2020年2月8日配信<0510archives>「次の検事総長人事で法務・検察は、官邸の軛から脱することができるのか」<事件>


(☚wikipedia)


  「安倍一強」と言われる政治状況が、内閣人事局を通じた官邸の「霞ヶ関支配」によって成り立っていることは明らかである。
 
 華のない地味な菅義偉官房長官が、いつの間にか「ポスト安倍」の筆頭に躍り出たのは、各省庁のあげてきた人事案を細かくチェック、意に沿わない官僚の人事を認めなかったからで、官邸のトップが霞ヶ関を支配する構図となった。
 
 「法務・検察」も例外ではない。
 
 省庁としての法務省は特別機関として検察庁を従えているが、支配するのは検察庁であり、トップの検事総長が法務・検察をまとめ、法務省の事務次官は、序列としては検事総長、東京高検検事長に次ぐ3番目だ。
 
 この法務事務次官を巡って、官邸は強権を発動。検察庁は、エースの林真琴・刑事局長を、検事総長コースに乗せるべく、何度も法務事務次官に就けようとしたが、官邸が拒否を続け、結局、18年1月、名古屋高検検事長となった。
 
 官邸が拒否したのは、抜群の調整能力を持つ黒川弘務・東京高検検事長を、その能力を買った菅官房長官が“側”に置いておきたかったからだ。
 
 なにしろ2人の関係は深い。
 
 黒川氏は、11年8月、法務省官房長に就任。このポストは与野党や関係省庁へのロビーイングを行なうポストだが、12年12月、官房長官に就いた菅氏は、異動の時期が来ても手放さず、都合、黒川氏の官房長は5年に及んだ。
 
 しかも、官房長の次は法務事務次官。16年9月から19年1月までの約2年半務め、ナンバー2の東京高検検事長に昇進した。黒川氏の政権との関係の深さは、10年に発覚した大阪地検事件で深く傷ついた検察にとっても都合が良かった。
 
 証拠の改ざんが判明、特捜部長以下が逮捕・起訴された大阪地検事件は、「特捜改革」を余儀なくされ、捜査手法が見直され、自白の強要を防ぐために、可視化(録音録画)が導入された。
 
 その分、弱体化する捜査能力をカバーするために、司法取引を含む刑事訴訟法の改正が急がれ、根回しのうえ、その実現に尽力したのが黒川氏だった。
 
 その代償は、政界に手を出さない検察となることだった。
 
 個々の事件に口を挟んだとはいわないが、政界ルートがある場合は、菅官邸への事前相談(通告ではない)が“慣例”となった。
 
 ただでさえ難しい政界捜査が、与党・政権側に漏れるのだから、着手できるわけがない。
 
 その好例が、「口利きを依頼してカネを渡した」と、贈賄側が告白しているのに、政治家も窓口の秘書もすべて不起訴になった甘利明事件だろう。
 
 検察は、「国会議員としての影響力の行使の立証が難しい」と、説明していたが、言い訳に過ぎなかった。
 
 一体、官邸に従属する関係をいつまで続けるのか。
 
 この先も地検特捜部は、永田町の政治家に手を出せないのではないのか。
 
 そんな批判と不満が渦巻くなか、注目すべきは黒川東京高検検事長の処遇である。
 
 高検検事長の定年は63歳で、黒川氏は2030年2月に誕生日を迎えると、検察を去ることになっている。
 
 仮にそれまでに稲田伸夫・検事総長が勇退すれば、総長定年は65歳なので、ナンバー2の黒川氏がそのまま検事総長に就任する。
 
 官邸にすれば、気心の知れた黒川検事総長のもと、「永田町」と「霞ヶ関」の双方に、睨みを効かせる体制の方が望ましい。
 
 だが、本来の距離感を保ちたい法務・検察は、黒川氏には勇退してもらい、エースの林氏を東京に戻したいのはヤマヤマ。林氏の年齢は黒川氏の2つ下なので、稲田検事総長との交代にも無理がない。
 
 捜査検察の期待を担って、森本宏・東京地検特捜部長はカリスマ経営者のカルロス・ゴーン元日産会長を刑事被告人にしたが、次に期待されているのは、中央政界に切り込むことである。
 
 検察は、その障害となっている「黒川のカベ」を、官邸の意向に沿って、このまま認めるのか。それとも国民の負託に応えて、検察復活の“狼煙”をあげるのか。――事態を見極める時期が迫っている。【亥】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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