2017年10月3日配信「詐欺が跋扈する一方、地面師犯罪は防げる!――近時、巷で話題の『仮想通貨・ブロックチェーン』の光と影」<事件>

 (☚Bloomberg)


 

 

 ビットコインなどの仮想通貨が異様な盛り上がりを見せるなか、各地でシンポジウム、セミナー、研修会などが相次いでいる。

 理由は、今年に入ってからの仮想通貨の高騰である。

 年初からは5倍に達し、2年半前のコイン消滅の「マウントゴックス事件」で急落した時に保有していた人は、30倍、50倍になって「ビットコイン長者」が誕生。彼らが「資産が数千万円になった、数億円になった」と、メディアで語ることもあって、一攫千金狙いの投資家が駆けつけるようになった。


 今や、完全にバブル状態である。

 中国が仮想通貨の取引所を閉鎖、米「JPモルガン・チェース」のダイモンCEO(最高経営責任者)が、「ビットコインは詐欺だ!」と断言しても、一時的に急落はするが、すぐに元に戻る。

 

 儲かるから投資するだけでなく、「将来は決済、送金手段の中核になる」と、信じている人が少なくないということであろう。


 しかし、その一方で詐欺話が、枚挙にいとまないほど溢れている。

 企業が、独自通貨である「トークン」を発行、新事業に必要な資金を集めることをICO(イニシャル・コイン・オファリング)というが、怪しい企業が少なくない。

IT系、フィンテック系のスタートアップ企業が多く、一般の投資家に事業内容は理解しにくい。

 「ホワイトペーパー」と呼ばれる責任を問われることのない事業案内が発行されるだけなのだが、それでも瞬時に数十億円の調達に成功する企業が少なくない。

 当たり外れは時の運という「千三つ」のような投資感覚だが、「トークン」が価値を生むかどうかわからないという意味では、まるで“子供銀行”だが、それでも投資家は期待を抱き、そのブームに便乗、カネ集めだけが目的の詐欺的ICOが少なくない。

 そうした根拠なき熱狂を利用、最初から騙しを目的にした連中も少なくない。

 振り込め詐欺、マルチ商法、投資セミナー商法などの確信犯たちで、ビットコインの急騰を“エサ”に投資に誘い込み、渡されるのは価値のない仮想通貨だが、何も渡さずカネだけふんだくる悪徳商法も横行している。

 一方で、仮想通貨を成立させるブロックチェーンは、「社会を変革させる力」を内包している。

 分散型台帳技術であり、大量のコンピュータネットワークにより、正しく書き込まれて行き、変更できず、消せず、改竄できない。

 仮想通貨は、管理者のいない電子的記号で、円やドルといった法定通貨のように国家の保証がない。

 それでも流通し、決済に使われるのは、ブロックチェーンという技術が、正しく台帳に取引履歴を書き込んでいくという信頼感があるからだ。

 従って、仮想通貨ブームを支えるのはブロックチェーンだが、この技術の汎用性は高く、何にでも応用可能で、「インターネット以来の技術革新」と、いわれている。

 仮想通貨は応用技術のほんの一例にすぎず、土地登記・電子カルテ・出生・婚姻などの届出、小売や中古車・中古住宅などのサプライチェーンの確立、電子クープン、ポイントサービスなどのインフラ化など、さまざまなアプリケーションにブロックチェーンが有効である。

 身近な例で言えば、最近、世間を賑わすことの多い「地面師対策」には有効だ。

 今後、間違いなく進むのは電子化であり、やがて運転免許証、パスポート、健康保険証などの役所仕事は、電子化されて効率化される。

 また、土地取引遺言書といった過去に履歴があり、書き換えられていくものもそうで、ブロックチェーンを使った電子化は避けられない。

 それらの情報は、パソコンやスマホに入力され、取引の際には、ブロックチェーンによって正しく書き込まれた本人確認のための証明書と、土地の履歴が出力され、それが必須条件となる。

 紙に印刷された運転免許証や権利書だから偽造が可能だが、電子化はそれを阻む。

 もちろん、中央集権型のホストコンピュータであれば、データそのものを、例えば免許証の顔写真を入れ替えることは可能だが、複数のコンピュータで分散管理するブロックチェーンなら、一台を改竄しても、過去との照合で他のコンピュータが偽造を弾き、正しくチェーンはつながっていく。

 改革には常に「光と影」がある。

 「両刃の剣」――今回は「仮想通貨の影」と「ブロックチェーンの光」を紹介したが、その逆のパターンもある。

 確実なのは、その双方を乗り越えつつ、電子化とキャッシュレス化が進み、新たな犯罪を引き起こしながらも、作業の効率化と低廉化が進行。早晩、「当たり前のシステム」として活用されることになろう。【卯】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年9月26日配信「『築地を守るなら訴訟も辞さず!』――小池百合子都知事に怒り心頭!? 高橋弘・万葉倶楽部会長とは何者か?」<事件>

(☚wikipedia)

 

 

 

 都議会を制し順風満帆に見える小池百合子都知事にとって、“最大の瑕疵”というべきは豊洲市場に対するあいまいな態度だろう。

 築地は守る、豊洲は生かす――。

 ポピュリズムの極致のような無責任さであり、築地の売却益を豊洲の建設費に充てる計画だったのだから、東京都予算への影響は必至。玉虫色の決着で責任を回避、決断しない小池氏の欠点が如実に表れた。

 ただ、そこは追い風が吹いている強味か、表立った反論は少ないのだが、そこに堂々の責任追及を始めたのが、豊洲市場に飲食・物販・温浴ホテル施設の『千客万来』を設置する「万葉倶楽部」(神奈川県小田原市)である。

 「小池百合子都知事の方針は、チャンチャラおかしい。うちが納得できる説明が欲しい」

 同社を率いる高橋弘会長は、『週刊ダイヤモンド』(8月9日号)で、こう怒りを露にし、その理由として、東京都の方針が定まらず、着工できない間に、「工事の延期などで、当初見積もった総投資額180億円から、すでに20億から30億円上振れしている」と語った。

 それに、「築地を守る」ことになったら、わずか2キロしか離れていない場所に、同じ色合いを持つ『食のテーマパーク』が2つできるわけで、いかに「万葉倶楽部」が「温浴・ホテル」など別の売り物を持っていたとしても、採算的に厳しくなる。

 また、同じ色合いのテーマパークという意味では、お台場に『大江戸温泉物語』があり、これも『千客万来』にはネックで、最初の施設予定業者だった『すしざんまい』「喜代村」は、その存続を知って撤退した。

 高橋会長にしてみれば、温浴施設のリスクを承知で出店したのに、「工期は遅れる、築地は守る、じゃたまらない」というところだろう。

 加えて、ただ怒るだけでなく、高橋会長の息子の高橋真己専務は、「事業から撤退後、損害賠償請求訴訟をすることもありうる」と、『読売新聞』(8月31日付)紙上で語っている。

 確かに正論ではあるが、高橋会長が置かれた立ち場を考えると、「優柔不断な小池都政の被害者」とばかりは言っていられない。

 「万葉倶楽部」を起こした高橋氏は、家業の酒屋を母体に、写真DPE事業の「日本ジャンボー」を設して全国展開、株式公開にまで漕ぎ着けた。

 が、写真現像業は、デジタルカメラの普及でいずれ行き詰まる、と先見の明を発揮。温浴業の「万葉倶楽部」に転身し、今は横浜・みなとみらいや神奈川・湯河原など9ヶ所で温浴施設を運営する。

 82歳を迎えた今もヤル気満々で、「いい事業、もうかる仕事」を持ち込まれると、自ら話を聞き、前向きに取り組む。

 その高橋氏が、温浴事業の次の柱にしようと考えたのが都市開発で、『千客万来』に名乗りを上げ、16年3月に事業者に決定しただけでなく、小田原駅東口の広域交流施設ゾーンの事業者に応募、16年12月に優先交渉権を得て、17年3月には小田原市と「基本協定」を結んでいる。

 「酒販店に始まり、写真DPE、日帰り温泉、ホテルと事業を展開してきた私が、新たに取り組んでいるのが都市開発事業です」

 地元の『神奈川新聞』で、高橋氏は『わが人生』と題する64回の連載を行ったが、その63回目でこう述べて、夢を語った。

 「生涯現役」ということである。

 82歳を迎えての事業欲は見事だが、「万葉倶楽部」がカネと時間がかかる都市開発に2つ同時に取り組めるのか、という懸念はある。

 売上高は近年、100億円強で停滞、経常利益は5億5000万円(16年9月期)と、それほど利益率は高くなく、しかも負債は180億円前後で、担保余力はない。

 都市開発への進出は、『日帰り温泉・万葉の湯』だけではジリ貧で、大きなプロジェクトに手をあげて借り入れを起こす自転車操業に陥っている、という指摘も聞かれる。

 それだと、工事の遅延や計画変更に翻弄されると、たちまち資金繰りがタイトになるわけで、それが高橋会長らの強い不満や告訴の意向表明につながっている可能性もある。

 小池都知事の煮え切らないご都合主義は問題だが、さりとて高橋社長の弁にしても、「正論」とばかりとは言えない気がしないでもない。【巳】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年8月29日配信「『生涯投資家』はベストセラーでも、村上世彰氏は継続中の証券監視委の調査に憂鬱の日々」<事件>

 


 

 『生涯投資家』(文藝春秋)が好調な売れ行きで8万部を突破したという。

 同著には、インサイダー逮捕時に、「カネ儲けは悪いことですか」と、“名言”を吐いた村上世彰氏の投資哲学が、投資遍歴とともに散りばめられており、「投資とは何か」を知ることができるとともに、村上氏の主張する「日本企業の持つ歪み」が、痛いほど伝わってくる。

 ただ、疑問なのは、「執筆の動機」となった女性向けアパレル大手「TSIホールディングス」の株価操縦事件について、一切、語られていないことである。

 「おわりに」のなかで、2015年11月下旬、証券取引等監視委員会の強制調査を受け、その調査を『週刊東洋経済』やNHKの『クローズアップ現代』が、正確に報じたことが、書籍化の動機になったという。

 そこには、「村上バッシング」の時とは違い、日本が冷静に自分の考えを受け入れる環境になってきたという思いがあり、そうして自分の考えを世に問うことが、辛い目に合わせてきた家族に対する責任を果たすことにつながると思ったという。

 であれば「TSIホールディングス」の株式売買において村上氏にかけられた嫌疑が何で、それに対する自分の考えを述べればいいと思うのだが、「おわりに」には嫌疑を受けた銘柄すら記していない。

 それは、証券監視委の調査がまだ続いているからである。

 強制調査から1年9ヶ月が経過。証券監視委は、刑事告発か、課徴金処分か、という決断に迫られている。

 マスコミの論調は、村上氏の言うように「相場操縦は疑わしい」というものであり、村上氏自身が立ち上げた「第三者委員会(委員長・宗像紀夫弁護士)」でも、「相場操縦罪は成立しない可能性が濃厚」という結論が出されている。

 では、村上氏は株価操縦を行ったのか。行ったとすれば、何のためだったのか。

 村上氏が「自分が受け入れられた」と感じる『週刊東洋経済』(16年1月16日号)は、「TSIホールディングス」で村上氏が行ったカラ売りを次のように擁護する。

 「(傘下のA、B、C3社を使ったカラ売りによって)、B、C社だけ見ると、TSI株が下がったことで、カラ売りによる利益は出ている。ところが、(B、C社に株を譲ったA社を含む)A、B、C社で見ると、利益は3社で相殺されている」

 証券監視委の見立ては、「空売りすることでTSI株の取引が活発であると見せかけ、他人の売りを誘い、TSI株の株価を意図的に下げ、後で買い戻して利益を得た、というものだ」(同)という。

 しかし、村上グループで利益を相殺しただけで利益は得ていないだけに、「相場操縦として、世彰氏の刑事責任を問うのは容易ではない」と、結論づけている。

 村上氏は、精緻に投資を行う人であり、過去に刑事被告人となっているだけに、違法行為には慎重だ。

 TSI株のカラ売りについては、村上氏の主張を受け入れないTSI社の「コーポレートガバナンスの欠如した社風」を批判した上でカラ売りに入っており、理論上も、手続き上も問題ないように思われる。

 だが、村上氏の利益に対する追求心には人並み以上のものがあり、氏はそれを隠さず、「悪いことですか」と、言ってのける。

 だとすれば、利益のあるA社の株を、利益の少ない(あるいは損失の出ている)B、Cの2社に付け替えて売却する行為は、「節税工作だった」と、言っていい。

 ところが『週刊東洋経済』は、「この利益の付け替えは、節税策と疑われてもおかしくはない」と書きながら、「TSI株取引による税メリットは世彰氏にとって取るに足らないものだったという」と、否定してしまう。

 ここに、利益のためなら何でも行う非情の投資家と、建て前の世界に生きる記者との差が出る。

 「節税効果がある」と思えば、それを利用してカラ売りを行うのが、村上世彰という投資家であり、証券監視委が「カラ売りの動機」として「節税」を結論づければ、他の投資家を惑わし、市場を歪めた相場操縦が成り立つのである。

 証券監視委は、調査を2年も引き伸ばすつもりはなく、近く活論を出すと言われているが、今暫し村上氏の憂鬱な日は続きそうである。【巳】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年8月23日配信「被害額63億円!――『五反田・海喜館地面師事件』に浮かぶ七つの謎」<事件>


 
(☚wikipedia)


 

 地面師事件は数多いが、売上高2兆円を超える「積水ハウス」(本社・大阪市北区)が騙されたという話題性と「63億円」という被害金額の大きさで、東京・五反田の旅館「海喜館」を舞台にした詐欺は、間違いなく犯罪史に残る事件となった。

 「海喜館」は、JR五反田駅から徒歩3分、五反田大橋際の目黒川沿いに建つ超レトロな旅館である。

 桜田通りに面した一等地ながら、木立に包まれて鬱蒼としており、何年も営業していないので外壁は一部が崩落、朽ち果てた印象を残し”怪奇館”とも呼ばれている。

 「積水ハウス」は、8月2日、「分譲マンション用地の購入に関する取引事故につきまして」という文章を「適時開示」したが、これでは意味不明。「捜査上の機密保持のため」とはいうものの、あまりに要領を得ない。

 発表によれば、売買契約を今年4月24日に結び、6月1日に決済を行って前渡金と合わせて63億円(購入総額は70億円)を支払ったが、6月9日、「所有者側の提出書類に真正でないものが含まれていたことから当該登記申請が却下され、以降、所有者と連絡が取れない状況」になったという。

 個別情報を一切、明かしていないのだが、著名物件であったために、その日のうちに場所は「海喜館」で、Kを名乗る成りすまし女が、所有権者の海老沢佐妃子さん(73)を装って契約を結び、カネを受け取った地面師事件であることが判明。偽者の佐妃子さんの偽造パスポートコピーと偽造印鑑登録証明証が出回った。

 地面師事件であるのは確かだが、その背景と構図の詳細は皆目。謎だらけといっていい。

 まず第一の謎は、佐妃子さんはどうなっているのか。――約600坪の物件は、6月24日、「相続」を原因にN兄弟に所有権移転登記がなされている。

 ということは亡くなっているのだが、いつ亡くなったかが分からないどころか、そもそも死亡自体が、確認されていない。

 第二は、主犯は誰なのか。――佐妃子さん役を演じたK女史はいつもの使い捨てであり、同女を弁護士のところに誘い、委任契約を結ばせる手配を行った同女のパートナーの男・小山某が主犯格?ということになる。

 この小山某の周辺には、M、D、Fなど名うての地面師グループがいて、“仕掛け”を手伝ったという。

 第三は、「積水ハウス」と地面師グループの間に入った「IKUTAホールディングス」も本当に被害者なのか。――元衆院議員の小林興起事務所(千代田区永田町・十全ビル)に同居(事件発覚後、渋谷区恵比寿に移転)、代表にダミーの女性を据えるなどいかがわしさ満載の企業だが、オーナーの生田剛氏は、かつては航空機リースやアパレル事業などで知られた、今は昔のバブル紳士。少なくともこれまで地面師事件に関与したことはないようだが、同氏について、事務所を貸している小林氏は「彼は『積水ハウス』にパイプを持っている」ことは認めている。

 第四は、いつの事件なのか。――というのも、小山某とその周辺が、偽造書類を持って動いていたのは昨年暮ぐらいからで、実際、出回っている印鑑登録証明証は今年1月19日発行のものである。

 ということは「積水ハウス」との売買契約で使われたものではなく、同種の仕掛けを別の企業に対して行った可能性もあり、”怪奇館事件”はひとつだけではないのかもしれない。

 第五は、「積水ハウス」に地面師グループの協力者はいなかったのか。――いくら精巧な書類であろうと、「積水ハウス」ほどの大手が騙されたのは、「取り引きの場か交渉の席に、それなりの地位に就いている積水側の人間がいて、交渉を後押ししたに違いない」(不動産関係者)との声も囁かれている。

 今回のインチキ売買を担当した同社「マンション事業部のO氏が自殺?した」という”怪情報”も、そうした疑いから発したものだろう。

 第六は、N兄弟は本物なのか。――穿ち過ぎであるのは承知だが、関係者のすべてを疑う必要があるのが地面師事件である。

 売買契約がなされ『IKUTA社』と『積水ハウス』が仮登記を設定したのが4月24日で、そのことに気付いたN兄弟が相続手続きをしたのは、わずか2ヶ月後の6月24日。あまりの手回しの良さを、逆に疑うこともできる。

 第七は、謎というより疑い混じりの願望だが、警視庁は今回の事件を解決できるのか。

 

 現時点での主犯は成りすましのK女史だが、「在日韓国人でKは通称。既に、出国して韓国に帰国、捕まえるのは難しい」(事情通)と噂されており、たとえ小山某ら主犯格の地面師に迫ったとしても、「私も騙された」といういつもの「地面師事件のカベ」にぶつかってしまう。

 もちろん、捜査は困難だろうと放置することは絶対に許されない。

 近時、この種の事件が多発していることを思えば、国民の耳目を集めた”怪奇館事件”の解明は、警視庁捜査2課の威信をかけて総力を傾注すべきであろう。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年7月13日配信「笠岡和雄・元二代目松浦組組長が『狼侠』で明かす芸能界と暴力団の果てしなき闇」<事件>

 

 

 「タブーなき男」――笠岡和雄・元二代目松浦組組長を知る者たちの共通認識である。

 その笠岡氏が、7月6日に上梓した『狼侠』(大翔)は、16歳から暴力団世界に入った笠岡氏の一代記であるとともに、暴力団との“連携”で芸能界での存在感を確かにした周防郁雄・バーニングプロダクション社長の糾弾の書である。

 今年に入って笠岡氏は現役を引退したが、神戸を拠点とする松浦組は、かつて田岡一雄・山口組三代目時代に喧嘩を仕掛けるほどの武闘派組織として知られていた。

 その後、勢いは失うものの、二代目を継承した笠岡氏は、山口組の下にはつかず、一本(独立系組織)を通してきた。

 近年、その存在感を見せつけているのは、傘下の右翼団体・大日本新政會での活動で、激しい街宣活動と恐れを知らぬブログで知られていた。

 大日本新生會のブログで標的となっていたのがバーニングプロである。

 周防社長は、芸能界やマスコミ関係者の間で、知らぬ者がいない「芸能界のドン」だ。

 ドンに睨まれると、威光が及ぶ芸能プロダクションのタレントを起用することができなくなり、事実上、テレビ番組が成り立たない。

 それは音楽だけでなく、ドラマやバラエティーなどテレビ全体に及び、雑誌社は、記事はもちろんグラビアの編集に支障をきたす。

 そんなバーニングを大日本新政會は、徹底的に叩いた。

 2001年、赤坂のバーニング事務所が銃撃を受けるという発砲事件をきっかけに、笠岡氏はバーニングの所有するマンションに入居。「若い衆」を常駐させて、用心棒を務めていた時期もある。

 それほど親密だった二人の仲は、千葉県で周防氏とその周辺で計画していた産業廃棄物処理場の建設をめぐって険悪になり、やがて袂を別った。

 その時の感情的なシコリと金銭的なもつれが原因となっての攻撃だけに、材料はいくらでもある。

 それを笠岡氏は、バーニング系プロダクションやタレントを起用する放送局などに街宣をかけて大音量で流し、その内容を詳細にプログで公開し続けた。

 マスコミ関係者は、音楽番組や各種音楽賞だけでなく、NHKの紅白歌合戦にまで影響力を行使する周防氏の力は知り抜いている。

 だが、それは公表、記事化される類のものでなく、半ば“伝言ゲーム”のような噂話のレベルだった。

 それが、かえって周防氏の虚像を膨らませパワーアップさせた側面がある。

 大日本新政會のブログは、その虚像を剥いだ。

 確かに周防氏には、広域暴力団の各所に築いた人脈があり、それを使ってタレントたちの離反を押さえ込むという指摘があった。

 それは、周防氏に限らず、興行を通じて暴力団と親しくならざるを得ない芸能プロの宿命と受け取られていたものの、具体的な事例が示されることは滅多にない。

 ところが笠岡氏は、それを「かつて愛人だった」というタレントのM女史を事例に暴露。セックスの中身にまで踏み込む衝撃的なものだったが、事例はそれだけではない。

 NHK紅白歌合戦の舞台裏や大河ドラマのプロデューサーに肉弾攻撃を仕掛けてタレントを送り込むなどの”周防流の仕掛け”を暴露。それを取り上げた週刊誌などもあり、大日本新政會のブログは、一時、芸能・マスコミ関係者とゴシップ好きには欠かせない読み物となった。

 『狼侠』は、そうしたブログの集大成であるのに加えて『仁義なき戦い』にも登場する広島のヤクザ組織に入った笠岡氏が、殺人罪で服役、その後、松浦組を継承したヤクザ人生を振り返るとともに、鶴田浩二、松方弘樹、ビートたけしなどとの交遊も記している。

 周防氏だけでなく、「周防氏の依頼を受けてブログ記事を止めにきた」という数々の暴力団幹部も実名で記しており、面白くない人たちは数多いが、「タブーなき男」に忖度は一切なし。”快著”とも”怪著”ともいえる「最後通告の書」(☚帯紙)である。【未】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年7月8日配信<0510archives>「森友学園・籠池前理事長の狆出し戦術爐縫ぅ薀ぅ蕁∩楮困鯀瓩瓩詁蛋槁瑤郎睫馨覆虜瓩乏犬鬚任るのか?」<事件>

瑞穂の国小学院(☚wikipedia)

 

 

 

 官邸の意向を受けて森友学園捜査に着手した大阪地検特捜部が、籠池泰典前理事長の野党やマスコミを使った「小出し戦術」に苛立っている。

 4月21日、共産党の宮本岳志議員は衆院国土交通委員会で、財務省近畿財務局が学園側に手渡していた「今後の手続きについて」と題する説明書の存在を明らかにした。

 日付は、2015年5月に小学校用地の貸付契約を結ぶ半年も前の14年12月18日で、貸し付けを前提に、手取り足取り指導していたことがわかる。

その直後、籠池氏と財務省幹部の面会内容が、学園側が残していた録音データによって明らかとなった。

 「どういう内容かご存知ですね」と、切り出す籠池氏。既に、15年9月、昭恵夫人が「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任することが決まり、谷女史からの問い合わせもあって「首相夫人案件」であることは、田村室長も十分、承知している。

 田村氏は、この問題が「特例」であることを認め、「重大な問題であることは認識している」と、語った。

地下埋設物の処理について協議したこの日の会見以降、貸し付け購入へと変わり、16年6月、鑑定価格より約8億2000万円も値引きされ、しかも年利1%で10年払いという破格の条件で売却が決まった。

トドメを刺すように、4月28日、民進党のヒヤリングに応じた籠池氏は、安倍昭恵首相夫人の関与を、より詳細に語った。

 建設構想を初めて説明した12年10月以降、電話した回数は20回以上に及び、「(財務省との)交渉の都度、昭恵氏に報告していた」と、明かした。

 民進党の江田健司代表代行は、ヒヤリング後の会見で「忖度どころか総理夫人の直接主導、介入ではないか」と、批判した。

 近畿財務局の「指導書」、田村室長との「録音データ」、民進党ヒヤリングでの「籠池証言」によって、国有地格安払い下げの実態が明らかになった。

 役人の忖度を「罪」にするのは難しいが、ここまでの証拠と証言があり、既に、この件に関して豊中市議から「背任容疑」での告発が出されており、受理した大阪地検特捜部は、否応なく捜査せざるを得ない。

 これは、検察を動かし、捜査を通じて「籠池氏の罪」を浮き彫りにし、「籠池の個人犯罪」という形で捜査を終結させたい官邸にとっては誤算である。

 既に、「理念先行で、結果は後から付いてくる」というタイプの籠池氏が、「安倍晋三記念小学校」という校名を“発案”するなど、「安倍の名」で寄付を集め、許認可を得、資金不足を補おうとするズサンな計画であったのは明らかとなっている。

 資金繰りは常に綱渡りで、障害を持つ園児の数、園長・保育士の勤務実態などをごまかし、補助金・助成金を不正に受け取っていた疑いを持たれている。

 建設会社に工事費2000万円をキックバックさせ、それを国に報告していなかった公金横領の疑いもあるし、三通りの工事契約書を三つの役所に提出、補助金を不正に受け取った件についても、特捜部に告発が出され、受理されている。

 官邸の意向を受け、告発の受理を早めて捜査着手した特捜部は、ゴールデンウィーク明け後に関係先を家宅捜索、捜査とマスコミ報道の連動で「籠池悪人説」をさらに印象付けて、逮捕に持っていく予定だった。

 しかし、籠池氏はそんな検察の思惑を読み込んで、捨て身の暴露“小出し”の情報操作で対抗した。

 そこには、昭恵夫人も財務省も一蓮托生であることをアピールすることで検察を牽制する狙いがある。

 それでも検察は、「籠池の個人犯罪」でカタを付けるのか、それとも「財務省の罪」にまで踏み込むのか。

 捜査は、籠池氏の更なる暴露があるかどうかを計算しながら、国民の財務省への苛立ちを読み込んで着地点を探る、という神経質なものになりそうである。【寅】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年6月27日配信<0510archives>「米国はFBI、韓国は検察が政権を監視!――行政と検察・警察・マスコミが一体となって"安倍1強"を護る日本の無残な現状!」<事件>

 
前川奇兵隊長(☚TV朝日)

 

 米国ではFBIが、長官解任の横暴に負けず、トランプ大統領に噛み付いて、女婿のクシュナー大統領上級顧問の捜査を始めた。

 韓国では検察が、朴槿恵前大統領を逮捕の上、収賄容疑など18件で起訴。本人は容疑をすべて否認しているが、懲役40年以上の実刑判決が下される可能性がある。

 権力は腐敗するから監視機能が必要だというのは、健全な国家を運営するのに欠かせないルールで、「米韓」はその機能を見せつけたが、逆に日本では「安倍1強」が続く間に、機能がすっかり失われたことが判明した。

 そればかりか、もうひとつのチェック機構のマスコミは、政権に歯向かう者の追い落としに回り、権力の走狗になり下がっている。

 加計学園騒動は、そんな日本の惨状を露呈した。

 加計学園の獣医学部新設は、「官邸の最高レベルの意向」であることは、文部科学省の8枚の内部文書から明らかであり、それを当時の事務方トップである前川喜平前事務次官がインタビューや会見で明らかにした。

 霞ヶ関の官僚が、退任後とはいえ政府方針に逆らって告発するのは異例のことだ。

 そこには、過去にも小泉純一郎政権時代、「三位一体改革」に反対の論陣を張った前川氏の個性と、前川製作所創業者の孫で、中曽根弘文元文相の親族という前川氏の恵まれた環境も左右している。

 また、新国立競技場の白紙撤回に至る文科省の不手際と、内閣官房の所管となった高級官僚人事に逆らった文科省の天下り斡旋問題など、官邸と文科省のギクシャクした関係も背後にあった。

 ただ、その前川氏の言論を封殺、そればかりか人格攻撃に走って、証言を貶めようとする官邸の意向と、それに乗った警察とマスコミは異常である。

 『読売新聞』は、朝日報道で加計学園への官邸圧力が明らかになった直後に前川氏の出会い系バー通いを報じた。

 報じたのは22日(月曜)であり、『週刊文春』の締切日。読売は、その週の25日(木曜)、同誌に「前川インタビュー」が掲載されるのに合わせて掲載したが、前川氏を恫喝するとともに、氏の人間性を貶めることになる報道は、官邸の意向に沿ったものと考えてよかろう。

 加計学園の学部新設は、「安倍首相のお友達の要望」を、官邸と内閣府が文科省を抱き込む形で無理に進めたもので、その表面化を官邸の意を受けた警察とマスコミが、一体となって潰しにかかったという「安倍1強の末期症状」を表すものだった。

 そして、その前に捜査着手した森友学園騒動は、検察が官邸に配慮、「国有地はなぜ安値で売却されたか」という本質的問題を抜きに、「籠池前理事長の個人犯罪」で蓋をしようとしており、こちらも検察が「国家の護持役」を、自ら放棄している。

 今年2月の問題発覚以降、告訴告発が相次ぎ、5月末の時点で➀「籠池の補助金不正受給及び詐欺」◆嶌睫馨粉盈修僚駑倏亡及び背任」「安倍昭恵夫人と付人の国家公務員法違反」と、争点は定まった。

 捜査する大阪地検特捜部は、籠池前理事長の補助金不正受給から着手、施工業者などの事情聴取を活発に行っており、家宅捜索を経て「籠池氏逮捕」は規定の路線とされている。が、その先のシナリオは描いていない。

 「『悪いのは籠池』を印象付ける事件です。昭恵夫人は籠池氏に利用されたことを示さねばならず、そのために捜査着手したといっていい。財務省ルートなど、“捜査するフリ”をするだけです。既に、官邸と法務省の間で話はついています」(検察関係者)

 すべてに優先するのは官邸の意向!――しかし、安倍夫妻を守るのが検察・警察・マスコミの役割といった異常が、いつまでも続くわけではないし、続けていいわけはない。

 両事件は、その異常を露呈したものであり、反応の早いネットでは、批判が凄まじい勢いで広がっており、それを修正する動きが、捜査当局とマスコミの内部から起こることが求められているのだが……。【辰】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年6月15日配信「森友学園・加計学園・山口敬之――“疑惑の忖度3連弾”で明確になった官邸の“罪”」<事件>

 
忖度の館(☚wikipedia)


 今年に入って、森友学園、加計学園、山口敬之氏と、安倍晋三首相周辺が、いずれも「官邸の力を利用した」として、騒動を引き起こしている。

 いっそ安倍首相が、官僚の忖度を引き起こすのではなく、明確な指示を発して、“お友達”の利益になることの対価として献金などを受け取っていたのなら、問題が明確化してスッキリする。

 だが、今回は「忖度」で物事が進み、指示したかどうかは曖昧で、直接の対価が発生していないように思われるところが弱い。

 そんな安倍政権を擁護、牽強付会の論陣を張る読売新聞、産経新聞、夕刊フジなどの一部マスコミは論外だが、内閣支持率が落ちないのも、「安倍首相が、悪いことをやったわけじゃない」という国民感情が底流にあるのかもしれない。

ただ、個別に眺めれば、たいしたことではないかもしれないが、さすがに「3件」も続くと官邸の組織的な罪が見えてくる。

 それは、官僚人事を官邸が握ったことによる「霞ヶ関の支配力」の強化であり、官邸中枢を身内で固めてしまうことによる「権力の拡大」である。

 さらに危惧すべきことは、権力の監視機構として「霞ヶ関」と「永田町」に睨みを効かせるはずの「検察と警察」が、官邸に取り込まれていることだ。

 ここが最も問題で、彼らは「3つの疑惑」の事件処理に関わっている。

 森友学園疑惑の本質は、安倍昭恵夫人が名誉校長であることを忖度して、財務省が国有地を8億円も安く払い下げたことだった。

 従って追及すべきは、国有地を管理する財務省の誰が、埋まってもいないゴミがあるとして安く払い下げる決定をしたのか、それはどんな命令系統で行われたのか?である。

 だが、官邸は当初から「ワルは籠池(泰典前理事長)」という構図を描き、大阪地検特捜部に受理させて捜査を早め、国会閉幕後の早い時期、遅くとも6月末までに強制調査に入る方針を固めている。

 加計学園騒動の本質は、獣医学部新設は必要ないとしていた文部科学省の方針を覆し、国家戦略特区を使って官邸が、強引に安倍首相の「腹心の友」である加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園に決めたことである。

 だが、官邸はその圧力を暴露し始めた前川喜平・前文科事務次官の“謀反”を憂慮、「出会い系バー通い」を読売新聞に書かせ、証言の信頼性を失わせようとした。

 しかし、これは「あまりにもあざとい印象操作」だとして逆効果だったうえに、文科省官僚の組織的抵抗に会い、「官邸圧力文書の再調査」を命じるなど、後退を余儀なくされた印象である。

 しかし、政権を揺るがすことはない。

 たとえ加計学園絡みで刑事告発がなされたとしても、検察は捜査するつもりはなさそうである。

 そんな官邸の検察、警察への支配力を見せつけたのが、山口敬之氏が起こしたとされる準強姦事件だった。

 「安倍首相に最も近いジャーナリスト」と言われてきた山口氏は、TBSワシントン支局長時代の15年4月、就職希望の詩織さんを宿泊先のホテルに連れ込んでレイプしたとして刑事告訴され、6月には逮捕寸前だった。

 だが、中村格・警視庁刑事部長(当時)の判断により逮捕は延期され、結局、書類送検の後、16年7月、嫌疑不十分で不起訴処分となった。

 この処分に納得しない詩織さんは、今年5月29日、顔出し告発し、検察審査会に審査を申し入れた。

 「起訴相当」となって再捜査される可能性が高いが、ここで問題となっているのは「事件つぶし」の疑いがあることだ。

 中村刑事部長が捜査を止めただけでなく、事件は高輪署から警視庁捜査一課に移送され、担当捜査員は他の署に異動、検事も変わってしまった。

 所轄署長の権限で処理される準強姦事件としては極めて異例で、何らかの政治力か、強力な忖度が働いたに違いない。

 中村氏は、刑事部長の前に官房長官秘書官を5年も経験、また「出会い系バー通い」を前川前次官に突きつけた杉田和博・副官房長官は、警察で警備公安畑を歩み、内閣情報調査室長を歴任、副官房長官は在職5年。また、今夏、杉田氏の後任となる予定で、山口氏の相談を受けていたとされる北村滋・内閣情報官は、やはり警備公安畑出身で情報官歴は6年。さらに、官邸人事で法務省事務次官に就いた黒川弘務氏は、5年の官房長の間に「政権に最も近い検事」となった。

 こうした検察、警察人脈が働いて、準強姦事件という「国家にとっては何の影響もないハズの事件」が潰されたとしたら、これぞまさしく「強過ぎる官邸の力」の証明であり、今こそ、この歪みを徹底的に暴き、追及する必要があるのは無論の事である。【丑】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年5月25日配信<0510archives>「"売り"は安倍首相との近さ!――急浮上した加計学園・加計幸太郎理事長の強みと弱み」<事件>

 加計幸太郎理事長
  (☚加計学園HP)

 
 「政商」は、時の政権との近さを“売り”に幅広くビジネスを展開、あまりいいイメージで語られることはない。

 在任5年を超えた安倍晋三政権に、強いコネクションを利用して大きくなった企業があってもいいが、実は、そうした企業は意外に少ない。

 「ゴリゴリと強引に突っ込んでくるような人間は嫌い。成蹊大出身の二世らしく上品を好む。だからといって知的エリートも苦手。だから昔からの『気のおけない友達』と付き合う」(官邸詰め記者)

 そうした友人のひとりが、「加計学園」の加計孝太郎理事長だろう。

 やはり二世で、創業者は父の勉氏。同氏が、広島県に1955年に設置した「広島英数学館」が母体で、現在、「岡山理科大」、「倉敷芸術科学大」、「千葉科学大学」など3大学に専門学校、付属高校・中学そして幼稚園などを持つ一大学校法人グループである。

 安倍首相と加計氏との関係は、両氏が20代の頃、ともに米国に留学していた時からだというから40年近く前にさかのぼる。

 この歴史と、今も多い時は年に5回も食事をともにし、時に夫人同伴になるという親密さ、そしてアベノミクスの成長戦略を加計学園が取り込んでいるという実態が、「政商」としての加計氏を裏付ける。

 「加計学園」は、「森友学園」とは比べ物にならない安倍首相との親密さを誇る。

 そもそも「森友学園」の“正体”が割れ、そのことで、籠池泰典前理事長の資金力のなさと無計画性が判明した。

 校舎を買う資金がないから国有地を借り、運営資金がないから「安倍晋三記念小学校」の名で寄付を集めようとした。

 しかも、安倍首相を誘い込めないので「私の名前を使っていい」と、公言する昭恵夫人を引っ張り込んだ。

 大阪地検特捜部は、森友学園の捜査に着手しているが、「官僚による忖度」という事件の"本質"には触れない。

 それは、安倍政権を守るためだけに行う「国策捜査」だからで、マスコミは捜査の是非は問わない。

 そこには「所詮、籠池は詐欺師的言動で、教育界を渡り歩いてきた男」という蔑視がある。

 ならば、アベノミクスの国家戦略特区利用で大きく事業展開してきた「加計学園疑惑」をマスコミは追及するのか。

 これも、あまり期待はできない。

 民放は、「安倍批判は、基本的にタブー」であり、ネット系は「ネトウヨ」を中心に政権を支える論調で、新聞も「親安倍」と見られるところが少なくない。

 だが、それでいいのだろうか。

 安倍首相が、千葉科学大学創業10周年というどうでもいい式典に、岸田文雄外相を引き連れて参加したり、学園傘下の「御影インターナショナル」に昭恵夫人が就任したりと、加計氏の"安倍利用"は、籠池氏以上だ。

 役人の忖度にしても、過去52年も新設がなかった獣医学部が、突如、安倍首相が諮問会議議長の国家戦略特区で認められ、愛媛県今治市の特区に立候補したのが「岡山理科大」だけだった。

 「役所と地方自治体が一強安倍内閣に配慮した結果」(民進党関係者)と、取られるのも無理からぬところだ。

 この獣医学部の認可には、"もうひとつの配慮"があった。

 最初、優勢だったのは「京都産業大」だったが、突如、条件が変更になり、「獣医学部の空白地域に限って認める」となったところで、関西圏の「京都産業大」はダメになり、四国の「岡山理科大」が浮上した。

 前述のように安倍首相は諮問会議議長である。

 何の接点もない籠池氏と比べ、加計氏の首相パイプはあまりに太い。

 加計学園が「第二の森友」と呼ばれる以上、マスコミは今こそ、調査報道によって、「加計学園と首相との関係」に切り込むべきである。【巳】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年5月20日配信「5月末の改正個人情報保護法などどこ吹く風で貪欲に稼ぎまくるアドテク業者たち」<事件>


盛況の第1回Web&デジタルマーケティングEXPO


 

 「マイクロターゲティング」「ONE TO ONE」とは、広告業界の言葉で、年齢、性別、趣味嗜好に合わせた広告を打つことを意味する。

 テレビ、新聞、雑誌などの従来型広告が、幅広い視聴者・読者に向けたイメージ広告であるのに対し、ネット広告は、誰が、どの機器を使って、どんなサイトを見ているかが、ある程度、把握できるために、個人へ向けたターゲティング広告を打つことができる。

 このネット広告の環境が、パソコンからスマホへの情報・通信ツールの進歩と、ビックデータといわれる莫大な量の情報の蓄積、それを整理して必要なものを取り出せる人工知能の進化、広告主と媒体を取り結ぶアドテクノロジー(アドテク)の超速の進歩によって、ネット利用者の欲望や関心を早取りして効果的な広告を打てるようになった。

 温泉へ行きたいと思えば、望む地方のお手頃価格の広告が現れ、ミュージカルや演劇を休日に楽しもうと思えば、希望に沿ったチケット情報が表示され、お腹が空けば宅配のピザや寿司、休日の午後にポッカリとした時間があれば自宅近辺で行われているイベントを紹介してくれる。

 うざいと感じたり、プライバシーを覗かれているようで不快感を持つ層もあるが、属性特定によって、それもやがては取り除けるようなネット広告環境になると言われており、急成長しているネット広告が、現在トップのテレビCMを追い抜くのは時間の問題だ。

 そんなネット広告の「今」を伝える「第11回Web&デジタルマーケティングEXPO」(5月10日〜12日)イベントが、東京ビッグサイトで開かれた。

 同時にビッグデータ活用展、クラウドコンピューティングEXPO、通販ソリューション展、IoT/M2M展、情報セキュリティEXPOなども開かれているから、ITが人と企業を今後、どのように変えていくかを指し示す祭典だった。

 昨日の技術が今日は陳腐化、今日のデータ蓄積量が明日は10倍になるIT分野の進化は、個人を驚く程の細かさで特定。それが前述のようなターゲティング広告につながるのだが、怖いのは個人情報が本人の同意なしにやり取りされることだ。

 否、「同意なし」というのは正確ではなく、そんな形で使われるとは思わなくて「同意」したものが、いいように加工され、使用されることになる。

 ネット利用で欠かせないのがログイン情報で、グーグル、ヤフーなどの検索エンジン、アマゾンのような通販、フェイスブック、ツイッター、ラインのようなSNSを利用しようと思えば、必ず住所、氏名、年齢などの個人情報を書き込むわけで、その情報を、業者が利用することに「同意」を求められた時、サービスに進むためにクリックする。

 この情報が、次々に積み重ねられ、人物像が友人、知人の存在とともに明らかになっていく。

例えばフェイスブックなら、訪問履歴や友人知人への「いいね!」クリックによって、肌の色、思想信条、支持政党までが推定されるようになり、それはビッグデータに保管される。

 瞬時に個人を層として捉えるアドテクは、例えば「田園調布駅半径300メートル以内のピザ好きな20代男性」に向けて、ボリュームある新製品のネット広告を配信することができる。

 怖いのは、個人情報保護法が改正を重ねられて厳しくなり、5月末施行の抜本改正で、個人情報法の漏洩はほぼ許されなくなっているのに、ネット広告業者は「同意」を得ていることと住所と氏名の特定は行わず、「層」として分類していることを隠れ蓑にしてこの問題をクリア、個人を“丸裸”にして広告を打ち続けていることだ。

 それも含めて「ITの祭典」に溢れる怖さは、グーグルやフェイスブックなどのプラットフォームを持つ業者が、その利用なしに人が暮らせないことをいいことに、情報をかき集め、広告に使うという行為が、他の人工知能、クラウドコンピューティング、ビッグデータなどの利用と重なることで、政治、金融、教育、などにも利用される危険性があることだ。

 既に、トランプ大統領誕生の陰に、フェイスブック情報を利用した「ケンブリッジ・アナリティカ」という選挙対策チームがいたことはよく知られている。

 マイクロターゲティングにより「最後のプッシュでトランプに投票する有権者」を把握、そこに集中して攻勢をかけることで、逆転勝利に導いた。

 個人の属性をそこまで把握すれば、どんな金融商品を誰に販売すれば、どんな親にどんな進学先を勧めれば、といった情報操作を行えるようになり、それを悪用すればどんな犯罪も可能になる。

 しかし、「祭典参加者」にそんな危機感は微塵もなく、出展者たちは個人情報利用のアピールに余念がなかったが、その状況を野放しにしていいかどうかの本格的な論議が、早急に必要であろう。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 



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