2015年12月10日配信「橋本弘文極心連合会会長“引退”騒動のゴタゴタで露呈した司忍山口組6代目の求心力のなさ!」<事件>


巻き返しなるか?(☚wikipedia)



「6代目山口組」の弱体ぶりが、またひとつ顕わになった。

 盪垣胸兵稙不在の今、事実上の癸欧箸靴道頁Γ饗緻椶鯤篋粥∩箸鮑糠曚垢詭魍笋橋本弘文統括委員長が、引退騒動を引き起こしたのである。

 錯綜していた情報を整理すればこうなる。

 司6代目は、12月1日、渡辺芳則5代目の命日に、神戸を訪れて歴代組長の墓参りを行った。

 分裂騒動以来、報道陣の前に姿を見せるのは初めてのこと。それだけに司6代目には、「神戸山口組」に押され気味の「6代目山口組」が、反転攻勢をアピールするという目的があったハズである。

 ところが事態は逆に推移する。

 墓参りを終えた一行は神戸市内の山口組本部に戻ったのだが、橋本若頭補佐は戻らず、携帯電話にも応答せず“失踪”した。

 さまざまな憶測が乱れ飛ぶなか、本人が引退を表明していることが明らかとなり、居場所を突き止めた大原宏延本部長ら執行部が必死に説得に奔走、4日に開かれた総本部の会合に出席した橋本統括委員長は、引退を撤回して残留の意向を示した。

 橋本統括委員長の処遇は、今後、協議されて13日に行われる「事始め」の席で、新しい組の運営方針とともに明らかとなるが、これまでのような重責を担うことはない。

「6代目山口組」の統治は、司6代目の出身母体である名古屋「弘道会」の手法を基本としており、徹底的な情報収集活動を行い、それをもとに厳しく内部管理するものである。

 05年6月に司6代目が組長を受け継いでから、関西勢が中心の「山口組」を統治することができたのは、直参(直系組長)の動向が司6代目、あるいは盪骸稙の耳に入る“秘密の情報網”を組内に持っていたためで、何度かあった造反劇は、それで潰してきた。

 しかし、司令塔だった盪骸稙が、昨年6月、恐喝罪で6年の実刑判決が確定して下獄。以降、“自慢の情報網”は生かされず、今年8月末の神戸山口組発足につながった。

 今、改めて指摘されているのは「盪撹垪漾の重さである。

 分裂騒動以降、内にこもってロクな指示を出さない司6代目に対する不満は強く、今、何が起きているのか分からず、明確な指示もなく、「恥かしい話、実話雑誌を読んで現状を知っている状態」(山口組2次団体幹部)なのだという。

 司6代目は、6代目を襲名後、すぐに長期刑が待ち受けていたこともあり、弘道会発足以来の右腕である高山若頭を、直参、若頭補佐、若頭と、わずか4ヶ月でスピード出世させた。

 ただ、名古屋しか知らない盪骸稙にすべてを委ねるのは無理だとして、05年6月、同時に若頭補佐に就けた入江禎2代目宅見組組長、橋本極心連合会会長の2人を、実質的な補佐役として、関西の人間関係や風俗・風習などを盪骸稙に教えさせ、統治に役立つようにした。

 それは上手くいき、司6代目の社会不在(05年12月〜11年4月)の穴を埋めたが、同時に“参勤交代”と揶揄されるウィークデーの本部詰め、報告と連絡の徹底、上納金アップ、ミネラルウォーターやシャンプー、石鹸、歯ブラシなど雑貨品の強制販売など、「弘道会方式」の厳しい統治への反発は強まった。

 そうしたなか、司6代目の復帰後、入江本部長を外し、舎弟に直して舎弟頭として権限を弱め、盪骸稙の下獄に合わせて、今度は「弘道会」の竹内照明会長を直参にして、すぐに若頭補佐に出世させ、引き続き名古屋体制で臨む姿勢を明らかにした。

 分裂した神戸山口組の組長でなくとも、「弘道会のための山口組」になってしまっている現状に不満で、それが「神戸山口組」への移籍が日を追うごとに増えている理由だ。

 橋本若頭補佐は、もともとは「山健組」の出身で、「3代目山健組」の桑田兼吉組長のもとで若頭、組長代行を務めた後、05年4月、盪骸稙とともに直参に取り立てられた。

 従って「山健組」出身者の多い「神戸山口組」からすれば、橋本組長は「名古屋に尻尾を振り続けた人」(山健組元幹部)であり、受け入れは容認しがたい。

 そんな自分の立場を承知で「6代目山口組」を離れたのは、司6代目の威光を笠に、尊大な調子でモノを言う竹内若頭補佐への心情的反発と、それを許す司6代目への不満だ。

 盪骸稙が統治の責任者であれば、配下が「神戸山口組」に走ったような組の組長は、即、除籍か破門であり、信賞必罰の姿勢で臨んだが、今回の橋本統括委員長の“曖昧”な処置も含め、「6代目山口組」は、何より「組織温存」の名のもとに、統治が失われた組織になっている。

 司6代目は指導力を発揮せず、統治が失われて脱落者が続出、司6代目の求心力が低下するという逆スパイラル状態に陥っている。

 橋本組長の引退騒動は、混乱する6代目山口組と司6代目の求心力のなさを図らずも露呈したが、「橋本が抜けたことで神戸が断然優勢になってきた」(捜査関係者)との声も聞かれる現在、果たして「6代目山口組」は、今後どう盛り返すのだろうか。注目が怠れない。【丑】







2015年12月4日配信「村上世彰氏を強制調査した佐渡賢一委員長&佐々木清隆事務局長の合言葉は『秩序の破壊者は許すまじ!』」<事件>


再びの標的に‼(☚bloomberg)


 証券取引等監視委員会は、「物言う株主」の村上世彰氏がトコトン嫌いなのであろう。

 アパレル大手「TSIホールディングス」に絡んで株価操縦を行ったとして、証券監視委は、先月25日、強制調査に着手した。

 背景には、証券監視委の佐渡賢一委員長と佐々木清隆事務局長の村上氏への苛立ちがある。

 前にも警告したではないか。それなのに、また同じことを繰り返すとは、あなた(村上氏)は、証券監視委を舐めているのか!

 2人の気持ちを忖度すればこうなろう。

 直前の11月中旬に事件化、一家3人を逮捕した“兜町の風雲児”についても同じことが言える。

 株価操縦といえばそうなのだが、実は、株価操縦には裁量の範囲が広く、大手証券も外資もヘッジファンドも、疑えばきりのない株価操縦を行っているのが証券市場である。

 加藤、村上両氏と、そうした連中との違いは、「個人」で罪が着せやすく、わかりやすいか否かでしかない。

 では、村上氏はなぜ狙われたのか。――強制調査までの経緯を振り返ってみよう。

 2006年6月のインサイダー取引による逮捕後、村上氏は「日本がホントに嫌になった」という言葉を残し、シンガポールに住居を移した。

 ところが、リーマンショックで日本の株も土地も大暴落すると、投資のチャンスが到来したと読んだ村上氏は、日本に舞い戻って買い占めに入っていった。

 村上氏の投資手法は、「底値で買って高値で売る」というシンプルなものである。

 村上氏の元側近は、次のように説明する。

 「買おうと思った物件は、土地にしろ、株にしろ、徹底的にリサーチして、底値だと思ったから『買い』です。そこに迷いはない。しかも個別案件だけでなく、経済の先読みもでき、その頭脳は間違いなく第一級。その『読み』の深さで着実に資産を増やしています」

 村上ファンドの摘発時、村上氏の資産は約200億円と言われたが、それが今では1000億円を優に超える。

 復帰後、南青山3丁目などの著名不動産物件や「リプラス」「ダイナシティ」「ジョイントコーポレーション」「アコーディアゴルフ」など、色々な銘柄に関与、しこった案件もあったが、着実に利益を積み増した。

 だが、一方で、信頼できるパートナーも優秀な部下も持てない。

 「まさしく投資の天才ですが、個人的には最悪な人。カネが全ての価値基準で、カネを生まない人はパートナーではないし、友達でもない。だから村上さんには友達がいないのです」(前出の元側近)

 村上ファンド時代のパートナーや部下が、著名な三浦恵美女史も含め、ほとんど全員が離れたのも、そういう事情によるものである。

 ただ、みんなが去っても問題はなかった。

 2011年6月、懲役2年執行猶予3年の有罪判決が最高裁で確定。14年6月からは晴れて“自由”の身になったわけで、そこから村上氏は、ビジネスの形態を変え、娘の絢氏を代表に据え、自らが後見役であることを隠さずに株主総会などに出席、ファミリーオフィスの運営者となった。

 それが、株の「C&Iコーポレーション」であり、土地の「青山不動産」である。

 海外では、1000億円を超えるような資産家になると、ファミリーオフィスの役割は資産を増やすことではなく、減らさないことだが、村上氏は違った。

 絢女史との“父娘コンビ”が行ったのは、強欲に儲けることだった。

 強制調査で疑われているのは、売り手と買い手をあらかじめ決めて出来高を膨らます「馴れ合い売買」であり、市場が閉じる直前に大量の売り注文を出して株価を急落させる「終値関与」である。

 問題視されている借株で空売りする手法と合わせ、どちらも古い手口で外資系証券やファンドのなかには海外の市場を使って同種の株価操縦を行うところは少なくない。

 村上氏は、「黒田電気」などで“物言う株主”として復活、絢女史を広告塔にマスコミを利用して会社を揺さぶった。

 前回のインサイダー事件での捕時と手口は、寸分の変わりもない。

 そこが証券監視委をリードする佐渡委員長と佐々木事務局長は許せなかった。

「佐渡さんは、来年6月に3期9年の任期を終えて勇退する予定です。村上氏の摘発が、勇退の花道を飾ります。また、佐々木事務局長は7月に着任したばかりですが、前回、特別調査課の課長時代に手がけたのが『ライブドア事件』であり、『村上ファンド事件』でした。佐々木、村上両氏ともに、83年東大法学部卒の同期で、佐々木氏は旧大蔵省へ、村上氏は旧通産省に進んだのですが、佐々木氏に残る村上氏に抱く“仲間意識”が、逆に“秩序の破壊者”となってしまった彼に対する近親憎悪的な怒りとなっているような気がします」(証券監視委関係者)

 前回、村上氏は、日本が秩序を破壊する新興勢力に“非寛容の国”であることを、痛感してシンガポールに脱出したはずなのに、その教訓が生かされていなかった。――それが今回の強制調査につながったのではなかろうか。【亥】








2015年12月2日配信<0510archives>「これが事件でなくて何が事件?ーーそれでも特捜出動の気配なし‼?――『東芝粉飾決算事件』が『予定調和』の報告書』で幕引き!?」<事件>


ブラックジョーク!?(東芝HPより)



 社内取締役12名のうち8名が辞任、「選択と集中」を推し進めた名経営者として讃えられ、一時は経団連会長候補にもなった西田厚聰相談役まで身を退き、「東芝」は株主などステークホルダーに対して、最大限のお詫びをし、再生を誓ったように見える。

 また、不適切会計を調査した第三者委員会は、「『東芝』ほどの大企業で、不適切会計が組織的に繰り返されていることに衝撃を受けた」として、そのコンプライアンス(法令遵守)を欠き、コーポレートガバナンス(企業統治)が機能していない同社の実情を、長文の報告書で明らかにした。

 だが、これで「東芝事件」が解決したことにはならない。

 なにより問題なのは、不適切、つまりは悪意のない不注意で事件を終わらせてしまおうという意図が、会社側にも第三者委員会側にもあることだ。

 これを「予定調和」という。

 会社側と第三者委員会の“示し合わせ”は、会社側と同日(7月21日)に開かれた第三者委員会の記者会見で述べた上田広一委員長(元東京高検検事長)の「不適切ではなく、不正ではないのか?」という質問に対する次の回答に集約されている。

「担当者が会計知識を間違えていたり、(損失などの)先送りがさほど違法と思っていなかったりした。違法という認識がないことも重要だ。全体としてまとめると、『不適切』と判断した」

 罪と認識していなかったから「不正」ではないという。――笑止千万!これが東京地検特捜部長まで務めた人の言葉だろうか。

 第三者委員会の報告書では、佐々木則夫社長(当時)が、「3日で120億円の営業利益を出せ!」と、社内会議で強く迫ったことが記されている。

 しかし、合法的な処理などできるわけがなく、「利益の調整」をするしかないのは明々白々。双方、「粉飾」という禁断の領域に足を踏み入れていることは承知である。

「知らなかった」は詭弁であり、記者会見で田中久雄前社長は、「(不正の)指示などだしたことはありません!」と、そこは語気を強めたが、それは今後、発生する株主代表訴訟などに備え、「違法の押し付け」を否定しておく必要があったからだろう。

 元検事をメンバーにしても、第三者委員会は所詮、会社側が依頼するもので、強制権限はないし、出来ることも時間も限られている。

 だから、「不正」があったかどうかは、証券取引等監視委員会など外部の調査機関、あるいは証券市場に対する罪ということで東京証券取引所が調べなくてはならない。

 当初は、第三者委員会の報告を待って、調べを本格化させるかと思われたが、明らかにトーンダウン。証券監視委は、金融庁に課徴金を科すよう報告する方向での検討に入っているという。

 あくまで「不正の認識がないから不適切」というのは第三者委員会の“見立て”にすぎない。

 証券監視委が、“市場の監視役”を持って任じるプロなら、1562億円もの利益操作を行った会社を放置することなく、強制調査のうえで判断を下すべきだろう。

 なのに、なぜ最初から課徴金なのか。面妖このうえない沙汰である。

 東証もそうだ。

 上場廃止を含め、様々な厳しい処分があるのだが、内部管理に問題ある企業として投資家に注意喚起を促す「特設注意市場銘柄」に留める方針である。

 要は、「東芝」が大企業で与える影響が大きいから悪質としたくないし、刑事罰に持って行きたくない、というのが第一の理由であり、問題を大きくすれば安倍しかし政権が進める株価重視のアベノミクスに影響を与える、というのが第二の理由だ。

 今回露呈した事件は、確信犯として東芝経営陣が繰り返してきた白昼堂々の粉飾である。

 が、粉飾による摘発を始めれば、キリのない腐敗の連鎖につながるのは明白で、それを恐れて事件を“調整”。課徴金という甘い処分で幕引きを図りたいのであろう。

 しかし、それにより日本の企業が決算期に行う「利益の調整」は、「不適切」で済まされるという悪しき先例を作ってしまった。

 本来なら、ここは東京地検特捜部の出番のはず。――威信回復には恰好の事件なのだが、今のところ“出動”の気配は見えない。

 なあなあで決着?――「東芝粉飾決算事件」のケジメなき幕引きは、株式市場のみならず、我が国の企業社会に拭い難い汚点を残すのは必至であろう。【丑】












2015年11月26日配信「“兜町の風雲児”逮捕で仕手相場の終焉と超高速取引という“後出しジャンケン”の問題点!」<事件>



時々の鐘の音

鐘の音は温かい心で打てば暖かく響きます。
冷たく打てば冷たく響きます。
共に奏でる愛の音色が、心地よく響き合えることを願いつつ、主に株式関係の情報を発信いたします。
ここに掲載する銘柄に関しては、投資勧誘を目的とするものでは決してありません。売買に関しては、自己責任の原則を貫いてほしいと思います。当スタッフは一切の責任を負いません。



 現在も「大物」かどうかはともかく、“最後の仕手”であるのは間違いない加藤嵩が逮捕され、「仕手の時代」を知る年配の証券関係者には、一抹の寂寥感が漂っている。

 投資家の欲望をかき集め、それを数百億、数千億円の規模に膨らませてコレと定めた銘柄にぶち込み、株価を急騰させて売り抜けを図る壮大なゲームがバブル期までの仕手戦であり、加藤は間違いなく株価の動向を示す罫線を操る大物仕手だった。

 誠備グループ時代の「宮地鉄工」から始まって、脱税逮捕で逼塞を余儀なくされたものの、バブル期にまた復活。広域暴力団組長や企業グループオーナーなどの「裏」と「表」のカネを糾合、「東急電鉄」「本州製紙」といった大型株に挑んで株価を急騰させたバブル絶頂期の仕手戦は、今や伝説となっている。

 “証券秩序の破壊者”として、証券界や公権力に嫌われたのは当然だ。

 しかし、一般の投資家は「4大証券(当時の野村、山一、大和、日興)こそ、推奨銘柄などのアナウンスで株価を操り、大口に儲けさせ、一般投資家に損をさせる仕手ではないか」という加藤の発言に共感、さほどの反発は生まれなかった。

 それだけ証券不信が根強かったのである。

 が、時代は移り、証券マンが「推奨」することは禁じられ、証券取引等監視員会が発足、監視の目がいちだんと厳しくなった状況の変化と、バブル崩壊後、証券市場に投じられる“あぶく銭”が急減、取り引きの主体がネット取引になるという急激な時代の変化によって、仕手は存在しづらくなった。

 往年の仕手は、売り方と買い方が右四つに組んだ、いわば真っ向勝負。昨今のボロ株にインチキ臭い材料をつけて値上がりを画策、値動きの激しい株を好む投資家にはめ込んで逃げる“資本のハイエナ”と呼ばれる性悪連中と異なり、良い悪いは別にして、彼らが演出する相場には、「欲望の織り成す人間ドラマ」や「株価急騰がもたらす高揚感」が確かにあったが、今やそんな“壮大なロマン”はどこにも存在しなくなった。

 加藤も過去の人である。

 バブル崩壊後、「新しい風の会」「泰山」といった投資グループを立ち上げ、中小型株で仕手戦を行ってはいたが、いずれも社会的影響力のない株ばかり。「K銘柄」とはやされることもあったが、昔年のファンを除いては付き従う人は少なく、それを象徴するのが共犯として逮捕されたのが妻と息子のふたりだけ。つまりは、証券市場の片隅で行われていた“ファミリービジネス”だった。

 とはいえ、ネットを使った株価操縦だったので、摘発は仕方ない。

 ただ、証券監視委はこのところ証券事件の告発は年に1件が精々の“開店休業状態”であった。
 何かやらねば!――その標的が「昔の名前で出ていた加藤」であるところに「何で今更、加藤なのか?」という批判が生まれる所以である。

 世間受けを意識して著名人を逮捕して存在意義をアピールしたい証券取引等監視委員会の気持ちは分からないではないが、もっと他にやる事があるではないか!と思うのは、小誌だけではなかろう。

 その不満の最たるものが、巨大資本の機関投資家と一般投資家の置かれた環境の落差だろう。

 電子取引の拡大により、コンピュータのプログラムに従って自動売買するアルゴリズム取引や、HFT(ハイ・フリークエンシー・トレーディング)と呼ばれる超高速取引が一般化、普通の投資家では絶対に太刀打ちできないのが実情である。

 今、東証の現物株売買システムのアローヘッドは、1000分の0・5秒で注文を受け付けて処理するが、一般投資家の処理速度は100分の2〜3秒。こうまでスピードが違うと、個人投資家の発注動向を探って自動で売買、利ざやを抜くことが出来る。

 要は“後出しジャンケン”で、HFTを手がける業者のなかには、「2009年からの4年間で損失を出したのは1日だけ。残り、1237日は利益だった」というとんでもない業者まで現れた。

 しかもプログラミング売買なので一方に走る。

 一日のうちでも乱高下するのは、人知や企業業績とは関係のない機械的な動のためで、アルゴリズム取引を超高速でやられて勝てる一般投資家はほとんどいない。

 違法ではないが、処理スピードを上げるためにと、取引所の少しでも近いところにサーバーを置く、といった不毛の
「スピード競争」の勝者が、確実な利益を得る“後出しジャンケン取引”が、証券市場を汚し、公正な競争を妨げているのはいうまでもない。

 こうした事態を放置しておいて、シコシコと”ファミリービジネス”を行っていた加藤一家を「大物仕手」と持ち上げたうえ「証券市場を汚す悪者」と糾弾する前に不公平な手法を駆使して巨利を手にする“収奪業者”の狡い取引を許す制度を見直すのが先決であろう。【寅】








2015年11月18日配信「大石元組長からの借金発覚で晩節を汚した山岡永知・元日大名誉教授の"不名誉"の数々‼」<事件>


お騒がせ大学(☚wikipedia)


 日本大学は、11月10日、山口組大石組の大石誉夫元組長から2000万円を借り、返済していなかったことが発覚した山岡永知名誉教授を解職処分にしたと発表した。

 報道機関からの問い合わせで大学側が、「借金問題」を教授に確認したのが6日だから、わずか4日で責任を取らせたことになる。

 司忍山口組6代目とのツーショット写真が流出、国会でも取り上げられた田中英寿理事長の問題を放置していることとの"落差"は気になるが、法学部教授という身分、借金したのが大石氏が現役時代であること、今は引退したとはいえ返済もしていないことを考えれば、身分の剥奪は致し方ない。

 それにしても脇の甘い人である。

 山岡氏は、自身が経営していた「新日本経済投資顧問」という会社が「不当な勧誘」を行っていたとして、2012年10月12日、証券取引等監視委員会から行政処分勧告を受けたことがある。

 これは、「定期預金のご案内です」「元本が1円も減ることのない商品です」とセールスが虚偽勧誘していたという金融商品取引法違反事件で判明しているだけで、122名の顧客が4億6200万円の出資を行っていたというから悪質な投資詐欺である。

 勧告を受けた関東財務局は、金融業者登録を取り消し、各種の業務改善命令を出したが、実は、件の投資顧問会社のオーナーは別にいて、山岡氏は名前を利用されただけの"御神輿役"にすぎない。

 山岡氏を知る日大関係者はこう呆れる。

「オーナーは金融詐欺で何度も摘発を受け、懲役にも行ったような人物。日大教授で行政との関係も深い山岡さんの名前を利用したんだが、そんな会社の社長を引き受けることが間違っている。第3代の日大総長を祖父に持つ家柄でボンボン。いい人なんだが誰にでも騙されてしまう」

 大石氏からの2000万円もそうだった。借り入れは約10年前で、資金使途は次のようなものだった。

 スイスの銀行に預けているカネを資金に、確実に利回りが出る商品先物で運用。その支度金として資金が必要だが、一部を負担して欲しい――。

 まるでM資金だが、山岡氏は信じていたようで、自らも資金を注ぎ込み、それだけでは足らずに、旧知の大石氏にこう依頼したのだという。

 大石氏は、実兄の影響で若くして渡世の道に入り、昭和30年代に四国から岡山に入って地盤を築き、引退した実兄に代わって田岡一雄山口組3代目の直参になった。

 4代目、5代目体制で要職をこなし、6代目体制では顧問。高齢を理由に、12年2月、組を井上茂樹若頭に譲って現役を退いた。

 岡山を拠点に長く暴力団組長を務め、その分、人脈も広いが、ことに東京では事業家や金融マンを集めて食事会を開催。豊かな資金を投融資に振り向けている「経済ヤクザ」として知られていた。

 山岡氏は、そうした大石氏のカタギ人脈のひとりで、法的知識はもちろんのこと語学が堪能なため、海外案件で大石氏にアドバイスすることもあった。

 そうした人間関係もあって、大石氏も山岡氏が信じた怪しい投資話の“手助け”をしたのだろう。

 2000万円の発覚は、大石氏が原告となった台湾の投資案件に関する「原告側証人」となって法廷に立った際、被告側弁護人の“逆襲”にあったもので、「借金をしているから原告に有利な証言をしている」ということを裁判官に印象付ける被告側の作戦だった。

 この法廷証言をマスコミに嗅ぎつけられ、追求されて山岡氏は失脚。総務省の行政相談委員の委嘱なども取り消された。

 安易に投資話に乗り、安易にダミーの社長役を引き受け、安易に暴力団組長との交際を続けた挙句の解職処分!――「身から出たサビ」というしかない。【未】








2015年11月11日配信「逮捕第2弾は美人女医、歯科医に伸び、最後は接骨院に戻るという診療報酬不正請求事件の行方」<事件>


渦中のお笑い芸人(☚wikipedia)




 半年以上前からネットや一部週刊誌などで報じられていた「診療報酬不正請求事件」が、ようやく弾けた。

 警視庁組織犯罪対策4課は、11月7日までに住吉会幸平一家義勇会三戸組三戸慶太郎組長16名を逮捕、暴力団組長を頂点としたネズミ講にも似た組織による「国家に対する詐欺」を解明する。

 この事件に“華”を添えるのは、一時、Nテレビの人気番組に出演、「年収5000万円。ホストクラブで一晩に数百万を使うこともある」と、“堂々”と語っていたお嬢様育ちの美人(?)女医・W某の存在である。

 この女医の“事件パートナー”とでも呼ぶべきなのが、一時、同じビルの別フロアに医院を運営していた歯科医師・S某だった。

 組対4課は、今回の接骨院・Sを舞台にした事件にメドをつけた後、2人の身柄を確保して、内科と歯科の診療報酬不正請求事件に着手する。

 さらに、第3弾も用意されており、これは都内の4つの接骨院で繰り返されていたニセ患者の療養費の不正請求事件である。

 全ての事件に関わるのは、主犯の三戸容疑者、同じく主犯格でコンサルタントの早川和男容疑者、キックボクシングジム経営の尾高仁容疑者の3人。

 三戸容疑者が、配下の暴力団員らに患者を掻き集めさせ、医師や医師と同様の健康保険の適用を受けている柔道整復師のもとに患者を送り込んでいた。

 それだけに関係する人数は膨大で、患者となる被保険者の実数は690名に及び、約1億2000万円が詐取された。

 この事件の摘発が有意義なのは、国家権力の締め付けのなか、シノギが細る一方の暴力団が目をつけた医療費詐欺であることである。

 ごまかしやすい接骨院を舞台に、行政のチェックが甘くなる国民健康保険を狙って、ある種の"ビジネスモデル”を築き上げた。

 診療報酬制度の盲点を突いており、放置すれば他の広域暴力団にも蔓延する恐れがあった。
 
 実際、三戸容疑者を頂点とするピラミッドには、山口組系、神戸山口組系、稲川会系などの組織も連なっていた。

 住吉会にしても三戸組だけでなく、上部団体や幸平一家以外の系統の組織も含まれており、組対4課が、4次団体の三戸組、3次団体の義勇会、2次団体の幸平一家、そして住吉会の本部を家宅捜索したのは、「広域暴力団の新手のシノギ」という認識があったからだ。

 また、今回、患者に大手芸能プロダクション・Y興業所属の芸人が、数多く含まれていたことから「お笑い芸人」も、「美人女医」と同じくキーワードとなり、週刊誌や夕刊紙の見出しにもなった。

『東京スポーツ』(11月7日発行)は、「偽患者芸人 実名」と、一面に大きく見出しを打ち、それが吉本興業所属のしあつ野郎であると明かしている。

 捜査関係者は、「しあつ野郎の役回りは単なる患者ではなく仲介者としても、後輩芸人を接骨院に紹介しており、もし紹介料を得ていればかなり悪質だ」という。

 本人は、柔道で強いことで知られるT大学柔道部出身で、指圧の心得もあることが、「指圧(しあつ)」を名乗る所以だが、一度は「身を助ける芸」が、「身を滅ぼす芸」につながったとは皮肉という他ない。

 著名人は、「しあつ野郎」だけではない。

 大阪から東京に進出、LIVEでは人気のバンド・Fが、メンバー4人のうちの3人までが患者となっている。

 受診していたのは、女医と歯科医のクリニックで、マスコミに対する防御が固いことで知られる芸能プロダクション・Aに所属しているとはいえ、第2弾が捜査着手されれば騒がれるのは必至だろう。

 ほかにも、尾高容疑者がキックボクシング界に属していることもあって、プロスポーツ関係者は多く、ボクサーやキックボクサーなどが患者に連なり、やはりアルバイト感覚なのか、俳優、作家などの“参加者”もいる。

 いかに審査業務が膨大で、チェックが行き届かないとはいえ、一度、患者になってしまうと、架空請求が繰り返されるばかりか、患者にならなくとも、健康保険証のコピーだけで請求がまかり通ってしまう制度の甘さは、早急に改められるべきだろう。

 暴力団を頂点に美人女医、お笑い芸人、プロスポーツ選手etc!――国民の耳目を引くには十分な組み合わせであり、捜査当局には、不埒極まる詐欺ビジネスの全容を急ピッチで解明することが期待されている。【午】








2015年11月5日配信「巨人軍投手にダルビッシュ翔!――東と西で始まった野球賭博事件の行方?」<事件>


渦中の福田投手 (☚wikipedia)



 野球賭博の摘発が続いている。

 警視庁組織犯罪対策4課は、巨人軍ピッチャーの福田聡志、笠原将生、松本竜也ら3選手の関与が明らかになっている野球賭博の解明を進めている。

 大阪府警捜査4課は、10月27日、賭博開帳図利の容疑でダルビッシュ翔容疑者を逮捕。同容疑者は、米リーグ・レンジャーズのダルビッシュ有投手の弟で、逮捕容疑は「胴元」だが、翔容疑者は「俺は客や」と、賭博行為は認めたものの胴元であることは否認している。

 この東西の野球賭博事件は耳目を引くが、他にも全国で摘発が相次いでいる。

 新潟県警は、9月17日、山口組2次団体・2代目源清田組平松大睦会長らを野球賭博で逮捕。10月6日には、その関連先として山口組総本部を家宅捜索した。

 また、埼玉・群馬県警合同捜査本部は、10月21日までに山口組2次団体・国粋会篠田淳幹部を野球の常習賭博容疑で2度にわたって逮捕。その関連先として、27日、国粋会本部を家宅捜索した。

 摘発のきっかけは、それぞれに異なる。

 最も話題を集めている巨人軍ピッチャーのケースは、“中継役”の名古屋の40代の男性A氏が、福田投手に未払いの賭け金約200万円を取り立てに行ったことで発覚。ダルビッシュ翔容疑者の場合は、府警捜査4課へのたれ込み。新潟や埼玉・群馬の場合は、山口組分裂騒動に伴う警察当局をあげての徹底的な締め付けのなかで浮上した。

 原因は、野球賭博がこれまで以上に暴力団の有力なシノギになっているためで、そこにはスマホの一般化で野球賭博に欠かせないハンデが送りやすくなったことやネット銀行などによって、顧客と中継役との金銭の受け渡しが便利になったことがあげられる。

 さらに、野球ファンが賭けに参加しやすい環境がある。

 野球はBSやCS放送など、どこかで中継放送しているし、野球賭博の普及に合わせて、胴元と顧客の間をつなぐ中継役のネットワークが、飲食店オーナー、クラブ従業員などの間に出来上がっていることで、参加しやすく罪悪感は薄い。

 野球賭博の元を断つのは容易ではないが、捜査の過程で関与が浮上する現役選手や著名OBが浮上しそうな雲行きだ。

「野球賭博の決済は野球のない月曜日に行われ、その日に数億円のカネを扱う大掛かりな組織もあれば、数百万円単位の小遣い稼ぎのような胴元もある。巨人軍ピッチャーの場合は、2ルートがあって、一つは名古屋の弘道会系の博打で有名な組織で、もう一つは四国の野球賭博では昔から知られた組織だ。胴元に行き着くのは容易ではないが、調べると、その過程で巨人OBと現役、さらには他球団の選手まで芋づる式に名前が上がってくる可能性がある」(警視庁関係者)

 摘発のきっかけを作ったA氏は、中日OBの立浪和義氏の知人で野球賭博の常習者で、A氏に福田投手を紹介したのは笠原投手だが、このA氏ルートのほかに笠原投手は、飲食店経営のB氏ともつきあっており、松本投手をB氏ルートに引き込んでいる。

 A氏ルートが弘道会系で、B氏ルートが四国の山口組系2次団体と目されているものの、3投手は暴力団周辺者のA、B両氏と、裏カジノ、賭け麻雀、賭けゴルフも行うことがあったという。

 そこまで範囲を広げれば、汚染されたプロ野球選手たちの行状が次々に明るみに出るのは必至。疑惑の3投手に近いという意味で、元投手のOや現役投手のMなどの名が挙がっている。

 40数年前の事「プロ野球黒い霧件」の時もそうだったが、野球賭博に欠かせないデータになるという意味で、投手は胴元の組に狙われやすいポジションだ。

 さらに、巨人だけでなく、他球団にも触手を伸ばしているのは自明で、OBも含めてセパ両リーグの大物が、顧客に名を連ねているといわれており、警視庁とプロ野球界の本気度によっては、今後、球界を揺るがすことになるかもしれない。【戌】







2015年10月23日配信「国交省、厚労省と連続して摘発――警視庁捜査2課が甦った理由!!」<内幕>


甦った捜査2課(wikipediaより)


 

「2課は何をしているんだ!」ーーこう責められ続けて立つ瀬がなかった警視庁刑事部捜査2課が甦った。

 旧臘23日、国土交通省航空局航空安全課の川村竜也容疑者(39)を収賄罪で逮捕。久々の中央省庁への切り込みにマスコミ報道が盛り上がるなか、今度は、今月13日、厚生労働省の情報政策担当参事官室の中安一幸容疑者(45)を収賄罪で逮捕した。

 中安容疑者の逮捕容疑は、税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度の関連事業を巡って、受注した業者から現金100万円を受け取ったというものだが、10月からマイナンバーの送付が始まり、制度への関心がたかまった時点での逮捕とタイミングも絶妙で、大きく報じられている。

 警視庁捜査2課は、昨年、贈収賄罪での摘発がゼロで、「勤務評定ができない」と、警察首脳を嘆かせていた。

 もっとも「評定」など内部の問題に過ぎないわけで、本当の問題は「職務に絡んで賄賂を受け取る」という国家秩序を揺るがす犯罪をチェックするシステムが壊れていることだった。

 贈収賄罪の怖いのは、一般の国民に直接、害が及ばず、その分、犯罪の重さが実感されないことだ。

 川村容疑者の贈賄金額が50万円で中安容疑者が100万円。――もちろん、それは水面下で実際にわたった金額は数倍になるのだが、「たいした額じゃない。俺のカネじゃないし」と、いった感想を持つ国民は少なくない。だから「被害者なき犯罪」と呼ばれる。

 しかし、賄賂の横行で蝕まれるのは、国家秩序であり、国への信頼感であり、それがひいては社会秩序や納税やビジネス環境の信頼性を失わせるという意味で、とてつもなく大きな犯罪である。

 だから国は、「霞ヶ関の監視役」としての警視庁捜査2課に期待、350人もの捜査員と他府県の知能捜査部門とは比較にならない予算を投じて遇してきた。

 ワースト記録が続いているという報道が相次いだとき、捜査2課の幹部は、「利権構造にメスを入れるのが役割で、贈収賄という罪名にこだわることはない」と、語ったとされるが、それは開き直りである。

 洋の東西、古今を問わずに発生する「賄賂」「袖の下」は、決して許してはならない。

 連続摘発で証明したのは、摘発ゼロが続いたのは、捜査員個々の「能力」でも「やる気」でもなかったということだ。

 羽田の格納庫を巡って、土地使用許可に便宜を図った見返りに川村容疑者が受け取ったのは50万円であり、それは銀行振込でなされていたから立件できた。

 贈賄側で韓国籍の金沢星容疑者は、容疑を否認しているようだが、証拠が残っている以上、起訴への障害にはならなかった。

 一方、中安容疑者の逮捕は、収賄が5年に対し、贈賄が3年という「時効の差」を利用、贈賄側の会社元社長を先に落とし、そのうえで中安容疑者を追いこんで、「自分の方から要求した」という供述を引き出した。

 少額とは言え、現金振込、接待、タクシー券などの証拠を積み重ねる手法も、「時効の差」を利用するやり方も、従来からある。

 そういう意味で、今回、何か新しい捜査テクニックを使ったわけではないのに立件できたのは、検察の「受け」が特捜部から刑事部に変わったことが原因だろう。

「特捜改革」の過程にある東京地検特捜部は、“慎重過ぎる役所”となり、「否認案件」はもちろん、少しでも公判維持に支障が出そうな事件は、門前払いしてきた。

 特捜部と捜査2課の関係が決定的に悪くなったのは、一昨年、現金500万円の授受を認めた東京・北区の営繕課主任と建設業者の専務を逮捕しながら、検察段階で否認に転じたからと、不起訴処分にしたことだった。

 双方の信頼関係がなくなるなか、警視庁は検察に掛け合って、特捜部に限定されていた「受け」に刑事部を加えてもらい、選択の幅を広げた。

 その“切り替え”こそが、心機一転の2課捜査となって、2件の連続摘発につながった。

 証拠偽造の大阪地検事件のトラウマと、「司法取引」「通信傍受」を可能にするための法改正を期待して、特捜部は無理な捜査をしない役所となり、政治家をチェックする捜査機関の不在が問題となっている。

 要はヤル気の問題である。――捜査2課の次は、特捜部の奮起を期待したい。【寅】






2015年10月8日配信「日歯連政治資金規正法違反に羽田格納庫贈収賄事件――捜査当局が久々に取り組む政界絡みの事件の裏に法務・検察の司法取引に向けた“深慮遠謀”」<事件>


狙いは司法取引?(wikipedia)



 捜査当局が勢いを取り戻している。

“使命”を忘れて贈収賄事件に取り組んでこなかった警視庁捜査2課が、9月23日、羽田空港のビジネスジェット機向け格納庫を巡り、土地の使用許可などで便宜を図った見返りに、国交省係長が現金を受け取ったという贈収賄事件を摘発した。

 その1週間後の30日、東京地検特捜部が、政治団体・日本歯科医師連盟(日歯連)を巡る政治資金規正法違反事件で、高木幹正元会長らを逮捕した。

 証拠改竄の大阪地検事件を教訓に、特捜改革に取り組んできた検察は、政官界をターゲットにした事件の摘発に及び腰となった。

 渡辺喜美、小渕優子、松島みどりら有力政治家に政治資金規正法違反などの疑いが発覚、市民団体からの告発があれば受理して捜査するものの、決して無理はせず、不起訴処分に終わらせるのが常で、小渕元経産相のように、罪を認めた秘書がいても、在宅起訴で処理、やる気のなさを見せつけた。

 その“弱腰”は、特捜部への告発を義務付けられていた警視庁捜査2課にも伝播。“霞ヶ関の監視役”がその役目を果たせなかったのは、「容疑者が否認するような面倒な案件を持ってくるな」と、検察が捜査2課に対し、着手のハードルを上げていたためである。

 では、9月終盤に着手した2つの事件は、「検察の変化」を表すものなのか。

 ハッキリしているのは、どちらも政界絡みの事件で、政治家への波及が予測されるものの、かつての特捜のように、政治権力に切り込むような捜査ではないこと。というより、むしろ官邸に“配慮”、その意向を確認して着手したという意味で、かつての検察捜査とは似て非なるものといっていい。

 例えば羽田格納庫贈収賄事件である。

 収賄側は、国交省のノンキャリで航空局の専門職の川村竜也容疑者(39)で、贈賄側は金沢市に本社を置く格納庫会社「ウイングス・オブ・ライフ」(WOL)元社長で韓国籍の金沢星容疑者(61)。

 事件の奥深さは、旧朝銀系の「イオ信用組合」に7億円の根抵当権を設定させるような在日の経営者が、なぜ羽田の認可を得ることが出来たか、にある。

 一係長の川村容疑者にそんな権限はなく、せいぜい逮捕容疑のように、「営業承認の更新への便宜」である。

 疑惑は金容疑者の多彩な人脈に発生する。

 在日の資産家で、米国で建築業を営んでいたこともある金容疑者は、金融機関や政官界にそれなりの人脈を持つのだが、格納庫業という畑違いの事業に進出したのは、「民主党へのパイプがあるからではないか」(捜査関係者)と、指摘されていた。

 ジェット機を利用した医療という金容疑者のビジネスモデルは、民主党の成長戦略であり、金容疑者が認可を受けるべく工作していた2010年から11年にかけては、前原誠司、馬淵澄夫といった民主党の中核議員が国交相を務めていた。

 警視庁の捜査が進めば、官僚から政界ルートに移るのは必至。特捜改革に乗り出してからの検察は、政界案件は官邸に報告するのが“決まり”になっており、今回、「民主党ルート」であるのが、官邸からゴーサインが出た理由である。

 同じ文脈で語られるのが日歯連政治資金規正法違反事件である。

 かつて日歯連は、自民党の有力な支援組織であったが、民主党への政権交代を機に、「時の政権に乗り換える組織」となり、事実、10年の参院選挙では民主党から西村正美候補を擁立、当選させた。
 ただ、その3年前の参院選では石井みどり候補を自民党から擁立、当選させており、必ずしも日歯連事件は「反民主」の事件ではない。

 ここで鍵となるのが、自民党総裁選をめぐる石井議員の言動である。

「私は野田(聖子)さんの一の子分」と公言、推薦人に名乗りを上げるなど、野田色を隠さなかった。

 検察からの事前連絡を受けた官邸が、日歯連事件を止めなかったのは、たとえ石井、西村の両議員への波及があっても、政権に影響がないと判断したためであり、加えて石井議員に対しては総裁選の際に叛旗を翻したことに対する報復という意味合いもあるのではないか。

 ここまで官邸=安倍政権に“配慮”するのは、新たな捜査方法を確立しなければ、「政官財の監視役」という国民の負託に応えられないという法務・検察の危機感の表れだ。

 昔と違って、今は自白を強要。調書で“事件を作る時代”ではない。

 であれば、必要なのは司法取引である。

 法務・検察が期待した司法取引の導入を柱とする刑事訴訟法の改正案は、安保法案などもあって今国会で成立しなかった。

 次の国会で通過させるためには、政権の“覚えめでたい組織”でなければならない。

 そんな法案成立への“欲”が、政権の意向を忖度した事件摘発につながっており、それが、結果として、捜査が意欲的に見える“原因”であろう。【寅】





2015年10月2日配信<0510archives>「『餃子の王将』大東社長殺人事件で、今後、表面化する創業家のトラブル」<事件>



 手の平サイズの25口径の自動拳銃で至近距離から4発撃ち込み、全て命中させて1発は貫通――。

 至近距離から動揺せずに撃ち、現金などには手を付けず、すぐに立ち去った!――『餃子の王将』を展開する「王将フードサービス」(本社・京都市)の大東隆行社長殺害事件は、巷間言われているように、おそらくプロの犯行だろう。

 雇われたプロの犯行なら、実行犯の特定は困難で、阪和銀行副頭取、住友銀行名古屋支店長など、過去の企業幹部を殺害した犯罪がそうであるように“背後の闇”に迫るのは難しい。

 さらに、大東社長の人柄である。

 ブラック企業という批判もあるが、インタビューなどから伝わってくるのは、叩き上げの苦労人が持つ“愛のある厳しさ”で、「人に恨みを買うような人ではない」という知人友人、近所の人の評判も頷ける。

 だとすれば、何なのか。

 京都府警の捜査本部は、大東氏の取引先とプライベートを含めた人脈を徹底的に洗い、行動記録や電話の通話記録も調べ、トラブルがなかったかどうかを捜査している。

 ただ、捜査は今後、大東氏だけでなく、「王将フードサービス」全体が抱える問題に踏み込まざるを得ない。

 その際、着目すべきは創業家が抱える“問題”である。

 1941年、大阪市東成区で、眼鏡のフレーム工場を営む両親のもと、7人兄姉の末っ子として生まれた大東氏は、中卒後、長女が嫁いだ加藤朝雄氏(故人)のもとで仕事を手伝う。

 加藤氏は薪炭・氷業者であり、大東氏もやがて独立、薪炭小売業者となった。

 その加藤氏が、67年に創業したのが中華料理店「王将」で加藤氏に誘われて、69年に入店。チェーン展開する王将の販売の一線に立って成長を支え、営業本部長、専務取締役などを歴任、2000年4月、「王将フードサービス」の第4代社長に就いた。

 就任当時の「王将フードサービス」は約390億円の売上高を誇っていたものの、一方でバブル期の不動産投資がきっかけで有利子負債が約470億円もあり、不動産部門からの撤退と、負債の削減が急務だった。

 大東氏の社長スタートは、相当に過酷だったが、経営を傾かせるきっかけを作ったのは創業家である。

 加藤朝雄氏は、福岡県飯塚市の被差別部落の出身。同じ部落出身の上杉佐一郎・部落解放同盟元中央執行委員長やその弟の上杉昌也氏とは昵懇で、解放運動の支援者となる一方、トラブル解決を頼むなど持ちつ持たれつの関係にあった。

 だが、この人間関係がアダとなる。

「王将フードサービス」は、98年9月、子会社の「キングランド」を通じて「福岡センチュリーゴルフクラブ」を運営する「京都通信機建設工業」(本社・京都市)に、約90億円を貸し付けた。

 これが、会社の手続きを経ないものだったとして問題になるのだが、この「京都通信機建設工業」の代表が上杉昌也氏だった。

 上杉昌也氏の会社は、「住専大口融資先」として問題になるのだが、「王将フードサービス」は加藤家と上杉家との家族ぐるみのつきあいを主因に、融資を拡大させ、それが本業の資金繰りにまで影響、大東氏が経営を引き継いだ頃には銀行の管理下に入りかけていた。

 加藤家には、別の京都人脈との関係もある。
“京都のドン”といえば「京セラ」の稲盛和夫氏だが、その実弟の稲盛実の義弟が、78年、勤務していた「餃子の王将」からの暖簾分けを希望。それを稲盛和夫氏が加藤朝雄氏に口添え、独立を許された経緯がある。

 今も鹿児島の「餃子の王将」は別会社の「鹿児島王将蝓が運営、稲盛家が経営している。

 さらに、「王将フードサービス」には加藤家3代目の失踪事件がある。

 今年6月、写真誌『フライデー』が伝えたもので、社長候補の加藤貴司氏は、ウクライナ人の加藤カチェリーナ夫人、息子のダニエル君とエジプト旅行中の08年2月24日、ホテルから失踪。ホテルのスパに行ったカチェリーナ夫人が戻ってみると、夫人の携帯電話、パスポート、航空券などとともに、2人の姿はなかった。

 2人は、翌25日、関西空港行きの飛行機に搭乗したところまでは判明したものの、その後の行き先は不明。今も失踪したままである。

 大東社長射殺事件の背景に、こうした加藤家の周辺に広がる怪しい人間関係や、前述の3代目失踪事件との関連はないのか。

「難しい事件になりそうやな」――早くも一部では悲観的な声も聞かれる“師走の凶行”に京都府警は懸命の捜査を続けているが、果たして、どこまで真相に迫れるのか?――“闇”は深い。【倫】






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