2018年11月17日配信「レイプ疑惑の山口敬之氏の次はLGBT差別の小川榮太郎氏――安倍首相の周辺文化人が、次々に騒動を巻き起こす理由」<事件>

 


 今年のノーベル平和賞は、性的暴力の被害を訴える人権活動家のナディア・ムラドさん(25・イラク)と、性暴力被害者の治療を行なってきたデニ・ムクウェゲ医師(63・コンゴ民主共和国)に決った。

 世界的な「Me Too(私も)運動」の高まりを見るまでもなく、性に対する差別や暴力は、忌むべき事として企業、学校、家庭などあらゆるコミュニティから排除されている。

 その流れを象徴する受賞だったが、奇しくも日本では、それに逆行する言動の主たちが安倍晋三首相の周辺にいる。レイプ疑惑の山口敬之氏とレズビアン、ゲイなど性的少数者であるLGBT差別に対する擁護発言を行なった小川栄太郎氏である。

 『総理』(幻冬舎)などを著し、「安倍首相と最も親しいジャーナリスト」である元TBS記者の山口氏は、準強姦を行なったとして被害者の伊藤詩織さんから告訴された。

 刑事事件は不起訴となったものの、伊藤さんは『Black Box』(文藝春秋社)を著し、性的被害の傷跡の深さを訴えた。

 小川氏は、波紋を呼んだ杉田水脈代議士の「LBGTは生産性がない」という『新潮45』に掲載した論文を支持する形で、同誌10月号の「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という特集に持論を寄稿したが、「痴漢擁護論を並列させた“とんでも論文”」として批判され、同誌休刊の一原因となった。

 『約束の日 安倍晋三私論』(幻冬舎)を著した小川氏もまた、安倍首相との近さで知られるが、山口、小川の両氏が、性差別に絡んで登場するのは、決して偶然ではない。

 もちろん、安倍首相に性差別意識があるという意味ではなく、揉み手をして最高権力者に近寄ってくる“手合い”は、自分も権力者になったように錯覚、強圧的な言動が目立つようになるということだ。

 それは、自分に同調する人間を重用する安倍政権の姿に重なってくる。

 政治も経済も、権力が長期化すると、側近、イエスマンで周辺を固めるが、安倍首相も3選が目に入った昨年あたりから、その傾向が強くなった。

 進展するグローバリズムと高度化するIT社会は、二極化を生み、その流れについていけない多数派を排外主義の保守派に追い込んでいった。

 その動きに「美しい国」「愛国」「自立防衛」「教育改革」「憲法改正」を掲げる安倍保守政治がマッチ、支持率は衰えない。

 その高支持率に支えられ、政治家も官僚も安倍首相を向き、安倍一強に加担。そこには小選挙区制や内閣人事局といった権力基盤を強固にする制度改革もあり、その結果、明治以降の憲政史上、最長政権となることが視野に入ってきた。

 安倍首相と最も親しいジャーナリスト、評論家である2人には、安倍氏が第一次安倍政権を放り出した後、不遇となった時代から安倍氏を支えてきたという自負がある。

 また、ジャーナリスト、評論家だけでは食えないという現実が、山口氏を「スパコン事件」を引き起こした斎藤元章・ぺジーコンピューティング代表の顧問職にし、小川氏を「反安倍」のメディアを追い込む「放送法遵守を求める視聴者の会」など安倍周辺ビジネスの“主”にした。

 安倍氏との距離感を縮めるためには、無理な論を展開する必要もある。

 小川氏が上梓した『徹底検証 森友・加計事件』(飛鳥新社)は、その典型だろう。

 <安倍晋三は『報道犯罪』の被害者である>という言葉から始まる同書は、客観性を顧慮せず、『朝日新聞』をはじめとするメディアや野党の批判が目的である。

 それは小川氏の“立ち位置”なので当然といえば当然なのだが、問題は「安倍夫妻が森友学園や加計学園から何らかの便宜供与を受けたか否か」ではなく、「安倍周辺に配慮する政治家や官僚の意思決定そのものに問題がある」という事件の本質に思い至っていないことだ。

 同様に、「安倍周辺者」の小川氏は、安倍保守政治に連なる改憲派の杉田氏を応援せざるを得ず、その言動は自分の存在を際立たせるために、より過激にならざるを得なかった。

 また、既に過去の人になった感のある山口氏だが、その後遺症は今なお続いている。

 不起訴になったものの捜査段階では逮捕寸前であり、ストップをかけたのは菅義偉官房長官の“忠臣”といわれる中村格・警視庁刑事部長(当時)だった。

 中村氏の「事件潰し(逮捕見送り)」が週刊誌に報じられ、「出世の道は絶たれた」と、言われたものだが、大方の予想を裏切って、今年9月の警察庁人事で官房長となり、警察庁長官コースに乗っていることを示した。

 山口氏と小川氏が起こした事件は、安倍一強の保守政治のなか、「安倍周辺者」が関与したという意味で、政権長期化が生んだ“驕り”と読むこともできる。

 それが世界的に忌むべき事象の「性差別」であることは、安倍首相も真摯に受け止めるべきだろう。【辰】

 

 

 

 

 

 

 


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