2019年5月30日配信「6月1日に完全施行!――国民を丸裸にする改正通信傍受法の危険度」<事件>

警察庁(wikipedia)


 6月1日の改正通信傍受法の施行で、都道府県警が活用する専用パソコンは、外見は普通のパソコンとなんら変わらない。

 

 しかし、犯罪捜査においては傍受した暗号データをまとめて保存、後で解凍して再生できるということで、会話内容はもちろん、公私にわたる人間関係も行動パターンも手掛けている事業やビジネスの中身も、すべて警察が把握できるという“優れもの”だ。

 

 2010年、大阪地検特捜部で発覚した証拠デッチ上げ事件によって、「調書至上主義による自白の強要」がこのような事件を引き起こしたとして、刑事司法の改革が急がれるようになり、16年6月、改正刑事訴訟法が施行された。

 

 柱はふたつ。――ひとつは取り調べの可視化(録音録画)を導入することで難しくなる捜査を補強するために認められた司法取引。その破壊力は、実質的な第1号事案となったカルロス・ゴーン事件によって実証済みだ。

 

 もうひとつが、改正通信傍受法によって通信傍受の事件範囲が拡大されるとともに、それまで通信業者で行なっていた傍受を警察で出来るようにした。

 

 被告の罪を減じることによって、捜査や公判に協力させる司法取引が注目されがちな改正刑事訴訟法だが、国民一般には改正通信傍受法の影響の方が大きい。

 

 6月1日以降、国民は捜査当局によって丸裸にされる!――こう覚悟していた方がいい。

 

 ネットが、あらゆるものをつなげ、スマホ1台で個人が全世界と交流できる環境は、あらゆる情報を瞬時に取り出す簡便さをもたらす一方で、通信業者やプラットフォーマーに、個人情報を売り渡す結果となった。

 

 そうした環境下に置かれたうえで始まった改正通信傍受法は、薬物、銃器、集団密輸、組織的犯罪の4種類に絞られていた傍受を、殺人、傷害、詐欺、窃盗など9類型を追加したことにより、ほぼ全ての犯罪への適応が可能になった。

 

 この対象犯罪の拡大によって、警察は裁判官の発行する令状か、捜査機関が求める必要な事項照会によって、Google、LINE、Facebookなどのプラットフォーマーから情報を取り出すことができるようになった。

 

 強制(令状)であれ、任意(捜査関係事項照会書)であれ、警察から求められ、それを拒否する選択肢はプラットフォーマー側にはなく、その対象となるのは、被疑者とつながっている人すべてである。

 

 ある日、突然、Aという容疑者と親しく交わしていたLINEメールが原因で、メールを捜査員から突きつけられ、「お前も共犯だろう!」と、任意の事情聴取で攻撃された人がいる。――斯様に容疑はいつでも降りかかってくる。

 

 それに加えて、6月1日から始まる警察での通信傍受。18年、改正通信傍受法で通話が傍受されたのは12事件逮捕者は82名だった。

 

 少ない印象だが、東京の大手通信業者に出向き、業者立ち会いの下で通信傍受を行なうのはいかにも使い勝手が悪く、少ない数字は、その“証明”だった。

 

 警察庁は、「専用パソコンは管区警察局において貸し出し、傍受指導官を置いてチェックする」とし、乱用に歯止めをかけるという。

 

 だが、いずれも「身内」であり、第三者機関のチェックが入るわけではない。

 

 必要とあれば、広範に網をかけた事件捜査を名目に、どんな個人の携帯電話も盗聴できよう。

 

 ネット環境の便利さと引き換えに、我々は通信業者やプラットフォーマーに個人情報を無防備にさらけ出した。――それを警察が利用して摘発に利用するという危険性を、国民は自覚すべきだろう。【卯】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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