2018年7月18日配信「助成金は3500万円/年!――裏口入学で文科省局長を落とした東京医大の“前歴”」<事件>

 
黒い巨塔(wikipedia)

 

 「森友学園事件」を不発に終わらせた検察が、次に選んだのは東京医大だった。

 東京地検特捜部は、国の支援事業で東京医大に便宜を図った見返りに、自分の息子を同大医学部に裏口入学させたとして文科省前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者を逮捕した。

 佐野容疑者と大学を仲介、受託収賄幇助容疑で逮捕された谷口浩司容疑者の他、点数を水増し、不正合格を指示した東京医大トップの臼井正彦理事長、鈴木衛学長の不正も暴かれ、今後、文科省と私大の補助金を介しての「癒着の構図」にメスが入れられる。

 森友学園では、安倍晋三政権に配慮、財務省官僚の罪を不問に付しながら、政権に関係なければ遠慮なく「霞が関」に踏み込む検察のご都合主義はさておき、補助金と監督権限を武器に、天下りの受け皿にすると同時に“財布代わり”にし、そればかりか自分の子供まで押し込む官僚の腐敗は、徹底的に糾明すべきであろう。

 同時に、東京医大という大学の持つ“体質”についても触れておくべきだ。

 東京医大が450億円の新病院建設工事を巡って、スキャンダルに見舞われたのは2012年から14年かけてのことである。

 まず、時系列で眺めてみよう。

 東京医大は、16年に創立100周年を迎えるということで、それに合わせて新大学病院と既存病院の改修工事を行なうことになった。

 工事を受注したゼネコンは、かねて理事会と親密で過去に実績もある「大成建設」だった。

 だが、学内には「特定の業者に決めつけるのではなく、公正を期すべきではないか」という声があり、その急先鋒が、コンプライアンス担当理事でもある飯森眞喜雄副学長(当時)だった。

 その飯森氏に「不倫疑惑がある」とした怪文書が流れたのは、12年6月頃のことで、それと連動するように右翼団体の正氣塾が街宣活動を行なった。

 その直後、「大成建設」の多田博是副社長が飯森氏に接触、「大成建設への受注協力」を持ちかける。

 12年7月25日、2人はホテルオークラの「山里」で会談、攻撃が続いていた飯森氏は会話をICレコーダーに収めた。

 「力になれば、ニンジン(キックバック)はあるの?」という飯森氏の問いかけに、多田氏が「1%を合法的なコンサルタント料として還元したい」と、述べるなど、かなり生々しい。

 しかし、飯森氏は応じず、正氣塾の攻撃は続いていることから同校OBが「事態打開のため」と称して動き、大成本社に飯森氏を連れていって、「辞表をかけ」と迫っている。

 「書く理由がない」と、飯森氏は断ったが、こうした一連の工作と動きを、警察に相談したこともあって、東京医大は調査委員会を立ち上げて調査を開始する。

 その結果、「飯森攻撃」は収まり、「大成建設」は工作が表面化したこともあって、公募型プロポーザルには参加せず、結局、受注したのは「大林組」だった。
 
 こうした不自然な工作は、いつか必ず社会問題化する。

 13年春頃から受注過程を問題視した警視庁捜査2課が、関心を持って内偵捜査に入った。

 それをいち早く伝えたのが経済月刊誌『FACTA』(13年6月20日発売号)で、半ページほどの短いコラムで経緯を書いたところ、それに過剰反応した東京医大は、すぐに同誌を名誉毀損で提訴した。

 ここから『FACTA』が連続掲載、『週刊文春』が追撃して「録音データ」を公開、東京医大はスキャンダルにまみれた。

 事実なら由々しき事である。

 東京医大は私大なので、大学経営陣とゼネコンなど業者との癒着を立件するのは難しいが、バックリベートがあれば背任罪での摘発は成り立つとして、捜査2課とは別に、東京地検特捜部直告1班が内偵捜査に入った経緯がある。

 また、攻撃を受けた飯森氏も一連の経緯は許し難いとして、警視庁捜査2課に強要未遂で刑事告訴、そちらの捜査も始まった。

 しかし、検察、警察ともに決め手を欠き、なかでも「大成建設」が下りて、受注に至らなかった点が大きく、大きな謎を残しながらも事件は終結した。

 そうした“過去”があるにも拘わらず、東京医大という大学の「体質」は変わらなかった。

 当時、特捜部直告1班を率いていた副部長が、現特捜部長の森本宏氏である。

 東京医大の癒着・隠蔽体質を知る森本部長だけに、今回の摘発は、リベンジの意味合いもありそうである。【寅】

 

 

 

 

 

 

 


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