2019年9月21日配信<0510archives>「『人間が作る物で偽造できないモノはない!』――“ニンベン界の巨匠”が語る近時、偽造ワールド事情!!<事件>


   

                      定価250000円也

                  (☚wikipedia)

 

 

 

 

※「偽造」=「本物を真似て類似の物を作ること。特に、悪用する目的で、通貨、文書、印章などの偽物を作ること」(「日本語 新辞典」・小学館)
 

 

 

 今回、ゲストにお迎えしたクボタ氏(仮名)は、実名を出せば裏世界の住人からは、「ああ、ニンベン博士の〜」とオウム返しに言葉が返って来る超有名人である。
 言うまでもなく“紛れもない悪党”である。しかし、チンケな「悪党」ではない。“重要無形文化財”と呼ぶべき「悪のレジェンド」である。
 「偽造」にかけては右に出る者なし。「形あるもので偽造できないものはない」と豪語する“ニンベンの匠”を直撃した。

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――ご久しぶりです。今日はお忙しいところ、わざわざ足をお運び戴きありがとうございます。

クボタ氏「かれこれ4年ぶりになるかな。『週刊0510』はいつも無料で拝読させて貰ってるし(笑)、他ならぬ桂馬編集長の頼みとあらば無碍に断るわけにはいかんでしょう」

――お元気そうで何よりです。

クボタ氏「お迎えを待っているんだが、なかなか来なくてね(笑)。老醜を晒していますよ」

――早速ですが、今なお“現役”ですか?

クボタ氏「『老兵は消え去るのみ』――早く隠居したいのだが、依頼が多くてね。まだ生き恥を晒しているよ」

――業界の景気は如何ですか?

クボタ「依頼人が小粒且つ姑息になってるから儲からないし、何より醍醐味がなくなったのが寂しいな」

――やはり不動産取引に必要な文書が多いのでしょうか?

クボタ「そうだな。定番の運転免許証、パスポート、保険証など身分証明書類。他にはクレジットカードに未公開会社の株券。少なくなったが手形、小切手。それに印鑑、印鑑登録証。権利証は電子登録制になってめっきり減ったな」

――格言通り、形があるもので偽造できないモノはない!――ところで最近、作成した会心の作は?

クボタ「まだ表面化していないし、詳しく言うと支障が出るので、あまり言いたくないのだが、遺言状かな。7〜8通作ったよ」

――相続人からの依頼ですか?

クボタ「弁護士の依頼だった。作成料の400万円に釣られて、念には念を入れて作ったよ(笑)。あれはA級の鑑定人にも見破れないと思うな」

――エッ、依頼人は弁護士ですか?

クボタ「悪党のワシが言うのもおかしいが、頭数が増えて喰い詰めているのか、最近は事件屋顔負けの悪い弁護士が増えているな」

――嫌な時代ですね。

クボタ「事件を起こした悪人の“弁解係”を買うのは仕事だからいいけど、悪人と一緒になって犯罪を起こしてはイカンわな」

――最近は弁護士だけでなく、税理士、公認会計士、司法書士、行政書士など、いわゆる「士業」の人間が関与している事件も目につきます。

クボタ「国家資格を持った人間による犯罪には、法定刑を5割増にするべきだな(笑)」

――名案です!(笑)

クボタ「そういえば、癖のある依頼人だったので受けなかったが、つい最近、公正証書の依頼もあったな」

――偽造の公正証書なんて何に使うんでしょう?

クボタ「追い込みの小道具にでも使うのだろう」

――判決文だって偽造するご時世なんだから、公正証書だってアリでしょうね(笑)

(ここで電話あり。パスポート作成の依頼。1件25万円で商談成立)

――商売繁盛ですね。

クボタ「右を向いても、左を見ても詐欺師ばかり。――1億総詐欺師列島!――ホント、嫌になるねえ(笑)。まあ、政治家だって詐欺師みたいなもんだからなあ…(笑)」

――バレなきゃいい、たとえバレても「知らなかった」と開き直る。まったく嫌な風潮ですね。

クボタ「そうそう、一昨日に依頼があったんだが、人気俳優のMから『お願いしたい物がある』って電話があったよ」

――P中の噂もあるMからの依頼品って何ですかね?

クボタ「断ったから分からん」

――ところで、以前、「手掛けたことがないのは紙幣だけ」と言ってましたが、クボタさんでも紙幣の偽造は難しいですか?

クボタ「やってやれないことはないと思うが、コストが掛かり過ぎるし、流通するのが国内だとリスクがありすぎるわな」

――海外だとOK?

クボタ「ドル紙幣みたいに、地球規模で流通している紙幣ならリスクは小さいが、円紙幣はダメだな」

――どういうことですか?

クボタ「紙幣っていうのは、『紙』そのものには価値はないが、“決済のための小道具”だろ。だから、ある一定の地域だけでグルグル流通している限りは、本物だろうと、贋物だろうと、“紙幣としての役目”が果たせれば、それで十分なんだ。昔は、貝殻や石だってカネとして扱われていたんだから、それを贋物だ、どうだって騒いだって意味がないだろう。贋物だって、本物としての役目を果たせば本物になるんとちゃうか(笑)」 (了)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 


2017年9月2日配信「破綻が近づく『みんなのクレジット』オーナー・白石伸生氏の転落の軌跡」<事件>

 

 

 ソーシャルレンディングのいかがわしさを伝える事態が現在進行中だ。

 2015年5月に設立され、ピーク時に45億円を集めていた「みんなのクレジット」(みんクレ)が、7月末に償還予定だった案件の元本を連絡なしで延滞したことで、東京都は9月7日までの業務停止命令を出している。

 「みんクレ」に対する業務停止命令は、3月末の関東財務局の1ヶ月間に次ぐものである。

 関東財務局の停止期間終了後も、早急な業務の改善を目指すとして新規の投資勧誘等を自粛していただけに、「みんクレ」には新たな投資モデルも運用スキームも確立されていない。

 そうしたなかでの償還延滞と、それを理由にした業務停止の先にあるのは「みんクレ」の経営破綻であり、フィンテックブームに水を差すことにもなりそうだ。

 運営会社が仲介役となり、ネットを通じて投資をつのり、集まった資金を事業会社に融資してファンドを組成。投資家はその分配益を得るのがソーシャルレンディングである。

 金融機関が躊躇する投資先が少なくないだけにリスキーだが、その分、利回りは高く、「みんクレ」では最大14・5%を謳っていた。

 後発組ながら「みんクレ」が、1年足らずの間に45億円を集めたのは、高利回りもさることながらソーシャルレンディングを含むフィンテックが金融の世界の変えるという予感に加え、「みんクレ」代表(4月で退任)の白石伸生氏が、多彩な事業歴を持っていたからだ。

 白石氏は、今から23年前の94年9月、ブライダルジュエリーの「シーマ」を、大学生時代に立ち上げたところから起業家人生をスタートさせた。

 以後、目まぐるしく様々な事業に関与、ITバブルの最盛期には「ネットスーパー」を企画して話題を集め、04年にはペット向け共済(ペット保険)の運営業務を行う「スロー・グループ」を立ち上げている。

 白石氏は、そうした企業群の事業が軌道に乗って付加価値がついたところで売却、次のステージに移動。――現在、そうした“連続起業家“のことをシリアルアントレプレナーと呼び、新規事業の開拓者としてそれなりに評価されている。

 同氏は、その“先駆け”ではあるが、「シーマ」の上場(99年)で「若手起業家」として脚光を浴びた頃と比べると、最近は事業の失敗による“逃走”が目立つ。

 白石氏の“転落”は、企業再生を目的とした「スピードパートナーズ」において、「富士ハウス」「ラ・パレル」「サクラダ」「新井組」「大和システム」などの再生スポンサーとなりながら、再生を成し得ないまま撤退したところから始まっている。

 最も話題となったのは、事業というよりは趣味が嵩じた12年11月の「全日本プロレス」の買収だが、これは選手らとの軋轢を引き起こしただけに終わった。

 しかも、破綻企業を受け入れていた「スピードパートナーズは、13年8月、「八丁堀投資」と社名変更するとともに、白石氏は代表を退任。経営は次第に悪化、債権者から破産を申し立てられ、14年5月、東京地裁から破産開始決定を受けた。

 経営のプロで企業再生家を自認していた人が、再生にことごとく失敗、破産を余儀なくされてしまった。

 この時点で、一般投資家からカネを集める金融業者の資格はないといっていいだろう。

 ところが、フィンテックブームを背景に、40代半ばになった白石氏は、起死回生の勝負に出た。

 それがソーシャルレンディングの「みんクレ」の設立だった。

 事業再生の過程で、「右のポケットのカネを左のポケットに移し替える」という作業は「急場をしのぐ行為」として、認められることもある。

 だが、投資家のカネを預かる金融業者にとって「分別管理」が当然であって、資金流用など許されることではない。

 白石氏は、その禁を破り、ファンドで集めたカネを自社グループへの融資に回し、担保にはグループ企業の株を入れ、しかも自身の借金返済に回すこともあったが、禁じ手であるのは自明の理。関東財務局は、厳しい処分を下し“自転車操業”を止めさせた。

 その時点で退任した白石氏は、「八丁堀投資」同様、逃げ切るつもりだろうが、今回も同じ手が通用するとは思えない。

 いずれ民事刑事の両方で責任を問われる可能性が高いが、同氏に功績があるとすれば、フィンテックの装いを被った金融商法には、詐欺的要素の危ない投資が少なからず含まれていることを「みんクレ」の経営破綻によって、改めて国民に“広報宣伝”したことぐらいであろう。【寅】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年8月29日配信「『生涯投資家』はベストセラーでも、村上世彰氏は継続中の証券監視委の調査に憂鬱の日々」<事件>

 


 

 『生涯投資家』(文藝春秋)が好調な売れ行きで8万部を突破したという。

 同著には、インサイダー逮捕時に、「カネ儲けは悪いことですか」と、“名言”を吐いた村上世彰氏の投資哲学が、投資遍歴とともに散りばめられており、「投資とは何か」を知ることができるとともに、村上氏の主張する「日本企業の持つ歪み」が、痛いほど伝わってくる。

 ただ、疑問なのは、「執筆の動機」となった女性向けアパレル大手「TSIホールディングス」の株価操縦事件について、一切、語られていないことである。

 「おわりに」のなかで、2015年11月下旬、証券取引等監視委員会の強制調査を受け、その調査を『週刊東洋経済』やNHKの『クローズアップ現代』が、正確に報じたことが、書籍化の動機になったという。

 そこには、「村上バッシング」の時とは違い、日本が冷静に自分の考えを受け入れる環境になってきたという思いがあり、そうして自分の考えを世に問うことが、辛い目に合わせてきた家族に対する責任を果たすことにつながると思ったという。

 であれば「TSIホールディングス」の株式売買において村上氏にかけられた嫌疑が何で、それに対する自分の考えを述べればいいと思うのだが、「おわりに」には嫌疑を受けた銘柄すら記していない。

 それは、証券監視委の調査がまだ続いているからである。

 強制調査から1年9ヶ月が経過。証券監視委は、刑事告発か、課徴金処分か、という決断に迫られている。

 マスコミの論調は、村上氏の言うように「相場操縦は疑わしい」というものであり、村上氏自身が立ち上げた「第三者委員会(委員長・宗像紀夫弁護士)」でも、「相場操縦罪は成立しない可能性が濃厚」という結論が出されている。

 では、村上氏は株価操縦を行ったのか。行ったとすれば、何のためだったのか。

 村上氏が「自分が受け入れられた」と感じる『週刊東洋経済』(16年1月16日号)は、「TSIホールディングス」で村上氏が行ったカラ売りを次のように擁護する。

 「(傘下のA、B、C3社を使ったカラ売りによって)、B、C社だけ見ると、TSI株が下がったことで、カラ売りによる利益は出ている。ところが、(B、C社に株を譲ったA社を含む)A、B、C社で見ると、利益は3社で相殺されている」

 証券監視委の見立ては、「空売りすることでTSI株の取引が活発であると見せかけ、他人の売りを誘い、TSI株の株価を意図的に下げ、後で買い戻して利益を得た、というものだ」(同)という。

 しかし、村上グループで利益を相殺しただけで利益は得ていないだけに、「相場操縦として、世彰氏の刑事責任を問うのは容易ではない」と、結論づけている。

 村上氏は、精緻に投資を行う人であり、過去に刑事被告人となっているだけに、違法行為には慎重だ。

 TSI株のカラ売りについては、村上氏の主張を受け入れないTSI社の「コーポレートガバナンスの欠如した社風」を批判した上でカラ売りに入っており、理論上も、手続き上も問題ないように思われる。

 だが、村上氏の利益に対する追求心には人並み以上のものがあり、氏はそれを隠さず、「悪いことですか」と、言ってのける。

 だとすれば、利益のあるA社の株を、利益の少ない(あるいは損失の出ている)B、Cの2社に付け替えて売却する行為は、「節税工作だった」と、言っていい。

 ところが『週刊東洋経済』は、「この利益の付け替えは、節税策と疑われてもおかしくはない」と書きながら、「TSI株取引による税メリットは世彰氏にとって取るに足らないものだったという」と、否定してしまう。

 ここに、利益のためなら何でも行う非情の投資家と、建て前の世界に生きる記者との差が出る。

 「節税効果がある」と思えば、それを利用してカラ売りを行うのが、村上世彰という投資家であり、証券監視委が「カラ売りの動機」として「節税」を結論づければ、他の投資家を惑わし、市場を歪めた相場操縦が成り立つのである。

 証券監視委は、調査を2年も引き伸ばすつもりはなく、近く活論を出すと言われているが、今暫し村上氏の憂鬱な日は続きそうである。【巳】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年8月23日配信「被害額63億円!――『五反田・海喜館地面師事件』に浮かぶ七つの謎」<事件>


 
(☚wikipedia)


 

 地面師事件は数多いが、売上高2兆円を超える「積水ハウス」(本社・大阪市北区)が騙されたという話題性と「63億円」という被害金額の大きさで、東京・五反田の旅館「海喜館」を舞台にした詐欺は、間違いなく犯罪史に残る事件となった。

 「海喜館」は、JR五反田駅から徒歩3分、五反田大橋際の目黒川沿いに建つ超レトロな旅館である。

 桜田通りに面した一等地ながら、木立に包まれて鬱蒼としており、何年も営業していないので外壁は一部が崩落、朽ち果てた印象を残し”怪奇館”とも呼ばれている。

 「積水ハウス」は、8月2日、「分譲マンション用地の購入に関する取引事故につきまして」という文章を「適時開示」したが、これでは意味不明。「捜査上の機密保持のため」とはいうものの、あまりに要領を得ない。

 発表によれば、売買契約を今年4月24日に結び、6月1日に決済を行って前渡金と合わせて63億円(購入総額は70億円)を支払ったが、6月9日、「所有者側の提出書類に真正でないものが含まれていたことから当該登記申請が却下され、以降、所有者と連絡が取れない状況」になったという。

 個別情報を一切、明かしていないのだが、著名物件であったために、その日のうちに場所は「海喜館」で、Kを名乗る成りすまし女が、所有権者の海老沢佐妃子さん(73)を装って契約を結び、カネを受け取った地面師事件であることが判明。偽者の佐妃子さんの偽造パスポートコピーと偽造印鑑登録証明証が出回った。

 地面師事件であるのは確かだが、その背景と構図の詳細は皆目。謎だらけといっていい。

 まず第一の謎は、佐妃子さんはどうなっているのか。――約600坪の物件は、6月24日、「相続」を原因にN兄弟に所有権移転登記がなされている。

 ということは亡くなっているのだが、いつ亡くなったかが分からないどころか、そもそも死亡自体が、確認されていない。

 第二は、主犯は誰なのか。――佐妃子さん役を演じたK女史はいつもの使い捨てであり、同女を弁護士のところに誘い、委任契約を結ばせる手配を行った同女のパートナーの男・小山某が主犯格?ということになる。

 この小山某の周辺には、M、D、Fなど名うての地面師グループがいて、“仕掛け”を手伝ったという。

 第三は、「積水ハウス」と地面師グループの間に入った「IKUTAホールディングス」も本当に被害者なのか。――元衆院議員の小林興起事務所(千代田区永田町・十全ビル)に同居(事件発覚後、渋谷区恵比寿に移転)、代表にダミーの女性を据えるなどいかがわしさ満載の企業だが、オーナーの生田剛氏は、かつては航空機リースやアパレル事業などで知られた、今は昔のバブル紳士。少なくともこれまで地面師事件に関与したことはないようだが、同氏について、事務所を貸している小林氏は「彼は『積水ハウス』にパイプを持っている」ことは認めている。

 第四は、いつの事件なのか。――というのも、小山某とその周辺が、偽造書類を持って動いていたのは昨年暮ぐらいからで、実際、出回っている印鑑登録証明証は今年1月19日発行のものである。

 ということは「積水ハウス」との売買契約で使われたものではなく、同種の仕掛けを別の企業に対して行った可能性もあり、”怪奇館事件”はひとつだけではないのかもしれない。

 第五は、「積水ハウス」に地面師グループの協力者はいなかったのか。――いくら精巧な書類であろうと、「積水ハウス」ほどの大手が騙されたのは、「取り引きの場か交渉の席に、それなりの地位に就いている積水側の人間がいて、交渉を後押ししたに違いない」(不動産関係者)との声も囁かれている。

 今回のインチキ売買を担当した同社「マンション事業部のO氏が自殺?した」という”怪情報”も、そうした疑いから発したものだろう。

 第六は、N兄弟は本物なのか。――穿ち過ぎであるのは承知だが、関係者のすべてを疑う必要があるのが地面師事件である。

 売買契約がなされ『IKUTA社』と『積水ハウス』が仮登記を設定したのが4月24日で、そのことに気付いたN兄弟が相続手続きをしたのは、わずか2ヶ月後の6月24日。あまりの手回しの良さを、逆に疑うこともできる。

 第七は、謎というより疑い混じりの願望だが、警視庁は今回の事件を解決できるのか。

 

 現時点での主犯は成りすましのK女史だが、「在日韓国人でKは通称。既に、出国して韓国に帰国、捕まえるのは難しい」(事情通)と噂されており、たとえ小山某ら主犯格の地面師に迫ったとしても、「私も騙された」といういつもの「地面師事件のカベ」にぶつかってしまう。

 もちろん、捜査は困難だろうと放置することは絶対に許されない。

 近時、この種の事件が多発していることを思えば、国民の耳目を集めた”怪奇館事件”の解明は、警視庁捜査2課の威信をかけて総力を傾注すべきであろう。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年8月8日配信「籠池泰典前理事長逮捕でも“ナニワの森友劇場”の幕は下りず!」<事件>

 
森友学園塚本幼稚園(☚wikipdia)


 去る7月31日午後、大阪地検特捜部が、籠池泰典・詢子夫妻補助金適正化法違反容疑で逮捕した。

 しかし、これで“ナニワの森友劇場”が治まるはずもなく、いわば本編の第2幕が開いたというべきであろう。

 逮捕に先立った27日に、森友学園の籠池夫妻に対して任意の事情聴取が行われたが、聴取に出かける前に即席の記者会見を開き、帰宅後は、親しい特定のメディアを呼び込んで聴取の様子を語っている。

 その模様は、中継で全国に流れるが、これまでも3月に「安倍昭恵・首相夫人からの100万円寄付」を、野党調査団に告げて以降、籠池氏は基本的に取材に対応してきた。

 従って、国民は大阪地検特捜部が告発を受理して捜査に着手した際、籠池氏がどんな感情を抱き、事件の背景に安倍政権(首相官邸)のどんな思惑があると感じているのかを知ることができた。

 そして家宅捜索の日には、自宅にテレビカメラを入れて待ち構えていたので、強制捜査がどんな形で行われるのかを目の当たりにした。

 家宅捜査の実況中継!――地検特捜部が捜査する「特捜案件」で、こうした対応をする被疑者は滅多にいない。

 公判まで見据えた顧問弁護士が、情報をコントロールしたいという思惑があって、メディアに口を開かせないからだ。

 だが、籠池氏は、事件の“キモ”である「刑事訴追に関すること」を除いては、すべてオープンにしてきた。

 森友学園事件では、2011年以降、専任教員の数を偽って人件費補助を申請、また「要支援児」の受け入れに関する虚偽報告で大阪府から約6200万円を詐取したとされた。

 また、「瑞穂の國記念小學院」の建設に絡み、国からの補助金約5600万円を不正受給した疑いが持たれている。

 もちろん、双方とも看過できない事件である。

 しかし国民は、事件発覚から短期間で特捜部が告発を受理した流れに、「ワルは籠池」で決着させたいという意図を感じ取っている。

 それは、「国策捜査だ」と、籠池氏が言い続け、それに同調するメディアが多いこともあるが、なにより大きいのは同時期に疑惑が表面化した「加計学園」との対比においてである。

 同じ“学園モノ”だが、双方の開きは大きい。

 籠池氏の窓口は昭恵夫人であり、安倍首相は会った?こともない。

 それに対して「加計学園」の加計幸太郎理事長は、米留学時代からの“腹心の友”だ。

 加えて、園児たちに「教育勅語」を斉唱させる変わった教育の幼稚園理事長に過ぎない籠池氏に対し、加計氏は三つの大学を擁する一大学園グループの総帥である。

 公訴権と捜査権を握り、いくらでも情実捜査を行える法務・検察は、早くから叩けばホコリの出てくる籠池氏を「資金繰りに窮した挙句の“詐欺”」で逮捕し、逆に「加計学園」には手を出さずに官邸に恩を売ることを決めていた。

 

 閣僚人事を抑えた今の官邸には、法務・検察に忖度させるぐらいの力はある。

 しかし、籠池氏に思わぬ“援軍”が現れた。

 前川喜平・前文科事務次官である。

 国会やメディアの前で「官邸からの圧力」で獣医学部新設が認められたことを明確に証言した。

 国有地を8億円も安く払い下げた「森友学園」のケースと、官僚の忖度は同じである。

 ところが事件発覚後の対応は180度違い、籠池氏を葬り、加計氏を必死で守ろうとしている。

 そこに国民は、「安倍1強」の歪みを感じた。

 都議選の自民党大敗北は、安倍政権への怒りの表明だった。

 都議選最終日、秋葉原に現れ、「嘘は、イカーン!」と、声を張り上げた籠池氏のパフォーマンスは、確実に安倍政権を痛撃した。

 100万円を安倍夫妻に返そうとし、その時の札束が上下2万円だけが本物で、あとは白紙だったという漫画チックなパフォーマンスは、籠池氏の信頼度を落としたが、一方で、「そこまで安倍が憎いのか」という奇妙な感慨を抱かせもする。

 籠池氏は、ネット社会にふさわしい"オープン・リーチの被疑者"である。

 マスコミが黙視したとしても、you tubeやtwitter、face bookなどで映像と主張が流されれば、マスコミも無視するわけにはいかない。

 その発言と自宅を撮影場所に解放する籠池氏の"戦略"によって、「司法記者クラブを味方につけて、事件を自分たちの方向に持って行く」という従来型の特捜捜査は通用しなくなった。

 籠池氏の“無勝手流の戦い”に、傷ついているのは安倍政権である。

 ボタンの掛け違いは、「昭恵夫人からの100万円寄付」を、籠池氏が口にした時、「トットと潰してしまえ!」と、官邸が“発想”し、「国会に呼んで偽証罪で逮捕させる!」と、策を弄した時から始まった。

 心血を注いできた「森友学園」を経営破綻に追い込まれ、身ぐるみ剥がされて刑事被告人になろうとしているにもかかわらず、籠池氏にはどこか剽軽なところがあり、そんなキャラクターを全開させる姿は、メディアにとっては得がたい存在である。

 「昨日の友は今日の難敵」――籠池氏という“特異な人物”の対策を読み違えたことが、安倍首相の“最大の失敗”である。【午】

 

 

 

 

 

 

 


2017年7月13日配信「笠岡和雄・元二代目松浦組組長が『狼侠』で明かす芸能界と暴力団の果てしなき闇」<事件>

 

 

 「タブーなき男」――笠岡和雄・元二代目松浦組組長を知る者たちの共通認識である。

 その笠岡氏が、7月6日に上梓した『狼侠』(大翔)は、16歳から暴力団世界に入った笠岡氏の一代記であるとともに、暴力団との“連携”で芸能界での存在感を確かにした周防郁雄・バーニングプロダクション社長の糾弾の書である。

 今年に入って笠岡氏は現役を引退したが、神戸を拠点とする松浦組は、かつて田岡一雄・山口組三代目時代に喧嘩を仕掛けるほどの武闘派組織として知られていた。

 その後、勢いは失うものの、二代目を継承した笠岡氏は、山口組の下にはつかず、一本(独立系組織)を通してきた。

 近年、その存在感を見せつけているのは、傘下の右翼団体・大日本新政會での活動で、激しい街宣活動と恐れを知らぬブログで知られていた。

 大日本新生會のブログで標的となっていたのがバーニングプロである。

 周防社長は、芸能界やマスコミ関係者の間で、知らぬ者がいない「芸能界のドン」だ。

 ドンに睨まれると、威光が及ぶ芸能プロダクションのタレントを起用することができなくなり、事実上、テレビ番組が成り立たない。

 それは音楽だけでなく、ドラマやバラエティーなどテレビ全体に及び、雑誌社は、記事はもちろんグラビアの編集に支障をきたす。

 そんなバーニングを大日本新政會は、徹底的に叩いた。

 2001年、赤坂のバーニング事務所が銃撃を受けるという発砲事件をきっかけに、笠岡氏はバーニングの所有するマンションに入居。「若い衆」を常駐させて、用心棒を務めていた時期もある。

 それほど親密だった二人の仲は、千葉県で周防氏とその周辺で計画していた産業廃棄物処理場の建設をめぐって険悪になり、やがて袂を別った。

 その時の感情的なシコリと金銭的なもつれが原因となっての攻撃だけに、材料はいくらでもある。

 それを笠岡氏は、バーニング系プロダクションやタレントを起用する放送局などに街宣をかけて大音量で流し、その内容を詳細にプログで公開し続けた。

 マスコミ関係者は、音楽番組や各種音楽賞だけでなく、NHKの紅白歌合戦にまで影響力を行使する周防氏の力は知り抜いている。

 だが、それは公表、記事化される類のものでなく、半ば“伝言ゲーム”のような噂話のレベルだった。

 それが、かえって周防氏の虚像を膨らませパワーアップさせた側面がある。

 大日本新政會のブログは、その虚像を剥いだ。

 確かに周防氏には、広域暴力団の各所に築いた人脈があり、それを使ってタレントたちの離反を押さえ込むという指摘があった。

 それは、周防氏に限らず、興行を通じて暴力団と親しくならざるを得ない芸能プロの宿命と受け取られていたものの、具体的な事例が示されることは滅多にない。

 ところが笠岡氏は、それを「かつて愛人だった」というタレントのM女史を事例に暴露。セックスの中身にまで踏み込む衝撃的なものだったが、事例はそれだけではない。

 NHK紅白歌合戦の舞台裏や大河ドラマのプロデューサーに肉弾攻撃を仕掛けてタレントを送り込むなどの”周防流の仕掛け”を暴露。それを取り上げた週刊誌などもあり、大日本新政會のブログは、一時、芸能・マスコミ関係者とゴシップ好きには欠かせない読み物となった。

 『狼侠』は、そうしたブログの集大成であるのに加えて『仁義なき戦い』にも登場する広島のヤクザ組織に入った笠岡氏が、殺人罪で服役、その後、松浦組を継承したヤクザ人生を振り返るとともに、鶴田浩二、松方弘樹、ビートたけしなどとの交遊も記している。

 周防氏だけでなく、「周防氏の依頼を受けてブログ記事を止めにきた」という数々の暴力団幹部も実名で記しており、面白くない人たちは数多いが、「タブーなき男」に忖度は一切なし。”快著”とも”怪著”ともいえる「最後通告の書」(☚帯紙)である。【未】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年7月8日配信<0510archives>「森友学園・籠池前理事長の狆出し戦術爐縫ぅ薀ぅ蕁∩楮困鯀瓩瓩詁蛋槁瑤郎睫馨覆虜瓩乏犬鬚任るのか?」<事件>

瑞穂の国小学院(☚wikipedia)

 

 

 

 官邸の意向を受けて森友学園捜査に着手した大阪地検特捜部が、籠池泰典前理事長の野党やマスコミを使った「小出し戦術」に苛立っている。

 4月21日、共産党の宮本岳志議員は衆院国土交通委員会で、財務省近畿財務局が学園側に手渡していた「今後の手続きについて」と題する説明書の存在を明らかにした。

 日付は、2015年5月に小学校用地の貸付契約を結ぶ半年も前の14年12月18日で、貸し付けを前提に、手取り足取り指導していたことがわかる。

その直後、籠池氏と財務省幹部の面会内容が、学園側が残していた録音データによって明らかとなった。

 「どういう内容かご存知ですね」と、切り出す籠池氏。既に、15年9月、昭恵夫人が「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任することが決まり、谷女史からの問い合わせもあって「首相夫人案件」であることは、田村室長も十分、承知している。

 田村氏は、この問題が「特例」であることを認め、「重大な問題であることは認識している」と、語った。

地下埋設物の処理について協議したこの日の会見以降、貸し付け購入へと変わり、16年6月、鑑定価格より約8億2000万円も値引きされ、しかも年利1%で10年払いという破格の条件で売却が決まった。

トドメを刺すように、4月28日、民進党のヒヤリングに応じた籠池氏は、安倍昭恵首相夫人の関与を、より詳細に語った。

 建設構想を初めて説明した12年10月以降、電話した回数は20回以上に及び、「(財務省との)交渉の都度、昭恵氏に報告していた」と、明かした。

 民進党の江田健司代表代行は、ヒヤリング後の会見で「忖度どころか総理夫人の直接主導、介入ではないか」と、批判した。

 近畿財務局の「指導書」、田村室長との「録音データ」、民進党ヒヤリングでの「籠池証言」によって、国有地格安払い下げの実態が明らかになった。

 役人の忖度を「罪」にするのは難しいが、ここまでの証拠と証言があり、既に、この件に関して豊中市議から「背任容疑」での告発が出されており、受理した大阪地検特捜部は、否応なく捜査せざるを得ない。

 これは、検察を動かし、捜査を通じて「籠池氏の罪」を浮き彫りにし、「籠池の個人犯罪」という形で捜査を終結させたい官邸にとっては誤算である。

 既に、「理念先行で、結果は後から付いてくる」というタイプの籠池氏が、「安倍晋三記念小学校」という校名を“発案”するなど、「安倍の名」で寄付を集め、許認可を得、資金不足を補おうとするズサンな計画であったのは明らかとなっている。

 資金繰りは常に綱渡りで、障害を持つ園児の数、園長・保育士の勤務実態などをごまかし、補助金・助成金を不正に受け取っていた疑いを持たれている。

 建設会社に工事費2000万円をキックバックさせ、それを国に報告していなかった公金横領の疑いもあるし、三通りの工事契約書を三つの役所に提出、補助金を不正に受け取った件についても、特捜部に告発が出され、受理されている。

 官邸の意向を受け、告発の受理を早めて捜査着手した特捜部は、ゴールデンウィーク明け後に関係先を家宅捜索、捜査とマスコミ報道の連動で「籠池悪人説」をさらに印象付けて、逮捕に持っていく予定だった。

 しかし、籠池氏はそんな検察の思惑を読み込んで、捨て身の暴露“小出し”の情報操作で対抗した。

 そこには、昭恵夫人も財務省も一蓮托生であることをアピールすることで検察を牽制する狙いがある。

 それでも検察は、「籠池の個人犯罪」でカタを付けるのか、それとも「財務省の罪」にまで踏み込むのか。

 捜査は、籠池氏の更なる暴露があるかどうかを計算しながら、国民の財務省への苛立ちを読み込んで着地点を探る、という神経質なものになりそうである。【寅】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年6月29日配信「加計学園騒動・第2幕――官邸から文科省への逆襲が始まった!」<事件>

 
前川喜平・奇兵隊長(TV朝日)


 

 文部科学省のトップに上り詰めた前川喜平・前同省事務次官が、「私の座右の銘は『面従腹背』」と言い放ち、効率よくマスコミを捌いて官邸に歯向かった事件は、「前川の乱」として長く記憶されるだろう。

 「霞ヶ関」の官僚にとって、「面従腹背」は座右の銘ではなくとも当然のことである。

 頭の良さも国家への忠誠度も、自分たちに敵うものがないと思っているエリート集団は、選挙を戦い抜いただけの与野党国会議員の言うことを聞く気は、ハナからない。

 だからうまく“調教”して使いこなそうとする。

 その「霞ヶ関」の伝統を打ち壊し、「永田町」との力関係を完全に逆転させたのが安倍晋三政権だった。

 官庁人事を牛耳る内閣人事局を最大限に利用して省庁を押さえ込み、離反を許さなかった。

 また、許認可権にまで口を突っ込み、医学部や歯学部同様、規制することで役所の権限を見せつけてきた獣医学部の新設をゴリ押しした。

 だから、前川氏は反乱を起こしたが、建前では上位の「永田町」に逆らったのだから、前川氏と文科省内の“喜平隊員”と呼ばれる「前川チルドレン」は、官邸からの逆襲を覚悟しなければならない。

 ターゲットとなるのは、民進党やマスコミに流れた内部文書をもとに反乱を起こした前川氏を、結果的に裏から支えた官僚たちである。

 もちろん正体はバレていないが、義家弘介・文科副大臣は、国家公務員法違反を指摘、犯人を特定しての告発も示唆している。

 それを承知の「反乱」だけに犯人の特定は容易ではないが、文書管理の甘さは突くことができる。

 既に、菅義偉官房長官は、6月21日の記者会見で、「今年度内の公文書管理指針の見直しと行政文書の定義化」を示唆した。

 個人の備忘録的なメモを「個人フォルダ」ではなく「共有フォルダ」に入れ、騒動を大きくした文科省への警告の意味も含めており、担当セクションは責任を取らされる。

 具体的には、高等教育局の獣医学部を担当する専門教育課の縦ラインである。

 常磐豊局長、浅野敦行課長、牧野美穂課長補佐、生方寛昭企画課長といった、獣医学部新設を強引に進める内閣府とやりあった面々が槍玉にあげられる。

 なかでも、大半の文書を作成した牧野氏の左遷は間違いない。

 最初に流出した際、菅官房長官が「怪文書のようなもの」と、言い放った文書も大半が牧野氏のもので、当初、省内調査に「記憶にない」と語っていたが、2回目の調査では、「当時、作ったメモ」と、認めた。

 が、流出については、当然、否定した。

 しかし、その後、発覚した首相の関与を示唆する「萩生田(光一官房副長官)メモ」では、個人メモのハズが「共有フォルダ」に入れていたために、複数の官僚が情報を共有、拡散していった。

 牧野氏は前川氏の子飼いで「前川チルドレン」のひとりで、「ベリーダンスが趣味の美人官僚」として知られており、責任を取らせるという意味ではアナウンス効果もある。

 『読売新聞』を使った前川氏の「出会い系バー通い」については、官邸の「行き過ぎた工作」が批判されたものの、今回の「ズサンな文書管理」は誰しもが認めるものだけに、「粛清人事」への批判はしにくい。

 また、今後、交流人事名目で、官邸の意を受けた経産省や国交省の官僚たちが文科省の主要部局に送り込まれ、文科省の秩序をガタガタにすることも考えられる。

 「役所の文化」を壊すという意味では、これほど効果的な粛清人事はない。

 だからと言って“進駐軍”が自在に操れるものではないが、役人だけに抵抗する側の論理も手法も心得ており、いずれ古巣に戻る彼らは、文科省の相対的な地位低下を主導しても躊躇するところがない。

 こうした粛清に対抗するには、第二、第三の矢を放ち続けなければならないが、それには限りがあるうえ、これまでの経緯が示すように、「文書」は所詮、「言った」「言わない」の世界でウヤムヤになってしまう。

 攻守交替!――文科官僚は、しばらく官邸の反撃を耐えしのがねばなるまい。【辰】

 

 

 

 

 

 

 


2017年6月27日配信<0510archives>「米国はFBI、韓国は検察が政権を監視!――行政と検察・警察・マスコミが一体となって"安倍1強"を護る日本の無残な現状!」<事件>

 
前川奇兵隊長(☚TV朝日)

 

 米国ではFBIが、長官解任の横暴に負けず、トランプ大統領に噛み付いて、女婿のクシュナー大統領上級顧問の捜査を始めた。

 韓国では検察が、朴槿恵前大統領を逮捕の上、収賄容疑など18件で起訴。本人は容疑をすべて否認しているが、懲役40年以上の実刑判決が下される可能性がある。

 権力は腐敗するから監視機能が必要だというのは、健全な国家を運営するのに欠かせないルールで、「米韓」はその機能を見せつけたが、逆に日本では「安倍1強」が続く間に、機能がすっかり失われたことが判明した。

 そればかりか、もうひとつのチェック機構のマスコミは、政権に歯向かう者の追い落としに回り、権力の走狗になり下がっている。

 加計学園騒動は、そんな日本の惨状を露呈した。

 加計学園の獣医学部新設は、「官邸の最高レベルの意向」であることは、文部科学省の8枚の内部文書から明らかであり、それを当時の事務方トップである前川喜平前事務次官がインタビューや会見で明らかにした。

 霞ヶ関の官僚が、退任後とはいえ政府方針に逆らって告発するのは異例のことだ。

 そこには、過去にも小泉純一郎政権時代、「三位一体改革」に反対の論陣を張った前川氏の個性と、前川製作所創業者の孫で、中曽根弘文元文相の親族という前川氏の恵まれた環境も左右している。

 また、新国立競技場の白紙撤回に至る文科省の不手際と、内閣官房の所管となった高級官僚人事に逆らった文科省の天下り斡旋問題など、官邸と文科省のギクシャクした関係も背後にあった。

 ただ、その前川氏の言論を封殺、そればかりか人格攻撃に走って、証言を貶めようとする官邸の意向と、それに乗った警察とマスコミは異常である。

 『読売新聞』は、朝日報道で加計学園への官邸圧力が明らかになった直後に前川氏の出会い系バー通いを報じた。

 報じたのは22日(月曜)であり、『週刊文春』の締切日。読売は、その週の25日(木曜)、同誌に「前川インタビュー」が掲載されるのに合わせて掲載したが、前川氏を恫喝するとともに、氏の人間性を貶めることになる報道は、官邸の意向に沿ったものと考えてよかろう。

 加計学園の学部新設は、「安倍首相のお友達の要望」を、官邸と内閣府が文科省を抱き込む形で無理に進めたもので、その表面化を官邸の意を受けた警察とマスコミが、一体となって潰しにかかったという「安倍1強の末期症状」を表すものだった。

 そして、その前に捜査着手した森友学園騒動は、検察が官邸に配慮、「国有地はなぜ安値で売却されたか」という本質的問題を抜きに、「籠池前理事長の個人犯罪」で蓋をしようとしており、こちらも検察が「国家の護持役」を、自ら放棄している。

 今年2月の問題発覚以降、告訴告発が相次ぎ、5月末の時点で➀「籠池の補助金不正受給及び詐欺」◆嶌睫馨粉盈修僚駑倏亡及び背任」「安倍昭恵夫人と付人の国家公務員法違反」と、争点は定まった。

 捜査する大阪地検特捜部は、籠池前理事長の補助金不正受給から着手、施工業者などの事情聴取を活発に行っており、家宅捜索を経て「籠池氏逮捕」は規定の路線とされている。が、その先のシナリオは描いていない。

 「『悪いのは籠池』を印象付ける事件です。昭恵夫人は籠池氏に利用されたことを示さねばならず、そのために捜査着手したといっていい。財務省ルートなど、“捜査するフリ”をするだけです。既に、官邸と法務省の間で話はついています」(検察関係者)

 すべてに優先するのは官邸の意向!――しかし、安倍夫妻を守るのが検察・警察・マスコミの役割といった異常が、いつまでも続くわけではないし、続けていいわけはない。

 両事件は、その異常を露呈したものであり、反応の早いネットでは、批判が凄まじい勢いで広がっており、それを修正する動きが、捜査当局とマスコミの内部から起こることが求められているのだが……。【辰】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年6月23日配信「人間を丸裸にするビッグデータ、人工知能、SNS時代に成立した共謀罪法の底知れぬ怖さ」<事件>

 

 

 ネット空間では、ニュース、ゲーム、メール、会話、地図、そして多種多様な情報を、「原則タダ」で入手できる。

 全てのモノに値段を付け、その売買によって生活を豊かにするという資本主義の原則に従えば、「タダの空間」はありえない。

 実際、利用者は、サービスを提供するプラットフォーマーたちに、「個人情報の提供」という“対価”を支払っている。

 ログイン情報を通じて、年齢、氏名、性別、住所といった基礎情報を提供しているのはもちろん、通話の相手、メールの相手と内容、検索を通じた趣味嗜好、友人の種類とつきあいの幅、位置情報の提供を通じた生活パターンまで提供、丸裸といっていい状態だ。

 グーグル、ヤフー、ライン、フェイスブック、アマゾンといった検索エンジン、ネットワーク構築、物品販売を通じたプラットフォーマーたちは、得た情報を自社のビジネスに生かす一方、広告空間の提供という形で莫大な利益をあげている。

 今、広告分野ではネット広告が主流になりつつあり、ラジオ、雑誌、新聞はとうに抜き去られており、二ケタ成長が続く現状では、テレビCMを抜くのも時間の問題だ。

 ネット広告が優れているのはターゲティングである。

 例えばフェイスブックでは、趣味嗜好はもちろん人種や宗教、政治的傾向まで「いいね!」を送った友人知人の傾向で、読み解くことが可能で、そうした個人データを分析の上、より成約に至る確度の高いターゲティング広告を打つことができる。

 また個人情報は、ビッグデータとして集められ、それを日々、超速に進歩している人口知能が、選別し識別する。

 そうした情報が欲しいのは物品やサービスを売る企業だけではない。

 政党政治家メディアも、すべてが欲しい。

 そして情報を握った者が、マーケットだけでなく権力を握る。

 そんな時代を我々は生きているだけに、むしろ個人情報を保護し、商売のために利用させない手立てや処罰を論じなければならない時に「共謀罪法」が成立した。

 まともに法案の趣旨も内容も把握していない法相のもと、「一般人が含まれるかどうか」といった大切な論議が尽くされないまま施行(7/11)されるが、「人間を丸裸にするビッグデータ、人工知能、SNS時代」は、「友達の友達は友達」という形で人脈が広がって、誰もが組織犯罪グループの一員になりうる。

 また、ビッグデータで拾い集めた行動履歴、読書傾向、検索履歴は、行動心理学などの専門家によって、「心の内」をいかようにも解釈されてしまう。

 さらに、テロ防止、犯罪予防を口実に、Gメールやラインの履歴を捜査当局に求められれば、プラットフォーマーは簡単に提供する。

 そうなると、どんな「読み取り方」も可能になり、既にSNSは犯罪捜査に利用されており、ある強盗殺人の容疑者は、殺人実行者との「ラインのメール記録」を突きつけられ、「お前も共犯だろう」と、責め立てられた。

 捜査員とすれば、「自供すれば拾い物」といった感覚かも知れないが、メールのやり取りをもとに犯罪集団の一員とされ、検索履歴や行動履歴が、犯罪との関係を示す傍証とされるのでは、誰もが「被疑者」になりかねない。

 そうしたネット時代に拡散する個人情報の怖さを、さらに加速することになるのが共謀罪法である。

 共謀を認定するのは検察や警察であり、彼らが今、人事権を握られ、官邸に対してヒラメのような存在になっていることを立証したのが、「森友学園」、「加計学園」、「山口敬之レイプ疑惑」だった。

 今、メディアに求められているのは、共謀罪法の乱用を許さない監視とともに、グーグルやフェイスブックなどが安易に個人情報を売り渡さないようにする「歯止め」を確立させることだろう。【午】

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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