2020年10月29日配信<0510archives>「Go To Travel キャンペーン強行は“天下取り”に動いた菅官房長官(現総理)の大博打?」<政治>

 
(wikipedia)

 

 新型コロナウイルスの感染者が急増、国民の気持ちが収縮している時に、菅義偉官房長官二階俊博自民党幹事長と諮り、前倒しでGo to Travel Campaignに踏み切った。
 
 国民の8割が「時期尚早」と訴え、「感染者急増の東京発着は除外」という変則的なスタートにならざるを得なかったのに、なぜ無理をして4連休前の7月22日にスタートさせたのか。
 
「菅が、首相候補に名乗りをあげたということだ。これまでは地味な“球拾い役”に徹し、『陰の首相』といわれる今井尚哉・首相秘書官兼首相補佐官にコロナ対策は任せてきた。
 
 が、今井も出身の経産省を使った各種対策で失敗続き。ポスト安倍の岸田文雄政調会長が抜け出せないなか、『俺が仕切る』と、GoTo〜の強引な仕掛け人となった」(政治部記者)
 
「安倍一強」といわれる首相官邸だが、権力は二重構造になっていて、今井氏を中心とする官邸官僚が表に立ち、菅氏と内閣人事局を牛耳る杉田和博官房副長官が、“黒衣”としてそれを支える形態で、安倍晋三首相は、そこにバランス良く乗っていた。
 
 来年9月に自民党総裁の任期を終える安倍氏の意中の人は岸田氏だ。
 
 今井氏ら官邸官僚にとっても禅譲の岸田氏なら“院政”は可能なので生き残る道はある。
 
 そこで、岸田氏を推しているのだが、華がなく、人気がない。
 
 「決断力がなく面白みがない」という政治家には致命的な欠点で、国民的人気の高い石破茂氏には勝てそうになく、ならばと野心をたぎらせるようになったのが、手堅さには定評のある菅氏だった。
 
 その思惑を読んで、今井氏の露骨な「菅外し」が始まった。
 
 小中高の全国一斉休校、アベノマスクなどは、菅氏に断りも相談もなく、今井氏らが決めた。
 
 「電通」への丸投げが批判された継続給付金をはじめ、GoTo〜も最初は、経産省が取りまとめた電通丸投げプランだったが、継続給付金の表面化で、各省庁に割り振られるようになり、もっとも大きな観光業は国交省の仕切りとなった。
 
 ここで、内閣人事局を通じて国交省を掌握した菅氏と、GoTo〜で最も恩恵を被る旅行業を束ねる二階氏が手を組んだ。
 
「二階氏は、党のカネを握る幹事長を、安倍政権下で続けてきた。ところが安倍首相は、幹事長は岸田氏に委ね、実力をつけさせたい。その両者の思惑の違いに付け込む形で、菅氏が割って入り、二階=菅ラインを確かなものにしてしまった」(自民党関係者)
 
 GoTo〜の運営業務を受注したのは「ツーリズム産業共同提案体」だが、主体は「一般社団法人全国旅行業協会」で会長は二階氏である。
 
 ほかにも多くの旅館関係団体が参加、そうした団体の政治資金団体が二階氏の政治団体に献金しているという構図だ。
 
 もともと菅氏は、緊急事態宣言にも反対で「コロナ禍でも経済を回さなければ、企業とそこで働く従業員を殺してしまう」という信念の持ち主。4連休前に前倒しのGoTo〜実施に躊躇なく踏み切った。
 
 経済重視は一貫しており、それに対して、国民の不安をあおる形で注意喚起、それを自身の人気につなげる小池百合子都知事との差は大きく、「ステイホーム。動かないでください、というなら動かないでもらおう」と、菅氏はGo To~から容赦なく東京を除外した。
 
 地味な菅氏にとって、築地移転、東京五輪など何にでも反対の狼煙を上げ、力の大きなものを向こうに回して闘う姿勢を見せることで人気を保つ小池手法には嫌悪感を抱いている。
 
 小池都知事は、今回も政府と対比させ、「感染拡大阻止に全力を傾ける知事」という評価を得て、都知事選を大勝した。
 
 だが、リアリストの菅氏から見れば、弱毒性のウイルスで致死率が低い新型コロナ対策だけに政治が注力していると、実体経済が死に、各種業界が破綻、自殺者が急増、大変なことになるという思いがある。
 
 菅氏は、そこに「ポスト安倍」への野心が加わって二階氏と組んだのだが、GoTo〜が、感染者のさらなる拡大を誘引することは確実である。

 

 それも承知之介!――菅氏は乾坤一擲の”大勝負”に出たと見るべきであろう。【🐀】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年10月27日配信「学術会議任命拒否問題は安倍=菅路線の最終章――強権で進める規制緩和、成長政策、自助自立への危惧」<政治>

 
前言撤回版(文藝春秋社)

 

 

「なんで今更、騒ぐんだ。前からやってきたことじゃないか――」
 
 菅義偉首相は、日本学術会議の候補者6名を任命しなかった問題が、いつまでもマスメディアで批判的に取り上げられ、10月26日開幕の臨時国会でも野党が論戦を挑もうとしていることに関し、周辺にこう不満を漏らしているという。
 
 確かに、人事で官僚を締め付け、意に沿わせることは、第二次安倍政権の初期からやってきたことで、「今更」なのである。
 
<人事権は、大臣に与えられた大きな権限です。(中略)とりわけ官僚は人事に敏感で、そこから大臣の意図を鋭く察知します>
 
 これは、12年、官房長官になった直後に上梓した『政治家の覚悟 官僚を動かせ』(文藝春秋)の一節で、人事権を駆使した統治が菅首相の政治手法だった。
 
 14年には内閣人事局が創設され、制度的にも整った。
 
 局長は右腕の杉田和博官房副長官。元警察官僚、元内閣情報調査室長の情報力を駆使して、反政府的な言動のあった官僚(学術会議の会員は特別国家公務員)を排除するのは、表の安倍晋三前首相=今井尚哉首相補佐官ラインを、裏で支える菅=杉田ラインにとっては当然のことだった。
 
 安倍政権の時から始まった人事権をテコにした強権支配は最終章に入っている。
 
「モリ(森友)・カケ(加計)」における財務官僚、文科官僚の政権への忖度も、黒川弘務前東京高検検事長の賭け麻雀でウヤムヤになった検事総長人事への介入も、すべて同じ文脈で語られよう。
 
 学術会議問題の陰に隠れてしまったが、東京大学総長の不可解な選出結果も、官邸=文科省の方針を総長選考会議が忖度した結果である。
 
 教職員らの第一次意向調査で一位になったのは副学長で医学系研究科長の宮園浩平氏だった。
 
 だが、元総長で総長選考会議議長を務める小宮山宏氏のかなり強引な議事運営で、宮園氏は二次候補に残れなかった。
 
 学内から「選考過程がおかしい」という声があがったものの、小宮山氏は一蹴、事務局は強引な議事運営を伝える音声データを消去した。
 
「人気投票のような形で総長を選ばず、経営力のある人を選ぶべき」という官邸の方針に従ったもので、京都大学、筑波大学でも同様の問題が発生、人事で組織を牛耳る体制があらゆる分野で整った。
 
 菅首相が、そのうえで断行するつもりなのは、縦割り行政の悪しき慣習を打破、規制緩和を通じた成長路線を確立、企業と国民に自助・自立の精神を植え付けることである。
 
 それは、安倍政権下の未来投資会議を衣替えした成長戦略会議(議長・加藤勝信官房長官)のメンバーを見ればわかる。
 
 外資出身のデービット・アトキンソン小西美術工藝社社長、竹中平蔵パソナ会長、南場智子DeNA会長、国際政治学者の三浦瑠璃氏、ITコンサルタント会社フューチャーの金丸恭文会長兼社長……。
 
 努力すれば報われる体制を作り、そこで企業と国民を競わせるのは、21世紀初頭に小泉純一郎政権がやったこと。その時、菅氏は総務副大臣として竹中大臣に仕えたが、小泉政権下で起きたことは、非正規雇用の拡大による競争力強化であり、それに伴う労働分配率の低下と内部留保の増大である。
 
 日本経済を成長路線に乗せようとする試みだったが、その目論見は実らず、企業は成長路線を見いだせないまま、二極化が推進され、国民経済は衰退していった。
 
 強権支配の最終章が、二極化をさらに推進することになるのは、国民にとって不幸なことだ。
 
 コロナ禍で痛んだ経済を立て直すのは、競争力強化に企業や国民を誘うことではなく、まず、企業活動と生活の基盤を、政府資金で立て直し、安心して仕事に打ち込める環境を築くことだろう。
 
 今、求められているのは「自助」ではなく、「公助」である。
 
 叩き上げの苦労人は、えてして「努力しない者が悪い」という精神論に傾きがちで、そこに竹中氏やアトキンソン氏のような「優勝劣敗の成長論者」がいれば、そちらに向かって突き進む。
 
 安倍政権以来の高い支持率を背景に、菅首相の「強権」が国民を振り捨てるのでは?――不安を覚えずにはいられない。【🐵】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年10月20日配信「IRスケジュールの9カ月遅れ決定で横浜カジノの前途に暗雲」<政治>

 
林文子市長(Wikipedia)

 

 新型コロナウイルスの感染動向が見極められないまま遅れていたカジノを含む統合型リゾート(IR)のスケジュールは、政府が誘致を目指す自治体からの申請期限を9カ月延長したことで、「後ろにスライドしつつ、前に進めていく」(カジノ業者)ことになった。
 
「政府は、1月に公表する予定の基本方針を延期したままスケジュールを示さなかった。10月9日、自治体からの申請期限を来年10月から22年4月までとする基本方針案を公表。ようやく“ケツ”が決まったことで、それに向けた作業に着手できる」(同)
 
 ただ、「9カ月遅れ」の決定で、暗雲が漂っているのが有力候補地の横浜だ。
 
 当初予定では、事業者の選定基準などを示す基本方針を受けて、公募条件などを盛り込んだ実施方針を公表。業者選定作業に入り、選定した業者とともに来年1月から7月までの間に申請する、というスケジュールだった。
 
 IRを推進する横浜市にとって、“ケツ”が来年7月だったことで、8月に予定されている市長選への影響はないものと思われた。
 
 だが、「9カ月遅れ」となると、市長選が「カジノの是非」を問うものとなり、6割以上の市民が反対派と目される横浜では、自公の推す推進派の候補は厳しい戦いを強いられる。 
 
 トラウマを抱えているのは林文子市長である。
 
 ダイエー元会長など輝かしい実業界での実績をひっさげて、スキャンダルで自滅した中田宏前市長の後を受けた09年の市長選に民主党に担がれて出馬して当選した。
 
 2期目は、退潮著しい民主党を見限ったように、横浜市政を牛耳る元市議で官房長官の菅義偉氏の懐に入って、自公民の推薦を受けた。
 
 結果オーライの“実業の人”であるのをさらに証明したのは、3期目の17年。菅氏に加え、「ハマのドン」と呼ばれる港湾のボスの藤木幸夫・藤木企業会長も「山下埠頭でのIR」に賛成の立場を鮮明にしていたことで、市長選に不利と見るや、内心とは裏腹の「白紙撤回」を宣言、3選を果たした。
 
 しかし、19年8月になると豹変、一転「カジノ誘致」を表明。当然のことながら反対多数の市民から大ブーイングを受けた。
 
 また、港湾業者がIRに参入できないことが判明し、急遽、反対に回った藤木氏は、「俺の顔に泥を塗った」と、林氏を攻撃した。
 
「二枚舌」を使って恥じなかったのは、21年8月には75歳を迎えており、4選を考えていなかったからだろう。
 
 業者が7月までに申請を済ませていれば、「横浜カジノ」は覆すことが出来なかったのだが、申請受付が来年10月からとなれば、まさに市長選は「申請の是非」を問うものとなる。
 
 山下埠頭47ヘクタールは、大桟橋、山下公園、横浜中華街、元町商店街と、ハイカラで売る横浜観光スポットの至近距離にあり、市民の反対の声は根強い。
 
 既に、住民投票の実施を求める「カジノの是非をめぐる横浜市民の会」は、10月7日までに届け出に必要な人数を超え、6万2561筆に達したことを明らかにした。
 
 また、リコール(解職請求)運動も始まっており、こちらは市民約49万人の署名が必要でハードルは高いが、運動そのものが林市長の不人気に拍車をかけよう。
 
 加えて、世界のカジノが徐々に復活を始めているとはいえ、最盛期を取り戻す環境にはなく、「横浜カジノ」に進出を表明した業者のうち、最有力の「ラスベガス・サンズ」は撤退を表明、「ウィン・リゾーツ」も事務所を閉めた。
 
 朗報は、菅氏が首相になったことで、経済を回すことに執念を燃やす菅氏は、盟友の日本維新の会が進める「大阪カジノ」とともに、「横浜カジノ」を成功させたい気持ちに変わりはない。
 
 その最大の“関門”が横浜市長選で、いいタマがなければ、もう一度、林で勝負」(自民党系市議)という諦めに似た声もある中、すべては菅首相の地元での政治力が求められる市長選であり、カジノ事業である。
 
 菅首相VS横浜市民の会――前途に暗雲がたちこめつつある。【🐮】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年10月17日配信<0510archives>「菅首相と“ハマのドン”に挟まれた林文子横浜市長の汚される“女の花道”」<政治>  


(wikipedia)

 

 

「働く女性」として、これ以上にない経歴を持つのが林文子横浜市長である。
 
 都立高校を卒業後、東レ勤務などを経て自動車セールスの分野に飛び込み、トップセールスの実力と管理能力を評価されてVW東京社長、BMW東京社長を歴任。ダイエー会長兼CEO、東京日産自動車販売社長を経て、政治の世界に。現在、政令指定都市横浜市の市長3期目である。
 
 前任の中田宏市長が、女性問題を含む様々なスキャンダルで09年7月、職を放り出して辞任。翌月、民主党推薦を受けて女性初の横浜市長となった林氏は、パフォーマンス好きの中田氏が、メディア受けする政策をトップダウンで行っていたのに対し、市の幹部や職員の声をボトムアップですくい上げ、待機児童解消など具体的な成果もあげて、評価も上々だった。
 
 13年4月に上梓した『共感する力―― カリスマ経営者が横浜市長になってわかったこと』には、女性ならではの柔らかく目配りの効いた視点と、市役所に営業マインド(共感する力)を吹き込む過程が描かれており、女性経営者が行政の長になることのメリットが窺える。
 
 その一方で、13年8月の2期目の選挙では、民主党推薦に続き、自民党と公明党の推薦も取り付け、したたかなところを見せた。
 
 横浜選出の代議士といえば、新首相になった菅義偉官房長官(当時)であり、横浜の政財界をまとめているのがハマのドン”の異名を持つ藤木幸夫氏。林氏は、1期4年の間に、その2人にしっかり食い込んだ。
 
 だが、17年7月、3選を果たしてからの林氏には精彩がない。
 
 なかでも「横浜IR(カジノ付き統合型リゾート)」を推進する姿勢を見せていた林氏が、市長選では、一転、「白紙」と言い出したことから「偽装転向」を疑われ、反カジノ派に批判された。
 
 19年8月、白紙を見直し、誘致を表明してからは、各種調査で「カジノ誘致反対」が7割を占めるだけに批判が殺到。前言を翻したことに対し、マスメディアも市民も納得しておらず、9月に入ると「カジノの是非を決める横浜市民の会」が、住民投票の実施を求めて署名活動を行い、10月からは「1人から始めるリコール(解職請求)運動」が、署名活動を開始する。
 
 現在、林市長は74歳。多選高齢批判は免れず、来年8月の市長選に出馬することはないと目されているが、コロナ禍でIRスケジュールがすべて狂っており、国の基本方針の策定作業も遅れ、それに伴い、8月に発表予定だった横浜市の「実施方針」は、事実上の無期延期である。
 
 林氏を支える「2人のドン」は、16年12月のカジノ解禁推進法の成立までは、「横浜カジノ」の誘致で一致していた。
 
 それほどカジノに興味はない林氏だが、「ドンの意向」に添う形で予算もつけ、誘致に向けた体制作りを続けてきた。
 
 ところが「ハマのドン」の藤木氏は、日本版IRの姿が徐々に明らかになる頃から反対に転じ、19年8月、林市長が「誘致表明」を明らかにすると、直後に記者会見を開き、IR予定地の山下埠頭を藤木氏が会長を務める横浜港運協会が中心となってハーバーリゾート開発を行うと発表した。
 
「カジノ依存症は看過できない」と、その理由を語ったものの、カジノ構想に、協会加盟の「港運人」が、関与できないことが判明したのが、「裏の理由」である。
 
 藤木氏は、これまで林市長を支えてきたのに「顔に泥をぬられた!」と怒っているが、「コロナ禍でも経済を回す」と明言している菅首相は、IR推進の旗は下ろしていない。
 
 横浜と並ぶIR誘致の大阪は、菅氏が「準与党」として期待する日本維新の会が、「大阪再生」を期待するビッグプロジェクトだけに、住民反対運動も、自分自身が世話になった藤木氏の抵抗も、気にしてはいられない。
 
「世界のビジネス界で最強の女性50人」(米フォーチュン誌)に選ばれたこともある林女史だが、決断力よりは世渡り上手を評価されての恵まれた人生だった。
 
 残された任期中に、市民の支持を得られず、住民投票やリコール運動をしのぎつつ、”ハマのドン”を説得してIR事業を推進できるのか。
  
 進むも地獄、退くも地獄――このままでは袋小路に追い込まれるのは必至で、過去の栄光が吹き飛びかねない「末節」を迎えそうだ。【🐮】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年10月15日配信<0510archives>「100日裁判に証人100人!――河井夫妻公選法違反事件の公判維持を阻む難問」<政治>

  
夫唱婦随?(wikipedia)

 

 河井克行前法相、妻の案里参院議員の公職選挙法違反を問う裁判が25日に始まった。
 
 公選法の規定で起訴から100日以内の判決を目指す「百日裁判」となるが、現金を受け取った県議、市議らが100人にものぼるため、東京地裁は12月18日まで55回の公判期日を指定、判決は来年初めに言い渡される。
 
 単純計算で2日に1回は公判が開かれるわけで、公選法違反の買収事件としては前代未聞。それだけ「確実に有罪判決を勝ち取る」という検察の意気込みは強く、買収金額を約2900万円に積み上げ、被買収者を100名とした。
 
 起訴状に添付された3つの表に書かれた氏名、授受日時、肩書、金額などの詳細さは異例である。
 
 逆に、河井事務所のパソコンのなかに授受を示すメモが残っていたとしても、密室でのカネの授受には証拠が残っておらず、否定されれば断定は難しい。
 
 どうして斯くも詳細に積み上げることが出来たのか。
 
『供述しても悪いようにはしない』と、事実上の司法取引が持ちかけられました。つまり、失職につながるような処分はしないという意味です。応じなければ、どんな報復があるかも知れないということで、密室の取引に応じた政界関係者は少なくありません」(取材した全国紙記者)
 
 検察にとって河井夫妻事件は、単なる公選法違反事件ではなかった。
 
 官邸は、「官邸代理人」の異名を取る黒川弘務東京高検検事長(5月に賭け麻雀で退任)を検事総長に就けようと画策。それに対する検察総体の反発が、安倍首相の側近で菅官房長官を囲む会を主宰する河井前法相と妻の案里議員を狙う捜査に繫がった。
 
 それだけに失敗は絶対に許されない。
 
 担当は広島地検だが、実質的に東京地検特捜部が指揮を取り、コロナ禍のなかも捜査は続き、「もらった側」を落としていった。
 
 が、それで逮捕・起訴まではいいが、公判維持ができるのか。
 
 公選法は、被買収者の罪も定めており、法定刑は3年以下の懲役か50万円以下の罰金である。
 
 ゴーン事件でその存在が知られるようになった司法取引は、何でも使えるわけではなく、公選法は対象外である。
 
 従って河井夫妻サイドは、「違法な司法取引の疑いがある」として公訴棄却を求めている。
 
 それでも検察は、唯一の公訴権を持つ存在。起訴しなくてもよく、司法マスコミを味方につけ、夫妻の行状を次々に明かし、「ワル」を印象操作することで、無理なく起訴には持ち込めた。
 
 だが、公判で、「票の取りまとめを依頼された」と供述した100名が、そのまま証言を変えないとはいえない。
 
 既に、広島の市民団体「河井疑惑をただす会」が、お目こぼしされた県議など39名を刑事告発しているだけに、「受理、捜査」の動きを検察が見せれば、100名の証言は揺らぎかねない。
 
「起訴されて有罪にならなくとも、略式起訴の罰金刑でも公民権停止で議員は失職する。『罪に問わないから』と、いわれて証言した人たちも、検察の姿勢によっては発言を修正する可能性もある」(広島の政界関係者)
 
 国、地方を問わず、何より議員が恐れるのは失職することである。
 
 告発を受け、「受理して捜査」の流れになれば、公判での証言が証拠となり、公選法違反は免れないから、「ムリに証言させられた」と、公判で供述調書を否定する議員が続出するかも知れない。
 
 そこで、受理しても判決まで捜査着手しない、という選択肢も考えられるが、捜査の行方は明白なだけに、告発された議員たちの動揺は抑えられない。
 
 そのうえ、市民団体の告発が相次ぎ、それにマスメディアが同調したら、「公選法の趣旨を歪め、今後、公選法で被買収側を立件できなくなる」という「正論」を無視できなくなる。
 
 あっちを立てれば、こっちが座る?――賄賂の原資?といわれる党本部からの「1億5000万円」の捜査をスルー、自分たちの”牙城”を守るため乾坤一擲の勝負を仕掛けた検察は、難しい公判を迫られている。【🐮】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年10月13日配信「国策捜査で“ゴーン斬り”をした“菅銘柄”=『日産』を政府保証融資で救済することの是非」<政治>

 
策略の館?(wikipedia)

 

 主役のカルロス・ゴーン被告を欠いた金融商品取引法違反事件の公判が、今、東京地裁で連日のように行われている。
 
 主役のひとりは、司法取引に応じた大沼敏明元秘書室長で、70回を超える公判日程のうち計23回の尋問が予定されている。
 
 もともとゴーン事件は、仏ルノーCEO続投を望むゴーン被告に対し、マクロン政権が「日産との不可逆的な関係作り」を迫ったところから始まった。
 
 それを機に、「日産」の独立性を認め、筆頭株主の仏政府とルノーから距離を置かせることで、「日産」を自らの”天領”としていたゴーン被告の態度は変わる。
 
 危機感を持った「日産」は、かねて経営を私物化していたゴーン被告の社内調査を始める一方、官邸にも相談する。
 
 当時の官邸は、政策的には今井尚哉首相補佐官が主導する経産官邸であり、内政的には菅義偉官房長官「官邸ポリス」を掌握、抜群の危機管理体制を誇っていた。
 
 しかも、日産本社は菅氏の地元・横浜で、関係は深かった。
 
 加えて検察当局は、証拠改ざんの大阪地検事件を機にした司法制度改革で手に入れた司法取引を使い、エースの森本宏検事を特捜部長に就けることで、なんとか復権を果たしたかった。
 
 つまりゴーン事件は、日産」にはルノー傘下入りへの拒絶、官邸には有力自動車企業が純粋外資になることへの拒否反応、検察には司法取引を用いた復権を狙うという、それぞれの思惑があった。
 
 国策捜査であることは明白である。
 
 だから東京地裁は、ゴーン被告が不在となった今、唯一、裁かれる身となったグレッグ・ケリー被告が、「(大沼元社長室長の)虚偽証言で自分たちを罪に陥れようとしている」と、主張していることに鑑み、徹底的な法廷証言を求めた。
 
「今は、検察側の尋問なので、大沼氏はよどみなく答え、ゴーン、ケリーの両被告がいかに報酬を過少申告しようと、悪知恵を働かせたかを説明している。 が、11月中旬からは弁護側の尋問に移る。その時、日産ぐるみの犯罪でゴーン排斥の道具に使われただけ、という司法取引の“負”の部分も表に出そうだ」(傍聴している司法記者)
 
 ゴーン排斥を仕掛けた社内調査委員会の中心人物のひとりが、川口均元専務執行役(当時)で菅官房長官とのパイプ役を務めた。
 
 川口氏は、事件化前の18年4月頃から官邸=経産省に仏政府との調整を依頼してきた。
 
 だが、必ずしも思い通りに行かず、その際の最後の拠り所が菅氏であったのは、西川広人社長(同)が川口氏に向けた次のメールでも明らかだ。
 
<経産省が(日産の独立性を守り)境界を越えないように、うまく制御できるよう、菅さんのサポートをお願いできないか>
 
 こうした水面下のやりとりもうまく行かず、結局、「」日産は司法取引を本格化させ、大沼氏とハリ・ナダ専務執行役(同)の2人を検察に差し出す形でゴーン被告のクビを取り、その補強材料としてケリー被告を逮捕した。
 
 ただ、ゴーン排斥が「日産」の役に立つものでなかったのは、その後の業績を見れば明らかである。
 
「日産」が、今年7月、通期業務見通しで明らかにした今年度の業績は約6700億円。コロナ禍が自動車業界を襲ったのは確かだが、「ポストゴーン」を描けない経営陣の能力不足も浮き彫りにした。
 
 そんな日産に救いの手を出したのが政府である。
 
 政府系金融機関の日本政策投資銀行」は、今年5月、日産に1800億円を融資したが、そのうち1300億円に政府融資をつけていたことが、9月になって判明した。
 
 自動車産業をリードする大企業とはいえ、一民間企業に保証を付けるのは異例である。
 
 この政投銀の決断が奏功して、銀行団の融資が決定。欧米市場での起債にも漕ぎ着け、資金繰り面での危機は脱したが、その政府保証を決断したのも菅氏だといわれている。
 
 事件化から資金繰り支援まで――菅氏の日産への配慮は手厚く、首相となった今は、それが恒常化する可能性もある。
 
 両者の“癒着”の裏に何があるのか。――“菅銘柄”・『日産』の今後に注目したい。【🏇】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年10月6日配信「菅首相が“格差社会”を築いた竹中平蔵元総務相、高橋洋一元内閣参事官をブレーンに加える危うさ」<政治>


“亡国”のブレーン(Wikipedia)

 

 菅義偉首相が、就任以降、菅カラーを出すべく邁進している。
 
 7年8カ月の官房長官時代、安倍晋三前首相の側に控えて、「俺ならこうやる」という思いは、数々、あっただろう。
 
 官房長官を経験した政治家は、首相への野心を抱く」と、いわれる所以である。
 
 ただ、得意ではない外交・安保で「菅カラー」を打ち出すのは難しく、内政でもコロナ禍のなか、金融緩和と財政出動は継続せざるを得ない。
 
 となると、政権の独自性は、アベノミクスの最後の矢である「成長戦略」で打ち出すしかない。
 
 規制改革、ふるさと創生、縦割り行政を打ち破ることによる経済再興が、菅首相の一大方針で、そのために行うのがデジタル庁新設、不妊治療の助成、携帯電話料金値下げ、地銀再編、ハンコ行政の是正、である。
 
「やっている感」はあるが、政権の独自性は皆無。――これがスガノミクスの正体だとしたら、格差拡大に国民が喘ぎ、デフレ環境が改善しないまま国家の負債が積み上がり、その重圧に怯えて、政府が国民救済策を打ち出せない、という環境は変わらない。
 
 いや、菅首相は変えるつもりがない。
 
「自助、共助、公助の国づくり」と、菅氏は表現したが、注目すべきは「自助」が最初だということだ。
 
「共助」というが、ともに助け合う家族やコミュニティは「個」を重視する今の世相のなか、助け合いの環境を失い、「公助」は、公務員のムダをなくせというキャンペーンが、自公政権だけでなく、旧民主党政権でも継続、住民サービスは削られている。
 
 結局、菅政権が進めるのも、小泉純一郎政権以降、続いた「自己責任社会」であり、誰にも頼らず生きていく「勤労国家」である。
 
 それを小泉政権で推進したのが竹中平蔵元総務相であり、ブレーンとして竹中氏を支えたのは高橋洋一元内閣参事官である。
 
 そして菅氏の中央政界での仕事の原点は、竹中氏の元で総務副大臣を務めた時であり、この時、進めた「ふるさと納税」は、盒胸瓩実務を担った。
 
 縦割り行政を打破して規制改革を進め、必要なら特区を作って競争環境を確保、雇用を流動化して企業の生産性を上げ、グローバリズムを進めて日本経済を成長させる――。
 
 この方針が、経済成長につながらず、非正規雇用者を増やして労働分配率を下げ、生活環境は悪化しているのに政府支出は減って、窮乏に喘ぐようになったという意味で国民の幸福には繫がらなかった。
 
 竹中氏は、反省の色なく非正規労働者で稼ぐパソナ会長となり、盒胸瓩和膤惷擬として安倍長期政権を側面支援、「金融政策と財政政策を一体化して雇用を確保した素晴らしい宰相」と、安倍氏を讃えた。
 
 菅氏が、竹中、高橋両氏の成長路線を参考に経済政策=スガノミクスを確立するのは確実で、既に、面談を重ねているし、竹中氏は「1人月7万円を国民に支給したらどうか」と、一律定額支給のベーシックインカム(BI)導入を口にした。
 
 その代わりに切られるのは生活保護年金で、安定どころか国民は窮乏、将来不安でますますカネは使えなくなる。
 
「公助」を断ち切って、「自助」を求めるのは矛盾だが、それが竹中路線である。
 
 菅首相が矢継ぎ早に打ち出した不妊、携帯、地銀、ハンコは、どれも些末な改良・改善であり、話題にはなるが、国民生活の豊かさに、直結するものではない。
 
 国民が求めているのは、医療、福祉、教育、介護などのセーフティネット拡充であり、そこにサービスを生き渡せてくれたら、消費や子育てにも前向きになり、生活=経済は活性化する。
 
 政治に求めているのはまず「公助」。「自助」が先では停滞の20年がさらに続き、悪化するだけである。
 
 その“元凶”をブレーンに、菅氏は国民にとって憂鬱な政治を続けるつもりなのだろうか。【🐵】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年9月26日配信<0510archives>「イージス・アショアの配備中止に次ぐ“英断”で“マヨネーズの海”に工費は青天井の辺野古基地建設をストップすべきだ!という声、続々!」<政治>

 
(Wikipedia)

 

 沖縄県で反対の続く辺野古基地建設に変化が生まれている。
 
 これまで玉城デニー県知事を始め、県議会などが反対の意向を鮮明にし、それを県民が県民投票、県知事選、県議選などで支持。それに対し、政府とその意向を受けた沖縄県保守勢力が、県設容認派として県政に対峙してきた。
 
 その構図に、中谷元元防衛相が、「新基地を軍民共用にしてはどうか」と、割って入り、元防衛副大臣で防衛問題に詳しい長島昭久代議士が、「工期は最低でも15年で工費は青天井。イージス・アショアの配備停止に倣い、辺野古も中断したらどうか」と、ツイッターに投稿した。
 
「軍民共用」でも作るのは同じだが、中谷氏の構想は、将来、在沖縄米軍の役割を自衛隊が肩代わりするという持論に基づいており、沖縄県が危惧する「米軍基地の永久化」とは意味が違う。
 
 また、長島代議士は国会で、イージス・アショアの装備性能の不備について問題にし続け、今回の河野太郎防衛相の配備中止を引き出したひとりだけに、その専門家が指摘する「辺野古のムダ」の意味は大きい。
 
 もともと反対運動が活発だった辺野古の海域東側に、軟弱地盤が発覚して以降、基地建設の難しさは、専門家が口を揃えるところだった。
 
「マヨネーズのような海」と表現される軟弱地は、地盤の強度を計るハンマーをセットしただけで自重で沈み込み、強度を示すN値はゼロだ。
 
 そのため政府は設計変更、7万1000本の砂杭を最大約70メートルまで打ち込むという追加工事によって、22年度以降とされていた完成時期は大幅に遅延、軟弱地盤の改良工事に約9年、施設整備に約3年で約12年後。基地完成とそれに伴う最大目的の普天間基地の返還は30年代半ばとなる。
 
 しかも工費は、大幅に増えて、従来見通しの2・7倍の約9300億円だ。
 
 土木工学の専門家のなかには、「それでもまだ甘い」と指摘する人がいて、立石雅昭新潟大学名誉教授を代表とする沖縄辺野古調査団は、7月2日、「震度1以上の地震が発生すれば、護岸が崩壊する危険性が高い」という解析結果を発表した。
 
 米国もそうした懸念を承知しており、米連邦議会即応力小委員会は、6月24日に公表した報告書のなかで、「辺野古で進められている普天間代替施設の開発を懸念」と明記しており、地震、軟弱地盤、活断層のリスクなどの報告書を、12月1日までに提出するよう求めている。
 
 砂杭が地下70メートルまでなのは、作業船の最大深度によるものだが、実際は90メートルまで軟弱地盤の存在が確認されており、20メートル分は、補強工事のないまま埋め立てが実施された場合、「震度1でも倒壊」という衝撃の報告は、そんな危うさの証明だ。
 
 イージス・アショアは、2基1600億円から始まった見積もりが、次々に加算されて6000億円以上になり、「発射後に切り離すブースターの住宅地落下を防ぐには、12年2000億円以上がかかる」という報告に驚いた河野氏が、安倍首相を説き伏せた。
 
 閣議決定され、一度、予算化された事業を中断するなど前代未聞。しかし、イージス・アショアには、装備の悪さ、性能の古さなどが指摘され、「配備されたときには旧式化して、飛来する新型ミサイルを打ち落とせない」という状態だった。
 
 ブースター云々は理由付けだったが、ムダな予算が削減され、配備停止で約8000億円が浮くと、最新のミサイル防衛網を構築できるという。
 
 辺野古も同様で、10数年後の防衛体制がどうなっているのか、米国との安保体制がどうなっているかが予見できないなか、危険なマヨネーズの海に1兆円の米軍基地をこれから建設する必要があるとも思えない。

 

 しかも沖縄の民意を無視し続けて――。
 
 今、イージス・アショアに次ぐ“英断”が求められている。【🐕】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年9月24日配信「嫌いな奴はトコトン嫌い!――菅新首相がぶち上げる国際金融特区で小池都知事が提唱する『国際金融都市TOKYO』構想が一歩後退の巻!」<政治>

菅義偉・第99代総理大臣

 

 “女房役”から指導者へと変わった菅義偉新首相が手掛けるべきは、斬新な成長戦略を打ち出すことである。
 
「アベノミクス継承」を打ち出している以上、金融緩和と財政出動は変わらない。
 
 というか、コロナ禍で約30%もGDP(国内総生産)が落ち込んでいる状況では、その二つは継続させざるを得ない。
 
 新機軸は、もうひとつのアベノミクスである成長戦略で、安倍路線とは色合いの変わった菅経済路線=スガノミクスを打ち出すことである。
 
 既に、治水・国土強靱化、地銀再編、携帯電話料金値下げなど、具体的戦略を口にしており、7年8カ月もの間、官房長官として「霞が関」を支配、あらゆる政策に精通した強みを発揮している。
 
 そうしたなか、こうした既存戦略とは別に、安倍後継を伝えられるようになって、突如として浮上したのが国際金融特区構想だ。
 
「中国からの統制が強まり、香港から国際金融機関が脱出を図ろうとしています。国際金融特区は、日本をその受け皿にしようというもので、オフィスの拡充整備、移住者の税制面での優遇、外人居住区の確保、インターナショナルスクールの創設など、特区でなければ取り組めないものが多く、菅さんは7月頃から和泉洋人首相補佐官に命じて、検討させていました」(官邸詰め記者)
 
“菅らしさ”は、この特区を大阪並びに福岡で検討していること。8月末、数社のメディアインタビューで、菅氏は外資系金融機関の誘致強化を認めたうえで、「特区は、東京にはこだわらない」と、明言した。
 
 国際金融都市構想は、前回16年の都知事選で小池百合子女史が公約にしていたもの。当選直後から具体的取り組みに入り、「国際金融都市・東京のあり方懇談会」、「海外金融系企業の誘致促進等に関する検討会」と2つの有識者会議を設け、中曽宏・日本銀行前副総裁を「東京版・金融メイヤ−」に起用、19年4月に発足した官民合同プロモーション組織・「東京国際金融機構」の会長に就けた。
 
 つまり、万全の体制で臨んでいたわけだが、地方自治体の長では予算的、制度的な制約が多く、具体化には至っていない。
 
 そこを衝き、菅氏が一気に「特区」として国際金融都市をかっさらい、日本維新の会が主導権を握る大阪、総裁選でいち早く支持を明確にした麻生太郎財務相の地元・福岡を候補地としている。
 
 菅氏にとって小池氏は、自民党時代に安倍支持から石破支持に平気で乗り換えるような節操のない政治家であり、新型コロナウイルス対策では、政府を仮想敵にして、都民の支持を得て都知事選で大勝したパフォーマンス優先の政治家である。
 
 菅氏の側近議員が代弁する。
 
「菅さんは冷静なようでいて、人の好き嫌いが激しい政治家です。口先だけのパフォーマンスだけで人気を保つ小池都知事のような政治家が大嫌い。『顔を見るのもイヤだ』と、広言しています」
 
 確かに小池嫌いを隠さない。
 
 新型コロナ対策では、「コロナに負けず、経済を回す」という方針を貫き、反対の多かったGoToトラベル事業に踏み切った。
 
 そのうえで「ステイホーム。帰省は控えて」と、呼びかける小池都知事に応えて、東京離発着を除外。国際金融特区からの東京外しは、その延長線上にある。
 
 好き嫌いは仕方がない面はあるが、「国民のためになる政治」を謳う以上、それが政策にまで及んでは批判を浴びた安倍前首相の縁故主義、友だち厚遇主義の二の舞いになりかねない。

 

 新内閣の晴れの門出に水をかけるつもりはないが、”名君”ならば、以て「他山の石」とすべきであろう。【🐇】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年9月15日配信「菅新総理が就任早々に繰り出す『スガノミクス』で株価が下がった携帯大手3社に危機感!」<政治>


(☚wikipedia)

 

「安倍承継」を打ち出し、自民党新総裁になるのがほぼ確定した菅義偉官房長官が、総裁選出馬の意向が報じられて、すぐに反応したのが、大手携帯3社、「NTTドコモ」、「KDDI」、「ソフトバンク」の株価だった。
 
 8月31日、ドコモ(3%安)、KDDI(5%安)、ソフトバンク(3%安)の株価は、ともに下落。逆に菅氏と親しく、「第4の携帯」として割安プランで勝負する楽天株は3%上昇した。
 
 菅新総理の誕生で、携帯電話を所管する総務省は、「これから忙しくなる」と気を引き締め、携帯3社は「また安値指導が始まる」と、警戒感を露わにしている。
 
 その変化を市場は先取りしたわけだが、2日に立候補を宣言した菅氏は、携帯料金に関し、市場の反応を上回る発言を行った。
 
「国民の財産である公共の電波を提供されているにも関わらず、上位3社は市場の約9割の寡占状況を維持し、世界で最も高い料金で20%もの営業利益を上げている」
 
 菅氏が最初に携帯電話料金の高さを指摘したのは18年で、「4割程度、引き下げる余地がある」と、言明した。
 
 菅氏と通信行政の関りは深く、第一次安倍政権で総務相を務めた時から、「大手3社が料金を高止まりさせる構図」を批判、競争を促してきた。
 
 だが、3社はあの手この手で抵抗。官房長官として力を蓄えた菅氏が、「4割発言」を行った18年以降も、電気通信事業法の改正で「2年縛り」や「端末購入補助」が禁止されると、別のプランや奇策で対応、料金高止まりの環境を守ってきた。
 
 要は「大物」で「政権の女房役」ではあっても、安倍首相のような最高権力者ではなく、所管するわけでもない菅官房長官を軽視していた。
 
 だが、安倍承継内閣として、金融緩和と財政出動のアベノミクスは受け継ぐとしても、個々の経済戦略にはスガノミクスが色濃く反映される。
 
 2日の記者会見で、菅氏が必要な改革として挙げたのは、治水政策携帯電話料金の値下げだったが、それほど、この問題に対する思い入れは強い。
 
 そうなった時の菅氏は、記者会見での沈着冷静ぶりはウソのように攻撃的となり自分を通す。
 
 総務省で今も語り草となっているのは、ふるさと納税に反対した官僚を飛ばしたことだろう。
 
 菅氏はふるさと納税の生みの親。だが、総務省内には「高額所得者に有利で公正さを欠く」と、反対の意見もあり、なかでも法令上の規制を訴えたのが、自治税務局長を務めていた平嶋彰英氏だった。
 
 平嶋氏の言動が不満だった菅氏は、15年7月の異動で、平嶋氏を自治大学校長に飛ばし、逆に控除上限額の倍増に踏み切っている。
 
 哀れ、事務次官候補だった平嶋氏は、その後、総務省に戻ることなく退官した。
 
 GoToトラベルキャンペーンも同じだ。
 
 政府内にもメディアにも「時期尚早」と反対の声があったのに、「経済を回すべき」という菅氏の強い意思で前倒して実行。この時、「パフォーマンスばかりで実行しない」と、大嫌いな小池百合子知事の東京は、「都知事がステイホームというのなら不参加でも構わない」と、あっさり除外した。
 
 携帯電話料金については、「政府が民間事業にそこまで口を出すのか」という批判もあるが、頑固な菅氏は、9月12日に官房副長官補を長く務めた子飼いの古谷一之氏公正取引委員会委員長に据え、携帯3社相手に、独禁法を持ち出して斬り込むものと見られている。
 
 携帯電話料金の値下げは、スガノミクスの「覚悟と方向性」を占うものになりそうだ。【🐏】

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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