2018年4月7日配信<0510archives>「『もんじゅ廃炉』で文科省が権益を失う一方で、経産省は『核燃料サイクル堅持』で焼け太り!」<政治>

 

(☚もんじゅwikipedia)

 

 

 1兆円もの国費を注ぎ込みながら、94年の初臨界(原子炉内での継続した核分裂連鎖反応)以降、200余日しか稼働せず、「原子力政策失敗の象徴」と言われた福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が、避けられなくなった。

 青森県六ケ所村の再処理工場で使用済核燃料を溶かしてプルトニウムを取り出し、それを燃料として「もんじゅ」で使用、原子力発電を行うことは、ウラン資源問題と核廃棄物問題の双方を解決する手段にもなることから、大きな期待を集めてきた。

 ところが、冷却に使うナトリウムの取り扱いの難しさから本格稼働には至らず、発電できないどころか稼働さえままならず、黙っていても年間200億円もかかる「無用の長物」と化していた。

 実用化されれば「夢の原子炉」であるのに違いはなく、監督官庁の文科省は将来性をアピールし続けたが、再稼働には5800億円を要するという試算も明らかになり、政府は廃炉を決断した。

 この決断に対し、文科省は最後まで抵抗した。

 原子力規制委員会が、昨年11月、文科省傘下の「日本原子力研究開発機構」に代わって運営する組織を、半年をめどに見つけるよう、当時の馳浩文科相に勧告を突きつけた。

 「研究炉は文科省、実用炉は経産省」という“縄張り”のなかで権益を失いたくない文科省は、専門家会議を開いて「受け皿」を探す“フリ”はしたもののポーズだけ。実際は、今年5月、「御用学者たち」に玉虫色の「中間報告」を出させてお茶を濁し、継続を図ろうとしたが、「それならば廃炉しかない」という結論に至った。

 今後は、研究開発は継続するものの、「日本原子力研究開発機構」が持つ小型実験炉「常陽」やフランスの実験炉参画など、“細々”としたものに限られる。

 本来、「もんじゅ」は核燃料サイクルを担う中核施設であり、ここがなくなるということは、プルトニウムを取り出す再処理工場を含むサイクル全体の見直しにつながるハズだ。

 巨費を投じながら完成していないのは、再処理工場も同じである。

 こちらを所管するのは経産省。安倍政権への"影響力"が強いことで知られる経産省は、官邸だけでなく電力業界などへの根回しも怠らなかった。

 「もんじゅ廃炉」が話題となっていた9月16日、「電気事業者連合会」の勝野哲会長(中部電力会長)は、記者会見で「(『もんじゅ』がなくても)核燃料サイクルは成り立つ」と延べており、業界側からサポートした。

 核燃料サイクルは「もんじゅ」だけではない。

 もうひとつの柱がプルサーマル発電で、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を普通の原発で使う事によって、サイクルは堅持できるという理屈である。

 官邸と経産省には、もうひとつ狙いがある。

 日米原子力協定の延長である。

 この協定は、非核保有国の日本だけに使用済核燃料を再利用する核燃料サイクルを認めたもので、1988年に発効し、30年後の2018年7月に期限切れとなる。

 既得権益確保には、「もんじゅ」は廃炉でもMOX燃料使用のプルサーマル発電は続けなければならない。

 原発再稼働を含め、事故があり、廃炉費用が問題となり、核燃料サイクルの前提が崩れても、経産省はフロントエンドの発電も、バックエンドの廃棄物最終処分に至る過程も、強く握り続けて離さない。

 そこには「トイレのないマンション」と揶揄されて久しい廃棄物最終処理が今も決まらない国民の不安への配慮はなく、あるのは省益堅持の満足感だけ。――「もんじゅ廃炉」の裏でほくそ笑む官僚がいることを忘れてはいけない。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年10月7日配信「豊洲市場と東京五輪を中断、国政に歩を進める『小池流改革大作戦』の功罪」<政治>

 
小池百合子東京都知事
(☚wikipedia)


 「情報公開を徹底し、しがらみ政治から脱却する」――設立された希望の党の代表に就任した小池百合子東京都知事は、開口一番、こう強調した。

 側近の若狭勝衆院議員も「25年の検事生活で痛感したのは、しがらみなき政治の必要性」と、訴えている。

 希望の党のキーワードは、「しがらみ」であり、それが日本の改革を妨げている以上、そこからの脱却を標榜するのは当然である。

 同時に、切るに切れないのがしがらみであり、その因習ともいえる連続性や、関係を保持することによる居心地の良さを放棄するのは大変だ。

 “ジャンヌ・ダルク百合子”は、そこに果敢に挑戦した。

 豊洲と五輪の中断は、しがらみだらけの密室政治で行われてきたことをオープンにするための作業であり、一旦、リセットした。

 その決断と、長きにわたり“都議会のドン”として君臨した内田茂前都議に代表される都議会自民党を敵に仕立て上げる戦略のうまさで、自らの手兵となる都民ファーストの会を都議選で大勝させた。

 だが、しがらみは断たれていない。

 自民党と公明党という保守勢力が、東京都の官僚やゼネコンなどの業界と、戦後、一貫して築き上げてきた政・官・業の癒着のシステムが、知事ひとりの力で簡単に変えられるわけはない。

 小池代表が5年、10年と知事を続け、都の官僚を完全に従わせ、都が主導する競争を前提とした入札などのシステムを、業界側が無理なく受け入れて初めて「しがらみなき政治」は完成するのだが、それまでは、副作用の方が大きい。

 小池代表が都知事になって取り組んだのは、「豊洲市場と東京五輪の見直し」である。

 その結果、豊洲では「盛り土問題」、五輪施設では「無駄な歳出」が判明して、移転と工事は中断。「決定の不透明さ」は明らかにされたが、かえって費用は膨らみ、スケジュールは遅延している。

 それを如実に表すのが、豊洲土壌汚染対策の追加工事である。

 豊洲が入札不調となって焦った東京都は、業界に参考意見を聞く形で、14年2月に再入札。青果棟を「鹿島JV」が約259億円で、水産仲卸売場棟を「清水・大林JV」が約436億円で、水産卸売場棟を「大成JV」が約339億円で夫々、落札した。

 スーパーゼネコン4社による「予定調和の世界」である。

 この3棟に「盛り土」がなされておらず、散々、批判を浴びた東京都は、地下空間の床にもコンクリートを敷くことになり、9月19日、「地下ピット床面追加対策工事」の入札を行った。

 だが、いずれも1社しか応札せず、不調となった。

 「小池改革」によって入札制度は変わり、6月から競争相手のない1社入札は認められなくなったからである。

 再公告に向けた発注条件などの見直しはこれからだが、来年6月までに完成させるというスケジュールは遅延する可能性が濃厚である。

 不調原因についてゼネコン幹部はこう説明する。

 「追加工事は、全てを知り臨機応変に対応するためにも最初に施工した業者が請け負うのが当たり前です。だから他の業者は手を上げないのです。見積もりなどするだけムダ。それをダメと言っていたのでは、話は前に進みません」

 これが公共工事の"現実"である。

 このシステムを維持するために、スーパーゼネコン4社は7人から9人の都の官僚を天下りで受け入れ、自民党都議を「票とカネ」で支え、都の官僚は仕事で業者と政治家に配慮、政治家は口利きで業者を、予算と人事で官僚を遇してきた。

 しがらみはこの"システム"のなかで生まれ、過去に都政を支配したこともある旧民主党も壊せなかったのである。

 容易には壊せない"壁"にぶつかって結局、小池氏は退歩した。

 五輪は会場などの施設見直しをぶち上げながら、ほとんど当初の計画のままに終わり、築地移転では「豊洲を活かし、築地を守る」という玉虫色のキャッチフレーズにより、コストは逆に大幅に増加した。

 しがらみは「日本型システム」の根幹を成している。

 脱却は、言うのはやさしいが実行に移すとなると困難なうえにコスト高となることは否めない。

 それを承知で「都民」は都民ファーストの会を選択したわけだが、都政をステップボードに、希望の党を率いて国政に軸足を移す小池代表を「国民」は、どう評価するのか。

 

 「選別させてもらう」――折しも、言わずもがなのひと言で"合体"するはずの民進党が"分裂"、同党のリベラル派とされる枝野幸男代表代行らを中心に立憲民主党が発足した。

 

 寄り合い所帯の民進党だけに、ある意味、当然の結果とはいえ、「小池代表の強引な手法が強調されたことで、これまで無敵だった"百合子パワー"に翳りが生じた」(全国紙政治部記者)のは明らかで、さらに都民ファーストの会の立ち上げ人である音喜多駿、上田令子都議が離党を表明、希望の党の足許に"亀裂"が生じ始めた。

 

 騎虎の勢いで東京都議会を制圧、余生を駆って国政に挑戦!――10月10日告示、22日投開票!――都議選のような"風"が吹くのか、それとも…?――衆院選で問われるのは「小池流ポピュリズム」の是非である。【戌】

 

 

 

 

 

 

 


2017年9月20日配信「『北の脅威』の封印が解かれて明るみに出た電磁パルス弾、GPS破壊装置など『北の最新鋭兵器』の本当の実力」<政治>

 

 

 北朝鮮が、第6回の核実験を強行、先週末にも大陸間弾道ミサイルの発射実験を繰り返すなど、挑発行為を続けるなか、「北の脅威」が本気で語られ始めた。

 北朝鮮が保有する電磁パルス弾GPS(全地球測位システム)破壊装置などで、電力と通信網を破壊、GPS搭載兵器の効力を失わせる最新兵器群である。

 電磁パルス弾は、最高400キロメートル程度までの高高度で核爆発させ、それによって生じる電磁パルスによって、人や建物を破壊するのではなく、電気、通信、交通インフラを破壊するものである。

 落雷で電子機器が壊れるのと同じ原理だが、すべてのインフラが電気と電子機器によって成り立っているのを考えれば、都市機能は失われ、国民の生存が脅かされる。

 電波攪乱機能が100キロメートルに達するというGPS破壊装置の威力も凄まじい。

 軍用も民間もGPS搭載が一般化、その測位システムを利用してミサイルは飛び、民間航空機は自動運転ができる。

 北朝鮮の持つGPS破壊装置は、そのGPSを攪乱するもので、兵器システムは破壊され、民間機は航空不能になる。

 この兵器の脅威を知る米軍は、今年の米韓合同演習の重大テーマをGPS破壊装置対策とし、発信源を探し出し、迅速に攻撃を加えて破壊する訓練を行った。

 では、北朝鮮は急速にミサイルの性能を向上させ、核開発を推進、都市機能や兵器システムを破壊する最新鋭兵器を持つに至ったのか。

 金正恩朝鮮労働党委員長が、国民生活を犠牲にして核やミサイル、兵器開発に血道をあげたのは事実だが、いきなり「兵器大国」になるわけではない。

 核搭載ミサイルの開発も原爆も水爆も着々と成果を上げ、それを知る日米韓の軍事関係者は、一様に苛立ち、怖れを感じていた。

 ただ、日本の場合は反北朝鮮の感情と、「北朝鮮優位の報道は、北を利することになる」という官邸やマスコミ上層部の思惑によって、封印されてきた。

 北朝鮮への渡航歴10回を超える軍事評論家が苦笑混じりに言う。

 「日本のマスコミは、北は貧しく、人々は疲弊していて、自由はなく表情も暗い、といったマイナスイメージの報道しか認めないが、生活が豊かになり、携帯電話の普及が進み、軍事的にも一流の装置、武器、システムを備えつつある、という“現実”は、伝えようとしなかった

 確かに、日本のマスコミには、北朝鮮とそれを支える中国、ロシアといった国家と違って、「報道の自由」はある。

 だが、「報道しない自由」もあって、伝えたくない現実は報道しない。

 北朝鮮がしだいに豊かになり、全精力を核ミサイルや先端兵器に注ぎ込んだために、少なくとも軍事面では大国化しているという事実は、官邸にとっても報道機関にとっても、「伝えたくない事実」だった。

 事実が伝わらなかったという意味で、これまでの北朝鮮報道は、今風に言えば「フェイクニュース」だったことになる。

 実は、社会インフラを崩壊させる電磁パルス弾、ミサイルや交通システムや航空機を機能させなくなるGPS破壊装置については、5年以上前からその存在が指摘され、脅威が伝えられてきた。

 2011年6月、CIAで核兵器の専門家だったピーター・フライ博士が米マスコミのインタビューに応じ、「北朝鮮は既に電磁パルス弾の開発に成功、電気を止め、電子機器を破壊、社会インフラを壊滅させ、人を殺傷するよりはるかに威力のある攻撃ができる」と、語っている。

 北朝鮮という国家への不安や金委員長の狂気への嫌悪は別にして、既に北朝鮮は、小野寺五典・防衛相が認めたように「核保有国」であり、国家システムを破壊させかねない兵器を持つ国である。

 安倍首相は、事ある度に「断固たる制裁、圧力を加えなければならない」と口にするばかりだが、政府やマスコミは、今後は、その現実を国民に正確に伝えたうえで、対処方法を論議する必要があろう。【午】

 

 

 

 

 

 

 


2017年9月15日配信「異例の3期目に突入した森信親金融庁長官のもとで検査局が廃止!ーー人気ドラマ『半沢直樹』の黒崎検査官不在で銀行劣化が加速⁉」<政治>

森信親金融庁長官


 銀行の経営状態、なかでも融資先の経営状況を厳しくチェック、厳格な資産査定を銀行に迫ってきた金融庁検査局が廃止される。

 この7月、異例の3期目の長期政権に突入した森信親金融庁長官の方針だ。

 “金融処分庁”から“金融育成庁”へ――。

 森長官の意向は明白で、これまでにも「地銀再編」を強圧的とも取れる言葉で主導するなど、育成にシフトさせてきており、4期目はさすがにないだけに、森長官が最終年度を迎えて仕上げにかかったといえる。

 ただ、「検査」より「育成」が、今、求められているものなのか。――異論は少なくない。

 第一に、地銀問題である。

 17年3月期決算で、全106行のうち5割を超える地銀が本業で赤字となっており、「地銀危機」が本格化している。

 経営が悪化すれば、資産査定を甘くするなどして問題を先送り、それが破綻の傷を大きくすることは、バブル経済崩壊後の金融パニックが証明している。

 それを防ぐために設置された検査局を廃止するタイミングが今なのだろうか。

 第二に、新銀行問題である。

 ビジネスモデルが確立していない新銀行で進行している機関銀行化に対するチェック機能を、「育成」の観点で失っていいのか。

 「セブン銀行」、「イオン銀行」、「楽天銀行」などは、それぞれに“持ち味”を出しているものの、「母体のための銀行」になってしまう危険性は排除できない。

 金融検査の度に指摘される機関銀行化を修正しないうちに検査が甘くなれば、その傾向をますます強めるのは間違いない。

 地銀の危機は深刻である。

 なによりビジネスモデルを失っている。

 超低金利下で貸出環境が悪化、利ざやは年々低下している。

 全国地方銀行協会によると、加盟64行が17年3月期に融資で得られた利ざやの平均は0.28%で、業務を維持できる数字ではない。

 金融庁は、求められる対応策として、‖捷圓箸侶弍津合、地元有力企業の支援強化、フィンテックなど金融新技術への対応、などをあげる。

 いずれももっともで、地銀経営陣は頭ではわかっていても、「地元経済の担い手」という地位への固執、担保主義へのこだわりがあって、切り替えは容易ではない。

 森長官は「資本余力がある今のうちに」とせっついたが、腰が重く、“ゆで蛙”状態だ。

 あげく、力を入れているのが、地方都市にも及ぶ地価高騰を映した不動産融資やアパート経営に対する融資、そして批判が高まっている銀行カードローンである。

 不動産は東京五輪ブームの後のバブル崩壊が懸念され、銀行カードローンの規制は目前に迫っており、いずれも地銀の限界を示している。

 そうしたなか検査局が廃止されればどうなるのか。

 「不良債権の隠しと飛ばし」を否定できる金融関係者はいない。

 新銀行も同様である。

 金融庁は、今年6月から「楽天信託」の金融検査を行った。

 「楽天」は、14年9月、「トランスバリュー信託」を買収したが、そこで行われているのが、信託受益権売買だった。

 「楽天カード」が持つ顧客向け債権を楽天信託に譲渡して信託受益権を購入し、信託銀行が斡旋する投資家に売却して資金を調達。その受益権の売却先が「楽天銀行」だった。

 つまりは「楽天カード」、「楽天信託」、「楽天銀行」による楽天会員の囲い込みであり、「楽天のための銀行」という姿を金融庁が問題視するのも当然だ。

 この機関銀行化は、「イオン銀行」でも指摘されているが、企業グループが金融機関を設立すれば「グループへの貢献」を求めるのは当然のこと。規制緩和の一環で銀行のハードルを下げて新銀行を設立しやすくしたのだから、そのチェックはより厳しくなるのが金融当局の取るべき道だろう。

 それに、「処分」より「育成」というが、役人が事業に関与すれば、ロクなことにならないのは、官製ファンドを使って東芝などに行政介入する経済産業省が証明している。

 悲願の「金融庁から金融省」への格上げのための布石と見るムキもあるが、TVドラマ『半沢直樹』に登場した片岡愛之助が演じたゲイの金融検査官・黒崎駿一がいなくなれば「いつか来た道」を辿ることになるかもしれない。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年9月12日配信<0510archives>「安倍首相の“威光”を背景に狼藉を尽くしてきた経産官僚の“大罪”!」<政治>

 経済産業省(☚wikiedia)


 

 「内閣府が、安倍(晋三)首相に配慮、加計学園の獣医学部新設を認めたように言われるのは心外です。強引に進めたのは経産省出身の藤原(豊・前審議官)で、独断専行が過ぎるから経産省に引き取ってもらおう、という声があったほどでした」

 こう不満を口にするのは内閣府の幹部である。

「 官邸の意向を忖度して加計を特別扱いにした」と、批判される内閣府だが、それは地方創生事務局審議官として国家戦略特区を担当していた藤原氏の独走だというのである。

 確かに、加計学園の獣医学部新設を巡る文部科学省の内部文書では「官邸の最高レベルが言っている」と、藤原氏の虎の威を借りる発言が示されていた。

 藤原氏は、安倍首相が最も頼りにする経産省出身の今井尚哉首相秘書官の側近。内閣府ではなく経産省の方を見て仕事をしており、問題発覚後の7月5日、人事異動で経産省に戻った。

 経産省は、安倍首相を公私ともに支え続けてきた。

 安倍首相にプライベートな会食も含めて、最も多く付き従っているのは今井秘書官であり、昭恵夫人を「内閣総理大臣夫人付き」という“奇妙”な役職名で支えたのは経産省準キャリアの谷査恵子氏だった。

 経済事案では、「国益」を振りかざして口を挟まずにはいられない。

 東芝再建は、「東芝メモリ」の売却で債務超過状態を解消するしかないのだが、それに注文をつけているのが経産官僚で、「東芝の半導体技術は、軍事も含む日本のセキュリティー全般に関わること。外資やアジア系企業への安易な売却は避けたい」と、政府や財界に根回し、それが結果的に売却を遅らせている。

 その先頭に立っているのが安藤久佳・前商務情報政策局長。菅義偉・官房長官のお気に入りの安藤氏は、7月5日付けで中小企業庁長官に“出世”したが、局長時代の最後の大仕事が東芝メモリの売却で、経産省の「別働隊」と言われる「産業革新機構」を使い、日本の有力企業を回って「オールニッポンによる買収」を画策したり、米大手ファンドの「コールバーク・クラビス・ロバーツ」、あるいは半導体大手の「ブロードコム」など、次々に組む相手を変え、「経産省が机上の計画で遊んでいる」と、批判された。

 そもそも「東芝」が原発事業に力をいれ、破綻原因となった米原子力大手「ウェスチングハウス」の買収に走ったのは、経産省の「原子力ルネサンス」と称した原発推進政策に乗ったからだ。

 その推進役のひとりが今井秘書官で、東芝経営陣の責任は免れないにせよ、翻弄し続けた経産官僚は罪深い。

 そもそも、私企業になぜそこまで経産省は介入するのか。

 城山三郎の『官僚たちの夏』は、高度経済成長時代で終わっているにもかかわらず、「自分たちは未だに偉い」と思っている経産官僚の自己満足でしかない。

 そうでなければ、無駄な仕事の積み重ねである。

 アニメや日本食を海外に売り込む官民ファンドの「クールジャパン機構」では、役員らが派遣社員の女性らにセクハラ行為をしたとして告発されており、その改善などを訴えて労働組合が結成された。

 懇親会の2次会で「クジパーティー」と称し、「手作りプレゼント券」「専務とデートする券」などが用意されていた。

 女性たちは「シャレ」だと思っていたら専務らは本気。デートの強要をしていたというのだから不良少年レベルのとんでもない連中である。

 経産省のホームページでは、「クールジャパン機構」の仕事として、「米国における長崎県発『日本茶カフェ』事業への出資」などが紹介されているが、そんなものを「官」が行う意味がなく、必要のない仕事だから出向官僚らがセクハラに励む。

 要は、安倍首相の“信任”を武器に、大企業の再生案件から腰掛け事業のお遊び案件まで、やりたい放題なのが経産官僚であり、代償として安倍首相のお友達に“配慮”するなど、なんでもないことだ。

 ところが3期9年、続くと思っていたら安倍首相がコケた。

 国民が、「お友達内閣」の“異常”に気付いたためだが、それは首相と経産官僚の“精神病の範疇”の「共依存」によって成り立っていただけに、解消を迫られるのも当然のことであろう。【午】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年7月4日配信「下村博文・自民党都連会長は偽計業務妨害で、平慶翔・新都議は公選法違反でそれぞれ告訴!――戦い済んで本格化するバトルの行方⁉」<政治>

 

 

 

 予想を遥かに上回る55義席!――安倍晋三政権の今後を占う東京都議選は、小池百合子都知事の人気を改めて証明、都民ファーストの会の大勝利に終わった。

 

 都民ファーストの会は、清新さは感じられるものの政界での実績がない新都議が大半である。

 小池都知事への「共感と資質」だけで当選しただけに政治力は未知数だが、話題性に富む都議が多く、なかでも注目を集めているのが、板橋区選出の平慶翔氏(29)だ。

 同氏の「売り」は、先頃結婚した女優・平愛梨の弟でサッカー選手・長友佑都氏の義弟であることだが、まったくの素人というわけではなく、大学卒業後、下村博文・前文部科学相の秘書を3年半、務めている。

 下村氏は、現在、自民党都連の会長。都議選で先頭に立って戦っただけに、元秘書の都民ファーストからの出馬は“裏切り”である。

 が、それ以上に許せないのは、事務所のデジタルデータを持ち出し、『週刊文春』に売った?ことだ。

 正確には、その「疑い」だが、下村氏は『加計学園からの闇献金200万円』と、同誌が発売された6月29日、急遽、記者会見を開き、青筋立てて平氏の仕業と“特定”した。

 会見場で配布したのが、上掲の平成28年8月10日付の「上申書」である。

 署名欄に「平慶翔」とあり、都議候補である平氏の選挙妨害になるのを承知で名前を消さなかった。

 そればかりか下村氏は、「署名が本物であることを示すために」と、平氏の「退職届」を添付、サインが本物であることを強調した。

 「怒り心頭」であるのはわかるが、明らかにやり過ぎである。

 第一にデジタルデータを持ち出したのが平氏であることは、その時点では証明できていないし、平氏は否定している。

 第二に、29日は投票日の3日前で明らかな選挙妨害である。

 配布されたマスコミは、そのまま記事化することはなかったが、都民ファーストの会は「公職選挙法違反の選挙妨害で訴える」と、息巻いている。

 とはいえ、平氏も厳しい。

 「上申書」は、かかる事態を想定したかのように、「ノートパソコンを隠したことにより貴事務所の業務を妨害したことを認め謝罪」しているだけに、デジタルデータ持ち出しの証拠になろう。

 また、上申書には、平氏の人間性を疑わせる数々の行為も羅列されている。

 「平成28年7月頃、貴事務所から○×購入代金を立て替えたと偽り、○○円を詐取したと認め謝罪」している。

 同様の文章が4つ並んでいるので、いろんな名目で事務所の資金を横領したことを認めており、金額は記されていないものの、警察に告訴されれば刑事事件化は確実で、立候補することはできなかった。

 つまり、下村氏としては、横領した秘書を温情で見逃したのに、感謝するどころか噛みついてきたのだから「絶対に許せない!」と、キレた。

 また、下村氏は「週刊誌が入手した入金リストや日報が、デジタルデータで漏えいしていたことが判明したので、真相究明のために偽計業務妨害などの刑事事件としての告訴を検討」と、記者会見で述べた。

 要するに、かつての「師弟の泥仕合」だが、双方のバトルは、都民、国民にとっては望ましい面もある。

 森友学園、加計学園と続いた騒動は、「安倍1強」の歪みをさらした。

 人事権を握られた官僚たちは官邸におもねり、安倍首相の心を忖度して森友学園に国有地を安く払い下げ、加計学園の獣医学部新設を認めた。

 下村氏は安倍氏の最側近であるとともに、有力な「文教族のドン」だが、会見では「200万円の献金は、11人の個人と法人から集めたカネを加計学園の山中一郎・秘書室長が預かって持ってきただけだから『闇献金』ではない」と、国民を舐めきったようなふざけた説明をして恥じなかった。

 

 刑事事件化が、こうした下村氏の体質を浮き彫りにし、その罪を問うことができれば、平氏の刑事告訴を恐れない告発は、十分に意義があったことになるのだが、自民党惨敗の責任問題と共に、今後どんな展開になるのか。目が離せない。【子】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年4月4日配信「籠池泰典・森友学園理事長が松井一郎・大阪府知事に対して抱く怒りの真因」<政治>


 
♪そんなの関係ない、そんなの関係ない♪(☚wikipedia)

 

 

 保守系団体「日本会議」の古くからのメンバーで、森友学園・籠池泰典理事長を知る人たちのなかには、窮地に立った籠池氏が民進党や共産党に“助け”を求め、安倍晋三政権攻撃に回っていることに、怒りを抱く人が少なくない。

 「籠池氏のこれまでの言動から外れるのはもちろん、森友学園で園児やその父兄などに説いてきたこととは、真逆なことをやっている。安倍晋三記念小学校を作ろうとした人が、どうして政権攻撃をし、共産党と手を組めるんだ!」(右翼団体活動家)

 「愛憎紙一重」――愛情の裏返しで憎しみが増しているという見方はできるし、野党に頼らざるを得ないほど追い詰められている、と好意的に解釈することは可能だろう。
 
 ただ、籠池氏に近ければ近い人ほど、その行動パターンが「読める」というのだ。

 「善悪や思想よりも、損得勘定で体が反応する人。いいと思ったら、後先考えずに突っ走ってしまう。今回、官邸にも大阪府にも見放されて、野党やメディアを味方に付ける作戦に出た。それしかないと思ったからだが、安倍首相に対する恨みはない。今でも彼は、『安倍政権を揺るがしたくない』といっている」(籠池氏の知人)

 矛盾しているが、「しつこい人」と安倍首相に公言され、昭恵夫人からは「祈ります」という“誠意”のないメールしかこないのだから、「安倍夫妻批判も仕方がない」という心境なのだろう。

 確かに、籠池氏に対しては近々にも「国策捜査」の対象にされることが確実視されているが、これだけ国民の関心事になってくると、「安倍夫妻を告発したから逮捕した」という見方をされるのは確実で、捜査当局も慎重な対応を迫られている。

 このように籠池氏は、安倍首相には微妙な感情を持っているのに対し、松井一郎・大阪府知事に対しては恨み骨髄である。
  
 国会喚問で「許せない政治家は誰か」と、煽られて「大阪府知事です」と、2度、繰り返した。

 松井府知事がいうように、籠池氏は「会ってもいない人」である。

 国会議員や府会議員を通じて働きかけはしたものの、あくまで間接的であって、普通ならそこまで怒りを燃やせない。

 しかし、松井府知事に対する怒りは本物である。

 何故か――。

 理由は、3月に入ってから急展開した小学校認可を巡る動きと、それを乗り越えようとして失敗した籠池氏の軌跡に隠されている。

 既に明らかにされているように森友学園の資金は潤沢ではなかった。

 だから国有地を安く払い下げてもらおうと画策、建設費は寄付で賄おうとし、双方、安倍晋三の名前を使った。

 それだけに、問題発覚後、大阪府が態度を硬化させ、今年4月の開校を不認可にしそうになった時、籠池氏は焦った。

 開校できなければ、資金繰りを含めてすべてが行き詰まる。

 3月9日、大阪府私学課の現地調査に合わせ、初めて報道陣の前に現れて、「風評被害でこの学校を潰してはならない」と、持論を展開したのは、瑕疵はすべて説明できるから、認可問題は乗り越えられる、と判断したからである。

 ところが、府の私学課は「職員の写真を(夫人が)ガラケーでバシャバシャ撮った」というささいな理由で、検査せずに帰ってしまった。

 この時、籠池氏は「大阪府が森友学園を潰しにきたことを察知した」(森友学園関係者)という。

 「今のままでは潰されるし刑事告発されて逮捕される、と思った籠池さんは、大阪府の意向に従おうと思った。そこで北浜法律事務所に所属する顧問弁護士のS弁護士に相談、恭順の意を示す作戦に出た。翌10日、認可申請を撤回、理事長辞任を表明したのはそのためです」(同)

 ところが、独断で行ったこの行為が失敗であることを、籠池氏周辺は指摘、籠池氏もそれに気付くが、後の祭りである。

 「認可を申請したままなら、たとえ不認可でも国や府を相手に戦うことができた。金融機関からの融資も継続、開校を前提に工事は進み、校舎は完成していたでしょう。ところが、申請を下ろした段階で勝負はついた。待ち構えているのは、校舎を解体して国への土地の返却、工事費の追加支払い、補助金返還などだが、そんな資金はなく、籠池氏を待ち構えているのは破産。そして、告発を受けての刑事事件化による逮捕です」(同)

 その国や大阪府との窓口となっていたS弁護士は、「10日ほど身を隠していろ、という財務官僚の伝言を籠池氏にした覚えはない」という文書をマスコミに送りつけて、そそくさと退任。融和の可能性を失った籠池氏は、やむなく野党とマスコミを味方にする作戦に出たのである。

 

 籠池氏とすれば、最初に小学校認可の道筋を付け、夢を見させてくれたのも、掌返しで不認可にしようとしたのも、「維新の松井」であり、恭順の意を示したのに、それに応えないどころか刑事告発で追い込もうとしているのも「維新の松井」である。

 当の松井知事は、「私は関係ない」「証人喚問にも応じる」「安倍首相は忖度を認めれば良い」と、強気のコメントを連発するが、籠池氏が「どうしても許せないのは松井府知事だ!」と、咆哮するのも無理からぬことかもしれない。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年3月24日配信「無邪気すぎる安倍昭恵・首相夫人という『最強の私人』が撒き散らす"厄災"!?」<政治>

安倍昭恵・総理夫人
(☚森友学園HP)


 「私の名前が役に立つなら、使っていただいていいのよ」

 これが安倍晋三首相夫人・昭恵さんの口癖である。
 

 驚かされるのは、森友学園問題で国会が紛糾、自身の名誉校長就任が夫の安倍首相を窮地に陥れている最中にも、せっせと各種会合に出席、そう述べていることである。

 そして、安倍首相もそんな昭恵夫人の言動を“放置”している。

 逆に、昭恵夫人の言動が取り沙汰されると、彼女を諫めるどころか、「妻は私人ですよ!」と、激高する。

 夫妻ともに、ガバナンスとは何かが分かっておらず、こんな人が日本のリーダーであり、トップレディであることに失望した人は少なくない。

 昭恵夫人が、法的な意味で私人であるのは間違いない。

 だが、その活動に政府職員が同行することも含め、「みなし公人」であり、各界に忖度させるという意味で、「最強の私人」でもある。

 今回、国交省の役人も大阪府の職員も、会議録、交渉記録の類を廃棄したと、事実上の証拠の隠滅?を証言しているので、国有地の格安払い下げや小学校認可で、口利きの証拠を示すものがなく、役人への責任追及は甘くならざるを得ない。

 ただ、間違いないのは、国も府も役人たちが名誉校長に昭恵夫人が就いている小学校の認可や土地払い下げに関し、その後ろにいる安倍首相の「存在」を意識していたことだ。

 その「忖度」が、許認可を歪め、補助金や助成金、寄付につながったことを事件と捉えるなら、名誉村長、名誉顧問など「名誉」のついた肩書きを数十も持ち、“空き時間”のほとんどを本人が正しいと信じる社会貢献活動に投じている状況を考えると、どれほど怪しい忖度を生んだかわからない。

 「全国高校生未来会議」は、斎木陽平という24歳の青年が仕掛けているイベントだが、これを全面的にバックアップしているのが昭恵夫人で、各省に直接、電話して推奨、文科省と総務省の後援を受け、イベントには内閣総理大臣賞などが授与されている。

 斎木氏は山口県出身の安倍家の遠縁に該たり、昭恵夫人はこの肩入れを批判されても、「私が信用のために使えるのだったら、使ってもらっていいと思っている」(『週刊新潮』3月23日号でもコメント)と、意に介さない。

 昭恵夫人のホームページには、農業・福祉・教育・原発・災害復興などでの様々な活動が紹介されており、数十に及ぶ肩書きも無理はなく、本人も全てを理解していなくても、いいと思う活動を支援する。

 問題は、そのいいと思う「判断基準」だが、スピリチュアル界の有名人である故・江本勝氏の影響が大きい。

 物質欲を受け入れず、高い精神性を持つものに傾倒、だから農業は有機農業であり、絆を大切にする農村の価値観を重んじ、反原発・反防潮堤・医療用大麻の解禁に理解を示す。

 そこに、思想の一貫性はなく、保守でもなくリベラルでもない。

 だから教育勅語を読み上げて礼儀正しい「森友学園」の園児に感動して名誉校長を引き受ける、戦前回帰の日本会議的発想はないのだが、妻として夫を支えるのは当然という価値観を持つ。

 「家庭内野党」と呼ばれ、安倍政権批判の中和剤になっているものの、思想性ではなく精神性に基づくものだけに安倍首相との間に亀裂はなく、天衣無縫の振る舞いが、むしろ政権を支えてきた。

 安倍首相の保守も、碓たる保守思想に基づくものというより、祖父・岸信介元首相の憲法改正を受け継ぎ、戦後レジームからの脱却を図るのが最大の目的で、保守思想での改革を目指しているわけではない。

 だから、男尊女卑の「日本会議」の発想からすれば、ありえない奔放な昭恵夫人の言動を許すし、夫人は夫人で「森友学園」の籠池理事長夫人に、騒動真っ最中の3月8日に奇妙なメールを送るようなことをするのだが、安倍首相はそれを咎めることもなく、「妻は人を簡単には切らない」と、意味不明の発言で庇う。

 昭恵夫人は、そんな首相の庇護のもと、様々に活動し、「最強の私人」として各界の忖度を受けるのである。

 それが「森友学園事件」を生んだのだから、詳細にチェックすれば、幾つもの事件が転がっているに相違なく、それが「安倍一強政治」のもうひとつの「歪み」であろう。【酉】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年3月8日配信「石原元都知事が記者会見で名指しして非難した前川燿男練馬区長の語られざる履歴」<政治>

 
前川燿男練馬区長(区役所HP)


 石原慎太郎元都知事が、3月3日に行った豊洲移転に関する記者会見は、責任逃れに終始して都民に不満を残した。

 それが、3月20日の百条委員会での証人喚問で解消するとは思えないが、一点、「私が喋れば困る人が出てくる」と語っていた「困る人」のひとりが、前川燿男練馬区長である?ことを明かしたのは"収穫"である。

 既に、「東京ガス」に天下った前川氏の利益相反疑惑については、これまでも指摘されていたものの、当時の最高責任者が名指しした意味は大きく、前川氏を表に引きずり出せば、豊洲移転を含む東京都の「利権構図」まで明らかになる。

 前川練馬区長とはどんな人物か。

 71年、東大法学部を卒業後、都庁に入庁したエリートで、石原都知事時代の2000年、福祉局長に取り立てられ、02年、事務方トップの知事本部長、04年には知事本部が知事本局となって局長に就いた。

 石原氏が、「(瑕疵担保責任を免除するという)実際の契約を結んだ人物が、いきなり『東京ガス」の執行役員になった」と、前川氏を批判したのを受けて、前川氏は、すぐに練馬区庁で会見を開き、「部下の責任にするとは言語道断。それに契約書が結ばれたのは、私が退職して6〜7年も経っている。いい加減にして欲しい」と、怒りを顕にした。

 だが、土壌汚染対策に関する話し合いと合意は、前川知事本部長印が押された02年の「豊洲地区整備に係わる合意」、前川知事本局長印が押された05年の「豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書」のなかでなされただけに、たとえ「瑕疵担保責任」という文言はなくとも、前川氏が現役時代に作った流れに沿うものであるのは明白だ。

 ましてかつての上司である前川氏が、東京ガス執行役員として在職していれば、後輩の都庁幹部に契約の際、配慮と遠慮が生じるのは当然だろう。

 前川氏の前に石原氏が豊洲移転を一任していた元副知事・浜渦武生氏は、「前川関与」を次のように明言している。

 「『東京ガス』がきれいにしてから売買するということを決めていたのに、なぜそこをやらせずに都が汚染対策費まで出したのか。(中略)私が(副知事を)辞めた後、知事本局がしっかり詰めていくことになっていた」(『サンデー毎日』17年3月5日号)

 護岸工事を東京都、汚染対策を「東京ガス」がやることになっていたのに、後任の知事本局、つまりは前川氏が「東京ガス」に譲歩した、と言いたいのである。

 忘れてはならないのは、石原氏の信任を受けていた浜渦氏が、この頃、「都議会のドン」の立場を確立しつつあった内田茂都議や、内田氏と組む都庁幹部と深刻な対立関係にあったことだ。

 この時、浜渦氏が標的にしたのが前川氏で、同氏が福祉局長時代に開校した都社会福祉学院に問題ありとして、浜渦氏は旧民主党都議に「やらせ質問」を依頼。それが暴露されて百条委員会が立ち上がり、05年5月、浜渦氏は副知事退任を余儀なくされた。

 つまり前川氏は、事務方のトップでありながら、石原氏の右腕である浜渦氏と敵対関係にあった。もちろん、一官僚が立ち向かうには敵が大き過ぎる。

 そこで頼ったのが内田都議であり、内田氏と組んで「反石原」を鮮明にしていたフィクサーの山田慶一氏である。

 当時、山田氏の事務所には「反石原」の官僚や官僚OBが出入り、そのなかには前川氏のかつての上司の石川雅已千代田区長もいた。

 前川氏は、いかに山田氏とドップリだったのか。

 それを示すのが、中央区銀座の山田事務所内に設立された「大都市政策研究センター」で、前川氏は「東京ガス」在職中にこの会社の代表に就任、「東京ガス」を退職後、練馬区長選に立候補するまで役員を継続していた。

 浜渦氏に怨念を抱く前川氏が豊洲移転の後任となった。

 その路線をキチンと踏襲したのか、それとも新たな「自分の路線」を敷いたのか。少なくとも「東京ガス」に天下りをした事実から推測されるのは、東京ガス」に何らかの約束事をしたという疑念?である。

 浜渦氏は先のインタビュー記事で、「今は喚問前なので言えないが、喚問では『本当の戦犯』を名指しする」と、語っている。

 自らを放逐した百条委員会から12年の歳月が流れた。

 来る3月19日――今度は浜渦氏が"怨念"を晴らす番である。【戌】

 

 

 

 

 

 

 


2017年2月21日配信「何を今さら!――豊洲移転を実現した浜渦武生元副知事の言い分」<政治>

 
築地市場は永遠?(☚wikipedia)


 なぜ土壌汚染が顕著な豊洲に生鮮喰品を扱う築地を移転させたのか――。

 環境基準を大幅に上回る有害物質が検出されたことで豊洲市場問題は、原点に返ることになった。

 東京都が、老朽化した築地の整備を決めたのは、6代前の鈴木俊一知事時代に遡る。

 当初は現地建て替えだったが、次の青島幸男都政の95年頃から豊洲移転の話が出始め、01年12月、石原慎太郎知事時代に豊洲移転が決まり、土地所有者の「東京ガス」との合意書も結ばれた。

 「なぜ豊洲だったのか?」を探るには、20年以上も前の記憶と記録を掘り起こさねばならず、作業は容易ではない。

 しかし、小池百合子知事は石原元知事の責任を問う住民訴訟で石原氏の責任に言及する方針を固め、都議会は全会一致で石原氏の参考人招致を決めた。

 その際、キーマンと目されるのは石原氏の側近で、担当副知事として「東京ガス」との交渉をまとめた浜渦武生氏である。

 「なんで私の責任になるのか。前任の(福永正通)副知事が何度、交渉してもうまくいかなかったのを、私がまとめただけ。合意事項は、都が護岸工事を、『東京ガス』が土壌改良をすることで、双方、実施した。『東ガス』の改良工事は、当時の環境基準をクリアするもので、何の問題もなかった」

 浜渦氏は、出演したテレビ番組などで、憮然とした表情でこう語った。

 剛腕で鳴らした人だけに、強気で抗弁すると、司会者はタジタジだった。

 ただ、当時の「東京ガス」の幹部によれば、「売却にウンといわなかったのはウチの方で、それを浜渦さんは口説き落とした。『苦労してまとめたのに、今になって』という彼の気持ちも分かる」と、理解を示す。

 そのうえ、豊洲移転を推進したのは、青島時代の東京都の都議会実力者と都の港湾局幹部であり、99年に初当選した石原氏の側近として浜渦氏は交渉を引き継いだだけである。

 しかも皮肉なことに、移転推進派はその後、東京都利権を巡って浜渦氏と鋭く対立する内田茂都議であり、石川雅已千代田区長であり、知事本局長の後、練馬区長となる前川燿男氏だった。

 当時、「東京ガス」の会長は安西邦夫氏。インフラを担う公営企業ながら、同社は「法王」と呼ばれた安西浩氏が長年に渡って支配、その次男の邦夫氏が社長、会長を歴任したことから私物化批判が絶えなかった。

 それでも浩氏の弟の正夫氏が昭和電工会長を務め、その長男・孝之氏が美智子皇后の妹と結婚するなど閨閥は華麗な広がりを見せ、安西家に表立って反対するものはいない。

 浜渦氏は、そこを巧みに利用した。

 浩氏の長女・和子さんは佐藤栄作元首相の次男・信二氏と結婚していた。信二氏は栄作氏の後を継いで政治家となり、旧通産相を経験していた。

 浜渦氏は石原ルートで信二氏に接触、監督官庁の通産省から「公営企業が無駄な資産を持つのはいかがなものか。必要なければ処分して、ガス料金を値下げすべき」と、圧力をかけさせ、売却への道筋をつけたのだった。

 浜渦氏とすれば、青島時代からの懸案を片付けたという思いがある。

 しかも、石原氏が知事になった時、自民党は野党であり、なかでも内田氏はことごとく敵対、副知事への就任に反対したし、05年には浜渦氏が「やらせ質問」を行わせたとして、百条委員会を設置、浜渦氏を都庁から追い出した張本人である。

 石川、前川の両氏は、都の官僚時代から内田氏に可愛がられていた。

 浜渦氏としては、自分の“功績”を横取りして豊洲移転を利権化したのは内田氏らという思いがあり、だからインタビューなどでは「私の後任の悪い奴らが企んだ」と、語っている。

 

 「悪い奴ら」が誰を指すかをいうまでもなく、今は、千代田区内の利権を巡って内田氏と袂を分かった石川氏が、「敵の敵は味方」という論法で小池知事が持ち上げていることが、片腹痛いに違いない。【丑】

 

 

 

 

 



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