「既に会社は破産状態なのに1株25万円」…未公開株詐欺会社・ドーマー蠅痢硲悒如次鼻

ドーマー株式会社 株式売出要項

 「未公開株を販売する詐欺師は後を絶たないが、ここまで口から出任せの嘘で固めた会社は珍しい。明らかな振り込め詐欺だ」…捜査関係者を激怒させたドーマー株式会社(本社・長野県上田市、塚原菊一社長)にXデ―が迫っている。

 同社の会社案内によれば、設立は1985年。資本金2億4000万円。役員は塚原社長以下、山内里子常務、木村榮一取締役、牧俊夫監査役の4名。社員は57名。東京支店(港区芝)の他、大阪支店(西淀川区)、さらに中国にも玄米工場(丹東唐門芽米実業有限公司)を有するとある。
 また、国や県と共同の特許権(3件)を保有、01年には食糧庁長官賞を受賞するなど、まさに塚原社長は“玄米に賭ける匠”そのもの。一見する限り、真っ当な企業の印象を受けるが、この案内書のどこが嘘なのか。

 「会社案内に書かれているのは、すべて5年以上も前のこと。本社は家賃が払えず既に移転しているし、東京支店、大阪支店もとっくに追い出されている。現在の資本金もいくらなのか皆目分からないし、役員は塚原以外は全員辞めている。社員もほぼ全員が退社、今は電話番の事務員しかいない。取引銀行(八十二銀行)は、『数億円の焦げ付きで完全にお手上げ』と言うし、あずさ監査法人にも問い合わせたが、『ドーマーのドの字も聞いたことがない。名前を勝手に使われている』との回答。つまるところ、昔はそれなりに隆盛を誇っていた時期もあったのは事実だが、現在は開店休業状態ということだ。そんな“死に体企業”が、こんなチラシ(冒頭の写真)を送り付けて自社株を販売しているんだから、どこから見ても典型的な詐欺事案だ(怒)」(前出の捜査関係者)

 一体、捜査員氏を怒らせたチラシにはどう書かれているのか。
 「売出価格=25万円/1株、上場市場=ジャスダック、上場予定時期=09年春、公募予定価格=40〜45万円、監査法人=あずさ監査法人、幹事証券=未定云々」

 いやはや、ここまで世間を舐めたチラシをバラ撒いては、捜査員氏の怒髪が天を突くのも無理はない。
 既に“破綻状態”にドーマー蠅粒券など、まさしく洟もかめない“紙切れ”。ヒツジか、ヤギならいざ知らず、そんな紙切れを25万円という法外な価格で販売するとは一体、どういう了見なのか。
 次号では、関係者から入手した同社の内部文書とデタラメ決算書を分析、さらには「公開準備室」なる奇妙な小道具会社(東京都中央区所在)を駆使した悪辣極まる“騙しの手口”をレポートする予定である。(以下次号)【甚八郎】

報道も捜査も「のりピー」に移し、「押尾事件」を終息に向かわせたのは誰か!

六本木

 のりピー逮捕で完全に過去の話になったのが、押尾学事件である。
 酒井法子容疑者と押尾学容疑者のタレントとしての格、かつての清純派タレントの覚醒剤逮捕という衝撃性を考えれば、芸能マスコミが、いっせいにのりピー事件を報道するのはわかる。逮捕直後には、各局、30%以上の視聴率を記録した。

 しかし、純粋に事件の持つ深さを考えれば、警察は押尾事件を徹底解明、マスコミは捜査当局の動きを追跡しつつ調査報道すべきだろう。いうまでもないことだが、人がひとり死に、「ワコール」が子会社化した下着メーカー「ピーチ・ジョン」の野口美佳社長が絡み、死亡から通報までに「謎の4時間」があって隠蔽工作が行われ、それを担ったのが、押尾容疑者が所属する「エイベックス・マネジメント」のマネージャーだった。

 ホリエモン吉川ひなのを取り持ったことが象徴するように、野口社長は経済界と芸能界の橋渡し役で、そうして培われた幅広い人脈が「ピーチ・ジョン」を伸ばし、「ワコール」による買収も塚本能交社長との個人的親密さによるものだけに、買収価格が高過ぎるのではないかと疑惑の目が向けられた。

 すぐに救急車を呼ばなかった押尾の鬼畜の所業はさておき、それを処理するのがマネージャーで、それが東証一部に上場する「エイベックス・ホールディングス」の危機管理だとすれば、この会社の“常識”は世間とはかけ離れている。
 「保護責任者遺棄致死罪」という罪名はともかく、死体を放置するのが罪であることは子供にだってわかる。だが、そうまでして押尾とマネージャーが守りたかったのは何なのか。それは押尾のではなく、エイベックスの「体面」「秘密」だろう。

 マネージャーからの通報を受けて動いた「部隊」の正体は明かされていない。ただエイベックスの周辺には、押尾などエイベックスのタレントを支援する遊技機オーナー、大物フィクサー、彼らの意を受けて各種の調整を行う警察OBなど「表」と「裏」の双方に睨みが効く人脈がある。それが機能したことは想像に難くない。

 警察は、当初から押尾事件を小さくまとめようとしている。銀座ホステスの死に「事件性はない」と、最初から決めつけ、「クスリは死んだ女性からもらった」という押尾容疑者の「死人に口なし」の証言を信じるそぶりで、捜査は麻布署に任せて、捜査一課や組織犯罪対策五課といった専門部隊が乗り出す様子はまったくない。

 薬物中毒の夫婦が捕まったに過ぎないのりピー事件に、組対五課が乗り出し、捜査を大きく展開する構えを見せて、マスコミの関心を集めているのとは大きく違う。
 押尾事件の核心は、表面化した「チンピラ押尾」のワルぶりではなく、それを隠蔽せざるを得ない勢力が、さまざまに「ピーチ・ジョン」や「エイベックス」に群がっているところにこそある。【凛】

「鳩山捜査」を「小沢捜査」に続けて本格化させた検察の露骨すぎる「反民主」!?

民主党本部

 「特捜部内に鳩山班ができました。主任検事を置き、4〜5名の検事で鳩山由紀夫民主党代表の政治資金規正法違反容疑を調べています。総選挙後に結論をだすようです」
 こう語るのは、法務・検察の動きを追う全国紙社会部記者である。

 鳩山代表の資金管理団体「友愛政経懇話会」が、政治資金収支報告書に死亡した人の名義を使用するなど「虚偽記載」していた問題は、「鳩山由紀夫を告発する会」と名乗る団体が、7月3日、東京地検に告発状を提出、地検がこれを受理した。

 告発状を受理した以上、捜査着手してもおかしくはないが、わずか30数名の検事しかいない特捜部が、従来の直告一班、直告二班、財政経済班の三班に加え、特別班を編成、鳩山代表を捜査するというのだから異様だ。
 しかも本誌が前号で指摘したように、特捜部直告一班は、小沢一郎前代表の捜査を政治資金規正法違反と脱税の両にらみで継続している。次に政権を握ることが確実な民主党の「前」と「現」の代表を、特捜部の半分を割いて捜査しているのは、民主党への露骨な挑戦状で、「民主党VS検察」の戦いは、総選挙後に泥沼化しそうだ。

 鳩山代表と資金管理団体の会計責任者が、政治資金規正法に違反した疑いは濃い。既に鳩山代表は、2005年以降の4年間で約90人から193件、総額2177万円の虚偽記載があったことを認め、謝罪している。
 それが起訴に相当するかどうかは、「悪質性」で決まり、特捜部が調べるのは、「特定の個人から上限額以上の献金を受け取るために架空の個人献金をでっち上げたのではないか」というもので、具体的にいえば資産家として知られる母・安子さんからの献金だ。

 事実なら「贈与税逃れ」といった問題も浮上するが、そうした表面化している件以外にも、告発対象となっている政策秘書の芳賀大輔氏の実家が北海道の「生コン屋」の株式会社ホッコクで、公共工事に絡むこの会社の経営陣が、例年、個人献金していることについても調べを進めている。

 それにしても最高検察庁の「反民主感情」は露骨だ。ことに樋渡利秋検事総長にその気持ちが強いといわれているが、「法務省」という行政官庁を抱えていることもあって、政権政党との対立は避けたいはずだし、二大政党制が確立するなか、一方に組みしたと見られたくないはずである。それでも「反民主」を掲げるのはなぜか…。

 政権交代にあたり「強さを誇示しておきたい」という説や、最初は強く出るものの、着地は起訴猶予など穏便にまとめて「融和を図る高等戦術」といった見方もある。その当否はともかく、民主党の実力者に「しこりの感情」が残るのだけは間違いなく、民主党政権誕生後、両者がどんな距離感で接するのか、けだし見物である。【伯】

押尾学事件で表面化したファッション業界と芸能界と暴力団とベンチャー経営者の人脈相関図

 合成麻薬のMDMAを使用、連れの女性は全裸で死亡、本人は麻薬取締法違反で逮捕された押尾学事件は、六本木ヒルズ住宅棟の「やり部屋」を貸していたのが、人脈ビジネスで成りあがった下着メーカー・ピーチジョン野口美佳社長だけに、各方面に波紋を広げているが、指摘すべきは、この事件が「セレブ」を気取る“勘違い連中”の歪んだ風俗から発したもので、氷山の一角に過ぎないことだ。

 ファッション界の人間にはセンス、芸能人には華やかさ、ベンチャー経営者にはカネがある。そのワンランク上の意識が彼らに、クスリという違法を共有させる。
 「六本木、麻布、渋谷、恵比寿などに彼らが集まる会員制クラブがあり、オーナーはたいてい上場に成功した若手経営者です。そこには合コン設定係の女衒やパーティーやイベントを仕切らせたら天才的な名物ママがいて、自称セレブを飽きさせない。そこではコカインや合成麻薬が、当たり前のように流通しています」(事情通)

 クスリに芸能界が絡むと、必然のように暴力団関係者が流れ込み、AV女優や銀座・赤坂の高級クラブのホステスも登場する。今回、俳優、女社長、銀座ホステス、六本木ヒルズと画に描いたような風俗が展開したが、その背後には「何百人もの押尾学」がいる。

 そして彼らは、秘密を共有する仲間である。彼らが集まる店ごとに、あるいは例えば野口美佳といった中心メンバーごとに人脈が形成され、それが複雑に入り組んで人脈図となり、そこにクスリという違法がセットとなっているため、警視庁は「芸能班」を組織、「相関図」を作成している。

 例えば、恵比寿のXという会員制クラブには、大物女優からアイドルまでが連日、集まって朝まで騒ぎを繰り返しているが、そこの名物ママは企業経営者に若手女優を紹介、援助交際させることもあれば、最近、話題になったマルチ経営者と個性派女優の結婚のプロデューサーでもあった。

 その合法的空間に、クスリが絡んで怪しい場になるのだが、自称セレブは刺激を我慢できず、みんな捜査当局の逮捕予備軍となってしまう。それが押尾の次に酒井法子が、すぐに摘発される下地である。

 押尾事件で、野口美佳社長に薬物疑惑が指摘されているわけではない。ただ彼女には、そうした相関図にどこからでもアクセスできる人脈があり、それがこの事件の広がりを予感させるものとなっている。【凛】

猛暑の選挙期間中も小沢一郎捜査を継続する東京地検特捜部の狙い

 真夏の選挙戦が展開され、マスコミ各社は民主党政権を前提とした報道を続けている。幹部に辞表を迫るという「鳩山民主党」への「霞が関」の反発は大きいが、それでも現実路線を取らざるを得ないとして、各官庁は早くも「民主党シフト」を敷いている。

 そうした流れに抗して、東京地検特捜部小沢一郎民主党前代表の捜査を継続、これには検察OB弁護士も首を傾げる。
 「西松事件を手がけ、小沢前代表の秘書を逮捕した特捜部直告一班が、小沢捜査を継続しているのは聞いている。与野党のバランスを取り、特定の政党に偏らないという検察の伝統からすれば、民主党から国策捜査批判も出た小沢氏の捜査を今も継続するのはおかしいんだが……」

 当初、特捜部が6月中旬以降、ゼネコンやサブコンの政界工作担当者の事情聴取を再開した時、「起訴した秘書が否認、そのカベを突破するための公判対策」と言われたものだが、検事の調べはそんなに甘いものではない。調べを受けたゼネコン幹部がいう。
 「裏ガネについて徹底的に聞かれています。我々は、単独で裏ガネを捻出しているわけではありません。下請けに割り振り、その分を工事代金に上乗せするなど工夫しています。特捜部はそうした下請け業者の事情聴取も重ねて、『集めたカネはどうしたんだ』と、しつこく我々に聞いてくる。暑い中、何度も検察に呼び出されてへとへとになっています」

 まさに執念の捜査。新たな小沢事件にしようという強い意志がうかがえるのだが、では何が問題なのか。
 「結局、小沢一郎の政治団体のカネの流れがはっきりしないんです。政治資金収支報告書に記載された以上のカネが『小沢周辺』には集まっている。その総額は5億円近い。政治団体が購入した不動産が小沢個人になっていることが象徴するように、小沢個人のカネと政治団体の関係が不分明。特捜部は、政治資金規正法違反と小沢個人の税金問題の両方を視野に入れた捜査を行っています」(全国紙司法担当記者)

 確かに、「田中角栄流」を継承した政治家だけに、政治資金を裏で受け取る慣習は残っていよう。かつてほどドンブリ勘定ではなくなったとはいえ、政治資金収支報告書に記載できないカネである。
 だからといって、その証拠を見つけて捜査するのではなく、「違法献金」をゼネコン、サブコンに“自白”させようという捜査だから無理がある。逆にいえば、それだけ「小沢の逆襲」が検察は怖いのであり、そこには角栄逮捕後、角栄に法務省を押さえられて10年以上も政界捜査ができなかった恐怖心が、検察幹部にはある。つまり小沢一郎に「闇将軍」になられては困る。
 そうした検察幹部の思惑を秘めた捜査が、選挙戦の裏で進行している。【伯】

「大成功だ!」の声が圧倒的だが…裁判員裁判の問題点<寄稿>

裁判員制度

 『週刊0510』を毎週、楽しく拝読しています。私は元雑誌記者(と言っても10年前まで)ですが、今回初めて投稿致しました。
 先週は裁判員裁判に始まり、押尾学逮捕と酒井法子失踪で暮れた落ち着かない1週間でしたが、今日は3日から始まった裁判員裁判についてわたしなりの意見を述べてみます。

 さて、初めての裁判員裁判。“初物”好きのマスコミは、例によって例の如し、ウンカの如き隊列を組んで都合4日間、実況中継と言っても過言ではないほどの熱心さで審理の模様を速報する異常な報道ぶりでした。
 栄えある?第1号事件に選ばれたのは、作為的か、偶然かはともかく、教科書の例題に選ばれそうな被告人が起訴事実を認めたシンプルな殺人事件でした。その甲斐あってか、判決後の裁判員たちの感想は、裁判を肯定的に捉えたものばかりでした。
 もっとも、裁判所職員立ち会いのもと、評議の内容を漏らしてはいけないなど厳格な守秘義務を課せられたうえでのコメントだけに“当たり障りのない抽象論”に終始せざるを得ないのも無理からぬところでしょう。

 しかしながら、以前貴誌の連載記事「人生本因坊師の甘辛時事放談」で人生本因坊師が何度も触れていたように、起訴事実を被告人が否認していたり、違法スレスレ、あるいは状況証拠だけの起訴など、複雑な要素が絡まった事件だったらどうだったでしょうか。おそらくは、今回のように短期間でスムーズに運ばなかったであろうことは想像に難くありません。

 小川正持最高裁事務総局刑事局長はPR誌『司法の窓』で「国民にわかりやすい裁判を心掛ける」と強調しています。
 「わかりやすい裁判」…耳ざわりの良い言葉ですが、われわれの周囲では「わかりにくい事件」が数多く発生している現実を考えれば、「言うは易し、行うは難し」。事件をコマ切れにする公判前整理手続きや多数決で判決を出す、ひたすら裁判を短縮化するための簡便なシステムは、多くの冤罪を産むことにつながりかねません。間違っても、裁判官が“先頭誘導員”を務めるわが国の裁判員裁判では『12人の怒れる男たち』で描かれたような“真の市民感覚”による評議は期待できそうにありません。

 裁判を傍聴した旧知の全国紙記者から「公判前整理手続きのせいなのでしょうが、まるでキチンとした台本に添って演じられた法廷ドラマを見ているようで、人間臭さがまったく感じられませんでした。そもそも、刑事裁判の本質は強大な権力を持つ検察側の立証について疑問の有無をチェックすることにあるのに、今回の裁判では裁判員が検察サイドに立って事件を見ているような気がしました」と報道内容とは異なる声が届きました。

 また、「GUILTY」、「NOT GUILTY」の判断のみならず、量刑判断にまで裁判員が関与する点も問題なしとは言えません。
 今回の裁判では求刑16年に対して懲役15年の判決でした。被告人に前科があったとはいえ、従来ではあり得ない重い判決です。被告人の肩を持つ訳ではありませんが、「善良な市民の感覚」という美しい且つ曖昧な物差しで、長期刑を科せられたのでは被告人は納得して刑に服すこともできないのではないでしょうか。おそらく控訴審も、この記念すべき?第1号裁判にケチをつけないために「控訴棄却」の判決を下すに違いありません。

 裁判員裁判制度は、自分自身を“神の化身”と信じて疑わない官僚裁判官が、憲法違反の声に耳を塞ぎながら、根回しのために永田町を走り回って作り上げた制度です。
 貴誌がことある度に書いているように、官僚の本質は「自己保身」と「利権確保」であることは私の過去の経験からも明らかです。

 「官僚を疑え」…“霞が関”のみならず、“隼町”にも絶え間なく懐疑の眼を向け続けることの必要性を知らしめてくれたことが、裁判員裁判制度導入の唯一の“成果”ではないでしょうか。【坂東太郎】

“霞が関の力の源泉”事務次官会議廃止構想に官僚たちは大慌て!

民主党マニフェスト
 「各大臣は、各省の長としての役割と同時に、内閣の一員としての役割を重視する。『閣僚委員会』の活用により、閣僚を先頭に政治家自ら困難な課題を調整する。事務次官会議は廃止し、意思決定は政治家が行う」、…民主党が発表したマニフェスト(上記写真)2ページに書かれた「鳩山政権の政権構想」に書かれたこの文言(第2策)に官僚たちの顔が引き攣っている。

 「事務次官会議」とは、正確には「事務次官等会議」と呼ばれている。「等」が入っているのは、各省の事務次官の他に金融庁長官、警察庁長官、内閣法制局次長が出席しているからである。そして会議を取り仕切るのは内閣官房副長官である。

 ところで、法律的な根拠を持たないこの会議は、週に2回、閣議の開かれる前日の月曜日と木曜日に開かれるが、一体何を議論するのか。
 「翌日の閣議にかけられる案件を議論するための会議ですが、その案件は事前に各省の局長クラスによる各省会議で調整済みですから、実際は“異議なし”で終了です。要するに閣議とは名ばかり、実態は“官議”と言うべきものです。官僚が決めたことを閣僚が追認する一種のセレモニーなのですが、これこそ明治時代以来、脈々と続いてきた“官僚統治”を象徴する会議なのです」(法務省OB)

 閣議の場では、各大臣が個々の案件について侃々諤々の議論を繰り広げていると思いきや、実際は既に官僚たちによって“調理されたレトルト食品を食する晩餐会化”していたとは呆れるばかり。テレビに映される閣議前の総理を中心にした閣僚たちの凛々しい表情からは、到底窺い知れない茶番という他ないが、それより何より、この“晩餐会”こそが「官僚の、官僚による、官僚のための政治」を実現するために、憲法で定められた議会制民主主義を骨抜きにする“霞が関の力の源泉”なのである。

 「民主党のマニフェストは、今まで国民に明らかにされることのなかった事務次官会議に正面から切り込んだのですから、官僚たちが慌てふためくのは当然です。もちろん、政策や法案を立案する能力に乏しい政治家にも責任はありますが、閣議を形骸化させることで、自分たちの権益を守ってきた彼らにとっては、絶体絶命のピンチです。これからは、官僚OBや意を通じたマスコミを総動員、“オール霞が関”で、あの手この手の“反撃”を試みるでしょうが、衆院選の大勢が決した感のある現在、果たしてどこまで功を奏するか。甚だ疑問です。選挙の洗礼を受けないことをいいことに、これまで政治家の黒子として彼らを操ってきましたが、今度ばかりは“年貢の納め時期”かもしれません」(前出の法務省OB)

 投票日まであと27日。次期衆院選は「政治」を官僚から国民の手に取り戻す最初で最後のチャンスである。【阿修羅王】

海外逃亡した公認会計士が恋人を「パリコレモデル」にした純愛物語!?

 旧グッドウィルグループのM&Aに絡み、現金と株を合わせて500億円以上を“中抜き”、その一部を脱税した中澤秀夫公認会計士が、7月10日、「中村秀夫」と改姓のうえで海外逃亡、巨額脱税事件の捜査は、中断を余儀なくされた。
 「中村」とは、二度、離婚した中澤氏の二番目の夫人の姓で、つまり中澤氏は別れた女房と養子縁組をして「中村」を名乗った。もともと投資トラブルを避けるための偽装離婚ではあったが、ここ数年、中澤氏は20代後半のモデルとつきあい東京・汐留の高層マンションで同棲していた。それでも前妻が、パスポートの二重取りに協力するほど中澤氏は女にもてるという。
 「髪が多く痩身で若々しいが、51歳なんだから堂々たる親父。でも彼は、とにかくマメで女に尽くす。そこに女は惹かれる」(中澤氏の知人)
 その象徴が、恋人を「パリコレモデル」に仕立てあげるまでの「純愛物語」だろう。
 中澤氏は、2005年5月、フランスの有名なモデルクラブROXANEの日本法人ROXANE JAPANを設立した。
 同社が最初に関わったのは、パリ・コレクションの「モデル発掘プロジェクト」である。ファッション教育機関や美容サロン支援会社などと協力、「パリオートクチュールコレクション」のモデルを選出した。05年6月、オーディションが行われ、約200名が参加、6月24日の最終選考の結果、神奈川県出身のモデルHさん(24歳)が選ばれた。
 「パリコレの舞台に憧れてモデルになり、5年目に今回のチャンスに巡り合いました。東洋人の美を活かして舞台に立ちたい」
 Hさんはこう「受賞コメント」を出しているが、このHさんが中澤氏の恋人である。
 「パリコレモデル」に憧れていたHさんのために、ROXANA JAPANを設立、壮大な仕掛けを作ったわけで、オーディションは「出来レース」だった。夢は叶い、07年春夏のパリオートクチュールコレクションでHさんはモデルとしてデビューした。
 中澤氏がグッドウィルのM&Aで「濡れ手に粟」の約180億円を手にするのは06年10月だから、この“仕掛けは”その前年。中澤氏の当時の財政状況は定かではないものの、「好きな女のためならカネに糸目はつけない」という氏の“気概”が伝わってくるエピソードである。
 ちなみにROXANE JAPANは、08年初頭、株価高騰劇を演じた千年の杜(大証2部)の筆頭株主として登場する。中澤氏は、そうした企業の登記簿謄本に名を残さないなど、慎重にふるまっているようでいて、どこか脇が甘く、頭を隠しても尻を隠さない。
 そんなところから検察は、「逃げおおせるタマじゃない」(検察関係者)と、海外での身柄確保に自信を持っている。【伯】

三菱東京UFJ銀行の及び腰で創業家からの脱却を目指す吉本興業MBOの前途多難!

 7月末、東証一部に上場する吉本興業のMBO(マネジメント・バイ・アウト)が、いっせいに報じられた。
 MBOとは、経営陣がTOB(株式公開買い付け)を実施、自社の株式を取得すること。「お笑い」の世界に似つかわしくない金融テクニックだが、経営陣と創業家との確執が何度も報じられ、そのたびにタレントを巻き込む騒動となっているため、経営陣は金融機関や放送局の支援を受けてTOBを行い、非上場化を図ったうえで、創業家の影響力を排除したいということだ。
 7月28日のロイター通信によれば、日本テレビ放送網、東京放送ホールディングス、フジ・メディア・ホールディングスなどの民放各社がファンドを組成、代表にはソニー元会長の出井伸之氏が就任、ここがスポンサーとなって経営陣を支える見込み。500億円と目される買収金額の多くは、三井住友銀行三菱東京UFJ銀行が融資する。
 こうした報道に対して、吉本興業は「提案は受けているが決定しているものはない」とコメント。こうしたM&Aに絡む先行報道を否定するのはいつものパターンであり、実は「計画は着々と進行している」と考えるのが普通だが、吉本興業の場合は、本当に難航、実現は容易ではない。
 証券大手幹部が明かす。
 「報道があった時点で、三菱UFJは下りています。理由は、吉本興業と所属タレントとの契約慣行に企業価値をつけられないことと、暴力団など反社会的勢力との腐れ縁を断ち切れそうにないことです」
 日本の芸能プロダクションは、所属タレントを厳密な契約書で縛ってはいない。ゆるやかな口約束の世界。それでは企業価値を算定できないというのもわかる。島田紳助、ダウンタウンといったスタープレイヤーがいなくなった時は、吉本興業の価値は大きく毀損するが、その危険性があるということ。加えて「反社」との関係遮断ができないという業界事情は、同行の200億円前後の融資に二の足を踏ませて当然だろう。
 民放各社は、「吉本抜きには、番組編成が成り立たない」(民放幹部)という強大な吉本のパワーを、引き寄せるいいチャンスと考えてはいるが、一局で主導権を握れるというスキームではないだけに、銀行が弱気になれば、それ以上のリスクを取るつもりはない。
 かくして吉本興業のMBOは、創業家とのケンカに決着をつけたいという経営陣の思惑をテレビ局が受け入れながらも、「商慣行」と「業界事情」というカベに阻まれて、立ち往生している。【潤】

証券監視委のCSK調査で注目される「青園・大濱・西田」の疑惑のトライアングル!

 証券取引等監視委員会(証取委)が、09年3月期決算で1615億円の赤字を計上、存亡の危機を迎えているCSKホールディングス(CSK)に重大な関心を寄せ、関係者の事情聴取を進めている。
 証取委の調査とCSKの巨額赤字に直接の関係はない。だが、赤字の原因となった不動産事業を展開する過程で築かれた人脈が、現在の疑惑につながっており、今後の展開を読むうえで、関係解明は欠かせない。
 では、何が問題となっているのか。
 「CSKのドンといわれた青園(雅紘前会長)さんは、不動産事業にのめり込み、側近の脇田(昌二CSKファイナンス前社長)さんに命じてリビエラ(コーポレーション)との関係を通じて事業を拡大させていった。そのリビエラの大濱(民郎副社長)さんの先に西田晴夫という有名な仕手がいて、証取委はCSKや関連会社、あるいは『西田銘柄』の情報を利用して青園さんらが株売買を行ったのではないかと思っている」(CSK関係者)
 順を追って説明しよう。
 バブル崩壊で倒産寸前に追い込まれたリビエラは、野村證券幹部を役員として招請(現在は退任)、不動産証券化事業に活路を見いだし、「資産を持たない経営」に成功、00年に完成した「セコム本社ビル」(渋谷区)で復活を果たした。
 その過程で、やはり野村證券出身の青園氏が代表を務めるCSKとの関係が深まった。
 リビエラとCSK窓口のCSKファイナンスの絆の強さを示すように、両社は本社を同じ場所(港区のリビエラ本社ビル)に置き、CSKが本社ビル(港区)を建設する際には、リビエラが地上権獲得に奔走、07年にはベトナムに「5億ドルを投入してホテルを共同建設する」と、発表したほどである。
 このリビエラで副社長を務める大濱氏は、投資家としても有名で、キムラタンという服飾メーカーの第三者割当増資を引き受けて、個人筆頭株主になったこともある。そして、このキムラタンが「有力仕手筋」として知られた西田晴夫氏の銘柄なのだ。
 「彼は07年10月に株価操縦で逮捕され、その後、脳梗塞を患って、すっかり過去の人になりましたが、一時はボロ株を急騰させる仕掛け人として有名でした。そのスポンサーのひとりが大濱氏だったのです」(証券事情通)
 証取委がCSK関係者を呼び出して聞くのは、青園、大濱、西田の人間関係と株式投資について。銘柄を絞り切っているわけではないようだが、解明されれば、技術者派遣大手で一部上場企業のCSKを舞台にした一大スキャンダルになる可能性がある。【伯】


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