2020年1月6日配信「読者の写真展」<寄稿>
















 


2020年1月1日配信「新年のご挨拶」

 

 

  謹 賀 新 年

 

    『世の中は 「こそ」の2文字の置き処

    「こそ」で乱れて 「こそ」で収まる』

   

     重ねて明けましておめでとうございま〜す。wanwan!

     弊社CEO・勘太郎で〜す。wannwan!

               本年のモットーも1に忖度、2に忖度。wanwan!

     浅学非才の若輩犬ですが、wanダフルな1年になるよう

               編集部一同、粉骨砕身頑張ります。wanwan!

     今年もご愛読のほどお願い申し上げます。wanwan!

 

                             

 

 


2019年12月28日配信「週刊0510のおススメBOOKS」

 

 

                                                                      

 


2019年12月27日配信「中国企業とカジノで組むという秋元司代議士の“悪手”を嫌った地検特捜部が外為法違反で摘発した事件の行方」<事件>  


留寿都村(☚wikipedia)

 

 さながら2000年代前半のITバブル時代の名残り?――国営ITコングロマリットが大株主「500ドットコム」という社名の中国企業の日本法人が、東京地検特捜部の摘発対象となってマスメディアを賑わせている。
 
 同社関係者が、違法に海外から資金を持ち込み、17年当時、北海道のリゾート地・留寿都で進めていたカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致活動に使ったのではないかというもの。これには秋元司代議士の元政策秘書らが関与。外為法違反事件として特捜部の捜査を受けている。
 
 それにしても秋元氏の信じられない脇の甘さである。
 
 カジノといえば、犯罪組織が万が一にも関与してはならないと、米ではゲーミング管理委員会などによって、厳しく監視され参入障壁も高い。
 
 日本もそれに準拠する体制整備が、IRの事業化を前に行なわれている。
 
 そうしたIRを担当する衆議院内閣府の委員長として、それを十分に知っているハズなのに、「500ドットコム」に取り込まれてしまった。
 
 しかも同社は、オンラインカジノ業者ではあってもディーラーが差配する“生”のカジノ運営の経験はない。
 
 さらに、サポート要員として雇った執行役員は、沖縄県日中友好協会事務局長の肩書を持つが、国内外を舞台に投資家をつのるブローカーのような人物で、トラブルも多い。
 
 特捜部が秋元氏に目を付けたのは、後援者の川崎大資被告を、19年7月、企業主導型保育事業の詐欺容疑で逮捕。その政界ルートとして秋元氏が浮上、調べを進めるうちに別件ながら外為法違反事件に行き着いた。
 
「検察のエース」として内外から期待される森本宏特捜部長は、小躍りして喜んだに違いない。
 
 特捜部は、日産元会長のカルロス・ゴーン被告を逮捕し、久々に「最強の捜査機関」に相応しい存在感を見せつけた。
 
 しかし、まだ課題が残っており、それは中央政界への捜査である。
 
 09年の政治資金団体・陸山会事件は、当時の小沢一郎民主党元代表を狙ったものの果たせず、秘書の逮捕に留まった。
 
 この時、石川知裕代議士を逮捕、起訴したが、小沢氏の秘書時代の罪についてであり、真の意味の政治家逮捕ではない。
 
 というわけで、政治家逮捕は02年の鈴木宗男代議士、03年の坂井隆憲代議士まで遡る。
 
「バッヂを狙え!」は、特捜部の使命感を伝える合い言葉だが、都合16年以上、その役割を果たしていないことになる。
 
 秋元事務所が絡む外為法違反事件は、そんな状況を払拭することになった。
 
 展開は早い。――特捜部は、12月7日、秋元氏に仕えていた2名の元秘書宅を家宅捜索した。
 
 2人は、11年7月に設立されたコンサルタント会社の代表を務めており、元政策秘書が17年6月に退任すると、元私設秘書が代わって就任した。
 
 秋元氏は記者会見を開き、落選中の設立時から14年まで顧問を務め、顧問料を受け取っていたことは認めたものの、「以降、会社との関わりは一切ない」としている。
 
 だが、否定されても立件できる材料はあるということで、さらに証拠を積み重ねるために、12月19日、江東区の地元事務所議員会館を家宅捜索した。
 
 容疑の外為法違反は入り口に過ぎない。
 
 あの「ロッキード事件」がそうだったように、外為法違反は政界事件などの入り口に使われることが多い。
 
 その分、奥は深く、今回、検察は官邸に捜査着手の報告はしたが、何のどんな容疑が本線かは伝えていない。
 
 それだけ本気だということだが、IR担当として職務権限はあるだけに、贈収賄事件としての立件が、“本線”になる」(検察OBの弁護士)
 
「500ドットコム」の中国人代表は、留寿都の前は沖縄IRに関心を示し、17年8月、那覇市でシンポジウムを主催したことがある。
 
 その基調講演を中国人代表とともに行なったのが秋元氏だった。
 
 中国企業がIRという国家プロジェクトに参入するというだけで、日本の司法当局は警戒する。
 
 なのに秋元氏は、国内の通常の陳情を捌くのと同じ気軽さで“相談”に乗ってしまったわけだが、その前からターゲットだったという意味で、特捜部に狙われる要件は、十分に満たしていたのである。【酉】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年12月26日配信「週刊0510のおススメBOOKS」

 

 

 


2019年12月25日配信「東京仙人島minimini情報」

「どこの警察署でも、署長、次長級の幹部連にとって若い警察官はお荷物でしかない。若いから酒の飲み方を知らない、女が欲しくなることもある。高校卒で奉職すれば、未成年でピストルを所持することもできる。よほどしっかりした教育をせねば、最近の社会情勢からして、非行警官が出ないという確証はない。事実、不幸にして明るみに出た事件の何倍もの、警察官による非行が陰で処理されている。幹部連中は、ひとたび部下の非行が発覚すれば、半生をかけて得たその職を、監督責任を問われて失ってしまう」(『雨に殺せば』・黒川博行)

 

………………………………………

 

<社会>

 

★「役に立たない元警視総監?」…警視庁捜査3課が神奈川県庁から処分を委託されていたHDDを横流しした「ブロードリンク」社員・高橋某を逮捕。

 

◆「老兵の早とちり?」レビ朝日が「朝まで生テレビ!」の田原総一朗氏の「ベネッセが下村博文衆議院議員に二千数百万円の献金をしている」発言に「そのような献金はなかった」と番組公式サイトで訂正。

 

◆「共犯?」…スポーツ庁が悪徳マルチ商法の「ジャパンライフ」「パラリンピック選手を積極雇用する優良企業」として認定の愚。

 

★「“自殺”電機」「三菱電機パワハラ自殺事件」で兵庫県警三田署が常習パワハラ上司自殺教唆容疑で神戸地検に書類送検。

 

★「ばっくれて銃弾」借金踏み倒した玉沢徳一郎・元衆院議員が銃撃さる。

 

★「どこまで拡がる?」東京地検特捜部が自民党秋元司衆院議員の元秘書2人の自宅に続き個人事務所、議員会館室を外為法違反容疑で家宅捜索。

 

]★「千三つ屋のやることは〜www」大阪地検特捜部が「明浄学院業務上横領事件」に絡み共犯容疑で「プレサンスコーポレーション」(東証1部)山岸忍社長を業務上横領容疑で逮捕。

 

★「卑劣な悪あがき!」「彼女は常習的な嘘つきだ」――ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS記者のジャーナリスト・山口敬之氏から準強姦損害賠償訴訟で東京地裁が忖度することなく330万円の支払い判決も当の山口氏は往生際悪く「控訴します」とご立腹の巻。

 

◆「田舎に住もうぜ?」65歳以上の高齢者が住民の半数以上を占める「限界集落」が2019年4月時点で15年4月時点に比べ6000箇所増加し20349箇所に。

 

 

<政治>

 

★「桜騒動の番外編」…会員7万人から4200億円を集めて破産した「ジャパンライフ」の被害者たちが国家賠償請求訴訟の動き。

 

◆「曲がる朝日ペン!」橘 優・元朝日新聞政治部長が渦中のジャパンライフ」顧問に就任も「僕ちゃん、業務内容は知らない」とおトボケ。

 

★「ご都合主義で定義変更www」…政府が反社について「暴力団などに加え、脅しや暴力などの手法で経済的利益を得ようとする集団や個人」から「その時々の社会情勢に応じて変化し得るものであり、限定的・統一的な定義は困難だ」と定義を変更する閣議決定。

 

◆「絶倫センセイ!」「世の中には仮に色んな経済活動があったりしてもですね、それがなんで、そういうその、不道徳な行為に結びつくんですか?」――上智大生M女史との手切れ金を値切った件について「週刊新潮」に問われた小里泰弘衆院議員が意味不明の弁明。

 

★「老いらくの不倫?を文春砲が直撃」…加計学園事件で活躍した和泉洋人・首相補佐官大坪寛子・厚労省大臣官房審議官が官費で堂々の京都不倫旅行。

 

◆「サンドバッグ進次郎‼?」…脱石炭に鈍感な日本がCOP25で2度目の「化石賞」を受賞。

 

★「次の手は株主代表訴訟?」関西電力」の幹部が福井県高浜町の元助役らから多額の金品を受け取っていた問題で市民団体が大阪地検特捜部に告発状を提出。

 

◆「企業>>国民」「オープンイノベーション税制+企業版ふるさと納税」で大企業優遇の税制改革大綱に批判集中。

 

◆「殿に倣え!」…下関市立大学の学科新設めぐって安倍腫瘍の国家老・前田晋太郎下関市長に大学私物化疑惑。

 

★「馬鹿の定義!」「紀元前の中国の王朝・秦の丞相(宰相)であった趙高は、部下の重臣たちの自分に対する忠誠心を試すため、二代皇帝・胡亥の前に鹿を連れてきて『これは珍しい馬です』と言いました。皇帝は『馬ではなく鹿だろう』と言ったのですが、趙高は居並ぶ重臣たち一人一人に『馬に見えるか?鹿に見えるか?』と聞き、彼の権勢を怖れて『馬です』と偽りを言った者はそのまま重用され、正直に『鹿です』と答えた者は難癖をつけられて処刑されてしまいました。その後、趙高に逆らう者は誰もいなくなりましたが、やがて人心は離反し、国は乱れ、遂には楚の項羽によって滅ぼされてしまいました」。(史記)――石破茂衆院議員の辛辣な安倍首相批判に賛同の声、続々。

 

◆「(´∀`)┌ヤレヤレ警視庁葛西署が立憲民主党初鹿明博衆院議員を強制わいせつ容疑で書類送検。

 

◆「屋根屋のフンドシ!」…疑惑噴出の大学入試共通試験で英語に続いて国語、数学もお流れの巻。

 

◆「先輩の頼みですから〜」…総務省が「日本郵政」鈴木康雄上級副社長に行政処分案を漏洩漏したとして鈴木茂樹総務次官を更迭。後任に黒田武一郎・総務審議官。

 

★「情けなや、青春の巨匠!」「俺が悪かった。すいません。何を言われてもしようがない」――台風禍直後の9月11、13日に散髪するため都内へ行っていたことがバレた森田健作・千葉県知事が繰り返し頭を下げて謝罪

 

 

<企業>

 

★「アマゾン包囲網?」米通商代表部が海賊品、偽造品販売の「アマゾン」の海外事業を悪質市場リスト入りに。

 

◆「またもや失敗」「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が出資した犬の散歩代行社の「ワグ」が破綻寸前。

 

★「またまた官邸の“お友達会長”」「NHK」次期会長に“タナボタ男”と呼ばれる前田晃伸・元みずほフィナンシャルグループ会長

 

◆「ついに身売り」…沈没寸前の「大塚家具」「ヤマダ電機」の支援を受けて子会社に。

 

★「日本経済、着々沈没中!」…日銀が発表した全国企業短期経済観測調査(短観)で業況判断指数が四半期連続で悪化

 

★「常習粉飾犯?」「ネットワンシステムズ」(東証1部)に循環取引による粉飾決算疑惑。

 

◆「いばらの道はどこまで?」…「かんぽ生命保険」の不正販売で金融庁が「かんぽ生命」「日本郵便」に保険業法に基づく一部業務停止命令

 

★「所詮は〜www」…「大和ハウス工業の4143人の施工管理技士のうち349人が不正取得。

 

 

<海外>

 

★「史上3人目の“栄誉”?」…ウクライナ疑惑で米下院で弾劾訴追されたトランプ大統領が上院の弾劾裁判。

 

 

<訃報>

 

脚本家の中島淳彦さん。行年58。

 

俳優の梅宮辰夫さん。行年81。

 

中沢健次・元社会党衆院議員。行年85。

 

歌手の旗照夫さん。行年86。

 

歌人の吉村睦人さん。行年89。

 

石橋政嗣・社会党元委員長。行年95。

 

元阪急ブレーブスの高井保弘さん。行年74。

 

大相撲の東関親方。行年41。

 

自民党望月義夫元環境相。行年72。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年12月24日配信「風雲急!――秋元司代議士元秘書を家宅捜索した東京地検特捜部の狙い?」<事件>

 
秋元司代議士(wikipedia)

 カルロス・ゴーン逮捕で久々に「最強の捜査機関」に相応しい存在感を見せつけた東京地検特捜部だが、中央政界の捜査は成果を上げられずにいる。
 
 09年の政治資金団体・陸山会事件は、当時の小沢一郎民主党元代表を狙ったものの果たせず、秘書逮捕に留まった。
 
 この時、石川知裕代議士を逮捕、起訴したが、小沢氏の秘書時代の罪についてであり、正確にはダッシュマークがつく逮捕であり
「政治家逮捕」は02年の鈴木宗男代議士、03年の坂井隆憲代議士まで遡る。
 
 「バッヂを狙え!」は、特捜部の使命感を伝える合い言葉だが、17年近くその役割たしていないことになる。
 
 そんな状況を払拭することになるのだろうか――。
 
 東京地検特捜部は、12月7日、秋元司代議士に仕えていた2名の元秘書宅を家宅捜索した。
 
 2人は、11年7月に設立された芸能関係会社の代表を務めており、元政策秘書が17年6月に退任すると、元私設秘書が代わって就任した。
 
 秋元氏は記者会見を開き、落選中の設立時から14年まで顧問を務め、顧問料を受け取っていたことは認めたものの、「以降、会社との関わりは一切ない」としている。
 
 容疑は海外から多額の現金を不正に持ち込んだとされる外為法違反だが、具体的な内容は伏せられており、秋元氏も「心当たりはない」と、断言した。
 
 だが、外為法違反は「入り口」だろう。
 
「ロッキード事件がそうだったように、外為法違反は政界事件などの入り口に使われることが多く、その分、奥は深い。
 
 今回、検察は官邸に捜査着手の報告はしたが、どんな容疑が本線なのかは伝えていない。それだけ本気で政治家を狙っているということ」(検察OBの弁護士)
 
 家宅捜索の1週間後には、北海道庁のIR(カジノを含む統合型リゾート)関係部署にも特捜部が赴き、中国系企業・F社のルスツリゾート進出に絡む不可解なカネの流れに着目、任意で資料提供を求めている。
 
 同社のH代表は、沖縄IRにも関心を示し、17年8月、那覇市でシンポジウムを主催したことがある。
 
 その基調講演を中国人代表とともに行ったのが、当時、IRを担当する衆院内閣委員会の委員長を務め、超党派のIR議連の副幹事長でもある秋元氏だった。
 
 ただ、北海道に限っているわけではなく、「幅広く、秋元関連を調べている」(司法担当記者)という。
 
「特捜部が秋元代議士に興味を持つきっかけは、内閣府の企業主導型保育事業を巡る助成金詐欺事件の過程で、主犯格の川崎大資被告と秋元氏との親密な関係が浮上、事業関係者から献金を受け取っていたことが判明してからです。特捜部の参考人聴取が活発に行なわれ、それが保育事業と関係のない分野にまで広がった」(同)
 
 それは、秋元氏の「来る者拒まず、清濁併せ呑む」という政治スタイルと無縁ではない。
 
 師匠といえるのが、秘書として仕えた小林興起元代議士。同じようにウイングが広く、人脈もまたグレーゾーンの人種を厭わない小林氏を真似ているし、一部はその人脈を引き継いでいる。
 
 今回、家宅捜索という本格捜査の前に、特捜部は太陽光など再生エネルギー、パチンコ・パチスロ、公共工事に強い地方の建設、街金と呼ばれる高利金融、増資を繰り返す業績不振企業など多方面に任意の形で調査・捜査を入れていたが、挙句のルスツIRであり、今後はそれを軸に捜査は展開されよう。
 
 秋元氏は、内閣府、環境省、国土交通省などの副大臣を務め、それなりに職務権限を持つ。
 
 指揮を執るのは、「検察のエース」の森本宏特捜部長。――国会が始まれば不逮捕特権があるだけに、年明け1月20日の通常国会招集までに動きを見せると目されている。【子】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年12月21日配信<0510archives>「『Black Box』(伊藤詩織著・文藝春秋)が告発する司法の歪み」<事件>



 


 

 

 

 

 レイプ被害者として「顔出し告発」していた伊藤詩織さんが、10月18日、『ブラックボックス』(文藝春秋)を上梓した。
 
 今年5月、詩織さんは検察審査会に不起訴処分を受けて異議を申し立て、記者会見で経緯を説明した。
 
 その時も衝撃だったが、検察審査会での「不起訴相当」を受けて著した本書では、そうした会見などでは伝わらぬ思いが、時系列で詳細に語られ、一級のノンフィクションであると同時に、日本の司法システムに対する鋭い告発書にもなっている。
 
 圧巻は、「安倍晋三首相に最も近い記者」という評判の元TBS記者・山口敬之氏と、詩織さんにとって同氏に対する「顔を思い出したくもない加害者」であるという辛さを封印して、責任を追及するために行った交換メールの公開と、高輪署、警視庁捜査一課、そして検察との「山口氏の圧力」を感じながらの切迫した交渉だろう。
 
 率直に感じられるのは、詩織さんの強さである。
 
 それは5月時点の「顔出し会見」で証明されてはいたが、今回、明かされたジャーナリストを目指して欧米で学んだという経歴が、告発への動機を裏付けるとともに、そうした意志も強さも持っている人が、それでも「司法のカベ」に跳ね返されてしまった。
 
 強さは、レイプ犯を許さないという一貫した姿勢にあるが、その一方で、詩織さんの心は常に山口氏の“幻影”に怯えており、「魂の殺人」だというレイプが被害者に与える傷の深さに慄然とさせられる。
 
 それだけのプレッシャーを受けながら、これまでのレイプ被害者の大半が、「正体を晒しても何の得にもならない」と、勝訴しても自分の胸の内にしまい込むか、示談に応じて事件を封印するなか、詩織さんが実名告発し書籍まで発売したのは、個人的な恨みを晴らすのではなく、「私に起こったことが、あなたに、あるいはあなたの大切な人に降りかかってくるか、誰にも予測はできないのだ」(まえがきより)と、訴えたいからである。
 
 その告発するという行為の結果として、司法の“歪み”が露呈した。

 

bbc_01_20180701.png

                                                                      BBC公式HP
 

 

「よくある話だし、事件として捜査するのは難しいですよ」
 
 担当する高輪署のA氏が、最初に投げかけたのはこの言葉であり、詩織さんは「それはあまりに残酷な言葉だった」と、嘆く。
 
 以降、「今まで努力してきた君の人生が水の泡になる」と、被害届の提出を考え直すように説得するA氏を、むしろ詩織さんが引っ張る形で捜査は進み、山口氏の帰国を待って逮捕するところまで進展した。
 ところが、15年6月8日、成田空港に山口氏逮捕に出向いたA氏から「逮捕できません」という連絡が入る。
 
 理由を問うと「ストップをかけたのは警視庁のトップです」という返事。後に、それが中村格警視庁刑事部長(当時)であることが明らかになる。
 
 以降、所轄の高輪署から警視庁捜査一課に事件は移送され、A氏も担当検事も配置替えとなり、事件は封印の方向に向かう。
 
 捜査一課の捜査が、不起訴へ持っていくためのものであるのは、「なぜ逮捕状が出たのに逮捕しなかったのか」という詩織さんの問いかけに、「逮捕状は簡単に出ます」と断言。「社会的地位のある人は、居所がはっきりしているし、家族や関係者もいて逃走の恐れがない。だから、逮捕の必要がないのです」と、いってのけた捜査一課幹部の言葉で明らかだ。
 
 官邸から中村部長へと伝えられたことで発生した“忖度”は、捜査現場を動かして起訴には不十分な捜査内容となり、不起訴処分は出た。
 
 その証拠に沿って国民からくじで選抜される検察審査会の審査員が、検察官に誘導される形で事件性を審査すれば、「不起訴相当」となるのも無理はない。
 
 司法は、そのシステムを熟知し、方向性を変えうる力のある人間が操作すれば、簡単に歪むものである。
 
 レイプが行われたとされる15年4月4日以降、2年半の歳月をかけて詩織さんが著した『ブラックボックス』で、我々が読み取るべきは、レイプ被害の傷跡の大きさとともに、それを見逃してしまった司法システムの検証であろう。【午】

 

 

 

 

 

 

 

 


2019年12月20日配信「週刊0510のおススメBOOKS」

 

 

 


2019年12月19日配信「苫小牧にIRを誘致せず――鈴木北海道知事の決断に橋本五輪相、森章・森トラスト会長などが予定を狂わされて大落胆」<事件>

 
鈴木直道北海道知事(Wikipedia)


 「苫小牧へのIRの誘致を見送ります」――アベノミクスの経済浮揚策で首相官邸が期待、地元政財界も景気対策や雇用確保のために誘致一色かと思われたカジノを含む統合型リゾート(IR)に、初めて「ノー」が突き付けられた。
 
 鈴木直道・北海道知事は、11月29日、道議会で誘致を見送る表明をした。
 
 理由は「自然環境への影響」で、候補地の苫小牧市植苗地区が、希少動植物が生息する自然豊かな地で、「21年7月という誘致申請期限までに、環境への適切な配慮を行うことは不可能」と、見送りの理由を説明した。
 
 既に、苫小牧市は誘致を推進する決議案を可決、道内4経済団体も誘致表明を求める緊急共同宣言を道に提出していた。
 
 集客は年間840万人を見込み、雇用は1万人と試算され、最大で年約1600億円の売り上げが期待できるとあって、みんなが前のめりとなっている印象だった。
 
 だが、住民の意向を尊重したものではない。
 
 道が行ったアンケート調査では三分の二がIRへの誘致に「不安」と回答。「治安の悪化」と「ギャンブル依存症問題」が主たる理由で、自然保護団体からは「環境保護の方が大切」という声が上がっていた。
 
 IRに関し、政財界や行政と住民との間に落差が大きいのは「誘致表明」をしたばかりの横浜も同じだが、説得して推進するのが行政の前提と思われたIRに、鈴木知事が下した「誘致せず」の決断は、IRに多様性をもたらした。
 
 とはいえ、関東(東京か横浜)にひとつ、関西(大阪市)にひとつ、地方にひとつの計三つのIRが既定方針となっているなか、北海道・苫小牧は最有力候補と目されていただけに、推進派の落胆は大きい。
 
 政界では橋本聖子五輪相である。
 
 東京五輪開幕の年に生まれて「聖子」。冬のスケート、夏の自転車と計7回の五輪に出場、銅メダルを獲得。引退後、政界に打って出て、現在、参院5期目。今年9月の内閣改造で、五輪相という念願の閣僚ポストを手に入れた。
 
 出身は、苫小牧に隣接する安平町で、最大級のスポンサーは競走馬の世界で知られた社台グループである。
 
 吉田照哉、勝己、晴哉の「吉田三兄弟」が運営する社台グループはIR誘致にも熱心で、勝己氏が苫小牧統合型リゾート推進協議会の副会長。しかも勝己氏が社長を務める「ノーザンレーシング」は、約100ヘクタールの所有地を、IR用として市に無償提供することになっていた。
 
 橋本五輪相と勝己氏の思惑は一致。『週刊新潮』は、10月31日号から3週連続で、次のような疑惑を報じた。
 
 「マラソン・競歩を札幌で行う代わりに鈴木道知事にカジノ誘致を了承させる」――結果的に“誤報”だったが、政治家も経済界も行政も、それだけ期待を込めていたのは事実。そして、日本最大級の都市とリゾートの開発事業者である「森トラスト」も、大きく計画を狂わされた。
 
 今年83歳となった森トラスト会長の森章氏は、3年前、娘の伊達美和子氏に社長を譲ってからは、人生最後の夢を苫小牧に託すとして、一大リゾート計画を推進してきた。
 
 会社にリスクを取らせるわけにはいかないと、「MAプラットフォーム」という個人会社で約1000ヘクタールもの土地を取得した。
 
 その後、「森トラスト」は、ここにIRの進捗と合わせ、高層ホテル、広々としたコンドミニアム、温泉を含むスポーツ・レクリエーション施設などを建設、2500億円を投じることになっていた。
 
「誘致見送り」の報を受けても、森章氏は「予定通りに開発を行う」と、強気の姿勢を崩さなかったが、単独での2500億円プロジェクトは難しく、修正を余儀なくされよう。
 
「MAプラットフォーム」が、予定地を開発権利付きで購入した時の価格は約55億円。だが、原価は12億6000万円に過ぎず、「2割の利益を乗せたとしても40億円も高い買い物をさせられた」ということで、森氏は当時の社長を相手に損害賠償請求訴訟を行っている。
 
 この売買には、仲介業者として森氏と親しい謎の中国人女性が絡んでおり、複雑な様相を呈している。
 
 国税当局も取引を怪しみ、未だに調査を続けており、IRが予定通り進展すれば、そうした“躓き”は解消されただろうが、構想に終わったことで痛みは引きずる。
 
 IRの見送りは、こうした数々の「痛みと落胆」を、準備を進めていた政・官・財界の人間に与えることになりそうだ。【巳】

 

 

 

 

 

 

 

 



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