2012年2月28日配信 「またもや野村証券OBが大活躍!? 企業年金2000億円を食った『AIJ投資顧問』の宣伝文句は、自作自演の高利回り!!」<事件>




 
「どう考えてもおかしい。あんなに平均して高利回りを確保するなんて、ありえない!?」
 
 受託した企業年金2000億円の大半を消滅させた疑いのある「AIJ投資顧問」(中央区日本橋)は、数年前から証券界で、こう囁かれていた。
 
 相場の先は誰にも読めない。
 
 右肩上がりの高度経済成長期なら、「1年をトータルしたらプラス」という運用実績を残すことも可能だが、日本だけでなく欧米まで低迷しているこの時期に「安定運用」などありえない。
 
 だが、「AIJ投資顧問」は、リーマン・ショックも東日本大震災も乗り切って高利回りを確保(?)していた。
 
 こうした“ありえない利回り”に対し、嫉妬ではなく、「犯罪ではないか」と危惧する声が、金融庁に多数寄せられ、今年1月末から証券取引等監視委員会(証取委)が金融検査に入った結果、「安定収益」という顧客への説明は、すべてウソであることが明らかになった。
 
「AIJ投資顧問」の運用の大半は金融派生商品(デリバティブ)で、なかでも「日経平均オプション取引」の「売り」が中心だった。
 
 それは「ストラングルの売り」と呼ばれているもので、日経平均を予測、予測の範囲なら利回りを確保できるが、予測が大きく外れた場合、「無制限の損失」となる危険性を秘めている商品である。
 
 デリバティブの専門家が解説する。
 
「予測の範囲を、例えば2か月先の日経平均を8000円から1万2000円とします。これなら外れる心配は、まずない。でも、受け取れる利益(利回り)は少ない。そのレンジを9000円から1万円にすると、利益は増えるがリスクは増す。簡単にいえば、そんな金融商品ですが、実際、株価が大きく変動することはないので、1年、2年と継続して利回りを確保することは可能です。
 しかし、リーマン・ショックのようなレンジを大きく外れるような大暴落が起きると、レバレッジを効かせているうえに無限責任なので、それまでの利益を吹き飛ばしたうえに、莫大な損失を負ってしまうことになります」
 
 これが「ストラングルの売り」の怖さで、リーマン・ショックの直後には、このデリバティブに手を出し、数十億円から数百億円の損失を出した企業が続出、個人投資家でも「ひと晩で40億円」の損失を出し、「確実に儲けられます」と推奨した証券会社に訴訟を起こした人もいる。
 
 ただ、これなら企業年金側にも「利回りの予測」は可能だし、信託銀行や監査法人のチェックも入る。
 
 だが、「AIJ投資顧問」が“巧み”なのはここからで、運用はケイマン島籍のファンド(「エイム・ミレニアム・ファンド」)で行い、そうしたチェックを回避。いわばガチガチの“確信犯”である。
 
「AIJ投資顧問」を立ち上げたのは野村證券OB浅川和彦社長。コンビを組んでいるのは松木新平取締役で、松木氏も野村證券OBだが、総会屋への利益供与事件で担当常務として責任を取って辞任、後に逮捕されたという過去がある。
 
 多士済々!?――内容は異なるが、「オリンパス事件」に続く、再びの野村證券OBの“大活躍”には感心させられるが、その原因は一体、どこにあるのか。
 
「『オリンパス』『AIJ投資顧問』と“事件”の周辺にいる野村OBは、『野村証券』が相場を作り、価格を決め、マーケットメイクなど当たり前、という環境で育った人たちです。バブル崩壊後、“悪しき野村DNA”を内包したまま転職、外資や独立系に行った彼らのなかには、市場と顧客をナメている人も多く、犯罪的な営業手法にも躊躇することがないから、それが事件につながっているのです」(他証券幹部)
 
 浅川社長らが運用していたケイマンのファンドは、デリバティブのほか、タレントの清水某が代表を務める「ワークショップリゾート」への出資や証券化商品なども含んでおり、値決めは不能である。

 それでも高収益を装うことができたのは、浅川氏の海外個人会社が値決めの役割を担い、それを監査法人が信じて通し、その価格を年金基金と信託契約を結んだ信託銀行が受け入れていたからだ。
 
 高収益を継続、運用のプロなら誰もが「おかしい」と思いつつも、長くインチキがまかり通ってきたのは、この“自作自演の高収益のおかげ”だった。
 
 グローバル化とIT化が急速に進歩、複雑なデリバティブを駆使すれば、投資家をだますことなどわけはない。
 まして、地方の知ったかぶりの年金担当理事など、浅川氏にとっては、赤子の手をひねるようなものだったに違いない。

 また、事情通氏のなかには、「AIJ投資顧問」の背後に、マネーロンダリング目的の広域暴力団の存在を指摘するムキもあり、単なる運用の失敗だけで2000億円が消えたと断言するのは早計である。
 
「AIJ投資顧問」と同じように運用を託されている投資顧問業者は全国に約260社。――“インチキ会社”が「AIJ投資顧問」だけとは到底思えない。
 
『いずこも同じ秋の夕暮れ』――金融庁(証取委)がこれから行う一斉調査に気が気でない投資顧問会社は少なくないはずである。【隼】


コメント
ムムッ。…「暴力団の存在云々」…なんだか気になる記事ですなあ。
  • ウウロン茶
  • 2012/02/27 11:12 PM
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