個人情報は、ビッグデータとして集められ、それを日々、超速に進歩している人口知能が、選別し識別する。

 そうした情報が欲しいのは物品やサービスを売る企業だけではない。

 政党政治家メディアも、すべてが欲しい。

 そして情報を握った者が、マーケットだけでなく権力を握る。

 そんな時代を我々は生きているだけに、むしろ個人情報を保護し、商売のために利用させない手立てや処罰を論じなければならない時に「共謀罪法」が成立した。

 まともに法案の趣旨も内容も把握していない法相のもと、「一般人が含まれるかどうか」といった大切な論議が尽くされないまま施行(7/11)されるが、「人間を丸裸にするビッグデータ、人工知能、SNS時代」は、「友達の友達は友達」という形で人脈が広がって、誰もが組織犯罪グループの一員になりうる。

 また、ビッグデータで拾い集めた行動履歴、読書傾向、検索履歴は、行動心理学などの専門家によって、「心の内」をいかようにも解釈されてしまう。

 さらに、テロ防止、犯罪予防を口実に、Gメールやラインの履歴を捜査当局に求められれば、プラットフォーマーは簡単に提供する。

 そうなると、どんな「読み取り方」も可能になり、既にSNSは犯罪捜査に利用されており、ある強盗殺人の容疑者は、殺人実行者との「ラインのメール記録」を突きつけられ、「お前も共犯だろう」と、責め立てられた。

 捜査員とすれば、「自供すれば拾い物」といった感覚かも知れないが、メールのやり取りをもとに犯罪集団の一員とされ、検索履歴や行動履歴が、犯罪との関係を示す傍証とされるのでは、誰もが「被疑者」になりかねない。

 そうしたネット時代に拡散する個人情報の怖さを、さらに加速することになるのが共謀罪法である。

 共謀を認定するのは検察や警察であり、彼らが今、人事権を握られ、官邸に対してヒラメのような存在になっていることを立証したのが、「森友学園」、「加計学園」、「山口敬之レイプ疑惑」だった。

 今、メディアに求められているのは、共謀罪法の乱用を許さない監視とともに、グーグルやフェイスブックなどが安易に個人情報を売り渡さないようにする「歯止め」を確立させることだろう。【午】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年1月16日配信「仏司法が暴く東京五輪疑惑の焦点は電通と竹田恒和JOC会長の癒着!」<事件>

 
揺れる電通城⁉
(☚Wikipedia)

 

 

 日本の検察が、仏国有企業のルノーCEOのカルロス・ゴーン被告を取り調べしている絶妙なタイミングで、仏司法当局が、東京五輪招致における贈賄容疑で竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長の捜査を本格化したことが明らかになった。

 実際は3年前から続いている捜査の一環で、仏検察当局の調べが予審判事の手に移り、起訴するかどうかの捜査を行うことになったものだが、ゴーン事件が、日産をルノー傘下にしたくない官邸(経産省)と日産と検察がスクラムを組んだ国策捜査なら、東京五輪の疑惑工作への捜査着手はその報復のカウンター捜査と連想されてもおかしくはない。

 「ゴーン事件と偶々、タイミングが重なっただけ」(仏紙記者)というのだが、階級社会の仏で「エリート仲間」のゴーン容疑者を突如、逮捕し、長期勾留する日本司法への対抗意識がないといえばウソになる。

 事件は16年5月、英ガーディアン紙の報道で明らかとなり、仏司法当局が事実を認め、国会でも取り上げられたが、その概略は、東京五輪招致委員会が、国際オリンピック委員会(IOC)委員でスポーツ界に影響力のあるラミン・ディアク国際陸上競技連盟(IAAF)に、「東京支持」を取りまとめてもらおうと、2回に分けて180万ユーロ(約2億2000万円)を振り込んだというものである。

 時期は最初が13年7月で、次が13年10月。招致決定は13年9月なので、最初が手付金、次が成功報酬と読める。振り込みの口座はシンガポールのブラック・タイディングス(BT)代表のイアン・タン氏だった。

 疑惑発覚時、竹田氏は「『電通』からの推薦でBT社に決まったが、私は選定などに関与していない。しかし、正当なコンサルタント費用だった」と説明、外部の調査委員会の報告書もそうまとめられていた。

 仏では、そうした弁明は通らず、調査委員会の報告書も“お手盛り”だとして捜査が継続していたわけだが、この事件の解明に欠かせないのが電通の役割である。

 「BT社を推薦したのが電通」という竹田氏の説明だが、そんなアドバイザー的なものではない。五輪招致の主体は招致委員会で、その理事長が竹田氏なので「竹田疑惑」となっているが、実態は「電通」が仕掛け、電通人脈のなかで行われた工作であり、「電通疑惑」というのが相応しい。

 その黒幕は、電通元専務で世界のスポーツ界に幅広い人脈を持ち、慶応大学の先輩として竹田氏をプライベートでは「カズ」と呼び捨てにする高橋治之氏である。

 同氏は、バブル紳士として名を馳せた高橋治則氏(故人)の実兄で、かつては「治則氏の兄」という存在だったが、30代の頃から数々の国際大会の招致を手掛け、スポーツ界では知らぬ者のない実力者だ。

 「電通」が、国際的なスポーツイベントで力を発揮するのは、アディダス創業家の故ホルスト・ダスラー氏とともに設立した「インターナショナル・スポーツ&レジャー」(ISL)で、そのノウハウを学んだからである。

 だが「ISL」は放漫経営とダスラー氏の急逝もあって01年に倒産。それまでに経営方針の違いからISL株を売却していた「電通」だが、業務の引き継ぎのためもあってIOCのあるスイスに、子会社からの出資で「アスレチック・マネジメント&サービシズ(AMS)」を設立する。

 実は、東京五輪招致疑惑の発覚は、国際陸連のドーピング疑惑(ロシア選手にドーピングを見逃す見返りに金銭を要求)を捜査していた仏捜査当局が、ディアク会長父子が利用した口座を見つけたことだった。

 それがBT社のシンガポール口座で、そこを洗っているうちに日本の招致委員会からの180万ユーロの振り込みが発見され、「これは賄賂ではないか?」と、なった。

 代表のイアン・タン氏は「AMS」が雇用するコンサルタントで、「電通」と「IAAF」は、独占マーケティング契約を結んでいる。

 つまり、国際スポーツイベントの表も裏も知る「電通」が、ペーパーカンパニーの「BT」を使ってディアク父子に工作したと疑われるのも無理からぬことである。

 そして、その招致委員会の理事長で、最終決定責任者が竹田氏。その竹田氏と公私ともに親しく意見を言える立場が高橋氏。――どこから見ても「電通疑惑」なのである。

 「スポーツの祭典」、「平和の祭典」と美しい言葉で形容される五輪が、招致を巡ってカネまみれであることを知らない人はいない。

 今回は「約2億2000万円」――ほんの一部が露呈したに過ぎないが、BTとはヒンドゥー語で「黒いカネの洗浄」を意味するという。――むしろ暴かれるのが遅すぎたと言えるのでは…。【亥】

 

 

 

 

 

 

 



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