2019年7月19日配信「最後の総会屋・竹之内昌虎被告が関与した3つの恐喝事件の複雑すぎる背景」<事件>

 
警視庁(☚wikipedia)


 警視庁組織犯罪対策3課が、「3つの恐喝事件」を立て続けに手掛けている。
 
 最初は、「最後の総会屋」の異名を取る竹之内昌虎被告を、6月18日、暴力行為等違反行為で逮捕した。
 
 対立勢力の業者が、ネット情報誌『アクセス・ジャーナル』に情報提供、一方的な悪口を書かせているとして、「たいがいにせんとさらうぞ」「殺してしまうぞ」と、自分の親しい組幹部の名前を出して脅したというもので、7月9日に起訴された。
 
 次が、同じ『アクセス・ジャーナル』に掲載された水着キャンペーンガールの法廷証言を巡るもの。キャンペーンガールが、事務所社長に売春を斡旋され、ホテルのカラオケルームで30万円を積まれ、不動産会社社長に猥褻な行為をされそうになった一件(未遂)を詳しく証言、同誌はその尋問調書をもとに、昨年10月10日配信で報じた。
 
 報じられて困ったのは、投資用マンションを始め、手広く不動産事業を手掛けているA社の社長である。
 
 東京ドームに大きく広告を掲載、社名は知られているし、社会的地位も金融機関との取引もある。
 
 そこで「何とかなりませんか」と、頼ったのが、映画制作などを手掛ける「オールイン・エンターテインメント」(本社・港区六本木)の山田浩貴代表だった。
 
 山田代表は、各界に顔が広い同社幹部の松浦正親氏に対処を依頼。同氏が相談したのが竹之内被告だった。
 
 竹之内被告は、メディア関係者の紹介で『アクセス・ジャーナル』発行人の山岡俊介氏と会い、「未遂だし、下半身の話じゃないか」と、説得、実名をイニシャルにし、写真を外すことができた。
 
 この措置に反発したのが、そもそもこのスキャンダルを山岡氏に持ち込んだキャンペーンガール所属事務所の小林秀雄社長である。
 
「反社(反社会的勢力)を使ってネット記事をもみ消そうとしただろう。それを金融機関などにバラすぞ!」
 
 小林氏は、仲間の堀川嘉照氏とともに、昨年10月末、都内の飲食店に不動産会社社長を呼び出してこう恐喝、500万円を脅し取り、さらに2000万円を恐喝するつもりだったという。
 
 この順番でいくと、山田・松浦両氏は、依頼を受けてもみ消しに入り、成功した立場であり、それを逆手にとって、恐喝したのが小林、堀川の両氏である。
 
 ところが、組対3課は、7月12日までに山田・松浦、小林・・堀川の双方を同じ恐喝(未遂も含む)で逮捕した。
 
 小林・堀川の両容疑者が先(9日)で、山田、松浦容疑者が後(12日)になったのは、身柄確保に手間取っただけの差で、双方、不動産会社社長を脅したことに相違はない。
 
 被害社長が、組対3課に告訴状(あるいは被害届)を出しているからそうなったが、松浦容疑者は逮捕前、「頼まれてやった。1000万円は確かに受け取ったが、それは謝礼。証拠のメールもある」と、親しいメディア関係者に話し、ラインでの「謝礼メール」も公開していた。
 
 時系列で言えばこうなる。
 
『アクセス・ジャーナル』が実名報道(10月10日)→竹之内被告が山岡氏に接触してイニシャル化(10月25日まで)→不動産会社社長から松浦被告への感謝メール(10月26日)→不動産会社社長による松浦被告への慰労会(10月29日)→小林・堀川両容疑者による不動産会社社長への恐喝(10月30日、31日両日)
 
 目まぐるしく慌ただしいが、要は小林容疑者が美人局を仕掛け、それをネタにネット情報誌で揺さぶられ、「もみ消してやる」と持ちかけてきた方に1000万円、「反社を使ったな!」と、凄んだ方に500万円を脅し取られたという構図だ。
 
 1000万円が謝礼だったかどうか、など今後の捜査の進展、あるいは起訴された後の公判で明らかにされる部分は多い。
 
 単にネットの名前を消す、消さない、というだけでなく、芸能プロダクション特有のタレント引き抜き合戦や、さらには双方が絡む某株の仕手戦に対する思惑も絡んでいるという。
 
 確かに先鞭をつけたのは竹之内被告だが、「侠気を出して動いただけで、本人は深い背景も知らなかったし、1000万円の謝礼の中からカネが渡ったわけでもない」(竹之内被告の知人)という指摘もある。
 
 ある意味、組対3課は竹之内被告の「最後の総会屋」という“身分”をリード部分に使うことで事件化したともいえるわけで、関与の濃淡を無視して“主役”扱い⁉――総会屋はつくづく「損な仕事」になってしまったものである。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年7月17日配信<0510archives>「『Black Box』(伊藤詩織著・文藝春秋)が告発する司法の歪み」<事件>



 


 

 

 

 

 レイプ被害者として「顔出し告発」していた伊藤詩織さんが、10月18日、『ブラックボックス』(文藝春秋)を上梓した。
 
 今年5月、詩織さんは検察審査会に不起訴処分を受けて異議を申し立て、記者会見で経緯を説明した。
 
 その時も衝撃だったが、検察審査会での「不起訴相当」を受けて著した本書では、そうした会見などでは伝わらぬ思いが、時系列で詳細に語られ、一級のノンフィクションであると同時に、日本の司法システムに対する鋭い告発書にもなっている。
 
 圧巻は、「安倍晋三首相に最も近い記者」という評判の元TBS記者・山口敬之氏と、詩織さんにとって同氏に対する「顔を思い出したくもない加害者」であるという辛さを封印して、責任を追及するために行った交換メールの公開と、高輪署、警視庁捜査一課、そして検察との「山口氏の圧力」を感じながらの切迫した交渉だろう。
 
 率直に感じられるのは、詩織さんの強さである。
 
 それは5月時点の「顔出し会見」で証明されてはいたが、今回、明かされたジャーナリストを目指して欧米で学んだという経歴が、告発への動機を裏付けるとともに、そうした意志も強さも持っている人が、それでも「司法のカベ」に跳ね返されてしまった。
 
 強さは、レイプ犯を許さないという一貫した姿勢にあるが、その一方で、詩織さんの心は常に山口氏の“幻影”に怯えており、「魂の殺人」だというレイプが被害者に与える傷の深さに慄然とさせられる。
 
 それだけのプレッシャーを受けながら、これまでのレイプ被害者の大半が、「正体を晒しても何の得にもならない」と、勝訴しても自分の胸の内にしまい込むか、示談に応じて事件を封印するなか、詩織さんが実名告発し書籍まで発売したのは、個人的な恨みを晴らすのではなく、「私に起こったことが、あなたに、あるいはあなたの大切な人に降りかかってくるか、誰にも予測はできないのだ」(まえがきより)と、訴えたいからである。
 
 その告発するという行為の結果として、司法の“歪み”が露呈した。

 

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                                                                      BBC公式HP
 

 

「よくある話だし、事件として捜査するのは難しいですよ」
 
 担当する高輪署のA氏が、最初に投げかけたのはこの言葉であり、詩織さんは「それはあまりに残酷な言葉だった」と、嘆く。
 
 以降、「今まで努力してきた君の人生が水の泡になる」と、被害届の提出を考え直すように説得するA氏を、むしろ詩織さんが引っ張る形で捜査は進み、山口氏の帰国を待って逮捕するところまで進展した。
 ところが、15年6月8日、成田空港に山口氏逮捕に出向いたA氏から「逮捕できません」という連絡が入る。
 
 理由を問うと「ストップをかけたのは警視庁のトップです」という返事。後に、それが中村格警視庁刑事部長(当時)であることが明らかになる。
 
 以降、所轄の高輪署から警視庁捜査一課に事件は移送され、A氏も担当検事も配置替えとなり、事件は封印の方向に向かう。
 
 捜査一課の捜査が、不起訴へ持っていくためのものであるのは、「なぜ逮捕状が出たのに逮捕しなかったのか」という詩織さんの問いかけに、「逮捕状は簡単に出ます」と断言。「社会的地位のある人は、居所がはっきりしているし、家族や関係者もいて逃走の恐れがない。だから、逮捕の必要がないのです」と、いってのけた捜査一課幹部の言葉で明らかだ。
 
 官邸から中村部長へと伝えられたことで発生した“忖度”は、捜査現場を動かして起訴には不十分な捜査内容となり、不起訴処分は出た。
 
 その証拠に沿って国民からくじで選抜される検察審査会の審査員が、検察官に誘導される形で事件性を審査すれば、「不起訴相当」となるのも無理はない。
 
 司法は、そのシステムを熟知し、方向性を変えうる力のある人間が操作すれば、簡単に歪むものである。
 
 レイプが行われたとされる15年4月4日以降、2年半の歳月をかけて詩織さんが著した『ブラックボックス』で、我々が読み取るべきは、レイプ被害の傷跡の大きさとともに、それを見逃してしまった司法システムの検証であろう。【午】

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年7月11日配信「本誌既報のKAZMAXを文春オンラインが追撃で不正を暴露、金商法違反での摘発はこれからだ⁉」<事件>

 
危うしKAZMAX

 

 KAZMAXという投資顧問がいることを、株好きの50代以上の投資家は、ほとんど知らない。
 
 本名・吉澤和良で1989年生まれの30歳。月額3万円のオンライン投資サロンを経営、投資の世界では、「ビットコインの暴落を予言した天才トレーダー」であり仮装通貨の人だが、株式ではまだ無名だ。
 
 本誌は、オンライン投資サロンを経営、またたく間に4000人の会員を集め、月額1億2000万円の収入を手に入れ、資産50億円を豪語していた頃のKAZMAXの正体を、本紙は昨年10月4日付配信記事で触れた。
 
 もともとは、「情報商材屋」と呼ばれる、カネ儲けの手口をネット上で教えると称し、会費などを取って自分だけが儲ける怪しげな錬金術師で、「秒速で稼ぐ」と称した与沢翼が有名だが、およそモラルの欠片もない。
 
 仮想通貨だけでなく、株の世界でも1日20時間、チャートを見て値動きを研究、「人間心理の集合体」から学び到達したのが、「三尊天井というチャート分析の世界」というのだから、クラシックでいかにも底が浅い。
 
 そんな人間でも月に「1億2000万円」である。
 
 投資環境の急激な変化であり、それを映すのがKAZMAXだが、6月20配信の文春オンラインで改めて批判された。
 
「資産50億円トレーダー・KAZMAX氏の手口を元側近が告発 サロン生を食い物に」というタイトルで、通常、オンラインは『週刊文春』本誌と連動するが、この記事はオンライン配信のみ。このあたりに週刊誌読者層の高齢化と、カネ儲けを含む雑多な情報を欲しがるかつての読者が、ネットに移行したことを表している。
 
 側近が、LINEのチャットを公開しながら手口を明かすのだから、「騙しのテクニック」は、具体的、かつ明快だ。
 
 ただし、その手口も三尊天井同様、意外に古典的だ。
 
 事前に仕込んでおいて、「買い」と「売り」を誘い、一定方向に誘導する前に仕込み、高騰、暴落の前に、いち早く売り抜ける。――最も確実な儲け方であるのはいうまでもないが、これではサロン生への裏切りだ。
 
 もっと悪辣なのは、KAZMAX自身が含み損を抱えている局面である。
 
「ドテン(逆ポジションに切り替えること)」を利用した手法で「ドテンサロン砲」と名付けられており、一度、損切りしてから、逆のポジションを持った後に、「損切りしました」とオンラインサロンやツイッターでつぶやく。するとサロン生が追随、損切りするので、逆張りしているKAZMAXが持つポジションに動き、KAZMAXは、損を取り戻せる。
 
 顧客を利用して自分が儲ける――。悪徳投資顧問の典型で、株が仮想通貨に変わっても同じということだが、それをKAZMAXは、自分に近いものから優先順位をつけ、儲けさせていった。
 
 情報はLINEで流されるが、最初にサロン運営側にいる約10名に流され、その次に特別会員的な約40名がいて、その先にいるのが約4000人のサロン会員で、最後はフォロワー数約10万人に対するツィッターで、ツイッターに流れるのは、会員らが儲けた後の“カス情報”である。
 
 悪徳投資顧問であり、紛う事なき相場操縦である。
 
 仮想通貨が金融商品取引法に縛られていないので証券取引等監視委員会も放置しているが、いずれ取り締まりの対象になる。――そう文春オンラインも警告しているが、既に、KAZMAXは違法領域に突入している。
 
 文春オンラインは触れていないが、KAZMAXは「FIP投資顧問」という投資顧問業の会社を取得し、今年2月からは株式情報も発信している。
 
 同社は、既に、3月25日、金融庁から1カ月の業務停止処分と業務改善命令を受けているのだが、問題となったのは、―斗廚併実を巡る誤解を生じさせる表記、∩安緝修砲茲覯饉匯饂困了篥流用、の二点である。
 
 KAXMAXが購入する前からロクな会社でなかったのは、△陵由から明らかだが、投資助言者となったKAZMAXは、業務停止命令を受ける前の時点で、ファンクラブ運営などの「SKIYAKI」(マザーズ)、インテリアなどの「五洋インテックス」(ジャスダック)などの株式情報をサロン生に発信している。
 
 その行為に仮想通貨の時のような株価操縦はなかったのか――。証券監視委は即刻、調査に乗り出すべきであろう。【丑】

 

 

 

 

 

 

 


2019年7月5日配信<0510archives>「『人間が作るモノで偽造できないモノはない!』――“ニンベン界の巨匠”が語る近時、偽造ワールド事情!!<事件>

 


   

                      定価250000円也

                  (☚wikipedia)

 

※「偽造」=「本物を真似て類似の物を作ること。特に、悪用する目的で、通貨、文書、印章などの偽物を作ること」(「日本語 新辞典」・小学館)

 

 

 

 今回、ゲストにお迎えしたクボタ氏(仮名)は、実名を出せば裏世界の住人からは、「ああ、ニンベン博士の〜」とオウム返しに言葉が返って来る超有名人である。
 言うまでもなく“紛れもない悪党”である。しかし、チンケな「悪党」ではない。“重要無形文化財”と呼ぶべき「悪のレジェンド」である。
 「偽造」にかけては右に出る者なし。「形あるもので偽造できないものはない」と豪語する“ニンベンの匠”を直撃した。

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――ご久しぶりです。今日はお忙しいところ、わざわざ足をお運び戴きありがとうございます。

クボタ氏「かれこれ4年ぶりになるかな。『週刊0510』はいつも無料で拝読させて貰ってるし(笑)、他ならぬ桂馬編集長の頼みとあらば無碍に断るわけにはいかんでしょう」

――お元気そうで何よりです。

クボタ氏「お迎えを待っているんだが、なかなか来なくてね(笑)。老醜を晒していますよ」

――早速ですが、今なお“現役”ですか?

クボタ氏「『老兵は消え去るのみ』――早く隠居したいのだが、依頼が多くてね。まだ生き恥を晒しているよ」

――業界の景気は如何ですか?

クボタ「依頼人が小粒且つ姑息になってるから儲からないし、何より醍醐味がなくなったのが寂しいな」

――やはり不動産取引に必要な文書が多いのでしょうか?

クボタ「そうだな。定番の運転免許証、パスポート、保険証など身分証明書類。他にはクレジットカードに未公開会社の株券。少なくなったが手形、小切手。それに印鑑、印鑑登録証。権利証は電子登録制になってめっきり減ったな」

――格言通り、形があるもので偽造できないモノはない!――ところで最近、作成した会心の作は?

クボタ「まだ表面化していないし、詳しく言うと支障が出るので、あまり言いたくないのだが、遺言状かな。7〜8通作ったよ」

――相続人からの依頼ですか?

クボタ「弁護士の依頼だった。作成料の400万円に釣られて、念には念を入れて作ったよ(笑)。あれはA級の鑑定人にも見破れないと思うな」

――エッ、依頼人は弁護士ですか?

クボタ「悪党のワシが言うのもおかしいが、頭数が増えて喰い詰めているのか、最近は事件屋顔負けの悪い弁護士が増えているな」

――嫌な時代ですね。

クボタ「事件を起こした悪人の“弁解係”を買うのは仕事だからいいけど、悪人と一緒になって犯罪を起こしてはイカンわな」

――最近は弁護士だけでなく、税理士、公認会計士、司法書士、行政書士など、いわゆる「士業」の人間が関与している事件も目につきます。

クボタ「国家資格を持った人間による犯罪には、法定刑を5割増にするべきだな(笑)」

――名案です!(笑)

クボタ「そういえば、癖のある依頼人だったので受けなかったが、つい最近、公正証書の依頼もあったな」

――偽造の公正証書なんて何に使うんでしょう?

クボタ「追い込みの小道具にでも使うのだろう」

――判決文だって偽造するご時世なんだから、公正証書だってアリでしょうね(笑)

(ここで電話あり。パスポート作成の依頼。1件25万円で商談成立)

――商売繁盛ですね。

クボタ「右を向いても、左を見ても詐欺師ばかり。――1億総詐欺師列島!――ホント、嫌になるねえ(笑)。まあ、政治家だって詐欺師みたいなもんだからなあ…(笑)」

――バレなきゃいい、たとえバレても「知らなかった」と開き直る。まったく嫌な風潮ですね。

クボタ「そうそう、一昨日に依頼があったんだが、人気俳優のMから『お願いしたい物がある』って電話があったよ」

――P中の噂もあるMからの依頼品って何ですかね?

クボタ「断ったから分からん」

――ところで、以前、「手掛けたことがないのは紙幣だけ」と言ってましたが、クボタさんでも紙幣の偽造は難しいですか?

クボタ「やってやれないことはないと思うが、コストが掛かり過ぎるし、流通するのが国内だとリスクがありすぎるわな」

――海外だとOK?

クボタ「ドル紙幣みたいに、地球規模で流通している紙幣ならリスクはあっても、リターンが大きいからやるかもしれんが、円紙幣はダメだな。――そもそも紙幣っていうのは、『紙』そのものには価値はないが、“決済のための小道具”だろ。だから、ある一定の地域だけでグルグル流通している限りは、本物だろうと、贋物だろうと、“紙幣としての役目”が果たせれば、それで十分なんだ。昔は、貝殻や石だってカネとして扱われていたんだから、それを贋物だ、どうだって騒いだって意味がないだろう。贋物だって、本物としての役目を果たせば本物になるんとちゃうか(笑)」 (了)

 

 

 

 

 

 

 

 





 


2019年7月2日配信「『スルガ銀行』の大荒れ株主総会で改めて指摘された筆頭株主・岡野ファミリー企業の居直りに喝、喝、喝!」<事件>

 
城主は遁走(☚wikipedia)

 

 女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営会社が経営破たんしたことで発覚した「スルガ銀行問題」は、「西武信用金庫」、「レオパレス」、「TATERU」など、他に同様のサブリース案件を抱える業者やそこに融資する金融機関の問題が噴出、「元祖」という認識はあるものの、世間の関心が薄れた印象は否めない。
 
 ところが、発覚から1年半が経過、第三者委員会によって事件の背景が明確となり、銀行の体質改善が急務とされ、業務停止命令の“懲罰”を終え、再建へ向けて踏み出しているハズの「スルガ銀行」が、前と変わらぬ問題先送りを繰り返していることが判明した。
 
 その糾弾の場となったのが、6月末のスルガ銀行株主総会だった。
 
 沼津市の駅前会議室で開かれた総会には前年を上回る500名超の株主が出席、動議の連発で有国三知男議長(社長)をたじろがせた。
 
 質疑応答では、「しかるべく」「早急に」「努力を重ね」と、“逃げ”に終始する有国氏に、昭和の総会屋健在時代を彷彿とさせるようなヤジと怒号が浴びせられた。
 
 質問に立った株主の大半は、シェアハウスのオーナーで被害者で、平均で1億3000万円の借金を背負い、今売れば、4500万円にしかならない物件を抱えているのだから必死。「早急な解決策」を求め、そもそもそのような体質にした創業家の責任追及を求めて総会は紛糾した。
 
 それにしても驚かされたのは、創業家の岡野ファミリー企業が、1年半を経過しても何の責任も取らされず、担保権も行使されず、今も筆頭株主の地位にいることだ。
 
 「有国氏は、ファミリー企業の株をいくら担保に取っているのか、500億円近い融資残をどう回収するのか」、といった具体的な質問に一切、答えぬまま。それどころか、『守秘義務がありまして』、『個別企業のことなので』と、創業家に対する配慮が露骨。未だに呪縛から逃れていない印象でした」(出席した個人株主)
 
 「スルガ銀行」の創業者は岡野喜太郎翁で、以来、120年、岡野家が「スルガ銀行」を支配。今も、「エスジーインベストメント」、「エスジーアセット」といったファミリー企業が13%の株式を握り、現段階で455億円の融資を銀行から受けている。
 
 上意下達で与えられたノルマは、どんなことがあっても達成しなければならないパワハラ体質は、岡野家に覚えめでたい者が出世する、という銀行風土のなかで醸成された。
 
 しかも岡野家は、本店が置かれた静岡県中部の沼津市周辺では“お殿様”である。
 
 岡野本家の近くの沼津市青野の岡野公園には岡野喜太翁の銅像が立ち、かつての「青野公園」は「岡野公園」と改称された。
 
 また沼津市北部の長泉町スルガ平には、大邸宅が建ち並ぶ高級住宅地があり、ファミリー企業の「エスジーアセット」が開発した、別名、「静岡のビバリーヒルズ」だ。
 
 その中心部には、喜太翁の孫の3代目頭取・喜一郎氏が贔屓にしたフランス人画家ベルナール・ビュフェの美術館があり、他に庭園美術館、文学館なども備えられた芸術スペースの「クレマチスの丘」である。
 
 その最深部には、雅子皇后が静養したこともある迎賓館があり、プール付スペイン風の本館、日本館、ゲストハウスなどが完備されている。
 
 「スルガ銀行」の破たんも視野に入る銀行体質を築いたのは喜一郎氏の長男で、前会長の光喜氏。次男に右腕となって光喜氏を支えた喜之助前副社長がいて、三男にファミリー企業をまとめる喜平太氏がいる。
 
 第三者委員会の報告書で、刑事責任については言及されなかったが、それはファミリー企業への情実融資の大半が、喜之助氏の決済で行なわれたことになっているものの、喜之助氏が16年に急逝、「真相は藪の中」に封じ込まれているからだ。
 
 だが、私物化ははなはだしい。
 
 11年には老朽化した迎賓館を銀行に売却。また、ファミリー企業の借金を少なくするために、銀行が「地域貢献活動」を名目にビュフェ美術館(館長は光喜氏)に大金を寄付、美術館はその資金でファミリー企業の抱える不動産や美術品を購入、返済に回していた。
 
 創業家の背任は避けられないが、「死人に口なし」で責任は喜之助氏が負い、光喜氏は「私は知らない」と、逃げた。
 
 逃がした第三者委員会も、創業家の支配権を認める有国氏ら経営陣も問題だが、なにより批判されるべきは逃げに終始、株を売らず、借金も返さない創業家の光喜氏だろう。
 
 本来なら「沼津の城主」として栄華を極めた以上、“落城”の時には腹を切って責任を取るべきものだ。
 
「死ね」などというつもりはないが、かつて時の大蔵相の失言で破綻した「東京渡辺銀行」の渡辺家に倣って全財産を吐き出すのは当然のこと。――それなくして「スルガ銀行」の再生はないだろう。【午】

 

 

 

 

 

 

 


2019年6月25日配信「国民負担の裏で儲けたのは事件屋・ブローカー・電力会社――固定価格買取制度改正で太陽光バブルは完全に終焉!」<事件>


(☚wikipedia)

 

 太陽光発電で生み出した電力を国が1キロワット時40円の固定価格で買い取る――世界のどこよりも好条件の「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)」がスタートした時、エネルギー事業に意欲的な事業会社はもちろん、資金力はなくとも人脈だけはあるブローカー、弁のたつ事件屋、暴力団排除条例で行き場を失った企業舎弟など、さまざまな勢力が太陽光発電に群がった。
 
 12年度の制度スタートから7年が経過。バブルとなった太陽光発電は、脱税や粉飾、認可された売電権(ID)を巡る恐喝など多くの事件を引き起こしたが、経産省が20年にもFITを改正する方針を固めた。
 
 制度設計はこれからだが、固定価格買取ではなく卸売市場での売却が原則となることで、業者の妙味は薄れ、買取価格が40円から年々、下がっていたために冷め始めていたブームは完全に終焉する。
 
 買取制度で生じた高値買入分を負担するのは国民。それが年間2兆4000億円にも達していたのだから見直しも当然だろう。
 
 それにしても「太陽光バブル」は鮮烈で、まともな業者だけでなく、多くの魑魅魍魎を呼び寄せた。
 
 それは制度設計が甘いうえ、設置費用の全額を損金計上できるなど、税制面でも優遇したからで、そこには、11年の東日本大震災の後で、原発に代わるエネルギーとして太陽光、風力、バイオマスなど再生可能エネルギーを、急いで普及させなければならないという政府の使命感があった。
 
 だが、政府は使命や国民の負託で動くが、企業やブローカーには損得しかなく、実際、儲かった。
 
 5億円の施設建設で月に500万円の収入といった成功談が聞かれるようになり、「架空の外注費を発注」といった脱税が横行した。
 
 もっと簡便な儲けは、経産省の40円のIDを売ること。初期はIDの審査も甘く、ろくに地権者の同意が取れていなくとも、事業計画があれば通したことで、「売電権」は、飛ぶように売れた。
 
「FITは12年度のスタートだが、買取価格は40円から徐々に下がることが決まっていた。40円は36円、32円と年々、下がり、18年度は18円。初期の40円は、業者からすれば発電すればするほど儲かる金の卵。IDは表で1億、裏で1億といった形で売れていった」(太陽光事業者)
 
 太陽光はバブルとなり、群がったブローカー、事件屋、企業舎弟といった連中を潤わせたが、国税は黙っていなかった。
 
「太陽光バブルの裏で、いかに納税意識のない連中が稼いでいたかを国税庁は掴んでいました。17年頃から全国の国税局に指示、発電業者はもちろん、太陽光に絡むコンサルタント業者、建設業者にまで手を広げて調査、全国で約200の法人に追徴課税を課しました。収入の除外、架空の外注、支払い手数料の計上などで総額70億円の申告漏れが発覚しました。うち40億円が悪質な所得隠しと認定されましたが、これでも氷山の一角。いかに太陽光が儲かり、脱税の温床となったかです」(国税関係者)
 
 業者やブローカーなどが儲かっただけでなく、電力会社も儲かった。
 
 高値で買うのは電力会社だが、その差額は国民負担なので懐は痛まず、再生エネルギーの普及を名目に、グループの工事会社に太陽光発電事業に進出させ、それを高値で買い入れた。
 
 工事会社も大儲けで、「お手盛り批判」は出るものの、「再生エネルギーに取り組むのは国策」と意に介さなかった。
 
 国民負担のうえ立ち、電力会社や事業会社とその周辺、ブローカーに事件屋に仕事師まで高笑い。――FITを終了するなら、さらなる税務調査に取り組み、刑事的問題点にも踏み込み、後始末をすべきだろう。【丑】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2018年6月22日配信<0510archives>「世界で始まるFBなど個人情報で巨利を得る巨大プラットフォーマーへの“追及”が激化⁉」<事件>

 
(☚wikipedia)

 

 米フェイスブック(FB)から5000万人分の個人データが不正に流出、FBの株価は急落。ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が、4月10日、米議会の公聴会に呼び出される事態となっている。

 流出した個人データは、分析会社の英ケンブリッジ・アナリティカ(CA)にわたり、トランプ陣営に就いたCAは、個人情報を駆使して大統領選を有利に戦えるように戦術提案し、トランプ当選に寄与した。

 このニュースは日本では、「対岸の火事」のように受け取られているが、FBの利用者がタダでサービスの提供を受ける見返りに、個人情報をFBに渡し、その蓄積された膨大な個人情報を使ってCAのような分析会社が,統計心理学などを駆使、投票活動に影響を与える行為は、今後、各国で発生。民主主義を冒涜する行為ともいえ、FBやグーグル(Google)など巨大プラットフォーマーの在り方が、世界的に問われている。

 現在、新聞・テレビ・雑誌などのメディアが、危機的状況に陥り、社員はもちろん、そこにコンテンツを提供する下請け業者や記者が、苦境に喘いでいる。

 やがて、この事態は高給で知られるメディアの社員に及ぶのは必至だが、こうした状況を作り出したのは、プラットフォーマーの育成を国家戦略とした米国であり、そのために著作的侵害や名誉毀損などからプラットフォーマーの責任を免除。それをコンテンツ提供者の責任にする「包括免責」を設けた。

 情報収集の自由度を与えられたFBなどは、利用者にニュースや情報をタダで提供。その見返りに年齢、性別、住所などはもちろん、閲覧履歴、通信記録、位置情報などを通じて、その人間の趣味嗜好・性格判断・行動範囲などを把握。さらに「いいね」や「共通の友人」を通じて、人間関係にまで踏み込むことができるようになった。

 その個人情報を、FBなどは「第三者使用の禁止」などの条件を付けて売却するほか、ターゲティング広告に利用している。

 FBは収入の大半をインターネット広告で賄っており、17年12月期の406億ドル(4兆3000億円)の売上高の大半は広告料収入であり、3年、5年と利用客から吸い上げ、蓄積した情報でわかる最適な広告を利用者のスマホやパソコンに送り込み、高い成約率を誇っている。

 タダでサービスを提供してタダで情報を集め、それを広告に生かして収益にし、元手の要らない錬金術で高収益を確保。その資本力で新興のベンチャーやプラットフォームを抱え込み、さらに肥大化してきた。

 それは「法的にも論理的にも正しい」とされ、中国などの独裁国家を除き、世界各国は情報の利用を認めてきたが、個人情報の取り扱いに厳しいEUなどが、納税と個人情報保護の観点からFBなどのビジネスモデルに警鐘を鳴らすようになっており、今年5月、新しい個人データ保護法「GDPR」の適用が開始される。

 そうした最中に発覚した個人情報の不正流出と、民主主義の根幹を揺るがす不正利用だった。

 問われているのは、FBなど巨大プラットフォーマーのビジネスモデルであり、社会的責任を負う企業としての在り方である。

 タダの情報収集は、利用者のプライバシーを侵すにとどまらず、コンテンツ提供者を苦しめ、危機に陥らせる。


 こうした状況に対して、メディア王のルパート・マードック氏を初め多くのメディア関係者が、「FBは対価を支払え!」と声を上げるようになった。

 自分たちの存続のためだけでなく、第三者の目を通した正確なニュースは、フェイクニュースの氾濫やヘイトスピーチ、ネトウヨ的な発言がネットを蹂躙している現在、必要なことだと誰もが感じている。

 EUのようなGDPRを持たない日本だが、公正取引委員会の杉本和行委員長は、3月31日、『日経新聞』のインタビューに、「(FBやGoogleの)データ収集の在り方が本当に公正なのか。プライバシーの犠牲のうえに、オンライン市場での強い立場が築かれていないか。デジタル経済における競争確保は、優先課題だ」と、述べ、今後、「独禁法での対処」が考えられるという。

 FBのデータ寡占と安易な提供は、トランプ政権を生んだ。

 その反省が、これからFBなどを追い詰めるが、日本においてもデータ寡占の弊害が、メディアの苦境、フェイクニュースの氾濫という形で表れている。

 ネット社会だから仕方がないとして放置されてきたが、今、我々は「便利さの裏にある毒」を排除する時期を迎えていることを認識すべきであろう。【卯】

 

 

 

 

 

 

 


2019年6月20日配信<0510archives>「『御代替わり』を奉祝する主体となるべき神社本庁で田中恆清総長が開き直りの4選を画策中!」<事件>

(☚神社本庁HP)

 

 天皇陛下の譲位に伴う「御代替わり」を目前に控えた今、各種儀式を奉祝する主体となるべき神社本庁の“揺らぎ”が続いている。
 
 3期9年、総長を続けてきた京都・石清水八旛宮宮司の田中恆清氏が、今年6月の改選にも手を挙げ、異例の4期目に突入すべく画策しているというのだ。
 
 全国2万人の神職、8万ヶ所の神社を統括する神社本庁は、長期化する安倍晋三政権の憲法改正を支持する一大勢力で、政治団体の神道政治連盟(神政連)がその役割を担ってきた。
 
 保守改憲勢力の草の根組織に日本会議があるが、田中総長は日本会議の副会長で、右腕の打田文博・神政連会長は、日本会議系「美しい日本の憲法をつくる国民の会」で事務総長を務めている。
 
 神社本庁は、長く「田中−打田体制」の支配下にあったわけだが、強権が腐敗を生むのは組織の形態や洋の東西を問わない。
 

  「田中―打田体制」も特定勢力を抱え込むうち、基本財産に手を出した疑いが浮上、一昨年来、揉めに揉め、田中排斥の動きが活発化、マスメディアもその動きに乗って、批判の度を強めている。
 
 昨年9月、役員会の場で田中氏は、いったんは「総長を辞める」と、宣言。退任は既定の路線となったが、10月に入ると前言を翻して続投を宣言した。
 
 これに怒ったのが鷹司尚武統理である。
 
 宗教法人上のトップは総長だが、神社本庁には象徴としての権威を持つ統理がいて、組織をまとめる。
 
 以降、田中氏は変節を批判した鷹司氏に距離を置くようになり、ギクシャクした状態が続いている。
 
 もともと田中−打田体制に反発する勢力が反田中派を形成していただけに、神社本庁は今、統理を巻き込む内紛状態にある。 
 
 こうなったきっかけは、バブル期に7億5000万円で購入した百合丘宿舎(川崎市)を、15年、1億8400万円で、「ディンプル・インターナショナル」という不動産会社に随意契約で売却したことだった。
 
 本来、宿舎は神社本庁の基本財産で売却してはならない。
 
 仮に売却の必要性が出てきた場合は、評議員会の議決を経たうえで、競争入札にかけねばならない。
 
 ところが百合丘宿舎は、随意契約のうえ即日転売され、半年後、さらに転売された価格が3億円を超えており、安値売却を疑うことができた。
 
 また、「ディンプル社」に対しては、その前、青山宿舎、中野宿舎も随意契約で売却していることが判明したうえ、同社系列の「日本メディアミックス」が、季刊誌『皇室』の販売元として“中抜き”の利益を得ており、同社の歴代代表が、打田氏と関係が深いことから癒着が疑われた。
 
 疑惑がさらに深まったのは、ディンプル問題を取り上げ、批判した幹部職員2名を懲戒処分にかけ、ひとりを解雇したことである。
 
 これで反田中派が結束、マスメディアの「田中−打田体制批判」が始まった。
 
 3期でも長いだけに、4期目はないと目されていた田中総長だが、昨秋の退任騒動とその後の統理との確執を経て、打田氏共々、自分たちの正当性を誇示するためにも、4選を画策しているという。
 
 そのためには15人の理事の過半数を田中派で固めなければならない。その理事は、評議員会で選任されるため目下、評議員会を固める作業に入っているという。
 
 同時に、今年5月は統理の改選期にもあたり、田中派としては鷹司統理の退任を狙いたい。
 
 その後任には、仏司法当局から東京五輪疑惑で起訴されるのが確実で、「日本オリンピック委員会の会長退任を余儀なくされるのではと目されている」(=全国紙記者)、旧皇族で一時、「日本メディアミックス」役員に就いていたこともある竹田恒和氏の名前も挙がっている。
 
 神社本庁で、今、起きているのは、御代替わりの奉祝どころではない田中、打田両氏の必死の生き残り工作である。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年6月11日配信「法務・検察利権の公証人天下り制度に読売新聞が切り込んだ”裏事情”」<事件>

 
(☚wikipedia)


 久々ぶりの快挙である!――「法務・検察」の呆れた実態が、「読売新聞」が連続追及した『公証人シリーズ』で明らかになった。
 
 遺言や金銭貸借など法的証明力が認められる公正証書は、公証役場に行き、法務大臣が任命する公証人に作成してもらう。
 
 同紙は、その公証人を元検察官と元裁判官が独占、人事システムに組み込んだ法務・検査利権であることを暴いた。
 
 民間への開放を促す目的で2002年度から始めた公募は形式だけ。東京と大阪など高収入が見込まれる公証人ポストは検査官と裁判官のOBで独占している。
 
 典型は東京で、106ポストのうち104ポストは固定化し、元検察官から元検察官、元裁判官から元裁判官に引き継がれていた。
 
 どの幹部をどこの公証役場に配置するかの原案は、法務省人事課で作成。収入は年収2000万円前後の検事正収入を下回らないように配慮、高収入が見込まれる都内の公証人になれば3000万円前後だという。
 
 任期も5年から10年と定められていて、検察官OBの場合、天皇の認証官で定年年齢の高い検事長以上は公証人になれないので、公証人の対象者は検事正を経験した60歳前後。50歳代後半なら10年後、60歳以上なら70歳までに退任するのがルールになっていて、退職を誓約する「念書」を入れるのだという。
 
 公証人の数は全国で約500人。堂々と検察と裁判所で分け合い利権化、他省庁の国家公務員の各種天下り規制をあざ笑うかのようだ。
 
 ただ、この実態を知らされたのは「読売新聞」の読者だけ。他のマスメディアは、一切、報じず、後追いもしない。
 
「昔から知っていたことで今更」(他紙の社会部記者)であり、「倫理違反であるのは明らかだけど、法的に違反しているわけじゃない。検察がこの利権を手放したくないのは明らかで、尻馬に乗って追いかけると、検察幹部に嫌われて情報が取れなくなる。記事にするつもりはない」(同)という。
 
 2人のキャリア官僚逮捕につながった文科省事件は、天下り規制違反の発覚から端を発している。
 
 前川喜平事務次官は退任し、その後、逮捕された2人が前川氏の官房長時代の課長で、前川氏を支える「助さん格さん」であったことから、「文科省に鉄槌を加えたかった官邸の意を受けた捜査」(検察事情通)という指摘もあった。
 
 そういう意味で、法務・検察の自らの脱法的天下りには蓋をして、他省庁には襲いかかる姿勢と、それを無視して検察の“歓心”を買おうとする司法マスコミの姿は、度しがたくみっともない。
 
 では、どこよりも「当局との密着」を得意?とし、検察報道でもスクープを飛ばす読売が、どうして“さざ波”を承知で、報じたのか。
 
 以下の記事が参考になるかも知れない。
 
<「日本はいつの間にかレッテル社会になってしまった。最近は、大蔵と名が付けば全部ダメ。検察ならいいという空気になっている。検察OBがそれぞれにふさわしいポストに起用されるのは歓迎だが、レッテルだけに目が向く上滑りな風潮が見え始めている」――ある検察OBは、そう警世の言葉を語るのである。
 検察OBには三つのグループがある。(1)中途退官してヤメ検弁護士になる、(2)定年近くにやめ、公証人になる、(3)検事長や検事総長などまで上り詰め、企業顧問などに就くケースである。>
 
 今から21年前の98年4月に書かれた「検察OBの研究」で、執筆したのは社会部の山口寿一記者。同記者は、続けて元検事と元裁判官で独占する公証人の実態を明かしている。
 
 公証人の裏は、20年以上前から知られていたわけで、執筆者の山口記者は、その後、渡辺恒雄主筆の覚えもめでたく異例の出世を続け、今や、読売新聞グループ本社の社長で読売巨人軍オーナーとなった実力者。それだけに、読売としては「社として取り組めるテーマ」だろう。
 
 そこにも取材現場の“忖度”が働いたのかも知れないが、「法務・検察の闇」を照らす作業は、何がきっかけとなってもノー・プロブレム。――この構図を温存している法務・検察と、それを熟知しているのに放置している司法マスコミこそ批判されて然るべきだろう。【寅】

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年6月4日配信「コンプラ不全で元気度曲線は右肩上がり⁉――反社勢力御用達の『西武信金』ワンマン理事長が退任!」<事件>

 
西武信金本店(Wikipedia)

 

 

 東京都下の立川駅から歩いて数分の歓楽街に、問題の「融資現場」はあった。
 
 見かけは何の変哲もないない雑居ビル。ラーメン店、風俗案内所、スナックなどが入居しているが、入り口横の見落としそうな場所に、広域暴力団の組名が書かれたインターフォンが設置してある。
 
 ただ、○×組ではなく企業名のようなので、一般には判別がつかない。
 
 だが、反社会的勢力への融資に、ことさら気を遣わねばならない金融機関にとっては、ウィキペディアにも登場するその組名は、注意してしかるべきだろう。
 
 金融機関が、暴力団が入居するビル内の店や、ビル内に事務所を置く法人にチェックを入れるのは当然のことだが、都内中野区に本店を置く「西武信用金庫」はそれを怠たり、ビル内に会社を持ち、パブを経営する夫妻の自宅を担保に融資していた。
 
 男性は、逮捕歴もある在日中国人系半グレグループのリーダーで、逮捕時には、「中国人マフィア」と報じられた。
 
 金融庁は、5月24日、「西武信金」に業務改善命令を出し、改善計画を6月末までに出すように求めた。
 
 それを受けて「西武信金」は、24日付けで落合郢瞥事長が引責辞任、高橋一朗常務理事が理事長に昇格する人事を発表した。
 
 落合氏は、1973年3月、亜細亜大学を卒業して、「協立信用金庫」と「武陽信用金庫」が合併して3年目の「西武信金」に入社。生え抜きとして順調に出世、10年、理事長に就任する。
 
 そこから、郊外路線とともに都心部にも進出、投資用アパート・マンション融資を核に、急速に業績を上げた。
 
 17年度の貸出金残高は1兆7000億円、預金残高は1兆9000億円と信金ではトップクラス。特筆すべきはその伸びで、落合氏のもとでほぼ倍増させた。
 
 その自信をもとに、年収はメガバンクトップ並みの約8000万円を誇り、2年前には『西武信用金庫はお客さまを絶対的に支援する』(あさ出版)という自画自賛本を上梓している。
 
 その業態と急成長は、「スルガ銀行」に酷似している。
 
 実際、投資用アパート・マンション向けで急成長したのも、森信親前金融庁長官が、「スルガ銀行」同様のビジネスモデルと前のめり経営を讃えたのも同じである。
 
 だが、そこに無理があった。
 
 金融庁は、西武信金に対し次の「三つの処分理由」をあげている。
 
‥蟷駘冑堝飴困砲ける形式的な審査と不適切な信用リスク管理
反社会的勢力等との取引排除に向けた管理体制の不十分
6い発言力を有する理事長に対し、内部統制が機能していない。
 
 その三つのうち、△亮体磴箸覆蠅修Δ覆里、冒頭に挙げた「立川の現場」である。
 
 もちろん金融庁は、個別事例を公表しているわけではないが、コンプライアンス不全であることを示す融資であるのは疑いない。
 
 「西武信金」の問題融資発覚をきっかけに、金融庁は全国の金融機関に対し、「反社会的勢力との取引に関する全国調査」を行なうことを決め、5月に入って、着手している。
 
 反社融資の規制は、日本のみならず世界の課題であり、今秋からマネーロンダリングやテロ・犯罪資金の対策を担う国際組織「金融活動作業部会(FATF)」が、対日検査を行なう予定である。
 
 暴対法、暴排条例を経ても、「スルガ銀行」、「西武信金」のように“前のめり融資”を行なえば、審査が緩くなり反社との関係が生まれる。
 
 それを前長官は、「金融機関のあるべき姿」と褒め、現長官は厳しく取り締まる。――まさしく朝令暮改!――方針を豹変させるだけで恥じることのない金融庁は、さながら“無責任勘定奉行”と揶揄されても仕方あるまい。【午】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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