2013年5月10日配信「人生本因坊師の甘辛時事問答」<連載>



憲法改正論議

 



――早いものでもう3月、少し暖かくなってきましたね。
 
本因坊師「若いくせに暑いとか、寒いとか、まるで年寄りやな。時期が来れば暖かくなるわい!!――さっさと本題に入らんかい」
 
――せっかく美味しい桜餅を買ってきたのに、そんな言い方をしなくてもいいじゃないですか(プンプン)。
 
本因坊師「桜餅?――それならそれでトロトロしとらんと、早う渋いお茶でも入れんかい」
 
――まったく勝手なんだから(ブツブツ)。――はい、極上の玉露ですよ。
 
本因坊師「どれどれ。――うわ〜ッ、アチチ」
 
――さあ、今日の最初のテーマは、安倍晋三首相が意欲を燃やしている「憲法改正問題」についてです。
 
本因坊師「ワシがネコ舌だということを知ってて――チクショウ!(ブツブツ)」
 
――ここに自民党が1年前に発表した「日本国憲法改正草案」もありますから、トロトロしないで早く本論に入ってください。
 
本因坊師「憲法改正を云々ずる前に、まず『憲法は誰のためのものか』というところから始めんとイカンな。――そもそも憲法ちゅうのは『国民の権利を制限するものではなく、国家権力にタガをはめるもの』であるということを念頭に置かんといかん。浮かれまくりのシンゾウ首相のことや、どうせ草案には、“立憲主義に逆行する条文”がビッシリ並んどるに違いあるまい(笑)」
 
――だって、今の憲法は敗戦後にアメリカから押し付けられたものなんでしょう?
 
本因坊師「それも怪しい話だ。現行憲法制定当時の幣原喜重郎首相は、回顧録で『アメリカに押し付けられたものではない。憲法9条をはじめ、すべて日本人が審議、信念を持って議決したものだ』と書いとるし、ハナから押し付けられた憲法と決めつけるのは如何なものかのう?」
 
――そうなんですか。
 
本因坊師「まずは『前文』から見てみよか」
 
――「国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り〜」とありますが…。
 
本因坊師「要するに、国民には『国防の義務』があるということや。もっともらしい表現だが、将来の『徴兵制』を念頭に置いたものやな」
 
――赤紙の復活ですか、ヤバイなあ!?
 
本因坊師「第1条はどうなっとる?」
 
――「天皇は、日本国の元首であり〜」。あれっ、「象徴」「元首」になっています。
 
本因坊師「つまりは元首にすることで天皇の機能を拡大。国民主権を弱める伏線にしようと企んどるんだろう」
 
――表現はマイルドなので、ついつい「なるほど」と思ってしまいますが、本音は結構、ワイルドですねえ。
 
本因坊師「次にいつも議論の的になる第9条の草案はどないや?」
 
――「戦争の放棄」が「安全保障」に、「国の交戦権は、これを認めない」が「自衛権の発動を妨げるものではない」になり、新しく「国防軍の保持」が入っています。
 
本因坊師「自衛権の範囲を拡大させることで、海外派兵の根拠にしようとしとるんだろう」
 
――第3条では国旗と国歌について、「国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする」と定め、尊重の義務を課しています。
 
本因坊師「う〜ん。これは現行憲法第19条の『思想及び信条の自由』に抵触しそうだな」
 
――その19条ですが、草案では「侵してはならない」が、 「保障する」と後退した表現になり、さらに「個人に関する情報を不当に取得し、保有し、又は利用してはならない」と付け加えられています。
 
本因坊師「個人情報保護法を憲法に“格上げ”し、政治家や官僚など公僕たちの個人情報まで、その保護の範疇に入れることで、自分たちに都合の悪いことに蓋をする。つまり『報道・言論の自由』を妨害するのが狙いやろ」
 
――そうなったら「民主主義の崩壊」じゃないですか。
 
本因坊師「『戦後レジームの解体』の正体は、つまりは『戦前レジームへの回帰』ということだな」
 
――「自由と権利」について定めた現行第12条も草案では「自由および権利には責任および義務が伴うことを自覚し、常に公益および公の秩序に反してはならない」と厳しい表現になっています。
 
本因坊師「『権利』だったものを『責務』に変えて、国民はお上の決めたことに黙って従うべし、ということを謳ったもんや」
 
――「表現の自由」を保障した第21条にも「公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」という文言が付け加えられています。
 
本因坊師「おそらくは暴力団を引き合いに出して『結社の自由』の制限を正当化するのだろうが、表現が曖昧で、如何ようにも拡大解釈できるワイルドどころか、“怖ろしい条文”だな」
 
――「家族は、互いに助け合わなければならない」という草案の第24条だけは真っ当な気がするのですが…。
 
本因坊師「甘いなあ。これは『個人よりも家族が大切だ』ということを言うとるんやぞ。憲法の根本は個人の尊重やのに、それに逆行した草案のどこが真っ当なんや。第一、家族の形態に国家が、いちいち口を出すこと自体、余計なおせっかいや」
 
――草案通りに憲法が改正されたら、後退するのは「権利」で、反対に増大するのが「義務」これじゃあ、「けしからん!!」と非難している北朝鮮と変わらない国家になっちゃいそうです。――社民党の“ガチャガチャ党首”が『憲法改正絶対反対』と絶叫するのを聞くと鼻白んでしまいますが、よくよく考えると現行憲法は、案外と“良い憲法”かもしれませんね」
 
本因坊師「まあ、老い先短いワシには関係ないことやが、これからの時代を生きるお前らは、これを機会に、普段はあまり関心を持つことのない憲法をじっくりと読んで欲しいもんやな」(了)

※憲法論議喧しい折、アクセス数が多かった配信記事(3/7)を再掲しました。



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