2018年10月4日配信「オンラインサロンの会員を月額3万円で4000人集め、資産50億円を豪語する投資家KAZMAXとは何者か?」
KAZMAX氏(☚Twitter)
ネット上のファンクラブであるオンラインサロンは、堀江貴文氏が月額1万円で2000人を集めており、閉じられた空間の情報コミュニティとして、ビジネス展開が可能であることを示した。
堀江氏のように「本業が何かを、まったく意識していない」という人の場合、オンラインサロンはファンクラブとして機能し、ロケット開発などを堀江氏とともに夢見て事業化することもある。
ただ、オンラインサロンが可能なのは、堀江氏のように、サロン主宰者が自分自身をブランディング化できる有名人、才能ある人という意味でのタレント、もとからのファンを持つ芸能人などである。
「普通の人」は難しいのだが、それが「カネ回り」となると、恥じらいもない情報発信力で、一挙に会員を集めることができるのを証明したのがKAZMAXである。
本名は吉澤和良で、1989年生まれの29歳。資産家の息子として恵まれた環境に育つものの、「親の倒産で連帯保証人にさせられて〜」という不幸な20代前半を送る。
借金地獄から逃れ、カリスマ投資家(後述)の運転手になったのを機に投資の世界に入り、仮想通貨に関するツイッターでのつぶやきが次々に当たって人気を集め、今年8月に開始したオンラインサロンは、月額3万円ながら4000人を集めたという。
一気に注目されるが、バッシングされるのも早く、オンラインサロンとして使っていたDMMには反社情報が寄せられて、DMMからは退出を求められ、別のプラットフォームに移って運営を継続した。
9月25日には、「シェリングテクノロジー」が大阪で主催するイベントに出演することになっていたが、「中止しなければセミナーをつぶす」といった脅迫行為があったとして出演を見合わせた。
本人が雑誌インタビューなどで語ったところによれば、仮想通貨の過熱感に疑問を感じ、暴落と反騰を上手く読み込んで、今年2月中旬までに6億円を稼いだという。また、仮想通貨というより、もともとは株や為替、先物のトレーダーで、これまでに築いた資産は50億円と豪語する。
もちろん、そんな相場に強い天才トレーダーがいないわけではないが、1日に20時間もチャートを見て値動きを研究、「人間心理の集合体」であるチャート分析を得意とし、その典型が「三尊天井に表われる」というのだから、意外にクラシックだ。
天才もカリスマも自称に過ぎないのではないかと思われる幼さだが、証券専門紙と情報誌、それに口コミに頼ることしか出来なかった加藤某氏や中江某氏の時代と違い、ツイッターやフェイスブックで情報を拡散できる現在、マメさと拡散のノウハウを持ち、仲間がいれば、どのような情報操作も可能。才能、能力以前に、KAZMAXはそれに長けた「現代の投資顧問」である。
ただ、ネット上で「秒速でカネが稼げる」といった情報を流し、セミナーなどに誘い込んでカネを吐き出させる情報商材屋であるという過去が、KAZMAXにはついて回る。
「反社とのつきあい」という批判は、猫組長などとの交遊を隠さないことから生じたものだろうが、情報商材屋の過去は消せない。
前述の投資を覚えたカリスマ投資家とは、現在、「オウケイウェイブ」の社長を務める松田元氏のこと。幾つもの書籍を著し、投資の世界に誘い込む天才といわれる松田氏は、KAZMAXの5つ年上の34歳。情報商材の世界で浮上のきっかけをつかみ、平成松下村塾という投資セミナーを始めた。
今は、仮想通貨にのめり込み、上場企業の「オウケイウェイブ」をそちらの方面にリード、仮想通貨Wowbitを使った感謝経済圏の確立、といった分野に取り組んでいる。
ネット社会は、スマホの使い方に習熟、宣伝を兼ねた情報発信を、SNSを含めた様々な手段で行える若者に、飛躍のチャンスを与える。
その手っ取り早い方法が情報商材で、松田氏がそうであったように、KAZMAXもサロン開設前には「超高速お金拾いシステム」という商材販売に加担した。
バッシングとそうした過去は無縁ではなく、KAZMAXの猫組長、ウルフ村田といった人脈にも怪しさが漂う。
「サロンという閉じられた空間」の中で、ツイッターでつぶやき続けており、今は放置されていても、登録免許を受けずに行う投資顧問業を、金融庁がいつまでも黙ってはいないだろう。
カリスマ投資サロン主宰者の今後は、「スマホ時代の投資環境」の変化を占う意味においても要注目であろう。【酉】
- 2018.09.30 Sunday
- 事件
- 22:09
- comments(0)
- trackbacks(0)
- -
- -
- by polestar0510