2021年3月19日配信<0510archives>「葬式・結婚式・高級クラブ・性風俗・公営ギャンブル・パチンコetcーー“不要不急”が判明した業界のコロナの“後”」<社会>
発生状況 (2020年7月29日現在)
PCR検査 実施人数 ※3 |
陽性者数 | 入院治療等を要する者の数 | 退院又は療養解除と なった者の数 |
死亡者数 | 確認中 ※4 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
うち重症者の数 | |||||||
国内事例 ※1,※5 (チャーター便帰国 者を除く) |
648,773 (+18,086) |
31,333 (+968) ※2 |
7,063 (+235) |
81 (+5) |
23,256 (+696) |
1,000 (+3) |
22 (-5) |
空港検疫 | 115,744 (+1,031) |
553 (+13) |
316 (+13) |
0 | 236 | 1 | 0 |
チャーター便 帰国者事例 |
829 | 15 | 0 | 0 | 15 | 0 | 0 |
合計 | 765,346 (+19,117) |
31,901 (+981) ※2 |
7,379 (+248) |
81 (+5) |
23,507 (+696) |
1,001 (+3) |
22 (-5) |
(括弧内は前日比)
新型コロナウイルスの世界史的な意味は、コロナ前とコロナ後で、世の中の価値観と風景を変えてしまうことだろう。
2極化を生む優勝劣敗の資本主義は、放置できない落ちこぼれ層の救済のために修正を余儀なくされ、国民を救うのが「国境のカベ」であるという原点回帰のもと、グローバル化は見直され、トランプに倣った「自国ファースト」が世界の潮流となろう。
生活様式に目を転じれば、国民は「不要不急」の外出自粛によって、価値あるものの取捨選択をするようになる。
100万円単位の支出を余儀なくさせられていた葬式や結婚式は必要か。
「3密」の最たるものである高級クラブや性風俗は、危険を冒してまで出かけるものなのか。
無観客レースが続く競馬、競輪、競艇の公営ギャンブルはいつまで命脈を保てるのか。
「自粛破り」が続出するパチンコは、暮らしの秩序を乱す危険な遊びか。
新型コロナによって国民は「行動変容」を迫られ、生活スタイルを変えることを余儀なくされた。
今は、「第一波」が収束を見せ始めているが、ワクチンが開発され、それが全国民に行き渡るまでに、「第二派」は確実で、「第三波」も覚悟しなくてはならない。
「行動変容」は一過性ではない。
既に、ネットの普及で「簡素&明朗会計化」が進展していたために、冠婚葬祭業では価格破壊が起きていた。
特に、緊急を要する上に「見栄」が混じる葬儀は、業者の“言い値”が通ることが多かったのだが、今やネットを開けば、布施、戒名、葬儀費用が明示され、僧侶派遣の「お坊さん便」もあって、基本料金3万5000円でお経をあげてくれる。
そこに新型コロナが襲いかかり、多くの会葬者を集める一般葬は難しくなった。
距離を確保した焼香を、という呼びかけもあるが、基本的に老人の多い会葬者に、万が一にでも感染があれば命に関わる。
勢い、近親者が10人前後で執り行う「家族葬」が中心となり、最も伸びているのが通夜なしの「一日葬」、及び葬儀もなしに火葬場に直行する「直葬」である。
「不要不急」ではないとはいえ、自粛を迫られた結婚式は、秋以降の延期が多いものの、少人数を招いた簡素な式に変更するカップルも少なくない。
そうした「手作り結婚式」が増えれば、祝儀に身支度に交通費と、出席者に何万円もの出費を迫る結婚式が、無用の儀式と思えてくる。
接待文化も火が消えよう。
自粛の影響で、和牛、伊勢エビ、ウニ、アワビなどの高級食材が暴落、接待に使うような料亭、割烹が瀕死の状況にあり、その流れで行くような「座って数万円」といった、庶民感覚からは法外な銀座、赤坂などの高級クラブが息絶え絶えである。
GW中、「銀座で最も勢いがある」という評判だった「クラブNanae」の唐沢菜々江ママがテレビ番組「ノンフィクション」に登場。「月の固定費が2500万円」であることを明かし、「生き抜きます」と、締めくくった。
しかし、自粛期間をしのげばなんとかなる、といったレベルの話ではない。
「成功をカネと女で証明する銀座」という風俗が、一度、離れた顧客の心を取り戻すには難しいということである。
もっと直截な性風俗のソープランド、ピンクサロン、ファッションヘルス、デリバリーヘルスは、「3密」の最たるもので、遊びに行くのは地雷原に足を踏み入れるようなもので、キャバクラ、スナックといった女性を相手にする飲食店も、リスクとの見合いを考えれば客足が戻るとは思えない。
無観客レースとなった公営ギャンブルは、意外にネットや電話投票で健闘。競馬は15%減、競艇は30%減でしかないが、最も高齢化が進み、「その場で現金」の面白みを捨てられない競輪は60%減で、生き残りが難しいことを証明した。
パチンコもそうで、「自粛要請」を聞けない業者がいるということは、どうしても打ちたい中毒患者がいることもあろうが、都内838店舗のなかで営業が24店舗ということは、それだけ我慢できる人が多いということで、公営を含めてギャンブルは、縮小均衡の道を歩むことだろう。
「行動変容」は、それだけの変化を国民に迫る。
生活面だけでなく、自粛によるテレワークとリモート化の進展で、官製の「働き方改革」以上の変化が企業に生まれ、みんなが顔を合わせるオフィスが必要か、繫がっていれば地方での暮らしでも大丈夫ではないか、といった意識が広がりつつあり、その結果、オフィス需要は急減、東京一極集中は正されよう。
結局、コロナ後に訪れるのは、不要な風俗習慣を捨て、新たな価値と生活スタイルを創造することである。
コロナ禍での需要減に加え、価値創造までの期間に淘汰される産業と企業は数知れず、間違いなく大不況が世界を襲い、日本も例外ではない。
「ポストコロナ」をどう乗り切ればいいか。――自粛解除は、単に日常の回復ではなく、「新たな日常の創造」であることを覚悟した方がいい。【🐇】
- 2021.03.15 Monday
- 社会
- 00:23
- comments(0)
- -
- -
- -
- by polestar0510