子会社を売却整理しても9月期が乗り切れない!? CDS指数では既に倒産しているサラ金大手・アイフルの断末魔!

8515 東1 アイフル週足
     アイフル株価チャート(週足)

 経営危機説が何度も流れながら、創業者の福田吉孝社長が私財を投げ打って持ちこたえてきた消費者金融大手のアイフルが、いよいよ重大な危機に直面している。

 8月24日、アイフルは連結子会社のワイド、トライト、ティーシーエム、パスキーの4社をネオラインキャピタルに売却すると発表した。譲渡価格は1株1円。4社の貸付金約482億円も約103億円で譲渡する。「叩き売り」である。

 過払い返還を認めた最高裁判決と、それをビジネスチャンス捉えた弁護士や司法書士によって、大手4社だけで1兆2000億円もの過払い金返還を余儀なくされた消費者金融業界は、利率を20%以下にするという貸金業法の改正もあって、ビジネスモデルが完全に壊れてしまった。

 そのなかでも独立系のアイフルと武富士は、アコムの三菱UFJ、プロミスの三井住友のような“支え”がないだけに厳しく、「余命は2年から4年」と、囁かれていたのだが、その時期は早まり、証券関係者は「アイフルは9月末決算を乗り切れないのではないか」と、厳しい目を向けている。

 ネオラインキャピタルへの「叩き売り」はその第一弾。業績不振のノンバンクを引き受けることで知られるネオラインキャピタルは、「ハイエナ」の異名を取る。アイフルは粘り強い回収を放棄、103億円を手にしたがこれも焼け石に水。民事再生法の適用申請など「倒産処理」に回ると目されている。

 CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)指数はもっと冷酷だ。取引先の倒産などに備えるCDSは、リスク回避の金融商品だが、そのCDS指数が、8月28日の時点で4260ベーシックポイントにも達している。

 これは、通常金利に42・6%もの金利をプラスしなければリスクの引き受け手がないことを意味する。例えば、アイフル向けに100億円の債権を保有していたとすれば、2%程度の通常金利に42・6%分を上乗せ、約45億円の保証料を払わなければCDSの引き受け手はいない。もちろんアイフルのCDS指数は、上場企業のなかでもダントツの一位で、「倒産指数」といっていい。

 ビジネスモデルが破壊された以上、アイフルが倒産するのはやむを得ないし、武富士、アコム、プロミスと、消費者金融各社はいずれ倒産か再編整理の道を辿ることになろう。
 「ハイエナ弁護士」だけが儲かり、大手4社だけで2万人を超える雇用の業界がなくなり、ヤミ金が跋扈するような時代の到来を許していいのか…。
 アイフルの危機を前に、「無担保貸し付け」の金融業界が持つ意味と意義を、もう一度、考え直した方がいい。【孝】

ドーマー未公開株詐欺事件追及第2弾! 開店休業でも売上高は8億円!? 堂々の架空決算で株券販売に拍車!

ドーマー株券

 手許に大手調査会社が今年の4月に作成したドーマー蠅亡悗垢詈鷙霆颪氾亠簿謄本がある。
 まず、同社の本社所在地であるが、登記簿謄本では長野県上田市常磐城3丁目3の19となっているのに、報告書によれば同市下之郷812の31と記されている。
 一体、どういうことなのか。同社の元社員によれば「常磐城の本社は上田駅からも近くて便利でしたが、家賃が払えなくなって追い出され、工場があった下之郷に引っ越しを余儀なくされたのです」

 支店登記がされている東京都港区芝5丁目9の12の東京支店はどうなのか。
 「東京支店も家賃を1年以上溜めて叩き出されました。…大阪支店ですか?…HPにはそう書かれているようですが、とっくの昔になくなっていますよ。…中国の現地法人?…何年も前のことですが、中国で開催された見本市に参加した際に、構想として出た業務提携話をもっともらしく書いているだけで、実体はありません」(前出の元社員)
 いやはや、「会社案内」からして嘘まみれとは畏れ入る。これでは先週号でご登場願った捜査関係者が怒り狂うのも無理はない。

 次に、役員はどうなのか。塚原菊一社長以下、山内里子、木村栄一は平成17年以後も変わっていないが、監査役の牧俊夫は同18年の就任である。電話番の事務員しかいない同社にあっては、どうせ員数合わせのための“借名役員”であろうが、念の為に聞いてみると、苦笑しながら「ご指摘の通りです」(前出同)のひと言が返ってきた。

 また、社員数も報告書では13名、ドーマー発行の会社概要には57名と書かれているのだが、実際は何人なのか。「注文があっても商品を作る資金がないのですから電話番を入れて2〜3名しかいないはずです」(前出同)

 やれやれ、何から何までインチキだらけ!?…肝腎の決算だが、報告書には03年10月期の売り上げ18億9000万円をピークに、年を追う毎にほぼ20%づつ減少、07年には最盛期の55%減の8億6000万円に、さらに昨年には同70%減の6億3000万円と釣瓶落としの減収が記載されている。
 いかにも倒産に向けて助走をしているかのような売上高の減少だが、ちょっと待って欲しい。開店休業でありながら、厚かましくも6億円を越える売上高を計上するとは、これまた偽装の匂いがプンプンする。

 「私が知る限り、ドーマーがまともな決算を発表したのは、ここ数年ではまったくありません。社長は、カネを引っ張るためなら平気で粉飾決算をする人でしたから、本業が傾き始めた05年以降の決算は、利益が出ていないのに利益を計上するなど、まったくのデタラメのオンパレードでした。とにかく、私が辞める時には仕入代金にすら四苦八苦していましたから、実際の売上高は桁がふたつぐらい違うのではないでしょうか(笑)」

 
 以前は融資を受けるために、そして現在は未公開株を販売するために平気で粉飾決算を行う!…「貧すれば鈍する」…かつては“玄米大学総長”と評されたこともある塚原社長に似合わない大胆すぎる詐欺師ぶりには仰天させられるが、この悪行の数々は「貧すれば鈍する」ゆえの暴走なのか、それとも「塚原社長の手許不如意につけ込んだ第三者の入れ知恵」でもあったのか。
 いずれにしても、死に体企業にインチキ決算の衣装を着せて「株式公開」を口にするとは、正真正銘の詐欺と言っても過言ではない。次週では、“紙切れ販売”の窓口となった「ドーマー株式公開準備室」についてレポートする予定である。(以下次号)【甚八郎】

※先週号の小誌記事に対しては、ドーマー蠅粒主(と思しき方)から9件、西日本地方の某県警から1件の問い合わせを戴いた。株主のなかには「上場の邪魔をしないで欲しい」、「発芽美人は美味しいし、信頼できる会社です」と純真無垢な方(あるいはドーマー社関係者)からの“お叱りの言葉”もあった(2件)が、それ以外は「心配していましたが、やっぱり…」、「老後の資金がなくなりました。どうしましょう?」と途方に暮れるものばかりであった。

「のりピー事件」の捜査本格化でチーマー、暴走族OBに連なる芸能人・プロスポーツ選手・若手実業家は戦々恐々!



 覚せい剤取締法違反容疑で「のりピー」こと酒井法子容疑者夫婦を逮捕した警視庁は、マスコミの盛り上がりに意を強くして、徹底捜査する方針を固めている。
 夫の高相祐一容疑者を、千葉県勝浦市の別荘で別の覚せい剤を所持していたとして再逮捕、別荘に出入りしていたのりピーも同じ容疑で調べることになる。

 警視庁の狙いは、のりピー夫妻の供述などをもとに、酒とクスリをセットにして深夜のクラブなどで遊びまくる連中を摘発することにある。
 渋谷、赤坂、六本木、麻布などには、一般人が入室できない「VIPルーム」を持つクラブや、資産家や著名人を顧客に持つ「会員制クラブ」があって、そこがクスリでキメた芸能人、モデル、スタイリスト、若手実業家、プロスポーツ選手など「セレブの遊び場」となっている。

 この種の飲食店を経営しているのは、かつては「企業舎弟」と呼ばれる暴力団関係者だったが、今は、そうした「セレブ」とライフスタイルを合わせることのできる繁華街のチーマーや暴走族上がりだという。
 「親が資産家で大学の付属高校に通っているような不良が、渋谷、新宿の繁華街などで徒党を組み『チーマー』と呼ばれるようになったのは20年以上前からです。そんな連中のなかの“出世頭”が、クラブなどの飲食店を経営、一大勢力を誇るようになりました。そのチーマー仲間には暴走族もいて、彼らは本チャンの暴力団とは違う勢力を繁華街で形成しています」(捜査関係者)

 そうした集団でトップを務めたような連中が、30代となった今、渋谷のA、六本木のF、西麻布のMといった著名店の経営に関与、そこには自称「セレブ」が大挙、押しかけて遊び、若手女優HやAのように彼らと結婚してしまうこともある。
 こうした新しい風俗に、クスリがセットになっているのだから当局としても放置できない。警視庁は、クスリの入手経路を供述させたうえで、のりピー夫妻が出入りしていた六本木や麻布の店とその顧客に辿り着き、「芸能界クスリ汚染」を徹底解明する方針だ。

 クスリの汚染度は千差万別だが、口端に上っている店の顧客のなかには、俳優やモデルのほか、名前を聞けばびっくりするようなプロスポーツ選手や上場企業の社長もいて、身に覚えのある彼らは、のりピー事件の行方を戦々恐々として見守っている。【凛】

「JDC信託」が重大な危機を迎えて決断を迫られる金融庁

JDC信託

 ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)というマザーズ上場企業がある。信託銀行ではなく信託会社。2004年に信託業法が改正され、金融業以外の事業会社としては、初めて信託業免許を取得した。

 その名が知れ渡ったのは、信託方式で集めた資金を投じた映画「フラガール」の大ヒット。寂れた炭坑町を、フラダンスで活性化させようと、町の女の子たちを徹底的にダンサーとして鍛え上げるまでを描いた「フラガール」は、数々の映画賞を受賞、「コンテンツ産業に必要なリスクマネーを提供する」というJDC信託の将来も期待された。

 しかし、コンテンツ産業には当たり外れがある。従って、JDC信託には“目利き”の能力と、ヒットを確信した思い切った投資が求められるのだが、旧通産省の研究会を母体として設立されたという経歴からか、官僚的体質が残っていて「リスクへの挑戦」がうまくいかず、経営不振に陥った。

 その結果、資金不足が常態化、資本調達で賄うしかなくなって、海外ファンドや国内投資家向けに第三者割当増資を行い、経営を委ねることになり、結果として「仕手筋」「不動産業者」などが役員に名を連ねるようになって、「コンプライアンス上、問題のある会社」(証券幹部)となった。

 08年以降は不祥事の続出である。同年6月、従業員がファンドの出資金の一部を持ち出し、金融庁から最初の行政処分を受けた。さらに6月、金融庁は、法令違反が続き、内部管理に問題があるとして、新規の信託業務を9月18日までの3ヶ月間停止するという「業務停止命令」を出した。

 ここまでくると、初の上場信託会社という「ハコ」を用いて儲けようとした投資家集団も手を引き始めた。主要ファンドは売却を始めて手仕舞いモードに入っている。
 8月に入ると、情況はさらに悪化、7日には10年3月期第一四半期の報告書を監査法人辞任のために提出できず、東証は監理銘柄に指定した。また、21日には、斎藤勝久社長から4985万円を借入、資金繰りに回すと発表、断末魔の様相を呈し、マーケットでは「いつ破綻してもおかしくない状態」(証券関係者)と、目されている。

 最後に引導を渡すことになりそうなのが金融庁。信託業法改正の第一号として鳴り物入りでスタートさせただけに、これ以上の不祥事が発生しないうちに、「免許取消」に踏み切るしかないという幹部もいて、総選挙直後に決断が下されそうだ。【伯】

「既に会社は破産状態なのに1株25万円」…未公開株詐欺会社・ドーマー蠅痢硲悒如次鼻

ドーマー株式会社 株式売出要項

 「未公開株を販売する詐欺師は後を絶たないが、ここまで口から出任せの嘘で固めた会社は珍しい。明らかな振り込め詐欺だ」…捜査関係者を激怒させたドーマー株式会社(本社・長野県上田市、塚原菊一社長)にXデ―が迫っている。

 同社の会社案内によれば、設立は1985年。資本金2億4000万円。役員は塚原社長以下、山内里子常務、木村榮一取締役、牧俊夫監査役の4名。社員は57名。東京支店(港区芝)の他、大阪支店(西淀川区)、さらに中国にも玄米工場(丹東唐門芽米実業有限公司)を有するとある。
 また、国や県と共同の特許権(3件)を保有、01年には食糧庁長官賞を受賞するなど、まさに塚原社長は“玄米に賭ける匠”そのもの。一見する限り、真っ当な企業の印象を受けるが、この案内書のどこが嘘なのか。

 「会社案内に書かれているのは、すべて5年以上も前のこと。本社は家賃が払えず既に移転しているし、東京支店、大阪支店もとっくに追い出されている。現在の資本金もいくらなのか皆目分からないし、役員は塚原以外は全員辞めている。社員もほぼ全員が退社、今は電話番の事務員しかいない。取引銀行(八十二銀行)は、『数億円の焦げ付きで完全にお手上げ』と言うし、あずさ監査法人にも問い合わせたが、『ドーマーのドの字も聞いたことがない。名前を勝手に使われている』との回答。つまるところ、昔はそれなりに隆盛を誇っていた時期もあったのは事実だが、現在は開店休業状態ということだ。そんな“死に体企業”が、こんなチラシ(冒頭の写真)を送り付けて自社株を販売しているんだから、どこから見ても典型的な詐欺事案だ(怒)」(前出の捜査関係者)

 一体、捜査員氏を怒らせたチラシにはどう書かれているのか。
 「売出価格=25万円/1株、上場市場=ジャスダック、上場予定時期=09年春、公募予定価格=40〜45万円、監査法人=あずさ監査法人、幹事証券=未定云々」

 いやはや、ここまで世間を舐めたチラシをバラ撒いては、捜査員氏の怒髪が天を突くのも無理はない。
 既に“破綻状態”にドーマー蠅粒券など、まさしく洟もかめない“紙切れ”。ヒツジか、ヤギならいざ知らず、そんな紙切れを25万円という法外な価格で販売するとは一体、どういう了見なのか。
 次号では、関係者から入手した同社の内部文書とデタラメ決算書を分析、さらには「公開準備室」なる奇妙な小道具会社(東京都中央区所在)を駆使した悪辣極まる“騙しの手口”をレポートする予定である。(以下次号)【甚八郎】

報道も捜査も「のりピー」に移し、「押尾事件」を終息に向かわせたのは誰か!

六本木

 のりピー逮捕で完全に過去の話になったのが、押尾学事件である。
 酒井法子容疑者と押尾学容疑者のタレントとしての格、かつての清純派タレントの覚醒剤逮捕という衝撃性を考えれば、芸能マスコミが、いっせいにのりピー事件を報道するのはわかる。逮捕直後には、各局、30%以上の視聴率を記録した。

 しかし、純粋に事件の持つ深さを考えれば、警察は押尾事件を徹底解明、マスコミは捜査当局の動きを追跡しつつ調査報道すべきだろう。いうまでもないことだが、人がひとり死に、「ワコール」が子会社化した下着メーカー「ピーチ・ジョン」の野口美佳社長が絡み、死亡から通報までに「謎の4時間」があって隠蔽工作が行われ、それを担ったのが、押尾容疑者が所属する「エイベックス・マネジメント」のマネージャーだった。

 ホリエモン吉川ひなのを取り持ったことが象徴するように、野口社長は経済界と芸能界の橋渡し役で、そうして培われた幅広い人脈が「ピーチ・ジョン」を伸ばし、「ワコール」による買収も塚本能交社長との個人的親密さによるものだけに、買収価格が高過ぎるのではないかと疑惑の目が向けられた。

 すぐに救急車を呼ばなかった押尾の鬼畜の所業はさておき、それを処理するのがマネージャーで、それが東証一部に上場する「エイベックス・ホールディングス」の危機管理だとすれば、この会社の“常識”は世間とはかけ離れている。
 「保護責任者遺棄致死罪」という罪名はともかく、死体を放置するのが罪であることは子供にだってわかる。だが、そうまでして押尾とマネージャーが守りたかったのは何なのか。それは押尾のではなく、エイベックスの「体面」「秘密」だろう。

 マネージャーからの通報を受けて動いた「部隊」の正体は明かされていない。ただエイベックスの周辺には、押尾などエイベックスのタレントを支援する遊技機オーナー、大物フィクサー、彼らの意を受けて各種の調整を行う警察OBなど「表」と「裏」の双方に睨みが効く人脈がある。それが機能したことは想像に難くない。

 警察は、当初から押尾事件を小さくまとめようとしている。銀座ホステスの死に「事件性はない」と、最初から決めつけ、「クスリは死んだ女性からもらった」という押尾容疑者の「死人に口なし」の証言を信じるそぶりで、捜査は麻布署に任せて、捜査一課や組織犯罪対策五課といった専門部隊が乗り出す様子はまったくない。

 薬物中毒の夫婦が捕まったに過ぎないのりピー事件に、組対五課が乗り出し、捜査を大きく展開する構えを見せて、マスコミの関心を集めているのとは大きく違う。
 押尾事件の核心は、表面化した「チンピラ押尾」のワルぶりではなく、それを隠蔽せざるを得ない勢力が、さまざまに「ピーチ・ジョン」や「エイベックス」に群がっているところにこそある。【凛】

「鳩山捜査」を「小沢捜査」に続けて本格化させた検察の露骨すぎる「反民主」!?

民主党本部

 「特捜部内に鳩山班ができました。主任検事を置き、4〜5名の検事で鳩山由紀夫民主党代表の政治資金規正法違反容疑を調べています。総選挙後に結論をだすようです」
 こう語るのは、法務・検察の動きを追う全国紙社会部記者である。

 鳩山代表の資金管理団体「友愛政経懇話会」が、政治資金収支報告書に死亡した人の名義を使用するなど「虚偽記載」していた問題は、「鳩山由紀夫を告発する会」と名乗る団体が、7月3日、東京地検に告発状を提出、地検がこれを受理した。

 告発状を受理した以上、捜査着手してもおかしくはないが、わずか30数名の検事しかいない特捜部が、従来の直告一班、直告二班、財政経済班の三班に加え、特別班を編成、鳩山代表を捜査するというのだから異様だ。
 しかも本誌が前号で指摘したように、特捜部直告一班は、小沢一郎前代表の捜査を政治資金規正法違反と脱税の両にらみで継続している。次に政権を握ることが確実な民主党の「前」と「現」の代表を、特捜部の半分を割いて捜査しているのは、民主党への露骨な挑戦状で、「民主党VS検察」の戦いは、総選挙後に泥沼化しそうだ。

 鳩山代表と資金管理団体の会計責任者が、政治資金規正法に違反した疑いは濃い。既に鳩山代表は、2005年以降の4年間で約90人から193件、総額2177万円の虚偽記載があったことを認め、謝罪している。
 それが起訴に相当するかどうかは、「悪質性」で決まり、特捜部が調べるのは、「特定の個人から上限額以上の献金を受け取るために架空の個人献金をでっち上げたのではないか」というもので、具体的にいえば資産家として知られる母・安子さんからの献金だ。

 事実なら「贈与税逃れ」といった問題も浮上するが、そうした表面化している件以外にも、告発対象となっている政策秘書の芳賀大輔氏の実家が北海道の「生コン屋」の株式会社ホッコクで、公共工事に絡むこの会社の経営陣が、例年、個人献金していることについても調べを進めている。

 それにしても最高検察庁の「反民主感情」は露骨だ。ことに樋渡利秋検事総長にその気持ちが強いといわれているが、「法務省」という行政官庁を抱えていることもあって、政権政党との対立は避けたいはずだし、二大政党制が確立するなか、一方に組みしたと見られたくないはずである。それでも「反民主」を掲げるのはなぜか…。

 政権交代にあたり「強さを誇示しておきたい」という説や、最初は強く出るものの、着地は起訴猶予など穏便にまとめて「融和を図る高等戦術」といった見方もある。その当否はともかく、民主党の実力者に「しこりの感情」が残るのだけは間違いなく、民主党政権誕生後、両者がどんな距離感で接するのか、けだし見物である。【伯】

押尾学事件で表面化したファッション業界と芸能界と暴力団とベンチャー経営者の人脈相関図

 合成麻薬のMDMAを使用、連れの女性は全裸で死亡、本人は麻薬取締法違反で逮捕された押尾学事件は、六本木ヒルズ住宅棟の「やり部屋」を貸していたのが、人脈ビジネスで成りあがった下着メーカー・ピーチジョン野口美佳社長だけに、各方面に波紋を広げているが、指摘すべきは、この事件が「セレブ」を気取る“勘違い連中”の歪んだ風俗から発したもので、氷山の一角に過ぎないことだ。

 ファッション界の人間にはセンス、芸能人には華やかさ、ベンチャー経営者にはカネがある。そのワンランク上の意識が彼らに、クスリという違法を共有させる。
 「六本木、麻布、渋谷、恵比寿などに彼らが集まる会員制クラブがあり、オーナーはたいてい上場に成功した若手経営者です。そこには合コン設定係の女衒やパーティーやイベントを仕切らせたら天才的な名物ママがいて、自称セレブを飽きさせない。そこではコカインや合成麻薬が、当たり前のように流通しています」(事情通)

 クスリに芸能界が絡むと、必然のように暴力団関係者が流れ込み、AV女優や銀座・赤坂の高級クラブのホステスも登場する。今回、俳優、女社長、銀座ホステス、六本木ヒルズと画に描いたような風俗が展開したが、その背後には「何百人もの押尾学」がいる。

 そして彼らは、秘密を共有する仲間である。彼らが集まる店ごとに、あるいは例えば野口美佳といった中心メンバーごとに人脈が形成され、それが複雑に入り組んで人脈図となり、そこにクスリという違法がセットとなっているため、警視庁は「芸能班」を組織、「相関図」を作成している。

 例えば、恵比寿のXという会員制クラブには、大物女優からアイドルまでが連日、集まって朝まで騒ぎを繰り返しているが、そこの名物ママは企業経営者に若手女優を紹介、援助交際させることもあれば、最近、話題になったマルチ経営者と個性派女優の結婚のプロデューサーでもあった。

 その合法的空間に、クスリが絡んで怪しい場になるのだが、自称セレブは刺激を我慢できず、みんな捜査当局の逮捕予備軍となってしまう。それが押尾の次に酒井法子が、すぐに摘発される下地である。

 押尾事件で、野口美佳社長に薬物疑惑が指摘されているわけではない。ただ彼女には、そうした相関図にどこからでもアクセスできる人脈があり、それがこの事件の広がりを予感させるものとなっている。【凛】

猛暑の選挙期間中も小沢一郎捜査を継続する東京地検特捜部の狙い

 真夏の選挙戦が展開され、マスコミ各社は民主党政権を前提とした報道を続けている。幹部に辞表を迫るという「鳩山民主党」への「霞が関」の反発は大きいが、それでも現実路線を取らざるを得ないとして、各官庁は早くも「民主党シフト」を敷いている。

 そうした流れに抗して、東京地検特捜部小沢一郎民主党前代表の捜査を継続、これには検察OB弁護士も首を傾げる。
 「西松事件を手がけ、小沢前代表の秘書を逮捕した特捜部直告一班が、小沢捜査を継続しているのは聞いている。与野党のバランスを取り、特定の政党に偏らないという検察の伝統からすれば、民主党から国策捜査批判も出た小沢氏の捜査を今も継続するのはおかしいんだが……」

 当初、特捜部が6月中旬以降、ゼネコンやサブコンの政界工作担当者の事情聴取を再開した時、「起訴した秘書が否認、そのカベを突破するための公判対策」と言われたものだが、検事の調べはそんなに甘いものではない。調べを受けたゼネコン幹部がいう。
 「裏ガネについて徹底的に聞かれています。我々は、単独で裏ガネを捻出しているわけではありません。下請けに割り振り、その分を工事代金に上乗せするなど工夫しています。特捜部はそうした下請け業者の事情聴取も重ねて、『集めたカネはどうしたんだ』と、しつこく我々に聞いてくる。暑い中、何度も検察に呼び出されてへとへとになっています」

 まさに執念の捜査。新たな小沢事件にしようという強い意志がうかがえるのだが、では何が問題なのか。
 「結局、小沢一郎の政治団体のカネの流れがはっきりしないんです。政治資金収支報告書に記載された以上のカネが『小沢周辺』には集まっている。その総額は5億円近い。政治団体が購入した不動産が小沢個人になっていることが象徴するように、小沢個人のカネと政治団体の関係が不分明。特捜部は、政治資金規正法違反と小沢個人の税金問題の両方を視野に入れた捜査を行っています」(全国紙司法担当記者)

 確かに、「田中角栄流」を継承した政治家だけに、政治資金を裏で受け取る慣習は残っていよう。かつてほどドンブリ勘定ではなくなったとはいえ、政治資金収支報告書に記載できないカネである。
 だからといって、その証拠を見つけて捜査するのではなく、「違法献金」をゼネコン、サブコンに“自白”させようという捜査だから無理がある。逆にいえば、それだけ「小沢の逆襲」が検察は怖いのであり、そこには角栄逮捕後、角栄に法務省を押さえられて10年以上も政界捜査ができなかった恐怖心が、検察幹部にはある。つまり小沢一郎に「闇将軍」になられては困る。
 そうした検察幹部の思惑を秘めた捜査が、選挙戦の裏で進行している。【伯】

「大成功だ!」の声が圧倒的だが…裁判員裁判の問題点<寄稿>

裁判員制度

 『週刊0510』を毎週、楽しく拝読しています。私は元雑誌記者(と言っても10年前まで)ですが、今回初めて投稿致しました。
 先週は裁判員裁判に始まり、押尾学逮捕と酒井法子失踪で暮れた落ち着かない1週間でしたが、今日は3日から始まった裁判員裁判についてわたしなりの意見を述べてみます。

 さて、初めての裁判員裁判。“初物”好きのマスコミは、例によって例の如し、ウンカの如き隊列を組んで都合4日間、実況中継と言っても過言ではないほどの熱心さで審理の模様を速報する異常な報道ぶりでした。
 栄えある?第1号事件に選ばれたのは、作為的か、偶然かはともかく、教科書の例題に選ばれそうな被告人が起訴事実を認めたシンプルな殺人事件でした。その甲斐あってか、判決後の裁判員たちの感想は、裁判を肯定的に捉えたものばかりでした。
 もっとも、裁判所職員立ち会いのもと、評議の内容を漏らしてはいけないなど厳格な守秘義務を課せられたうえでのコメントだけに“当たり障りのない抽象論”に終始せざるを得ないのも無理からぬところでしょう。

 しかしながら、以前貴誌の連載記事「人生本因坊師の甘辛時事放談」で人生本因坊師が何度も触れていたように、起訴事実を被告人が否認していたり、違法スレスレ、あるいは状況証拠だけの起訴など、複雑な要素が絡まった事件だったらどうだったでしょうか。おそらくは、今回のように短期間でスムーズに運ばなかったであろうことは想像に難くありません。

 小川正持最高裁事務総局刑事局長はPR誌『司法の窓』で「国民にわかりやすい裁判を心掛ける」と強調しています。
 「わかりやすい裁判」…耳ざわりの良い言葉ですが、われわれの周囲では「わかりにくい事件」が数多く発生している現実を考えれば、「言うは易し、行うは難し」。事件をコマ切れにする公判前整理手続きや多数決で判決を出す、ひたすら裁判を短縮化するための簡便なシステムは、多くの冤罪を産むことにつながりかねません。間違っても、裁判官が“先頭誘導員”を務めるわが国の裁判員裁判では『12人の怒れる男たち』で描かれたような“真の市民感覚”による評議は期待できそうにありません。

 裁判を傍聴した旧知の全国紙記者から「公判前整理手続きのせいなのでしょうが、まるでキチンとした台本に添って演じられた法廷ドラマを見ているようで、人間臭さがまったく感じられませんでした。そもそも、刑事裁判の本質は強大な権力を持つ検察側の立証について疑問の有無をチェックすることにあるのに、今回の裁判では裁判員が検察サイドに立って事件を見ているような気がしました」と報道内容とは異なる声が届きました。

 また、「GUILTY」、「NOT GUILTY」の判断のみならず、量刑判断にまで裁判員が関与する点も問題なしとは言えません。
 今回の裁判では求刑16年に対して懲役15年の判決でした。被告人に前科があったとはいえ、従来ではあり得ない重い判決です。被告人の肩を持つ訳ではありませんが、「善良な市民の感覚」という美しい且つ曖昧な物差しで、長期刑を科せられたのでは被告人は納得して刑に服すこともできないのではないでしょうか。おそらく控訴審も、この記念すべき?第1号裁判にケチをつけないために「控訴棄却」の判決を下すに違いありません。

 裁判員裁判制度は、自分自身を“神の化身”と信じて疑わない官僚裁判官が、憲法違反の声に耳を塞ぎながら、根回しのために永田町を走り回って作り上げた制度です。
 貴誌がことある度に書いているように、官僚の本質は「自己保身」と「利権確保」であることは私の過去の経験からも明らかです。

 「官僚を疑え」…“霞が関”のみならず、“隼町”にも絶え間なく懐疑の眼を向け続けることの必要性を知らしめてくれたことが、裁判員裁判制度導入の唯一の“成果”ではないでしょうか。【坂東太郎】


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