2016年7月26日配信「古巣の検察に異議申し立てをした証券取引等監視委員会・佐渡賢一委員長の思惑と覚悟」<事件>

佐渡賢一委員長
 (☚金融庁HP)


検察庁証券取引等監視委員会が、東芝3元社長の「粉飾決算事件」を巡り、前代未聞のバトルを繰り広げている。

証券監視委が、「明らかな粉飾決算。刑事告発するから受理して事件にしろ!」と迫り、検察が、「怪しい思惑の取引だけど、刑事事件にするほどのことはない!」と、突き返した。

従来ならここで終了。起訴する権利(公訴権)は検察にしかないからだ。

だが、今回は異なる。

証券監視委は刑事事件化にこだわって調査を継続。一時は、粉飾決算の証拠を公表して世論を喚起しようとした。

しかし、さすがに泥沼の争いになるということで、公表は延期した。

ここまで証券監視委が強気なのは、佐渡賢一委員長が元福岡高検検事長と検察OBであるのに加え、今年が3期9年の最終年度に当たり、日本の上場企業に蔓延する「粉飾の土壌」にメスを入れたいという強固な意志を持っているからだ。

東芝経営陣のどこに問題があったのかは、パソコン事業の「バイセル取引」に関するものでハッキリしている。

「東芝」は、調達するパソコンの部品を、製造を委託した台湾のメーカーにいったん売却、後から完成品を買い戻す。これがバイセル取引だが、その際、台湾メーカーに部品価格を高く設定して販売、その分を上乗せした価格で買い戻し、利益を調整していた。

この粉飾部分について、検察と証券監視委の間に意見の相違はない。

問題は、「チャレンジ」という言葉で、利益の必達を求めた西田厚聰、佐々木則夫、田中久雄の歴代3社長が、バイセル取引の利用を「指示」していたかどうかである。

既に進行中の民事訴訟で、3社長は粉飾の「指示」も「認識」も否定している。

本格的な取り調べはこれからだが、3社長が否認するのは間違いなく、しかも社内外の監査が入る大企業で、社長の責任のみを問うことの難しさが、検察をひるませている。

「東芝」の粉飾事件について、一般的な反応は、「大なり小なり、どこの企業もやっていること」といったものだろう。

「粉飾といっても、6兆円企業が6年間に2300億円を水増ししていたのだから誤差の範囲。在庫の調整や子会社や親密企業に売上協力を要請することで利益の調整を図るのは、どんな企業にも心当たりがあるだろう。課徴金という行政処分ならともかく、法律の杓子定規の判断で経営陣を逮捕するなど馬鹿げている」(上場企業経営者)

しかし、「誰でもやっているから見逃すべき」という感覚が、「粉飾の土壌」をはびこらせているという認識が佐渡委員長にはあり、「明確な指示と長期にわたる実例」が発覚している以上、許すわけにはいかないのである。

同時に、ここには検察が公訴権を振りかざし、事件を取捨選択してきた"常識"が、覆り始めたという時代の変化がある。

検察に司法取引を与えた刑事司法改革は、同時に可視化の導入も含めて、密室での取り調べや自白の強要を無くすなど公平性と透明性を求めるものだった。

検察の強みは、非公開性のなかで、特捜部という最強の捜査機関で捜査を進める一方、警察・国税・証券監視委・公正取引委員会など捜査・調査権を持つ役所を手足のように使えることだった。

まさに、「日本の秩序は自分たちが守る」という唯我独尊の組織だった。

その傲慢さが、一連の不祥事によって徹底的に叩かれ、司法取引の導入などによって新しい捜査手法を持つ、新しい組織に生まれ変わる時、捜査・調査機関が、これまでのように検察にお伺いを立て、「捜査の筋も事件化の可否」も検察に決めてもらう検察依存型組織であっていいはずがない。

つまり、検察が変われば、警察も国税も証券監視委も公取委も、みんなが立件への意思を持つ捜査・調査機関に変わらなければならない。

かつてなら考えられない「検察と証券監視委のバトル」は、そんな時代の節目に、退任間近の佐渡賢一という失うもののない"役者"が演じた"最後の大芝居"である。【亥】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2016年7月20日配信「米SECのアローラ前副社長に対するインサイダー疑惑調査で孫正義・ソフトバンク社長が直面する"次元の異なる危機"!?」<事件>

 

 

 

ソフトバンクの孫正義社長は、"大博打"を打ち続けながら、時にマスコミに叩かれ、時に監督官庁や捜査当局に睨まれつつ、一代で日本有数のIT・通信・エネルギー企業グループを築き上げた稀代の起業家である。

 本人は決して弱音を吐かず、弱みを見せることもないが、倒産の危機に瀕したことは過去に何度もある。

 だが、売上高約9兆円、株式時価総額約7兆円に達した今、「ソフトバンク」の経営基盤は簡単には揺るがないし、孫氏の大言壮語が批判されることもない。

 孫氏は、来年の還暦を前に、それだけのものを確立した。

 

 しかし、今回の危機は、かつてと次元が異なる。

 

 相手は米証券監視委員会(SEC)であり、かけられた疑惑は、孫氏が三顧の礼を持って迎えたニケシュ・アローラ副社長インサイダー取引と、それに伴う利益相反疑惑である。

 さらにそこに、孫氏が社外取締役を務める中国のオンライン市場会社「アリババ」が絡み、孫氏自身も疑惑の構図の中にいる。

 時系列で振り返ってみよう。

 孫氏が、「Google」のチーフ・ビジネス・オフィサー(CBO)だったアローラ氏を後継者含みの副社長として招請したのは、2014年10月。その時の報酬が約165億円だったことでも話題になった。

 今回、問題となっているのは、「ソフトバンク」に入社して以降も、アローラ氏が米投資会社「シルバーレイク・パートナーズ」の経営幹部だったことだ。

 「ソフトバンク」の投資部門の責任者であるアローラ氏が、そこで得たインサイダー情報で自らの米投資会社の投資活動に関与すれば、「利益相反によるインサイダー取引」の疑いが生じてくる。

 具体的には、アリババ株である。

 「アリババ」は、99年、ジャック・マー氏が起業した電子商取引の会社だが、翌年、中国でマー氏に面談した孫氏は、5分で出資を決断。従業員10名の赤字会社に、マー氏が望む2億円の10倍の20億円を即決したという孫氏らしいエピソードを残している。

 「アリババ」は、予想以上の発展を遂げ、14年9月にニューヨーク証券取引所に上場。その後の投資も含めて「ソフトバンク」が投じた105億円は、6兆7000億円の価値を生み、最大の成功例となった。

 約12兆円もの有利子負債を抱える「ソフトバンク」が揺るがないのも、このアリババ株の"大化け"のおかげである。

 「ソフトバンク」が出資し、大株主(現在32.2%)という経緯で、孫氏とマー氏は深い絆で結ばれ、孫氏は「アリババ」の、マー氏は「ソフトバンク」の、それぞれ社外取締役である。

 アローラ氏の「シルバーレイク」は、「アリババ」の業績悪化を理由に、保有株を15年半ばまでに売却している。

 また、SECは、「アリババ」の開示した情報に不審な点があるとして今年初めから調査に入り、それを「アリババ」は5月25日に開示した。

 翌日から株価は暴落したが、それに追い打ちをかけるように、6月1日、「ソフトバンク」はアリババ株の約4%を売却すると発表した。

 こうした経緯のなか、「ソフトバンク」に置かれた特別調査委員会は、6月20日、アローラ氏の一連の疑惑を調査した結果、「問題はなかった」と、結論づけた。

 そこで、続投かと思われたのだが、翌21日、「ソフトバンク」はアローラ氏の退任を発表。翌22日の株主総会で、孫氏は、「5年、10年とやりたくなった。欲が出てきた」と、社長続投を表明したのである。

 その一週間後、米の複数のメディアが、アローラ氏のソフトバンク在任中の行為に関し、SECが「ソフトバンク」ともども調査に入ったことを報じている。

 アローラ招請とアリババ株の売却――SEC調査が複雑に入り組んでいて、どこに問題があるのかが見えづらいが、「ソフトバンク」と「アリババ」というインサイダー情報を共有している会社に、投資家の側面を持ったままのアローラ氏が副社長が入社、危機を見越したような売却を行えば、SECに疑われても仕方がない。

 加えて、アローラ氏の"円満な退任"を演出した孫氏の真意はどこにあるのか。

 隠蔽を疑われかねない行為は、孫氏自身にも何らかの弱みがあることを感じさせる。

 SECには孫氏の"神通力"は通用しない。

 むしろ、SECには、アリババ捜査を通じて中国企業の曖昧な情報開示にメスを入れようという思惑があり、調査はアローラ疑惑も含めて長引く可能性がある。

 直面する「次元の違う危機」に孫正義氏は、どう対処するのか?――今後の推移から目が離せない。【辰】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2016年7月6日配信<0510archives>「雌伏6年、司法取引で焼け太りの"死んだふり特捜"が牙を剥くタイミングとその理由」<事件>

(☚wikipedia)


 舛添要一都知事のみっともない政治資金の私的流用がマスコミの話題を独り占めしている最中、東京地検特捜部は甘利明前経済再生担当相の口利き疑惑を不起訴処分とした。

 このタイミングを見計らったような処分決定は、「甘過ぎる」という国民批判をかわすためだろうが、それは"要らぬ配慮"(笑)であった。

 本来、検察捜査のチェック機能を持つべき大手マスコミの司法記者たちが、「あっせん利得処罰法違反での立件は無理だった」と、検察幹部のレクチャーそのままの記事を書き、検察を“支援”したからである。

 事件の悪質性から言えば、公金を"横領"したに等しい舛添氏と、ゴネ得を狙った事件屋に政治資金を渡され、この問題に関し事務所ぐるみで9回も「都市再生機構」(UR)の幹部を呼びつけた甘利氏の罪は五十歩百歩。否、見方によっては甘利氏の方が悪質、重大であるともいえる。

 だが、「一匹狼の政治家・舛添要一」「官邸がバックアップする安倍晋三首相側近・甘利明」は、背景の政治力に雲泥の差がある。

 それが、不起訴を経て復活に向かう甘利氏と自民党も見捨てて四面楚歌に陥った舛添氏との差になった。

 「甘利不起訴」の理由は、「官邸の意向」である。

 検察は、「『国会で質問するぞ』といった、具体的な圧力がなければあっせん利得処罰法は使えない」と、法律の“不備”を指摘するが、それはゴタクである。

 国民感情に照らせば、甘利事務所の行った行為は明らかに不正であり、斡旋利得処罰法違反だけでなく、政治資金規正法違反、公職選挙法違反、横領など、あらゆる法律を駆使して切り込んでいくべきだった。

 時効を迎えていない行為もあるのに、この時期、あえて不起訴処分で幕引きを図ったのは、7月の参院選(場合によっては衆院選も想定できた)に悪影響を与えないように早めに処理し、検察が官邸に恩を売りたかったとしか思えない。

 政官界と国政の監視役としての役割も期待される「法務・検察」が、ここまで政界の意向を気にするようになったのは、6年前の大阪地検事件が原因であり、検察はそこから自主的な「特捜改革」と、それに歩調を合わせた「刑事司法改革」を、政界の"承諾"を得ながら進めて行かねばならなかった。

 「特捜改革」とは、検察が起訴しやすいシナリオを作成、それに合わせて無理な自白を引き出し、事件を作り上げる従前の特捜捜査からの脱却が狙いで、そのために取り調べの過程を録音・録画して透明性を高め、それで難しくなる捜査のために司法取引を導入しようというのが「刑事司法改革」だった。

 法案を通すのは国会であり、与党・自民党が圧倒的に主導権を握る政界の現状では、自民党=官邸の協力なしに刑事司法改革関連法案は成立しない。

 そのために「死んだふり特捜」が定着。その甲斐あって、5月24日、ようやく法案は成立した。

 といって、すぐに施行されるわけではない。

 司法取引は、供述によって刑事処分が軽減される「協議・合意制度」と、刑事責任免除を約束することによって証言させる「刑事免責制度」の二つが柱だが、初めての試みであり、2年の試行錯誤を経て、施行される。

 これまでにも事実上の司法取引はあった。

 ヤメ検が珍重されたのはそのためで、現役の検事とOBのヤメ検が、密室で保釈の時期や猶予刑とするか否かを協議、それによって証言内容を変えさせた。

 だが、今回は、密室をオープンにしてシステム化するのだからまったくの別物。そのために施行までには模擬的な司法取引を行う必要性があり、それまでは政界に邪魔されたくはない。

 従って、特捜の死んだふりはもう少し続く。

 だが、「司法取引」という道具を手に入れ、その使い方に習熟すれば、また検察は捜査権力を使いたくなるし、政・官にとって"怖い存在"になるのは必至である。。

 それに、司法取引の反対給付だったはずの可視化は、検察案件に限られるうえ、逮捕前や起訴後の可視化は義務付けられないなど「検察の焼け太り」の内容になっている。

 検察は、死んだふりの後に、いつどんな形で"牙"を剥きだしてくるのか。――マスコミは挙げて、それをチェックする作業を怠ってはならない。【巳】






 

2016年6月23日配信「2016年株主総会シーズンの注目銘柄『プラコー』に登場する仕手&ヤメ検&ヤメ警の奇妙なトライアングル」<事件>

        プラコー株価チャート(☚Yahoo JAPAN)

 

 

 証券界事情通の間で、本番を迎えた2016年株主総会シーズンの注目銘柄となっているのが、ジャスダックに上場する「プラコー」(本社・埼玉県さいたま市)である。

 

 現在、プロキシファイト(委任状争奪戦)を実施中で大株主から役員一掃の株主提案を出され、会社側が必死の防戦に務めているのは同社ホームページからも伺える。

 

 「株主提案に対する反対表明」(5月27日)をニュースリリースしているのはもちろん、「社外取締役の意見受領書」(6月3日)、「議決権助言会社ISSの当社取締役候補者全員への賛成推奨」(6月17日)などを通じて、企業価値向上には会社提案の方が優れていることを訴えている。

 

 事情通が関心を寄せたのは、株主提案をしている大株主と役員候補の顔ぶれである。

 

 約20%の株式を保有する「フクジュコーポレーション」(本社・東京都中央区)が提案するのは、取締役5名と監査役1名の選任で、氏名と経歴は次のように記されている。

 

 【取締役候補者】
 ・井出和成(貴社の発行済株式433万7000株を保有する通知人の代表者)
 ・國枝博昭(東京工業大学教授として技術開発等に関する見識を持つ)
 ・玉置修一郎(日本興業銀行に入行して常務を務め、民間企業役員を歴任)
 ・友田純子(出光興産に入社し、その後民間企業代表を歴任)
 ・南 隆(東大法学部卒業後、警察庁に採用され、内閣情報調査室内閣審議官を最後に退職)
 【監査役候補者】
 ・石川達紘(名古屋高検検事長などを歴任し、退官後は弁護士活動を行う)

 

 情報が渦巻く証券界では、表と裏にグレーゾーンを含めた分野に通じていないと怪我をするが、それをわきまえた事情通にとっては、なんとも興味深いメンバーだ。

 

 「フクジュコーポレーション」の背後には、「ヤマゲン証券」のオーナー・荒木武氏が控えており、井出、荒木の両氏がこれまで、仕手筋的な動きを繰り返してきたために、証券界の評判はそれほど芳しいものではない。

 

 さらに眉をひそめざるをえないのは、今年3月、約9%の株式を持つ大株主として平原宏一氏が登場したことだ。

 

 平原氏は、大量保有報告書で「officeヒラハラ」(本社・東京都港区)を経営する投資家と紹介されているが、08年4月、マザーズに上場する「アーティストハウスホールディングス」の社長に、32歳の若さで就いたことで話題になった。

 

 しかし、マネーゲーム的な動きを繰り返し、平原氏の社長在任中に上場廃止となったことで、証券界では業績不振企業に取り付いて儲ける「増資マフィア」のひとりと目されている。

 

 奇妙なのは、井出氏らが「プラコー」に示した提案に、それなりの著名人が名を連ねていることだ。

 

 現在、83歳の玉置氏は、「興銀」が日本を代表する銀行だった時代から、「酸いも甘いも噛み分けたバンカー」として知られていた。

 

 南氏は警察庁キャリア官僚として順調に出世。トラブルを起こしての退官ということだったが、内閣情報調査室時代に培った幅広い人脈で知られる。

 

 石川氏は、77歳となった今でも検察庁の後輩に隠然たる影響力を行使できる大物ヤメ検である。

 

 いわば、「日本の秩序」の維持を担った人物が取締役・監査役候補に名を連ねているわけで、株主提案をしている反市場勢力的なメンバーとの"ギャップ"は大きい。

 

 また、社外取締役で弁護士の小沢剛司氏が提出した意見書に「取締候補者の方々全員が株式会社プラコーの事業のみならず経営改善に一切関与された経験がないことから、過去の過ちを今後のコーポレート・ガバナンスの維持・強化に活かすということについて、多大な不安を抱かざるを得ません」とあるように、「プラコー」が"狙われ易いハコ企業"ではなく、プラスチック加工機専業という技術力のある事業会社であるために、「無茶な提案」と映るのも事実だ。

 

 とかくの噂の仕手とヤメ検、ヤメ警が"三位一体"となった乗っ取り劇の狙いは何か。――今月29日に迫った株主総会が注目される。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2016年6月9日配信「池田組若頭射殺で内輪揉めから本格抗争へ!?――水面下で続く6代目山口組vs神戸山口組の虚々実々の駆け引き」<事件>



 山口組が分裂して9ヶ月、遂に"本格抗争"に突入した!

 5月31日、神戸山口組系池田組の高木忠若頭が射殺され、「個人的な怨恨」、「同じ岡山県内の6代目山口組系大石組とのトラブル」、「6代目山口組の組織的犯行」と、様々に憶測が流れていたものの、6月5日、6代目山口組系弘道会傘下の山本英之容疑者が岡山県警に出頭、「組織的犯行」であることが明らかになった。

 「返し(報復)はするな!」

 高木若頭射殺事件の直後、神戸山口組の執行部はこう通達を出していたが、それは犯人の目星がつかなかった時の事である。

 が、犯人が名乗り出て、「怨恨」でも「トラブル」でもなく、「逆盃」で組を割って出て、挑発を続けて勢力を拡大させている神戸山口組総体を狙い、その代表として拡大路線の一翼を担った高木若頭のタマを取ったとあれば話は違ってくる。

 組織戦を仕掛けられては、「ヤクザ」である以上、放置はできない。

 神戸山口組で舎弟頭を務める池田孝志池田組組長は、資金力のある武闘派として知られ、「返し」を躊躇するような人ではないし、それを神戸山口組の執行部が抑えられるものでもない。

 ただ、約30年前の山口組分裂後の「山一抗争」の時と違い、法律でがんじがらめにされている暴力団は、上部組織への波及を恐れてストレートな抗争には発展しにくい。

 今回の実行犯は、弘道会系高山組系山本興業組長であり、司忍6代目からすれば4次団体の組長であり、遠い存在だ。

 しかし、山一抗争後に施行された暴対法は改正を重ねて上部組織の使用者責任を厳しく問うようになり、組織犯罪処罰法と合わせると、一気に組織のトップにまで駆け上がることができるようになった。

 従って、これまでの9ヶ月間もそうだったが、ますます水面下の情報戦は活発になり、捜査当局もマスコミも、両山口組の虚々実々の駆け引きのなかから本物の情報を見分けなければならない。

 これまでにどんな動きがあったのか。

 まず、射殺事件まで続けられていたという両山口組の「統一」に向けた話し合いである。

 サミット休戦には、「国家の行事に悪影響を与えられない」という暴力団なりの美学があったが、同時に、「無益な抗争で人が死んだり、シノギが枯渇するようなことは避けたい」という執行部の思惑があり、相当、真摯な話し合いが持たれていた。

 5月14日には、6代目山口組若頭補佐の高木康男清水一家総長と神戸山口組の織田絆誠若頭代行が会合を持った。

 その場で結論が出されることはなかったものの、「司6代目が総裁のような立場に就き、7代目を井上邦雄神戸山口組組長にするか、司6代目の下で井上組長が若頭となるか」といった案が検討され、それぞれ持ち帰った。

 次の会合予定日の5月16日には、2人に加え、6代目山口組からは若頭補佐の竹内照明弘道会会長、神戸山口組からは若頭補佐の剣柾和黒誠会会長が出席することになっていたが、竹内若頭補佐の都合で延期。そのまま流会すると思われたのだが、今度は、井上組長の「弟分」で、弘道会稲葉地一家の最高幹部にもパイプがあるという九州の有力団体のトップが間に入り、「共存」への新たな道を模索していたという。

 その最中の銃撃である。

 しかも、犯人の特定までには時間がかかり、「迷宮入り」も考えられるのに、4次団体とはいえ6代目山口組の傘下組長が名乗り出たということは、ヤクザとしての意地をみせつけると同時に、「野合」を進める執行部への反発だろう。

 今後、警察当局は、両山口組を「特定抗争指定暴力団」に指定することによって、暴力団事務所の使用を制限、5名以上、集まっただけで逮捕するなど、最も有効な法律を駆使して攻め立てると同時に、山本容疑者→南正毅高山組組長→竹内弘道会会長→司6代目山口組組長へと使用者責任を追及、連座して罪に問うべく捜査を進めるに違いない。

 一方の神戸山口組にしても、「返し」は避けられず、そうなると同じ方式で井上組長へと駆け上がる捜査となり、「両方、ぶっ潰すまでやりますよ!」と、警察庁幹部は宣言している。

 その網の目にひっからないように、両山口組は抗争へ向けてひた走りながら、虚実取り混ぜた情報を警察、マスコミ、実話誌などに発信しながら、捜査を攪乱しようとする。

 分裂後の山口組報道は、両山口組のポジショントークに乗せられて、牽強付会なものが多かったが、今回の射殺事件を機に、これまでの内輪揉めから本格抗争に移行するやもしれず、そうなれば「暴力団消滅」の流れに拍車が掛かるのは必至!?――今後の展開からは目が離せない。【寅】







 

2016年5月26日配信「東京五輪招致疑惑追及第2弾!!――FIFA、IAAF、IOCに華麗なる人脈を誇る高橋治之・電通元専務の果たした役割!」<事件>

電通汐留ビル(☚wikipedia)
 

 仏検察当局の捜査によって日本に飛び火した東京オリンピック招致疑惑の"正体"が、民進党による国会での追求やマスコミの追撃取材によって見えてきた。

 アフリカ票を取りまとめたラミン・ディアク国際オリンピック委員会(IOC)元委員(国際陸上競技連盟・IAAF元会長)に対し、日本の招致委員会が贈賄工作を行ったかどうかが焦点で、解明のカギを握るのは、招致委員会から約2億2000万円の振込を受けたシンガポールのコンサルタント会社「ブラック・タイディングス」代表のイアン・タン・トン・ハン氏である。

 招致委員会からの振込を受けたタン氏は、そのカネをアミン・ディアク氏の息子で親密な関係にあるパパマッサタ・ディアク氏に「工作資金」として渡したのか? そして、それは広告代理店大手「電通」の指示によるものではなかったのか?

 「電通」の指示が疑われるのは、国会で竹田恒和日本オリンピック委員会(JOC)会長が答えたように、JOCにも招致委員会にも「誰にどんな工作をすればいいか。どんなコンサルタントを雇えばいいか」というノウハウを持つ者がいないからだ。

 そこで、13年9月の招致決定の直前、最後の工作に「電通」のアドバイスを求めた。

 その「電通」で、サッカーワールドカップ、国際陸上、オリンピックなどの運営に口を差し挟める“大物”として知られるのが、1970年代後半から国際的なスポーツイベントに関与してきた高橋治之元専務である。

 同氏は、IAAFのラミン・ディアク元会長、FIFAのプラッター元会長らとの太い人脈で知られている。

 09年に電通専務を退任、招致決定時の13年には顧問職も離れていたが、当時も今も、電通内に隠然たる影響力を持っている。

 しかも、高橋氏は幼稚舎からの慶応ボーイで、JOCの竹田会長は幼稚舎の3学年後輩。同窓会幹事役などを通じて昔から親交があり、15年前、竹田氏がJOC会長になる時には、スポーツ界に地位を築いていた高橋氏のプッシュがあったという。

 内外ともに高橋氏の人脈が第一線でスポーツ界を支配している時、「電通」がアドバイザーとなって2020年オリンピック招致を進めていたのだから、高橋氏がその人脈と影響力を生かさないハズがない。

 まして高橋氏は、東京・汐留の電通本社ビル46階最上階に、「ソラシオ」という仏料理店を経営、「電通の接待所」にもなっており、「電通」にとって「特別な存在」である。

 そもそも高橋氏とスポーツの商業化、国際化、イベント化は共にあった。

 オリンピックの歴史が劇的に変わったのは、84年のロサンゼルスオリンピックからで、これを機に「参加することに意義があったスポーツの祭典」は、企業が広告を打って名を売り、スポンサーとして有力選手を高給で遇する場となり、各国オリンピック委員会は莫大な放映権料に潤い、ロゴやグッズでも儲けるという商業主義が浸透していった。

 それはFIFAのサッカーワールドカップ、IAAFの世界陸上も同じで、3大スポーツイベントは巨大なスポーツ利権を生み、そこに生息する理事や委員には、大会誘致をめぐって巨額の賄賂が発生するようになり、なかでもトップクラスの役員には、スポーツ界のボスとして、数千万、数億ドルといったとてつもないカネが流れ込むようになった。

 最近、スイス司法当局が巨額贈賄工作を行っていたスイスのスポーツコンサルタント「インターナショナル・スポーツ&レジャー」(ISL)を摘発、米司法当局が14名のFIFA幹部を贈収賄容疑で起訴、仏司法当局が収賄と資金洗浄でディアク父子を逮捕しているように、今は、そうしたカネまみれとなったスポーツの祭典を、ドンたちの一掃を通じて浄化しようという流れにある。

 その商業化、巨大化を、広告代理店という立場から支え、今、摘発を受けている大物たちとの間に人脈を築き、それを「電通」の業績にするとともに、ワールドカップ招致やオリンピック招致に結びつけたのが高橋氏だった。

 そういう意味では一時代を築き、スポーツ史に名を残した人物ではあるが、自ら提供したかどうかはともかく、カネを欲しがるボスたちに資金を提供するノウハウを持った人であるのも確かだ。

 タン氏は、「電通」が設立に関与したと指摘される「アスレチック・マネジメント&サービス」(AMS)のコンサルタントを勤めていたという。

 ここで、招致委員会からタン氏を通じてディアク父子に流れたという疑惑に、「電通」が大きく絡むことになり、その人脈は無役とはいえ高橋氏のものである。

 仏司法当局の捜査が進めば、高橋氏は間違いなくすべてを知る"キーマン"として浮上することになるのは必至である。【丑】







 

2016年5月2日配信「マスコミ出まくりの巨人軍元投手・笠原将生と中継役・斎藤聡を電光石火で逮捕した警視庁と巨人と熊勝彦コミッショナーの思惑」<事件>

(☚wikipedia)

 全国の野球場が、ゴールデンウィーク初日で満員盛況だった4月29日、警視庁組織犯罪対策4課は、野球人気に冷水を浴びせかけるように捜査着手、賭博開帳図利容疑で元飲食店経営の斎藤聡容疑者(38)を、その幇助容疑で元巨人軍投手の笠原将生容疑者(25)を、それぞれ逮捕した。

 「証拠が少な過ぎる。捜査着手はまだまだ先になる」と、警視庁幹部にごまかされていたマスコミのなかには、「G・W初日の電光石火の逮捕」に驚かされた社もあったが、両容疑者が取材に応じていたので、それなりに準備はできていた。

 逮捕映像は、頭からタオルをかけられた情けないものだったが、笠原容疑者が逮捕前に述べていた「反省と主張」が、各局で流された。

 予想より逮捕が早かったのは、第一にマスコミに向かって情報発信する2人の姿勢が、「事件をコントロールできなくなる」という意味で組対4課には面白くなかったことがあげられる。

 次に、2人の情報を通じて巨人の高木京介投手に波及、さらに「円陣での声掛けご祝儀」といった他の疑惑も発生させていることへの恐れと不満があった。

 そのうえ、オリンピック候補が出場辞退となったバドミントン選手の闇カジノへの出入りも、「斎藤人脈の情報」と指摘されており、組対4課としては、これ以上の放置はメンツに関わる、という思いもあった。

 その点で、警視庁巨人NPB(日本野球機構)の熊勝彦コミッショナーの「事件化して処理し、ケジメはつけるが、騒動をこれ以上、大きくはしない」という思惑は一致している。

 経緯を振り返ってみよう。

 昨年10月5日、巨人が福田聡志投手の野球賭博関与を発表。同日、大鶴基成弁護士を委員長とする調査委員会が初会合を持ち、翌日から全選手、監督、コーチ陣から事情聴取を開始。調査結果を受けて、11月10日、福田、笠原、松本竜也の3投手が野球賭博を行っていたとして無期失格処分とした。

 この間の調査は、携帯電話を提出させて根掘り葉掘り聞いた3選手以外は「聞き取り調査」である。

 しかし、それでは認めるハズがない。

 熊コミッショナーは「(捜査ではない)調査の限界」と、記者会見で述べていたが、全員の携帯をチェックすれば、野球賭博に不可欠な「ハンデ表」などの記録は残っていたに違いなく、巨人同様、芋ずる式の選手関与が明らかとなるのを恐れたとしか思えない。

 熊コミッショナーも大鶴調査委員長も東京地検特捜部長経験者。大阪地検事件以降、“腑抜け”になっている特捜部だが、元気がいい頃は、被疑者をあらゆる捜査権力を使って徹底的に追い詰めることで知られた。

 だが、一方で、検察は「日本の秩序の維持組織」であり、国家秩序までは揺るがせない。

 今回、野球賭博の全容解明が、他の選手に次々に波及、あるいは他球団にまで広がって、プロ野球界を存亡の危機に陥れることを恐れたのではないだろうか。

 そこは、「球界の盟主」をもって任じる巨人も同じであり、調査委員会に積極的に協力、3選手での幕引きを図った。

 その動きに、斎藤、笠原の両容疑者が不満を持つのは当然のこと。斎藤容疑者の親族がフジサンケイグループの記者であることから、最初にスクープした『週刊文春』に情報提供。高木、バドミントン選手へと続き、警視庁が捜査を早める結果につながった。

 ただ、今回の警視庁の捜査が、そんな「予定調和」で終了するとは思えない。

 最初の事件発覚のきっかけとなった橋本投手を裏カジノと野球賭博に誘い、笠原容疑者の中継役でもあった元大学院生・M氏の捜査は、これから本格化しよう。

 また、逮捕した両容疑者の証言から、暴力団関係者が仕切る胴元へと駆け上がることも考えられる。

 事件捜査は本格化したばかりだ。――今後、タテヨコに捜査が進展したとき、思いがけない選手に波及することもあるやもしれない。【卯】







 

2016年4月29日配信「三菱自動車、またもや不祥事発覚で"1兆円損失"を抱えて歩むイバラ道!?」<事件>

 
仏の顔も三度まで?

 またしても!?――「隠蔽」と「ごまかし」が社風といって過言ではないのが「三菱自動車」(本社・港区)である。

 過去、2度に亘ってリコール隠しが発覚、業務上過失致死容疑でグループ前会長らが逮捕され、存亡の危機に立たされ、三菱グループが総力を挙げて支援。ようやく再生を果たした矢先のデータ不正だけに、もはや救いようがない。

 さらに、不正は日を追って大きくなり、最初の軽自動車主力車種の「ekワゴン」「ekスペース」の燃費測定の基となるデータを改ざんして検査機関に提出していたことに加え、必要な走行実験を行わず、国の規定とは異なる方法で走行実験を実施していたうえに、看板車種の電気自動車「i―MiEV」でも不正が顕在化するなど悪質さが増した。

 三菱自動車製造の「デイズ」「デイズルークス」を日産ブランドで売っていた「日産自動車」は、当初、「事態の推移を見守りたい」としていたものの、不正が連鎖することに呆れ果て、販売を停止したうえで、補償請求することを決めた。

 今後、「三菱自動車」は補償請求、損害賠償、エコカー減税を与えていた国への免税分返却などに迫られる。

 相川哲郎社長は「買い取り」を否定しているが、排ガス不正を引き起こした独「フォルクスワーゲン」(VW)は、米国での不正車買い取りに踏み切り、約2兆円の引当金を積んだ。

 今後、「三菱自動車」でも全車買い取りを視野に入れる事態も生じるやもしれず、そうなると1兆円近い負担となり、自力再生は難しい。

 前回のリコール隠しの時は、「腐ってもスリーダイヤ」だった。

 三菱の名を社名に冠した企業を潰せないとばかりに三菱グループが"奉加帳"を回し、「三菱重工」、「三菱商事」、「三菱東京UFJ銀行」が、「三菱自動車」の発行する優先株を引き受けて、再生を支援した。

 そのうえで、「企業倫理委員会」を設置、「三菱商事」出身の益子修氏を社長に据えて、抜本的な構造改革に乗り出した。

 非常事態から脱した「三菱自動車」は、2014年3月期に過去最高益を記録、復配も果たして、三菱グループ「金曜会」の世話役も務めた相川賢太郎・三菱重工業元会長の息子で、社内では「プリンス」と呼ばれていたプロパーの相川哲郎氏を社長に就けた。

 だが、今回の燃費データの不正は、「三菱自動車」の隠蔽・改竄体質が、社員のDNAに刷り込まれた改善不能なものであることを露呈。もはや「次の支援」はなかろう。

 「仏の顔も三度まで」である。

 しかも、三菱グループ各社の置かれた環境は、かつてないほど厳しい。

 約20%を持つ筆頭株主の「三菱重工」は、25日、大型客船の建造が遅れ、508億円の特別損失を計上すると発表。加えて、国産ジェット旅客機「MRJ」も遅延続きで黒字化はずれ込み、豪州での潜水艦受注もフランスの後塵を拝し、米原発事故で約9300億円の損害賠償を求められるなど、数々の試練に直面、自動車支援どころではない。

 「三菱商事」は、資源安が直撃。16年3月期決算は、約4300億円の減損処理に迫られ、約1500億円の最終赤字に陥った。
 これは、連結決算に移行した69年以降、初めてのこと。選択と集中による自社の立て直しが急務で、自動車に構っている余裕はない。

 「三菱東京UFJ銀行」も事件化が濃厚な「日本郵船」を巻き込んだ「ユナイテッドオーシャン・グループ」(UOG)絡みの巨額不正融資疑惑を抱えており、とてもじゃないが「三菱自動車」まで手が回らない。

 そうなると、記憶に蘇るのは、台湾の「ホンハイ」(鴻海精密工業)に身売りした「シャープ」であり、医療、家電部門などを次々に売却して解体されつつある「東芝」である。

 「三菱自動車」は今後、「身売り」「解体」への道を辿ることが現実味を帯びるが、となると、当然、その責任を負うのは、体質を変えることができなかった前・現経営陣ということになるのは必至。"絶縁"か、"破門"か、それとも"残留"か。――懊悩する"三菱一家"は如何なる沙汰を下すのだろうか。【巳】










 

2016年4月22日配信「『甘利事件』で改めて証明されたUR不要論!――東京、千葉、茨城で頻発するトラブルの数々!!」

上西郁夫・UR理事長

 甘利明前経済財政・再生相と清島健一元公設第一秘書が、斡旋利得処罰法違反で告発され、東京地検特捜部が捜査着手した事件は、「都市再生機構」(UR)を被害者ではなく加害者として捉えるべき事件であることが、捜査の進捗とともに明らかになってきた。

 当初、『週刊文春』の連載記事が伝えたのは、千葉県の型枠工事会社である「薩摩興業」(千葉県白井市)の総務担当者である一色武氏が、移転補償費を少しでも多くかち取るために、甘利事務所を金銭と接待で籠絡、「UR」にプレッシャーをかけ続け、思惑通りに合計で3億円近い補償を手にしたというものだった。

 つまり、一色氏の「請託」を受けた甘利事務所が、大物政治家としての権限を行使して補償金を支払うよう「UR」に「斡旋」し、政治献金という「利得」を得たという構図である。

 権限行使の部分が、「国会で質問するぞ!」といった具体的なものでないだけに弱いものの、斡旋利得処罰法違反が十分に疑える事件である。

 ただ、この構図のなかではプレッシャーを受けて高額の補償金を支払わされ、被害者となるハズの「UR」だが、窓口の担当者が一色氏から総額100万円近い接待を受け、情報を漏洩していたことが判明した。

 本来なら訴訟で判決を受けて支払うべき補償費を、勝手に積み上げていたことと合わせ、これでは「UR」を単純に被害者とは言えないのではないか。

 「UR」は住宅供給を目的に設立された日本公団が前身で、「住宅・都市整備公団」を経て現在の「独立行政法人UR」となった。

 従って、まだ実質的に国の組織であり、「みなし公務員」として収賄罪が適用される。

 接待を受けて情報を漏らし、補償金額を甘利事務所と“一体”となって釣り上げていった姿勢から感じられるのは、「UR」は事件の「共犯者」であり、その「被害者」は国民である。

 「UR」には、この種の事件がすこぶる多く、トラブルが頻発している。

 昨年3月、「UR」は東京・北区の「日本油脂」の工場跡地約2万4000平方メートルの再開発を「総合評価方式」で入札にかけたが、業界が騒然としたのは、そのあまりに恣意的な入札結果である。

 価格点を50、企画点を50とする入札だったが、60億円で応札。価格点で満点だった「新日鉄興和不動産JV」は、約21億円も低い約39億円で入札した「大和ハウス工業JV」に企画点でひっくり返された。

 「企画点は土壌汚染対策、地域への貢献、事業推進体制などですが、約21億円もの価格差を逆転できるものではない。考えられるのは最初から『UR』と親密な『大和ハウス』に決まっていて、企画点はその便法に使われたとしか思えない」(不動産会社幹部)

 茨城県つくば市では、市政を二分する総合運動公園の土地売買をめぐって、「UR」とつくば市長との不自然な関係が指摘されている。

 「UR」が所有していた約46ヘクタールの土地を、市は不動産鑑定評価に基づき、1万4500円/屐約66億円で購入したが、その価格が「高過ぎる」と批判された。

 その後、市議会でもうひとつ別の鑑定価格があることが判明。それは9130円/屬如△海舛蕕暴召┐約42億円で24億円も安くついた。

 高値づかみしたのはなぜか。

 「運動公園は300億円という高額予算が問題となり、昨年8月の住民投票の結果、反対が8割以上に達し、白紙撤回となりました。一連の動きは、I市長とその周辺者が利権として推進していたもので、結果的に『UR』は、高額過ぎる事業計画に加担。様々な"策謀"もあったようですが、白紙撤回で急激に力を失った同市長は市長選への不出馬を表明、疑惑は封印されそうです」(つくば市議会関係者)

 千葉県香取市でも「UR」絡みでおかしな事業計画が進行、市議会が紛糾した。

 香取市は、2017年3月の完成予定で橘ふれあい公園整備事業を進めていたのだが、事業費が急騰、批判を浴び、事業計画がストップした。

 なかでも問題とされたのは5億6000万円の事業予算が15億2000万円に跳ね上がった公園内の生きがい交流館で、野放図ともいえる予算膨張に、業務委託先の「UR」に対する批判が高まった。

 「事業費がどんどん高くなったのは、U市長と『UR』との親密な関係が背後にあると指摘されました。結局、『UR』が政治力を受け入れて?余計なものをくっつけたことが原因でしょう」(香取市議会関係者)

 千葉ニュータウンの「薩摩興業」、北区工場跡地整備計画、つくば市運動公園、香取市ふれあい交流館……。

 いずれにも共通するキーワードは「お手盛り」である。

 いろんな理屈をつけて民営化せず、国交省役人たちの天下りの場になっているから政治に弱い。その結果、政治家が口利きを行い、それを安易に受け入れる。

 言うまでもなく「お手盛り」で被害を受けるのは、国民であり住民である。

 そうした犯罪を摘発するのが特捜部の役割であり、甘利事件では「URの犯罪」にまで踏み込むべきなのだが…。【丑】




 

2016年4月14日配信「バドミントン五輪候補に波及した暴力団シノギの原点・ニッポン闇カジノ事情」<事件>

(☚www.smash-net.tv)

 リオデジャネイロ五輪でメダル候補と言われた男子バドミントンの桃田賢人選手と元五輪代表の田児賢一選手闇カジノにハマっていたことが判明、改めて闇カジノの一般社会への侵食が証明された。

 野球賭博で選手生命を失った巨人3選手と中継役らとの出会いと交流の場も、また闇カジノだった。

 もともと暴力団の多くが博徒系で、かつての手本引きなどの賭場が廃れて、バカラ主体の闇カジノになっただけだと思えば、暴力団が"シノギの原点"に回帰、本流に力を入れているわけで、驚くには値しない。

 暴対法や暴排条例による締め付けで、表の企業社会との接点を断たれた暴力団は、「裏」で稼ぐしかなく、覚せい剤、振り込め詐欺、闇カジノの三つがシノギの柱となった。

 このうち闇カジノは、インターネットカジノ、野球賭博、覚せい剤などに顧客を引き込む舞台装置にも使えるわけで、追い詰められた暴力団にとっては、最も使い勝手のいいシノギの場である。

 闇カジノにも流行がある。

 「かつては贅を競いました。立派なバカラ台を置いて、綺麗な女性スタッフを揃え、酒と食事のサービスを絶やさず、客に極上の気分を味わせて高額を張ってもらった。が、今は、摘発を恐れて、舞台装置にはこだわらない。贅沢な気分にさせる工夫はしますが、バカラ台を簡素にし、いつでも移動可能にして、実際、2ヶ月と同じ場所にはいません」

 ギャンブルは人間の本能のようなもの。だから客には困らない。

 いずれも会員制を取っており、「客引きに誘われた」という田児選手の発言は論外で、実際は、タニマチが贔屓の歌手、芸能人、プロスポーツ選手を連れてやってくるし、今回のバドミントン選手や巨人軍投手で実証されたように、先輩後輩の縦社会のなか、先輩に誘われるとイヤと言えずにやってきて、ハマってしまう。

 要は、口コミと紹介による芋づる式の普及である。
 加えて、深夜以降は、飲食店やクラブがハネた後、ホステスが客を連れてやってくる。

 彼女たちには「同伴客の負けた分の一定割合」が支給され、「ダメージバック」と言われているが、客を増やし、女を配して場を華やかにする店にとっては優れたシステムだ。

 さらに、6代目山口組と神戸山口組の抗争が、闇カジノの世界にも影響を与えている。

 「東京の六本木、赤坂、歌舞伎町、渋谷、錦糸町などの繁華街、大阪ならミナミとキタなどにはそれぞれ数十軒の闇カジノがあって、ギャンブル好きを食い合っています。抗争激化とともに闇カジノ間の競争も激しくなり、警察への密かな“情報提供”も増えました」(警視庁捜査関係者)

 匿名情報には、ダミーの届け出名義人、裏の経営者、ケツ持ちの暴力団、3〜4ヵ所の移動先を含めた店の場所などの詳細が書かれている。

 ただ、情報を得ても、場所の特定、出入りの確認、資金ルート、関係する暴力団の背後関係まで調べたうえで、捜査となれば延べで数百人の捜査員を用意しなければならず、いざ家宅捜索の際には100人単位の陣容が必要だ。

 現在、神戸山口組の広域暴力団指定と、抗争防止に人手を割かれて、暴力団がシノギと活動の拠点にしている闇カジノにまで手が回らないうえに、覚せい剤と同じで現行犯逮捕でなくてはならず、失敗は許されない。

 3選手に高木京介投手も加えた巨人軍賭博問題もバトミントン2選手の闇カジノも、最大の情報ルートは笠原将生投手のバックにもなっていたマスコミで「B氏」と表記される人物S氏である。

 同氏の兄弟が産経グループの記者で、それが産経新聞、サンスポ、夕刊フジなどのスクープにつながっている。

 一個人の情報だけでこれだけの拡がりがあることを思えば、カジノ全体に捜査が及べば大変な騒ぎになることは必至。――「このカジノには、他のスポーツ選手やOB、芸能人なども通っていた」(週刊誌記者)と取材を始めたマスコミもあり、まだしばらくは"カジノ賭博フィーバー"が続きそうである。【巳】





 


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