2016年8月23日配信「中国による日中交流の“大物”拘束で確立が迫られるスパイ事件対処法」<政治>

 
中華人民共和国公安部(☚wikipedia)


 

 「日本政府はいかなる国に対してもスパイ行為をしていない」

 菅義偉官房長官は、7月28日、日本と中国の青年交流を推進する団体の男性役員が、渡航先の北京で中国治安当局に拘束され、取り調べを受けているという報道を受け、記者会見でこう述べた。

 2014年11月、「反スパイ法」を制定した中国は、スパイ行為を行ったとして日本人を拘束するケースが相次いでおり、今回で5人目である。

 昨年5月以降、拘束された4人のうち、愛知県在住の50代の男性は、軍事管理区域に立ち入った疑いにより温州市で拘束され、今年5月、起訴された。

 また、上海出身で日本国籍を取得した東京の日本語学校事務長の50代の女性は、昨年6月、訪れた上海で拘束され、団体役員のスパイ拘束報道の翌日(29日)、起訴されて公判中であることが明らかとなった。

 残る神奈川在住の元脱北者で、日本国籍を取得した50代の男性(昨年5月、遼寧省で拘束)と、脱北者支援活動などに携わっていた札幌市在住の60代の男性(昨年6月、北京市で拘束)は、現在も取調中と見られる。

 日本では、軍艦や戦闘機などの写真撮影は容易だが、中国では厳秘で、基地の敷地外であったとしても、撮影はスパイ行為と見なされる。

 また、中国当局にとって「好ましからざる人物との接触」が、スパイ行為にされてしまうこともある。

 日本にはスパイ組織はない。

 警察庁、防衛省、外務省などの省庁の一部部局や内閣情報調査室(内調)、公安調査庁(公調)など情報を収集し、整理、分析する役所はあるが、専門のスパイを養成、密かに派遣するような行為はしていない。

 なのに、5人が拘束されたのはなぜなのか。

 「彼らは、いずれも公調の協力者。公安関係の調査部門のなかでも、公調は最も存在感がなく、"不要官庁"の烙印を押されている。もともと共産党の監視が目的で、今や意味がない。だから情報収集で存在感を見せつけようと無理をする。といって自分たちが中国で動くわけにはいかず、協力者に調査活動費を支払って調べてもらう」(全国紙公安担当)

 協力者といっても素人である。

 だから、不用意に基地に近づき写真を撮り、あるいは警戒感なく近づいて情報収集を行い、痕跡を残す。――中国公安当局にとって、拘引するのはごく簡単なことだろう。

 ただ、前回の4人が、日本国籍取得者や活動家で一般人だったのに比べると、今回は日中双方の専門家が知る“大物”で、しかも日本政府に“身分”を持つ。

 一般社団法人日中青年協力協会理事長で、衆議院調査局国家基本政策調査室兼北朝鮮による拉致問題などに関する特別調査室の「客員調査員」の肩書を持つA氏(59)である。

 同氏は、ほかに拓殖大学客員教授、日中協会理事、中国・北京市社会科学院中日関係研究センター客員研究員を務めており、日中双方に足場を持っていた。

 さらに、旧社会党時代、竹内猛、秋葉忠利代議士らの公設秘書を務め、村山富市首相時代、「村山談話」にも絡んで訪中。長く日中問題に取り組んだ専門家である。

 今回、外交助言シンクタンクの「新外交イニシアティブ」と中国外交部が、11月初旬、中国外交部と合同で開くシンポジウムの下準備のために「新外交イニシアティブ」のメンバーとともに訪中。7月13日までは同じ日程で動き、14日、15日と別行動をとって15日夕、チャイナエアラインで成田に到着するはずが搭乗せず、北京で拘束されていた。

 その間に、誰と会い、どんな活動をしたかは不明だが、長年、内調や公調の協力者だったA氏の行動が、中国公安当局の何らかの“思惑”によって「スパイ認定」されたのは間違いないだろう。

 A氏がどんな人物で、どんな役割を果たしているかは、中国は十分に知悉していただけに、逮捕は、その時のA氏の行動ではなく、権力闘争の一環?といった中国側の事情ではないだろうか。

 そういう意味で同氏の拘束は奥が深く、これまでの4人と違い「国の身分」をもつ人物だけに、政府も無視を決め込むことはできない。

 S氏の役割は何で、日本政府はそこにどう絡み、そして中国側の思惑は何なのか――。

 今後、中国による「日本人スパイ拘束」を防止するためには、政府は内調や公調の調査協力の実態を把握のうえ、確とした対処法を定めておくべきだろう。【巳】

 

 

 

 

 


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