2011年5月31日配信 「政治家・暴力団・縦割り行政・既得権・財産権が阻む20年分、2500万トンの瓦礫処理!!」<政治>


                進まない瓦礫処理


 福島、宮城、岩手の3県の湾岸に積み上げられた「瓦礫」が、津波の猛威と自然の脅威を今に伝えている。
 
 総量約2500万トン…各県の約20年分が一度に排出され、行き場なく路肩に放置されるか、仮置き場に山を築いている。
 震災から3か月近くが経過しているのに、瓦礫は一向に減っていない。
 撤去が進み、散乱状態は脱したものの、寄せ集められただけで処理されたのは約4%に過ぎない。
 
 なぜか。
 例えば、財産権、所有権のカベだ。
 
 阪神大震災との違いは津波によって、一切合切、流され、誰のものか判別がつかないこと。ゴミ処分していいものもあれば、現金が入ったタンス、金庫、使えるかもしれない家財道具、使える部品のある車、といった勝手に処分できないものもある。
 
 政府は、特例で所有者の承諾を求めずに撤去することを認めているが、片付けならまだしも、廃棄処分するとなると話は別。車だけで約26万台が処分を待つが、ナンバーから所有者を割り出し、連絡、所有権放棄の書類にサインさせる、といった手間のかかる作業を行っている。
 
 さらにいえば、自衛隊の懸命な作業で、確認は進んでいるものの、瓦礫のなかに遺体がある可能性は否定できず、重機を使った荒っぽい作業を阻んでいる。
 
 縦割り行政のカベもある。
 廃棄物処理法では、瓦礫の処理は市町村の役割である。
 だが、これだけの規模になると、市町村では手に負えず、県が乗り出しているし、法整備や監督官庁の調整、そしてなにより予算は全額、国が負担することを決めた。
 
 そういう意味では、国の責任において、広域で一気に片付ければいいものを、それぞれが既得権を主張、前に進まない。
 
 例えば、気仙沼市の場合、市内の土木業者90社で構成される「気仙沼災害廃棄物処理協議会」に丸投げする。
 地元に仕事とカネを回す、という意味では有意義だが、それだけの処理能力が地元にはない。
 
 土木業者も被災。稼働業者は限られているうえ、今後、最盛期を迎えるカツオ漁やサンマ漁に人手が割かれることが予想され、市が予定する「年内中の処理」など、到底無理な状況だ。
 
 また、「広域」と謳いながら、最終処分場などでは、「事前協議がなければ、県境を越えない」というルールにも縛られている。
 
 加えて、政治家と暴力団というこの分野に強いふたつの“暴力装置”が、それぞれの思惑を秘めてうごめき、その疑心暗鬼がスムーズな処理を阻む。
 
 “東北のドン”といえば、政治資金規正法違反の「陸山会事件」を経ても、小沢一郎民主党元代表である。
 そして、中央政界において政治主導を発揮、関係省庁の調整を行っているのは、小沢氏の元秘書で最側近の樋高剛環境政務官で、政府の「瓦礫処理プロジェクトチーム」の座長を務めている。
 
 自民党が強い産業廃棄物関係の団体や地方自治体の自民党系議員などには、それが面白くない。
 
「従前のルールに縛られず、特例を設けて、広域で、というんだが、それを認めれば、小沢先生の利権になってしまう」(岩手県の反小沢系県議)
 
 また、資金力のある暴力団のなかには、土木業者を買収、社名と指名業者という権利はそのままに、仕事をさせて利益だけ分捕っているところもある。
 
「山口組系が多いんですが、被災して大変な土建業者に買収をもちかけ、会社ごと買い取っています。でも、役員構成はそのままで、裏にいるだけだから、役所や組合は分からぬままに丸投げする。今は、そうした緊急随意契約だから、彼らはかなり儲かっています」(警察庁関係者)
 
 それだけに、警察庁は各県警に注意を促し、その監視体制が「広域で自由な業者への発注」を阻んでいる側面もある。
 
 いずれにせよ復興も復旧もすべては瓦礫処理から始まる。が、その“出だし”で躓いているようでは…東北に朝は来ない。【鷲】

2011年5月27日配信「暴力団オフリミット、戒厳令下の技能審査場所」<寄稿>


 
 八百長相撲根絶、暴力団排除を高らかに謳った「5月技能審査場所」が幕を閉じた。
“禊場所”ということで無料にしたせいか、客席は今まで国技館に足を運ぶことのなかった“素人衆”で連日満員。それはそれで成果はあったのかもしれないが、「大相撲選手権」と言っても過言ではない“色気”の無さには、正直なところガッカリ。…「大相撲とは何なのか?」…改めて考えさせられた場所であった。
 
 それにしても場所入り前の力士たちから携帯電話を“没収”したり、場内の至るところに“暴力団監視係”を配置したり、相撲協会の力士たちに対する信頼感は皆無。自業自得と言ってしまえばそれまでだが、「惻隠の情」と「鷹揚さ」を欠いた大相撲に、日本人特有の美徳を見い出すことは出来ず、そうした要素を封印した“単なる格闘技”に「神事」としての役割を担わせることは、あまりにも酷と言うべきであろう。
 
「角をためて牛を殺す」…無気力相撲や暴力団絡みの八百長相撲はファンの支持を得られないのは当然だが、“華”のない大相撲もまた、同様の途を辿るのではないだろうか。【松浦人司】

2011年5月24日配信「4000億円の預金保険で処理される振興銀事件が『検査忌避』だけで終了気配の不可解!!」<内幕>


 
 
 大津波と原発事故がもたらした衝撃の前では、すべてが“細事”と思えてしまうのだが、“ペイオフ第1号”となった「日本振興銀行」(振興銀)事件を忘れてはならないだろう。
 
 同行は、金融庁顧問として竹中平蔵・元金融相の改革をサポートしていた木村剛被告が、「金融維新」を掲げて設立、資金繰りに苦しむ中小企業に、リスクを怖れずに資金を供給、顧客とともに繁栄する本来の金融の姿を取り戻すとして04年に開業した。
 
 コンサルタントとしては一流の木村被告だったが、ミドルリスクミドルリターンの世界で、シビアに商売をする“術”は持ち合わせていなかった。
 振興銀元幹部が述懐する。
 
「金10%前後を設定。そんな金利でうまく商売を回せる人なんかいない。結局、振興銀を頼ってきたのは、改正貸金業法で資金供給のパイプが細くなったボロ会社ばかり。最後には、『NISグループ』『SFCG』といった商工ローン会社まで逃げ込んできて、業績不振企業の巣窟となってしまった」
 
 銀行免許を持っているおかげで、振興銀は高い金利を設定できる。
 
「1000万円までは国が保証しますよ!」
 
 こんな預金保険制度をなめたようなセールストークで商工ローン出身者を軸とした営業の第一線が預金を集め、それを木村被告が自ら組織したネットワーク企業群に融資していった。
 
 振興銀が真ん中に位置し、中小企業○○機構と命名された中核企業が、その周辺を取り囲み、さらに外縁にネットワーク企業群がつながるという構図である。
 ○○機構の○○には、不動産、飲食、人材、自動車、流通といった文字が入り、業態ごとの専門部隊という位置づけ、そのプロの目で事業と融資を「選別する」という説明だった。
 
 確かにユニークな経営形態である。
 だが、連なるのが、5%〜10%の金利を負担できない業績不振企業群であるという現実は、振興銀と20社近い上場企業を含めて160社内外で構成されるネットワーク(中小企業振興ネットワークと命名されていた)企業群を粉飾に追い込んだ。
 
 銀行には金融検査がある。不良債権の集積場となった「現実」を金融庁にチェックさせるわけにはいかない。
 そこで、期ズレや飛ばしなどあらゆる手を使って、木村被告は振興銀とネットワーク企業群の経営実態を隠ぺいしたのである。
 
 2010年3月期末で、振興銀の預金残高は5932億円、貸出残高は4219億円だった。
 その“危うさ”に気付いていた金融庁は、異例の長期の金融検査を入れたうえで10年4月に業務改善命令を出し、警視庁に告発。
 警視庁は、昨年6月11日、銀行法違反(検査忌避)容疑で強制調査、やがて木村被告ら銀行幹部を同法違反で逮捕した。
 
 従って、検査忌避は銀行事件の「入口」のはずである。
 ネットワーク企業群が決算粉飾や見せかけ増資を行い、それを銀行が指示、そこには木村被告らの特別背任の疑いもあった。
 
 当然、第一線の警視庁捜査2課は、「出口」を求めた捜査を続けているのだが、“受け”の検察がハードルを高くしているという。
 
「カネの流れを特定、おかしな資金操作を解明、関係者の供述も取って検察に持ち込むのですが、ゴーサインを出してくれない。あげく、『第二弾の(検査忌避以外の)起訴まで約束した覚えはない』と突っぱねる」(警視庁捜査関係者)
 
 実に不可解と言うしかないが、その間にも振興銀の処理は進み、今年4月25日、資産と負債は預金保険機構が100%出資する「第二日本承継銀行」(篠窪進社長)に移された。
 
 その結果、国民(預金者)が4000億円もの資金を拠出することになった。
 預金保険機構は、これまでにも1800億円を融資しているのだが、そのほか第二日本承継銀行に1700億円を贈与、さらに不良資産を整理回収機構に529億円で買い取らせ、その資金まで融資した。
 
 貸出残高4219億円の銀行を潰したら、まともな優良債権はなく、そのほとんどが焦げ付きだった!?…木村被告を始め銀行の役員も行員も、ネットワーク企業群の経営者も従業員も、みんなが預金を“食い物”にしたわけである。
 
 こんなふざけた事態を放置していいのか。
 
 さすがに警視庁捜査2課でも、4000億円投入という処理スキームに驚き、「放置はできない」と、再チャレンジの機運が盛り上がっている。
 
 銀行という公的インフラから資金を収奪した人間の罪を問うのは当然のことである。
 木村被告には、大阪地検事件の村木厚子元厚労省局長を無罪にした辣腕の弘中惇一郎弁護士がついている。
 
 検察は、そのトラウマに縛られているという声もあるが、4000億円分の被害者がいるという観点から徹底的に捜査、国民を納得させなければ威信はさらに低下、鼎の軽重を問われることは必定である。【潤】


2011年5月17日配信 「原発の存続が問われている中も積み上がる『放射性廃棄物』をどう処分するのか!」



「新設、増設はもちろん、再稼働でさえ言い出すのが憚れる」
 電力業界団体の幹部は、原子力発電所が置かれた状況について、こう本音を漏らす。
 
 連日、福島原発の処理作業が報じられ、国民の気持ちは萎えるばかりである。
 
「冠水」で冷やすと言っていた1号機が、メルトダウンして原子炉にも格納容器にも穴が空いていることが判明、東電が冠水方式は「当面無理」と発表(5月13日)したのはその好例である。
 
 この種の絶望的状況の積み重ねによって、国民の大半は「原発なんてもう要らない」という気持ちになっている。
 
 ただ、産業界が安定した電力の供給を求めている以上、当面、政府は浜岡原発以外の原子炉を止めるつもりはなく、「原発の存続」は長い時間をかけて検討され、その間、電力会社は国民=利用者の顔色をうかがいながら原発を操業することになる。
 
 とはいえ、その前に考えなければならないのは、使用済み核燃料など高レベル放射性廃棄物をどう処理するかである。
 
 日本には使用済み核燃料を処理し、処分する施設も処分場もない。
“トイレのないマンション”と言われる所以で、水洗で流すことをせず、発電所内のプールに貯めているだけだから、表現は汚いが“肥溜め”の状態。それが満杯に近づいているのだから。
 
 福島原発の原子炉建屋内に、あふれんばかりの使用済み核燃料が貯蔵され、電源ダウンで冷却機能がストップ、燃料棒が高熱を発して蒸気を吹き出し、何度も危ない状況になったのは、事故だけではない原発システムの限界を示している。
 
 経産省と電力各社が、トイレのない異常事態を解消する“切り札”としたのが核燃料サイクルだった。
 
 使用済み核燃料を再処理、ウランとプルトニウムを回収して再び核燃料として使うという“夢の技術”である。
 
 そのために、青森県六ヶ所村に再処理工場を建設、高速増殖炉の燃料とし、再利用が難しい放射性廃棄物は固めてガラス固化体とする。
 また、高速増殖炉までの“つなぎ”として、混合酸化物のMOX燃料を製造、原発に使用することになった。これをプルサーマル計画と呼ぶ。
 
 が、福島原発事故は、MOX燃料のプルサーマル計画も、もっと高度な高速増殖炉もすべてを吹っ飛ばした。
 経産省幹部ですら嘆息する。
 
「原発の安全性さえ確保できないのに、着手から20年近い歳月をかけながら、まだ稼働できない再処理工場を軸とする核燃料サイクルが、国民に認められるわけがない」
 
 日本は、いずれ核燃料サイクルが動き出すという前提のもとで、使用済み核燃料を溜め込んできた。
 
 六ヶ所村は既に3000トンの管理容量いっぱいで置くところがない。
 そこで東電は、昨夏、隣接のむつ市に貯蔵量3000トンの中間貯蔵施設の建設工事に着手した。
 九州電力や関西電力なども中間貯蔵施設の建設を予定している。
 
 しかし、こうした施設は、すべて核燃料サイクルを前提としていた。
 いったん原発内のプールで冷やし、中間貯蔵施設で保管、六ヶ所村に運んで再処理して燃料で使い、それ以外はガラス固化体にして50年をかけて冷やした後に処理する…。
 
 このサイクルがなくなるのであれば、使用済み核燃料をそのまま処分するしかなく、そうなれば求められるのは最終処分場である。
 
 だが、住民運動などによって候補地探しは絶望的。だから『毎日新聞』(5月9日付)がスクープしたように、「モンゴルに核処分場」といった話が出てくるのである。
 
 核燃料サイクルが見直され、原発の是非が問われている間にも、日本の原発は年間1000トンの放射性廃棄物を出し続ける。
 
 それは行き場なく、プールや中間貯蔵施設に溜め込まれ、たとえ操業を停止していても、福島原発4号機、5号機のような恐怖を地元住民に与え続ける。
 
 これまで使用済み核燃料の問題を放置してきたのは、原発の“安全神話”と同じで、進歩を続ける科学技術によって、いつか核燃料サイクルは実現、エネルギー効率が60倍という高速増殖炉も稼働するという成長神話を信じていたからである。
 
 だが、乗り越えられないカベはある。
 
「神は乗り越えられる試練しか与えない」というのは、ヒット作「JIN―仁」で、主人公の南方仁医師が口にするセリフだが、錬金術や不老不死と同じで、科学にも限界はあるし、乗り越えてはならないカベもある。
 
 人間に原発の制御はできなかった。そればかりか、そこから生まれたゴミすら処理できないのであれば、撤退するしかないのではないか。自然エネルギーなど、人間の英知と資金を投入する先はいくらでもあるのだから…。【伯】


2011年5月11日配信 「東京ガールズコレクションIN北京」と「のりピー」をつなぐ大物中国人実業家! <内幕>



「東京ガールズコレクション」(=TGC)は、大型会場を使った一大ファッションイベントとして定着した。
 会場に詰めかけた20代の女性を中心とした観客は、流行を知り、ショーを楽しみ、その場で携帯電話から注文を出せる。一方、出演するモデル、タレントにとっても、TGCは、“人気の証”となっている。
 
 貪欲に日本を呑み込む中国は、TGCを北京に呼び、5月7日、華やかに開催した。
 主催したのは、日中で幅広くビジネスを展開する周帆氏(51)。実行委員会は、周氏の「アンダーゼットグループ」内に置かれた。
 
 フリー百科辞典のウィキペディア(Wikipedia)は、周氏をこう伝える。
「北京市生まれ。祖父が大臣、父が事務次官を務めるなど政府高官の子弟として幼少を過ごす。文化大革命発動後、祖父、父、母はいずれも追放され、本人のみ北京に残され辛酸を嘗める。文化大革命終了後、祖父、父、母は名誉回復して北京に戻る」
 
 中国高官の子弟を意味する太子党のひとり。長じて日本に私費留学。中国人脈を生かして日本の政財界にも地歩を築く一方で、アンダーゼットグループを設立、その傘下にコンサルタント、ソフト開発、環境関連、芸能プロダクションなど幅広く事業展開、日中を股にかけた実業家となった。
 
 知人が周氏の“横顔”を語る。
「恵まれた人脈をうまくビジネスに転化できた人。センスがあるのはもちろんだが、人脈の生かし方がうまい。江沢民、胡錦濤から次世代の習近平まで、軒並みトップを掌握、今回のTGCでも鳩山由紀夫・前首相を団長にしてショーに“重み”を持たせる一方、習=鳩山会談をセッティング、政治家への気配りを忘れない」
 
 そのTGCの直前、中国で話題となった日本絡みの芸能イベントは、のりピーこと酒井法子が中国政府の「禁毒大使」に選ばれて訪中、薬物犯罪防止PRを行ったことだった。
 
 薬物犯となったがゆえに防止PRに説得力が生まれるわけで、中国で日本以上の人気を誇るのりピーは、4月初旬に訪れた中国で、かつてと同じ歓待を受け、素直に喜んでいた。
 
 今回はノーギャラのボランティア活動ということだが、「禁毒大使」は執行猶予明けの来年以降、のりピーが中国を拠点に芸能界復活を目指す“布石”と目されている。
 
 こののりピーの復活を手がけているのも周氏である。
 
「のりピーの支援者は、逮捕劇の時に話題となった建設会社社長ですが、それとは別のビジネス的な意味での支援者となっているのが周氏です。復帰作は、中国映画界の大物・張芸謀(チャン・イーモウ)監督の映画となることが決まっているとか。周氏は、中国でののりピー復活に自信を持っているようです」(芸能プロダクション社長)
 
 ビジネスとしてのTGCは、ショーの人気に比して採算性が悪く、運営するブランディング、ファッション通販サイトの「ファッションウォーカー」とも不動産会社の「バルビゾングループ」に“身売り”した。
 
「TGC」の“お祭り気分”が、売り上げにつながらないというジレンマを抱えているわけだが、周氏と組んだ「ファッションウォーカー」は、供給過多の日本より、爆発的に需要が急増している中国での通販ビジネスに期待を寄せている。
 
 4月以降、TGCとのりピー復帰に関与したことで、周氏の名が広く知られるようになったが、その中国人脈の底知れなさを思えば、今後は、さらに活躍の舞台を広げていくことになりそうだ。【劉】


2011年5月6日配信「『菅降ろし』の最中に1億円法廷証言で小沢一郎が背負う“不幸な星”!!」


 いつも仏頂面で笑顔はわざとらしく、顔で損をしている小沢一郎民主党元代表だが、運の悪さはそれ以上ではないか…。
 そう思わせたのは、4月27日、東京地裁で行われた川村尚水谷建設元社長に対する証人尋問だった。
 
 小沢氏の政治団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件の公判で、検察側証人となった川村氏は、「5000万円を2回、都合1億円を渡しました」と、明確に証言した。
 
 これまでも「1億円の裏ガネ」については、何度も報じられていた。
 だが、刑事被告人となった3秘書のうち、最初の5000万円を受け取ったとされる石川知裕元秘書(現代議士)、2度目の5000万円の大久保隆規秘書とも頑強に否定した。
 
 渡した側の水谷功・水谷建設元会長の証言が、「渡せとは命じたが、本当に渡ったかどうかはわからない」と、曖昧な表現に転じて、弁護側証人となるなど迷走するなかで、これまで一切、口を開かなかった川村氏が、偽証を問われる法廷で、詳細に述べた意味は大きい。
 
 マスコミ報道では、「1億円を渡したと法廷で証言した」と、短く報じられただけなので、真実性が伝わってこないのだが、実際のやりとりは微に入り細を穿つ内容だっただけに、1億円の裏ガネ提供は間違いないと確信させるものだった。
 
 2003円11月に社長に就任した川村氏が、小沢氏の地元の岩手県で工事が予定されていた胆沢ダム工事に、ゼネコンの下請けに入るべく、工事に圧倒的な影響力を持つ小沢事務所を、知人の「日本発破技研」山本潤社長に伴われて2人で訪れ、大久保秘書に便宜を図って欲しいと申し入れた経緯から、2度目の5000万円を渡すまでが、検事の“誘導”によって澱みなく語られた。
 
 東京・赤坂の全日空ホテル(現ANAインターコンチネンタル)で、石川被告に渡した5000万円の袋の形状とカネの包み方、二人の立ち位置と紙袋の渡し方までが、04年10月15日当日までのスケジュールに沿って、付属の領収書、明細書などとともに明かされたが、これをデッチ上げ、会ったこともない、と否定するには無理がある。
 
 小沢氏の不幸は、この公判が「菅降ろし」の最中に行われていることだ。
 
 菅直人首相が、国難を乗り切る力量のない政治家であるのは、これまでの言動で明らかだ。
 官僚を相手にしない段階から相手にされない段階に移行、原発事故の対応を母校の東京工業大学の学者らを参与につけて任せようとする狭量さで、今や官僚どころか民主党政治家からも相手にされない。
 せめて国民に訴える表現力でもあればいいが、権力にとりつかれた“元市民運動家”から出る言葉は、足元を掬われまいとする臆病に満ち、誰の胸にも響かない。
 
 それだけに小沢氏の“剛腕伝説”が甦り、アンケートを取れば「次の首相候補」のナンバー1に躍り出る。
 官僚を強引に統制、人を容赦なく切る、といった非情さが、“難局の首相”に相応しく思えるのだろう。
 
 想定される「菅降ろし」は2つ。
 ひとつは、民主党の両院議員総会を舞台とした菅首相の民主党代表解任作戦だ。
 執行部に両院議員総会の招集を働きかけ、その場で代表解任を緊急動議、事前の「票読み」では小沢グループを中心に中間派を取り込めば、解任は可能だ。
 
 もうひとつは内閣不信任案の可決である。それには衆院の民主党会派から70人以上の造反が必要だが、90人を超える小沢グループが賛成に回れば、間違いなく菅政権は瓦解する。そうなれば政界再編、小沢氏の最も得意とする政局となる。
 
 どちらにしてもキーマンは小沢氏である。だが、その一方で東京地裁の公判では、「裏ガネ問題」が暴かれ続ける。「川村証言」に続き、5月10日には、05年4月の2回目の現金授受の場に同席していた山本社長が法廷に立ち、証言する。「川村証言」を補強するだけでなく、別の裏ガネに話が飛ぶ可能性もある。
 
 忘れてならないのは、小沢氏が自ら政治資金規正法違反罪の刑事被告人となっていることである。
 2人の「裏ガネ証言」は、その公判に不利に働くのはもちろん、何度も“ダーティーな政治家”であることが強調されることで、「ポスト菅」を小沢氏自身はもちろん、小沢氏の息のかかった政治家が狙うのは憚られる。
 
 “不幸な星を背負った剛腕政治家”…「運」を呼び寄せるのも一流政治家の条件なら小沢氏には残念ながらそれが備わっていないというしかない。【伯】

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