「小泉―竹中路線」の“残滓”、日本振興銀行を民主党政権はどう“整理”するのか?

日本振興銀行本社

 自民党政権は、リーマン・ショック後の金融恐慌を、なりふり構わぬ金融財政政策で乗り切ったが、「非常事態宣言」をいつまでも続けるわけにはいかず、ダメな金融機関には引導を渡し、マーケットからの退場を言い渡さなければならない。

 その厳しい役回りを担うのは、発足したばかりの民主党政権である。検査を通じて金融庁は、各金融機関の傷んだ経営事情を熟知、ただ総選挙前に金融機関を再編整理、地域経済に悪影響を与えてはならないと、黙って見守ってきた。

 しかし、新政権下で金融機関が腐っていくのを見逃してはならない。金融機関を業績不振のまま放置すれば、日本経済そのものが揺らぐことを、我々はバブル崩壊後の「失われた10年」で思い知らされた。手は迅速に打たねばならず、現在、その最有力候補といわれているのが日本振興銀行新銀行東京である。

 両行とも「小泉純一郎首相―竹中平蔵金融相」のもとで行われた構造改革の一環として、「ミドルリスクーミドルリターンの銀行が日本にも必要だ」という観点から、04年から05年にかけて、貸し渋りの横行のなかで設立された。
 が、結果は失敗だった。少なくとも石原慎太郎都知事が旗を振った新銀行東京は、「東京都の銀行」という脇の甘さ、真剣味のなさが役員から社員にまで及び、税金で追加融資を余儀なくされたうえに、不正融資の嵐で刑事事件まで引き起こした。

 竹中氏の盟友の木村剛氏が立ち上げた日本振興銀行は、不正や業績不振が表面化しているわけではないが、高利で集めたカネを業績不振企業に回し、回収するというビジネスモデルはまだ確立していない。そのため同行は、「中小企業振興ネットワーク」という同行と親しい任意団体に属する企業群に融資しているが、情実融資の恐れがある。

 また、同行には商工ローンのSFCG問題がある。SFCGから貸出債権を買い、回収をSFCGに任せて金利を稼ぐというビジネスモデルだったが、倒産間際の断末魔だったSFCGは、日本振興銀行に売却した貸出債権の大半の約900億円分を信託銀行などにも売却、つまり二重譲渡していた。
 これについて、信託銀行サイドが次々に譲渡が早かった分の民事訴訟を起こしており、裁判所が「先行」を認めれば、日本振興銀行は引当金を積めねばならず、自己資本の薄い同行は、それだけで債務超過に転落する。

 もともと民主党は、竹中路線には反対の立場。新銀行東京の結果と合わせ、「ミドルリスクーミドルリターン」というビジネスモデルが成り立たないのは明確で、日本振興銀行にこのまま1日20億円以上といわれる預金集めをさせることの是非は、総選挙前から同行への検査を行った金融庁のなかでも議論されていた。
 日本振興銀行を生かすのか殺すのか、すべては金融担当相、副大臣を始めとした民主党金融スタッフに委ねられることになる。【伯】

外資が困惑する温暖化ガスを“本気”で削減するという鳩山新首相「経済戦略」の真意!

産経新聞(9月10日朝刊) 外資系証券の幹部が困惑している。
 「鳩山発言は本気だろうか。何の国家戦略も持たず、温暖化ガスを大幅に削減すれば、明らかに経済にとってはマイナス。日本株は『売り』と判断せざるを得ない」
 「鳩山発言」とは、9月7日に開かれた「地球環境フォーラム」で、「あらゆる政策を動員して、温暖化ガスの90年比25%削減を目指す」と、宣言したことを指す。

 二酸化炭素(CO2)を始めとする温暖化ガスの削減は、地球温暖化が進行するなかで世界各国が取り組む共通課題だとして、EUが90年比20~30%減、米国が05年比14%減、ロシアが90年比10%〜15%減といった2020年までの中期目標を挙げている。

 この削減目標が、あまりに高いと経済成長の阻害要因になるものの、低いと批判を浴びるということで、国家間で虚々実々の駆け引きが行われている。米国が05年比としているのは削減幅を大きく調整できるからで、90年比だと0%、日本も同様に麻生政権下では、05年15%減と削減をアピールしていたが、90年比では8%に過ぎなかった。

 それを鳩山新政権では一気に25%減……。
 この目標だと、国内総生産(GDP)は3・2%低下し、失業率は1・3%上がり、官民合同の負担は年間10兆円にのぼるという。

 温暖化ガスの削減は、英国、ドイツ、フランスといった欧州先進国の国家戦略としてスタートした。BRICsなど新興国を「二酸化炭素の排出は地球環境を汚す」として牽制、合わせて脱石油エネルギーを進めて中近東への資金流出を防ぎ、エコカーを始めとする環境技術で新興国をリードすることで、経済的優位を保とうとする戦略だった。温暖化ガスに価格をつけて売買、排出権取引として金融先物の世界に引き込んだのはその象徴で、英国は気候取引所をほぼ独占、CO2売買の9割を仲介している。

 中国やインドは、先進国の思惑が透けて見えるから「まず、先進国が範を示せ」と、厳しい要求は出すものの、削減目標は示さず、石油業界の支援を受けた米国のブッシュ政権は、国連の契約国会議(COP)から離脱した。「グリーンニューディール」を掲げるオバマ政権は、環境投資で産業を振興、雇用を確保しようとしているが、これは失業対策として行われているもので、環境対策ではない。

 つまり世界各国は、温暖化ガスを軸に、自国の権益をグローバル化する国際経済の枠組みのなかで、どう有利に展開するかという駆け引きを行っているのであり、放置すれば100年後に2度から4度上昇するという地球温暖化対策のためではない。
 ところが鳩山政権は本気だ。国家戦略なしに、市民運動レベルの感性でこの問題に取り組んでいる。そのナイーブさにシビアな外資の投資家は半ば呆れ、「そんなユートピア政権の経済運営がうまく行くはずがない」と、「売り」の判断に傾いている。【悌】

ドーマー未公開株詐欺事件追及第4弾! 「ドーマー」と「株式公開準備室」の奇妙な関係に税務当局が特段の関心!!

「ドーマー」と「株式公開準備室」

 御年59歳、来年にはめでたく還暦を迎える塚原菊一社長のダンマリはなおも続く。取材開始から延々40分。額に脂汗を浮かべ、眼の下のクマを何度も擦りながら只管、沈黙を守ってきた同社長が突然、口を開いた。

「今、資生堂とダイドー・ドリンコと業務提携の話を進めています。株式の持ち合いの話も出ていますし、これさえ決まれば我が社は立ち直りますから、株主の皆さんにも喜んで戴けると思います。(急に声を張り上げて)場合によっては、売却した株券を買い戻してもいいと思っています」

──お聞きしたいのは、そんなことではありません。ドーマー株式は25万円で一般株主に売られているのに、社長の手許には3万円しか入金されていない。一体、どういうことですか。

「うーん。(困ったような顔をしながら)保秘義務がありますから今は言いたくありません」

──ドーマーは社長の会社でしょ。自社の株を自分で売るのに「保秘義務」というのはおかしい話ですね。
 それはともかく、先程、株券を買い戻すとおっしゃいましたが、幾らで買い戻すお積りですか。25万円ですよね、当然。

「冗談じゃありません、3万円ですよ。私は3万円しか受け取っていないのですから」

──株主は25万円で買ってるんですよ。差額の22万円はどうなるんですか。

「株主がいくらで買おうと私には関係ない!ドーマーには3万円しか入っていないんだから」

──しかし、「株式公開準備室」(中央区八丁堀・上掲右写真)もドーマーの一部門でしょう?それなのに、どうしてドーマー本体には3万円しか入金されないのですか。おかしいじゃないですか。22万円はどこへ行ったのですか。名目は何にせよ、ドーマーの帳簿に載っていなければ「脱税」になるのじゃないですか。それとも、公開準備室はドーマーとは独立した特別なセクションなのですか。

「そ、それは。…(またもや沈黙)…後日、顧問税理士に聞いてお答えします」

──登記簿謄本によれば、ドーマー社の発行株数は4800株ですが、社長は今までに何株売却し、何人の新しい株主が誕生したのですか。

「はっきりは分かりませんが、売ったのは1000株ぐらいで、株主は400人くらいでしょうか」

──随分と曖昧な話ですが、20%もの株式を400人もの一般の方に売却して、よくノホホーンとしていられますね(苦笑)。株券売却について取締役会は開いたのですか。
 そもそも株券は社長の手許にあるのですか。元社員の方から、どこかに担保として入っているという話を聞きました。

「取締会の決議はキチンと取っていますし、株券も会社の金庫の中にありますよ。その中から少しずつ売却分を持ち出しました」

──25万円で購入した方の名前は株主名簿に記載されているのですか。

「順次、事務員に作成させています。次の決算までにはキチンとしますよ」

──失礼な質問かもしれませんが、新たに株券を刷って販売したということではありませんか。さっきも言いましたが、株券は借金の担保で第三者の手許にあるのじゃありませんか。もし、これが事実なら現在販売している株券はダブル・ブッキング。すなわち『偽造』ということになりますが。

「(声を荒げて)誰がそんなことを言っているのか。担保になんか入れていない。売却したのは私が保有している株券だ。たかが4000万円程度の資金調達で、そんなことはしない。失礼なことを言うな(穏やかな表情から一転してキレる)」

──しかし、株主名簿は作成中、売却した株数も曖昧では無責任の誹りを免れないのでは。

「だから、それはさっきも言ったように、もうすぐハッキリさせます」

──でも、本社はいつの間にやら移転。東京支店も、大阪支店も既になし。あずさ監査法人では監査はしていないと明言するし、「株式公開準備室」の言っていることは嘘ばかりじゃないですか。本当に株式を公開するのですか、公開できるのですか。

「あずさ監査法人なんて、私は知らない。(パンフレットを見ながら、真面目な顔つきで)こんないい加減なパンフレットは初めて見ました。私は絶対に作っていない。公開準備室が勝手に作ったのかもしれない」

──じゃあ、株式公開の話も公開準備室の勝手な作り話ですか。

「いや、株式は公開したいと思っていますし、出来ると思っています。詐欺と言う認識はまったくありません。責任者によく聞いておきます」

──いくら上場基準が甘くなったとはいえ、今なお監査法人もない、幹事証券も未定で、上場日が今年の春なんて、世間をなめるのもいい加減にしないと。

「………(記者を睨みつけながら再び、沈黙の行に入る)」

 現在、ドーマーについては警察に加えて、税務署も内偵を開始しているのを知ってか知らずか、平気で口から出任せの「作り話」を連発する塚原社長。…最大限の弁護をすれば「未公開株詐欺は、発芽玄米に懸けた夢を実現するための已むを得ない手段」ということになろうが、詐欺は詐欺。本誌はさらに取材を進める。(以下次号)【甚八郎】

御家人三千綱の「正義の味方・ジャパネットたかた&学研編」<高橋三千綱・特別寄稿・癸魁

「M君へ
 昨日は母の一周忌にきてくれてありがとう。賑やかに喋ってくれる君がいたおかげで、座があかるくなった。
脊椎損傷で一時は一生車椅子での人生を送るのことを余儀なくされていた君が、一応歩けるし、電車にものれるようになった姿をみるのは一安心だ。
 だが奥さんの苦労は大変なものだろうな。君は自分自身の生きている意味を考えているようだが、それに対して拙者は無責任でいる立場をくずすことはないだろう。
 ただ、一緒にできる仕事はこれからもやっていきたい。やりがいのある仕事を頼みたいと思っている。

 最近のことを書いてみる。

 8月12日のことだが、新幹線でもどる車中で、トースポの原稿をかいた。ジャパネットたかたで15000円で買ったNECのLaVieを使った。これは、買った当時は安いと喜んでいたものだが、2週間後に9800円で売りだしたことが判明。
 いくらなんでもひどい。あのキンキン声にだまされたのかと思うと、たとえ5000円でも腹がたつ。
 それで質問状と返金請求を書いて出すことにする。なめんなよ、といいたい。
 こういうことが公表できる世の中になったのは、見晴らしがよくなって大変いい。コンピューターにも使い方がある。

 それから車中で還暦ルーキーの古市プロのことを「テーミス」に書いた。彼は40歳のときゴルフ倶楽部に入会して、クラブ選手権を10回とったカメラ屋のオヤジだが、阪神大震災ですべてを失い、一念発起してプロになったオヤジだ。
 彼をモデルにした映画「ありがとう」も2年前に完成した。彼の神さまは「感謝」の神である。
 あらゆる壁にぶつかるたびにそれを切り抜け、やがて優しくなれる自分に勇気が湧く、それが「感謝」の神さまというわけだ。
 人様々だが、気力のある人が楽しい人生を送れるということだろうな。
 拙者はなかなか真似できないが、まず、雨の中でも歩くことから始めてみようかと思っている。

 拙者の仕事はまずまずだが、講談社に渡した「素浪人浪人心得」がまだ本にならない。新担当のM氏は700枚を越える原稿をどう縮めるか苦慮している様子だった。
 どこの出版社も不況で苦しんでいるが、それをいいだしたらきりがない。前に進むしかないないのだから、やるしかない。そう、ハッパをかけておいた。

 そういえば、君も知っている学研のK氏のことだが、いつのまにかパーゴルフを離れていた。副編集長から編集長になると思っていたので、その人事異動は不快であった。
 編集のトップは取締役掘氏で、全て彼の判断だいわれているが、しかし、直接の上司だったK部長に気に入られていないのが左遷の原因だと拙者は思っている。K部長は信用ができない。
 パーゴルフを独立した出版社にして自分が社長になろうと企んでいるようだが、ついていく編集者はどんなやつになるか。しかし、蛇のような生き方をするやつが横柄な面構えをしていられる会社組織というものは不思議だ。
 拙者の連載も劇画、チャンピォン物語ともにK部長の情実判断のもとで斬られた。劇画が途中でおわったとき、パーゴルフの部数は月刊で2万部落ちたという。年間で5000万円の損失だ。
 それでも部長が居座ることができる組織なのだ。首にされたままの拙者は当然面白くない。悪口をいうのは当たり前だ。正義漢らしくないかもしれないが、いい人ぶっていられるほど呆けてはいられない。
 向こうが正しい判断だというなら、ライターであるこっちにも生活権がある。いっそのこと、「著作者人格権の侵害」でK部長と掘氏を訴えてやろうか思っている。
 ただし、学研本体とは喧嘩しない。当たり前だ。弱い者いじめをするやつをやっつけるのが正義の人なのだ。
 負ける勝負はしない。しかし、顧問の中山氏がやめろというので、まだ、考慮中だがね。ともあれ事業部として独立する編集局は掘氏の指揮のもとでどんな編集をすることになるのか。
 パーゴルフで拙者の担当だった加藤氏は独立するパーゴルフの編集局にはいかず、学研に残ることにしたという。いい決断だ。
 学研は人事がまだ迷走中。出版部で拙者の担当部長だった人はゼンゼン別の部署にいったという。仕事をする約束になっていたのだが、まだ連絡はない。新部長からも何の連絡もない。そういう会社なのだと割り切るほかないだろう。怒るだけなら、訴訟したほうが健康にはいいのだろうと思っている。

 それはともかく、民主党の教育路線期待で学研の株価が急騰して250円になったが、拙者は9月半ばには200円を切るとふんでいる。
 五反田に建てた新社屋は実はすぐに売り払って、おなじところで賃借中の状態でいる。まずは個人的な憤慨を君にぶつけた格好になった。許されよ。
 君も同じ雑誌で仕事をしていて突然きられた経験があるし、とりあえず、やられた同士の怒りをどこにどう向けていくか、考えてみようというわけだ。泣き寝入りは体に悪いからな。怒ろうぜ、同士。

さすらいの御家人より」


高橋三千綱HP
http://homepage3.nifty.com/michitsuna/

「コシ・トラスト事件第2幕」 ようやくの住友銀行関係者逮捕で、お相伴の有名人が続々登場!

三井住友銀行高円寺支店

 「もう事件に関与した行員は処分、銀行に責任が及ばない形になっています。警視庁捜査2課は、月内にコシ・トラストの中林明久元社長を再逮捕、関与した三井住友銀行の元行員らも逮捕する予定です」
 こう警視庁関係者は漏らす。

 不動産業のコシ・トラストは1億円を騙し取ったという小さな詐欺事件を引き起こしたが、奥はとてつもなく深かった。
 なにしろ中林元社長は、612億円の融資を引き出し、164億円を焦げ付かせていたものの、その手口は悪質で、売上高など財務データも法人税確定申告書も土地鑑定書もすべて偽造だった。それでも銀行審査をすり抜けることができたのは、歴代行員を取り込んでいたからである。

 当然、行員らの犯罪を問わなければ事件は完結しないし、コシ・トラストに流れたカネは暴力団筋にも渡り、組織犯罪対策4課が捜査に協力していた。
 「1億円の詐欺」で中林元社長が逮捕されたのは今年5月21日で、本誌は5月25日号で「三井住友銀行詐欺事件の第2幕は。行員逮捕と暴力団ルートの解明」と、書いた。それから4ヶ月も経って、ようやく「第2幕」が始まるのである。

 捜査が難航したのは、コシ・トラストを担当した3人の行員が、それぞれにしたたかで、“過剰”な接待を受けたのは認めたものの、偽造など「違法行為は、頑として否定したからである。
 最初に担当した高円寺法人営業部の堀某は家賃援助をしてもらい、ソープランド接待まで受けていたものの、「違法なことはしていない」と突っぱね、新宿法人営業部第2部に勤務していた広田某はリゾートクラブの会員カードを渡されて、ゴルフに飲食にと、それを自由に使っていたのに「知らぬ存ぜぬ」を通していた。
 さらに堀某の後任の高円寺営業部の行員などには、飲食はともかく、「車代などの名目で現金を渡していた」(コシ・トラスト元幹部)との指摘もあり、捜査関係者は「事件を想定したような用心深さだった」という。


 「中林社長は暴力団関係者との付き合いを隠さず、格闘技のK−1選手のタニマチになったり、おもちゃコレクターとして著名なおもちゃ博物館北原照久館長と組んでフィギュアバーを経営したり、とにかく脇が甘い。当然のことながら、銀行員としては付き合ってはならないタイプの社長だが、そに分、自分のノルマは達成しやすい。堀某ら事件に関係した行員は、事件化に備えて見て見ぬふりを遠し、証拠を残さなかったのだろう」(捜査関係者)
 しかし164億円の焦げ付きという事実は残り、銀行も最後まで庇うつもりはなく退職に追い込んだ。…万事休す。彼らに持久戦に備えるだけの気力はもはや残っていなかったのである。【伯】

吉と出るか、凶と出るか!? 竹中平蔵を会長に迎えた「パソナ」南部靖之社長の“逆目戦略”!

 小泉純一郎政権下で経済財政担当相などを歴任、労働者派遣法の改正などで規制を緩め、ワーキングプアを増やし、二極化を推進したとして“悪評”の高い竹中平蔵氏を、人材派遣大手パソナは、8月末、会長として迎え入れた。

 普通に考えれば、パソナは竹中氏とともに時代の逆風を受けることになる。第一に、規制強化で人材派遣業の経営が苦しくなるのは間違いない。ましてパソナは、総務省傘下の「人材バンク」の仲介業務を受注している。

 総務相として閣内にいた頃、「官庁が天下りを斡旋することが問題だ」と指摘していた竹中氏は、民間に転出して半年後の07年2月にパソナの顧問となり、翌3月、パソナは「人材バンク」から仲介業務を受注、「民間側から天下り対策に関与した」(『朝日新聞』07年3月16日)と批判されたのに、今度は堂々と常勤の会長職に就いた。

 竹中氏の意識では、この会長就任は「天下り」ではなく、米国流の「回転ドア」。政治任用の政府関係者が、政権交代とともに民間企業の経営者に就任するのは当然だという立場の確信犯である。だが、パソナの南部靖之社長は、友に批判を受けることを承知しているのだろうか。

 南部氏と親しい上場企業経営者が、“特異”だという南部氏の性格から解説する。
 「南部さんは、カンで動く経営者です。しかも、世評は気にしないし、むしろ裏道を行こうとするタイプです。今回、バッシングを受けている竹中さんと連帯、話題性を集めるとともに、反規制強化の論陣を、人材派遣業の代表として張ろうとしているのでしょう」

 確かに、南部氏は「世間の目」は気にしない。
 いささか古い話だが、92年10月、投資ジャーナルの中江滋樹氏が4年の服役を終えて出所する時、下着からスーツまで用意、リムジンで迎えに行った。また、セクハラを内部告発されるなど女性問題は絶えないが、「女性重視」の経営戦略は変えない。
 とにかく、すべてにおいてポジティブ思考で、誰とでも気兼ねなく付き合う。支援している政治家の数は少なくないし、格闘技会場で暴力団幹部と席を並べている南部氏を見かけたとして、脇の甘さを指摘する金融関係者も少なくない。

 それでも南部氏が批判されることがなかったのは、「叩くほど大きな存在ではなかった」(全国紙社会部記者)からであろう。「ベンチャーの旗手」として1990年代は評価されたものの、その後はグッドウィル・グループやフルキャストなど新興の派遣ベンチャーが台頭、目立つ存在ではなくなったことが幸いしたのである。

 しかし、竹中氏とタッグを組むとなると別だ。竹中氏は、今後、民主党政権によって「小泉時代の遺物」と目の敵にされるのは必至である。
 しかも、組織をガタガタにされた財務省など官僚機構が税金問題などで竹中氏の“アラさがし”をしようとしているにもかかわらず、いくら“恩”があるとはいえ、そんな竹中氏を迎え入れるのが得策だろうか。場合によっては、南部氏にも火の粉が飛んでくる虞さえある。
 吉と出るか、凶と出るか!南部氏得意の「逆目戦略」が、今度も旨く行くとは限らない…。

ドーマー未公開株詐欺事件追及第3弾! 塚原菊一社長が「1株3万円で卸したのは事実だが、25万円で売っているのは知らない」と責任転嫁発言!!

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 前々号から始まった本誌の連載記事に対しては、その後も「株式公開準備室から奨められて1株25万円で購入した」方々からの問い合わせが続いている。なかには「それでも上場すると思います」、「書かれていることは間違っている」とドーマー蠅棒擇覆ご待を懸ける意見もあったが、「おかしいとは思っていたのですが、やはり…」、「記事が本当なら詐欺じゃないですか。許せません。告訴します」と落胆、あるいは怒りに震えるものがほとんどであったことをまず報告しておきたい。

 インターネットで「ドーマー株式会社」でクリックすると発芽玄米を大々的にPRするドーマー社のHPが出現する。会社概要の画面に掲載された塚原菊一社長の余裕たっぷりの表情は頼もしい。しかし、社名と社長名以外、書かれていることは(先週の記事で指摘したように)本社所在地をはじめ、取引金融機関、社員数など基本的なことですら、すべては嘘、あるいは数年以上も前のことだらけである。未公開株を販売する詐欺会社は多いが、ここまで嘘で固めた会社も珍しい。

 かつては“玄米の匠”として、地元メディアにも頻繁に登場、発芽玄米の効用を滔々と語っていた塚原社長は、なぜ“詐欺師”に転落したのか。
 
 「人柄も穏やかで、いつもニコニコ。会っても話題は決まって玄米のことばかりで、そんな大それたことをする人ではないはずです」
 数年前の同社長を知る複数の業界関係者は異口同音に、彼の人柄の良さ、真面目さを口にする。

 また、数年前まで同社と取引していた中堅スーパーの担当者も、本誌の取材に驚きを隠さない。
 「玄米は一般のコメより値段も高いのですが、ドーマーさんの『発芽美人』は評判が良くて仕入れてもすぐに売り切れるほどの人気商品でした。少なくとも商品に関しては騙しはありません」

 意外すぎる好評判?には驚きだが、ドーマーが「取引金融機関」と掲げる地元銀行の声は違った。個別の取材には「NGですが…」と断りつつ、匿名を条件に次のように語ってくれた。
 「正直なところ、塚原さんには翻弄されっ放しで頭を痛めています。一部は整理回収機構に回しましたが、ご指摘の通り融資に対する返済は完全に焦げ付いており、手前どもでは事実上の倒産状態と判断しています。塚原さんはアイディアマンではあるんですが、次から次に新商品の開発に乗り出しては失敗の連続で、その度に取引先とトラブルを起こしていたようです。
 未公開株販売ですか?ええ、株主からの問い合わせも相当件数あったみたいで、我々も困っています。手形、小切手の類いを発行していないので(法律上の)倒産はないし、このままだと破産を申請するしか手はなさそうです。昔はそれなりの人物だっただけに残念と言うしかありません」

 すべてが「昔の名前で出ています」式のインチキ口上で「発芽玄米」の代わりに「自社株券」を販売することで糊口をしのぐドーマーの窮状が目に浮かんでくるが、ここはやはり社長直々に、話を聞くしかあるまい。
 「商談で関西に出張中」(同社女子事務員)のはずの塚原社長を都内で発見、話を聞いた。

──早速ですが、派手に自社株を販売しているようですが。

塚原「えっ、ええ!…………(沈黙)」

──どう見ても株式公開なんて、ありえない経営状況だと思うのですが。

塚原「経営が苦しいのは事実ですが、上場できるように頑張っています。現在も大手企業との業務提携話を進めていますし、これさえ決まれば立ち直れます」

──どこですか、大手企業って?

塚原「言えません。(胸を張って)保秘義務がありますから言えません」

──取引金融機関も融資が焦げ付いて頭を抱えていましたよ。現在の借入金は全部でいくらあるのですか?

塚原「………(なぜかニコニコしながら沈黙。しきりに額の汗を拭く)」

──本当にあずさ監査法人に監査を依頼しているのですか?

塚原「………(なおも沈黙。しきりにコップの水を口に運ぶ)」

──社長は1株25万円で株券を販売しているようですが。

塚原「(ムキになって)そんな高い値段じゃありません。3万、3万円ですよ。私が売った値段は!…25万円だなんていう値段は知りません」

──3万円で誰に売ったのですか?

塚原「………(またもや沈黙)」

 3万円で自社株を販売したことだけは認めたが、販売先を聞いた途端、またもやダンマリ。貝になってしまった塚原社長と対峙すること20分。この期に及んでも、時にため息、時に薄笑いを浮かべながらも依然として“黙秘権”を行使するふてぶてしさは天下一品。販売相手に余程の弱みを握られているのか、それとも、これが本性なのか。弱々しい風貌には似合わぬふてぶてしさは、人を食って生きる“大物知能犯”の風格さえ感じさせるものがあった。(以下次号)【甚八郎】

総選挙後に本格化する井上工業事件とトランスデジタル事件の挟み撃ちで“大物金融屋”がいよいよ窮地に!

井上工業

 創業明治21年の老舗ゼネコンで、越後から上京した田中角栄元首相が、東京支店で「住み込み奉公」していたこともあるという群馬の名門・井上工業が、証券界の魑魅魍魎に取り付かれて倒産、それを警視庁組織犯罪対策三課が捜査着手するまでの概略を、本誌は7月27日号でお伝えした。

 猛暑のなか捜査は進展、組対三課は宮崎純行元社長が、自分の息子の会社に約11億円を情実融資、約4億5500万円を焦げ付かせたという特別背任容疑で、10月にも逮捕する方針を固めている。もちろんこれは「入口」に過ぎない。

 資本調達で生き残るしかなかった井上工業は、宮崎元社長を解任した後、中村剛前社長のもとで第三者割当増資と新株予約権で約30億円の調達を画策したが、そのスキームを携えてやってきた金融ブローカー、総会屋、金融業者などが、昨年8月25日から増資が行われた9月24日までのわずか1か月の間に、15億2000万円分の株券、1億8000万円の現金、約5億円分の不動産を収奪したのだった。

 その鮮やか過ぎる手口から当局は、中村氏ら前経営陣が、金融ブローカーらに取り込まれていた可能性もあると見ている。
 ただ、それにしても増資に応じたグループが、井上工業に渡した金額はわずか1億2000万円。それだけでどうして「株」に「カネ」に「土地」を収奪できるのか。池波正太郎の世界でいう「急ぎ働き」だが、その仕掛けに関与した「大物金融屋」の存在が、この事件を奥深いものにしている。

 入手した不動産登記簿謄本をもとに、足取りを追ってみたい。
 18億2000万円の第三者割当増資引き受けの中心人物は、アップル有限責任事業組合奥村英氏と藤本順二氏。8月28日の取締役会で増資の承認を取り付けた井上工業経営陣は、それを東証で適時開示、9月24日の調達に向けて彼らと会合を重ねるようになった。その過程で、奥村氏から「(群馬県安中市の)安中工場を担保提供してもらえないだろうか」という要求が出された。

 切羽詰まっていた経営陣は、「10月20日には返済する」という言葉に負けて担保提供、9月12日、奥村氏の会社であるリケンを債務者に融資した。債権者は港区虎ノ門に本社を置く有限会社京都太秦ホテル。極度額は1億2000万円。同社は、高利の街金として知られる永本壹桂氏の関係会社である。

 この「大物金融屋」の存在が、「鮮やか過ぎる収奪」を納得させた。同時に、「永本と仲間たちを狙えるチャンス」(捜査関係者)と、警視庁を奮い立たせた。
 資本調達に、間接的に登場する日本最大の暴力団勢力や井上工業に取りついた大物総会屋は事件に関与するのかしないのか…。組対が手がける久々の大型経済事件に対する警視庁への期待は大きい。【伯】

子会社を売却整理しても9月期が乗り切れない!? CDS指数では既に倒産しているサラ金大手・アイフルの断末魔!

8515 東1 アイフル週足
     アイフル株価チャート(週足)

 経営危機説が何度も流れながら、創業者の福田吉孝社長が私財を投げ打って持ちこたえてきた消費者金融大手のアイフルが、いよいよ重大な危機に直面している。

 8月24日、アイフルは連結子会社のワイド、トライト、ティーシーエム、パスキーの4社をネオラインキャピタルに売却すると発表した。譲渡価格は1株1円。4社の貸付金約482億円も約103億円で譲渡する。「叩き売り」である。

 過払い返還を認めた最高裁判決と、それをビジネスチャンス捉えた弁護士や司法書士によって、大手4社だけで1兆2000億円もの過払い金返還を余儀なくされた消費者金融業界は、利率を20%以下にするという貸金業法の改正もあって、ビジネスモデルが完全に壊れてしまった。

 そのなかでも独立系のアイフルと武富士は、アコムの三菱UFJ、プロミスの三井住友のような“支え”がないだけに厳しく、「余命は2年から4年」と、囁かれていたのだが、その時期は早まり、証券関係者は「アイフルは9月末決算を乗り切れないのではないか」と、厳しい目を向けている。

 ネオラインキャピタルへの「叩き売り」はその第一弾。業績不振のノンバンクを引き受けることで知られるネオラインキャピタルは、「ハイエナ」の異名を取る。アイフルは粘り強い回収を放棄、103億円を手にしたがこれも焼け石に水。民事再生法の適用申請など「倒産処理」に回ると目されている。

 CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)指数はもっと冷酷だ。取引先の倒産などに備えるCDSは、リスク回避の金融商品だが、そのCDS指数が、8月28日の時点で4260ベーシックポイントにも達している。

 これは、通常金利に42・6%もの金利をプラスしなければリスクの引き受け手がないことを意味する。例えば、アイフル向けに100億円の債権を保有していたとすれば、2%程度の通常金利に42・6%分を上乗せ、約45億円の保証料を払わなければCDSの引き受け手はいない。もちろんアイフルのCDS指数は、上場企業のなかでもダントツの一位で、「倒産指数」といっていい。

 ビジネスモデルが破壊された以上、アイフルが倒産するのはやむを得ないし、武富士、アコム、プロミスと、消費者金融各社はいずれ倒産か再編整理の道を辿ることになろう。
 「ハイエナ弁護士」だけが儲かり、大手4社だけで2万人を超える雇用の業界がなくなり、ヤミ金が跋扈するような時代の到来を許していいのか…。
 アイフルの危機を前に、「無担保貸し付け」の金融業界が持つ意味と意義を、もう一度、考え直した方がいい。【孝】

ドーマー未公開株詐欺事件追及第2弾! 開店休業でも売上高は8億円!? 堂々の架空決算で株券販売に拍車!

ドーマー株券

 手許に大手調査会社が今年の4月に作成したドーマー蠅亡悗垢詈鷙霆颪氾亠簿謄本がある。
 まず、同社の本社所在地であるが、登記簿謄本では長野県上田市常磐城3丁目3の19となっているのに、報告書によれば同市下之郷812の31と記されている。
 一体、どういうことなのか。同社の元社員によれば「常磐城の本社は上田駅からも近くて便利でしたが、家賃が払えなくなって追い出され、工場があった下之郷に引っ越しを余儀なくされたのです」

 支店登記がされている東京都港区芝5丁目9の12の東京支店はどうなのか。
 「東京支店も家賃を1年以上溜めて叩き出されました。…大阪支店ですか?…HPにはそう書かれているようですが、とっくの昔になくなっていますよ。…中国の現地法人?…何年も前のことですが、中国で開催された見本市に参加した際に、構想として出た業務提携話をもっともらしく書いているだけで、実体はありません」(前出の元社員)
 いやはや、「会社案内」からして嘘まみれとは畏れ入る。これでは先週号でご登場願った捜査関係者が怒り狂うのも無理はない。

 次に、役員はどうなのか。塚原菊一社長以下、山内里子、木村栄一は平成17年以後も変わっていないが、監査役の牧俊夫は同18年の就任である。電話番の事務員しかいない同社にあっては、どうせ員数合わせのための“借名役員”であろうが、念の為に聞いてみると、苦笑しながら「ご指摘の通りです」(前出同)のひと言が返ってきた。

 また、社員数も報告書では13名、ドーマー発行の会社概要には57名と書かれているのだが、実際は何人なのか。「注文があっても商品を作る資金がないのですから電話番を入れて2〜3名しかいないはずです」(前出同)

 やれやれ、何から何までインチキだらけ!?…肝腎の決算だが、報告書には03年10月期の売り上げ18億9000万円をピークに、年を追う毎にほぼ20%づつ減少、07年には最盛期の55%減の8億6000万円に、さらに昨年には同70%減の6億3000万円と釣瓶落としの減収が記載されている。
 いかにも倒産に向けて助走をしているかのような売上高の減少だが、ちょっと待って欲しい。開店休業でありながら、厚かましくも6億円を越える売上高を計上するとは、これまた偽装の匂いがプンプンする。

 「私が知る限り、ドーマーがまともな決算を発表したのは、ここ数年ではまったくありません。社長は、カネを引っ張るためなら平気で粉飾決算をする人でしたから、本業が傾き始めた05年以降の決算は、利益が出ていないのに利益を計上するなど、まったくのデタラメのオンパレードでした。とにかく、私が辞める時には仕入代金にすら四苦八苦していましたから、実際の売上高は桁がふたつぐらい違うのではないでしょうか(笑)」

 
 以前は融資を受けるために、そして現在は未公開株を販売するために平気で粉飾決算を行う!…「貧すれば鈍する」…かつては“玄米大学総長”と評されたこともある塚原社長に似合わない大胆すぎる詐欺師ぶりには仰天させられるが、この悪行の数々は「貧すれば鈍する」ゆえの暴走なのか、それとも「塚原社長の手許不如意につけ込んだ第三者の入れ知恵」でもあったのか。
 いずれにしても、死に体企業にインチキ決算の衣装を着せて「株式公開」を口にするとは、正真正銘の詐欺と言っても過言ではない。次週では、“紙切れ販売”の窓口となった「ドーマー株式公開準備室」についてレポートする予定である。(以下次号)【甚八郎】

※先週号の小誌記事に対しては、ドーマー蠅粒主(と思しき方)から9件、西日本地方の某県警から1件の問い合わせを戴いた。株主のなかには「上場の邪魔をしないで欲しい」、「発芽美人は美味しいし、信頼できる会社です」と純真無垢な方(あるいはドーマー社関係者)からの“お叱りの言葉”もあった(2件)が、それ以外は「心配していましたが、やっぱり…」、「老後の資金がなくなりました。どうしましょう?」と途方に暮れるものばかりであった。


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