2016年7月13日配信「担保提供で謝礼5億円の甘い罠!――献上吟士を喰った稀代の詐欺師・千葉照三の不動産略奪日記」 <実話を基にしたフィクションです>

 

 

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第1回 色と欲


「お〜い、つくば市長さんの娘さんよ。はやく、こっちへ来て東郷のバカ孫の話を聞かせてくれよ」

枕元の灰皿にチビたタバコを押しつけながら、ベッドに腹這いになった千葉が風呂場に声をかけた。

「何バカなこと言ってんのよ。ハンコ押させるのに苦労したんだから…」

顔を上気させた洵子が、42歳の熟れた身体をバスタオルに包んで風呂場から出て来た。

「悪女の仕事はさすがだね。いくら世間知らずのお坊ちゃん相手とはいえ、ひと晩お相手しただけでキッチリと仕留めるなんて、たいしたもんや。舐めて〜咥えて〜またしゃぶり。一体どんな手練手管を使うたんや(笑)」

「もう冗談は止めてよ。それもこれもあんたと坂上さんの書いた台本が良かったからなのに、私ひとりを悪者にするなんて、ちょっとひどいんじゃない」

ふくれっ面の洵子が、バッグの中から茶封筒に入った書類を取り出した。

「これでいいのよね」

ドヤ顔の洵子から受け取った書類に、千葉は何度も目を通した。

「よっしゃ、よっしゃ。OKや。これで婆さんのお宝は戴きや。でかしたぞ、洵子。明日には、市川の菊地の名義に変えれば一丁上がり。〆て大枚1億円が転がり込んでくるや」

シミだらけの手を年齢に不相応な、洵子のたるみのない胸に這わせながら、下卑た笑いを浮かべた千葉が洵子の顔を窺う。

「どうやった、お坊ちゃんの味は?たまには若い者のお相手もエエもんやろ」
いわゆる言葉責め。――"ひと仕事"終わる度に、ネチネチと嫌味な言葉で洵子をいたぶるのが千葉のいつもの癖であった。

「変なの、あんた妬いてんの? それより、ねえ、ねえ、前祝いに…」

生臭い息を吐きながら洵子が千葉に覆いかぶさった。 (続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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