2013年7月24日配信「創刊された『山口組新報』で6代目が掲げた『原点回帰』と、末端組員が直面する生存権否定の『現実』との“落差”!?」<内幕>


創刊された「山口組新報」


 山口組が創刊した『山口組新報』が、司忍6代目の意識と人柄を伝えていて興味深い。
 
「筋を大切にする昔ながらのヤクザ」という評判の通り、「巻頭の辞」では、山口組が創設以来、多事多難を乗り越えてきたことを振り返りつつ、「原点回帰」を訴え、最後にこう結んでいる。
 
「不肖私も改めて日本人としての自分を見つめ直し、凛とした桜のように慎ましくも実直な人格でありたいとの思いを強くし、本誌『山口組新報』創刊の巻頭言といたします」
 
 6代目が、故田岡一雄3代目の信奉者であることはよく知られている。
 
 その3代目が発行していたのが昭和46年7月に創刊され、50年1月まで続いたのが『山口組時報』である。
 組内の告知板であるとともに、3代目が「ヤクザとしての生き方」を説いた『山口組時報』を蘇らせることで、山口組の再出発を誓う。――それが6代目が掲げる「原点回帰」である。
 
 暴力団社会を覆う閉塞感、それを打ち破るために必要な自己変革など、6代目が抱える危機意識は、直参の組長なら誰もが共鳴することだろう。
 
 しかし、上納金を納めつつ、“シノギ”を開拓しなければならない末端の組員は、「ヤクザであるがゆえに食えない」という厳しい現実に悩んでおり、「生き方」や「自らの存在価値」を論じている場合ではない。
 
 3次団体の幹部が率直に言う。
 
「承知の通り、ここ数年、警察や自治体が一体となって暴力団を締め上げとるわな。暴力団系と看做されただけで、公共工事から締め出され、そうなると今まで仲が良かった民間業者からも距離を置かれ、金融機関が相手にせんようになる。経済活動だけやない。暴力団員は銀行口座は開けんし、事務所も借りられん。たまのゴルフもアカン。――雁字搦めの“包囲網”で、生きるか、死ぬかの瀬戸際に追い込まれとるご時世に、『ヤクザの生き方を問われてもなぁ』というのが率直な気持ちやなあ」
 
 実際、山口組に限らず、暴力団は“割に合わない仕事”になっている。
 
 総会屋や右翼といった“二足のわらじ”は、総会屋が絶滅、右翼の街宣活動も規制強化のなかで封じ込められて通用しなくなった。また紙爆弾攻撃で企業を恐喝する手法も、ネットの普及と情報誌紙の激減で通じない。
 
 暴排条例は、カタギに暴力団との交際を禁じたもので、具体的に「認定」「公表」「通達」と言った暴排条例上の手順を踏んで、カタギの側が罰則を受けることはほとんどないものの、「交際禁止」のアナウンス効果はテキメン。飲食店、風俗店、興行界、芸能界といった暴力団と近い世界が遠くなり、結果的にシノギから外れはじめた。
 
 その結果、暴力団の構成員、準構成員の数は激減。総数は、昨年1年間で7000人も減って7万人強となった。
 
 関東連合に代表される半グレが急増したのも、「暴力団員になってしまっては食えない」ことの“証し”である。
 
 つまり、暴力団組織の末端で起きているのは、「組員であることをどう隠すか」という作業であり、構成員数の激減のなかには、偽装の除籍、破門も含まれよう。
 
『山口組新報』で6代目が説く「原点回帰」とは、3代目時代の「ヤクザがヤクザらしく生きられた時代の節度であり誇り」である。
 巻頭の辞の冒頭で、「やまとごゝろ」を謳った本居宣長の短歌を掲げたのも、そのあたりを意識したものであろう。
 
 しかし、「山口組=暴力団」であることで生存権を否定された過酷な現実に直面している末端の組員にしてみれば、身分を隠すか、捨てるしかなく、「山口組の誇り高き組員であれ」と要求する6代目とのギャップは深い。
 
 ヤクザとしての「原点回帰」と、ヤクザという「身分そのものを否定する現実」――その“落差”の大きさは、暴力団もまた“絶滅種”となる時代到来?の予兆なのかもしれない。【桂】




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