2018年12月7日配信「年末までに乗り越えられるか?――威信回復に燃える特捜部が挑むカルロス・ゴーン容疑者の“コスモポリタン障壁”⁉」<事件>

 

                                                          (wikipedia)

 

 

 日産をV字回復させたカルロス・ゴーン前会長は、小菅の東京拘置所でもタフなネゴシェーターぶりを見せつけているようだ。


 取り調べの検事を相手に、「金融商品取引法違反を伝えられる報酬の過少申告は、全て合法をグレッグ・ケリー前代表取締役に指示、そう処理されているので罪は犯していない」と、持論を展開しているという。

 特別背任や横領を指摘されている住居の私的利用、親族や家族への会社資金の流用なども、「合法」の説明がつくという。

 ゴーン容疑者は、ブラジルに生まれ、レバノンに育ち、フランスで教育を受け、日本で経営者としての才能を開花させた。

 いわばブラジル、レバノン、フランスに国籍を持つ多国籍ビジネスマンである。

 我が身を守る術が、カネと知識(法)であることを知り尽くしている。

 05年、ルノーCEOに就任、「ルノー・日産アライアンス(連合)」の頂点に上り詰めてからは、自分の力をグループに浸透させることに腐心した。

 経営的には「ルノー」からの政治圧力の排除であり、個人的には後継を育成せず、ナンバー2も置かずに「ルノー・日産アライアンス」の「帝王」として君臨した。

 国が15%を持つ国有企業で、雇用・景気のため、「ルノー」にさまざま注文をつけるフランス政府を交わしつつ、“天領”の「日産」では報酬を取りたいだけ取り、CEOオフィスを利用することで私物化を加速させた。

 CEOオフィスを管掌したのがケリー容疑者であり、その後任が、今回、司法取引に応じて、特捜部に全てを暴露したハリ・ナダ専務執行役である。

 二人はともに弁護士。確信犯として会社を私的に利用、得たいものを得る覚悟のゴーン容疑者だけに、「合法」には細心の注意を払う。

 だからCEOオフィスの長として、自分の税金問題や報酬、世界の住居、プライベートジェットを含む様々な経費などを扱う世話係のトップは、法律に明るい“忠臣”でなくてはならなかった。

 誤算は、ハリ・ナダ専務執行役が、ルノーの日産統合に舵を切ったゴーン容疑者に怒りを感じた日産プロパー幹部の、「ゴーンを放置すれば、やがてあなたも犯罪者」という“説得”に応じて検察と司法取引を結んだことだ。

 さらに、ハリ・ナダ専務執行役の部下として各種工作に直接、関わった大沼敏明元秘書室長が司法取引に加わって、告発の体制は万全となった。

 各種資料と数々の指示メールが提供され、オール日産が特捜部に協力するのだから障害は見当たらない、と思えた。

 だが、それは「誤算」だった。

 特捜部には司法取引は施行から2件目という経験の浅さがあり、ゴーン容疑者には強靱な神経と法的措置を施しているという自信があった。

 オランダのアムズテルダムに設立した子会社「ジーアキャピタルBV」が、タックスヘイブンに孫会社を設立、ブラジルとレバノンに20数億円でゴーンが私的に利用する家を購入した問題は、「海外で捜査が難しいうえに、『仕事でも使う』と主張され、物件的価値が毀損既存していなければ、特別背任に問うのは難しい」(捜査関係者)という。

 姉への年間10万ドルのコンサルタント料契約、プライベートジェットの私的利用、飲食・交通費などの家計へのつけ回しについても、「家族を犠牲にする24時間勤務のCEOには許容の範囲」と主張されれば、業務上横領という扱いは難しくなる。

 そのうえに、「年間10億円は、将来の受け取りにしていた」という「未記載の理由」については、「受取金額は確定していなかった」という理屈で、「確定しており記載すべきだった」という特捜部の見解に反対している。

 何が違法で、何が合法で、何がグレーなのか――ゴーン容疑者は、それに呆れるほどこだわり、手を打っている。

 「ジーア社」のように怪しいと思えば連結決算にせず、監査法人を別にしてグレーを堅持する。

 「未記載」が、金商法逃れであるのは明白だが、だから書式をひとつにせず、様々なパターンを想定、自筆サインを入れず、まるで後の捜査を想定していたかのように隙を見せない。。

 この「胆力と自信としたたかさ」は、国籍や民族にこだわらず、混乱と災いと支配を避け、税率に応じて住居を選ぶ。――すなわち「国境なきビジネスマン」であり、「どう生きれば得なのか」という”個人本位の哲学”から生まれたものである。

 だから、殊更「法」にはこだわるのである。

 大阪地検事件以来の「死んだふり」の8年を経て、その対価として得た司法取引を武器に、特捜部は「ゴーン逮捕」という大勝負で復活しようとしている。

 ただ、日本の検察の体質と個々の検事が抱える、「額に汗して働く人間たちの素朴な正義感を大切にする社会秩序を自分たちが守る」という「使命感」は変わらない。

 それは、堀江貴文、村上世彰両氏のような“小粒”な破壊者には通用したが、世界を股にかけるエスタブリッシュメントで、国籍を有する3ヶ国が“共闘”するゴーン容疑者には、なかなか通用しない。

 ゴーン容疑者が、「日産」という会社で展開していたのは、合法的にしつらえられた収奪の数々だった。

 しかし、木を見て森を見ないのでは、「悪を見過ごす」という意味で国を揺るがし、将来に禍根を残す。――どこかに立件への突破口はある。それが司法取引の強みのハズだ。

 ここで負けては、検察は再び“地獄”に落ちるのは必至である。

 

 12月10日に再逮捕して、起訴が大晦日直前。――それまでが、まさに正念場である。【亥】

 

 

 

 

 

 

 


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