2019年5月28日配信<0510archives>「個人を司法取引と通信傍受で丸裸⁉――警察国家への道、着々‼」<事件>

 
すべて丸裸?(☚wikipedia)

 

 警視庁が、日本大学アメリカンフットボール部選手の「殺人タックル事件」捜査に着手した。

 警視庁調布署が、タックルを受けた選手・家族の傷害罪での被害届と告訴を受けて、5月28日、東京・市ヶ谷の日本大学本部を訪れ、関係者の事情聴取を行なった。

 腰が重く、被害届や告訴告発を受けても、なかなか着手しない警視庁だが、国民注視の事件だけに、今回は動きが速かった。

 警視庁捜査一課と調布署が、総力を挙げ、実行犯の宮川泰介選手、直接、指示をした井上奨コーチ、指揮官である内田正人監督を調べることになる。

 着手は一斉に報じられたが、5月31日発売の『週刊文春』は、警視庁関係者の話としてこう書いた。

 「警察当局はすでに宮川選手と井上前コーチの携帯の通話記録を取り寄せ、井上前コーチが宮川選手に送信した“口止め”ともとれるメールも入手している」

 何気なく読めば、捜査は着実に進んでいるということだが、事件発覚から1ヵ月も経っておらず、被害届を受けて2週間に満たない時点で、当然、当事者の宮川選手や井上コーチの事情聴取に踏み切る前の段階で、なぜ通話記録を入手しているのか。

 考えられるのは、刑事訴訟法改正に伴う通信傍受法の改正で、通話記録やメールのやりとりを任意提出させたのではないか?ということである。

 刑事訴訟法の改正で、今年6月1日から司法取引が導入された。

 マスメディアは「司法取引とは何か」を、識者の解説や海外の事例をもとに説明しているが、実際のところ、司法取引第1号案件が現出しなければ、どんなものかを理解するのは難しい。

 指摘される「罪を逃れるための偽証」による冤罪の発生を含め、やってみないとわからないのは、検察、警察の捜査当局も同じだろう。

 だが、確実にいえるのは、被疑者となった国民は、国家(捜査当局)によって丸裸にされることである。

 被疑者や被告が捜査協力者となって検察と協議を重ね、組織トップや主犯格の犯罪摘発に協力。見返りに刑事処分の免責を得る「協議・合意制度」と呼ばれる司法取引は、対象犯罪数を一気に増やし、かなりの犯罪の通信傍受を認めた改正通信傍受法とセットになっている。

 証拠を改竄してまで厚労省女性局長を罪に陥れようとした「大阪地検特捜部事件」への反省から、取り調べの可視化(録音録画)が求められるようになった。

 が、そうなると贈収賄、脱税、談合、粉飾決算など国家秩序を揺るがす犯罪の摘発が難しくなるとして、法務・検察は新しい武器を求め、それが司法取引であり、通信傍受の拡大だった。

 二つ合わせて、捜査当局が手にしたのは、「供述頼りの捜査」からの脱却である。

 有罪判決を取るために、検事や刑事は密室の取調室で被疑者を徹底的に追い詰め、家族友人への事件の波及を臭わせるなどして落とし、それは供述調書にまとめられ、公判では絶対の証拠となった。

 刑事訴訟法の改正は、その無理を排する代わりに、被疑者を丸裸にして追い込むものである。

 スマートフォンの普及で、我々は、SNSやラインなどで通話歴、メール、位置情報などを残す。

 そうした情報を持つ通信大手や「フェイスブック」「ライン」などのプラットフォーマーは、裁判所の発する令状か、捜査機関が報告を求める捜査関係事項照会書によって、そうした記録を入手できる。

 そのうえ司法取引は、職場の上司、同僚部下が、刑事免責を求め、証拠を提出、証言を重ねるだけに、供述はもちろん、PCに入った資料、メール交換歴、備忘録などを提出。その結果、事件を含む被疑者の組織内での過去はすべて明らかになる。

 私的にも公的にも、捜査当局に狙われると、被疑者にプライバシーはなく、丸裸にされ、そのうえで追い込まれるのだから、「割り屋」と呼ばれるベテランの検事や刑事でなくとも自供させるのは容易だろう。

 そのうえに段階的に施行が続く刑事訴訟法の改正は、19年6月、暗号技術を利用した特定装置の導入で、最後の仕上げとなる。

 所轄の警察署にこの装置を配備すれば、被疑者の携帯、固定全ての通話が、圧縮され、すべて録音される。

 既に、国中に張り巡らされた監視カメラやNシステムと呼ばれるナンバー自動読み取り装置によって、国民は国家の監視対象とされているが、いったん捜査当局に狙われると、身内や同僚までが敵に回り、すべての会話やメールが筒抜けになり、証拠となって罰せられる可能性がある。

 それが、現在進行中の司法取引を含む刑事訴訟法の改正である。

 共謀罪は、司法取引や通信傍受法改正の対象には含まれていないというものの、捜査過程で得たメールや会話の記録が、共謀罪に援用される可能性は十分にある。

 つまり国民が、なんの気なしに使っている電話での会話やメール、パソコンの閲覧、スマホに残した移動記録などすべてが、捜査当局の捜査対象になるということだ。

 司法取引を含む刑事訴訟法の改正は、そんな警察国家への第一歩であり、国民はそれを自覚した対応を求められる時代となった。

 それは「日大事件」の何気ない報道にも表れている。【午】

 

 

 

 

 

 

 


2019年5月18日<0510archives>「詐欺、脱税、マネロンの巣窟――監督官庁・捜査当局の規制強化で仮想通貨バブルは崩壊寸前!」<事件>

(☚wikipedia)

 

 

 2017年は仮想通貨バブルに湧き、「億り人」と呼ばれる億万長者が続出した。

 ブームに乗り遅れまいと、仮想通貨取引所に口座を開く人が増え、「ビットフライヤー」など取引所も活況を呈しており、著名俳優を利用したテレビCMを頻繁に流している。

 そのブームは18年も続くのか。

 結論をいえば、明らかなバブル状態をこのまま放置することはない。

 「仮想通貨が法定通貨を超えて、決済や送金手段の中核となることはない。国家が通貨発行権限を保持するのは当然のこと。投機対象の仮想通貨が、実体経済を侵食すれば、当然、規制に入る」(金融庁関係者)

 しかも仮想通貨は、現在、詐欺や脱税やマネーロンダリングに使われているという現実があり、監督官庁だけでなく検察、警察、国税といった捜査当局も、やがて摘発に入らざるを得ない。

 金融当局の規制捜査当局の摘発が、同時に進行するのが今年であり、流通量の最も大きなビットコインでがわずか1年で20倍に高騰した昨年のバブルは、どこかの時点で崩壊する。

 実際、凄まじい狂騒である。

 例えば海外からの投資である。

 ビットコインで得た利益は、当然、課税されるのだが、証券などと違い、「雑所得」と認定される。

 つまり、申告が必要なわけで、総合課税されると、かなりの部分を税金で持っていかれることになる。

 また、取得価格を申告する必要があり、資金の出所を聞かれて困る人は少なくない。

 そんな投資家に、海外からの投資を持ちかける業者がいる。

 日本は仮想通貨の取引所が登録制とされており、口座開設時に本人確認を求められるのでごまかしがきかない。

 ところが海外では、規制されておらず、本人確認もなければ取引履歴を探られることもなく、1000万、2000万円と業者に預け、海外で運用している投資家は少なくない。

 持ち運びも便利だ。

 スマートフォンのなかに蓄財しているわけで、現金や証券を持ち出す時のような面倒臭さがない。

 そんな便利さはあるものの、投資家の弱みにつけこむ悪徳業者が多いのも事実で、早晩トラブルが続出すると見られている。

 しかも、そんな投資は脱税やマネーロンダリングにも直結するわけで、国税当局は国内での課税処分に力を入れる一方、仮想通貨投資を目的にした海外送金にも目を光らせ、そうした業者の把握に務めている。

 詐欺的仮想通貨商法も多くなっている。

 昨年10月、大阪の仮想通貨取引業者「リップルトレードジャパン」の代表が、顧客から現金を受け取りながら、通貨取引に必要な「IOU」と呼ばれる債権を渡さなかったとして逮捕された。

 これなど単純な詐欺だが、仮想通貨の世界では、金融商品取引違反の行為が日常化している。

 顧客の売買を自社内で、相対で行って利益を消し込んでしまう「ノミ行為」や、勝手に取引を行って顧客に不利なレートで取引が成立したと報告する「叩き」「握り」などもあり、かつての悪徳証券会社や不良商品先物業者を彷彿とさせる。

 仮想通貨技術を使ったICO(イニシャル・コイン・オファリング)と呼ばれる資金調達はもっと露骨で、海のものとも山のものともわからない技術に将来性があるとして通貨を発行する詐欺集団が後を絶たない。

 “子供銀行の偽紙幣”のようなものだが、仮想通貨バブルが、「早いうちに買っておいて売り抜ければ儲かる」という幻想を投資家に与えるのか、引っ掛かる人が続出している。

 そうした悪質業者の決まり文句は「投資は自己責任」だが、犯罪を前提とした投資に誘い込む行為が許されるはずもなく、今年は捜査当局もノウハウを蓄積して悪質業者を取り締まることになる。

 人類の歴史を振り返っても、16世紀オランダのチューリップバブル以降、バブルに華咲く経済はない。

 仮想通貨バブルの崩壊も、「自然の理」というべきだろう。【寅】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年4月25日配信「組織ぐるみか、単独犯か?――秋元司環境副大臣の口利き疑惑まで飛び出した東レ架空取引事件の深層」<事件>

   
秋元司環境副大臣
(wikipedia)


 榊原定征・経団連前会長の出身母体で、売上高2兆円を誇り、「産業界の雄」といっていい存在の「東レ」が、架空取引を主導、連帯保証まで行なっていたという証拠書類が、今年2月頃から情報通の間で出回っていた。

 連帯保証は、日覺昭廣社長が登録した印鑑証明書付き。「登録された印鑑は厳重に管理。印鑑証明書も簡単に取れるものじゃない。本物か、偽造のどちらか」(書類を入手した社会部記者)と、判断するのが一般的。判断が付かないだけに記事にするのが難しく、幾つかのニュースサイトが取り上げ、『週刊ポスト』が後追いするのにとどまっていた。

 そこに「文春砲」が炸裂。『週刊文春』は、4月18日発売号で『ヤミ金借金1・2億円を取り立てた副大臣』と、報じた。

 副大臣とは参議院1回、衆議院3回生の秋元司・環境副大臣のことなのだが、秋元事務所は、発売後、日覺社長に電話したことは認めつつ「東レに債務の連帯保証の有無を確認。『そんな事実はない』という回答を得ただけ」と、コメントを発表した。

 確かに、最終的には「言った、言わない」の話である。

 ヤミ金といっても金銭消費貸借契約書に「月利10%」を謳っているわけではなく、「口利き」といっても業者から陳情を受ければその確認を行なうのはごく一般的な政治家の仕事。それを「弁護士法違反」と、サブタイトルで攻撃するのは「走り過ぎ」の印象で、「文春砲」にしては小ぶりだった。

 それよりも、まず問うべきは「東レの水処理装置を3億円で購入すれば、3カ月後に3億5000万円で買い戻す」という不可解な取引を、水処理システム事業部F元営業部長(昨年11月に解雇)が「単独」で行なったのか、事業部長など上層部も関与した「組織ぐるみ」なのか、という点だろう。

 本サイトが入手した一連の契約書が示すのは、あまりに不可解な契約であることだ。

 「東レ」が組んだ代理店のO社が、18年7月24日、S社宛てに金額3億円の「御見積書」を提出。それを保証するように、7月31日、水処理システム事業部が「製品保証書」を提出。それを受けて、8月3日、買戻し特約(総額3億5000万円)付きの「物品売買契約書」が、O社とS社の間で結ばれ、O社の連帯保証人となったのが「東レ」で、日覺社長はF元部長に「委任状」を渡し、それに印鑑証明書が添えられていた。

 ここまで手順をキチンとしていれば「騙されるな」という方が無理だろう。

 「天下の東レ」の保証付き。一方で、なぜ「東レ」が、O社のような街金レベルしか相手にしないような信用のない会社とつきあっているのか、なぜ3億が3億5000万円なのか、という疑問が残る。

 そこはO社とF元部長の特殊な関係が背後にあると考えるのが自然だ。

 「東レ」は、2月12日、F元部長を書類偽造容疑で警視庁中央署に刑事告訴している。

 とはいえ、これがバングラデシュ向けという海外プラント案件で、16年7月に発生した日本人を含む22名が死亡した「ダッカ事件」の余波で、15億円分の水処理装置が宙に浮き、それを売り上げ計上したために起きた事件だと聞けば話は別である。

 実は、先ほどのO社とS社が交わした契約書類は、ほかにも複数あり、「東レ」が代理店としたのはO社だけではなく、他にも幾つもの商流があるようなのだ。

 ハッキリした商流は、資料が流出しO社のものだけで、これが5億4000万円。他にも15億円分の商流もあるようだし、「粉飾額は50億円以上」という説もある。

 それだけの粉飾をF部長が個人プレーで捌くのはさすがに難しく、現に、同じ水処理システム事業部のH部長やその上司の役員の関与も指摘されている。

 そうした疑惑が膨らむのは、日覺社長の登録印を含め、これだけ大量の資料が流出するのは珍しいのに、「東レ」が「刑事告訴中」を理由に一切の説明を避けているせいでもある。

 いったい何があったのか?――「東レ」には真摯な説明責任があると言えよう。【辰】

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年4月17日配信<0510archives>「ロシアゲートでSNS規制論の最中に巨額利益を上げたFBなどが果たすべき責任」<事件>

(☚wikipedia)


 ロシア政府が、交流サイトのSNSを使って不正な世論操作を行い、2016年の大統領選で「トランプ当選」に有利なように働きかけたという、いわゆる「ロシア疑惑」は、10月30日にトランプ陣営の元選挙対策本部長が起訴され、11月1日には、米議会の公聴会にフェイスブック(FB)、グーグル、ツイッターの幹部が呼ばれて追及を受けるなど、米国を揺るがす問題に発展している。

 他国が、特定の意図を持って情報を操作、自国に有利な候補を当選させようと働きかけたのが事実なら、論外な内政干渉であり、民主主義への冒涜である。

 その舞台となったSNSの主要3社幹部が、事態をどう把握し、どう改善しようとしているかを問いただされるのも当然だろう。

 皮肉にも、公聴会の最中の1日、FBは2017年7〜9月期決算を発表。それは広告収入の伸びで増収増益を実現、売上高が103億ドル(約1兆1600億円)、純利益が47億ドル(約5300億円)だった。

 売上高の約半分が純利益という驚異的な収益構造は、FBがサイトへの参加者に対して行うサービスへの見返りとして、ログイン時に必要な住所、年齢、性別などの個人情報に加えて、友人知人、趣味嗜好などの獲得したデータを使い、効果的な広告を打てるからである。

 収入の大半が広告で賄われる広告業者のFBは、テレビ、新聞、雑誌などの旧来型メディアが、「マス」(不特定多数)に向けて拡散するだけで効果が測れないのに対し、ビッグデータに格納されたプライバシー情報を広告主の求めに応じて取り出し、最適な形で望ましいと思われる購買層に発信する。

 このマイクロターゲティング効果は抜群で、しかも広告を閲覧したかどうか、成約に至ったかどうかも計測できるとあって、既存メディアの広告を“食い”、しかも他のネット広告業者を上回る業績を上げてきた。

 FBに対抗できるのは、動画サイトのユーチューブを傘下に持ち、検索エンジンを使って優位な広告を打てるグーグルだけで、両社の市場占有率は6割を越える。

 広告を打つに際して広告主は、顧客管理システムなどのデータも効果的な広告効果のために提供する。

 それがビッグデータとなって蓄積され、ますます両社は巨大化する。

 しかも投資は、人材とネットワークに関するものだけで、装置産業のような設備投資を必要としない。

 さらにFB、グーグル、ツイッターのような交流サイトは、情報を流すだけの「プラットフォーム」という位置づけで、そうした企業群を育成しようとした米政府によって、「包括免責」を与えられている。

 90年代末に制定された通信品位法などによって、例えばユーチューブ上を悪意があり、根拠のない名誉毀損映像が流されれば、既存メディアではメディアの側が厳しい罰則を受けるのに対し、SNSでは罪を問われるのはユーチューバーであり、プラットフォームは免責される。

 ビッグデータは、世界の個人と企業と政府が、コンピュータとつながることによってもたらされる「公共財」である。

 ならば特定の事業者が、自社の利益のためにだけ使うのは許されない。

 まして、個人のプライバシーを使って、他国の有権者の投票活動を誘引しようとする勢力に対し、それもまたビジネスと割り切ってプラットフォームを提供するのは、国家国民への冒涜であり犯罪行為である。

 公聴会で3社の幹部は、「不正広告のチェックは事実不可能」と、開き直ったが、不可能ではなく「包括免責」をタテにフェイクニュースも悪意のある情報も、公序良俗に反する広告も放置してきた。

 その怠慢のうえに利益はかさ上げされ、その巨大な利益でM&Aを繰り返し、新たなプラットフォーマーを取り込んで増殖してきた。

 利益を上げることが悪いわけではない。

 その収益構造に問題があり、それが「免責」を原因とするものなら、どれだけコストがかかろうと、プラットフォーマーに応分の負担を求めるのは当然のことだろう。

 「包括免責」「ネット性善説」に立って、原則的には自由が認められてきた米国で、初めてネット規制の論議が本格化している。

 日本でも状況は同じである。

 9人が殺害された「座間殺人事件」もネット上の自殺の書き込みを利用したものであり、「ネットはそういうものだ」と看過できない事件である。


 「だからと言って、責任の一端をネットのせいにするのはお門違いだ!」「あくまでユーザーの問題だ!」――異論、反論はあろうが、ネットを流れる「情報と広告の制御」について、本格的に論議すべき時期であろう。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年4月13日配信「留学生が1400人も所在不明!――渦中の東京福祉大を“裏支配”する中島恒雄元理事長の罪」<事件>

東京福祉大池袋キャンパス
(☚Wikipedia)

 

 

 コンビニや飲食店を支えている東南アジアを中心とする留学生の実態を、図らずも表面化させたのが、東京福祉大留学生大量失踪事件だった

 正確には、失踪ではなく所在不明。同大は、都内や名古屋市などにキャンパスがあり約8000人が在学。教員も教室も不足して「銭湯の2階が教室」といった劣悪な環境が既に報じられている。

 そうなるのも当然で、在校生のうち留学生が6割超の5133名(18年5月時点)で、そのうち8割超の4208名が、日本語が不自由で大学入学資格を満たさない非正規の学生で占められており、同校では、「研究生」と呼んでいた。

 旅費や当面の生活費などを借金して来日する留学生が大半だから認められた週28時間のアルバイトでは、年間60〜70万円の学費を支払うことができないのは当然で、2カ所、3カ所と掛け持ちするうち、学校にも行かなくなって所在不明のあげく除籍。大学側は「与り知らぬこと」という立場だが、失踪=所在不明を黙認するビジネスモデルだった。

 この種の留学生を食い物にする教育機関は、過去に例がないわけではないが、東京福祉大のデタラメぶりは、創立者の強制猥褻容疑での逮捕がきっかけで表面化した。

 創立者は中島恒雄元理事長(71)で、学習院大を卒業後、30代で専門学校を設立して理事長に就任。経営の才に恵まれ、学校法人の専門領域を広げて、2000年、群馬県伊勢崎市に東京福祉大を開学した。

 専門学校に大学、社会福祉法人での老人ホーム経営と、事業の幅を広げ、「気鋭の福祉教育者で実践家」と、高く評価されるようになっていたが、08年、地位も名誉も一気に失う強制猥褻事件を引き起こし、逮捕・起訴された。

 それも、容疑対象が5人で6件という悪質さで執行猶予もつかず2年の実刑判決を受けて服役。学校教育法第9条では「禁固刑以上の刑に処せられた者は、校長又は教員になることはできない」とされており、実質的には引退しなくてはならない。

 ところが中島氏は、服役中にも手紙などで指示、出所の翌日には学校に来て、新たな経営方針を与えるなど復帰を果たした。

 もちろん対外的に許されることではなく、「(中島氏は経営に)いっさい関わっていません」と、同大のホームページでわざわざ「宣言」していた。

 「校歌の歌詞に自分の名前を入れることでも分かるように、超ワンマンでセクハラ・パワハラは日常茶飯な人。でも、でも表には立てないので、危うい権力を維持するためには、カネで子飼いを増やし、権力を固めるしかない。もともとカネ儲け主義の人だったが、10年7月の出所後は、それに拍車がかかった」(東京福祉大関係者)

 「初年度30億、4年で120億円になるわけだよ。なぜ、それをやらんの!」――11年9月、10数人の学校幹部が出席して開かれた会議で檄を飛ばす中島氏の音声データが残されているが、終始、中島氏のひとり舞台という有様で、その「裏支配」が同校を歪めた。

 文部科学省は、東京福祉大及び運営する学校法人「茶屋四郎次郎記念学園」のそうした実態をある程度、把握していた事件以降、「中島排除」を指導し、何度も私学助成金を減額。17年度には交付された4億3000万円の助成金を18年度は50%減額している。

 だが、思い切ったメスを入れることもなく、これまで「中島支配」を許しており、「1400名所在不明」が大きく報じられた3月26日、ようやく文科省は東京入国管理局と連携して、王子キャンパスなどに実地調査に入った。

 カネとポストで「裏支配」を継続するために留学生を食い物にしてきた中島元理事長はもちろん、御身大事と同氏をのさばらせてきた理事長や学長、顧問といった経営陣、黙認してきた文科省などの責任も合わせて問うべきだろう。【寅】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年4月11日配信「4度目の再逮捕!――ルノー・日産アライアンスから切られたレバシリ商人・ゴーン被告の無残」

 
ゴーン前日産会長
(☚wikipedia)

 

 ブラジルで生まれ、レバノンで育ち、高等教育を受けたのはフランス――3つの国籍を持つカルロス・ゴーン被告は、コスモポリタンでありグローバル経済人だが、その逞しい商魂は、「レバシリ商人のもの」(商社幹部)と指摘されている。

 「レバシリ」とは、かつて大シリアとして同じ国家だったレバノンとシリアのこと。DNAにビジネスマインドが刷り込まれたタフネゴシエーターを輩出、ゴーン被告はその代表のような存在である。

 フランスでエリートを養成するグランゼコールのパリ国立高等鉱業学校を卒業、ミシュラン、ルノーとフランスの大手企業でキャリアを重ねてきたが、商魂はレバシリであり、そこはゴーン被告の後を受け継いでルノー会長となった貴族出身のドミニク・スナール氏とは違う。

 在仏ジャーナリストによれば、「ルノーは早い段階でゴーン切り」を決めていたという。

  「日産は、ゴーン逮捕の直後にゴーンを解任。それに対してルノーは、今年1月24日、ようやく会長退任に追い込みました。『推定無罪の原則を貫いた』といった報道があるけど、それは違う。ゴーンの反撃を恐れ、時間をかけて準備していただけです」(同)

 市場主義への反発を心に秘める純粋なフランス人にとって、ゴーン被告はやはり「ブラジル生まれのレバノン人」なでのであり、「同化」は認めていない。

 ゴーン被告は、東京地検特捜部と「日産」が合体した“国策捜査”により、4月4日、「オマーンルート」で再逮捕された。

 日産代理店経営者のスへイル・バウワン氏からカネを借り、その謝礼に約1500万ドル(約17億円・当時以下同)を報奨金名目で渡し、そのなかから約500万ドル(約5億6000万円)を自分の実質口座にバックさせたというもの。

 一旦保釈した人間を再逮捕するのは異例だが、もうひとつの特別背任の「サウジアラビアルート」が、やはり日産代理店経営者のハリド・ジュハリ氏に、個人的投資損失の信用保証をしてもらった見返りに、報奨金名目で約1470万ドル(約13億円)を渡したという容疑だったが、ゴーン被告が直接の利益を得ていないという“弱さ”があった。

 それを補完するためには「オマーンルート」は欠かせなかったが、「最悪でも在宅起訴」と踏んでいたゴーン被告と弁護団は苛立った。

 ゴーン被告も、前日の仏メディアのインタビューで、「私は自身の権利を守らなければならない」として、仏政府への救済を訴えた。

 だが、仏政府も政府が大株主の「ルノー」も冷淡。ルメール経済・財務相は「推定無罪が原則で、外交上の保護を受ける」といいながらも「ルノーの過去に何があったか。透明性が求められる」とし、「ルノー」は、同じ「オマーンルート」に疑惑を抱き、ゴーン被告はバウワン氏のルノー代理店に数億円を不正支出させた疑いがあるとして、仏検察当局に通報している。

 ルノー・日産アライアンスは、完全にゴーン被告を切った。

 両社の取締役も外れ、ゴーン被告の公判での肩書は、「無職の元経営者」となる。

 日仏の検察当局が、合同で捜査するわけではないが、「ゴーンの罪を暴く」という意味では共通の目標を持っており、捜査協力体制が敷かれよう。

 繰り返すが、「ゴーン逮捕」は、「日産」を「ルノー」に渡したくない日産役員と官邸=経産省の思惑に乗った地検特捜部による国策捜査だった。

 これに対して「雇用のために日産を傘下に置く」という方針だったマクロン政権が反発、反撃姿勢を取ったことで、ゴーン被告を守るかと思いきや、そうすることなくあっさりと見捨てた。

 そこには、「黄色いベスト運動」など二極化のなかで急落する支持率を高めるために、ゴーン被告のような強欲な経営者は排除、対立より協調を重視して、アライアンス効果を高めたいという思惑があった。

 フランスに完全に同化していないことを意識するゴーン被告は、逮捕容疑の年間報酬の過少申告も、報奨金名目の支払いも、弁護士に確認させ、役員会などを通し、合法であることに気を配ったハズである。

 冒頭の商社幹部氏によれば、世界のビジネス界の3大タフネゴシエーターは、ユダヤに華僑にレバシリだという。

 タフではあるが、国の庇護をあまり受けないために、「カネと法」に強いこだわりを持っており、法は犯さない。

 そのカベを特捜部は、「日産」との司法取引で乗り越え、今、フランスとの捜査共助のなかで容疑を固めようとしている。

 世界の自動車産業にその名を轟かせたゴーン被告は、無残にも日仏両国の一致した思惑の前で逮捕され、また3カ国の国籍を持つがゆえに、「最終的には誰も本気で助けない⁉」という“悲哀”を味合わされている。【午】

 

 

 

 

 

 

 


2019年4月2日配信「大物官僚OBを役員に迎えながら募集の大半が虚偽で金融登録を取り消された『エーアイトラスト』の暗闇部分」<事件>


 (☚エーアイトラスト社HP)

 

 「公共工事には、大物官僚OBの力でいくらでも食い込むことができる」――
そう思わせたいのが露骨にわかる役員構成だったのが、ソーシャルレンディング(SL)業界で初の金融商品取引業の取消処分を受けた「エーアイトラスト」(東京都港区)である。

 

 財務省、防衛省、国交省などのOBが、6人も取締役、監査役に就いており、ホームページの役員紹介には出身官庁を掲載、紹介文には、「公的機関との協調融資など、より安全性の高い商品の開発に努めております」と、「官僚OBの力」が朗々と記されていた。

 

 だが、二度の行政処分を受けたうえ、3月8日、金融登録を取り消されてしまったのを機に、「看板」となっていたOB達は、蜘蛛の子を散らすように遁走。現在の役員欄には、松本卓也代表の名が、ポツンとひとり残されている。

 

 それにしても、関東財務局が記載した「行政処分理由」には、「虚偽」「不正」といった言葉が満載。厳しい処分を受けるのも当然、といった内容だった。

 

 一つ目は、「ファンドの取得勧誘に関し、虚偽の表示をする行為」である。

 

 投資家から15億7000万円の出資を受けたファンドは、「本借入人A」が、元受け会社を経由して、「新東名高速道路高取山トンネル西工事」などを受注したとしていたが、「本借入人Aが発注を受けたような事実はない」という。

 

 二つ目は、「ファンドの勧誘に関して誤解を生ぜしめるべき表示」をしたことである。

 

 燃料卸売事業者ローンファンドと称し、投資家から6億2000万円の出資を受けているが、「30億円をボトムラインとして継続成長が計画されている売上規模」という部分が、「これらは何ら根拠のないもの」と、断定している。

 

 三つめは、「ファンド資金が流出している状況」である。

 

 貸付金が、資金使途通りに使用されているかどうかの確認を行っていなかったため、募集総額52億円のうち、少なくとも15億8000万円が、「各ファンドの案件紹介等に中心的な役割を果たしていた山本幸雄取締役(既に退任)が、実質的に支配する法人に流出していた」という。

 

 これでも簡略化しており、「処分理由」にはもっと呆れた運用実態が記されており、いかに登録取消が厳しいものとはいえ、しょせんは行政処分。虚偽は騙しであり、「エーアイトラスト」は自社SLの「トラストファンディング」を通じ、投資家を騙して資金を集めていた以上、刑事責任を問われて然るべきだろう。

 

 だが、「エーアイトラスト」は、告訴・告発の先手を打つように、損害賠償請求訴訟を起こし、「責任は借入先にある」と主張。明確にしたのは、「投資家に対して行った募集が虚偽だったのは、借入人から虚偽の報告を受けていたからだ」という立場である。

 

 例えば、「処分理由」で説明された「本借入人A」は、元請会社と共謀のうえ、「架空発注を基に、当社を工事現場に案内したり、工事請負書や債権譲渡承諾書等に、それぞれ判を押すなどして該当ファンド等から貸付金を詐取しております」という。

 

 つまり、書類を偽造して受注を装い、「エーアイトラスト」を騙していたというのである。

 

 騙したのは、元請けか、借入人か、ファンドを組成した「エーアイトラスト」か?――争っているのは民事だが、かくも責任逃れするようでは、刑事司法の手を入れて解明するしかあるまい。

 

 その際、キーマンというべきは、業績不振の上場企業に取りつき、「資本のハイエナ」、「増資マフィア」の一員と目される山本幸雄氏である。

 

 各界に人脈がある山本氏が描いたシナリオだとすれば、「処分理由」で説明された高速道路などの公共工事だけでなく、「エーアイトラスト」が辺野古基地建設など沖縄にも手を出し、沖縄に支店を開設した理由もわかる。

 

 山本氏に流れた16億円近い法外なカネの行方も含め、「エーアイトラスト」のSL事業の徹底解明が必要であろう。【戌】

 

 

 

 

 

 

 


2019年3月30日配信<0510archives>「突然の海外逃亡で仮想通貨『GACKTコイン』の事件化は必至⁉」<事件>

 
内助の功が裏目?

 

 仮想通貨SPINDLE(スピンドル)の企画会社「BLACK STAR&CO」が英国に拠点を移すことになった。

 「GACKTコイン」の名で知られ、今年1月のプレセールなどで100億円ともいわれる資金を集めただけに、窓口の移転は投資家たちの目には「海外逃亡」と映るのは無理もなく、その実態に関心を寄せる金融庁、国税庁、警察など関係当局とともに、「このまま黙って逃がさない」という声が広がっている。

 円やドルといった法定通貨に頼らない仮想通貨の世界では、ブロックチェーンを使って事業を起こそうとする業者は、提供するシステムのなかで通用するトークンと呼ばれる仮想通貨の引換証を発行、それを投資家に購入してもらって開発資金を調達する。

 スピンドルは、仮想通貨ヘッジファンドに投資するプラットフォームを構築、そこへの投資によってトークン購入者が、より豊かになる経済圏を目指している。

 そうした構想は、スピンドルの事業計画書であるホワイトペーパー(WP)に書かれているのだが、仮想通貨やブロックチェーンの基礎知識がなければ、読み解くのは容易ではない。

 そこを解消するのが、歌手にして俳優で格付けランキングの上位に位置するGACKT。大城ガクトという本名でスピンドルプロジェクトに参加、自らのブログやセミナーで仮想通貨がもたらすトークンエコノミーの世界を喧伝、そこにおけるスピンドルの優位性を語ってスピンドル人気を高めた。

 プロジェクトが立ち上がってプライベートプレセールスが始まったのが昨年10月。ホワイトペーパーの発表が12月末で、プレセールの終了が今年1月末と、ICO(トークンを発行しての資金調達でイニシャル・コイン・オファリングの略)環境は絶好だった。

 仮想通貨の人気が沸騰、指標通貨のビットコインで200万円、イーサリアムで15万円を突破、年初からの高騰率は20倍にも達し、「億り人」と呼ばれる投資に成功した億万長者が続出していた。

 スピンドルは、プロジェクトを立ち上げた「BLACK STAR&CO」の宇田修一前社長に金融商品取引法上の問題があるとして行政処分を受けた過去があるなどマイナス情報も流されたが、仮想通貨の熱狂はそれを押し返し、プレセール終了の段階で100億円近い資金(実際は法定通貨の円ではなく、ビットコインとイーサリアムで集められた)を調達している。
 
 だが、1月26日に発覚の約580億円が流出したコインチェック事件は、投資家に冷水を浴びせ、ビットコインを始め、軒並み3分の1程度にまで暴落。その後も低迷を続けており、露わになった仮想通貨交換業者の大甘管理は、金融庁の反省を促して、業界を厳しく取り締まる方針に切り替えた。

 仮想通貨バブルの真っ最中のICOだったスピンドル人気もガタ落ち、5月に海外5カ所で上場したが、一時的に1SPD(スピンドルの通貨単位)=20円近くの値はつけたものの、その後、暴落。今や1SPD=1円前後。プレセール時の価格が30円前後だったので、投資家は大きな損失を抱えている。

 そんな怒りが投資家の間に渦巻いている時に、GACKTと親しい野田聖子総務相の事務所が、金融庁の役人を呼びつけ、「BLACK STAR&CO」の幹部を同席させたうえで圧力をかけていた事実が判明。野田総務相の夫・文信氏に、スピンドル販売疑惑があると「週刊文春」などが報じ、スキャンダルにまみれた。
 
 圧力を受けた金融庁は硬化。逆に、仮想通貨交換業の登録なしにスピンドルを売却していたことを問題視、集団的投資スキームの疑いもあるとして調査を進めている。

 国税庁は販売報酬を含めたスピンドル売却の際の納税に関心を寄せており、警察は代理店を使った販売先に反社会的勢力がいなかったどうかを調査中である。

 そして投資家は暴落に怒り、関係官庁は「うまく行き過ぎたICOに違法性がないか」をチェックしているそんな折も折、投資家の利便性を考えず、日本オフィスを閉鎖し、本社を海外に移すのは敵前逃亡に等しい。

 しかも、8月9日にニュースリリースし、お盆の最中の15日には移転するという“逃げ足”の早さには呆れるしかない。

 この海外移転が、濡れ手に粟の100億円を仲間内で分け合うつもりの“準備”なら許されないのは言うまでもなかろう。【午】

 

 

 

 

 

 


2019年3月26日配信「日大利権OBグループ会社が断末魔に利用した40億円偽造為替手形の使い道」<事件>


甘い話にはご用心なのだが
(☚wikipedia)

 

 昨年末、2枚の偽造為替手形のコピーが市中に出回り、騒動となった。
 
 1枚は額面が40億円。振出日が平成30年7月25日で支払期日が31年1月25日。振出人は東京・板橋に本社を置く「エヌ・エス・ティー」で、引受人は東京・中野の西武信用金庫である。
 
 もう1枚は、額面が11億円。振出人、引受人とも同じだが、振出日は平成30年7月31日で支払期日が31年1月31日である。
 
 こんな巨額の為替手形が流通するわけはなく、問い合わせに対し、西武信金は「(エヌ・エス・ティーとの)取引関係はなく、為替手形に押印、記名したような事実はない」と回答。つまり偽造為替手形である。
 
 「エヌ・エス・ティー」の前代表取締役は、過去に倒産歴のある安藤季賢氏。日大問題が騒がしかった昨年春、「日大利権人脈のひとり」として報じられたことがあり、『週刊文春』(18年6月14日号)は、「日大病院建設の裏ガネ工作を行なった人物」として紹介した。
 
 その安藤氏の傘下企業には「エヌ・エス・ティー」の他、同住所に本拠を置く「NU校友会蝓廚ある。
 「NU」とはNIPPON UNIVERSITYの略で安藤氏は、日大生産工学部OBで田中英寿・日大理事長の右腕といわれる石井進常務理事と昵懇だが、日大の役職についているわけではなく、「NU校友会」は石井−安藤ラインの利権会社だった。
 
 その「NU校友会」は、日大アメフト部の危険タックルに端を発した日大問題が噴出している最中の6月20日、関連3社とともに、負債総額7億7000万円で破産した。
 
 3社は、「MFCジャパン」、「スペースパワーホールディングスジャパン」、「一般社団法人都市未来研究所」である。
 
 安藤氏のグループ企業が、断末魔の状況で、手形を降り出したのが破産を免れた「エヌ・エス・ティー」なのだろう。
 
 今後、手形偽造での事件化は避けられないのだが、その利用の一端が、警視庁捜査2課に提出された告訴・告発状で明らかになった。
 
 ただ、訴状は手形詐欺事件ではなく、「アジアコインオークション」を経営する石川雄太氏が、リクルート株購入のために投じた50億円を詐取された、という詐欺事件として告訴・告発がなされている。
 
 事件は複雑な過程を経ており、その分、被告の数も多く8名に達する。
 
 被告8名が組んで石川氏を騙したというより、3段階で詐取した印象が強く、まず、50億円をリクルート株に変える段階で2億円が保証料として詐取され、次に、その購入がうまくいかなかったとして一度は50億円が返却されるものの、50億円を運用して55億円にするという名目でコンサルタント料の1億円が引かれた。
 
 その運用先が「エヌ・エス・ティー」で、同社は、6月15日、見せガネのような形で石川氏の口座に、まず11億4230万円を振り込み、そのうえで次のような説明が石川氏に対してなされたという。
 
「『エヌ・エス・ティー』の実質的経営者は、被告訴人兼被告発人の安藤季賢(以下安藤)であること。安藤が50億円を管理しているため、『エヌ・エス・ティー』が振込名義人となっていること。55億円から上記送金額を控除した残額については、Y(本文実名)名義で、石川が代表を務める『EVONE GOLD』の銀行口座に3500万ドルを振込送金したとのことだった」(訴状)
 
 しかし、実際には送金されず、その代わりに7月25日、石川氏に差し入れられたのが、額面40億円の偽造為替手形だった。
 
 この50億円のそもそもの出し手が、旅行大手「HIS」とテーマパーク「ハウステンボス」澤田秀雄会長であることから、事件は大きく展開するのは必至。日大問題は不起訴で終結したが、リクルート株詐取事件が、解明されなかった日大利権人脈に伸びそうだ。【卯】

 

 

 

 

 

 

 


2019年3月19日配信「嗚呼、父子鷹!――いよいよ退任が避けられなくなった竹田JOC会長と息子のタニマチ依存体質」<事件>

 
棄権寸前?(Wikipedia)

 

 旧皇族の据わりの良さで日本オリンピック委員会(JOC)会長を10期18年も続けている竹田恒和氏に責任論が急浮上、6月の改選を待たずに退任しそうだ。

 実際、竹田氏は追い詰められている。

 2020年東京五輪招致の際、仏司法当局がパパ・マッサタ・ディアク氏の「隠し口座」と認定しているシンガポールの「ブラック・タイディングス社」の銀行口座に、日本の五輪招致委員会(招致決定後に解散)が180万ユーロ(約2億2000万円)を振り込んだ疑惑は、2年前に発覚している。

 だが、その後の仏司法当局の捜査で、事件はリュインベック予審判事の手で訴追手続きに入ることになり、竹田氏は昨年12月、事情聴取を受けた。

 同氏はこれを「捜査協力」といったニュアンスで説明したが、実際は、身柄を拘束されなかっただけで、容疑者となったのと同じである。

 この状態となれば、9割以上の確率で起訴される。

 従って、仏では予審判事の手に移れば閣僚など政府の重要ポストに就いていれば退任するのが一般的だ。

 しかも、追撃するように、シンガポールに口座を持つイアン・タン・トンタン氏が、「自分の口座は、実際はパパ・マッサタのもの」と、証言を変え、1月16日、偽証罪で有罪判決を受けた。

 パパ・マッサタ氏の父は、収賄座で仏に勾留されているラミン・ディアク氏。五輪招致委が、五輪で汚れたカネを票に替えるディアク父子の「隠し口座」に振り込んだことが、間接的に証明された。

 竹田氏の弁明は、「私は知らなかった」というもの。しかし、「知ろうとしなかった」というのが実態で、一連の招致活動を裏で仕切っていたのが「電通」で、さらに「電通」の“司令塔”が高橋治之元専務だという構図を考えれば、退任が秒読みに入ったと考えていい。

 仏司法当局やそこへの取材を進める英米のメディア、それにリュインベック予審判事から捜査共助を要請された東京地検特捜部が、関係者の事情聴取を始めるのは必至で、日本のメディアも追撃する。

 そうした攻勢に竹田氏が耐えられるはずもなく、「東京五輪に悪影響を与えたくない」という名目で、退任することになろう。

 それに、竹田JOC会長に居続けさせるほどの功績はない。

 01年、任期途中で前会長の八木祐四郎氏が急逝。後を受けて副会長の竹田氏が就任するが、それは2人のタニマチの意向だった。

 ひとりはJOC元会長で、戦後、困窮した竹田宮家を救うように品川の広大な敷地を購入、そこにプリンスホテルを建設した堤義明氏である。

 もうひとりは、竹田氏の兄と慶応幼稚舎の同級生で子供のころから竹田氏を知っていたという高橋氏。無給の名誉職だったJOC会長の給与を1500万円にしたのは、竹田氏の苦境を知っていたからだ。

 その苦境は、竹田氏の妻の実家が、不動産投資の失敗で破産状態になったことに起因している。

 小平市で「松見病院」を経営する義母の松見イク氏は種々の投資好きで知られ、それが嵩じてバブル崩壊により、病院を残してすべて失った。

 竹田氏がカネのかかる馬術に打ち込み、2度のオリンピックに出場、引退後もスポーツ界に関与できたのは、「松見家」の資力だった。

 だが、バブル崩壊で麻布の豪邸売却を余儀なくされると、代表を務める旅行代理店のエルティ―ケーライゼ・ビューロージャパンの経営も思わしくなく、JOC会長職で一息ついたのが実態だった。

 竹田氏だけではない。

 皇室評論家としてメディアに露出する機会の多い竹田恒泰氏は、今回の裏ガネ騒動の際、「周りによって来る人から距離を取るように教えてくれた父が、裏ガネに手を染めるわけがない」と、弁明しフォローしていたが、恒泰氏自身が危ないタニマチに支えられた人である。

 2年前、教育訓練をした企業に与えられる「中小企業緊急安定助成金」を詐取したとして、太陽光発電システムの「日本スマートハウジング」前山亜杜武代表が逮捕されたが、この前山氏が竹田氏とともに「日本を研究し、青少年を育成する」ことを目的とした「竹田研究会」のパートナーだった。

 また、恒泰氏は、06年、『語られなかった皇族たちの真実』を上梓、山本七平賞を受賞して文壇デビューを果たすが、そのころ事務所を置いていたのは、今井洋氏が代表を務める芝・大門の「ナスカジャパン」で、同社の役員にも就いていた。

 今井氏は、不動産業界では名の知れたブローカーで暴力団幹部とともに、真珠宮ビルの物件売却に絡んで逮捕されたこともある。

 親子揃ってタニマチ依存体質。――その正体が判明、五輪の役に立たないばかりは、むしろ悪影響を及ぼすのであれば、恒和氏にはJOC会長の職を辞し、恒泰氏には「竹田家の威光」を利用した言論活動を自粛してもらうしかない。【午】(2019・2/26)

 

 

 

 

 

 



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