2019年4月17日配信<0510archives>「ロシアゲートでSNS規制論の最中に巨額利益を上げたFBなどが果たすべき責任」<事件>

(☚wikipedia)


 ロシア政府が、交流サイトのSNSを使って不正な世論操作を行い、2016年の大統領選で「トランプ当選」に有利なように働きかけたという、いわゆる「ロシア疑惑」は、10月30日にトランプ陣営の元選挙対策本部長が起訴され、11月1日には、米議会の公聴会にフェイスブック(FB)、グーグル、ツイッターの幹部が呼ばれて追及を受けるなど、米国を揺るがす問題に発展している。

 他国が、特定の意図を持って情報を操作、自国に有利な候補を当選させようと働きかけたのが事実なら、論外な内政干渉であり、民主主義への冒涜である。

 その舞台となったSNSの主要3社幹部が、事態をどう把握し、どう改善しようとしているかを問いただされるのも当然だろう。

 皮肉にも、公聴会の最中の1日、FBは2017年7〜9月期決算を発表。それは広告収入の伸びで増収増益を実現、売上高が103億ドル(約1兆1600億円)、純利益が47億ドル(約5300億円)だった。

 売上高の約半分が純利益という驚異的な収益構造は、FBがサイトへの参加者に対して行うサービスへの見返りとして、ログイン時に必要な住所、年齢、性別などの個人情報に加えて、友人知人、趣味嗜好などの獲得したデータを使い、効果的な広告を打てるからである。

 収入の大半が広告で賄われる広告業者のFBは、テレビ、新聞、雑誌などの旧来型メディアが、「マス」(不特定多数)に向けて拡散するだけで効果が測れないのに対し、ビッグデータに格納されたプライバシー情報を広告主の求めに応じて取り出し、最適な形で望ましいと思われる購買層に発信する。

 このマイクロターゲティング効果は抜群で、しかも広告を閲覧したかどうか、成約に至ったかどうかも計測できるとあって、既存メディアの広告を“食い”、しかも他のネット広告業者を上回る業績を上げてきた。

 FBに対抗できるのは、動画サイトのユーチューブを傘下に持ち、検索エンジンを使って優位な広告を打てるグーグルだけで、両社の市場占有率は6割を越える。

 広告を打つに際して広告主は、顧客管理システムなどのデータも効果的な広告効果のために提供する。

 それがビッグデータとなって蓄積され、ますます両社は巨大化する。

 しかも投資は、人材とネットワークに関するものだけで、装置産業のような設備投資を必要としない。

 さらにFB、グーグル、ツイッターのような交流サイトは、情報を流すだけの「プラットフォーム」という位置づけで、そうした企業群を育成しようとした米政府によって、「包括免責」を与えられている。

 90年代末に制定された通信品位法などによって、例えばユーチューブ上を悪意があり、根拠のない名誉毀損映像が流されれば、既存メディアではメディアの側が厳しい罰則を受けるのに対し、SNSでは罪を問われるのはユーチューバーであり、プラットフォームは免責される。

 ビッグデータは、世界の個人と企業と政府が、コンピュータとつながることによってもたらされる「公共財」である。

 ならば特定の事業者が、自社の利益のためにだけ使うのは許されない。

 まして、個人のプライバシーを使って、他国の有権者の投票活動を誘引しようとする勢力に対し、それもまたビジネスと割り切ってプラットフォームを提供するのは、国家国民への冒涜であり犯罪行為である。

 公聴会で3社の幹部は、「不正広告のチェックは事実不可能」と、開き直ったが、不可能ではなく「包括免責」をタテにフェイクニュースも悪意のある情報も、公序良俗に反する広告も放置してきた。

 その怠慢のうえに利益はかさ上げされ、その巨大な利益でM&Aを繰り返し、新たなプラットフォーマーを取り込んで増殖してきた。

 利益を上げることが悪いわけではない。

 その収益構造に問題があり、それが「免責」を原因とするものなら、どれだけコストがかかろうと、プラットフォーマーに応分の負担を求めるのは当然のことだろう。

 「包括免責」「ネット性善説」に立って、原則的には自由が認められてきた米国で、初めてネット規制の論議が本格化している。

 日本でも状況は同じである。

 9人が殺害された「座間殺人事件」もネット上の自殺の書き込みを利用したものであり、「ネットはそういうものだ」と看過できない事件である。


 「だからと言って、責任の一端をネットのせいにするのはお門違いだ!」「あくまでユーザーの問題だ!」――異論、反論はあろうが、ネットを流れる「情報と広告の制御」について、本格的に論議すべき時期であろう。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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