2020年5月16日配信<0510archives>「新型コロナ肺炎の世界的蔓延の元凶・中国が“健康シルクロード”の名で進める世界制覇」<政治>

 

 中国系メディアの“増長”が目に余る。
 
 国営新華社通信は、医療用マスクや防護服、人工呼吸器、治療薬などを世界各国に送っていることを理由に、「世界は中国に感謝すべきだ」という論陣を張り、中国共産党系メディアの「環境時報」は、「新型コロナ(ウイルス)が米国の世紀を終わらせた」と、断じた。
 
 湖北省武漢市で感染が沈静化した3月初旬以降、中国が世界120ヵ国に各種医療品を送っているのは確かであり、「マスク外交」と呼ばれている。

 しかし、そもそも新型コロナを世界に撒き散らし、世界的大流行にしたのは、中国ではなかったか。
 
 昨年12月8日、武漢市内で最初の新型コロナの肺炎患者が発症、市内海鮮市場で多くの感染患者が発生、警告した医師がいたにも関わらず、逆に拘束。年が明けた1月25日からの旧正月「春節」の前後に、多くの市民が国内外へ出かけ、コロナ感染を世界に拡げている。
 
 果たして中国が、新型コロナを完全に鎮圧したどうかは疑わしい。
 
「2次感染は必ずある。国境の閉鎖がいつまでも出来ない以上、感染者は入国、変異した強力な新型コロナとして新たに感染者を増やす可能性がある。今でさえ、感染者数や死亡者数のごまかし、無症状感染者の存在が指摘されているのに、今後も新型コロナが世界で拡散されるなか、中国だけが例外というわけにはいかない」(厚労省関係者)
 
 ウイルスの征圧には、国民の3分の2以上が感染して抗体を持つか、ワクチンや治療薬の完成を待つしかない。
 
 現在、中国では幾つもの抗コロナウイルス薬の治験を進めているが、効果が認められているのは抗インフルエンザ薬のファビピラビルだけ。それも感染初期の患者に効くという錠剤で、肺炎を起こした重症患者への効果は期待できない。
 
 だが、中国は、3月10日、習近平国家主席が武漢視察に出かけて以降、まず中国の国家戦略である一帯一路計画に基づき、先進国で唯一、加盟しているイタリアへのマスク外交を始め、医療チーム300人と30トン以上の医療資材を送り、医療崩壊したイタリアを支えた。
 
 習主席は、コンテ首相と電話で会談、「健康シルクロードに取り組んでいる」と、述べたという。
 
 中国資本が、海外で鉄道や港湾などのインフラを建設、中国と世界をつなぎ、共存共栄を目指すのが一帯一路計画だが、イタリアは独・仏などEUへの窓口となる重要拠点。北部などで港湾建設を進めているが、もともと中国人はイタリアが強みを持つ服飾産業の重要な担い手で、約30万人が移住している。
 
 イタリアが米国に次ぐ感染国となったのは、中国からの帰省客、観光客がウイルスをもたらしたからと目されているが、現時点ではコンテ首相も謝意を述べざるを得ない。
 
 他の国もそうだろう。
 
 中東や欧州各国、それに日本や韓国にも、品不足の医療用や不織布のマスクを中心に医療品が送られており、米国でさえ、ニューヨーク州のクオモ知事が人工呼吸器1000台の寄贈を受け、呼吸器不足で多くの命が失われているだけに、「われわれに大きな変化をもたらす」と、謝辞を口にした。
 
 だが、そうしたことが米国に代わって、中国が世界の主役になることを意味するものではない。
 
 一党独裁の強圧が、感染症を押さえ込んだのは事実だが、各国は世界的反緊縮の流れのなかで医療をないがしろにしたことを反省、中国を“世界の工場”にしたことで発生したマスクを始めとする物不足を悔やみ、グローバル化がもたらす怖さを改めて実感した。
 
 感染症を広めた中国が、マッチポンプ的に「健康シルクロード」を謳っても、同調する国はなく、謝意は面従腹背、もしくは表向きでしかなかろう。
 
 そのことを理解せずに公言する不遜さも中国の欠点だが、それが国内で指摘されることはない…。【🐎】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年4月16日配信<0510archives>「安倍政権の揺らぎを横目に権限を拡げてポストを獲得、焼け太りの検察と警察」<政治>

 
(wikipedia)


 

 長期政権は緩み、澱み、腐敗する!――憲政史上、最長となった安倍晋三政権も例外ではない。
 
「安倍一強」は、菅義偉官房長官、麻生太郎財務相、二階俊博官房長官などが一体となって支えていたが、「ポスト安倍」の筆頭候補に躍り出た菅氏を安倍首相が忌避、安倍=麻生、菅=二階の対立構図が出来上がった。
 
 その変化のなかで「菅バッシング」が続いている。
 
 文春砲3連発で叩かれた菅原一秀前経産相、河井克行前法相、和泉洋一首相補佐官はいずれも菅側近。安倍側近の今井尚哉首相補佐官らの仕掛けを疑う人は少なくない。
 
 が、安倍氏自身も無傷ではいられない。
 
 「桜を見る会」は、森友学園、加計学園の時と違い、安倍首相自らが招いた騒動であり、複数、出されている市民団体の告発状は、いずれも被告が「安倍晋三」である。
 
 河井克行・案里夫妻の容疑は、公職選挙法違反だが、案里議員に自民党本部が拠出したカネは、通常の10倍の1億5000万円。その厚遇の背景に、安倍氏の不遇時代、「過去の人」呼ばわりした案里氏の対立候補・溝手顕正前参院議員に対する安倍氏の怨念があったといわれており、それもまた「長期の驕り」が為せることだろう。
 
 既に凋落は始まっている。
 
 それでも政権崩壊の兆しが見えないのは、統一できず、追い込めない野党に救われているからだ。
 
 そうした政権のダッチロールを横目に、権益を拡大しているのが「安倍一強」の補完勢力として機能してきた検察・警察の捜査権力である。
 
 両者は、その見返りにポストを与えられ、権限を強化してきたのだが、政治の落ち込みに反比例するように勢いを増している。
 
 まず、「法務・検察」は明らかに復権した。
 
 2010年、証拠改竄が発覚、特捜部長らが逮捕された大阪地検事件がドン底だった。
 
 以降、「特捜改革」に踏み切り、録音・録画の可視化を義務付け、密室での自白を強要する捜査からの脱却を図り、その見返りに刑事訴訟法が改正され、「司法取引」「改正通信傍受法」を獲得した。
 
 被疑者に、罪の減免を条件に口を割らせる司法取引で立件が容易になるのはいうまでもなく、通話を専用の機器で傍受、メールのやり取りを解析できる通信傍受は、参考人・被疑者を丸裸にする手法で、捜査をやりやすくする。
 
 この「果実」を得るために、検察は“死んだふり”をして政権に尽くした。
 
 メディアで“腹黒川”と叩かれたのは、黒川弘務東京高検検事長。――法務省官房長、法務事務次官として「永田町の窓口」となり、甘利明元経産相の事務所が裏献金を受け取った疑惑などに蓋をした。
 
 今年2月、63歳の検事長定年を迎えて退任するが、特捜部が、17年ぶりの政治家逮捕に踏み切った背景には、菅氏との関係が特に深かった黒川氏の退任を目前に控えていたこともあっただろう。
 
 特捜部は、「政」の前に文科省官僚を収賄罪で立件、さらに著名経営者のカルロス・ゴーン被告を特別背任罪などで起訴。「政官財の監視役」として復活を遂げた。
 
 一方の「警察」もパワーアップしている。
 
 杉田和博官房副長官が、内閣人事局長として約700人の霞が関高級官僚人事を握り、滝澤裕昭内閣情報官が国内外の情報を分析して官邸に届け、危機に際しては沖田芳樹危機管理監が事に当たる。
 
 78歳の杉田氏を筆頭に4人とも警察官僚出身である。
 
 滝澤氏の前任者は、8年もの長きにわたり内閣情報官として内閣情報調査室を指揮した北村滋氏。安倍首相の信頼も厚く、外務省が「天領」としていた国家安全保障局長に就任。北村氏も警察OBだが、ほかに警察は、宮内庁と原子力規制庁の長官ポストも手に入れている。
 
 安倍政権に忠節を尽くす『官邸ポリス』は、匿名作家「幕蓮」の創作で、杉田、北村氏らがモデルであるのは読めばわかるが、汚れ仕事を厭わないOBと現役警察官僚の姿をリアルに伝えている。
 
 小説の中で「安倍本」の作者である元TBS記者の準強姦容疑での逮捕を未然に防いだ警察庁総括審議官が登場するが、モデルとなった中村格氏は今年1月16日付けで次期警察庁長官含みの警察庁次長に就いた。
 
「忠節の見返り」は、こうして用意されている。
 
 検察も警察も、それぞれの事情と思惑のなかで安倍政権を支え、一強政治に加担してきたが、今、安倍政権は長期化ゆえの綻びが目立つなか、双方の捜査機関は、捜査権や権益を拡大させた。
 
 その「焼け太り」が、国民生活や企業活動を圧迫することはないのか。――そんな監視の目が必要になりそうだ。【🐓】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年4月2日配信「コロナショックで理事が“敵前逃亡”!――国民の年金を運用するGPIFは大丈夫か?」<政治>

 

 

 世界最大級のファンドで、公的年金の運用を一手に引き受けている「年金積立金管理運用機構」(GPIF)が、コロナショックによる株価大暴落で大変なことになっている。
 
 世界的な株高と円安が寄与して、19年10〜12月期の運用資産の収益率は4・61%で、約169兆円に達した。
 
 それだけに20年に入ってからのコロナショックの落ち込みによる落差は大きく、株式だけで20兆円近い含み損を抱えたと見られる。
 
 天変地異や疫病によって市場が暴落するのは避けられないが、GPIFの場合には政治的、組織的な問題を抱えており、「不可抗力」で逃げることはできない。
 
 GPIFが株式運用に思い切ってシフトしたのは、14年1月、安倍晋三首相がダボス会議で「成長持続へGPIFを改革する」と、国際公約したのがきっかけだった。
 
 有識者会議が立ち上がり、「国債偏重から株式へシフトすべきだ」という結論が出され、同年10月、GPIFは基本ポートフォリオの見直しを決めた。
 
 それまでは、国債を中心とした国内債券に60%、外国債券に11%、国内株式に12%、外国株式に12%、短期資産に5%という比率だった。
 
 面白みはないが手堅く、「減らさない運用」である。
 
 それを国内株式25%、外国株式25%、国内債券35%、海外債券15%と変えた思い切った株式シフトである。
 
 この頃から、「日本銀行」が日本株ETF(上場投資信託)を買い増しており、日本の株式市場は日銀とGPIFが両輪となって株式市場を支える構図となった。
 
 それは、アベノミクスを支えることでもあり、そのためGPIF改革を進めたのは官邸である。
 
 本来、所管の厚生労働省が改革を推進すべきで、塩崎恭久厚労相(当時)はそう構想していたが、14年末、菅義偉官房長官が「GPIF改革について」というペーパーを塩崎大臣に渡したことで方向性は決まった。
 
 官邸推薦で英「コラ―キャピタル」のパートナーだった水野弘道氏が最高投資責任者(CIO)に就いた。
 
 同氏は世耕弘正官房副長官の友人で、その強い推薦もあった。
 
 水野CIOのもとで、新しいポートフォリオに沿った運用が行われることになったが、「コラ―キャピタル」は未公開株流通が専門で、その前職が「住友信託銀行」なので水野氏には巨大ファンド運営の経験がない。
 
 そこで、厚労省は16年3月、農林中金専務理事として運用を担当、「凄腕ファンドマネージャー」として知られる高橋則広氏を独断専行が目立つ水野氏の監視役として理事長に就けた。
 
 高橋―水野体制で運用は、総じて順調だった。
 
 18年10〜12月期の世界同時株安で大きく運用損を出したこともあったが、「トランプ相場」もあって世界が株高に向かい、前述のように、19年末は169兆円にまで運用資産を積み増していた。
 
 それが一気に逆転、20兆円の含み損がどこまで広がるかわからない。
 
 しかも、株価下落を債券でヘッジするというリスク管理が、近年、出来なくなっていた。
 
 それは水野CIOが自覚していたことで、19年8月、米年金基金で行った講演のなかで、「あらゆる資産で損失が発生、為替差損も被るなどして、株価の下落を債券でヘッジするという従来の方程式が使えなくなった」と、述べている。
 
 折も折、GPIFの資産運用の欠落が判明した最中に、高橋理事長の女性スキャンダルが発覚した。
 
 18年12月の日付が入った「デート写真」が流出、それがGPIFや厚労省に送り付けられて、19年10月、高橋理事長は減給6カ月の処分を受けた。
 
 任期が切れる20年3月末での退任が決定的となったが、そうしたスキャンダルの背後に「反高橋派」の工作があったとして、水野CIOと厚労省出向の三石博之理事が疑われ、3人の関係がギクシャクするようになり、結局、3月末での3理事全員の退任が決まった。
 
 投資の継続性を考えれば大問題だ。
 
 ポートフォリオ見直しを含むGPIF改革の時から、「アベノミクス支援の株高」という狙いがあったわけで、その思惑は邪だった。
 
 加えて理事たちはコンプライアンス上の問題を抱えていた。
 
 コロナショックは、図らずも国民の年金が置かれた“歪んだ状況”を伝えることになったが、我らが年金は大丈夫なのだろうか。【🐏】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2020年3月17日配信<0510archives>「談合=利権癒着で総工費が2兆5500億円に膨れ上がった辺野古新基地建設の醜悪」<政治>

 
辺野古岬(☚Wikipedia)

 

 

 県知事選、県民投票、沖縄衆院3区補選などで、ことごとく辺野古新基地建設反対の「民意」は示されているのに、昨年12月に始まった埋め立て工事は着々と進められている。
 
 これもまた「安倍1強」がもたらした強引な官邸主導によるものだが、工費が10倍に膨らんでいることへの批判が、まだまだ足りない。

 

 工費が膨らむ理由は、各種報道で暴かれており、『赤旗日曜版』(9月15日)は、埋め立てに使用する土砂の「官製談合」をスクープした。

 

 以下に経緯を辿ろう。
 
 信じられないことだが、政府は14年、計画段階での総工費を約2400億円と明かしただけで、以後、総工費を明らかにしていない。
 
 数字が大きくなれば、さらに反発が大きくなるためで、抗するように沖縄県は、約2兆5500億円という独自試算を公表した。
 
 7本で約78億円だった護岸工事の予定価格が、約12倍の約920億円となったことを受けてのもので、少し“乱暴”ではあるが、閉じれば強引にこじ開けるしかない。
 
 また、建設反対の「民意」の裏にある業界の「本音」が、談合という政官民の癒着を経て工費を膨らますという構図が明らかになってきた。
 
 現在、埋立用には「岩ズリ」という採石場などで出る砕石を使用しているのだが、単価は運搬費も含めて1平方メートル当たり1万1290円である。
 
 沖縄県の公共工事の資材単価表では、「岩ズリ」より良質な「雑石」で1平方メートル当たり4750円、国の出先機関の沖縄総合事務局で「岩ズリ」は3550円。つまり、辺野古の土砂は4倍近い高さである。
 
 この問題を今年1月、追及したのは『東京新聞』の「税を追う」取材班で、辺野古を含む一連のシリーズが評価され、7月に日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞を受賞した。
 
 「岩ズリ」の単価が高くなっているのには理由がある。
 
「原則として3社以上から見積もりを聴取する」という内規に反し、13社に「岩ズリ」の見積もりを頼んだところ回答があったのが1社だけ。単価を高くしたい業界の思惑に乗せられたわけである。
 
 この問題を『赤旗日曜版』が、さらに深掘りした。
 
 運賃込みで1万1290円という価格を、沖縄防衛局は入札前の18年1月25日、入札参加を希望するゼネコンに、「補足説明書」をFAXするという形で教えていた。
 
 入札前に単価を業者に伝えるのは、官製談合防止法に違反する恐れのある危険な行為。埋立工事は、5工区で18年2月8日に入札が実施され、大成・五洋・國場JV、安藤・間・大豊・大米JVなど本土と沖縄のゼネコンがJVを組んで受注した。
 
 総額は約240億円。埋立工事代金のうち岩ズリ関係費用が半分を占めるといわれているだけに、「官製談合」によってゼネコン各社はかなりの利益を手にしたことになる。
 
 また、1社だけ高値見積もりを提出したのは「琉球セメント」で、沖縄を代表する素材産業の同社は、自民党を中心に幅広い政治献金を行なっている。
 
 ここにあるのは、政官業の昔ながらの癒着構図である。
 
 埋立工事という今後、13年かけて実施される辺野古新基地建設工事の最初に、談合によって「みんなが食える体制」を確立した。
 
 「政」は公共工事を推進、「官」は高値見積もりを許し、「業」はカネと天下りで「政官」を支える!――絵に描いたような、三方一両得の“おいしいスキーム”である。
 
 実際、2兆5500億円に膨れ上がるかどうかは分からないが、「民意」が新基地建設に反対姿勢を示せば示すほど、思惑をひとつにする「政官業」の癒着は強まり、それが総工費を引き上げる。
 
 既に、まだ工事が始まっていない大浦湾側の海はマヨネーズ並みの軟弱地盤で、3年8カ月の地盤改良工事を予定しており、さらに埋立工事費用が嵩むのは必至である。
 

 いつ完成するのか、いくら掛かるのか、肝腎なことが分からぬままズルズルと!――辺野古新基地工事は、さながら”アリ地獄”の様相を呈しつつある。【酉】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年11月2日配信<0510archives>「企業保育でも活躍した学者政商・竹中平蔵氏に改めて問われる“罪”!」<政治>


貧乏エビス(Wikipedia)

 

「経済犯罪の巣窟」と指摘されていた企業保育の助成事業に東京地検特捜部のメスが入り、川崎大資被告らが逮捕・起訴された。
 
 改姓・改名前の塩田大介時代から「カネのためなら違法を問わず、使える人脈は何でも使う」といったタイプの人物だけに、「保育所落ちた、日本死ね!」のメールから始まったアベノミクスの目玉事業は、年間に1000億円以上も投じられながら、当初は児童育成協会の職員10数名が、申請書類をチェックするだけの大甘体制だっただけに、川崎被告にとっては格好の詐欺の舞台だった。
 
 事件化は制度を見直す良い機会となったが、この制度設計に政府の産業競争力会議(現・未来投資会議)が関わり、メンバ−の竹中平蔵氏が会長を務める「パソナ」が事業の中核を担ったことは、あまり指摘されていない。
 
 制度説明会は、16年度から全国で開催され、その多くを「パソナ」が受注した。
 
 また、「パソナ」は児童育成協会から委託を受け、保育所の指導・監督業務を行なっており、その委託料は6億9000万円(18年度)にのぼる。
 
 一方で子会社の「パソナフォスター」は、18カ所の企業主導型保育所を運営している。
 
 監督するものが運営する!――二律背反が批判されるのは当然だし、「なぜパソナなのか」と、問われた時、制度設計に竹中氏が関わったことが指摘されるのも当然だが、竹中氏はそれを臆面もなくやる人として“認知”されている。
 
「いかがなものか」ではあるが違法ではない。
 
「我田引水」をやるから竹中氏なのであり、だから「学者政商」と呼ばれる。
 
 公的インフラ運営の民営化についてもそうである。
 
 産業競争力会議で、空港6件、下水道6件、有料道路1件、水道6件などの民営化を数値目標として提案。その流れのなかで、18年、浜松市は全国で初めて下水道を民営化したが、それを請け負った「浜松ウォーターシンフォニー」には「オリックス」が出資。同社の社外取締役は竹中氏である。
 
 小泉純一郎内閣で金融相など主要閣僚を歴任。その勢いで、一度、参院議員となるが、小泉退陣に合わせて政界を引退、学究の道に戻って、慶応大学教授を経て、現在、東洋大学教授。その一方で産業競争力会議のほか「国家戦略特区」の政府委員を務めている。
 
 これは、特定の地区において規制を緩和、特定業者の参入を認めて支援する会議だが、ここでも「パソナ」「オリックス」が有利に特区参入を果たしている。
 
 まさしく「学者政商」の名に恥じない活躍ぶりだが、「いかがなものか!」で批判がとどまっていたのは、グローバリズムと新自由主義が、竹中氏の信念に基づくものであり、そこから導き出される「規制緩和と構造改革は、日本の成長に欠かせない」という認識が、国民にもあったからだ。
 
 それは、「自民党をぶっ壊す」と公言した小泉氏が、05年9月の郵政選挙の際、郵政民営化の「踏み絵」を踏ませ、反対の議員には「守旧派」のレッテルを張って刺客を送り込み、「既得権益を守ろうとする守旧派は日本のためにならない」と、国民に刷り込んだためでもある。
 
 しかし、今、竹中氏が推進した規制緩和と構造改革が、「成長どころか日本の不況を深刻にした」という批判が起きている。
 
「長引く不況は、平成とほぼ時期を同じくしてデフレが進行していたため」という認識が、経済界で共通のものとなっている。
 
 デフレは需要が不足して供給が過多の際に発生する。
 
 需要を増やすためには、正規雇用を増やして賃金を上げ、規制を強化して新規参入を阻み、料金の下落を防ぐなど、政府の権限を活用して供給サイドを絞り、需要を喚起すべきなのに、竹中路線は派遣の拡大やタクシーの規制緩和による料金と賃金の暴落など、デフレを進行させるものばかりだった、という批判である。
 
 自由競争は過当競争となって料金を引き下げる。参入障壁の撤廃は外資の乱入によって値引き競争となる。規制緩和は新規参入の業者を増やして過当競争を生む。――根っからの新自由主義者の竹中氏は、この混乱が、切磋琢磨となって日本の成長に繋がるという信念を持つのだが、デフレ下に行なわれたこうした施策は、ひとにぎりの成功者が総取りするという二極化を生み、大多数の国民の収入は上がらず、需要には繋がらないというデフレスパイラルを生んだ。
 
「学者政商」は、多くの国民を不幸にして“身内”を富ませているだけではないのか!――今やこうした批判が、“貧乏エビス”さながらの竹中氏に向けられているのだが、それに対する同氏の説得力ある回答は、未だない。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年10月23日配信「米トランプ大統領の“お墨付き”を得て、北朝鮮が次々に発射するミサイルへの対抗策は日本にあるのか?」<政治>

 

高価すぎる気休め?(Wikipedia)


 北朝鮮が、「飛翔体」という呼ぶミサイルを次々にぶっ放している。
 
 10月2日には、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を日本海に向けて撃ち、島根県隠岐諸島沖の排他的経済水域内に落下、安倍晋三首相は「国連決議違反であり、厳重に抗議して、強く非難する」と、記者団に語った。
 
 しかし、いくら抗議しても非難してもムダである。
 
 米・トランプ大統領は、米本土に届く中・長距離ミサイルの発射でなければ問題視しない考えを明らかにしているからである。
 
 その“お墨付き”を得て、金正恩・朝鮮労働党委員長は、国内向けには米国に屈しない姿勢を示し、日・米・韓にはミサイルというカードを有効に使うために、今後も発射を繰り返す。
 
 トランプ大統領のミーイズムがハッキリしている以上、「北の脅威」には自前でミサイル防衛を整えるしかないのだが、これがとてつもない“カネ食いシステム”で、しかも相手が精度を向上させる以上、永遠の未完成形で、そのうえ完全な防御はあり得ない、という厄介な“代物”である。
 
 日本のミサイル防衛は3段階。米国の早期警戒衛星によってミサイル発射の情報を得ており、兆候を掴んだ段階で陸海空のレーダー網で追尾、海上配備のイージス艦から海上配備型迎撃ミサイル「SM3」でまず迎撃、地上に近付けば地対空誘導弾パトリオットミサイル「PAC3」を発射する。
 
 だが、それだけでは弾道ミサイルの脅威に対応できないとして、現在、イージス・アショアの設置が決まり、予算化されている。
 
 ギリシャ神話の「女神・アテナが持つ、あらゆる邪気を祓う盾」を意味する「イージス」に陸上の盾の「イージス」を掛け合わせたイージス・アショアに対する期待は高かったが、その装備内容と予算が判明にするにつれ、批判が高まっている。 
 
 まず、レーダーシステムの脆弱さであるが、ロッキード・マーチン社製のLMSSRが選定され、それにアナログデータ用のベースライン9を組み合わせることになっている。
 
 専門家は等しく、「開発中で未知領域の多いLMSSRに、一世代前のソフト・ベースライン9の組み合わせはいかにも不自然。しかも、米海軍との互換性が考慮されていない。政治的な背景で決まったのではないか」(防衛省OB)と、指摘する。
 
 政治的とは、米海軍への装備品納入で最近、不調のロッキード社が、日本で巻き返し工作を行なったというもの。その真偽はともかく、コストが膨大になっている。
 
 当初、1基800億円(構想は秋田と山口の2基)から始まった取得費は、2基2474億円と膨らみ、30年間の維持・運営費を含めて4459億円と公表された。
 
 さらに、ミサイルの取得費、建屋の整備費などで数百億円、加えて開発案件なのでミサイル実験は日本の責任において行なわなければならず、それに1000億円超は確実で、最低でも6000億円、場合によっては1兆円近いと目されている。
 
 SM3、PAC3に、このイージス・アショアと、大枚を叩いたところで、完全防御にはまだ足りない。
 
「望ましいのは、迎撃対象を広範囲に設定する統合防空システム(IAMD)です。イージス・アショアでは対応できない弾道が低高度の新型ミサイル、巡航ミサイル、超音速滑空弾などへの対応も必要になります」(前出のOB)
 
 攻撃より防御の方が、当然、難しい。加えて、イージス艦やイージス・アショアのSM3だけでは足りないと、高高度迎撃ミサイルのTHAAD(サード)を導入したらどうか、という議論もある。
 
 ただ、それらをすべて揃えたとしても、同時多発のミサイル発射には到底、対応できず、何発かのミサイルは日本に到達。――つまり何兆円かけようと、ミサイル防衛は所詮、単なる“気休め”なのである。
 
 この現実を認めることなしに、いくら膨大な資金を注ぎ込もうと「北の脅威」には向き合えないのである。【酉】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年10月10日配信「米トランプ大統領の“お墨付き”を得て、北朝鮮が次々に発射するミサイルへの対抗策は日本にあるのか?」<政治>

 
高価すぎる気休め?(Wikipedia)


 北朝鮮が、「飛翔体」という呼ぶミサイルを次々にぶっ放している。
 
 10月2日には、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を日本海に向けて撃ち、島根県隠岐諸島沖の排他的経済水域内に落下、安倍晋三首相は「国連決議違反であり、厳重に抗議して、強く非難する」と、記者団に語った。
 
 しかし、いくら抗議しても非難してもムダである。
 
 米・トランプ大統領は、米本土に届く中・長距離ミサイルの発射でなければ問題視しない考えを明らかにしているからである。
 
 その“お墨付き”を得て、金正恩・朝鮮労働党委員長は、国内向けには米国に屈しない姿勢を示し、日・米・韓にはミサイルというカードを有効に使うために、今後も発射を繰り返す。
 
 トランプ大統領のミーイズムがハッキリしている以上、「北の脅威」には自前でミサイル防衛を整えるしかないのだが、これがとてつもない“カネ食いシステム”で、しかも相手が精度を向上させる以上、永遠の未完成形で、そのうえ完全な防御はあり得ない、という厄介な“代物”である。
 
 日本のミサイル防衛は3段階。米国の早期警戒衛星によってミサイル発射の情報を得ており、兆候を掴んだ段階で陸海空のレーダー網で追尾、海上配備のイージス艦から海上配備型迎撃ミサイル「SM3」でまず迎撃、地上に近付けば地対空誘導弾パトリオットミサイル「PAC3」を発射する。
 
 だが、それだけでは弾道ミサイルの脅威に対応できないとして、現在、イージス・アショアの設置が決まり、予算化されている。
 
 ギリシャ神話の「女神・アテナが持つ、あらゆる邪気を祓う盾」を意味する「イージス」に陸上の盾の「イージス」を掛け合わせたイージス・アショアに対する期待は高かったが、その装備内容と予算が判明にするにつれ、批判が高まっている。 
 
 まず、レーダーシステムの脆弱さであるが、ロッキード・マーチン社製のLMSSRが選定され、それにアナログデータ用のベースライン9を組み合わせることになっている。
 
 専門家は等しく、「開発中で未知領域の多いLMSSRに、一世代前のソフト・ベースライン9の組み合わせはいかにも不自然。しかも、米海軍との互換性が考慮されていない。政治的な背景で決まったのではないか」(防衛省OB)と、指摘する。
 
 政治的とは、米海軍への装備品納入で最近、不調のロッキード社が、日本で巻き返し工作を行なったというもの。その真偽はともかく、コストが膨大になっている。
 
 当初、1基800億円(構想は秋田と山口の2基)から始まった取得費は、2基2474億円と膨らみ、30年間の維持・運営費を含めて4459億円と公表された。
 
 さらに、ミサイルの取得費、建屋の整備費などで数百億円、加えて開発案件なのでミサイル実験は日本の責任において行なわなければならず、それに1000億円超は確実で、最低でも6000億円、場合によっては1兆円近いと目されている。
 
 SM3、PAC3に、このイージス・アショアと、大枚を叩いたところで、完全防御にはまだ足りない。
 
「望ましいのは、迎撃対象を広範囲に設定する統合防空システム(IAMD)です。イージス・アショアでは対応できない弾道が低高度の新型ミサイル、巡航ミサイル、超音速滑空弾などへの対応も必要になります」(前出のOB)
 
 攻撃より防御の方が、当然、難しい。加えて、イージス艦やイージス・アショアのSM3だけでは足りないと、高高度迎撃ミサイルのTHAAD(サード)を導入したらどうか、という議論もある。
 
 ただ、それらをすべて揃えたとしても、同時多発のミサイル発射には到底、対応できず、何発かのミサイルは日本に到達。――つまり何兆円かけようと、ミサイル防衛は所詮、単なる“気休め”なのである。
 
 この現実を認めることなく、いくら膨大な資金を注ぎ込もうと単なる無駄遣い、「北の脅威」には向き合えないであろう。【酉】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年8月30日配信「白紙から一転、誘致!――安倍=菅ラインを取り込んだカジノ利権の正体を“ハマのドン”が暴露」<政治>


 命懸けの89歳!

 

 林文子横浜市長が表明した「山下埠頭へのカジノ誘致」は、反対派が「だまし討ち」と批判、抗議活動を活発化させ、「ハマのドン」と呼ばれる藤木幸夫・横浜港運協会会長が記者会見を開いて、「死んでも阻止する」と訴えるなど、前途多難の船出となった。
 
 これまでの経緯を振り返れば無理もない。
 
 石原慎太郎、猪瀬直樹と続いた2人の元東京知事が「お台場カジノ」を推進していたのに、スキャンダルで失脚した舛添要一前都知事の後を受けた小池百合子都知事は、「東京オリンピックを控えてそれどころじゃない」と、完全に腰を引き、お台場は遠のいた。
 
 そこで色気を見せたのが横浜市で、林市長は2期目の14年には、カジノを含む統合型リゾート(IR)を検討するプロジェクトをスタートさせて以降、着々と準備を進めてきた。
 
 だが、17年7月の市長選では、「カジノ反対派」が多数を占める市民感情を考えて白紙撤回。「ハマのドン」も、当初は推進派だったが、「カジノ依存症問題を抱えているし、観光都市ヨコハマに相応しくない」と、反対派に回ったために、林氏の方針を支持した。
 
 ところが統一地方選、参院選を終えた8月22日、突如、カジノ誘致を発表。経済効果は年間6300億円〜1兆円、IRの訪問者数は年2000万〜4000万人、市への増収効果は年820〜1200億円と試算した。
 
 菅義偉官房長官を横浜市議となる前の議員秘書時代から知り、二階俊博・自民党幹事長など中央政界にも知己の多い藤木氏は、記者会見で「カジノ誘致」の裏を明かし、横浜港の港湾業者などで構成する横浜港ハーバーリゾート協会が公表した「カジノなしの山下埠頭再開発」を訴えた。
 
 カジノ誘致の裏とは何か。
 
 藤木氏は固有名詞こそ明かさなかったものの、林市長に次のような圧力があったことを示唆した。
 
 圧倒的なパワーを持つ米国のトランプ政権が、安倍晋三首相に首都圏でのカジノ推進を迫り、その意を受けた菅官房長官が、自らの選挙区である横浜でのカジノ誘致を“子飼い”といっていい存在の林市長に迫り、それを林市長は受けた――。
 
 そうした背景を証明するように、米カジノ運営大手の「ラスベガス・サンズ」が、林市長の発表に合わせて「大阪でのIRは追求せず、東京と横浜での開発機会に注力する」と、発表した。
 
 同社のシェルドン・アデルソン会長は、14年2月の初来日で、「日本に1兆円を投じる」と公言した人物で、同時に、トランプ大統領の最大級の支援者である。
 
 大統領選では、2000万ドル、就任式では500万ドルを寄付。日本円にすれば25億円を超えているわけで、日米の献金システムの違いとはいえ、これでトランプ大統領がアデルソン氏に配慮しない方がおかしい。
 
 事実、17年2月の公式訪米では、安倍首相とアデルソン氏らカジノ業者との朝食会をセッティングしたという。
 
 藤木氏は、「港湾業者が山下埠頭から追い出され、そこに外資がやってきてどうなるか。収益の7割を海外に持って行かれるだけじゃないか。山下埠頭を植民地にしていいのか」とも訴えた。
 
 実際、カジノで潤うのは運営会社。だからサンズだけでなく、「MGMリゾーツ」、「ウィン・リゾーツ」、「メルコリゾーツ」、「ゲンティン・シンガポール」など有力業者はこぞって日本への進出を目論んでいる。
 
 アデルソン氏ではないが、要するに1兆円投下してもカジノは儲かるのである。
 
 横浜カジノでサンズの攻勢が明らかになったその日、MGMは「大阪でのIR実現に全力を尽くす」と、発表した。
 
 横浜より一足早く大阪市は夢洲への誘致を行なっているが、ここでリードしているのはMGMと目されており、サンズが去って、MGMがさらに浮上した格好で、MGMと組んでいる「オリックス」の株価が急騰した。
 
 カジノで潤うのは誰か。――「ハマのドン」の反乱は、図らずもカジノ利権にうごめく日米の権力構図を浮き彫りにしたと言えよう。【巳】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年7月13日配信「公約はすべての弱者救済!――異色の候補者10人を擁立した山本太郎代表率いる『れいわ新選組』が台風の目に!」<政治>

 
台風の目!(☚wikipedia)

 

 

 21日投開票で行なわれる第25回参院選が、マスメディアの支持率調査や当落予想が活発になってきた。
 
 ただ、2000万円不足の年金問題などはあるものの、総じて与野党間の争点に乏しく、支持率は横這い、「自公優位」の情勢分析に変わりはない。
 
 そうしたなか、日本政治の方向性を占う”羅針盤”のような役割を果たすのが、山本太郎参院議員が率いる「れいわ新選組」が、何人の当選者を出すかである。
 
 「永田町の色もの」を自称、牛歩戦術など議会でのパフォーマンスが目立つ山本議員だが、「政治家としての伸びが著しい」というのが、政界ウォッチャーの共通した見方だ。
 
 「初当選の頃の訴えは反原発一本。ところが、れいわ新選組の立ち上げと、それに伴う消費税廃止を柱とする公約の熟度、3億円の寄付で10人の候補者を立てるという戦術、公約のバラ撒き批判をものともしない会話術、核心を衝く演説力は党首に相応しいものがあります」(政治部ベテラン記者)
 
 公約の「八つの緊急政策」は、1、消費税の廃止、2、最低賃金1500円、3、奨学金徳政令、4、公務員増員、5、第一次産業戸別所得補償、6、「トンデモ法」の一括見直し、7、辺野古新基地建設中止、8、原発即時禁止、である。
 
 公約は一見、「財源はどうする」のひとことで相手にされないような政策ばかりだが、反緊縮財政を基本とする山本氏の考えは、「不足財源は国債で!」というものだ。

 

 それは、最近、取り上げられることの多いMMT(近代貨幣理論)に依拠する発想で、インフレ率が一定の上限(例えば2%)に達するまで、財政赤字を認めるのである。
 
 山本氏自身は、財政に通じているわけではなく、MMTを完全に理解しているわけでもない。
 
 が、世界各国が、この間、行なってきたグローバル化、新自由経済主義のなかでの緊縮財政が、それだけ人々を痛めつけたかは知っており、そこからの脱却がなにより大切なことで、「財源」は二の次。「イザとなれば、富裕層や大企業から取ればいい」という考えが根底にある。
 
 それは、ひとり山本氏だけではない。
 
 反緊縮は世界的な潮流で、米・サンダース、英・コービン両氏などがその流れで、「左派ポピュリズム」ともいわれる。
 
 英のEU離脱や仏の黄色いベスト運動もその流れとして語られるのだが、新自由主義経済がもたらしたのは、二極化による大半の国民の窮乏だった。
 
 国家はその痛みに対し、「国に頼らなくて済むように、活力ある企業を育て、人を呼び込み、国力の増強を図る」と、我慢を呼びかけ、福祉や教育、公共投資などを削減してきた。

 

 が、富むのは資本家と多国籍企業ばかりで、彼らはグルーバル化のなか、国籍も居住地も納税地も選べ、国家への還元を意識しないのに、国民は窮乏を強いられたうえに、消費税を上げられ、年金をカットされ、「収奪される存在でしかない」ことに気づき始めた。
 
 それが、世界的に勢いを増す「左派ポピュリズムの正体」である。
 
 日本の分裂野党は、財政再建の呪縛から逃れられず、せいぜい「消費税の凍結」であり、自民党と同じ土俵で戦っている。
 
 もうひとつ世界的潮流のなかでは「右派ポピュリズム」もあって、広く捉えれば米トランプ政権もそれにあたるが、もっと狭義の移民排斥の極右政党を含め、日本では自民党がその受け皿となっており、ネット右翼や在日特権を許さない市民の会(在特会)も安倍政権を支持する。
 
 そういう意味で「れいわ新選組」は、世界経済の流れが生み出した貧困層、落ちこぼれ、年金生活者といった弱者に目を向け、その救済を第一義とする初めての政党である。
 
 その共感が、現時点で2億5000万円を超える寄付につながったのである。
 
 候補者は山本代表を含め10名。自身は、当選が確実な東京選挙区から立たず、代わりに自民党の補完勢力となった公明党の姿勢に異を唱える沖縄創価学会の幹部を擁立、そのうえ難病患者の2名を比例代表の特定枠(党が当選を優先)に入れるなど、文字通りの背水の陣。ここでもポピュリズム批判はあるが、それを含めて「すべての弱者救済」が山本氏の視点だ。
 
 支持政党なしが5割近い現状で、国家に疎外されていると閉塞感を持つ国民は少なくなく、その「受け皿」となった時、「れいわ新選組」は予想以上の当選者を出すかも知れない。【卯】

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年5月23日配信「ポスト安倍に急浮上した菅官房長官は、やはりナンバー2がお似合い⁉」<政治>

 
(Wikipedia)

 

 「安倍一強」を支えるシステムのひとつが、内閣人事局であることを疑う人はいない。

 「面従腹背」が「座右の銘」だと言った前川喜平・元文部科学省事務次官は、文科省放逐後も特異なキャラクターで生き残っているものの、前川氏が官房長時代に右腕だった佐野太、川端和明の両名は、文科省事件を引き起こして逮捕され、現在、被告人の身である。

 内閣人事局の今の局長は、元警察官僚の杉田和博・官房副長官。――内閣人事局は、人事で官僚を抑え込むだけでなく、官邸ベッタリとなった検察を動かすことができることを、文科省事件で証明、「霞が関」は震撼した。

 その内閣人事局を支配する内閣官房を牛耳っているのが、菅義偉官房長官である。

 「安倍一強」を支える「首相の女房役」は、行政機構と捜査権力に影響力を行使している。

 その女房役が、「ポスト安倍」の最右翼に浮上した。

 5月9〜12日の日程で訪米し、安倍首相を支える大物政治家であるとともに、次期首相候補でもあるということで歓待を行けた。

 ペンス副大統領、ポンペオ国務長官、シャナハン国防長官代行などと会談、「異例の厚遇を受けた(日本経済新聞・5月1日)」と、マスメディアは好意的に報じた。

 だが、国民的な人気があるとは言い難い。

 政治に関心がない、つまりは一般的な国民にとって菅氏は、「新元号の令和発表の際、額を掲げていた政治家」であり、ネットでは「令和おじさん」と呼ぶ。

 官房長官として記者会見を捌き、「ソツがなく、失言もせず、安定感がある」と、評されているものの、その手堅さは「面白みの無さ」でもあり、身にまとう暗くどんよりとした空気は、指導者のものではない。

 集団就職で秋田県から上京、段ボール工場で働きながら法政大学で学び、小此木彦三郎元代議士の秘書を経て横浜市議に。地方政治家として政治のノウハウを学び、国政に打って出て代議士となり、梶山静六、加藤紘一、麻生太郎、安倍晋三と、派閥にとらわれることなく担ぐ政治家を変え、“出世”してきた。

 苦労人で能吏であるのは間違いないが、その苦労が「顔」に出てしまうタイプ。また、したたかに政治の海を遊泳しながら出世してきた人だけに、しがらみが多く、その付き合いが「陰の部分」となって印象を暗くする。

 その典型が、港湾業者の「藤木企業」を率い、“ハマのドン”と呼ばれる藤木幸夫氏との関係だろう。

 藤木氏は、師の小此木氏の親族であり、市議時代からの有力スポンサー。16年の段階では、カジノを含むIR(統合型リゾート)積極派だった藤木氏が、翌年には「カジノ反対」に回って、IR推進派の菅氏は面目を失うが、藤木氏には文句も言えず、横浜カジノは急速に萎んでいる。

 「売り物」の官邸主導にしても、自ら乗り出しての工作は失敗続き。典型が馬毛島だろう。

 防衛省と地権者の立石勲・タストンエアポート代表との関係がこじれにこじれ、暗礁に乗り上げた時、官邸が乗り出した。

 具体的には、菅官房長官の指示で和泉洋人・首相秘書官が動き、昨年10月、タストン社の代表を立石氏から息子に代え、その“見返り”に110〜140億円の売値を160億円に引き上げ、今年1月、仮契約を結んだ。

 ところが、立石氏は株主権を利用して社長に復帰、国に「絶縁状」を叩き付けて、新たなスポンサー探しに入っている。

 この間、捜査権力を使った脅しもかけたが、86歳の強欲で頑固一徹の立石氏には蟷螂之斧。菅氏の完全な読み違いである。

 官邸に集中する権力の担い手として、「ポスト安倍」に急浮上した菅氏だが、官房長官の職権利用以外にさしたる政治力はない。

 また、良くいえば地味、悪くいえば華のカケラもない暗い70歳を迎えた苦労人を、国際政治のひな壇に並べたいと思う国民は少なく、「ポスト安倍」は、あくまで永田町の政治力学のなかで生まれた徒花的観測であろう。【巳】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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