2017年1月24日配信「会津小鉄会分裂騒動でますますハッキリした神戸山口組VS6代目山口組の実相」<事件>


 
会津小鉄会(wikipedia)


 年明け早々、京都の広域暴力団・会津小鉄会で発生した原田昇若頭によるクーデターは、馬場美次・6代目会長が巻き返しを図り、原田若頭を絶縁処分にするとともに、自らは総裁にあがり、7代目会長を金子利典・4代目いろは会会長に譲ることで決着した。

 原田氏が、7代目の看板を下ろしたわけではないものの、親分の力が絶対の暴力団社会で絶縁の回状が出された以上、正統な7代目は金子氏ということになる。

 それにしても、150年の歴史を持ち、「大ひょうたん」の代紋で知られた「会津小鉄会」が、今や何の力も持ち得ないことを知らしめた事件だった。

 始まりは、1月10日、会津小鉄会傘下の心誠会会長の原田若頭が、6代目山口組傘下の弘道会の組員20〜30人を従えて馬場6代目に面談、引退を迫ったことだった。

 馬場氏は、通帳をだまし取ったとする詐欺罪で、昨年、懲役1年の実刑判決を受けているが、捜査の過程で自らの引退を捜査当局に示唆したことが、引退を迫られた理由だったという。

 「原田昇をもって、7代目会津小鉄会会長とし、不肖私の跡目とすることを決定しました」

 この文書が、馬場氏の本意でないことは、すぐに判明。馬場氏と連携する神戸山口組傘下の「山健組」の組員40人以上が、11日早朝、会津小鉄会本部を訪れ、留守番の若い衆を袋叩きにして追い出し、馬場氏の釈明と原田氏の絶縁を回状にして、全国の組織にFAX。馬場総裁=金子会長体制の発表は、翌12日だった。

 それにしても、クーデターを仕掛けた原田氏の実行部隊が弘道会で、その奪還を行ったのが山健組であるところに山口組分裂騒動の実相が表れている。

 山口組を名古屋の弘道会方式で締め上げ、締め付けることへの不満が5代目山口組体制下で中核だった山健組にあり、決起して神戸山口組を立ち上げた。

 究極の争いは、山健組VS弘道会――。

 当初から指摘されていたことではあるが、神戸山口組では「弘道会以外の6代目山口組関係者と付き合うのは構わない」という“内示”を出すなど、対立構図はより鮮明になってきている。

 それにしても、跡目争いに他組織の力を借りる会津小鉄会はどうなっているのか。

 「会津小鉄で威勢のいいのは、もう外に出て、両山口組に吸収され、今は年寄りしか残ってない。現役で活動する組員は100名強で、そのうち弘道会派が7割ぐらいで、残りが山健組派。そういう意味では、同組内でもっとも勢力があり、人望もある原田若頭が、京都を抑えたい弘道会の思惑に乗って、クーデターを起こすのは分からんでもない」(6代目山口組系幹部)

 当局に対して、引退を示唆していたという馬場6代目は、75歳と高齢のうえ、詐欺罪での1年間の服役は免れない。

 弘道会としては、この機に原田氏を前面に立てて、「京都侵略」を果たしたかった。

 もともと馬場氏は、山健組先代の桑田兼吉3代目の頃から山健組に近く、その関係は現在の井上邦雄4代目体制となってからも続いている。

 従って、井上氏が「逆盃」となるのを厭わず、神戸山口組を立ち上げると、神戸山口組派であることを隠さなかった。

 「会津の小鉄」こと、上坂仙吉を初代に1868年に結成された会津小鉄会は、京都を地盤に、人数的には少なくとも、神戸を拠点とする山口組に対して一歩も引かず、独自の存在感を保ってきた。

 しかし、今回のクーデター騒動で判明したのは、もはや独立組織ではなくなっていることで、それは同時に、「山健組VS弘道会」という対立構図が、全国の組織を巻き込みつつ、消耗戦によって弱体化していく暴力団の将来像を映している。【辰】

 

 

 

 

 

 

 


2017年1月18日配信「組織ぐるみは明々白々!――『佐川急便身代わり出頭事件』で検察は罰金刑でも警察の追及は燎原の火の如く!?」<事件>

佐川急便本社(☚wikipedia)


 宅配便大手の「佐川急便」が揺れている。

 警視庁が、2016年9月、運転手が駐車違反での検挙を逃れるために知人らを身代わり出頭させたとして東京営業所を家宅捜索した事件は、検察が12月22日、犯人隠避などで略式起訴、罰金刑で一応は終結した。

 6人を逮捕、40人が関与したとして調べを進めていただけに、「(30万円以下の罰金刑で済んだのは)意外に軽かった」というのが運輸業界に共通した声だが、佐川急便問題の根は深く、これで終わりそうもない。

 ハッキリしているのは、これが東京営業所だけでなく佐川急便全体に万延している事件であることだ。

 違反の取り締まりを受けると、運転業務をしない「下車勤」となって、昇進や収入に悪影響を及ぼす。そこで逮捕された管理職が、運転手が駐車違反をして警察署に出頭する際、「身代わりという手があるよ」と提案。出頭した身代わりには、運転手から2万〜2万5000円の報酬が支払われていたという。

 こうしたシステムが東京営業所だけでないのは、事件化後、多くの内部告発や投書が警察に寄せられたことで明らかだ。

 

 「バイト料を支払って身代わり出頭、ということが普通に行われていたので、それほど悪いことだという認識はなかった。ところが、逮捕者まで出たことで、『自分もやられるんじゃないか』と動揺した社員や家族が、訴え出るようになった」(佐川急便関係者)

 社内の動揺は、退職者が相次いでいることにも証明されている。

 『毎日新聞』(12/27)は、「7都府県で遅配 荷物集中や人員不足原因か」と、題して、現在、「佐川急便」の遅配が目立ち、「クリスマス関連イベントの荷物や歳暮などの配達を待つ利用者から、困惑の声があがっている」としたうえで、解消のメドは立っておらず、「想定以上の荷物集中や人員不足が原因」と、報じている。

 年末へ向けての混乱は、多分に今回の事件が影響していると見て間違いあるまい。

 さらに深刻なのは、「身代わり出頭」の常態化は、コンプライアンスの低下を物語っていること。その象徴が、代引き金額改竄による詐取事件だろう。

 12月18日、ネット社会で著名な人物が、Twitterで、「佐川急便に代引きの値段を書き換えられ、多くお金をとられました」と、呟いた。

 この投稿者は、伝票の画像を添付、荷受人(投稿者)が受け取った伝票金額は1万8783円で「6」が「8」に改ざんしているような痕跡があった。
 指摘を受けた会社側は、改竄の事実があったことを認めたうえで、荷受人に報告して謝罪、お金を返したという。

 広報担当者は「このようなことは、これまでにはなかった」と、説明していたが、コンプライアンスの欠如が指摘されている最中の事件だけに、「佐川急便」の運送業者としての信頼性は失われた。

 では、2016年末をもって、佐川急便を揺るがせたコンプラの欠如、信頼性の喪失は区切りを打ち、17年は再生への道を踏み出すのか。

 警察関係者は、「それほど単純ではない。捜査終結は、あくまで東京営業所で発覚した犯人隠避事件です。その後、都内だけでなく、各府県警に告発や投書が送られている問題を処理しなければなりません。組織ぐるみと判断された場合には、佐川急便本社をターゲットにした合同捜査本部を置くことになる。捜査は今後も継続です」という。

 一部には「警察OBの天下り先確保のための捜査継続」(業界関係者)という穿った指摘もあるが、それはともかく、安易に行っていた身代わり出頭が、「佐川急便」の経営の屋台骨を揺るがす"蟻の一穴"になるかもしれない。【寅】

 

 

 

 

 

 

 


2016年12月22日配信「『立石建設工業』対K氏!――防衛省が買収を躊躇する馬毛島を巡るトラブルの中身」<事件>

馬毛島(☚wikipedia)

 

 防衛省は、米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)のために、馬毛島の買収を内定。2017年3月末を期限に土地価格の算定作業に入っている。

 最終的には、島を持つ「タストン・エアポート」立石勲代表との交渉になるが、その前に問題視されているのが、16年1月に設定されている5億円の根抵当権設定仮登記である。

 権利者は、東京・町田の金融業者のK氏で、債権の範囲は「金銭消費貸借取引手形債権 小切手債権」だが、問題となっているのは、K氏が広域暴力団傘下の元組長であることだ。

 「元」とはいえ、5年前にも銃刀法違反で逮捕された過去があり、どういう経緯で立石氏が資金提供を受け、現状、どうなっているかを確認しないことには、日米安保の“要”ともなるFCLPの訓練基地用に馬毛島を取得することはできない。

 東京に本社を持つ立石建設グループは、砂利採石、産業廃棄物などを営む事業会社だが、95年に4億円で馬毛島を取得して以来、防衛省の買い取りを想定した飛行場建設工事に着手、立石氏は事業家としての「夢」を膨らませてきた。

 馬毛島は、鹿児島県種子島の西方約15キロの東シナ海に浮かぶ無人島で、軍事・訓練基地には最適。現在、南北4200メートル、東西2400メートルの滑走路が敷設されている。

 もちろん米軍基地用には、精緻な舗装作業が必要だが、この段階に漕ぎつけるまでに立石氏は約150億円を投じたという。

 防衛省がこれまでにも働きかけたことはあったが、積年の思いと無理をした資金繰りの苦しさもあって、立石氏が一定期間リースしたうえでの売却を希望するなど条件が合わず、交渉はまとまらなかった。
 
 今回、再び動いたのは、リース契約を引っ込め、一括売却に同意したからで、83歳を迎えた立石氏としては、自分の代での決着を望んでいるという。

 障害となっている仮登記は、資金繰りが苦しくなった立石氏が、「急ぎのカネ」を用意してくれるK氏に頼らざるを得なかったためで、K氏が用立てたカネは4億円にのぼり、立石氏は3億円と1億円の二つの手形を切り、K氏は書き換えに応じていたという。

 だが、16年の段階で立石氏は、警視庁に恐喝被害を訴え、警視庁は同年11月末、恐喝容疑でK氏を逮捕。再逮捕までしたもののK氏は不起訴処分に終わった。

 ぶち切れたK氏は、信頼関係が完全に切れたとして、16年1月、それまで留保していた根抵当権を設定した。

 この仮登記については、16年10月、タストン社が原告となって、K氏に対して登記抹消を求めた訴訟を起こしている。

 まだ係争中だが、14年9月6日付で、立石氏が「確約書」を提出。そこには「9月20日までに返済できなければ、馬毛島に抵当権を設定致します」と、書かれており、切迫した状況が窺える。

設定そのものは16年1月だが、設定原因は14年10月であるのは、登記書類を預かりながら、猶予していたからで、その理由は「元暴力団組長からの借金が表沙汰になるのは、防衛省との交渉のうえからも拙い」という立石氏サイドの意向で、K氏もそれを容認していたためである。
 
 また、仮登記を巡る訴訟の前には、3億円と1億円の手形の支払いを求める手形訴訟も起こされている。

 こちらは原告がK氏で被告が「立石建設工業」である。

 訴訟のなかで立石氏は、借金があるのは認めたものの、そのうちの一部は、仲介者であるW氏に返済したと陳述するなど、複雑な金銭模様が窺える。

  また、15年8月には、「覚書」として立石氏が、K氏とその近親者に、「馬毛島が決まりましたら6億7000万円をお礼として支払います」という文書も残している。


 防衛省は、土地交渉の前に、まずは両者間の「ややこしい人間模様」を解明する必要があろう。でなければ、話は前に進まない。【戌】

 

 

 

 

 


2016年12月14日配信「売上高2400億円!――食肉のドン・浅田満元会長収監でも『ハンナン帝国』は安泰!!」<事件>

 ハンナンは1947年の創業以来、半世紀にわたり食肉の流通に携わってまいりました。
 その中で当社が大切にしてきた信念があります。
 それは、「お客様にご満足いただける経営」に徹することです。安心安全でおいしい商品をお届けするのは勿論のこと、ハンナンフーズグループならではのお役立ちをお届けしてまいりました。
 現在、国内外に15の工場と46の拠点を設け、お客様のニーズにお応えする商品、製品を提供できる体制を敷くハンナンフーズグループは、なくてはならないパートナーとしてお客様に選んで頂けますよう、安心安全な商品とサービス提供に取り組んでおります。
 我々は食肉に関するプロフェッショナル集団として、創業100年を目指して新たな革新に挑み、お客様とともに歩み続けていきます。

 

(☚ハンナンHP)


 牛肉偽装事件で、「食肉のドン」と呼ばれた「ハンナン」の浅田満元会長が詐欺容疑で逮捕されたのは、2004年4月である。

 長い公判の末、最高裁が上告を退け、懲役6年8月の実刑判決が確定したのは昨年4月。以降、病気を理由に刑の執行が停止されていたが、検察は収容に耐えうると判断、11月23日までに執行した。

 逮捕時から12年以上が経過、浅田受刑者は77歳になっているが、「ドン不在」でも連結売上高2400億円のハンナングループは万全だという。

 「ウチは販売ルートが確立、経営基盤がしっかりとしているうえ、公判の過程で、甥の浅田勘太郎社長に権限を委譲。グループ経営に問題はなく、そこは満元会長も心配していない」(ハンナン幹部)

 事件の過程で喧伝されたのは、同和利権を握り、暴力団を背景にした力の論理で食肉業界を制したとされる「ドンの強さと怖さ」だった。

 確かに、そうした面があったのは否定できない。

 父・浅田浅太郎が、終戦直後の1947年に起こした食肉卸の「浅田商店」を、現在の日本有数の食肉加工・販売会社にしたのは、浅田家の次男・満だが、その過程でハンナンを「触ると怖い」という存在にし、それがグループの成長に寄与した。

 浅太郎は、長男・清美、次男・満、三男・照次、四男・英教、五男・暁と5人の男子に恵まれたが、長男の清美が温厚な人柄で商売に向いていなかったこともあり、食肉業は、中学校すら満足に卒業せず、食肉店に奉公に出た満が継いだ。

 満は、マメな性格と気配りで年長者に可愛がられ、酒も飲まずに仕事一筋。これと見込んだ相手には、接待、現ナマ攻勢をかけるカンと度胸の良さでのし上がっていった。

 「ハンナン」の成長過程は、「差別からの脱却」を掲げる政府の方針で同和対策事業に豊富な予算がついていた時代であり、時代に沿う形で同社は急成長。また、中川一郎、鈴木宗男といった農林族政治家や、農水省や畜産振興事業団といった農水官僚にも人脈を築いていった。

 その一方で、山口組にも深く関与。若い頃から腕っ節が強かった照次は、山口組系白神組の幹部となり、英教は山口組系山健組の舎弟として浅田会を率いた。
 いずれも早くに引退したが、「元暴力団組長」の肩書きは消えなかった。

 同和と暴力団――。

 これが「ハンナン」の“強面”を際立たせ、官界もマスコミも捜査機関も、浅田満をタブー視した。

 牛肉偽装事件の17年前の87年10月、満は畜産振興事業団の食肉部長への贈収賄事件の贈賄側として逮捕されるのだが、食肉行政の一方を担った末の事件であり、農水省の食肉行政から排除されることはなかった。

 その行政との一体化と、業界への隠然たる力が、ハンナングループを巨大にした。

 グループは、「ハンナンフーズ北海道」など食肉販売部門、「ハンナン食品」など加工部門を中心とした国内23社と、アメリカ、オーストラリア、中国など海外5社で構成され、偽装事件当時には売上高2000億円を突破。事件後も、安定して業績を伸ばした。

 73年生まれで43歳の勘太郎社長は、五男・暁氏の息子。事件とも暴力団社会とも最も遠いところにいたことから暁が事件後、会社をリード。その後、勘太郎が後継者として選ばれた。

 3代目となって、ハンナングループも“普通の会社”となった。

 同和行政が終焉、山口組が分裂の末、衰退が顕著となるなか、ハンナングループは健在。グループを自身の長期不在に耐えられる存在にしていたことが、「ドン」の最大の功績と言えよう。<敬省略>【辰】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2016年11月29日配信「『大統領の犯罪』を暴く韓国検察と『貸金業法違反』で建設業者の罪を暴く日本検察との落差!?」

 

(☚wikipedia)

 

 

 韓国検察当局は、朴槿恵大統領の友人である女性実業家の崔順実被告が国政に介入した事件で、崔被告らの起訴状に、「大統領の犯罪」を明記した。

 記者会見で検察の李永烈特別捜査本部長は、「相当部分、共謀関係があると判断した」と、断定したうえで、「大統領への直接聴取が不可欠だったが、それはできなかった」と、不満を表明した。

 現職大統領は、内乱罪などを除いて起訴できないという憲法上の縛りを受けながらも、韓国検察は思い切って踏み込んでおり、「大統領の犯罪」を認定したに等しい。

 権腐必然!――どんな為政者もこの現実から逃れることはできない。

 権力が長期化すれば、自らはもちろん、家族、側近政府機関のいずれかに腐敗が生じ、やがてそれは国を蝕む。

 近代国家は、その反省から権力監視機関を設けてきた。

 それが「検察」であり、各国に制度上の違いはあっても、国政や行政とは別の立ち位置を持ち、犯罪の事実があれば、公訴権や捜査権を持つ捜査機関として権力に切り込む役割を担う。

 韓国検察は、今回、その役割を果たし、国民とマスコミの後押しを受け、居座る朴大統領を追い込もうとしている。

 翻って、日本はどうか。

 東京地検特捜部が、最大権力者の田中角栄元首相を逮捕したロッキード事件から40年が経過。この間、リクルート事件、金丸信脱税事件など、最終処理に問題を残す局面もあったが、権力監視機関としての務めを果たしてきた。

 だが、2010年の2つの強引な事件から暗転、検察冬の時代を迎えた。東京地検特捜部が犯罪をデッチ上げしようとした小沢一郎政治献金事件と、大阪地検特捜部の障害者郵便制度悪用事件捜査での証拠改ざん事件である。

 それからの検察の堕落は、今さらいうまでもないだろう。

 違反行為が明白な甘利明事務所の政治献金事件では、告発者の関係先は家宅捜索しながら、被疑者の関係先である甘利事務所は、官邸の顔色をうかがって任意証拠提出に留め、結果は不起訴処分だった。

 会員制月刊誌の『選択』(16年9月号)は、『無駄飯喰らいの腰抜け集団』と、書いて揶揄した。

 その東京地検特捜部が、久々に動き始めた。

 10月中旬、愛媛県の貸金業者・H女史が「無免許で貸金業を行っていた」という貸金業法違反容疑で、同女史の融資先など数十箇所の家宅捜索を行ったのである。

 不可解なのは、この業者は「政商」に類するような大物でも、各界に人脈を擁するような著名人でもなく、単に高利のカネを業績不振企業に貸し付けるごく一般的な高利貸しにすぎない。

 同女史の元パートナーが3代目時代の山口組系金融業者として知られたY商事・O氏(故人)だった縁で、確かにグレーゾーンにそれなりの人脈は築いていたが、どう考えても特捜部が摘発するような相手ではない。

 では、なぜ「貸金業法違反」で摘発するのか。

 「問題は、H女史の貸付先である『豊田建設』(埼玉県八潮市)だ。売上高は50億円にも満たない中堅業者だが、除染工事絡みで『大成建設』に食い込んだのをきっかけに急成長。その過程で『豊田建設』が『大成建設』の“前捌き役”として、政官工作を担った可能性がある」(検察関係者)

 それなら、「豊田建設」を"被疑者"として捜査着手すべきだろうが、「豊田建設」とH女史との間で貸金を巡るトラブルに関して検察が同女史を任意で事情聴取したところ、望外の"お宝証言"が次々に飛び出したことで方針を変更。貸金業法違反の"裏付け捜査"の形で介入し、上手くウラが取れれば『豊田建設−大成建設』に踏み込もう?ということのようだが、それにしても随分と回りくどい捜査ではないか。

 「豊田建設」の政官界工作が事実なら、「瓢箪から駒」の展開があるやもしれない。

 しかし、H女史の"お宝証言"がオーバーに脚色されたものだったら事件は立たず、検察の面子が潰れる。

 だから、たとえ「豊田建設の疑惑」が不発に終わっても「貸金業法違反事件だけは立件できる」という、姑息な計算もあるのではないか。

 「腐っても鯛」ではないか!――「天下の東京地検特捜部」が、そんな腰の引けた重箱の隅をつつくような捜査で「巨悪」に迫れるのだろうか?【巳】

 

 

 

 

 

 


2016年11月22日配信「『性善説』が育む就労支援の"闇"――障害者総合支援法に棲む悪徳業者を放置していいのか!」<事件>

筑波山(本文とは関係ありません)(☚wikipedia)


 

 高齢化が進み、国の財政が軋むなか、介護や福祉の方向性は「自立」である。

 この自立に向けて、いち早く舵を切ったのが障害者福祉だった。

 戦後、始まった障害者福祉は、施設での保護が主な役割だったが、障害者も健常者と同じ暮らしを目座す「ノーマライゼーション」の広がりとともに、「自立支援」が中心課題となっていった。

 自立支援は、試行錯誤を重ねたうえ、2013年、障害者総合支援法が制定され、自立へ向けての理念と方向性が定まった。

 ただ、試行錯誤した分、制度が複雑になり、行政は監視、監督する機能を持たず、事業者の自主申告に委ねるようになった。

 そこにあるのは、「事業者性善説」である。

 「障害のある人は全国で約800万人。症状も重さも障害の内容も違う。それに合わせた自立支援の体制が組まれていますが、行政が細かくチェックすることは、人手の面からも予算の面からもできません。勢い、事業者さんを信頼することになる」(厚労省幹部)

 その結果、ノーチェックをいいことに悪徳業者がはびこっている。

 就労支援を例に取ろう。

 自立の最も望ましいのは就労して、自分で自活することである。

 だが、障害者が就労するには、それなりの訓練が必要だ。

 遅刻しないなど、規則正しく日常生活を送ることから始めて、挨拶や電話のかけ方、パソコンなど必須アイテムの使い方などを学ぶ。

 そのために、まず就労移行支援施設でトレーニングする。

 65歳未満で意欲のある人は誰でも利用できる。

 期間は2年間だが、現実は厳しく、ここでトレーニングしても一般企業に就職できるのは数%。その期間を終えた人は、就労継続支援A型就労継続支援B型を選ぶことになる。

 A型は、一般企業は難しくとも、それなりに勤労できる人で、雇用契約を結び、その地域の最低賃金が保証される。

 これには労働基準法に準じており、将来的な自立を促す施設である。

 B型は、障害の程度はさまざまだが、毎日の就労、決まった作業、秩序だった勤務形態を続けられない障害者の受け皿となる。

 雇用契約はなく、就労に応じた「工賃」が支払われるが、日当1000円平均で、とても自立できるレベルではない。

 まず就労支援、次にA型とB型への振り分け――。

 制度的に間違ってはないが、この就労支援の“悪用”は可能だ。

 前出の厚労省幹部が率直に認める。

 「移行支援もA型もB型も、担うのは事業者であり、国と県と市町村がそれぞれ分担し合って給付金が支払われます。就労支援事業の指定を受けた事業者に支払われるのは、障害者ひとりあたり月14〜15万円。これに対してB型であれば、事業者が障害者に支払う工賃は2万円程度。従って、B型の障害者を多く抱え込めば、それだけ収入が安定することになる」

 ここに生じるのが「性善説」の怖さである。

 月に15万円前後を給付するのだから、行政はそれなりの「届出」を事業者に求める。

 障害者の住所氏名、稼働日数とその時間、送迎があったかどうか、食事提供の有無、施設外支援(他の事業所に働きに出る事)の有無、サービス提供の状況・・・。

 事業者とすれば、給付金が増えるので、稼働日数と稼働時間はもちろん、加算される送迎や食事は多い方がいい。

 すると、単純計算だが、最も多いレベルの40人の障害者を抱える事業所で、障害者1人あたり15万円計算で月600万円、年7200万円の給付金を受け取ることになる。

 この性善説に基づくノーチェックを利用する悪徳業者は少なくない。

 「登録させて日当の1000円だけ渡して、遊ばせて帰す。それだけで15万円ですから貧困ビジネスの生活保護費の“中抜き”より、よほど効率がいい。しかも行政外(他市町村)の受け入れも認められるから、そちらは架空の『テンプラ障害者』ということもある。さらに相手が障害者だから人権上の配慮から、行政があれこれ聞きにくい」(障害福祉に従事している行政担当者)

 障害者就労のために行政が15万円を支払っているのに障害者に渡る工賃が2万円。これでは、「詐欺商法」を誘引しているようなものである。

 まともなところを探すほうが難しいといわれるB型事業所が全国に約10000箇所もあり、政界関係者など地元の名士が関っていることも多く、行政のチェックが、より難しくなっていることもあるという。

 白昼堂々の税金喰いビジネス!――障害者の自立に名を借りた姑息極まる「詐欺商法」を野放しにしてはなるまい。【巳】

 

 

 

 

 

 

 

 


2016年11月15日配信「魑魅魍魎の巣窟だった『銀座九龍城』を購入した"ハマの帝王"に相次ぐ受難」<事件>

 
こちらは本家九龍城!(☚wikipedia)

 

 「九龍城の呪い」とでもいうべきなのか。

 中央区築地4丁目に建つ「銀座中央ビル」の買い主が、拉致監禁されたうえ警察に裏カジノの経営を疑われるなど“受難”の連続だ。

 「築地」に建ちながら「銀座」を名乗り、しかも「中央ビル」というおこがましいところに、怪しさが凝縮している。

 もっとも、事件屋・詐欺師・地面師・振り込め犯グループなどが入居、事件予備軍の棲家となって「九龍城」となるのは、所有権を巡る争奪戦があった3〜4年前からで、それまでは、敷地面積約54坪。狭くて古い9階建てのペンシルビルだったものの、著名物件ではなかった。

 「よくこれだけワルが集まったと驚いた。管理のズサンさを逆手に取って、所有者が白骨死体となって発見された『新橋4丁目不審死事件』にも"関与"した元田某・上田某・塩田某をはじめ、高橋某・江部某・廣田某・今井某など名負ての事件屋や詐欺師が、勝手に次々と仲間を招き入れ、かつての香港で"悪の巣窟"として知られた『九龍城』そのもので、こんな物件に買い手がつくのか、と思っていたが…」(不動産業者)

 しかし、そこは金融緩和のなかの不動産ミニバブルである。

 しかも「次の買い手は決まっている」という決めゼリフもあり、今年8月30日、売買が成立。所有権が横浜の不動産会社・R社に移転した。

 さすがに不法占拠者は追い出され、「九龍城」の灯は消えたが、騒動はあらぬ方向に“飛び火”した。
 
 不動産会社のオーナーは、横浜の「夜の帝王」と呼ばれ、クラブ、キャバクラ、ガールズ・バーなどの風俗・飲食店を経営する人物。売買から約40日後の10月7日午後1時頃、白昼堂々、何者かに拉致監禁され、神奈川県警のヘリコプターまでが騒動となった。

 しかし、何事もなかったかのように夕方までには解放され、神奈川県警は拉致監禁事件として立件しようとしたものの、「帝王」は黙して語らず。――「帝王」に一体、何があったのか。

 「風俗、飲食、不動産、金融と多方面に事業を展開。過去には闇カジノを経営していたとして摘発されたこともある。ケツ持ちは地元の広域暴力団だが、八方美人的なところがあって、これまでにも暴力団同士の争いを引き起こすことがあった。今回も、その種のトラブルだろう」(神奈川県警関係者)

 折しも不動産業界で著名な「銀座中央ビル」を買った直後だったので、売買を巡るトラブルかと思われたのだが、神奈川県警は、裏カジノの利益配分を巡って揉めたのではないか見ている。

 神奈川県警生活保安課が、新横浜駅近くのカジノバー「タイガー」を、賭博開帳図利の疑いで摘発したのは10月5日で、責任者ら3人を逮捕した。

 1日あたり30〜40人が来店し、月の売り上げが1億円を超えていたというから、それなりの繁盛店だった。

 神奈川県警は、この店の摘発が店の経営になんらかの形で関与していた「帝王」の拉致監禁につながったと見ており、「(監禁についてしゃべらないなら)賭博罪で逮捕するぞ!」と、プレッシャーをかけているという。

 一方、トラブル案件をあえて購入したのは、「隣接地一帯に本社を持つ『松竹』が、ビル敷地を約10億円で購入、再開発することになっている」という情報に乗せられて?のことと言われている。

 ところが、松竹スクエア、歌舞伎座タワーと相次いで不動産事業を展開。それなりに収益を上げている『松竹』は、現在、本社が置かれている東劇の再開発計画はあるものの、それほど急ぐ気はない。

 既に、九龍城の“名残り”を示すように、偽造された「買い受け証明書」が出回っており、「松竹」としてはそんな怪しい物件に手を出す気はない。

 本拠地・横浜では、警察と暴力団の双方から狙われ、買収した不動産を転売する見込みも薄い。

 踏んだり蹴ったり!――今、「帝王」は、「九龍城の呪い」に自縄自縛状態である。【戌】

 

 

 

 

 


2016年10月27日配信「証券監視委と警視庁が家宅捜索した『ストリーム』の株価操縦疑惑に、松浦大助グループと中国起業家ネットワークが関与の噂」<事件>

渦中の劉社長(☚ストリームHP)


 証券取引等監視委員会と警視庁捜査2課が強制調査した「ストリーム疑惑」は、単なる「ストリーム」という東証マザーズ上場企業の株価操縦に留まらず、最近、証券界で勢いを増す「松浦大助グループ」や「中国起業家ネットワーク」も視野に入れた奥の深いものであることが明らかになった。

 「ストリーム」は、1999年7月、在日中国人・劉海涛(リュウ・カイトウ)氏が設立したインターネット通販の運営会社だが、ネットバブルの波に乗って急伸、07年にマザーズに上場、16年1月期に連結で約230億円を売り上げた中堅企業である。

 今回、証券監視委が注目したのは、松浦大助氏を中核とする企業グループのストリーム株の買い上げに関するものだった。

 ストリーム株は、14年1月に入って株式分割を繰り返しており、資本金を増強、それに伴って株価は乱高下した。

 14年1月に100円前後だった株価は、8月に500円台に急騰し、10月以降、暴落している。

 その急騰の頃、今回、家宅捜査に入った港区内の会社役員と知人グループが、大量の買い注文を入れていた。

 「新聞報道されている『会社役員と知人グループ』というのが松浦大助グループです。港区芝のビルを拠点にさまざまな事業を展開。フィクサーの朝堂院大覚氏の事務所もそこにあります」(警視庁捜査関係者)

 朝堂院大覚氏は、政界や財界などにも幅広い人脈を持つ人物で、暴力団筋にも強いことから「表」と「裏」のつなぎ役を務めることもある。

 本名は松浦良右で大助氏はその子息である。

 『最後の黒幕 朝堂院大覚』(竹書房)のなかで作家の大下英治氏は、「生まれた子供は57人」と、その艶福家ぶりを紹介しているが、朝堂院氏の人脈とフィクサーとしての役割を継ぐのが大助氏であるのは、衆目の一致するところだ。

 松浦大助グループは、六本木でのクラブ経営、倒産した「安愚楽牧場」から受け継いだホテル飲食部門、豊かな資金量を背景にした金融部門を持ち急速に成長。朝堂院氏の人脈も引き継いでいるという意味では朝堂院グループでもあるが、ネット放送で日本の現状を憂い、各種事件の背後を解説するのに忙しい朝堂院氏は、大助グループの事業に、直接関与することはなく、むしろ今では、大助氏は、朝堂院氏をしのぐ実力を身につけている。

 「金融を通じて、『ストリーム』、『リミックスポイント』、『GFA』など数社の上場企業に関与、中国人起業家ネットワークにも人脈を広げるほか、クラブや飲食業を通じて半グレグループにもパイプがあり、彼を『兄貴分』として立てる連中は少なくない」(前出の捜査関係者)

 その「中国起業家ネットワーク」について、小誌は「『SJI架空取引事件』で課徴金処分の“新華商”の大物・李堅前SJI社長の背後に中国起業家ネットワーク」(2015年4月1日)と題して配信したことがあるが、そのネットワークの中核にいるのが「ストリーム」の劉社長で、彼らが99年に設立した「日本中華総商会」の常務理事を務めている。

 今回、証券監視委と捜査2課が家宅捜索したのも、事件の背景に、2つのグループの「共闘」を疑っているからで、さらに実際の株価操縦においては、「西田晴夫の残党」「京橋筋」「赤坂投資顧問グループの残党」など、昔の名前で出ているような古手の仕手筋が登場、そちらの摘発も視野に入れているという。

 証券市場には、「ストリーム」に限らず、同様の銘柄が幾つもあるといわれているだけに、「構造的な闇」をえぐる息の長い事件になりそうだ。【戌】

 

 

 

 

 

 

 


2016年10月14日配信「小池百合子都知事の“ちゃぶ台返し”で公然と繰り返されてきた官製談合とフィクサーXが仕切る利権配分の行方」<事件>

(Tokyo‐pandemonium☚wikipedia)

 

 豊洲市場移転の中断、東京オリンピック施設の見直し、都知事報酬の半額宣言と、これまでの都政に公然と反旗を翻した小池百合子都知事は、驚異の支持率80%以上を叩き出した。

 「都民ファースト」の視点が都民に受け入れられたわけで、このスタートダッシュにマスメディアも好意的で、「小池旋風」に恐れをなしたかのように、都議会でヤジが出ないなど、反対勢力がいない。

 しかし、反対勢力の「反撃」はこれからだ。

 まず、都議会である。

 東京都政を実質的にリードしてきたのは自民、公明の両党である。

 予算が豊かで補助金に頼らなくて済む東京都の都議は、党本部や都選出国会議員におもねることなく都政を仕切り、かつては公明党の藤井富雄、現在なら自民の内田茂といったボスを擁して「東京独立国」を築いてきた。

 都知事は議会に逆らえない。

 マッチョマンを気取る石原慎太郎元知事だって、初当選後、自民党都議団の猛反発を受け、当時の野中広務官房長官の助けを借り、内田茂氏ら"自民党三羽烏"に頭を下げて、融和策に走った。

 今は、都議会批判の急先鋒に立っている猪瀬直樹元知事だが、徳洲会からの5000万円を議会に徹底追及され、赤っ恥をかいた恨みからで、知事時代に敵対することはなかった。

 舛添要一前知事など就任時から最後の退任の断末魔に至るまで、「内田頼り」だった。

 都議会だけならなんとか戦えるが、小池知事の「敵」を明確にする戦略は、“身内”であるはずの都庁の官僚をも敵に回したことで、「豊洲」と「五輪」の見直しを通じて、工事を批判され、削減を余儀なくされるゼネコンなど公共工事を担う業界の反発も受ける。

 つまり小池知事は、都議会・都官僚・業界が「三位一体」で築いてきた構造に切り込んでいるわけで、“初手”は喝采を受けても、その貫徹は容易ではない。

 なによりそれが明確に出るのは、公共工事の世界である。

 洪水のような一連の報道のなかで「豊洲」と「五輪」の官製談合が明らかになった。

 「豊洲」では、11年8月に行われた土壌改良工事の入札で、鹿島JV、清水建設JV、大成建設JVによって3分割され、13年11月の建物施設の入札では、「価格が安過ぎる」と、3JVがボイコット。3ヶ月後の再入札では、土壌改良を請け負った3JVが、そのまま建物施設を6割アップの価格で受注した。

しかも、99%以上の落札率で、その理由は、入札不調の翌日、担当する都の整備担当幹部がゼネコン各社の担当幹部を読んで希望価格を聴取、その価格に合わせていたことだった。

 絵に描いたような「官製談合」である。

 「豊洲」だけではない。

 落札率と過去の入札に至る経緯などから、国の新国立競技場。今回、延期となった都の有明アリーナなど3施設においても、「官製談合」が横行していることは明らかだ。

 このシステムは、行政と業者にとって都合がよく、有力都議など議会実力者にとっても“横車”を押しやすいので使い勝手がいい。

 そんな"便利なシステム"を、小池知事は壊すことができるのか。

 さらに、今後、本格化する都の施設入札、五輪組織委員会の施設入札においては、調整能力を発揮する「フィクサーX氏」の存在があり、そこにも挑戦することになる。

 森喜朗組織委会長、麻生太郎財務相の2人が「五輪運営の要」であり、ゼネコンを始めとする業者は、何をさておいても両事務所に挨拶するのが常識である。

 といって、大物ふたりが、直接、調整能力を発揮するわけにはいかず、その役割を担っているのが、麻生事務所の私設秘書的な役割を長年、果たし、文部省の施設工事には必ず絡み、そのために「文科族のドン」と呼ばれる森会長とも親しいX氏である。

 表には絶対、姿を現さず、調整の証拠を残しているわけではないので、過去にその名が表面化したことはないが、官僚もゼネコンなど元請け業者も、新規参入を図ろうとする業者には「X事務所には挨拶したのか」と、指示するほどの大物だ。

 しかも、政官財御用達の著名ゴルフクラブ「Yカントリー倶楽部」の運営者で、官公庁の保守管理業務を行う企業を経営するという「表の顔」と同時に、"グレーゾーン領域"の人種にも人脈があるという「裏の顔」も持つ。

 小池知事が、これから本格的にぶつかるのは、こうした"難敵"であり、システムである。

 決戦のゴングは鳴った!――が、それを打ち壊すのは、容易ではなく、血みどろの戦いが始まるのは、まさにこれからである。【寅】

 

 

 

 

 

 


2016年10月4日配信「上へ、上へ!?――警視庁組対4課は野球賭博の頂点にいる大胴元に辿り着けるのか!」<事件>

警視庁(☚wikipedia)


 警視庁組織犯罪対策4課が摘発した野球賭博事件で、巨人軍野球選手らを賭博に誘い込み、笠原将生投手ら3人を引退に追い込むきっかけをつくった飲食店経営の斉藤聡被告(38)は、事件のキーマンだった。

 事件後も笠原元投手が、地元の福岡で斉藤被告考案の「うにシャブ店」を経営しているのを見てもわかるように、面倒見のいい兄貴分気質なのだろう。

 笠原元投手だけでなく、福田聡志元投手、高木京介元投手が相談を持ちかけ、他に面識のある巨人軍選手は8選手にのぼるという。

 それだけに組対4課は、斉藤被告の「上」を狙いたかった。

 捜査本部の置かれた原宿署は、早い段階で「上」の口座を特定、客の事情聴取を活発化させていた。

 その「上」が、24日、逮捕された広域暴力団山口組系矢嶋組幹部の三宅雅剛容疑者(42)である。

 愛媛県今治市に本拠を置く矢嶋組は、かねて野球賭博を組の収益源とする博徒として知られている。

 三宅容疑者は、4次団体若頭のポストに就いており、組織的なポジションは高くないが、東京の野球賭博の責任者を務めており、都内の暴力団関係者や野球賭博に関わっているグループの間では、「野球屋」と呼ばれていた。

 2010年に警視庁が摘発した大相撲の現役力士による野球賭博事件でも、ハンデ表の作成や賭け金の回収には暴力団が絡んでいるとして、警視庁は「上」を狙ったが、野球のない月曜日に回収と配当を現金で行うという慣習が、「上」への道を阻んだ。

 今回、斉藤被告の役割を「客を持つ小胴元」と位置づけ、「中胴元」の三宅容疑者に辿り着くことができたのは、三宅容疑者が元矢嶋組組員の酒井良昌(37)、福岡勝美(36)両容疑者の口座を使って、資金回収や配当の振込を行っていたからである。

 口座の特定は早い段階でできており、捜査本部の置かれた原宿署には、多くの利用客が呼ばれ、捜査協力を求められて調書の作成に応じた。

 いずれも携帯電話の提出を求められたわけではなく、つまり不逮捕を前提の捜査協力であり、そうした証言から「中胴元」としての三宅被告の存在が裏付けられ、それに斉藤被告ら確かな顧客の履歴をもとに、暴力団に行き着くことができた。

 マスメディアは、警視庁発表をもとに「大胴元」を頂点にしたピラミッド型の組織図を作成、「三宅容疑者の上部組織の解明」という組対4課の狙いを明かしている。

 「上部組織」とは矢嶋組であり、組対4課は、矢嶋組が「どこよりも精巧で客の射幸心を煽る」というハンデ表を作成、組の重要な資金源となっていることを解明したい考えだ。

 が、ここから先は難しい。

 ピラミッド型の組織図はわかりやすく構造を示してはいるが、現実には「中胴元」が直接、顧客の相手をすることがあり、型にはまってはいない。

 東京の野球賭博の大口客にとっては、「野球屋」の三宅被告が「大胴元」であり、そこで完結。その先は、三宅被告の矢嶋組への「上納金」という感覚だ。

 それも野球賭博の構造を示すものではあるが、賭博と金銭移動を証拠や証言で裏付けるわけではなく、野球賭博事件とすることはできない。

 仮に、ここで終わったとしても、「野球賭博に暴力団が絡む構造」を摘発した意味は大きいのだが、「上」に捜査を向けたため、「野球選手に蔓延する野球賭博」には手をつけなかったことには触れておくべきだろう。

 斉藤被告は、逮捕前、さまざまなマスメディアに接触、「他の野球選手の遊び(賭け事)」に言及していた。

 それは自分や笠原元投手らに事件が集中するのを拡散させる目的もあったが、「野球賭博にはまっているのが巨人元4投手だけではない」というのは、誰にでも容易に想像できた。

 だが、組対4課が、「下」ではなく「上」に伸ばしたのは、プロ野球界全体を覆った「早期解決」の声に、警察が配慮したためである。

 そこには4人もの処分者を出した野球界の盟主・読売巨人軍の警察当局への"根回し"があったと言われているが、ともあれ野球選手が野球賭博に手を染めるという前代未聞の事件は、捜査当局にとっての"宿願"を叶えるとともに、野球界への傷を最低限に抑えるという「理想に近い形」で決着することができたのである。【午】

 

 

 

 

 

 

 



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