『未公開株詐欺追及班・編集会議を生中継』(8)



怒りマーク出席者=A(週刊誌記者)、B(証券会社現役営業マン)、C(投資コンサルタント)

B「先週、当欄で貼り出した冨地義信齋藤賢次(=高田國康)の“手配写真”には、20件以上の問い合わせがありました。特に冨地については、顔どころか、商業登記簿にすら名前を出していなかっただけに“大人気”でした」

A「常にダミーを仕立てて、裏で差配する。…あいつは名前さえ出さなければ“安全”だと思ってる“引きこもり詐欺師”だからな(笑)」

C「そんな小細工をすること自体、詐欺していますと“自白”しているみたいなものなのに…バカだなあ(笑)。ましてや下にいるのが、振り込め詐欺上がりの“流れ者”みたいな半端なヤツばっかりやから、調べ室では騒がしいほどチュンチュン謳うわな」

B「無駄だけど“精神安定剤”代りに引きこもってる!?(笑)」

A「冨地は、未公開詐欺をする前はインチキ為替屋で小番頭をやってたんだが、そこが摘発されたことで廃業。新たに齋藤とコンビを組んで未公開株詐欺を始めたわけだ」

B「その為替屋ってSがやってた?」

A「そうだ。よく知ってるな!」

B「Sといえば、この手の詐欺商売の世界では生き字引みたいな存在ですよ。…そうか、Sのところで修業したのであれば、冨地は“詐欺師のキャリア組”ですね!」

C「振り返れば、ノミ専門のインチキ証券金融から始まって、インチキ投資顧問、インチキ商品取引、インチキ未公開株販売、インチキ社債販売、インチキファンド…あの手この手の詐欺商売が延々と続いとるよなあ。『浜の真砂は尽きるとも〜〜』と看破した石川五右衛門は“哲学者”だわな(笑)」

A「そもそも、株にしろ、社債にしろ、ファンドにしろ、そんなに儲かるのだったら、何で自分のカネで買わないのか。真昼間からわざわざ高い電話賃使って、赤の他人に勧めなきゃいかんのか。冷静に考えれば3歳の子供でも分かる理屈だよ。包丁を受話器に持ち替えた“強盗”だ。もっともお上の鑑札を持っている銀行や証券会社、商品取引屋も、これまでやってきたことは同じだけどな」

B「余談ながら、その商品取引屋ですが、金融商品取引法で電話営業、飛び込み営業が出来なくなったことで、昔ながらの“マメ屋”はバタバタ廃業。残っている業者もFXに宗旨替えしていますね」

C「そのFXもインチキ丸出しだが、その話は別の機会に譲るとして、結論からいえば、売り込んで来る商品が何であろうと、白昼堂々、電話で『儲け話』を持ちこんで来る輩は99%詐欺師と断言していいだろう」

B「兼々、疑問に思っていたのですが、冨地=齋藤コンビは、販売する株券を何処から調達していたのでしょうか?」

A「ひと言でいえば、さっき食った出前の蕎麦代金も払えないような“極貧会社”から仕入れるんだ(笑)。具体的に言うと、ドーマーの場合、最初に塚原に取りついたのが手形パクリ屋として知られる“髭の越川”だ。ところが、既に八十二銀行や長野銀行のブラックリストに載っていたドーマーには、お目当ての手形帳はなかった。そこで越川が、手形の代わりに目をつけたのが株券だ。越川の『手形は期日が来たら決済しなければいけないが、株券なら売りっ放しでいいから。近いうちに上場するからとかなんとか言えば簡単にカネになるぞ』という甘い誘いにパクッと食いついたのが、当時多くの債権者から追い込まれていた塚原だ。この越川と昵懇だったのがRONPARIの斎藤だ。つまり、ドーマーの株券は塚原→越川→齋藤→冨地というルートで流出したという次第だ」

B「ということは、ドーマーの次に冨地が売ったカイロンエンプロデ―テインパルスジャパンも(ドーマーと同じで)実情は明日にも万歳してもおかしくない会社ということですか?」

A「明日か、1ヶ月後か、半年後か、という差はあれ似たようなものだろうな(苦笑)」

C「さっきも言ったが、株式を公開しようと考えている真っ当な会社が、冨地みたいな詐欺師の手を借りて、自社株の“押し売り”なんかするわけないだろうよ(笑)」(以下次号)

オリックスの迷走を伝える「ゴルフ場ビジネス」からの撤退!

 「かんぽの宿」の譲渡問題を機に盛り上がったオリックスの「宮内(義彦会長)商法」への批判は、民主党政権が竹中(平蔵元総務相)路線を完全に覆し、郵政民営化が後退、規制緩和が見直されて、「大きな政府」に舵を切る過程で、忘れられつつある。

 政府の審議会に長く関与、その地位を利用、ビジネス化することでオリックスを大きく伸ばし、“規制緩和の政商”と言われたころの面影は今の宮内会長にはない。
 それどころか昨年のオリックスは、金融が収縮するなか資金繰りに苦しみ、オリックス・クレジットを売却、“解体説”が流れたほどだった。

 しかし今年に入って、株価も安定、2000ベーシックポイントを超えて危機説の根拠となった企業の信用度を示すCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)指数300前後にまで持ち直している。
 かつて100億円のオリックス向け債権を保有していたら20億円以上の保証料を要求されたのに、今は3億円内外というのだから大きな改善である。

 2010年3月期第3四半期決算の数字も不動産関連資産を圧縮、377億円の純利益を確保するなど悪くはないのだが、ノンバンク担当アナリストは、「数字に表れない資産の劣化を疑っている」という。

「2000年以降のオリックスは、パチンコ、ホテル、サラ金といった有力顧客の落ち込みを不動産部門が補ってきた。有利子負債は5兆円を超えるが、過半は不動産がらみ。当然、大きく棄損しているはずだが、減損処理を行っている様子がない」

 含み損を抱えたままで、決算に反映させていないのではないかという指摘である。
 それを象徴するように、不動産事業からの撤退を急いで貸し剥がし、融資先とトラブルになることが少なくない。
 また、38コースを所有、国内最大手となったゴルフ場部門でも、会員権購入ローンを中止、退会制度を創設するなど後ろ向きの姿勢が目立っている。

「オリックス・クレジットと提携しておりました会員権購入ローンが、諸般の事情により取り扱いができなくなりました」
 昨年末、オリックスのゴルフ運営会社は、こんな文書を送付した。
 オリックスグループのゴルフ場の会員権を取得するのに、金融会社のオリックスがローンの取り扱いをしないというのだから驚きである。

 また、今年に入って、富士OGMゴルフクラブ市原コースの会員に運営会社のオリックス・ゴルフ・マネジメントは、「退会制度のご案内」を配布、会員の顰蹙を買った。
 会員権相場の立っているゴルフ場なのに、価値を下げるような「退会制度」を設けるのは不可解で、「ゴルフ事業撤退説」も流れている。

 いずれにせよオリックスが踏み出しているのは縮小均衡路線。宮内商法批判は薄らいでも、それに代わる成長戦略を描けず、過去を清算しないまま縮小戦略に取りかかっているのだとしたら、オリックスの将来は危うい。【伯】

1兆円官製ファンド「産業革新機構」の役割は大型プロジェクトへの政府補填!?



「産業革新機構」という名の官民投資ファンドがある。
 改正産業再生法に基づき、昨年7月に設立された株式会社。政府が820億円、民間企業19社が100億円を出資、金融機関から資金調達をする場合、8000億円の政府保証をつけられるというから1兆円近い官製ファンドである。

 これだけの巨艦ファンドながら一般にほとんど知られていないのは、設立されて8ヵ月が経過しても、投資実績がないからである。

 立ち上げたのは経済産業省。一昨年9月のリーマンショックで金融市場が凍りつき、大企業も資金繰りに苦しむなかで、財務省は日本政策投資銀行を軸に危機対応、「官庁のなかの官庁」としての威信を、久々に見せつけた。

 対抗するように企業支援に乗り出したのが経産省で、産業再生法を改正、地方の企業を再生させるという思惑で企業再生支援機構を、先端技術を持つ研究機関やベンチャー向け、あるいは大企業の事業再編のために産業革新機構を立ち上げた。

 地方の企業向けのはずが、日本航空やウィルコムを“国策”で担わされることになった企業再生支援機構のことは、ここでは問わない。
 ただ、世界をリードする先端技術開発のために、あるいは新技術をもとに大きく事業展開するために、リスクマネーを投じるハズの産業革新機構が、当面、巨大プロジェクトに資金補てんする役割を担っていることは指摘すべきだろう。

 産業革新機構の名が、初めて登場したのは仏原子力大手アレバの送配電・配電機器部門の売却をめぐる入札に、東芝などと共に入札したことだった。
 応札額は約45億ユーロ(約6000億円)と最高額だったが、アレバは仏国内企業を優先、東芝・産業革新機構などの連合は敗れた。

 東芝は、産業革新機構の株主ではなかったが、応札の直前に出資、「出資する大企業に(価格の)下駄を履かせるだけの組織か」と、その役割に疑問を呈する声があがった。

 それも束の間、2月27日、『日本経済新聞』は、「原発受注へ官民新会社」と、一面で大きく報じた。
 政府は、民間企業と共同で海外の原発受注のための新会社を設立、東電、関電、東芝、日立製作所、三菱重工などが出資、政府分は産業革新機構からの出資を検討しているという。

 結局、大企業の国際競争力を高めるために政府のカネを使うというだけの話で、それならば政府の融資制度を勘案すればいい。
 つまるところ株式会社化した官製ファンドは、官僚が編み出した新手の補助金に過ぎない。

 そこには、産業を革新する先端的技術、新産業を生み出す大胆な取り組み、失敗を恐れぬベンチャースピリッツはなく、株式会社を装って、政府資金が大型プロジェクトに向けて流れ出すだけだ。
 また、そこに本質的な問題があるのだが、同社には年収2000万円前後の高給取りがごろごろいて、天下りの受け皿にもなっている。どこにも存在意義はない組織。これこそ「事業仕分け」をすべきだろう。【潤】

『未公開株詐欺追及班・編集会議を生中継』(7)


怒りマーク出席者=A(週刊誌記者)、B(証券会社現役営業マン)、C(投資コンサルタント)

B「多くの本誌読者の方から『逮捕はまだか?』と催促されている(笑)『ドーマー未公開株販売詐欺事件』について、関係者の間で『近々に動きがあるようだ』との声が、門外漢の私の耳にも入って来ました」

A「当局の人事異動もあらかた終わったし、新年度早々に何らかのアクションがあるやに私も聞いている」

B「とすると、『ドーマー』(長野県上田市)の塚原菊一社長はもちろん、もうひとつの『ドーマー』(登記上は東京都中央区、表札はドーマー株式公開準備室)の幹部社員も軒並みアウトですよね」

C「これまで何度も名前が出てきた冨地義信が事実上の指揮を執っていた株式公開準備室には、最盛期で40名近くの販売員が在籍していたようだから、全員となると社会面トップを飾るに値する相当に大掛かりな逮捕になるのではないかな」

B「とすると、『ドーマー』の次に販売していた『カイロンエンプロリーデ』(当時)や『インパルスジャパン』にも波及しますね」

A「当然だろうな。同じ事務所で看板と電話番号だけをコロコロ変えて、詐欺トークを連発して販売している人間も同じ。要するに“なりすまし詐欺”=“振り込め詐欺”だな。電話を架けている方は、てっきり別会社に電話していると思っているのに、受ける方は同じ人間というのだから滑稽だ」

B「マンガみたいなトリックですが、つまり同じ事務所の同じ人間が、架かって来る電話ごとに『はい、ドーマーです』、『はい、インパルスジャパンです』と応対を変えている?」

A「そういうことや。複数の株券発行会社の電話が常時、同じ事務所に“同居”しとると考えたら分かりやすいだろう」

B「ルームシェアならぬ“テレホンシェア”というわけですね(笑)。うっかりすると、たとえば『ドーマー』に架かってきた電話に、『インパルスジャパンです』なんて間違って出たりして(笑)。でも、販売事務所の住所はどうするんですか?電話番号はともかく、住所が同じではマズイのでは?」

C「転送電話を使うんや。公開準備室の住所なんて知り合いのボロアパートでも、何でもエエ。そこに電話を引いて、そこから販売事務所に転送をかけるわけや。郵便物も転居届を郵便局に出しておけば転送してくれる。『ドーマー』なんか、冨地の知り合いが住む新大久保(新宿区)のマンションを“中継地点”にしとるよ」

B「被害者が直接、会社案内書にある販売会社に足を運ばない限りバレないようにしているわけですね。でも、Cさんは大久保なんて、よくご存知ですね?どこからの情報ですか?」

C「それはヒ・ミ・ツ(笑)。…警察をナメたらアカンぜよ(笑)」

B「ところで、Aさんが提供してくれた今回の写真の人物は誰ですか?塚原の写真は何度も見てますけど、この2人は誰ですか?」

A「それもナ・イ・ショなんちゃって(笑)。…さあ、誰でしょうか?」(以下次号)

大鶴基成・東京地検次席の誕生で決まった小沢一郎民主党代表への捜査継続!?


 3月1日付けで東京地検次席検事に就任した大鶴基成検事は、東大法学部卒のエリートながら、泥臭い捜査を繰り返す現場派として知られている。

 どこでもいつでも家宅捜索を入れるので有名。これまでに数々の“大鶴乱射事件”を引き起こしてきた。
 通常、家宅捜索は、事件に密接な関わりを持っているのに捜査に非協力的で、証拠隠滅や被疑者との「口裏合わせ」を行う可能性があるなど、一定の条件がなければ行わなかった。
 資料はもちろん、名刺や手帳類に至るまで持ち出すのだから日常の業務に支障をきたすのは自明。そこで地検特捜部は、事件との関係が濃いと認定するまで家宅捜索を控えてきた。
 だが、前々特捜部長だった「大鶴時代」からその概念は変わった。手当たりしだいにガサをかけるのである。

 今年になって再開された小沢一郎民主党幹事長に絡む政治資金規正法違反事件がそうだった。
 元秘書の石川知裕代議士の逮捕(1月15日)に合わせ鹿島本社を家宅捜索。それまで1年以上を捜査に費やし、鹿島首脳や東北談合に関係する幹部社員を読んで、何度も聴取を重ねてきたのに、「敗色濃厚となってからのガサに何の意味があるのか」という声が、普段は“応援団”となるマスコミの司法担当記者の間からもあがった。

 その疑問を解くカギが、大鶴次席の次の言葉に表れている。
「そもそも不当に利益を貪ろうという人たちは、摘発されないように巧妙な仕組みを作っているのですから、多少の困難を前にして捜査を諦めたのでは彼らの思うつぼです」
 今回の事件について述べたものではなく、検事志望の司法修習生に向けた言葉ではあるが、大鶴次席の捜査姿勢を示す。「巨悪」の化けの皮を剥がすためには、何でもやるという覚悟でもある。

 地検次席というポジションは、特捜部長のような現場指揮官ではないが、捜査現場の長い大鶴次席の指示は、特捜捜査に影響を及ぼすのは間違いない。
 となると、「私にやらせて欲しい」と、地検次席への就任を望んだ大鶴検事に、その意向通りのポストを与えた「法務・検察の意図」は明白である。

「小沢捜査」の続行――。
 もちろん石川事件の「小沢不起訴」が証明するように、証拠がなければ摘発はできない。
 しかし、端緒があれば捜査はできる。
 大鶴次席にとって、政治資金でマンションを買い、政党交付金を“横取り”した小沢幹事長は、「不当に利益を貪ろうとした人」である。捜査を諦めてはならないし、その大鶴次席を誕生させた検察首脳には、「小沢の逆襲」を許してはならないという思いがある。両者の思惑が噛み合って大鶴次席は誕生した。
 
 検事総長、高検検事長、地検検事正、特捜部長、副部長といった「小沢捜査」の縦ラインは、今夏までにすべて異動する。
 それだけに大鶴地検次席の誕生は、小沢捜査再開への新たな“布石”と読むこともできそうである。【伯】

仕手本尊のワシントンG・河野博晶容疑者を証券監視委が徹底追及する理由!

 ゴルフ場運営を中心に、「A・Cホールディングス」、「テークスグループ」といった上場企業を傘下に抱えるワシントングループ社主の河野博晶容疑者が、「テークスグループ」の増資に絡んでインサイダー取引を行ったとして、さる2月25日、大阪地検刑事部に逮捕された。

 河野容疑者の逮捕はこれで3度目。最初は通帳詐欺という別件逮捕で、次に“本線”のユニオンホールディングスの株価操縦事件での逮捕となった。
 ここまでの捜査は大阪府警が担って、今回、捜査は地検に受け継がれたわけだが、3件の背後には、河野容疑者を野放しにはできないという証券取引等監視委員会(証取委)の強い意欲があった。

 証取委幹部が率直に述べる。
「今回、たくさんの人間を逮捕しましたが、狙いは河野ひとりです。証券市場を腐敗させる業績不振企業を舞台にしたマネーゲーム。その最大のカネ主が河野だったのです」

 経済成長期の仕手戦は、善くも悪しくも華やかだった。
 加藤繊中江滋樹、小谷光浩といった大物仕手が、仕手株好きの投資家を巻き込んで、数百億、場合によっては1000億円を超える規模のカネをぶち込んで既存秩序に戦いを挑んだ。
 裏切りと愛憎に政治家や暴力団が絡むドラマの末に仕手戦は終結したが、“欲望の発露”が証券市場だとすれば、資本主義の必要悪ということもできた。

 だが、現在の仕手戦は、悲しいほどにしみったれている
 “ボロ株”にとりついて経営陣を抱き込み、好業績を装う材料を出させ、わずかな株価の移動で儲けようとする。数十億円を注ぎ込んで数億円を手にするみみっちい世界である。
 ただ、これだと捜査当局やマスコミの糾弾を避けられるということで、“ハイエナ”や“ハゲタカ”に例えられる金融ブローカーが、死に体の企業を求めて市場を徘徊していた。

 しかし捜査当局が放置している間に、この分野に暴力団系の企業や「共生者」と呼ばれる暴力団周辺者がはびこるようになり、手をこまぬいていられない証取委は、数年前から問題企業の問題人物を検察や警察と連動して連続摘発、「増資マフィア」、「資本のハイエナ」は壊滅状態である。

 だが、“みみっちい仕手戦”は終わらない。それはマフィアやハイエナの背後に隠れて資金を提供、勝負をさせるカネ主がいるからで、その筆頭にして“駆け込み寺的存在”が河野容疑者だった。そこで証取委は、「カネ主を断つ作戦」に切り替え、河野容疑者を追った。

 株担保融資を行っているだけだと主張する河野容疑者を突き崩すには、大株主の立場を利用したインサイダー取引を、河野容疑者の指示に従って、河野容疑者が実質支配する証券口座から行われていることを証明しなければならない。
 その面倒な作業を、総力をあげて実行。3度の逮捕は、現在、67歳の河野容疑者に復活不能なダメージを与えた。

 一世を風靡した株式市場を舞台にしたマネーゲームは、こうして演者もスポンサーも不在のまま、最期を迎えようとしている。【悌】

『未公開株詐欺追及班・編集会議を生中継』(6)

怒りマーク出席者=A(週刊誌記者)、B(証券会社現役営業マン)、C(投資コンサルタント)

B「福島瑞穂・消費者担当相の号令一下、警視庁をはじめ、静岡県警、埼玉県警など捜査当局による『未公開株詐欺撲滅作戦』が急ピッチで進んでいます」

A「てっきり“普天間基地移転担当相”と思っていたが(笑)、やっと消費者保護という所管通りの仕事をしたわけだ。遅きに失した感は否めないが、既に“社会の敵”と認定された彼らに逃げ場はない」

C「被害者の声が国民生活相談センターで止まっている段階で、反省、改悛の情を示して廃業していればいいものを、警察庁に金融庁までが乗り出してきては、もう完全にアウトだな」

A「『過ぎたるは及ばざるが如し』…空気を読めないバカは塀の中で頭を冷やすしかない」

B「塀の中といえば、『イー・マーケティング』株の販売で脱税と詐欺に問われて逮捕、起訴、公判中の小菅孝吉、田村貴男らに検察側は懲役7年を求刑したそうです」

C「ほう、7年の求刑か。小菅は、一部の被害者と和解したことで『簡単に保釈も取れたし、執行猶予間違いなし』とはしゃいでいたが、甘いのう。どう軽くても懲役5年は堅いだろう。」

B「現在71歳。控訴、上告で1年。収監されるのが72歳。生きて帰って来れないのでは?」

C「甘いなあ、君も。今回の事件だけでも1000人超。長年にわたって人の生き血を吸ってきた小菅のことや、5年や6年でくたばるタマやないぞ、アイツは」

A「保釈中の現在も行きがけの駄賃とばかりに“相棒”のイワサキ某『大塚製薬』の株券を抱えて走り回っとるよ(笑)」

B「ところで、先日古参の未公開株屋と話をする機会があったのですが、最近はすぐに振込口座が凍結されてしまうとボヤいていました」

C「イの一番にタマリを押さえる!…マルサじゃないが、今や振込口座の凍結は全国の府県警に設置されている金融犯罪対策室の定石になっている。さすがの詐欺師たちも当局の“兵糧攻め”には泡を食っている」

A「金融機関も当局から指示があったら即座に引き出し不能にしてしまう。のこのこと警察に行って凍結解除を要請するのは寒いので、指を加えて泣き寝入りするしかない。とすると、次に考えるのは直接、集金に行くか、振込以外の送金、たとえば宅急便やバイク便と、まるっきり振り込め詐欺と同じ手法にならざるをえないわけだ」

C「そういえば、ドーマー株インパルススジャパン株の詐欺容疑でしっかりと当局の“予定者リスト”入りしている冨地義信が、新たに関係している未公開株詐欺についても警視庁が内偵を開始した!?らしい」

B「エッ!冨地は、自分の尻に火がついているのも知らず、また別の未公開株を売っているのですか?バカだなあ!」

C「その未公開株を販売しているのが冨地だけではなく、他にも何社かあるらしいのだが、各々が28万円だ、50万円だと、好き勝手な値段を付けて販売したことで被害者が騒ぎ出して、それが原因で警察が動き出したらしい」

A「往々にして事件というのは、こういうドジがもとで大きく伸びるものだ」

B「そういえば地場新聞の旧知の記者が、新年度から始まる『未公開株摘発月間』の“トップ引き”として、社名までは分かりませんが、『警視庁でマチマチの値付けで未公開株を売っている悪質販売業者を挙げるらしい』と言ってましたが、まさかその会社では?」(以下次号)

トランスデジタル事件の第二幕で狙われる「増資マフィア」の大物たち!

トランスデジタル社「共生者」が群がった上場企業として、市場関係者や捜査当局には名が知れ渡っていたトランスデジタルが、民事再生法の適用を申請する直前、特定の会社にだけ債権を譲渡していたとして、警視庁組織犯罪対策総務課と捜査2課は、同社社長の後藤幸英容疑者ら6名を民事再生法違反容疑で逮捕した。

企業舎弟」というほど暴力団との関係が明白ではないものの、暴力装置と資金力を使いながら共存共栄にある者を、捜査当局は「共生者」と呼ぶ。その言葉を最初に使ったのは2007年の「警察白書」だが、トランスデジタルはまさにその頃から、資金調達を通じて「共生者」に浸食されていた。

 従って捜査当局の狙いは、代表権を持つ後藤社長や鈴木康平元副社長ではなかった。
 トランスデジタルを実質的に支配する金融ブローカーの黒木正博容疑者、食品販売会社会長の野呂周介容疑者の二人を挙げることに集中、そういう意味で野呂容疑者に借金がある黒木容疑者が、その解消のために破綻直前の08年8月下旬、野呂容疑者の会社に売掛債権を譲渡、その指示が黒木容疑者から出されて鈴木容疑者が実行したという事件構図は、捜査当局の狙い通りだった。

 慶応大学の学生時代から事業に手を染め、ベンチャー経営者として有名になり、マザーズ上場第一号のリキッドオーディオ・ジャパンのオーナーとして知られた黒木容疑者は、リキッド社の事件化とITバブルの崩壊を機に実業の世界から転落、金融ブローカーとして「表」の上場企業・投資家と、「裏」の暴力団・アングラマネーをつなぐ「共生者」となっていた。

 丸石自転車、大盛工業など事件化した上場企業の資金調達と相場操縦に関与、ただ会社経営には表向き関わらず、投資家として自分の名を出すわけでもないので、検察、警察、証券取引等監視委員会の摘発を逃れてきた。
 それだけに警視庁は、「黒木供述」をもとに縦横に事件を伸ばそうと意気込んでいる。

 既に、民事再生法違反の次に、警視庁捜査二課が金融商品取引法違反の見せかけ増資で摘発することを決めている。
 その際、逮捕済みの黒木、野呂の両容疑者はもちろん新株予約権の引受先として傘下企業が名を連ねている永本壹桂氏、傘下の投資事業組合が引受先となっている鬼頭和孝氏の両氏の増資への関与が問題となってきそうだ。

 永本氏は、黒木氏同様、金融業者として“ボロ株の錬金術”には必ず顔を出す大物で、「共生者」の一人であるのは疑いない。
 そのほか広域暴力団との関係が明白なKグループ、Uグループ、Oグループなども増資に関与、「共生者」が群がったトランスデジタルの事件化は、今後の展開によっては残された「増資マフィア」の大物を芋づる式に摘発することになるかも知れない。【潤】

ペイントハウス事件で有罪判決を受けた阪中彰夫氏と黒澤映画との不思議な関係!



 魑魅魍魎がうごめく仕手株の世界で、「阪中彰夫」といえば、野村證券出身でSBIグループの北尾吉孝CEOと同期という出自を持ち、自分自身はアングラ経済に近づかない慎重さで、怪しい金融ブローカーとは一線を画していた。
 本人もその意識は強く、業績不振企業にカネと事業の二つを提供、再生させてきたという自負を持っていた。

 だが、捜査当局からすれば、ボロ株に材料をつけて株価を操る「増資マフィア」のひとりで、その犯罪性をペイントハウスで立証、阪中氏は「無罪」を主張したもののそれは通らず、2月18日、東京地裁は懲役2年6ヵ月、執行猶予4年の判決を言い渡した。

 裁判の結果はどうあれ、阪中氏が証券市場に戻ってくるのは間違いないのだが、同氏はもうひとつやっかいな問題を抱えている。
 傘下のサハダイヤモンドデザインエクスチェンジといった上場企業の増資や融資に絡み、大阪の会社経営者から5億円を騙し取ったとして大阪地検特捜部が捜査着手している。

 その詐欺の材料に、映画の巨匠・黒澤明監督が使われたという。
 デザインエクスチェンジは黒澤明監督の著作権(脚本のリメイク権など)の50%を黒澤プロダクションから取得している。
 それは同社のIR(投資家向け広報)で公開されているのだが、阪中氏は会社経営者を騙す際、「デザインエクスチェンジは自分と監督の長男とで仕切っている会社」というセールストークを使ったという。

 では、黒澤プロダクションは利用されただけかといえばそうではなく、苦境にあったのは事実。
「阪中判決」の2日後、黒澤明文化振興財団の黒澤久雄理事長が、佐賀県伊万里市で記者会見、記念会館建設資金として集めた約3億8000万円の寄付金を「使い切ってしまった」と、市議会で認め陳謝した。
 これは、今後、阪中氏が問われている詐欺事件の広がりを感じさせるものだった。

 マザーズに上場するデザインエクスチェンジは、再起をかけて黒澤映画著作権を獲得、コンテンツビジネスを充実させようと目論み、片や黒澤プロダクションは、伊万里市での失敗が象徴しているように、カネになるのならなんでもということで著作権を売り飛ばした。

 その頃、阪中氏は投資環境が冷え込んで、出資者を見つけるのに苦労しており、大阪の会社経営者から様々な名目でカネを引き出していた。
 つまり黒澤プロダクションにもデザインエクスチェンジにも阪中氏にも緊急の資金需要があり、それを08年初め、ファンドへの第三者割当増資で調達した約17億円でしのぐのだが、このファンドの組成者が、“怪しい調達”で話題になることが多い人で「本当に調達できたのだろうか」と、見せかけ増資を疑う声が証券市場にはある。

 事件の進展によっては、「世界のクロサワ」の名を汚すことになる可能性もあるだけに注目が怠れない。【伯】

『未公開株詐欺追及班・編集会議を生中継』(5)



怒りマーク出席者=A(週刊誌記者)、B(証券会社現役営業マン)、C(投資コンサルタント)

B「いやはや、今度はモンゴル・ファンドですよ(嘆)」

C「何だ? モンゴル・ファンドって? 引退した朝青龍が一枚噛んでるのか?」

B「いくら品格に問題のあった元横綱でも、こんなミエミエの詐欺はやりませんよ。19日に警視庁生活経済課が、金融商品取引法違反(無登録営業)で家宅捜索を入れた詐欺会社=東京プリンシパル・セキュリティーズ・ホールディングス(江戸川区)が売っていた商品名ですよ」

A「それで集めたカネは本当にモンゴルに投資していたのか?」

B「投資なんかするはずないじゃないですか! みんな戴きシャンメンですよ(笑)。約100人の被害者のほとんどは年寄りで被害額は軽く5億円を超えているそうです」

C「酷いなあ、年寄りの虎の子を5億もかっぱらうなんて!良い死に方をしないぞ」

A「インチキ未公開株にインチキ社債、インチキ転換社債、そしてインチキファンド。よくもまあ、次から次へとワル知恵が浮かぶもんだな」

B「まさに『浜の真砂は尽きるとも〜』ですね」

C「ドーマーの塚原菊一の相棒=冨地義信が売っていたインパルス・ジャパン〈江東区〉は、ネズミ講スタイルでフランチャイズ方式の代理店を募集。加盟料を徴収したうえに、更にその代理店に株券を売るというんだから二重の詐欺会社だ

A「代理店に自社株を売ることで、『不特定多数』に売っていないという小手先のアリバイ作りなんだろうが、そもそもが上場のメドもアテもないのに、どう言い繕ったところで詐欺は詐欺。手口を少しばかり複雑にしただけのことじゃないか」

B「ところで、日本証券業協会が未公開株専門の相談窓口を設置したのを機に、消費者庁、金融庁、警察庁が連携。振り込め詐欺と同種の詐欺事件として撲滅に本腰を入れることになりました。これには区役所や公民館、病院、金融機関、さらには防犯協会、自治会までが参加。ポスターなどで大々的に啓発運動を展開するそうです」

C「遅きに失した感はあるが、これで詐欺師は“皆殺し”だろう」

B「となるとドーマーの摘発も時間の問題ですね?」

C「ドーマーはもちろんだが、カイロンエンプロデ―テ、インパルスジャパンなど塚原と冨地が販売した銘柄は完全に当局の“射程圏”に入っている。確認できただけでも7人の被害者の事情聴取が終了。家宅捜索と同時に逮捕ということになりそうだ」

B「関係する会社が多いだけに、逮捕者の数もさぞかし…」

C「実行犯はもちろん、発行会社の役員も入るだろうから2桁は堅いだろうし、マスコミの扱いもそこそこ大きいんじゃないかな」(以下次号)


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