2019年12月5日配信<0510archives>「市場と国家がソフトバンクを直撃、岐路に立つ孫流ビジネスモデル」<経済>

 
稀代のギャンブラー?(←wikipedia)

  
「ソフトバンクグループ」は、今や将来を見据えて、あらゆる分野の成長が期待できる企業に投資する「ファンド」である。
 
 通信(携帯電話)とネット(ヤフー)という中核分野はあるが、それは投資の成功例であり、今後、フィンテック、医療、輸送・物流、不動産といった分野の投資先が、莫大な投資リターンをもたらし、グループの中核に成長するかも知れない。
 
 要は、「ソフトバンク」に本業はない。
 
 そう舵を切ったのは、17年にサウジアラビアのムハンマド皇太子なども関与する10兆円ファンドの「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)を立ち上げてからだ。
 
 「ソフトバンク」は、19年3月期に2兆3539億円という巨額営業利益を叩き出しているが、その大半はSVFが計上する非上場株式の評価益だった。
 
 もともと「ソフトバンク」は、“稀代の目利き”というべき孫正義社長の度胸満点の投資で成功を収めてきた。
 
「ヤフー」「アリババ」への投資の成功がなければ、今の通信インフラを中核とした企業グループはない。
 
 そういう意味でSVFは、ITとビッグデータとAI(人工知能)の融合で、産業と企業の垣根が低くなった時代に、次世代の成長分野を孫氏が発掘、それを従来にない形の企業に仕上げる「ハコ」だった。
 
 今年9月中旬、米カリフォルニアで開かれたSVFが出資する企業の最高経営責任者を集めたイベントには、80社以上が集まり、「ソフトバンク」の将来性を印象付けた。
 
 だが、投資には「失敗」もあり、成功したビジネスモデルには「国家の牽制」も始まりつつあり、「ソフトバンク」は10月、早くもそのカベに直面した。
 
 投資の失費とは、米シェアハウスの「ウィーワーク」に1兆円の追加支援を発表したことであり、国家の牽制とは、国税当局がソフトバンクグループ内での利益の相殺で、同社が法人税をまったく払わない節税方法に目をつけ、その封じ込めを決断したことである。
 
 「ウィーワーク」は、世界29ヵ国に528拠点を置くサブリース業者で、自らは資産を持たず、長期契約でオフィスを借り上げ、短期契約で転貸する。
 
 同社を創業したアダム・ニューマン氏のカリスマ性に加え、一等地の共同オフィスでベンチャー企業同士が競合することで生まれる新規の産業、技術、サービスなどへの期待もあって、企業価値は一時、約5兆円に膨らんだ。
 
 だが、アダム氏の利益相反行為が次々に発覚、同時に恒常的な赤字体質への反発も強まって、新規株式公開に失敗、企業価値は1兆円を割り込んだ。
 
 この「ウィーワーク」に最も期待を寄せていたのが孫氏で、SVFから既に約1兆円を投資していたが、経営危機に際し、SVFからではなく「ソフトバンク」からの1兆円投資を決めた。
 
 これは明らかな“ナンピン買い”で、市場は失敗と見なしており、株価も社債も暴落している。
 
 加えて、国税当局は、「ソフトバンク」が行なった「節税工作」を認めない方針を打ち出した。
 
 「ソフトバンク」は、18年3月期に3兆3000億円で買収した英「アーム・ホールディングス」の株式の一部をSVFに現物出資で移管。この際、アーム社買収の際の取得価格に対し、移管の際の譲渡価格が大幅に下落したとして1兆4000億円の損失を計上。「ソフトバンク」は1兆円の純利益を上げながら、1円の法人税も納めなかった。
 
 合法ではあるが、赤字法人を買ってきて黒字を相殺する事件屋、B勘屋の手法や発想と違いはない。
 
 この節税は、税の公正性と「ソフトバンク」のような日本を象徴する企業の公共性を考えれば許されることではない。
 
 80数社を抱えるSVFをうまく使えば、納税せずに利益だけを蓄積することが可能になる。
 
 国税庁は財務省に根回し、政府に働きかけて「同一グループ内での利益の相殺」を認めないという税制改正を2020年度の大綱に盛り込むことになった。
 
 市場と国家が、孫流ビジネスモデルに「ノー!」を突きつけた。
 
 孫氏の発想は、企業経営者の所得番付の1番から4番までをソフトバンク役員が占めているのを見てわかるように、稼ぐものはより稼ぐという徹底した市場主義であり、その延長線上に「税金を支払わないのが株主への務め」という価値観がある。
 
 だが、極端な2極化を招くその“在り方”は、世界各国で見直しを迫られており、今回、孫氏は「ビジネスモデルの変更」を求められているという意味で、大きな岐路に立っている。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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