TV各局はジャニーズに萎縮…「草事件」めぐるメディアの呆れた舞台裏!

 東京・赤坂の公園で全裸になったとして公然わいせつ容疑で逮捕され、不起訴(起訴猶予)となった人気アイドルグループSMAPの草剛さんが5月29日、フジテレビ系の「笑っていいとも!」で芸能活動復帰を果たした。バラエティー番組に似つかわしくない黒いジャケットにネクタイ姿。ややこわばった表情で頭を下げ、観客の大きな拍手を受けた。
 復帰の是非や時期について議論する気はない。一連の騒ぎで明らかになったのは日本のメディアの「平和」な風景だ。公然わいせつと言うと仰々しい感じはするが、要は酔っぱらいの悪ふざけレベル。都心とはいえ、午前3時の公園に「被害者らしい被害者」がいるとも思えない。
 にもかかわらず、朝日、毎日、読売の全国紙3紙は4月23日の逮捕を夕刊1面で報道。東京新聞にいたっては1面トップで伝えたが、5日後になって朝刊の看板記事である「こちら特報部」で“自己批判”。反省しないよりはマシだが、何とも締まらない。
 「外部から取材を受けると後づけで『社会的に影響力のある“公人”であることを考慮した』などと答えるのでしょうが、実際の現場でそんなことを考える余裕はありません。『騒がないより騒いでおいた方がいい』という程度で、逮捕や自宅の家宅捜索が妥当だったのかなど、社会部的な視点が欠如していると言われても仕方がない」(全国紙社会部記者)。
 つまるところ、新聞の社会面がテレビ化、2ちゃんねる化しているのが実情と言っても過言ではない体たらくなのである。
 また、報道に過剰反応して、横並びでCM放送の中止を決めたスポンサー企業も、メディアの“狂騒”が終わると、すぐに放送を再開。見事なまでに定見のなさを露呈した。
 それよりも、今回の騒動で浮き彫りになったのは、ジャニーズ事務所のように多くの人気タレントを抱える大手芸能事務所の「影響力」だ。一部女性誌で報じられたが、関係者によると、同事務所ともっとも関係が深いと言われる民放では、いち早く逮捕の情報をキャッチしたものの、テロップを流そうとした矢先に「編成」からストップがかかったという。結局は別の民放が報じたことから一気に報道は過熱したが、少しでも先行することは避けたかったというのが本音だろう。
 別の民放でも、社内で「あまり騒がないように」「煽るのはやめよう」という声が自然と上がったという。「テレビ局は、今回のような芸能事務所だけでなく、スポンサー企業の影響も常に受けています。だけど、実際に“タブー”と言われるものはそんなに多くありません。ジャニーズ事務所は数少ない例外のひとつです」(民放記者)。
 一方、別の民放記者は「実はうちの社ではジャニーズタブーはあまりありません。経営の状況によっても“媚びる”度合いは変わるようです」と話す。
 「貧すれば鈍す」…いずれにしてもジャニーズ事務所のタレントが出演する「ドル箱」番組を抱えていれば萎縮するのも仕方がないのかもしれないが、これでは日頃の“正論”は何処へやら?…マスコミ失格と批判されても已むを得ない。
 もうひとつの問題点は、こうしたテレビ局と大手芸能事務所との関係について全国紙などが関心を示さないことだ。「所詮は芸能話ということでしょうが、言論・報道の問題であることに変わりはないはずです。もっと真摯に議論すべきだと思います」(全国紙記者)【海老蔵】

指標銘柄「ダヴィンチ」にXデー到来で不動産ファンド最終章

ダヴィンチHD
 小柄な体に闘志を漲らせ、強気の相場を語り続けていた男が、すっかりアク抜けしてしまい、犬の話題しかしないのだという。
 無類の愛犬家として知られ、会社設立時の飼い犬の名が「レオナルド」。…だから社名に「ダヴィンチ(ホールディングス)」とつけたというのだから人を食っている。
 純粋日本人ながら日本嫌い。論理的でなく情緒的な風土に嫌気がさし、15歳で米国に留学、そのまま住み着いて不動産流動化を学び、1998年の「日本不動産の底」を、「買い場」と信じて帰国、会社を設立した。
 米国の知人が「サム金子」と呼ぶ金子修氏は、証券化がもたらす不動産マジックを信じて疑わず、買いまくった。04年に運用を開始した不動産ファンドのムーンコインが4000億円、06年のカドべが1兆円。不動産ファンドブームを映したこの資金力で、金子氏は新宿マインズタワー(買収金額1000億円)、国際赤坂ビル(1000億円)、パシフィックセンチュリープレイス丸の内(オフィス部分のみで2000億円)、芝パークビル(1420億円)を買収、不動産関係者の度肝を抜いた。
 だが、今や「宴の後」である。
 地価の暴落は、75%前後のノンリコースローン部分を侵しており、大半の金融機関はリファイナンス(債務の借り換え)に応じないから、金子氏は、「デフォルト(債務不履行)するしかない」と、開き直っている。
 単にファンドを組成していただけならダヴィンチは信用を失うだけで済むが、これまでに稼いだカネを、約25%の資本(エクイティ)に突っ込んでおり、暴落で資産評価はゼロとなって債務超過は避けられない。また、ひとつがデフォルトすれば、金融機関は雪崩を打って回収に入り、資金繰り破綻に追い込まれる。もしくは、債務超過で上場廃止は免れない。
 不動産をローンとエクイティに分け、ローンを証券化、残るエクイティの投資家には20%、30%の利回りを保証する不動産マジックを日本に広めた金子氏は、エクイティもローンも巨額損失を被るような大恐慌を想定していなかった。金子氏ひとりの責任ではないが、みんなが弱気になっても逆バリで攻めたのだから、責任は重い。
 当面の危機は、芝パークビルがリファイナンスを迎える6月末。それをクリアしても次の大型案件が控えており、「デフォルト発言」をした金子氏は、既に「倒産やむなし」と、覚悟を固めたのだろう。不動産ファンドの先駆けとなった「サム金子」に、最終章が近づいている。【智】

五味前長官の存在がネックで金融庁の対応が甘いという日本振興銀行の行く末

日本興行銀行本社

 日本振興銀行(振興銀)が元気だ。
 この一年で、預金を3倍に増やして4000億円強とし、メガバンクが揃って赤字に苦しんでいるのを尻目に黒字を確保、「週に数店」のペースで支店を出し、「全国100店舗」は目前だ。
 この強気で前のめりの経営は、「金融界の七不思議」である。
 メガバンク幹部が、率直な感想を漏らす。
「高利で集めた預金を商工ローンや消費者ローンなどに卸す、というのが振興銀のビジネスモデルです。その発想は理解できるが、上限金利や過払い請求問題で、外資も含めた金融機関が手を引いた隙間を縫って、振興銀が融資に乗り出した。シェアを上げるのは楽ですが、貸し倒れリスクは高い。その象徴がSFCG。二重譲渡されたローンを回収できなければ、たちまち債務超過です」
 SFCGが二重譲渡したローンは、報道では700億円で振興銀が把握している範囲で200億円弱ということだが、正味の自己資本が200億円しかない振興銀にとっては死活問題のはず。だが、オーナーの木村剛氏は強気で、前述のようにハイピッチで全国展開、「SFCGからは担保を取っているので何の問題もない」と、うそぶいている。
 その強気の裏にあるのが、五味廣文前金融庁長官との親密な関係である。2人に竹中平蔵元金融相を加えた「トライアングル」が、02年からの金融改革を主導、竹中氏は金融相、木村氏は金融庁顧問、五味氏は金融庁監督局長として、銀行を荒療治、再生への道筋をつけた。
 その時、貸し渋りの銀行を批判、「金融維新」と称して振興銀を立ち上げ、04年4月に開業させたのが木村氏で、お手盛り批判は免れず、認可を与えた竹中金融相、五味監督局長は、ともに木村氏に対する「特別扱い」を攻撃された。
 「国が、1000万円までの預金は保証します!」
 NISグループやSFCGなどの出身者を大量雇用、ペイオフ(預金払い戻し)を逆手に取った勧誘を続ける振興銀には、金融庁への苦情が多い。また、二重譲渡のSFCG問題でも金融庁は明確な姿勢を示さない。
 そこには、金融監督をそれまでの護送船団から業界の自治に委ね、金融を組み立て直そうとした「トライアングル」への遠慮が間違いなくある。官僚は先輩の失策をあげつらってはならない…。
 だが、銀行の破綻は国が処理するのであるから、監督機能の強化は当然のこと。折しも金融庁は、5月26日、振興銀に金融検査を通告した。開業以来初めて。金融庁は、予断を持たれないよう徹底的に検査しなくてはならない。【信】

日本一長者の「清原ファンド」が運用資産15分の1に激減で壊滅寸前

 2004年の長者番付で全国トップに躍り出て、鮮烈な印象を残した清原達郎氏が運営する「清原ファンド」が、今や運用資産200億円強にまで縮小、社員の解雇を続けて壊滅の危機を迎えている。
 世の中に、「ファンドマネージャー」という“おいしい仕事”があることを知らしめたのは、清原氏と「村上ファンド」の村上世彰氏の二人だった。彼らにもたらされるのは、年に2%程度の管理料と、利益が出た時の20%前後の成功報酬である。
 扱うのは機関投資家や富裕層の資産。つまり、「人のカネで打つ博打」で、損失は顧客に被せ、勝った時は儲けの一部を手にすることができる。この「リスクゼロ」の勝負師たちに最高の栄誉を与えたのが、04年から05年にかけての右肩上がりの相場で、清原氏は100億円稼いで「日本一長者」になり、村上氏はしこっていたニッポン放送株をライブドアの堀江貴文被告に売って巨利を得た。
 周知のように村上氏は、その時の売買がインサイダー取引にあたるとして有罪判決を受けた。では、マスコミに一度も登場したことのない清原氏は、冷え込んだ相場環境のなか、何をやっていたのか。
 「06年1月のライブドアショック(堀江逮捕で新興市場株が暴落)以降は、打つ手がすべて裏目に出ています。儲けはほとんど自分のファンドに突っ込んでいるから、公私ともに奈落の底。ファンドを維持する資金にも事欠き、投資顧問業から足を洗うかも知れません」(清原氏を知る証券関係者)
 振り返れば清原氏は、小型成長株のブームに乗っただけのファンドマネージャーで、「相場を読む目」を評価されたのではない。
 投資の手法は、小型株を買って(ロング)、大型株を売る(ショート)という「ロングショート」だが、小型株の「成長性を買う」のではなく、スキャンダルの発覚で暴落した時、底値で拾って反発を待つ「逆バリの度胸」で成功を収めただけだった。
 従って、新興市場が暴落したままだと打つ手がない。買っても上がらず、逆に大型株を売ると上がるという悪循環で、ピーク時3500億円に達して断るのに苦労したという「清原ファンド」は、200億円強と15分の1以下で、しかも3分の1近くは自分のカネだから、もはや運営している意味がない。
 会社は、ファンド運営のタワー投資顧問タワー証券の二つがメインだが、クビが相次ぎ社内には沈滞ムードが漂っている。
 会社も相場も展望が見えないなかで清原氏が熱心に取り組んでいるのが不動産投信のJ−REIT。当たれば復活の可能性はあるものの、「清原さんは相場が下手。何をやっても無理」といった辛辣な声が社内に充満しており、一世を風靡した「清原ファンド」は、退場の時期を迎えている。【悌】

三井住友銀詐欺事件の第二幕は行員逮捕と暴力団ルートの解明

三井住友銀行高円寺支店
 「山口組大物幹部とその組の若頭の名前を出して、『お世話になっています』というんです。変わった奴だと思いました」
 三井住友銀行から1億円をだまし取った疑いで逮捕されたコシ・トラスト社長中林明久容疑者(40)とつきあいがあった不動産会社の代表は、暴力団との交際をひけらかす中林容疑者に、不審の念を抱いたという。
 都内の私大を卒業後、野村證券に3年勤めて不動産業界に移り、2000年7月にコシ・トラストを設立した中林容疑者は、最初からヤクザに食い込まれていた。
 警視庁捜査関係者が言う。
「設立時に組んだのが住吉会系の企業舎弟。資本金を出してもらったので、随分、儲けさせた。だが、その人間は自殺。次に入り込んだのは、神奈川県に拠点を置く山口組系暴力団で、元組員が05年7月から1年半、役員に就任していた。そのほか複数の暴力団関係者とつきあっており、相当、食われた」
 暴力団は中林容疑者を食ったが、中林容疑者は三井住友銀行を食った。なにしろ612億円の融資を引き出し、164億円を焦げ付かせている。常人にできる“技”ではない。売上高などの財務データも法人税確定申告書も土地鑑定書もすべて偽造。審査をすり抜けることができたのは、歴代担当行員を取り込んでいたからである。行員らは女や酒食の接待を受け、ホテルやゴルフの請求書をつけ回ししていた。
「本人は風俗が大好き。中国人のホテトル嬢を囲っていたが、ソープランドも好きで、3行員のうち、大学が中林と同じで、もっとも仲が良かった初代担当のHは、ソープ接待を受けていた。他の2人も『毒食らわば皿まで』といったタイプ。接待につけ回し、リベートまで受けとっていた」(コシ社元幹部)
 三井住友銀が、コシ・トラストの紹介案件に、湯水のようにカネを注ぎ込んでいた02年から07年は、不動産がミニバブルの状態となっていた時期である。
 タガの外れた行員が、業者に取り込まれて過剰融資、そこに暴力団が絡むという構図は、イトマン事件、富士・東海銀事件、尾上縫事件、東京佐川急便事件といったバブル犯罪と変わるところがない。焦げ付き164億円は凄いが、バブル期に比べるとひと桁少なく、それがミニバブルの所以だろう。
 行員は事件への関与を否定、銀行は組織ぐるみという報道を恐れ、暴力団へ流れたカネの行方は曖昧模糊としている。
 このあたりもバブル犯罪と同じだが、警視庁捜査二課組織犯罪対策四課は徹底解明の方針を固めており、逮捕した中林容疑者らを徹底的に締め上げ、第二幕で行員と暴力団関係者らに捜査を延ばし、612億円を食った連中を逃さない方針だ。【伯】

“政争の具”と化した小沢氏秘書の政治資金規正法違反事件

 小沢一郎民主党前代表秘書の政治資金規正法違反事件は、小沢氏の辞任を受けた民主党の支持率アップで落ち着いたかのように見えるが、解散総選挙を前に“政争の具”と化してしまったようだ。
 小沢氏の公設第一秘書で資金管理団体「陸山会」の会計責任者、大久保隆規被告は21日に初めて保釈を請求、近く釈放される見通し。ここで注目されるのが初公判の日程だ。選挙直前に期日が入れば、国民はあらためて事件を思い起こすことになり、選挙に影響を与えるのは必至だからだ。
 「弁護側はもちろん、検察当局も公判への影響を避けたいのは同じ。できれば選挙後に期日を入れたいのは間違いない」(法曹関係者)。ただ、これだけは裁判所の判断だけに、いまだ不透明な状況だ。
 大久保被告の起訴後、永田町では「初公判は6月中旬に決まった」などとする「情報」がまことしやかにささやかれ、最近に至っては「検察側の冒頭陳述で驚くべき事実が明らかになる」などとの話も漏れ聞こえてくる。意図的に流された情報とみるのは勘繰りすぎだろうか。
 むしろ、東京地検特捜部は小沢氏側の「悪質性」を立証するのに必死なのが現状だ。西松建設がつくったダミーの政治団体は、小沢氏以外にも森喜朗元首相や尾身幸次元財務相の資金管理団体などにも献金していた。「大久保被告の起訴後にも、たびたび大手ゼネコンの元幹部らから事情聴取し、大型公共工事での談合の存在や小沢氏側の関与について追及しています。ほかの政治家との違いを浮き立たせるためと思われます」(ゼネコン関係者)
 だが、相手は談合を仕切っていた海千山千の「業務屋」たち。思うような供述が取れていないようだ。冒頭陳述で「驚くべき事実」が明かされる可能性は低いと言える。
 一方、西松側から二階俊博経産相側への献金について、大阪の市民団体は政治資金規正法違反容疑で会計責任者らを東京地検に告発。この団体は「共産党系」とされ、森元首相や尾身元財務相側の追加告発も検討しているという。
 まさに「パンドラの箱」が開いた様相だが、特捜部にとってはこちらの処分も悩ましい課題になるだろう。【鯛】

オリックス、JAL、パイオニア……総選挙後に先送りされた「倒産予備軍」の命運

 日本は、自由主義経済体制であることを棚上げ、政府管理の資本主義に緊急避難している。オリックス、JAL、パイオニア、エルピーダメモリ、日産、マツダなど政府支援で生かされている企業は少なくない。
 恐慌に国家が立ち上がるのは自明だが、民間企業が政府に救いを求めるのは屈辱以外のなにものでもない。オリックスがそうである。日本政策投資銀行(政投銀)の危機対応融資を、既に数百億円規模で受け、銀行保有のCP(コマーシャルペーパー)は、日本銀行が買い取りを始め、さらに5月6日には「1000億円規模で危機対応融資を申請」と、日本経済新聞が報じた。
 オリックスはこの報道を否定、さらにもっと踏み込んで「5月8日に宮内義彦CEOが、政投銀の藤井秀人副社長(元財務事務次官)のもとを訪れ、2000億円の投融資を求めた」と報じた経済月刊誌の『FACTA』(09年5月20日発売号)を、民事提訴した。
 オリックスが神経質になるのもわかる。宮内CEOは、規制改革・民間開放推進会議議長として、小さな政府を主導、民間の立場から「規制緩和」「構造改革」の旗を振った人である。農業、医療、タクシー、理容など規制緩和された事業をすぐにビジネス化したことから「政商」とヤユされたこともある。
 宮内氏はそれが不満だった。政治の関与をできるだけ少なくして、民間活力で日本を再生することが自分の使命と考えていたからである。だが、その「規制緩和の人」が、なりふり構っていられない。有利子負債は5兆3000億円近く、しかもその過半は不動産融資で、国の支援を受けなければたちまち資金繰りに窮する。
 オリックスだけではない。JALは形だけのリストラに応じて2000億円の政投銀と民間銀の協調融資を受けようとしているし、パイオニアは再生資金として300億円を受けながら、それは退職金に消えてしまう。
 独立独歩の気概を忘れた企業が、政投銀の20兆円投融資枠、保証協会やセーフィティネットの30兆円融資枠に群がり、「盛者必衰」「優勝劣敗」の法則を免れ、その結果、国家財政はますます窮地に陥っている。
 「100年に一度の恐慌」が、政府出動の“言い訳”だが、実は総選挙までの暫定措置。そこから先、生命維持装置をつけられた企業を「生かすか殺すか」の決断に迫られる。
 潰せば規律は保たれるが、連鎖倒産の恐怖に怯えなければならず、生かせば国債の大量発行、将来の円の大暴落という形で国民は資産を失う。
 進むも地獄、引くも地獄――。そこに日本を引きずりこみながら、涼しい顔でトップに居座り、国から恥ずかしげもなく投融資を受ける経営者たち・・・。彼らへの批判が燃え上がるのは時間の問題である。【駿】

特捜部が迫る史上最大383億円「M&A脱税」の衝撃度

 売値が500億円の会社を883億円で購入、一瞬にして仲介したファンドが、383億円を抜き、一部を申告していなかったという「M&A脱税」の国税調査が大詰めを迎え、これを受けた東京地検特捜部が、近く捜査着手する見通しになった。
 案件は、旧グッドウィル・グループ(現ラディアホールディングス)折口雅博元会長が、「介護と人材派遣の雄」としてピークを迎えていた頃に行った人材派遣最大手・クリスタルグループの買収である。
 383億円の“あぶく銭”を手にしたのは、買収ファンド運営会社・コリンシアンパートナーズ元代表で公認会計士の中澤秀夫氏、空手の極真会館で代表を務める松井章圭氏、企業集団・UA(ユナイテッドエイジア)グループを率いる緋田将士氏である。
 2006年10月にM&Aが行われ、巨額資金を握った3氏の使いっぷりは、呆れるほど豪快だった。
「銀座や六本木で豪遊、タニマチとして芸能人に札ビラを切ったし、国内外の不動産に投資、有望な実業家には出資、群がる女たちを拒まなかった」(中澤氏の知人)
 カネの流れはシンプルである。
「日本一の人材派遣業」を目指していた折口氏は、売上高5000億円のクリスタルグループが、林純一オーナーの体調不良で売りに出されていることを、松井、緋田の両氏から聞くと、すぐにみずほ銀行と交渉して資金を用意、883億円を投じて67%の株式を取得した。折口氏の高値購入の背景は不明。金銭的なバックを含む“約束事”があれば、それは脱税とは別の事件になる。
 383億円の内訳は、経費を主張した中澤氏が183億円を取り、松井、緋田の両氏が各100億円。東京国税局はこのうち、ファンドを主宰する中澤氏の経費処理や資金使途に問題があるとして、昨年10月、強制調査に踏み切っている。
 383億円という金額もさることながら、資金使途のなかには投資案件が多く、それが政界や暴力団に流れた可能性があり、特捜部の捜査によっては、大きく展開しそうだ。
「中澤は、千年の杜(東邦グローバルアソシエイツ)、トランスデジタル、ビービーネットといった上場企業に出資、一時的に傘下に収めた。例えば、千年の杜のロシア事業で宣伝役を務めた久間章生元防衛相、同じく千年の杜の上場廃止をめぐって金融庁幹部を紹介した中川秀直元幹事長の元秘書に、金銭的な問題はないのか。あるいは、相場を通じて暴力団の資金源となっている企業もあり、そういったルートについても厳しく調べることになる」(検察関係者)
 前代未聞の巨額脱税事件となるのは必至。政治家や暴力団周辺者に加えて芸能人など思わぬ著名人も登場、賑やかな報道合戦が展開されそうだ。【伯】

倒産寸前のJALで西松社長を盾に使う岸田副社長一派の深慮遠謀

 日本航空(JAL)が、相変わらず、倒産寸前の綱渡りのような経営を続けている。
 昨年3月、金融機関など15社に優先株を発行して1350億円を調達、「年間60億円を配当します!」と、西松遥社長は見えを切ったが、09年3月期は下方修正を続けて630億円もの赤字に転落、初年度から約束を果たせず、これで金融機関からの資金調達の道は閉ざされた。
 結局、頼るところは国で、西松社長は国交省に泣きついて財務省への橋渡しを頼み、勝栄二郎官房長が事実上の「社長」といわれる日本政策投資銀行から約2000億円の融資の約束を取り付けるのに成功、民事再生法申請という最悪の事態は免れた。
 西松氏は徳な人である。再生への期待を裏切り続け、増資や調達の際の約束は何ひとつ果たさないのに、責任論が出てこない。財務畑出身でしがらみがなくJAL利権に無縁。昨年には「年収960万円でバス通勤する」という清貧ぶりが米CNNに流され、高い評価を得たこともあって、「政官」も金融機関も責任を問いにくい。
 この据わりの良さを利用、西松氏を盾に自分たちの権益を確保、待遇を守ろうとしているのが岸田清副社長をはじめとするJAL最大派閥である。パイロット出身の岸田氏は、機長組合、乗員組合などに顔が利き、経営企画、運行、経理、調達、客室など枢要部分は岸田派の役員で占めている。
 3年前の内紛で、「4人組」といわれた岸田派は当時の新町敏行社長に反旗を翻し、一時、冷や飯を食ったものの、完全に復活、役員会を牛耳る。一匹狼の西松社長のクビをすげ替えることは可能だが、国の監視が強まり、一層のリストラ要求が予想されるため、彼らの頭のなかには、国やマスコミの批判をかわしつつ、現在の高給与、高待遇、高保障をいかに維持するかしかない。
 それには受けのいい西松社長体制を継続、イザという時の詰め腹を西松氏に切らせ、その後継を岸田氏でワンポイントつないで、T、O、Kといった守旧派の“仲間”で回したいというのが彼らの本音である。
 岸田氏がワンポイントなのは、会社謄本上の住所は静岡県伊東市ながら、そこには帰宅せず、会社にも居場所を隠して都内高級マンションを転々、「火宅の人」を続けているからだという。そんな人が最大派閥を率いるJALに、自主再生など望むべくもあるまい。【伯】

SFCGにローン債権を二重売買された日本振興銀行の経営危機

 保証人を取ったうえでの強気の貸し付けと情け容赦のないシビアな回収で、「ザ・カネ貸し」の代表として君臨した大島健伸前SFCG社長は、昨年秋以降の金融断末魔に、完全に常軌を逸していた。
 「恥知らず」はカネ貸しにとっての褒め言葉だが、ここまで徹底すると怖いし、なによりSFCGの関係者が、「どんなに厳しいことを言っても筋が通っていたのに、今回は錯乱状態だった」とまでいう。
 それはそうだろう。2670億円相当の債権や株などの資産が、破綻直前の4ヶ月間に大島氏の親族会社などに無償や格安で譲渡、特別背任、民事再生詐欺など数々の罪に問われるのは確実で、「すべて立件されれば、無期懲役(15年)並の実刑判決になるのではないか」(司法関係者)と、言われている。
 最大の被害者は日本振興銀行だ。新銀行として新銀行東京とともにビジネスモデルを探しあぐねていたが、商工ローンと消費者金融への「卸し金融」の道を見つけたことで、飛躍的発展を遂げる。09年3月期見通しは、預金残高が4024億円、貸出残高3134億円で、経常収支は29億円の黒字だった。
 メガバンクが軒並み大赤字を記録するなかこの業績見通しは凄いが、SFCGからのローン債権買取残が930億円あり、そのうち同行のサンプリング調査の結果で2割、経済誌の報道では700億円近くが二重譲渡されているというのに、引当金をまったく積まずに業績予想を発表しているのが不可解だ。
 実際、二重譲渡の際の優先権は、日興シティ信託、新生信託など証券化した信託銀行にあるという。しかも、過払い利息返還請求が発生する可能性もあれば、SFCGの厳しさとしつこさ抜きには回収できないリスクも存在、「十分に担保は取っている」という銀行サイドの発表は甘いというしかない。
 既に金融庁は、庁内に「振興銀行対策班」を設置、もしもの場合に備えている。というのも、日本振興銀行の正味の自己資本は200億円しかなく、SFCG分の引当次第では、債務超過に陥る可能性がある。そうなると、「ペイオフ第一号」が現実味を帯びる。
 日本振興銀行といえば、竹中平蔵元金融相の右腕だった木村剛氏がオーナーを務める。「かんぽの宿」のオリックス問題ではないが、竹中氏の新自由主義路線への反発が強まるなか、財務省・金融庁に敵の多い木村氏の銀行が、金融庁の「指導」で危機を迎える可能性は十分にある。【駿】


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