2012年11月21日配信「くすぶり続ける『みずほ銀行怪チャート』の背景と事件化の行方」<事件>



「怪文書」「怪チャート」が、政財官界スキャンダルの“火種”となることは少なくない。
 
 誰もが自由にブログで発信、「2ちゃんねる」のような掲示板もあって、ネット時代は「怪文書」「怪チャート」のような“書式”を取らなくてもいいのだが、やはり「怪」とつき、事情通をうならせるものは、最初に「紙」で流通する。
 
 興味津々、夏頃から出回り始めた「みずほ銀行怪チャート」は、広範な仕掛けと話題性、抱える問題の複雑さから“今年一番の怪チャート”といっていい出来栄えである。
 
 このチャートには「みずほ銀」というより「旧・第一勧銀」が残した“呪縛”というべきか、統一性があるわけではないが、「旧第一勧銀」に取り憑いていた人物や事業が、アットランダムに書き込まれている。
 
「第一勧銀」となる前の「旧・第一銀行」時代、不良債権処理を担って銀行に食い込み、一心同体となったデベロッパーの「山万」から、既に「みずほ銀行」となって以降、2週間で約900億円の融資を断行、“疑惑のM&A”といわれ、事実、後に事件化する「グッドウィルグループ」による「クリスタル」買収劇まで、時代背景は異なるものまでもが混在している。
 
 また、中心に位置するのは「みずほ銀」の審査第2部審査役O氏で、投資家と「利ざや還元契約」を年8%という法外な金利で結んでいたとされている。
 
 その幹部行員が、「『みずほ銀』が主導したMBO(経営陣による企業買収)」として知られる疑惑の「ぎょうせい事件」に関与、同行にとりついている税理士H氏と共に果たした役割が詳細に記されている。
 
 メインはここ、すなわち幹部行員による金商法違反事件だろう。
 
 行員が、銀行の不良債権処理の過程で得た資金を使い、さらに投資家のカネを集めて、銀行外で運用をやっていたのが事実とすれば、秘密裡の不良債権処理と不良行員の不正運用が、ふたつとも露見してしまう「みずほ銀」のダメージは大きい。
 
 では幹部行員の不祥事が、なぜ他の“DKB事件簿”と重なり合っているのか。
 
 銀行関係者が背景を明かす。
 
「チャート作成者の狙いは、不良行員の怪しいビジネスを“黙認”してきた銀行に責任を取らせることでした。実際、仲介者が動いて、300万円で一度はカタがついた。ところが、それをもう一度、利用しようと“暗躍”する複数の人物がいて、チャートが背景説明とともに流出、右翼系ブログ新聞などに取り上げられて、問題が大きくなった」
 
 幹部行員は今年9月まで在職。銀行の知るところとなっても長く在職させたのは「問題を大きくせず、穏便に済ませたいと思った銀行側の意向だろう。
 
 だが、それは裏目に出た。
 
『月刊日本』(11月号)でジャーナリストの高山住男氏は、「みずほ銀行員が高金利を餌に巨額の金集め」というタイトルで、「チームを編成してのカネ集め」の実態を詳述している。
 
 記事のなかで「みずほ銀行」は、「資金を借りる形で集めていたために詐欺などの刑事事件に問えなかった」と釈明していたが、“子供だましの理屈”である。行員が銀行に無断で巨額資金の貸借をやっていただけで犯罪だろう。
 
 この事件に、他の“DKB案件”をちりばめたのは、事件の背景を示して、銀行にダメージを与えるのが目的であり、それは見事に成功したと言っていい。
 
 折しも「怪チャート」が脚光を浴びていた10月26日、福井県有数の事業家・小野光太郎氏が率いる「小野グループ」の中核3社が、10年近く不正な経理処理をやり続けたあげく、福井銀行の申請による会社更生手続きに入り、倒産した。
 
「小野グループ」といえば、ドイツとの密な関係をもとに、金属鍛造の「ワシ興産」、鍛造ホイールの「ワシマイヤー」、眼鏡レンズの「アサヒオプティカル」などで構成する“北陸の雄”として知られていた。
 
 ただ、倒産原因は“本業”の不振によるものではない。
 
 1990年代、銀行が不良債権処理に苦しんでいた時、DKB資金をもとに積極的なM&Aで、「ニッセキハウス」「サンクス」「寿工業」「ローヤル電機」など“お荷物企業”をはじめ、不動産・ゴルフ場などを取得していった。
 
 それは「旧・第一勧銀」の“要請”でもあったが、02年4月、「第一勧銀」、「興銀」、「富士銀」の3行合併で「みずほホールディングス」が誕生、「第一勧銀」の“自由”は効かなくなり、融資も鈍る。粉飾決算が10年前に始まったというのは、うなずける話だ。
 
 書かれた疑惑は玉石混淆ながら、こうした不透明な会計処理が背景にあるだけに、「怪チャート」は、益々“存在感”を増し、幹部行員による“怪しい資金運用”が蒸し返されるのも無理からぬことである。
 
 一体、何があったのか。――そろそろ「みずほ銀行」自身が「告訴・告発」をして、問題を解明すべき時に来ているのではあるまいか 【忍】


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