2017年2月7日配信「小池都知事に擦り寄る都議会各派の節操の無さと八方美人化する塾長に対する『希望の塾』塾生の不安と不満!」<政治>

女策士(☚wikiedia)


 小池百合子都知事の人気が衰えないなか、7月に行われる都議選の前哨戦である、2月5日投開票の千代田区長選で現職の石川雅巳氏(75)が1万6371票を獲得、他の2候補に予想以上の大差をつけて当選した。

 対立構図を作り出して、敵を明確にするのが得意な小池氏は、5選に挑んだ石川雅已氏を「百合子カラー」の緑に包んで清新なイメージを打ち出し、対立する与謝野馨元財務相の甥の信候補(41)を、そのバックのドン・内田茂都議が抱え持つ"黒いイメージ"に追いやる作戦が見事に功を奏した。

 「敵(内田)の敵(石川)は味方」という戦略だが、4期16年、千代田区長を務めた石川氏は、トップダウンで区政を推進する大物区長であり、ドン・内田を敵にしつつも自民都議・区議団を巧みに操る策士である。

 昨年は、区議に経費として支給される政務活動費の月額15万円のうちの10万円を議員報酬に上乗せする案を検討。「政務活 動費の支出先を厳格にしようという全国的な流れに逆行するもの」と批判され、最終的に石川区長は議案を提出しなかったが、この"付け替え"は、「区長による議会対策」と、指摘された。

 小池知事は、そうした「策士を抱え込む策士」であり、所属する政党を転々としながらも、閣僚を2回、経験するなど政界遊泳術の巧さはダテではない。

 今、都議会各派は、この人気と実力を兼ね備えた小池氏に、みっともないほどの"擦り寄り"を見せている。

 小池新党である「都民ファーストの会」は、現在のところ「旧かがやけTokyo」の3名を抱えるのみだが、夏の都議選に向けて30〜40人規模の都議選候補擁立を検討。都議会は定数127で42の選挙区なので、場合によっては全選挙区から公認候補が立つことになるわけで、現職都議の心中は穏やかではない。

 「昨年の知事選結果を42の選挙区に当てはめると、全選挙区で小池知事が最多得票だった。それが新党票だとすれば、一人区を含めて全員当選。他党の都議は、激戦を強いられる」(都議会関係者)

 そこで各党は、小池知事の懐の深さ、計算高さを頼りに"工作"を図っている。

 常に与党であろうとする「公明党」は早々と自公連携を解消。「民進党」は蓮舫代表が「(小池知事と)目指すところは同じ」と、秋波を送り、一枚岩のハズの「自民党」からも3人が別会派を立ち上げ、「親小池」を鮮明にした。

 本来なら、都議会自民党は"敵前逃亡"の彼らを除名すべきなのに、「新風自民党」という会派を認めて党籍も自民党のまま。完全な腰砕けであり、「ドンとその一派」が孤軍奮闘している印象だ。

 小池知事は、すべてを融通無碍に受け入れ、「頑固に見せて八方美人」――これが彼女の“芸風”だが、政治家を目指す「希望の塾」の塾生には、小池氏の真意が見えない。

 「塾といっても事務局があって、日常のやりとりがあったり、相談を聞いてくれるわけではありません。試験の日程や、合否が一方的に伝えられるだけで、都議選に向けてのスケジュールや公認、推薦の基準なども分からず、小池さんの考え、『都民ファーストの会』の方向性などは、マスコミを通じて知るだけです」(都議選候補選抜試験の合格者)

 324人の合格者のなかには、小池氏が知事選に立候補した時から支援、ポスター貼りや選挙応援に汗を流した区議、市議など地方政治家もいる。

 そんな"旗本議員"は、小池直系として立候補したいのに、「反内田」なら何でも受け入れる小池氏の方針によって、対立軸を明確にできないうえ、そもそも公認、推薦を受けられるのかという不安を抱えている。

 確かに、外部からも分かりにくくなっている。

 既に都議選を意識、街中には演説会に名を借りた都議のポスターが貼られているが、「新風自民党」の都議のなかには、上半分は小池知事と本人の握手のツーショットで下半分は安倍首相の写真に「東京大改革」の文字を浮かべたポスターを作成している人がいる。

 このキャッチフレーズは、都議会自民党に代表される旧来型政治を改革するためのものであるハズなのに、分かりにくさ満載の"両建て作戦"である。

 「一寸先は闇」――小池知事も筋を通さず、調子に乗っていると"身内"から思わぬ離反者が出るかもしれない…。【午】

 

 

 

 

 

 

 


2017年1月11日配信「切り崩される自民、白旗掲げた公明――今年も続く『小池劇場』の“被害者”たちの泣き言」<政治>

劇場支配人(wikipedia)


 小池百合子都知事が、豊かで巨大な東京都庁に群がる「黒い頭のネズミ」を退治する「小池劇場」は、今年も継続。マスコミの新春インタビューなどで「新党結成」を示唆するとともに、1月7日には7月に行われる都議選に出馬する政治塾「希望の塾」の候補者を絞り込むための筆記試験を行った。

 絶えずマスコミに話題を提供。飽きさせることがない手法は今年も健在である。

 豊洲移転、東京五輪施設などの見直しは、必ずしも思い通りの成果は上げられなかったが、税金の使途について都民、国民を覚醒させる効果はあったし、「利権を握る者たち」をあぶりだしたのは事実である。

 小池都知事の次の目標は、「東京大改革」を阻む「ドン・内田茂都議」らを排除することである。

 その第一弾が来月5日投開票の千代田区長選で、第二弾が7月の都議選である。

 既に、自民都議団からは3人の離反者が出て「新風自民党」を結成しており、今後も、事実上の切り崩し工作が続くのは間違いなかろう。

 内田氏の右腕の高島直樹都連幹事長は、「一枚岩で行こう」と、呼びかけているものの、後援者らに「反小池じゃ選挙に勝てないよ」と、脅され浮き足立っている。

 現世利益追求?のために「常に与党」であることを自らに課している公明党は、早くも自民党と袂を分かち「親小池」に寝返った。

「議員報酬見直しを巡って自民党と決裂した」と、報じられているが、それは“建前”であって、小池都知事に擦り寄ることによる利権継続の道を選んだ。

 そこは、対決色を変えない自民党に比べると、よほどしたたかで狡いが、こうした変節は毎度のことである。

 内田氏の前の「ドン」が、公明党の藤井富雄氏であったことでも分かるように、ハコ物から土木工事、上下水道、産業廃棄物などに至るまで、公明党の都政への影響力は、自民党と遜色ない。

 都庁の官僚は、05年に藤井氏が議員を引退した後は、内田氏の了解を事前に取り付けるのが慣行となったが、それは「ドンの座」を藤井氏が内田氏に"禅譲"したからだ。

 一般会計予算が約7兆円で都税収入は約5兆2000億円。国から交付金をもらわない唯一の自治体で16万人の職員を抱える東京都には、既得権益が網の目のように張り巡らされており、自民党はそれを小池都知事と対決することで死守する道を選び、公明党は従うことで柔軟に対処する道を選んだ。

 今の勢いで行けば、勝負は見えている。

 40人程度の候補を立てるという小池新党は、公明党と利権に縁がなく「親小池」を表明している民進党、新風自民党などの自民脱退者に配慮して選挙区を選ぶことになっており、自民党の敗北は免れない。

 小池新党は「30議席は固い」と言われており、となれば小池支持派が都議定数127の過半数を大きく上回るのは確実だ。

 これまで東京都の利権構図は、都知事が誰であろうと、政官業の癒着によって守られてきた。

 交付金をもらわない分、国会議員が口利きをする場面は少なく、歴代、「ドン」と呼ばれるような大物都議が、公共工事の仕切り役、調整役となり、都庁の官僚はそこへの根回しを欠かさなければ支障なく事業を進めることができ、ゼネコンなどの業者は、その構図に従うことで受注を果たした。

 財政が豊かな自治体だけに余禄は大きく、都議は年収約1700万円と自治体の中でも最高ランクで、都の官僚は国家公務員のように監視を受けることなく、都政に関係する100近い外郭団体、公益法人などに天下り、民間企業にも再就職して高収入を確保。また業者は、政官の予定調和の世界をカネと票で支え、事業を談合で分けあった。

 そのトラインアングルを「大改革」で打ち壊すというのだから既得権を握る者は戦々恐々。なかでも最初に標的にされた自民党都議からは、悲観的な都議選予想が伝えられて“恨み節”しか聞こえてこない。

 このまま小池旋風に弾き飛ばされるのを座して待つのか、公明党のよにな面従腹背の道を選ぶのか。

 小池新党が候補者を絞り込むという3月がひとつの山場となりそうだ。【酉】

 

 

 

 

 

 

 

 


2016年12月28日配信<0510archives>「"第2の豊洲"?ーー大赤字の都立広尾病院移転は必要なのか!」<政治>

 

 

 「豊洲と広尾は相似形だ!」「第2の豊洲」として広尾病院の移転が問題化の様相を強めている。

 移転場所を都が勝手に決め、「豊洲」の場合は築地の仲卸業者や利用者、「広尾」の場合は広尾病院や医療業界関係者の意見をまったく聞いていない。

 どちらも最初に土地と予算ありきの構図である。

 「豊洲」は、築地に近いまとまった土地が「東京ガス跡地」の豊洲にあった。

 ここに移転すれば、銀座に近い一等地である築地を民間に高値で売却できるので、臨海副都心など都の特別会計の赤字を補填したうえで、築地再開発という事業をゼネコンなど再開発業者に与えることができた。

 また、「広尾」の場合は、国にとっては青山の国有地「こどもの城跡地」を都に高値で売却できるというメリットがあったし、都にとっても「こどもの城」と隣接した都有地の「青山病院跡地」を一体開発できるメリットがあった。

 同時に広尾病院跡地は、築地同様、開発業者にとっては魅力ある一等地である。

 欠けているのは、利用者のメリットと都民の目線である。

 豊洲では、東ガス跡地に環境基準4万3000倍のベンゼンが検出され、仲卸業者の多くが「安全性に問題あり」と、反対の立場だったが、既に決定していることだからと、反対業者を切り崩しつつ強引に建設を決定、消費者団体などの反対意見は、最初から聞く耳を持たなかった。

 広尾病院では、都が佐々木勝・前院長などの反対意見をねじ伏せ、息のかかった設計事務所に、お手盛りのような「移転推進」のための報告書を提出させ、密かに370億円の土地買収資金を予算化、今年3月の都議会を通してしまった。

 医師会や病院協会など医療関係者が猛反発しているが、都は一度、決めた移転を取りやめるつもりはない。

 だが、反対意見は根強い。

 広尾病院は「首都災害医療センター」で、都内の救急救命医療の拠点と位置づけられている。

 その役割の重要性についての異論はないが、広尾病院の移転問題を機に、「そもそも都立病院は必要なのか?」という意見が盛り上がっている。

 「都内には、8つの都立病院と都の保健医療公社に属する6つの病院があります。これがいずれも大赤字状態で、都立病院には年間400億円の、公社病院には100億円の運営費補助金が支出されています。救急医療や僻地医療などの役割を担わされているとはいえ、公立病院ゆえの放漫経営と政治家や官僚などの政治利用が、赤字の大きな原因です。民業圧迫の公立病院は見直すべきでしょう」(医療評論家)

 確かに、民間の及ばない部分をカバーする目的で存在している公立病院だが、赤字体質はかねてより問題になっていた。

 前述の数字は都内だが、全国に広げると公立病院の運営費補助金はピーク時で1兆2000億円、現在でも8000億円に達している。

 こうした現状を変えるために、総務省は今年3月、新たにガイドラインを策定、地域医療構想のなかでの公立病院の役割の明確化を求めている。

 そうなると住民が密集、医療体制の充実した都内に、都立病院が病床を多く抱えた現状のままで存続する意味はない。

 なかでも年々、病床利用率が落ち込み、昨年度は60%台となり、都が運営費を27億円も補てんした広尾病院は、「存続の意味」が問われており、新たに土地代に建設費も加えて750億円を投じて青山に移転する必要性などないという。

 「首都災害医療センターは、その役割に特化したものを23区内に設置するか、現在の広尾病院を改修すればいい話。移転の必要性を感じているのは官僚と再開発業者だけでしょう」(前出の医療評論家)

 しかし都の役人は、「第2の豊洲」と呼ばれるようになっても、「騒ぎは一時的なものにすぎない」と意に介さず、青山移転を進める考えである。

 「百年河清を俟つ」――東京都庁の懲りない面々の“悪癖”を変えるのは容易ではない。【子】

 

 

 

 

 

 

 


2016年11月4日配信「中西充副知事ら元市場長2人、塩見清仁・オリンピック準備局長ら元部長6人を"盛り土犯人グループ"に特定!――小池流ブレーン重用の都政改革に反発する都庁官僚にサボタージュの気配?」<政治>

伏魔殿?(☚wikipedia)


 

 「もう、ついていけません。手勢を率いて自分だけで改革をやるというのなら、勝手にやったらいい」

 都庁幹部が、こう本音を吐露する。

 小池百合子都知事が誕生して約3ヵ月が経過。圧倒的な人気に気圧されるように、都庁官僚は「豊洲」や「五輪」の改革に付き合ってきたが、政権交代後、100日は続けられる「ハネムーン期間」も終了したとして、自己主張を始めている。

 すなわちサボタージュである。

 多くの都官僚がキレたのは、豊洲の「盛り土犯人」を特定(中西充、岡田至・元中央卸売市場長、塩見清仁・元管理部長、宮良真・元新市場整備部長、臼田仁、加藤直宣・元基盤整備担当部長、砂川敏雄、久保田浩二・元施設整備担当部長)のうえ、8人の懲戒処分を発表したことだ。

 9月末に公表した内部報告書は、「地下空間設置の責任者を特定できなった」とするもので、小池知事は「空気のなかで物事が進行していた」として、山本七平が『空気の研究』で「日本型システムの特長」として指摘した「空気」に“解”を求めた。

 中央卸売市場の関係者によれば、「それが事実であり実態だ」という。

 「盛り土のうえの構造物がいい、というのは専門者会議の段階まで。それでは費用が嵩むし工期が長引くというので、08年8月、技術会議が設置された。そこでは『モニタリング空間』という名の地下空間を設けた構造物にするのは、みんなの了解事項だったが、09年の総選挙や都議選で民主党が躍進。築地移転反対の民主党が政権を取り、都議会第一党となったことで、地下空間は密かに進行させざるを得なくなった」

 議会や市場関係者に地下空間の存在を伝えなかったのは、移転を密かに、スケジュール通りに、しかも盛り土より安く進めるためだったという。

 その意思決定が、今、問題視されているわけだが、石原慎太郎都知事が「地下空間のようなものを検討したらどうか」と、指示したことで判明しているように、都庁では「盛り土不要」で意思統一が図られていた。

 となると、「盛り土犯」は都知事以下全員ということになる。

 小池知事は、その「空気のような意思決定システム」を知りつつ、あくまで犯人を特定、公表した検証報告書で当時の市場長ら8人を厳しく断罪した。

 「小池劇場を続けるために、無理やり犯人を仕立て上げた」(前出の市場関係者)と、小池知事が、今後も「劇場」を続ける意思を示したことへの不満は大きい。
 
 そして「小池批判」は、上山信一慶応大教授をリーダーとする都政改革本部の特別顧問、特別参与、特別調査員らの「16人衆」にも向けられる。

 彼らの特徴は、「マッキンゼー」と「維新」である。

 上山氏は世界的コンサルタント会社のマッキンゼー出身。市場の論理で効率化を追求してムダを排除するのがマッキンゼー流で、大阪では橋下徹府知事(市長)の要請で特別顧問に就任、ズバズバと切り込んだ。

 「16人衆」のなかには、ほかにもマッキンゼー出身者がいるほか、「維新改革」を担った人物もいて、大阪改革と相似形だ。

 「あなたたちは、真面目に取り組む気があるんですか」といった高圧的な物言いで迫る彼らに反発する都幹部は少なくない。

 といって、小池知事は「大阪維新」のように、徹底した改革派ではない。

 東京10区の補選で若狭勝候補のために自民党と手を組んだのを見ても分かるように、党本部とは良好関係を保ちたい。

 それは20年東京五輪後は、中央政界に復帰して「首相を目指す」という自らの“野望”のためでもある。

 だが、人気は保ちたいから都官僚と都議会自民党は敵に回す。

 当選後、3ヵ月を経て、そんな“いい所取り”を続けているのが見えているだけに、都知事への忠誠心が生まれるべくもない。

 16万人の都庁職員が、本気でサボタージュしたらどうなるか。

 「面従腹背術」と「自己保身術」にかけては"免許皆伝揃い"の"伏魔殿"での暗闘だけに小池都知事が掲げる「都政改革の道」は決して平坦ではない。【酉】

 

 

 

 

 

 


2016年11月3日配信「つくば市長選挙公示直前に有権者も唖然の怪文書騒動!」<政治>

 
賢者の選択は?
(つくば市HP)

 

 

 「筑波名物数あれど ガマの油に 毎度毎度の泥沼選挙」――市原健一市長の任期満了に伴う「つくば市長選」の公示(11月6日)を前に怪文書が乱舞、期待を裏切らない"汚い選挙"になりそうな気配である。

 つくば市は1987年、谷田部町、大穂町、豊里町、桜村が合併して誕生。翌年に筑波町、さらに2002年に茎崎町を編入。旧5町1村からなるわが国最大の学術都市である。

 北に日本百名山のひとつ・筑波山を望む市内中心部は、広々とした道路が走り、近代的な研究施設やビル、ホテルが林立。もともとが農村地域だけに緑も多く、自然に恵まれた環境は抜群。新旧がマッチした「理想の新興都市」らしい佇まいを見せている。

 ところが、そうした「理想都市」とは裏腹に、いざ「選挙」となると、国政から村政に至るまでドロドロ、グチャグチャ。その汚さは、もはや「伝統」といえるほどで、農村部特有の濃密な地縁、血縁も相俟って、誹謗中傷は当たり前、時には週刊誌を使ったバッシングや暴力沙汰さえ起こる「仁義なき選挙戦」を繰り返してきた。

 こうした選挙に慣れっこの地元民は、「4年にいっぺんの"戦さ"みたいなもんダッぺ!」と涼しい顔。今や自他ともに認めるガマの油に並ぶ筑波の2大名物となっている。

 ただでさえややこしい選挙事情を抱える地域を、さらにややこしくしたのが、上掲の「つくば市の誕生」で、筑波大学や政府機関の関係者、いわば大量の「新住民」の流入で、先祖代々この地に住む「旧住民」との間で新たな軋轢を生むことになった。

 もっとも、「新住民」は、住民票はつくば市にあるが、選挙には比較的無関心な「無党派層」が多く、選挙では依然として、旧住民の意思が反映されてきたのだが、そこへ『つくばを変える』と蛙マークを掲げて2度目の市長選に望むのが、怪文書で批判の矢を浴びている五十嵐立青元市議である。

 今回の選挙に立候補の意向を表明しているのは、五十嵐氏のほか、元衆院議員の大泉博子氏、市議の飯岡宏之氏の3人であるが、市内一円に撒かれた怪文書の標的にされているのは、現時点では五十嵐氏だけである。

 同氏は、現在、2010年に自身が設立した障害者自立支援団体「NPO法人・つくばアグリチャレンジ」の代表理事を務めているが、その経歴はピカピカ。地元桜村生まれで、土浦一高、筑波大、ロンドン大学留学。2004年に最年少で市議に当選。2期務めた後、前回の市長選(2012年)に立候補。現職の市原市長に1万2000票差で落選したものの、絵に描いたような華麗な経歴の持ち主である。
 
 地元・桜村の出身とはいえ、まさに「新住民」好みの足跡に、反対勢力が危機感を抱くのは当然のことであろう。

 そんな折も折、市内に撒かれたのが、今回の怪文書で、小誌が入手した怪文書は全部で4枚。『つくばアグリチャレンジの活動実態に給付金請求に関する大きな疑惑』のタイトルのもと、鋭い筆致で書かれている。

 その文書が指摘する「NPO法人つくばアグリチャレンジ」の「疑惑」とは何なのか?

 4枚のうち2枚には、ヽ毒度の事業報告書の不自然さ、◆屬瓦げんファーム」の定員オーバー問題、0天候下での参加人数の異常な多さ、ずGに入って出された大量の過誤申し立て、ド埆淑な調理器具、施設のうえ調理員がいないのに食事提供加算給付の請求など、5つの疑惑が箇条書きに書かれている。

 その詳細については、公示前でもあり、詳しく紹介するのは控えるが、いずれの項目も同法人の内部事情に詳しい人物の手によって書かれたことをうかがわせる内容である。

 特に、 ↓、については、特に具体的で、門外漢でも「さもありなん」と考えたくなる記述が並んでいる。

 もし指摘されていることが事実だとすれば、明らかに税金を原資とする「給付金」を詐取した由々しき"犯罪"である。

 「制度そのものが性善説でできているため、行政機関のチェックもほとんど入らないし、ポイント計算が少しばかり複雑ですが、やろうと思えば誰でも簡単にできます」(厚労省担当者)

 近時、給付金を詐取する事件は多発しているだけに、いくら掲げる目的が美しく、いくらピカピカの経歴の持ち主が代表を務めているとはいえ、「そんなバカなことがあるはずがない!」と、一笑に付すわけにはいかない。

 しかも、そんな疑惑が指摘されている人物が市長選挙に立候補しようというのである。

 五十嵐氏の選挙対策事務所は、疑惑を聞きつけた多くのマスコミの問い合わせに対して、「すべてが事実無根の誹謗中傷だ!」と否定するが、問題になっているのは、税金を原資とする「給付金の使途」であり、「選挙」とは無関係のはずである。

 選挙前であろうと、選挙後であろうと、否、選挙前だからこそ、十分な説明責任を果たしたうえで堂々と立候補すべきではないのか?と小誌は思うのだが…。

 そろそろ「筑波おろし」が冷たく感じられるようになってきた。

 

 寒風の中の選挙運動は、前回以上の白熱化が予想されるが、有権者16万人余が審判を下す日は10日後、11月13日である。 【巳】

 

 

 

 

 


2016年11月1日配信「稀代のリアリスト・小池百合子都知事が『反官僚』を脱して豊洲移転に踏み切るタイミング!」<政治>

 

渦中の豊洲市場(☚wikipedia)


 「小池劇場」が、都民の圧倒的な支持を受けている。

 敵を明示して、都民のフラストレーションを解消するかのように斬りかかり、喝采を浴びる手法は大受けで、老残の石原慎太郎元都知事、利権政治家の色が濃い「都議会のドン」の内田茂都議、傲岸不遜の森喜朗五輪組織委員会会長と、いずれも標的とするには格好の人物たちで、政治への不満が渦巻く都民は、小池百合子知事に共感を寄せている。

 ただ、「師」で「恋人説」が流れたこともある「小泉(純一郎)劇場」を真似た劇場型政治には限界があることを、政界を渡り歩きつつも、権力の中枢からハミ出すことのなかったリアリストの小池知事は知っている。

 いつかは来る「修正の時期」。――それは、東京都の官僚との関係改善の時であり、具体的には豊洲移転の決断時期だ。

 「小池劇場」で最初に敵に回したのは東京都の官僚だった。

 築地市場の豊洲移転に待ったをかけた段階では、「安全性より開業ありき」の手続きの問題だったが、盛り土問題の発覚以降、局面が変わった。

 市場長を始めとする都幹部が、嘘を言い続け、都民を欺いていたことが明らかとなり、小池知事は徹底調査と処分を口にせざるを得なくなる。

 これはこれで移転に待ったをかけた知事の判断の正しさを証明したわけで、小池人気に拍車をかけたが、6000億円をドブに捨てる決断はできず、16万人都職員とのケンカを望んでもいない。

 日本新党、新進党、自由党、保守党、自民党と渡り歩いた小池知事だが、同じ道程だった二階俊博自民党幹事長と一緒で、理想を求めて模索したわけではなく、自分にどう有利に働くかで時々のポジショニングを取ってきた。

 そういう意味で、新進党、自由党で従った小沢一郎・自由党代表の方が、より純粋で原理主義であった。

 結局、小沢氏の破壊衝動について行けずに別れた小池知事だが、その後の民主党政権と小沢氏の行方は、いい教訓となった。

 民主党の旗印は「反官僚」だった。

 最初は国民の官僚嫌いもあって高く評価されたものの、やがて民主党は官僚のサボタージュを受けて政権運営に支障をきたして失速した。

 小沢氏に至っては、検事総長人事など法務・検察の世界に手を突っ込んで強烈なしっぺ返しを受け、挙句の果てに東京地検特捜部の標的にされ、秘書を何度も逮捕され、事実上、政治生命を失った。

 そういう意味で、勘の鋭い小池知事は、都の副知事、局長から一般職員に至る強固な16万人のピラミッドを揺さぶり、打ち壊す破壊者になるつもりはない。

 豊洲問題で市場長を更迭、人事を刷新したように、必要な場面でグリップを強く握り、締め付けは行うが、官僚組織の秩序と論理は尊重する。

 

 そのためには、どこかで豊洲移転を決断しなければならない。

 既に小池知事は、都民に嘘を言った罪は認めつつも、盛り土問題については、盛り土に杭を打ち、そのうえに構造物を置いては、耐震性に欠けるうえ、汚染水の侵食を招くため、地下空間で汚染水の上昇を遮断した方が、構造上も安全上も優れていることを認識している。

 だが、今の段階でそれは言い出せない。

 都官僚が、「盛り土なしの設計」を対外的に公言できなかったのは、09年から12年の設計施工の間、民主党政権下で都議会も第一党が民主党だったからだ。

 だから都官僚は秘密裏に“最善の策”を取った。

 その手続き上のミスの責任は、今回の更迭人事で取らせた。

 これからは、どう6000億円を投じた現実と折れ合いをつけ、振り上げた拳を下ろすかである。

 そのタイミングは実に難しいが、世論を誘導しつつ、豊洲移転を実現することができれば、自己保身の権化のような都官僚もその手腕を認め、「リアリスト知事」に、面従腹背でなく素直に従うハズ。――知事の“お手並み”を、固唾を飲んで見守っているのは、実は「都庁の官僚」たちであろう。【丑】

 

 

 

 

 

 


2016年9月14日配信「都知事と都議会とゼネコンに翻弄され続けた築地市場移転を検証する!」<政治>

築地市場(☚wikipedia)


 "百合子砲"が最初に炸裂、都政のこれまでの担い手に衝撃を与えているのが、築地移転の見直しである。

 ベンゼン、シアン化合物、ヒ素などが基準値を果てしなく上回る土壌汚染地の豊洲に、なぜ世界ブランドの築地中央卸売市場を移転させるのか――。

 1999年11月、築地市場再整備推進協議会で、築地での再整備が困難であるとして移転に方向転換して以降、豊洲に広大な工場跡地を持つ「東京ガス」との交渉が本格化、01年11月、豊洲への移転が決まった。

 この時からガス製造工場であった豊洲が、高度に汚染された土地であるのは周知の事実だった。

 製造者責任で「東京ガス」が、改良工事を行ったものの、規制の緩やかな旧基準をクリアすればいいというズサンなもので、07年、東京都が行った土壌汚染調査では、ベンゼンが環境基準の1000倍を記録、推進してきた石原慎太郎都知事をして、「びっくりした!」と、言わしめた。

 それならば計画を見直せば良かった。

 しかし、既に、計画は動き出し、都議会与党の自民、公明が推進派に回り、ゼネコンなどの業界は、その後の築地再開発など壮大な青写真を描いて推進体制を担っていた。

 小池都知事が、「都政改革」に踏み切る時、築地を最初の標的にしたのは理解できる。

 一度、権力に近い者が公共事業の歯車を回せば、「政」「官」「業」が、それぞれの思惑を持って動き出し、インナーサークルのなかで物事は決まり、都民の利害とは関係のないところで、事業は推進される。

 それを小池氏は、「都議会のブラックボックス」と呼び、ドン・内田茂前自民党都連幹事長をその代表とした。

 敵を作るのは最もわかりやすい戦術だし、築地移転問題はブラックボックスのなかで行われているシステムを理解するのに最適だ。

 築地移転は、99年4月、自民党が擁立した明石康元国連事務次長を破って都知事に当選した石原氏が、初めて取り組むビッグプロジェクトだった。

 担当となったのは側近の浜渦武生元副知事で、築地で根回しを行うとともに、「東京ガス」との交渉を続け、買収合意に漕ぎ着けた。

 当初、石原体制に距離を置いていた自民党都連は、都議会の場などで「浜渦副知事の独断専行」を名指しして批判していた。

 知事主導で事業が推進されることへの不満で、これはやがて浜渦氏が、「民主党都議を使ったやらせ質問」の糾弾へとつながり、浜渦氏は失脚した。

 主導権を取り戻した内田氏を中心とする都連は、築地移転を積極的に推進、石原氏との関係を修復し、「石原軍団」と呼ばれる秘書や側近と各種の調整を行った。

 つまりは利権の“棲み分け”である。

 難点は、10年10月22日、「移転を決断しました」と、石原氏が決意表明したものの、都議会が自民・公明の与党と旧民主党など野党が拮抗、「移転経費」を盛り込んだ11年度予算案の成立が微妙だったことである。

 だが、これは移転推進派の旧民主党議員を、「区長選擁立」という"エサ"で一本釣り、寝返らせて予算を通し、移転事業を推進した。

 この流れに、ゼネコンは業界を上げて乗った。11年8月29日、まず土壌汚染対策工事の入札が実施され、「鹿島JV」が5街区を約119億円で、「清水・大林JV」が6街区を約383億円で、「大成JV」が約89億円で落札した。

 14年2月13日には、一度は不調となり、予定価格を引き上げての入札が行われ、「鹿島JV」が青果棟を約259億円で、「清水・大林JV」が水産仲卸売場棟を約436億円で、「大成JV」が水産卸売場棟を約339億円で落札。――落札率は平均99.87%で、土壌汚染工事と一体で業者が決まっていることと併せ、ゼネコン談合は明白だ。

 生鮮市場に最も相応しくない場所が、一度、選定されると、歯止めが利かずに転がってしまい、当初予算を大幅に上回る約6000億円が投じられて完成してしまった。

 少なからぬ人が「おかしい」と感じることが、まかり通ることの怖さを小池氏は指摘、「待った」をかけた。

 それを「ブラックボックス」と呼び、「見える化」という名の情報公開によって正そうとしているのだだ、「17年の歴史」が証明するように政官業の運命共同体は岩盤のように強固だ。

 小池都知事は「都政改革本部」のメンバーとともに、相当な覚悟を持って臨まなければ、玉砕することになりかねない…。【丑】

 

 

 

 


2016年9月6日配信「都議団&五輪利権にメスを入れる都政改革本部リーダーに上山信一慶大教授を据えた小池百合子都知事の最初の"試練"」<政治>

小池都知事(wikipedia)


小池百合子都知事が、選挙公約を実現するために立ち上げる都政改革本部を牽引するのは、橋下徹前大阪市長のブレーンとして知られる上山信一慶応大学教授である。

「大阪維新」の理論的支柱で、大阪都構想に関与した橋下氏の知恵袋で、「何もわからんくせに、大阪に手を入れ、新自由主義的な政策で社会福祉など府民サービスをガタガタにした元凶」(大阪市議)と、反橋下派は蛇蝎のごとく嫌うが、それこそが上山氏の真骨頂。既得権益層への切込隊長である。

上山氏の実力と手法は、経歴が物語る。

京都大学法学部を80年に卒業後、運輸省(現国土交通省)に入省し86年まで勤務。その間、米国プリンストン大学大学院に留学し、公共経営学修士過程を修了した。

86年、経営コンサルタントのマッキンゼー日本支社に勤務、92年からは共同経営者となった。

00年から08年まで米ジョージタウン大学政策大学院研究教授,03年から慶応大学教授。これまでに、大阪府・大阪市特別顧問、国交省政策評議会座長、愛知県政策顧問、新潟市政策改革本部統括等を務めた。

この"華麗なる肩書き"に「都政改革本部リーダー」が加わったわけだが、改革の基本姿勢は「マッキンゼー流」である。

客観的なデータを重視、会計や財務に力点を置いたコンサルを行い、人間関係や情に流されない。

従って、20代、30代の若手でも実力を発揮できる「ファクト・ベースト・コンサルティング」が貫かれている。

大阪もそうだが、それより大きな東京の行政組織は、"壮大なるムダ"の集積である。

都知事、市町村長、区長と都議、市町村議、区議が、ともに選挙で選ばれるという二元政治。それぞれに後援者、支持者がいて利害が複雑に絡み合い、政治家はその政治力を都庁や市町村役場や区役所の役人に発揮しようとする。

官僚は、基本的に政治には弱く、「先生方の顔を立てる」という形で無理を通し、一方で首長にも甘い顔をする。

そこから生まれるムダは、予算の増加につながるが、使われるのは役人にとって、個人的にハラが痛むわけではない税金で、しかも予算は議会を通っているのだから名目も立つ。

かくして、予算は膨らむ。

 「お豆腐じゃあるまいし、1兆、2兆と予算が膨れ上がる」

こう小池都知事は、東京オリンピック予算の急膨張を嘆いたが、そこにあるのは業者とのしがらみを抱えた政治家の圧力であり、それを安易に通す役人の事なかれ主義である。

そこに上山氏は、マッキンゼー流を持ち込んで、施設見直しの過程、資材費積算の根拠、増額の経緯、組織の運営状況などを、数字をもとに掘り起こして調査することになる。

対象は都庁にとどまらず、"本丸"の都の外郭団体である東京五輪大会組織委員会にまで及ぶ。

となると、調査結果の最終的な行き着く先は、自ずと限られる。

都政改革本部の下にはブラックボックス化した都議会の役割を解明するチームと、予算膨張の五輪に絞った調査チームとの二つが設置されるが、前者のターゲットが「都議会のドン」の内田茂自民党都連前幹事長。後者が五輪牽引役の森喜朗組織委員会会長である。

都政改革本部は、上山リーダーの元、当初は10人程度でスタート。いずれも東京都の顧問だが、しがらみのない大学教授、弁護士、会計士などで構成され、数字をもとに現状を調査して、9月末までに中間報告を小池都知事に上げることになっている。

そこから先の決断は、小池都知事に委ねられる。

問題は、元ニュースキャスターの小池氏が、議員生活14年のベテランで閣僚も経験、しがらみも情も抱える政治家であることだ。

そこがテレビ人気と当意即妙の受け答えでアッという間に首長に上り詰めた橋下氏とは違うところだ。

内田茂攻撃の材料を探し、かつ石原慎太郎陣営からの反撃の備えに浜渦武生元副知事を頼り、森攻撃のために山口敏夫元労相と連帯したのは、小池都知事の嗅覚の鋭さとしたたかさを証明するものだが、今度は、浜渦、山口両氏との間に“縁”が生じるわけで、そうなると上山氏が、今後、徹底的な情報開示で都政の透明化を図ろうとする戦略との間に齟齬が生じる恐れもある。

それをどう乗り越え、都民の「透明化されたエコ都政」という要望に応えるか?――小池都政が最初にぶつかる「試練」である。【午】

 

 

 

 

 

 


2016年9月2日配信<0510archives>「敵は"都議会のドン"!――小池百合子都知事が挑戦する内田茂都連幹事長の虚実!!」<政治>

都議会のドン!?

 

 「後出しジャンケン」が必勝パターンといわれる都知事選で、「先出しジャンケン」をしたのが小池百合子元防衛相である。

 7月6日には早くも出馬会見。冒頭解散、利権追及チームの立ち上げ、舛添問題の第三者委員会設置の三つを公約とした。

 どれも都民の生活レベルとは無関係だが、自民党都連への対決姿勢を鮮明にすることで、自らを浮上させる作戦だ。

 舛添要一前都知事が、あれだけのバッシングに渋太く耐え続けたのは、自民党都議団から「耐えろ。乗り切れば、今後とも支援する」という"消極的な支援"を受けていたからである。

 自民党を裏切って新党を立ち上げた舛添氏は、「許されざる裏切り者」だったが、都知事に立候補するに際して「推薦」をもらいにきた舛添氏に対し、都連幹部は東京五輪、お台場カジノ、築地市場移転跡地などのビッグプロジェクトに、「口を挟まないこと」を推薦の条件にした。

 そういう意味で、舛添氏と自民党都連の関係は"良好"だった。

 

 お互いの“棲み分け”ができていたからである。

 そして、その都連を牛耳っているのは内田茂幹事長で、ヤル気まんまんの小池女史にノーをつきつけ、増田寛也元総務相を担いだのも、権力に寄り添ううちに、権力の何たるかに敏感となり使いにくくなった小池女史より、官僚出身で政治との付き合い方を知っている増田氏の方が、使い勝手がいいからだ。

 そういう意味で、舛添氏を支持したのと同じ理屈で、小池女史は、そこに"勝機"を見出そうとした。

 つまり、舛添問題の追及が甘かったのは、都連が利害を同じくしていたからで、そこには内田幹事長を頂点とする自民=公明の都議らが仕切る利権構図があり、それをぶち壊さなければ、「明るい都政」は取り戻せないという理屈である。

 「自民党をぶっ潰す」といって、同情と共感と期待を一心に集め、郵政選挙に大勝利したのは小泉純一郎元首相だが、それと同じ構図を目指している。

 しかし、「郵政」は日本の保守層の基盤であり、国民と密接に絡み、郵便局を通じて誰もがその存在をイメージできる。

 それに比較して、自民党都連の存在は遠く、まして「都議会のドン」とはいえ、一般には無名の内田氏を敵にするには無理がありすぎよう。

 内田氏は、確かに東京が「大いなる田舎」であることを知らしめてくれる政治家だ。

 東京都には、興業、風俗、酒類販売という裏に暴力団が絡む商売と、政治の世界をつなぐ"フィクサー"が存在する。

 戦後、その役割を担ったのが、プロレスラー・力道山の支援者として知られ、明治座を復興させて社長に就いた新田新作氏だった。

 だが、57年に新田氏は死去。その後を継いだのが、料亭濱田家の2代目の三田政吉氏である。

 明治座社長の後継となった三田氏は、日本演劇興行協会会長、日本食品衛生協会理事長などを歴任、都政にも影響力を行使した。

 「自民党都議になるには、三田氏の承諾を必要とした」(都議会関係者)といわれたほどで、06年1月、95歳で亡くなるが、葬儀委員長は石原慎太郎都知事(当時)が務め、参列者は5000人に及んだ。

 高校中退の学歴で、千代田区議を4期、都議を7期務める内田氏は、三田氏の“薫陶”を受けた政治家で、ゼネコンなどの業者と行政をつなぐのが、都議の最も大切な"仕事"と発想する政治家である。

 そうした自分の仕切りに口を出す都知事、副知事、区長、都議とは徹底的に戦い、蹴散らしてきた。

 内田氏は、石原慎太郎元知事、浜渦武生元副知事、猪瀬直樹元知事、石川正己千代田区長など錚々たるメンバーと激突、譲歩を引き出すことに成功してきた。

 都連幹事長という「公職」ではない地位にある内田氏が、裏に回って利権を差配、都政を牛耳っていていいのか、という小池女史の主張は分からなくはないが、それがどれだけの共感を得るかは、いささか疑問である。

 「虚」や「影」に戦いを挑んでも分からない人には分からない話で、パラシュートなしで飛び降りた小池女史の勇気は買えるが、

都議会の舞台裏は一種の"伏魔殿"。――たとえ当選しても前途は決して平坦ではなかろう。【未】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2016年8月23日配信「中国による日中交流の“大物”拘束で確立が迫られるスパイ事件対処法」<政治>

 
中華人民共和国公安部(☚wikipedia)


 

 「日本政府はいかなる国に対してもスパイ行為をしていない」

 菅義偉官房長官は、7月28日、日本と中国の青年交流を推進する団体の男性役員が、渡航先の北京で中国治安当局に拘束され、取り調べを受けているという報道を受け、記者会見でこう述べた。

 2014年11月、「反スパイ法」を制定した中国は、スパイ行為を行ったとして日本人を拘束するケースが相次いでおり、今回で5人目である。

 昨年5月以降、拘束された4人のうち、愛知県在住の50代の男性は、軍事管理区域に立ち入った疑いにより温州市で拘束され、今年5月、起訴された。

 また、上海出身で日本国籍を取得した東京の日本語学校事務長の50代の女性は、昨年6月、訪れた上海で拘束され、団体役員のスパイ拘束報道の翌日(29日)、起訴されて公判中であることが明らかとなった。

 残る神奈川在住の元脱北者で、日本国籍を取得した50代の男性(昨年5月、遼寧省で拘束)と、脱北者支援活動などに携わっていた札幌市在住の60代の男性(昨年6月、北京市で拘束)は、現在も取調中と見られる。

 日本では、軍艦や戦闘機などの写真撮影は容易だが、中国では厳秘で、基地の敷地外であったとしても、撮影はスパイ行為と見なされる。

 また、中国当局にとって「好ましからざる人物との接触」が、スパイ行為にされてしまうこともある。

 日本にはスパイ組織はない。

 警察庁、防衛省、外務省などの省庁の一部部局や内閣情報調査室(内調)、公安調査庁(公調)など情報を収集し、整理、分析する役所はあるが、専門のスパイを養成、密かに派遣するような行為はしていない。

 なのに、5人が拘束されたのはなぜなのか。

 「彼らは、いずれも公調の協力者。公安関係の調査部門のなかでも、公調は最も存在感がなく、"不要官庁"の烙印を押されている。もともと共産党の監視が目的で、今や意味がない。だから情報収集で存在感を見せつけようと無理をする。といって自分たちが中国で動くわけにはいかず、協力者に調査活動費を支払って調べてもらう」(全国紙公安担当)

 協力者といっても素人である。

 だから、不用意に基地に近づき写真を撮り、あるいは警戒感なく近づいて情報収集を行い、痕跡を残す。――中国公安当局にとって、拘引するのはごく簡単なことだろう。

 ただ、前回の4人が、日本国籍取得者や活動家で一般人だったのに比べると、今回は日中双方の専門家が知る“大物”で、しかも日本政府に“身分”を持つ。

 一般社団法人日中青年協力協会理事長で、衆議院調査局国家基本政策調査室兼北朝鮮による拉致問題などに関する特別調査室の「客員調査員」の肩書を持つA氏(59)である。

 同氏は、ほかに拓殖大学客員教授、日中協会理事、中国・北京市社会科学院中日関係研究センター客員研究員を務めており、日中双方に足場を持っていた。

 さらに、旧社会党時代、竹内猛、秋葉忠利代議士らの公設秘書を務め、村山富市首相時代、「村山談話」にも絡んで訪中。長く日中問題に取り組んだ専門家である。

 今回、外交助言シンクタンクの「新外交イニシアティブ」と中国外交部が、11月初旬、中国外交部と合同で開くシンポジウムの下準備のために「新外交イニシアティブ」のメンバーとともに訪中。7月13日までは同じ日程で動き、14日、15日と別行動をとって15日夕、チャイナエアラインで成田に到着するはずが搭乗せず、北京で拘束されていた。

 その間に、誰と会い、どんな活動をしたかは不明だが、長年、内調や公調の協力者だったA氏の行動が、中国公安当局の何らかの“思惑”によって「スパイ認定」されたのは間違いないだろう。

 A氏がどんな人物で、どんな役割を果たしているかは、中国は十分に知悉していただけに、逮捕は、その時のA氏の行動ではなく、権力闘争の一環?といった中国側の事情ではないだろうか。

 そういう意味で同氏の拘束は奥が深く、これまでの4人と違い「国の身分」をもつ人物だけに、政府も無視を決め込むことはできない。

 S氏の役割は何で、日本政府はそこにどう絡み、そして中国側の思惑は何なのか――。

 今後、中国による「日本人スパイ拘束」を防止するためには、政府は内調や公調の調査協力の実態を把握のうえ、確とした対処法を定めておくべきだろう。【巳】

 

 

 

 

 



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