2016年5月13日配信<週刊0510archives>「身売りのシャープ!事件化の東芝!――凋落著しい日本の家電業界を"傲慢経産省"が差配中!」<経済>


官出張って民衰退(☚wikipedia)



 偶発債務問題にもケリがつき、「シャープ」「鴻海(ホンハイ)精密工業」(台湾)のもとで再建されることになった。

 2月29日の交渉期限が延びたのは「シャープ」が、取締役会で「ホンハイ買収案の受け入れ」を決議する前日、約3500億円もの偶発債務リストを提出したためである。

「なんだ、これは!」

 郭台銘会長は、藪から棒の偶発債務の出現に怒り、精査を命じたという。

 偶発債務のなかには、例えば「二審まで勝ち続けている特許権裁判で、最高裁でひっくり返る可能性」といった、現実味のないものまで含まれており、「シャープ」は開示すべき偶発債務は有価証券報告書などのなかに書かれているとして、ギリギリまで「ホンハイ」側に開示していなかった。

 その提出を迫ったのは、「ホンハイ」と「シャープ」の再建を争った官民ファンドの「産業革新機構」で、「偶発債務をすべてオープンにすべきだ」と、「シャープ」に迫ったという。

 既に、「シャープ」の「ホンハイ」による買収は決まっていたが、「ホンハイ」が3500億円に恐れをなして協議が再開されれば、“逆転”の可能性があるとして工作したのである。

 いわば、底意地の悪い最後っ屁――。

 しかし、約100項目の偶発債務を精査すると、契約締結を見直すような材料は見当たらず、3月4日までに精査を終えて、最終契約の段取りが整った。

 この強引な仕掛けの裏には、「産業革新機構」をリードする経済産業省の思惑がある。

 「産業革新機構」傘下には、「日立製作所」、「ソニー」、「東芝」の液晶事業を統合した「ジャパンディスプレイ」(JDI)がある。

 経産省は、ここに「シャープ」の液晶部門を経営統合し、強力な"日の丸液晶"とする方針だった。

 革新機構案が、経営陣の「経営責任」と銀行の「貸手責任」を追及したうえで、3000億円を出資するのに対し、ホンハイ案は、経営陣は、当面、事業を継続、銀行が保有している優先株1000億円を買い取り、新たに6500億円を出資するというものである。

 シャープ経営陣と銀行にとって、どちらがいいかは一目瞭然である。

 もちろん、「ホンハイ」が経営権を握ってしまえば、経営陣の首切りや大リストラが待ち受けているかもしれないが、それは革新機構傘下に入っても同じこと。であれば、最初にカネを弾む「ホンハイ」を選ぶのは当然だった。

 「シャープ」だけではない。

 東芝再建においても経産省は"水面下の指導力"を発揮している。

証券取引等監視委員会は、東京地検特捜部と連動して、「東芝」の粉飾決算を解明する準備を進めている。

 これまで、証券監視委が手がけた大企業事件には、「カネボウ」「オリンパス」などがあるが、いずれも企業の個別事情によるものであった。

 が、「東芝事件」は違う。

 同社の西田厚聰、佐々木則夫、田中久雄の歴代3社長が、「チャレンジ」という威勢のいい言葉で利益の水増しを求め、それに応えた社外取締役・監査役・監査法人のチェックは形骸化。「馴れ合い監査」となっていたことが巨額粉飾決算に拍車をかけたわけだが、これは、日本の大企業に共通する“悪しき慣習”であり、構造的なものである。。

 証券監視委には、それを「東芝事件」を契機に見直させるという意識があり、経産省もそれを認めた。

 ただ、6兆円企業で多年度に渡って行われた2000億円の粉飾が、刑事罰を問うほどのことか、という声が、当初は一般的で、だから課徴金処分だった。

 だが、次々に寄せられる内部告発の深刻さと、再建に向けて動き出した「東芝」が、医療機器部門を約7000億円で売却。その資金で原子力部門にテコ入れ、半導体部門を拡充するという方向性が見えたところで、経産省は証券監視委の意向を受け入れた。

 現在、安倍官邸で最も力を持っているのは「1億総活躍社会」「新3本の矢」なる空疎な"掛け声フレーズ"を造った経産省出身の今井尚哉秘書官である。

 大物秘書官をバックに付け、経産省は他の官庁を圧倒。安倍政権では、経産省が主導する企画立案が少なくない。

「シャープ」と「東芝」の再建も自分たちで差配、「東芝」が自立再生できない場合を考えて、原子力部門の核である米「ウェスチングハウス社」の「売却先」まで根回ししていたという。

 事業再生は、本来、民間主導で行うのが“筋”で、国家が出張ってくるべきではない。

 ところが、経産省はバックの官邸の「政治力」と「産業革新機構」という「容れ物」を武器に、自分たちで産業構造を支え、企業秩序を確立しようとしている。

 『いつの時代も役人栄えて国家衰退』――「シャープ」と「東芝」で垣間見せているその姿勢は、傲慢の極みという他ない。【寅】

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