2011年5月30日配信 「会員無視!!――“企業の論理”ばかりが横行する『PGM対アコーディア=太平洋クラブ騒動』の舞台裏」 <内幕>



 ゴルフ場の「預託金制度」が崩壊して久しい。ゴルフ会員権に資産的価値はなくなり、会員は「メンバー」とは名ばかりの単なるゴルフ場利用者でしかなくなった。
 
 そうした時代的な変化は差し引いても、ここまで会員を“愚弄”していいものかと思わせたのが、「PGMホールディングス」「アコーディア・ゴルフ」の経営統合を発端とした争いである。
 
「アコーディア」は今年1月に倒産した「太平洋クラブ」のスポンサーに名乗りを挙げていたから、『PGM対アコーディア=太平洋クラブ』の構図のなかで、「会員がないがしろにされている」といって差し支えない。
 
 複雑な話ではがあるが、ごく単純化すれば以下のようになる。
 
 米ファンドのローンスター系の「PGM」と米投資銀行のゴールドマン・サックス系の「アコーディア」は、ともに破綻したゴルフ場を買い叩いて100コースを超える運営会社となり、株式上場にも、株式売却という“出口戦略”にも成功。さらに両社が経営統合して大きくなろうとする「PGM」は、グループ会社の「オリンピア」が統合を株主提案、それを拒否した「アコーディア」経営陣との間で、6月末の株主総会に向けた委任状争奪戦が勃発。この騒動の為に、太平洋クラブの再生計画案の提出は、先送りされてしまった。
 
 こうした一連の騒動をもたらしているのは、「企業の論理と市場の原則」、そして会社を私物化して恥じない「経営陣の堕落」である。これでは株主もメンバーも泣くに泣けない。
 
 問題となるのは、まず「太平洋クラブ」である。
 1971年に設立されたゴルフ界の名門ゴルフ場は、「三井住友VISAマスターズ」を開催する御殿場を始め、札幌、軽井沢など全国に18の人気コースを持つ。
 
 旧平和相互銀行が「環太平洋にゴルフ場を展開」と、壮大な構想でスタートさせただけにコースは一流で、それを受け継いだ旧住友銀行が積極支援、「預託金制度のゴルフ場の最後の砦」と見られていた。
 
 しかし、1万3000人の会員と預託金のない入会金だけのパーソナル会員7000人は、1月23日、会社が負債総額1276億円で倒産した際、「三井住友銀行」5年も前に“逃走”していたことに驚かされる。古くからの会員が、今も怒っている。
 
「入会金は『三井住友銀行』でローンを組み、会員になることを行員が勧める。『三井住友VISAマスターズ』も継続していた。その銀行が、我々には何の説明もないまま、『東急不動産』に株と債権を売却していた。“三井住友のゴルフ場”だから潰れないだろうと、倒産寸前に会員になった人もいる。看板を隠れ蓑にした背信行為だ!」
 
 倒産に向けた準備は周到だった。
「東急不動産」や「大和証券キャピタル・マーケット」が株主となって「太平洋ホールディングス合同会社」が設立されていたが、昨年4月、社長に就任した桐明幸弘氏は、会計士事務所トーマツ出身の“企業再建屋”である。
 
 また、2年前には御殿場コースなど優良コースが、「東急不動産」など債権者と会社側の都合によって「太平洋アリエス」など別会社に分割されていたが、この事実も会員には伏せられていた。
 
 そのうえで「太平洋クラブ」は、「アコーディア」をスポンサーに選ぶのだが、その手際の良さは「最初からアコーディアありき」で、会員らが「権利を守る会」などを立ち上げ、「会員を無視した狡猾な計画倒産」と、怒りの声を上げるのも当然のことだった。
 
 この「太平洋クラブ」の問題は、「ゴルフ場は誰のものか!!」を再考させるもので、「権利を守る会」などによる詐欺容疑などの告発によって、刑事事件化の可能性も出ているのだが、「アコーディア」と「PGM」の争いもまた会員無視だ。
 
「アコーディア」の竹生道巨前社長(5月23日に退任して取締役)のスキャンダルは、秋本一郎前専務(現取締役)が記者会見を開くなどして訴えたために、周知の事実となった。
 
 多くの新聞・雑誌が報じ、同社コンプライアンス委員会も訴えの多くを認め、ニュースリリースしているので繰り返さないが、親密女性をモニターにしてカネを払うなど、甚だしい「私物化」があった。
 
 ただ、このスキャンダルを仕掛けた秋本氏が、「PGM」に完全に取り込まれ、その絵を描いたのが、「PGM」の神田有宏社長だというのだから、なんとも胡散臭い。
 
 神田氏は、元アコーディア役員で竹生氏の部下。会社統合戦略は、ゴルフ運営会社の企業価値を高めるために必要だというのが神田氏の持論で、昨年までは同氏自身が、「PGM」に持ちかけていた。それが受け入れられずに竹生氏と対立、「PGM」に移って、自説を貫いた。
 
 そこにあるのは、「日東興業」(アコーディアの前身)時代からの“ゴルフ屋”の竹生氏と「自分は違うんだ」という神田氏の自負だろう。
 
 ゴールドマン時代からシビアな投資銀行家だった神田氏にとって、何よりも優先するのは「企業価値の向上」であり、会員への配慮は薄い。騒動の渦中にも雑誌インタビューなどに登場、「太平洋クラブの価格は安いほどいい」と公言、預託金は切り捨てて当然の人である。
 
 運営会社に会員や投資家を巻き込んだ三つ巴、四つ巴の戦いは、6月末の「アコーディア」の株主総会まで続くが、過去も現在も、桐明、竹生、神田といった経営陣の脳裏に、「会員への配慮が欠けている」ことだけはハッキリしている。【駿】


2012年5月26日配信「“改革派”を標榜する東電・広瀬新社長に“ドン・勝俣”の影!?」<内幕>




「東京電力」再建の方向を示す「総合特別事業計画」と、これを実行する新経営陣が決まった。
 
「原子力損害賠償機構」が、約1兆円を資本注入、「議決権付き種類株」で50%超の議決権を確保、実質国有化される「東京電力」を経営するのは、下河辺和彦新会長(原子力賠償機構運営委員長)と広瀬直己新社長(常務取締役)である。
 
 東電再建をめぐり、常にマスコミで報道されてきたのは、“東電のドン”である勝俣恒久会長と、政府側で東電改革を仕切る仙谷由人政調会長代行との“軋轢”である。
 
 東電国有化に反対、現状を維持したい勝俣会長と、国民に負担を強いる以上、国有化のうえで徹底改革を迫る仙谷氏――。
 
 それは例えば、廃炉費用を東電の貸借対照表から切り離そうとした勝俣会長と、それに反発して目論見をつぶした仙谷氏との、次のような“争い”として報じられている。
 
「廃炉で、政府支援を受けられる仕組みを作り、柏崎刈羽原発が再稼働すれば、収益が上向き、国有化を回避できる。――勝俣会長らは、こう考えたとみられる。しかし、こうした東電側の動きに、民主党の仙谷由人政調会長代行、枝野経済産業相らは、『公的資金が膨らみ、世論が受け入れられるわけがない』と激怒したという」(5月10日付『読売新聞』)
 
 描かれるのは、いつまでも聞き分けのない「抵抗勢力」としての勝俣会長であり、国民の側に立つ「現実派」の仙谷氏という構図である。
 
 しかし考えてみれば、与野党の政治家を巨額の政治資金と大量の選挙支援で支えてきた“東電のドン”が、安易な抵抗勢力を演じるわけはなく、また原発再稼働を口にする是々非々の仙谷氏が、東電に正面切って、ケンカを売るはずもない。
 
 野党時代の民主党時代にあって、東電の「政治資金パーティー券購入厚遇リスト」の筆頭に名があがっていたのが仙谷氏だったことを考えれば、ケンカは、半ば“出来レース”といっていい。
 
 それを象徴するのが新社長人事であるが、ここでも、報道では争っている。
 
「自らが昨年登用した西沢俊夫社長の続投だけは認めて欲しい――。強く迫ったが(仙谷氏の)答えはつれなく『ノー』。粘り腰が身上の勝俣会長も、政府に生殺与奪の権を握られている以上、抗するすべはなかった」(4月28日付『日本経済新聞』)
 
 その果てに広瀬社長が誕生する。
 
 東電主流の「総務畑」でも「企画畑」でもなく、営業経験が長い。決め手は原発事故の損害賠償を指揮、150万人もの住民への賠償を滞りなく進めたことだという。
 
 最終的に決断したのは下河辺氏。連休を返上、すべての常務、執行役員を面接して決めた。
 そこには勝俣会長のカゲはうかがえないが、東電社内で広瀬氏は公然の“勝俣派”である。
 
「広瀬さんは入社8年目に米エール大学の経営大学院に留学しますが、彼を選んだのは当時、企画課長だった勝俣さんです。能力を高く評価したわけで、その抜擢が、経団連会長だった頃の平岩(外四)会長が海外出張する際、秘書として同行するなど、広瀬氏の役員への道につながりました」(東電幹部)
 
 6月末の株主総会で下河辺会長、広瀬社長の新体制がスタート、役員が16名から11名に減らされ、うち7名は社外取締役になるなど、東電のガバナンスは大きく変化。形のうえでは“ドン”とはいえ勝俣氏が、直接、影響力を行使することはできなくなった。
 
 だが、勝俣会長は、「東電DNA」が継続するよう、巧妙に仙谷氏や下河辺氏を“誘導”、広瀬氏を社長に就けることに成功した。
 
 このしたたかな政府と東電の“二人三脚”は、今後とも続き、国有化されたとはいえ、独自性を保持した東電は、原発再稼働、除染と廃炉費用の電気料金への転化、無理のないリストラという形で体制を保持する。
 
 その“役割”を担う広瀬氏が、純然たる「改革派」であるはずがなく、手の込んだ新社長誕生の“裏事情”はもっと知られて然るべきだろう。【騨】

※恍ける、誤魔化す、すり替える、嘘を重ねる、責任を転嫁する、挙句の果てに開き直る!!…「東京電力」の鉄面皮ぶりは相変わらずです。そうした折も折、同社の会長職を辞した勝俣恒久氏が、電力各社が出資する「日本原子力発電」の非常勤取締役として続投することが決まりました。何ともはや〜!!(嘆)――アクセス数の多かった過去記事(5/16)を<Saturday  Review>として再掲載しました。


2012年5月22日配信「渡辺征・楢葉町商工会長の拳銃逮捕で改めて判明した原発立地市町村の危険な利権構図」<内幕>



 原発が立地する“町のボス”が、いかに危険にさらされ、大変かを改めて示したのが、福島県楢葉町で5期、商工会長を務める渡辺征・渡辺興業社長(68)の銃刀法違反容疑による逮捕だった。
 
 第一原発事故によって「渡辺興業」が、事務所を楢葉町からいわき市に移していたところ、警視庁組織犯罪対策5課が確たる情報に基づいて家宅捜索、事務所の机に38口径の拳銃1丁と実弾数発を発見した。
 
 渡辺容疑者は、商工会長だけでなく、建設業協同組合代表理事、建設業協会会長、観光協会会長、木戸川漁業協同組合組合長などを務める、文字通り“町のボス”である。
 
 楢葉町の町政を仕切ってきたのは、4月に引退するまで長く町長職にあった草野孝前町長だが、同容疑者は、前町長の有力後援者にして、地元選出代議士の後援会長でもあった。
 
 福島第二原発が立地する楢葉町は、原発と公共工事によって成り立っている。電源三法交付金が町を潤わせ、“町のボス”として渡辺容疑者は「渡辺興業」の成長を享受した。
 
 しかし、3・11原発事故は、「東京電力」と原発立地市町村の政治家と有力者で築いてきた「予定調和の利権構図」を吹き飛ばした。
 
 原発はすべて止まって再稼働のメドは立たず、作業員が消えた街から活気は消え失せ、交付金の先行きが見えず不安はつのる。「反原発」の合唱の前で、大きな声を出すことはないが、「再稼働して欲しい」という本音を持つ自治体と住民は少なくない。
 
 福島県の場合は、第一も第二も再稼働しないという意味では不幸だが、「除染・廃炉」という仕事は手に入れることができた。
 
 5ミリシーベルト以下まで除染するとなれば、現在の1兆円予算では到底足りず、10兆円は超えよう。
 
 そして廃炉も巨額資金を用意しなければならない。
 第一の1号機から3号機では、使用済み核燃料が溶解、アメ状となっている。
 そこから核廃棄物を取りだし、廃炉にするという前代未聞の作業は、最低でも30年以上はかかり、第二を合わせて10基を廃炉にするのに要する費用は、10兆円と目されている。
 
「除染と廃炉で50年は食える!」
 福島県の土建業者は、そう計算する。もちろん工事の主体はゼネコンだが、「地元優先」「被災地振興」の意味を込めて、地元業者と地元住民が最優先されるのは間違いない。
 
 一方で、この莫大な復興利権を目指して、全国から業者が集まっているのを忘れてはならない。
 
「除染・廃炉」だけでなく、「がれき処理」も含めて、手を上げる業者の半数以上は県外組。しかも、この手の危険な仕事には反社会的勢力(反社)が絡んでくる。
 
 環境省と福島県警は、除染やがれき処理に反社が参入することを排除する目的で、今年3月19日、対策協議会を立ち上げて、情報を収集、反社情報があれば確認のうえで除外する。
 
 だが、事業に食い込もうとする方も必死だ。政治家や地元有力者のツテ、ゼネコンとの協力関係をもとに入り込んでくる、彼らをすべて除外することなどできない。
 
 翻って「渡辺興業」は、除染など復興事業にどんなポジションを占めてきたのか。
 
 当然、「町のボス」としての役割は果たしてきた。
 今年4月、環境省が直轄で発注する除染事業を、渡辺容疑者が代表理事を務める「楢葉町建設業協同組合」が受注した。
 全部で5地区の発注で、同組合以外は「清水建設」、「大成建設」といったゼネコンだったが、それも渡辺容疑者の“力量”である。
 
 一方で、「廃炉・除染・がれき処理」は、電源三法交付金をもとにした前述の“予定調和”の世界ではない。
 全国から腕に覚えの反社が乗り込み、新たな利権を獲得しようと、混沌とした荒々しさを秘めている。
 
「原発は美味しいシノギ」――反社は、原発立地の時から絡む。土地の買収、漁業補償、インフラ整備といった前段階から、工事が始まれば下請け作業、そして完成し、原発が稼働してからは作業員の手配に至るまで、あらゆる場面で「原発と反社」は密接だ。
 
“予定調和”の世界は、当然、それを含んだものであり、渡辺容疑者はその世界の押さえ方にも精通。だから“町のボス”だった。
 
 しかし原発事故で“風景”は変わった。除染やがれき処理は、群雄が割拠、力で支配しようとする新興勢力が出現する。――「力には力で」――渡辺容疑者には、それに対する“備え”が必要だったのではないか。
 
 世間を驚かせた“町のボス”の拳銃所持事件には、そんな“心象風景”も透けて見えてくる――。【柊】


2012年5月19日配信「“北尾マジック”に黄信号? 『SBIホールディングス』の期末の益出しに投資家たちから大ブーイング!!」<内幕>


 証券界に“北尾マジック”と呼ばれるものがある。
 
「SBIホールディングス」北尾吉孝・代表取締役CEOが繰り出す証券テクニックの数々で“価値”がさまざまに生み出され、SBIグループの業績に“貢献”する手法である。
 
 もちろん、マジックだから“タネ”はあるのだが、インチキではなく、許される範囲で“観客”(証券界では投資家)を幻惑する。
 
 その典型が、3月29日に行った「SBIベリトランス」(ベリトラ)の売却である。
 
 同社は、SBIグループの中核企業のひとつで、電子商取引の決済サービス会社だったが、売上高、利益とも右肩上がりの成長を続けてきた。
 その“虎の子”を、ジャスダック上場の「デジタルガレージ」に売却、「SBIホールディングス」は130億円の利益を得た。要するに「期末の益出し」である。
 
 金融不況のあおりを受けて、投資銀行はどこも厳しい。「SBIホールディングス」とて例外ではなく、高利の社債で運転資金を捻出している状態である。「高値で売れるものは売る」こと自体は問題ではない。
 
 ただ、開いた口がふさがらないのは「ベリトラ」の投資家だろう。
 同社は、ジャスダックに上場していたのだが、昨年8月1日、株式交換で「SBIホールディングス」の完全子会社になったばかりである。
 
 この完全子会社化を伝える「SBIホールディングス」の適時開示は、理由を次のように述べている。
 
「ベリトランスの決済サービスが、SBIホールディングスの5つのコア事業のひとつだ」と書いたうえで、「SBIベリトランスの有するEC決済のシステムやノウハウを完全子会社化による経営統合を通じて、迅速かつ、効率的にグループに取り込むことが、大きなシナジーを生み出すことになると考えております」
 
 しかし、子会社化してわずか8か月後の売却では、シナジー効果どころではない。それにたまらないのは、「ベリトラ」の株主である。
 
「SBIホールディングス」は、「ベリトラ」の子会社化を株式交換で行っており、ベリトラ1株当たりSBIホールディングス株4.7株を割り当てている。
 
 それを現在価値にすると1株=3万7224円だが、「デジタルガレージ」への売却価額130億円で価値を算定し直すと、1株8万375円となる。
 
 差額の4万3151円は、「SBIホールディングス」が強制的に株式交換した“果実”であり、「ベリトラ」の株主は、「得べかりし利益」を喪失したことになる。
 
 期末の“北尾マジック”は、翌日も続いた。
 
 3月30日、「SBIホールディングス」は、連結子会社の「SBIアラプロモ」(アラプロモ)の株式の一部を「第三者である複数の事業会社に譲渡する契約を結んだ」と、発表した。それに伴う利益は42億円である。
 
 市場が驚愕したのは、その売却株式数である。異動前が79.15%で異動後が73.32%なので、わずか5.83%を売却しただけで42億円もの「特別利益」を出した。
 
「アラプロモ」といっても一般には無名の製薬ベンチャーで、初期投資負担が大きく、赤字決算が続いているのだが、それが“北尾マジック”にかかれば、価値ある企業となる。
 
 それにしても、この売却価格を単純に時価総額に当てはめてみれば、700億円を上回る。――まさしくマジックというしかない。
 
 日本有数の投資銀行家を自負する北尾氏にミスはなかろう。理屈は通り、買主もいる。
 
 だが、そのテクニックが、「SBIホールディングス」の存続を目的とし、「ベリトラ」の株主や「SBIホールディングス」の既存株主の犠牲のうえに成り立ち、証券市場をいいように操っているだけなら、いつか“墓穴”を掘ることになる。
 
 折しも、「SBIホールディングス」は、金融テクニックで“苦境”を乗り切っていると指摘、粉飾の疑いありと、記事化した月刊誌の『FACTA』を民事提訴した。
 
 対象は、「上場前の身内ファンドへの付け替え」を報じた2012年1月号だが、同誌は4月号で、「赤字会社の連結外し」を報じており、それへの“警告”の意味もあっただろう。
 
 その“抗争”の最中の「期末の益出し」である。通常に考えれば、厳しさを象徴する決算対策で、「なりふり構っていられない」と読むこともできる。
 
 会員制で一般には知られていないとはいえ『FACTA』は、「オリンパス粉飾事件」を暴いた雑誌であり、その分析力と取材力には定評がある。
 
 躓きの予兆?――「ベリトラ」、「アラプロモ」と続いた危なっかしい「益出し」が、『FACTA』が指摘する付け替え、隠ぺい疑惑に重なれば?――今後の「SBIホールディングス」を注意深く見守る必要がありそうである。【鷲】

※アクセス数の多かった記事を<SATURDAY REVIEW>として再掲載しました。


2012年5月12日配信 「狙いは4000億円市場!?――『DeNA』『mixi』『グリー』――警察庁が『風営法』でゲーム業界の“囲い込み”を画策中!?」<内幕>



 ソーシャルゲーム業界の急成長が止まらない。
 2008年度が実質的なスタートで50億円。09年に「DeNA」「mixi」「グリー」といった現在のメインプレーヤーが勢揃いして躍進を始め、11年には2600億円に達し、今年は3400億円に迫り、4000億円市場は目前である。
 
 SNSと呼ばれる交流サイトを運営する「DeNA」などが、携帯電話やスマートフォンで提供するソーシャルゲームは、やる人とやらない人の落差が大きく、利用者の中心が10代から20代とあって、一般にはまだ認知されておらず、多くの社会人はこの業界の急成長を実感できない。
 
 しかし、考えてみれば凄い話である。
 競馬など公営ギャンブルには競馬場、競輪場、競艇場といった施設があり、働く人がいる。25%のテラ銭を天引きされるが、75%は配当として戻される。
 
 また、テラ銭といっても、運営費や売り場のおばちゃんのパート代や警備員の給与にもなっているから、経済社会のなかでカネは回っている。
 
 ところがゲームは、携帯電話やスマホの中でのこと。いくら市場規模が4000億円になろうとも、「配当を出さない」、「どこにも還流しない」、「外部に雇用を生まない」の“ないない尽くし”では、全てがSNSの中で完結してしまう。
 
 強いて言えば、1000社ともいわれるゲーム開発業者に、雇用と成功報酬(ゲーム業界は当たれば儲けが大きい)を提供するが、前掲のリアルなギャンブルに比べれば世間に対する“貢献度”は遥かに小さい。
 
 つまり、儲けはSNS業者の“総取り”である。その余裕資金が洪水のようにCMの世界に流れ、ゲームに縁のない人でも「グリー」の『探検ドリランド』が流行っていることは知っていよう。
 
 この急成長を支えるのは、ヘビーユーザーたちで、彼らのなかには“ネトゲ(ネットゲーム)廃人”という言葉があるように“中毒患者”が少なくない。
 
 というより、無料でゲームに誘い込み、有料アイテムを次々に買わせ、仮想空間で他人とチャットで交わらせ、ゲームにハマる人たちを作り出すのがSNS業者の腕の見せどころだから、急成長の裏で、数々の歪をもたらしている。
 
 ゲームにハマって家事を放棄する主婦、有料アイテム欲しさに援助交際する女たち、ゲームの中だけで生き、社会と関わろうとしないオタクの男たち……。
 
 こうした“社会現象”に加え、ゲームで楽しむための優良アイテムが、ネットオークションで売られ、リアルマネートレード(RMT)という名の金銭の受け渡し、つまりゲームのギャンブル化が始まった。
 
 また、ゲーム業界は儲かるというので、反社会的勢力が、ゲーム開発業者に資金を融通することで入り込み、当たれば報酬を吸い上げ、あるいはゲームに潜り込ませて、有料アイテムを盗み、RMTで販売させることもある。
 
 無法地帯となったソーシャルゲーム業界!?――こうなれば「警察の出番」である。
 
 なにぶん業界が新しいだけに監督官庁がない。通信という意味では総務省、産業という意味では経済産業省、消費者向けサービスという意味では消費者庁だが、いずれも業界が抱える底知れなさと、パチンコ・パチスロ業界同様の将来的な“反社の影”を感じた途端にひるんでしまう。
 
 警察庁は目下、どうすれば“健全”にゲーム業界を抱え込めるか、精力的に業界事情を探っており、いずれは数多くの業界団体を立ち上げさせ、そこに天下りを押し込み、パチンコ・パチスロ業界のように“制圧”するつもりである。
 
 一方、こうした動きを察知したゲーム業界は、今年に入って、自主的な業界浄化、管理強化に取り組んでおり、なかでも3月に入ってからの作業は急ピッチだ。
 
 3月16日、「グリー」は、未成年ユーザーの課金を制限するとともに、RMTの取り締まりを強化、違反ユーザーのアカウント停止など強い姿勢で臨むようになったが、この動きは他のSNS業者にも広がりつつある。
 
 また、3月21日には、「グリー」、「DeNA」、「mixi」、「ドワンゴ」などソーシャルゲーム提供の6事業者が集まって、「利用向上等に関する連絡協議会」を設置したが、これも“ネトゲ廃人”を生み出すような業界慣行、「儲かればいい」という姿勢を自分たちで見直そうというわけである。
 
 こうした動きは、囲い込みにきた警察に対する恐れが「健全化」に走らせただけで、未だ現実のものになっているわけではないが、警察に自由度を奪われ、業界の成長を封じられる怖さが、普段は反目する業界各社をまとめたものである。
 
 先手を打った形のゲーム業界の“自主規制”に、警察も一旦は引くが、「風営法による囲い込み」という当初の目的は変わっておらず、両者の水面下でのせめぎ合いは今後、ますます激化しそうである。【潤】


 ※アクセス数の多かった過去の記事のうち、「コンプガチャ」に対する消費者庁の“イエローカード”で揺れるSNS業界の問題点をいち早く取り上げた3月28日配信記事を再掲載しました。(編集部)


2012年5月8日配信 「『唯我独尊』――無罪判決でも“小沢叩き”を継続、検察に連動する『朝日』『読売』の“罪”!!」<内幕>



「無罪判決」が下されても、大手マスコミの小沢一郎元民主党代表に対するバッシングは“健在”である。
 
 判決の翌日、『朝日新聞』は社説で、「うそは認定された」と小見出しを立てたうえで、こう批判した。
 
「私たちは強制起訴の前から、つまり今回の刑事責任の有無にかかわらず、小沢氏に政界引退や議員辞職を求めてきた」
 
 判決に関係なく、小沢氏の強引な政治手法や利益誘導体質が許せなかったという。
 
 この見方は、『読売新聞』も同じだった。
 やはり社説で、「結論はシロだが、『潔白』ではなく『灰色』という司法判断だろう」と、冒頭に書いたうえで、道義的な責任は免れず、「秘書任せの強弁は許されない」として政治責任を追及している。
 
 無罪であっても許さない。この硬直性は検察と同じである。
 
 事件を振り返ってみよう。
 
 小沢元代表の政治資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反捜査の端緒は、大手ゼネコン「西松建設」の海外事業部門幹部の外為法違反事件だった。
 
 2008年末の幹部逮捕をきっかけに、社長ら首脳の罪も追及されていくが、その過程で外為法に抵触する理由が、政治献金を含む裏ガネの捻出にあったことが判明、事件は政界へ波及する。
 
 その結果、09年3月3日、小沢氏の大久保隆規秘書が政治資金規正法違反で逮捕される。
 
「西松マネー」を受け取った政治家は他にもいたが、小沢氏がターゲットになったのは、故田中角栄元首相、故金丸信元副総理の「政治はカネ」路線を実践する利権政治家で、彼が“オヤジ”と慕う「角栄、金丸」を逮捕した検察に深い怨念を抱いているうえ、「政治主導」の旗を振って、官僚から権限を奪おうとする許し難い政治家だったからだ。
 
「法務・検察」の頭にあったのは自分たちの正義感に照らしたうえでの「政界からの小沢排除」であり、民主党政権が樹立された場合に「敵を許さない」ことで知られる小沢氏への“恐怖”だった。
 
 この時、「小沢捜査」の指揮を取ったのは、佐久間達哉特捜部長(現・国連アジア極東犯罪防止研修所所長)であり、それを支えたのは、最高検東京担当検事や東京地検次席を歴任した大鶴基成氏(退任後、現弁護士)だった。
 
 しかし、検察は一枚岩だったわけではない。
 
「反小沢感情」はどの検事にもあったが、「大鶴―佐久間ライン」は強引すぎるという批判が最高検など検察首脳にはあった。
 その結果、“落とし処”として、大久保秘書らの起訴を経て、「陸山会事件」を“収束”させる方向に向かっていたのだが、これに異を唱えたのが、捜査現場の大鶴―佐久間コンビだった。
 
「小沢一郎という政治家は、日本のためにならない」
 
 こう公言して小沢氏周辺を継続捜査、「秘書宅4億円の不記載(04年のものを05年に記載、いわゆる期ズレ)」を発見、その隠ぺい工作は「政治資金がゼネコンなどからの裏ガネであることを知られたくなかったから」という“隠蔽事情”をくっつけ、マスコミに悪質さを報道させることで、検察首脳も反対できないムードを醸成させ、10年1月に石川知裕元秘書(現・代議士)らを逮捕した。
 
 この間、マスコミは特捜捜査に連動して小沢批判を展開。なかでも、格別に激しい論調で“リード役”を務めたのは「朝日」「読売」である。
 
 事件の端緒が、「西松建設外為法違反事件」だったのは前述したが、これを特捜部がつかむきっかけは、『朝日新聞』による情報提供である。
 
「悪者」にされ、すべての責任を取らされそうになった同社海外事業部幹部が、「朝日」に駆け込んで相談。「朝日」が検察に持ち込んで、事件は思わぬ方向に発展した。
 
 一方、頓挫しかけた捜査が、「秘書宅に4億円」で再燃するきっかけを作ったのは、『読売新聞』である。
 
 同紙は、09年10月15日の一面トップでこれを報じ、捜査は再開され、小沢氏は復権の道を断たれた。
 
 両紙が、特捜部と連動していたのは明らかで、4月27日付けの事件を振り返る報道で、『朝日新聞』は、「大久保逮捕をスクープした」と誇り、『読売新聞』は「秘書宅問題を政治資金疑惑として報道した」と、それぞれ胸を張った。
 
 前半は「朝日」で、後半は「読売」が強かった、というのが今回の事件報道の評価だが、それは特捜部と“連帯”していたがゆえの“褒美”だったのである。
 
 さて、「他人を呪わば 穴ふたつ」――今回の「小沢捜査」では、検察もまた傷ついた。
 
 それは「大阪地検特捜部証拠改ざん事件」に続いたせいでもあるが、「小沢捜査」でも田代政弘検事による捜査報告書の偽造が指摘され、大善文男裁判長は、判決で「検察捜査の在り方」に言及、これを批判した。
 
 日本の報道をリードするという自負を持つ「朝日」と「読売」は、「朝日」の社説にあるように「小沢一郎という政治家が許せない」のであり、だから検察に連動、追い詰めようとしたが、結局は追い切れなかった。
 
 そこには検察捜査がそうであったように“無理”があり、捜査同様、報道も強引で、判決前から「小沢氏の違法」に踏み込んだ主張を展開してきた。
 
 ところが判決は「無罪」。――それでも反省は皆無。――「黒に近い灰色判決だ」、「無罪であっても無実ではない」とばかりに“小沢バッシング”を止めようとしない。
 
 この検察以上の“唯我独尊組織”になってしまった2大新聞には、もはや「社会の木鐸」を標榜する資格はない。【絢】


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