「世の中で一番ばかばかしい買い物、民事裁判」<寄稿・連載11>



 <前号よりの続き>

6 提出された証拠類も審査せず、証人申請しても理由もなく却下する裁判官

 私の弁護士先生が地方裁判所に出した証拠類は添付書類を除き23.大阪高裁に提出した証拠類は21だった。
 相手側の中国塗料が提出したものは、地裁、高裁ともそれぞれ3。後は知らぬ存ぜず、そんなものはない、というものだった。

 地裁の渡邊 壮裁判官は、「以上の通り認められ、証拠(原告本人、被告代表者=藤原三彦)中、右の認定に反する部分は、その余の前掲各証拠に対比してたやすく採用することができず、他に右の認定を動かすに足りる証拠はない」と業務委託を認めた加藤元社長の本人調書ほかの重要証拠類を証拠として採用せず、業務(システム開発)にまったく関係なかった藤原前社長の「ウソだらけの本人尋問調書」を「正しい」とした判決を下した。

 高裁では、業務委託を社長に確認してもらった技術担当取締役と営業担当取締役らを証人申請したが、認められなかった。
 こんな裁判ですべてを失い、貧乏の底に落とされた。
 民事裁判で不当判決を受けた沢山の人が、裁判官が証拠類を読んでいない、また証人を認めてくれなかった、という不満を漏らす。

7 ウソを言っても咎めようとしない裁判官

「裁判官は、宣誓の趣旨を告げ、本人がウソを言った場合の制裁を注意し、別紙宣誓書を読み上げさせてその誓いをさせた」という、本人尋問が始まる前のこの宣誓行事は何のためにあるものか、とつくづく考えてしまう。
 裁判官は何のため、宣誓させるのか。
「ウソ(偽証)だから処分して下さい」と証拠を揃え、訴えても何もしない。

 そのうえ民訴法第338条第1項7号「宣誓した当事者の虚偽の陳述が判決の証拠となったこと」を理由に再審請求を行ったら、「宣誓した2人は処罰されていないから」と棄却した。

 彼らのウソを許せず、裁判後、偽証罪で告発もした。
 裁判官にウソを言っているから処罰するよう訴えても処罰せず、よくもまあ、こんな棄却理由を書けるものだ、と今も思い続ける。

 裁判官たるもの、まずウソを見逃さず、裁判を行うことは裁判の原点だろう。だから、ウソを言ったら処罰します、と宣誓させるのだろう。
 法廷でウソの言い放題で、誰でもわかるウソを正しいとした判決を書いては、民事裁判の信頼が得られるはずがない。
 民事裁判官たちに「ウソを言ったら処罰する」と宣誓させた以上は、その通り実行しろ、実行できないなら宣誓させるな!と叫びたい。

 東京の裁判所で私の本を買ってくれた弁護士の先生が、「ヤスさん、過去民事裁判でウソを言って処罰された人間はいない。法廷では裁判官は、みんなウソを言っていると思っているのだから、処罰するという気は一切ない」と言った。
 私の路上法廷でいろいろな弁護士の先生に聞いてみたが、どうもこれが本当のようだ。

8 判決は自分を評価するところを見て下す

 先に書いた通り、裁判官の会合での席次順が、「給与の号報順」ということは、裁判官世界では当り前なのだろうが、社会常識ではとうてい考えられない。

 司法研修所を優秀な成績で出て、念願の裁判官になった人間が、出世競争のため一件でも人より多くの事件を解決するため奔走し、覚えめでたき“お小姓組”に取り立てられるよう日夜励んでいる裁判官たちが下す判決が、証拠や証人から導き出されるものではなく、自分を評価するところから出るのは、当然だろう。
 憲法76条第3項が定める「何ものにも束縛されず、良心に従って判決を下す」などという裁判官の良心は存在しない。【原 敏恭】(次号に続く)

「世の中で一番ばかばかしい買い物、民事裁判」<寄稿・連載10>



 <前号よりの続き>

4 裁判官は強いもの、大きいものが正しいと判決する。

5 個人や強い物の味方の裁判官は少ない。

  私の相手中国塗料の筆頭株主は三菱商事。三菱商事は中国塗料に役員を1〜2名出している。
 その他、主要株主は三菱東京UFJ銀行、明治安田生命、東京海上日動など三菱グループである。これら三菱グループの顧問弁護士たちは、裁判官の天下りと言われている。

 今、日本のいたるところで、権力を持った者が、「自分たちがやることが正義だ」とやりたい放題だ。これに裁判官まで加わってしまったようだ。
「日本のあちこちが、ほころんでいる。裁判官についても、何人かが私に「裁判官も人間だから仕方ないのでしょう」と言った。
「冗談ではない」…裁判官も人間だからで済まされる問題か!

 今、日本には重いもの、軽いものの判断が出来ない人間が増え、わかったようなことを言う。「日本の裁判官だから仕方ないでしょう」と言ってくれれば、分かるような気もする。
 しかし、癒着構造に裁判官が加わった日本をそのままにして良いのだろうか。

 平成15年6月、東京の裁判所でよく見かけるが、いつも悪意に満ちた目で私を睨み、チラシも受け取らない、本も買ってくれない弁護士が、何を思ったか、私に近づき言った。
「あんた、なぜ裁判に負けたか分かるかね。カネを使わなかったから負けたんだ。民事裁判はカネを使わない方が負ける」と。
「冗談ではない。私は3人の超一流の弁護士、9回も連載された日本経済新聞の記事など、贅沢過ぎる裁判ですよ。それって裁判官にもカネを使えっていうことですか」
「そうだ」
「先生、そんなことを言うときはバッヂを外すか、裏返しにして言うものですよ」
「あっ、裏返しにしてなかったか」と足早に立ち去った。

 この弁護士も貧乏人のくせに路上で偉そうなことを言っている奴に何か言ってやろうと思っていたのだろうが(いつもバッヂを裏返しにしていたが)、運悪く当日は裏返しにしてなかった。
 ここまで正直にこんなことを平気で言う弁護士が出る時代になったのだろうか。

 昔に比べ、立場上そんなことを言ってはならないだろうという人たちが、正義面して平気で非常識なことを言ったり、書いたりする。小泉首相の「選挙公約発言」も然りだ。

 大阪の裁判所で、平成14年5月、ある若者がパネル板を熱心に読んでいたので、「面白いだろう、今の民事裁判を変えるためにやっているんだ」と言ったら、「自分のオヤジは裁判官だ」という。
「立派なお父さんを持って誇りだろう」と言うと、「あんなオヤジ、世界で一番軽蔑する最低の男だ。年に数回、東南アジアに弁護士と売春ツアーにでかける。判決は平気で弁護士に書かせる」と言った。
「オヤジさんの名前教えてよ」、「いや、それはできない。おじさん、がんばってください」と足早に去って行った。

 本当か、どうかは定かでないが、「裁判官が弁護士に判決文を書かす」という話や、「判決の下書きをする」と言った弁護士さんもいる。「フロッピーを出すように」と言った裁判官もいますよ、という話も聞いた。
 処理した事件数だけが勤務評定、昇給基準であれば、そして勝訴させる側の弁護士と昵懇であれば、一石二鳥というものだろう。

 私のパネル板を読んで、どれだけ多くの人が、個人や弱い者の味方の裁判官は「少ないのではない」、「いないと直せ」と言ったか。
 民事裁判で惨めな判決を受けた者は、この思いを心に抱いて生活している」ということを裁判官は認識しなければならない。【原 敏恭】(次号に続く)

「世の中で一番ばかばかしい買い物、民事裁判」<寄稿・連載9>



 <前号よりの続き>

 以下、民事裁判の欠陥について詳述する。
(1) 判決は、裁判官次第で変わる

(2)民事裁判では、勝てる方程式は無いに等しい
 これは先に述べたように、私の本を買ってくれた広島の弁護士が私に云った言葉だ
 が、椎名麻紗枝弁護士も『100万人を破滅させた大銀行の犯罪』で次のように書いている。
 【同じ裁判官が自己矛盾するおかしな判決】
 類似の事件でも解決(判決を含め)内容が裁判官次第で変わり、統一がないというものだ。
 甚だしいのは、「ほとんど類似する事件であるにもあるにもかかわらず、同一の裁判所がわずか1ヶ月の間に、一方では請求を棄却し、別件では、生保に対して、被害者に勝訴の判決を言い渡している。江見弘武裁判長が98年に出した二つの判決だ」

 一人の裁判官が類似事件で1ヶ月の間に、まったく異なった判決を出し、恥としないのだから、裁判官が異なれば、なおさらだろう。
 この江見裁判官は、御小姓(出世)組裁判官(現高松高裁長官)として健在である。

 私の裁判で、地裁裁判官(渡邊 壮)は、相手側の当事者(会社社長)も原告主張の業務委託を認めていても、判決に、本人尋問調書は証拠として認められない、と堂々と書いた。
 こんな判決を、高裁も、最高裁も正しいとした。
 判決に「○○○中、右の認定に反する部分は、たやすく採用することができず、他に右の認定を動かすに足る証拠はない」と書いておけば、どんな証拠でも採用しないで済む。

 これを裁判官心証主義といい、憲法が裁判官に与えている特権というがほどがあろう。
 こんな権限を裁判官たちが自由自在に悪用し、判決を下しているのが今の民事裁判だ。
 こんな杜撰、無責任な民事裁判でどれだけ多くの人が、財産、食を失い、過程を壊され、なかには生命まで捨てているのかと思うと“許せない”という思いが噴き出してくる。

(2) 良い裁判官、悪い裁判官に当たるも運次第
 裁判官は偏りのない公正な裁判を行うため、職権の独立、身分を憲法で保証され、正しいことを正しいと判決するものだ、と我々は信じ込まされている。
 しかし、これがとんでもないウソだということは、民事裁判を経験した者だけが知る。
 国民は民事裁判と無縁だから、裁判や裁判官を非難する方が間違っていると思っている。

 東京の裁判所で私の本を買ってくれた弁護士の先生が、パネル板の『民事裁判の欠陥』を読み、「あなたは良い裁判官はどれくらいいると思うか?」と聞いた。
「10人に1人ぐらいは正しいことを正しいと判決する裁判官がいるのでは」と答えたら、「100人にひとりもいない。まして、出世組裁判官ばかりの東京の裁判所には、そんな裁判官はいない。そんな裁判官は石垣島か、網走のような僻地に飛ばされているよ」と言った。

 ハンセン病の判決で国の責任を認めた判決を出した熊本の裁判官が、判決後、簡易裁判所に左遷された。
 この裁判官は左遷を覚悟し、国民のため判決を出したそうだ。
 気骨ある裁判官は地方に飛ばされ、中央には出世組の裁判官だけ、と本にも書いてある。

 また、ある若い弁護士が、「同期の司法研修所の裁判官も転勤が怖くて、自分の判断で判決は書けない」と、いつも言っている、と私に話してくれた。
 良い裁判官に当たるのは、宝くじに当たるようなものというのでは、国民として情ない。【原 敏恭】(次号に続く)

─崟い涼罎念貳屬个ばかしい買い物、民事裁判」<寄稿・連載8>



 <前号よりの続き>

 国民から金を取り立て、不良品を撒き散らしているのが、日本の民事裁判官たちだ。
 
 <欠陥民事裁判の現状>
“酬茲郎枷輯閏‖茲琶僂錣
¬瓜裁判では勝てる方程式は無いに等しい
N匹ず枷輯院悪い裁判官に当たるも運次第
ず枷輯韻篭い者、大きい者が正しいと判決する
ジ朕佑篌紊ぜ圓量Jの裁判官は少ない
δ鷭个気譴疹攀鮟駑爐眇該困擦此⊂攷与柔舛睛由もなく却下する
ДΕ修鮓世辰討瞎襪瓩茲Δ箸靴覆
判決は自分を評価するところを見て下す
判決に対し無責任、気楽だ
弱い個人には民事裁判は一審制。控訴、上告、再審があるち思うな。書いてあるだけのお題目
裁判官仲間主義
2年で3人も変った裁判官(転勤という弊害)
事件の引き継ぎもなく、常にゼロから始める後任裁判官
裁判官の天下り先は大銀行や生保など大会社
最高裁への上告、特別抗告などは書いてあるだけのお題目
案本の民事裁判官は、適当な和解案で和解させる仕切り、談合屋
叡鳥匯扱残錙一卵性三つ子の裁判村では、本人訴訟で勝つのは難しい
欧気蕕吠鬚譴詭瓜裁判の話

私は,ら韻泙任鬟僖優詒弔謀修蝓∩覆┐討い襦また、チラシでも。
ほとんどの人が弁護士先生も含め、「この通り、今の民事裁判はますます悪くなっている。どうしようもないという。

裁判官に、一部の弁護士、検事までが加わった「団子三兄弟」、「一卵性三つ子」たち裁判村の住民たちが、せっせと杜撰、無責任裁判のやり放題だ。

個人や弱い者が「正しい判決を求めても駄目だ」ということがようやくわかった。
こんな民事裁判をそのまま放置することは、ますます日本が駄目になる。
こんな民事裁判に奈落の底に落とされた自分が、以下「民事裁判の欠点を訴え続けよう」と誓った。【原 敏恭】(以下次号)


「世の中で一番ばかばかしい買い物、民事裁判」<寄稿・連載7>



 <前号よりの続き>

3 裁判官の給与と管理

(裁判官の)給与について、先の安倍晴彦弁護士は、『犬になれなかった裁判官』で
「憲法の定め(憲法第80条2項)により減給はされないが、短期間に定期的、あるいは差別的に不定期に昇給する仕組みになっている。〜給与・昇給が人事政策に取り入れられ、餌に、鞭に使われていく。〜そして一部の裁判官を昇給させ、一部の裁判官を昇給させないという昇給の差別が行われている」と。

 また、朔立木著『お眠り私の魂』では、
「同期で任官した新任者は、初めはまったく同じ新任給で出発し、判事5号、4号まではあまりひどい差なしに上がっていきますが、それ以上になると露骨な差がつけられます。
 その上の3号になるのに、同期の者より5年も送らせたりするのです。
 号は累進的に割高になっていきますから、我々の期で言うなら、良いところにいる者と、悪いところにいる者とでは、月額にして30万円の開きになっています。

 裁判官が公式の会合を開くとき、その席次の順は、司法修習の期の順でもなければ、裁判所での地位の順でもなく、受けている号の順なのです。
 誰がいつこんなことを決めたのでしょう。何位とも露骨な「正義の殿堂」のイメージとはあまりにも違う、金で順位をつけるしきたりです。

 ひどい差別を受けている者が言ったそうです。給与が少ないと言って妻に責められるのは、まだ我慢する。でも、この席次で後輩たちが次々と自分を追いぬいて、上席に座っていく、この屈辱だけには耐えられない。
 今の最高裁当局の「訴訟促進キャンペーン」は凄まじいもので、裁判官の勤務評定である「裁判官考課調査」で、まず重視されるのが、その裁判官が1年に何件の事件を処理し、判決を書いたか、という数字です。
 だから、誰でも判決の件数をこなしたい一心に変わりはないのです」と。

 シェイクスピアも『リヤ王』の中で言っている。
「犬に位階を与える。人それに従う」と。
 
 給与・転勤・官舎に加え、処理件数を勤務評定の最重要基準としたら、原告と被告の間に裁判官だけしかいない民事裁判にあっては、判断基準は、どちらが正しいかではなく、自分の出世にどちらが影響するかを基準に判決をかくようになるのは当然だろう。

 憲法第76条3項がいう「すべて裁判官は、その良心に従い、独立してその職権を行い、この憲法および法律のみに拘束される」と、職務の独立と自由を保障されている正義の番人たちの姿とは程遠い民事裁判官たちの姿だ。
 これだから民事裁判は上に行けば行くほど、不良度合いがひどくなる。【原 敏恭】(以下次号)

桂馬隆志の一刀両断! 「5000万円裏献金に拘泥する特捜部の真意!?」



「何か新しい証拠でも見つかったのか?」…旧聞に属するが、東京地検特捜部が、陸山会の政治資金規正法違反事件をめぐる石川知裕衆院議員の裁判の公判前手続きで、水谷建設からの「5000万円裏献金を立証する」と言いだした。

 全国紙記者が苦笑する。
「出し遅れの証文どころか、破れかぶれの悪あがきと言うしかありません。検察は『打倒、小沢!』を合言葉に、それこそ死に物狂いの捜査を行ってきたのに、結局は何も見つけられませんでした。本当に5000万円の授受があったのなら、2月の時点で小沢幹事長を起訴していたはず。にもかかわらず、この期に及んで裏献金を立証するだなんて精々が被告人の悪性を立証するために冒頭陳述に書きたいというレベルの話にすぎません」

「そもそも、この5000万円の授受については、水谷功・元水谷建設会長の証言に端を発するものですが、なんと白昼堂々、誰が見ているかも分からない、全日空ホテルの喫茶室で石川議員に手渡した(2004年10月15日)というのですから、信憑性に疑問符がつくのも当然です」

「しかも、このホテルでの受け渡しについては、TBSが『水谷建設に近い関係者が偶然に目撃』と“スクープ報道”したものの、その後、当の目撃者の証言は段々と腰砕け。石川議員の人相や10月15日という日付さえあやふやになってしまい、今では“福井のボケ老人”扱いされています」

 それにしても証拠もなく、もちろん立証も無理。然るに唯々、悪印象を与えたいために、西松建設事件で『天の声』を連発したのと同様に、冒頭陳述に “幻の5000万円”を書き込みたいとは!…まさに目的のためには手段を選ばない特捜検察の傲岸不遜ぶりを如実に物語る暴挙と言っても過言ではない。

 サッカーと相撲賭博の陰に隠れてトンと話題にならないが、果たして裁判所はこの検察の言い掛かり同然の申し込みを認めるのか。注目が怠れない。【桂】

桂馬隆志の一刀両断! 「時効廃止法案の“功罪”を問う」



「逃げ得、許すまじ」…犯罪被害者や被害者遺族の声に押されて、重大事件の公訴時効を廃止・延長する刑事訴訟法などが5年ぶりに改正、即日施行された。
 その内容は、最高刑が死刑の罪は25年の時効が廃止され、無期懲役・禁固の罪は15年を30年に延長、20年の懲役・禁固の罪は10年を20年に延長、それ以外の有期懲役・禁固の罪は5年を10年にそれぞれ延長、しかも過去15年間に発生した殺人事件で、未解決の事件(370件)についても、改正法が適用されるというものである。

 ほとんどの大マスコミは、「殺人事件被害者遺族の会(宙の会)」の声を前面に押し立てて、「よくやった!」とばかりに肯定的な報道に終始。特に数時間後に時効が迫っていた、95年4月に起こった倉敷放火殺人事件の捜査が継続されることを“快挙”として好意的に伝えたほどである。

 しかし、国会での審議に要した時間は、わずかに1ヶ月弱。多くの問題点をなおざりにしたままの法改正に問題点はなかったのか? なぜ法務省はいつになく迅速に今回の法改正を進めたのか? 

 確かに、被害者やその遺族の1日も早い犯人検挙を願う気持ちや完全に癒えることのない悲しみ、無念さを思えば、今回の改正に疑問を口にするのは「当事者の苦しみを知らない人間の戯言」との誹りを受けるかもしれないが、それでも次の3つの理由で当欄は敢えて素朴な疑問に拘泥するものである。

 そもそも時効の廃止・延長は、「厳罰化が犯罪を抑止するものである」とする考えに基づくものであり、その延長線上に位置するのが、究極の厳罰である「死刑制度の存続」である。
 法務省が、死刑制度こそが凶悪犯罪の“ブレーキ”であると確信、未だに制度の存続に拘泥しているのは周知の事実である。
 相次ぐ再審請求で「司法の権威」がぐらついている昨今、法務省にしてみれば、その“元凶”たる再審請求をできるだけシャットアウトするには現在、死刑判決を受けて獄舎に在る未決囚の刑を速やかに執行、“死人に口なし状態”にするのが最善の策。とすれば、厳罰化を謳った今回の法改正は、死刑に対する世論の批判を躱には(官僚らしい迂遠な方法ではあるが)うってつけの隠れ蓑といえるのではないか。

 次に、法律施行の時点で過去に遡って改正法を適用するというのは、多くの憲法学者が指摘するように、遡及処罰を禁止した憲法第39条にモロに抵触するのではないか。
 世間の目が普天間基地問題や陸山会事件に向いている折も折、法務省はどさくさに紛れれて“失地回復のための方便”を新法によってゲットしたのではないか。

 そして、最後は時効の廃止・延長による長期にわたる捜査によって起訴された場合に、証拠の散逸や証人の死亡などによって惹起される「冤罪」の危険性である。
 捜査側の「証拠の保全方法」を指摘するムキは多いが、それより格段に問題にすべきは、長い年月の経過によって毀損される被告人の「防御権」であるはずである。
 民主党のマニフェストにあった「取調べの可視化」を放置したままで、冤罪な発生を助長するような法律改正は、まったくもって本末転倒であろう。

「功少なく、罪多し」…就任以来初めて、仕事らしい仕事をしたと思いきや、法務省と二人三脚で法律改正(改悪?)に精を出した千葉景子法務相の見識に首を傾げるのは当欄だけではなかろう。【桂】

映画『BOX』-袴田事件・命とは-を観て<寄稿>



 先夜は、人生において良い経験をさせて頂きました。
 こんな理不尽なことが現実に起こっていたのか?
 「冤罪」「死刑」「裁判員制度」「取調べの可視化」など色々なことを考えさせてくれた衝撃的な映画でした。
 最後の「あなたなら…」のナレーションが心に残ります。【大学講師】

桂馬隆志の一刀両断! 「暴走する君側の奸・生方幸夫副幹事長に喝!」

 いわく「小沢幹事長の政治資金問題について幹事長を辞めるべきだという声が圧倒的に多い。国民は小沢さんが不起訴になったから全部シロとはおもっていない。」
 いわく「自民党政権時代には中央集権を批判したのに、今の民主党は中央集権だ」
 いわく「民主党は教職員組合からあまり献金を受けてはいけない。北海道教職員組合の問題は、これも一番上は輿石さんの責任だ」
 いわく「風通しを良くしてこそ民主党だ。言いたいことが言えないのは言論統制だ」
 いわく「幹部を批判したから辞めさせるという判断自体が間違っているのだから、間違えた人が国民に大迷惑をかけて申し訳ないと言うべきである」。
 いわく「元の鞘に収まったのだから、それでいいのではないかとはならない。なぜこんなことになったのか。反省がないとダメだ」。
 いわく「ダメだと言われれば、その場にわたしが留まるのがいいのかどうか、判断しなければならない」。
 いわく「引き続き説明を求めていく。やって戴けないときの身の処し方は自分で考えている。一緒に出来ないということなら辞めざるをえない」。
 いわく「われわれは絶えず国民と対峙しているのだ。国民に向かってモノを言うのは当たり前の話だ。これからもメディアを通じて批判し続けるつもりだ」。
 いわく「自分が最もでなければならない会議には出席している。俺は朝が弱いんだ。さして重要でもない会議に、いちいち出席する必要はない」。

 少々長くなったが、これすべて先々週から先週にかけて生方幸夫・民主党副幹事長が口にした“生方語録”である。
 言いも言ったり、よくもまあこれだけゴタクを並べたもの!と呆れてしまうが、“生方語録”の内容の是非はともかく、本誌が問題にしているのは同氏の「立ち位置」である。

 いやしくも同氏は、国対担当の副幹事長である。民主党の要職に在る御仁である。
 本来ならば、沖縄米軍基地移転問題を筆頭とする数々の難問に苦慮、思ったような政策運営ができないことで支持率が急落している鳩山内閣をここぞとばかりに支えなければならない責任者のひとりである。
 にもかかわらず、まるで自民党差し回しの“間諜”の如く味方を窮地に陥れる振る舞いは「組織に籍を置く者としては絶対にあってはならない言動」である。

 生方副幹事長は千葉6区の有権者108270人の負託を受けてバッジをつけている衆院議員のひとりである。
 308人もの代議士がいれば、自分の意見と真逆の意見を口にする“同志”もいよう。意に添わぬこともあろう。気に入らぬヤツもいよう。腹が立つこともあろう。
 しかしである。
 当選4回。いやしくも党執行部に名を連ねる以上は、たとえ不平不満があろうとも、そこは“じっと我慢の大五郎”。歯を食いしばって党務に邁進するのが、国会議員以前に「組織人としての道」ではないのか。

 「逆名利君」…それでも、なお腹に据えかねるものがあるのなら、潔く役職を返上したうえで、堂々と自らの信念を口にするべきであり、それでこそ10万人以上の有権者も「さすがはオラが先生!」と喝采を贈るに違いない。

 テレビカメラに囲まれてヒーロー然とする前に、「立ち位置」をわきまえた折り目、筋目の通った人間として行動して初めて発言に重みが増すのであり、国民の信頼を得られるというものである。
 今のままでは党内の風通しを良くするどころか、百害あって一利なし。党内の“お邪魔虫”として、“蝶々の収集家”と同じ運命を辿るのは目に見えている。…好漢・生方幸夫・副幹事長に喝!喝!喝!【桂】

「東京オリンピック招致事業」の“正体”は税金無駄遣いイベントだった!?<寄稿>

 さる10月19日に開かれた東京都議会特別決算委員会で、失敗した東京オリンピック招致活動に使われた費用150億円のうち60%強に該たる95億円が、いわゆる「イベント開催など招致機運を盛り上げるための費用」に充てられていたことが明らかになりました。
 そもそも、「招致機運を盛り上げるための費用」とは具体的に何のための費用なのでしょうか。
 「オリンピックメダリストや芸能人などの有名人を呼んでトークショーや講演会、体操教室、サッカー教室などを開催、『東京都はこんなにも一生懸命努力しています』という姿勢をアピールするイベントですが、要するに大金をかけた“お遊び”みたいなものです」
 都庁に勤務する友人は、あっけらかんとした顔で、こう“解説”してくれましたが、100年に1度の不景気というご時世に、なんとまあ納税者をバカにした発想でしょう。
 しかも、イベント開催業者との契約は、総費用の35%に該たる約54億円の事業費を獲得した博報堂をトップに、ほとんどが一般競争入札ではなく、随意契約というではありませんか。
 このことについて、都議会で民主党議員から質問を受けた担当者は、「専門的な知識を必要とする業務だから…」と答弁したそうですが、なぜ“お遊び”に近いイベントに「専門的な知識」が必要なのでしょうか。
 なかには都下にあるパチンコ屋専門の広告業者が、日本体操協会からの紹介で、都内で開催されたイベントを受注していた(780万円)例もあるそうです。さっぱり理解できません。
 また、複数の市区町村から開催イベントを請け負った業者が8社もあり、そのうちの3社は、招致委員会本体の事業も請け負っていたということも明らかになっています。これまた特定の業者との“癒着”を疑われてもやむをえない異常な受注です。
 また、呆れたことに東村山市では、招致に失敗した(10月2日)後の今月24日になって、なんと700万円もの税金で「招致イベント」を開催したというのですから、何をかいわんや。狂気の沙汰と言うほかありません。
 「オリンピック招致という錦の御旗を掲げれば、誰も文句は言わないし、言わせない」…“火事場泥棒”にも似た「税金の無駄遣い」が徹底追及されることを願わずにはいられません。【桜吹雪】


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