2018年1月27日「『ヤフー』への検索結果削除命令で危惧すべきは確信犯たちの過去からの“逃避”!」<事件>

 
ヤフー本社(☚wikipedia)


インターネット検索エンジンの「ヤフー」に対し、「虚偽の情報が掲載されており、名誉毀損に当たるので削除して欲しい」と、東京都内の男性が求めた仮処分申請で、東京高裁は「ヤフー」による名誉毀損の成立を認め、削除を命じていた(2017年10月30日)ことが判明した。

ネット検索を巡る訴訟は数多いが、昨年1月、逮捕歴のある男性が検索エンジン最大手の「グーグル」に対し、削除を求めた仮処分申し立て事件において、最高裁は検索結果の削除を認めない決定を下した。

だが、裁判所の判断が二つに分かれているというわけではない。

最高裁の判断は、「忘れられる権利」を認めなかったのではなく、いろいろな要素を勘案の上、「公表されない法的利益が優越されることに限って削除を認められるものであり、犯歴記載には相当性がある」と判断し、今回の高裁判断は、「掲載内容が明らかに真実ではない」と指摘した。

つまり、名誉毀損のハードルが一挙に下がったのではない。

それでも高裁判断を機に、今後、多くなると予想されるのは、検索エンジンからの「消したい過去」「不利な情報」の削除要請だろう。

今回の男性側代理人の弁護士は、「検索結果に対する削除請求が広く認められるようになる可能性がある」と、コメントしている。

が、危惧すべきは、「誹謗中傷を目的とするネットの書き込み」と、それなりの「裏取りをしたうえで問題提起するネットメディア」が、「検索エンジンへの引っ掛かり」という一点のみで同一視され、削除要請されかねないことだ。

しかも要請者は、確信犯として危ういビジネスに関わっている業者や人物であることが多い。

要するに、痛いところを突かれ、ビジネスに支障をきたすことから強く申し入れてくるわけで、彼らの生態は、弱小とはいえ、10年近くネットメディアを運営している不肖『週刊0510』にはよく分かる。

例えば、金融絡みの犯罪者たちは、その時々の時流に沿った「商品」を編み出してくる。

少し前には上場企業の増資やM&Aに絡めて詐欺的乗っ取りを行い、株価操縦やインサイダー取引で荒稼ぎする連中が多かったが、現在は怪しげな連中が大挙して進出しているのが仮想通貨の世界である。

特に、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)と呼ばれる仮想通貨を新規発行することによる資金調達は、今や詐欺師の巣窟状態といっていい。

詐欺師だから情報には神経質となり、ブームの先駆け時に儲けなければならず、悪い情報に対しては、早い段階で法的手段をチラつかせ、弁護士がすぐに内容証明を送ってくるし、カネのある連中なら巨額訴訟を起こす。

スラップといわれる「恫喝訴訟」であるのは明らかだが、訴訟を恐れるマスコミは、その危険性を察知して報道を手控えるし、逆に、戦う意思があったとしても、訴訟費用と後ろ向きの訴訟対応を秤にかければ、“戦いの旗”を掲げ続けるのは難しい。

これが昨今の名誉毀損訴訟の現場であり、「カネのあるワル」ほど、弁護士の力で報道を押さえ込もうとする。

しかも、この種の企業や人物には、贈収賄・談合・粉飾決算・背任&横領・詐欺・マネーロンダリング・マルチ・偽計・株価操縦・インサイダー取引などの「過去」があることが少なくない。

まさに「三つ子の魂百まで」――この種の経済犯罪は、「性」としかいいようがないほど何度も繰り返される。

現在、東京地検特捜部が手がけるリニア中央新幹線建設に関する談合など、過去に何度も摘発され、ゼネコン幹部も首長も政治家も、限りなく逮捕されたが、飽きることなく今も続けていることが判明したが、同様に詐欺師は詐欺をやめられないし、「ジャパンライフ」のようにマルチ業者は、それを繰り返す。

高裁は、「明らかに虚偽」の記載に対して削除を命じたのであり、最高裁判断がそうであったように、「過去を公開することによる公益性」もある。

しかし、こうした訴訟に訴えるのは、弱者ではなく、時間もカネも、さらには訴えることで益の多い「過去ある者たち」が大半である。

ミソとクソは別物である!――「ワルが大手を振って歩くネット環境」の到来はあってはなるまい。【辰】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2018年1月23日配信「消費税法違反等での告発が順当な鳩山二郎代議士秘書の『国税圧力事件』の裏事情」<事件>

 
東京国税局(☚wikipedia)


 「国税に強い」ことで定評のある『読売新聞』ならではのスクープが、1月9日に1面と社会面のトップで報じられた「鳩山議員秘書、国税呼び出し」と題する圧力事件だった。

 <外国人観光客への宝石の架空販売で約2億2000万円の不正な消費税の還付申告をした疑いで東京国税局から還付を保留されていた免税店運営会社4社を巡り、鳩山二郎衆院議員(39)の小沢洋介秘書(45)が昨年4月、国税庁幹部を議員会館に呼び出し、還付保留について説明を求めていた>

 このリードに事件の概要は書き尽くされている。

 問題は政治家が、個別事案について答えることができない国税当局に対し、圧力をかけたことであり、<国税庁幹部を呼び出して説明を求めるのは極めて異例だ>と、指摘している。

 他のマスコミも追随して報じ、小沢氏は「不正な取引ではなく、圧力をかけたつもりもないが、議員や関係者に迷惑をかけた」として、10日、秘書を辞職した。

 違和感があるのは、「不正な消費税の還付請求」が、一読して悪質であり、「政治圧力」よりむしろ、そちらを追及すべきだと思うのだが、どのマスコミもそう報じていないことだ。

 理由は、国税が不正な還付申告をしたとして、昨年9月、重加算税を含め約3億円を追徴課税(更正処分)したからだ。

 つまり、追徴によって重く税金を取るという行政処分をしたため、刑事罰までは問わなかった。

 国税がそう判断して決定した以上、不正部分の追及はしにくい、ということらしい。

 確かに、国税は税金を徴収する役所であり、そちらを優先するのも無理はないが、横行する消費税の還付金詐欺に対する態度があいまいで、それが、不正が絶えない原因でもある。

 「不正な還付が発覚した場合、国税通則法の規定で重加算税等の行政罰が課せられます。また、刑事罰による制裁規定もあり、消費税法違反の消費税受還付罪に問えるし、刑法違反の詐欺税で告発、立件されることもあります」(国税OB税理士)

 一般国民の感覚では、上述のコメント通り、今回の事件についても詐欺罪をはじめ、消費税受還付罪、重加算税などで罰せられるべきではないか、と思うのだが、国税当局は、要件がどれだけ揃っているかで判断。調査内容を公表するわけではないので、外部から悪質さを知るのは難しい。

 今回、宝石の架空販売の流れは、札幌の建設会社から都内の宝石販売会社が仕入れ、それを小沢氏が顧問を務める「国際東日ジュエリー」という会社が仕入れて、免税店運営会社4社に販売するというものだった。
 
 その宝石を、免税店が外国人観光客に販売したとして、免税店運営会社は外国人向けに販売した場合、消費税が無税となるので、国内で支払った消費税の還付を求めて税務署に申告した。

 ところが、国税はこの種の消費税還付に厳しい目を向けている。

 「外国人向けの販売なので、還付申告されても、その後の調査が難しい。だから、一度、還付留保して国内での調べられるだけの調査をするのです。今回、購入した外人観光客のなかに、ツアーの行程上、宝石が購入できなかった外国人がいたことが判明。しかも観光客は、『国際東日〜』の上海子会社が現地の旅行業者に手配を依頼していたのですから、『還付が仕組まれていた』と、みなすのも当然です」(前出のOB税理士)

 しかし、行政処分なので業者は国税不服審判所に審査請求することができる。

 今回、4社もそうしているのだが、こうした風潮を見逃していいのか。

 昨年8月には、秋葉原の免税店「宝田無線電機」が、約70億円の不正な還付申告を指摘され、重加算税を含めて約100億円を追徴課税されていたことが発覚した。

 同社の店舗には、外国人の集団が現れて、免税の手続きだけをして、金製品を手にすることなく退店していたという。

 にもかかわらず、同社の16年5月期の売上高は、前年比26倍の956億円だった。

 疑われて当然だが、これも行政処分で済ませており、同社は国税不服審判所に審査請求している。

 インバウンドブームを映して外国人観光客が急増中の昨今、それを利用した悪質な詐欺行為かどうかを見極め、それをオープンにして国民に知らせ、犯罪防止につなげるシステムを早急に確立すべきだろう。【戌】

 

 

 

 

 

 

 


2018年1月20日配信<0510archives>「『スパコンの天才』が騙し取った100億円で見た“悪夢”⁉」<事件>


(PHP研究所刊)

 

 

 人工知能が人間を超える臨界点を「シンギュラリティ」と呼び、2045年に訪れるという。

 その事前の時代を描いた『プレ・シンギュラリティ』(PHP研究所)は、科学技術の発展に人類の夢を託した「明るい未来の本」である。

 なにしろ1兆の100万倍の「エクサ」という数値単位のスパコンの開発によって、革命的な変化が生まれ、衣食住がタダになる世界が実現、「不老」も「不労」も「不死」も人類は手に入れるのだという。

 普通に考えれば、「キワモノ本」であり、著者は「魔術師」「錬金術師」「詐話師」の類と誹られてもおかしくはない。

 そうならなかったのは、著者の斎藤元章・ペジーコンピューティング代表が、東大大学院で医療診断システムを学んだ医師で、米シリコンバレーで医療システム系の会社を起業して成功を収めた後に帰国。スパコンの開発に取り組んで、その世界で知らぬ者のない実績を上げた“天才”だからである。

 だが、今や名声は地に堕ち、「夢見る男」の発言は、国から助成金を引き出すための虚言だったとして、逮捕された。

 実際、国から引き出した助成金は莫大である。

 判明しているだけでも、経済産業省所管の「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)から約35億円、文部科学省所管の「科学技術振興機構」(JST)から約52億円。これに、今後、支給される予定の資金を合わせると、100億円に達する国の助成枠を与えられていた。

 まったくのウソではない。――”パソコンの天才”は、スパコンの絶対性能を競う「TOP500」においては何度もトップテン入りし、小型化省エネ化を競う「Green500」では世界一を達成している。

 「斎藤氏が夢想家であり、現実離れしていたことは事実です。でも彼はそう信じており、我々は彼の『夢』ではなく『実力』に期待した。天才は変人なんですよ。だが、夢にカネは出ないから、彼はいろいろと業績や数字をごまかしたわけですが、それを特捜部が許さなかったのです。仕方がないかも知れないけど、スパコン業界にとっては痛手です」(スパコン業界関係者)

 東京地検特捜部の捜査は、東京国税局の税務調査を起点としている。

 斎藤容疑者は、ペジー社のほかに、多数の企業、組合、社団法人などを持ち、企業だけでも10社を超えている。

 身内間で循環取引、架空取引が行われているのではないかとして税務調査が行われ、その過程で助成金詐取が発覚した。

 従って、年内に行われる「NEDO」からの助成金を不正に受け取ったという詐欺罪での起訴は「序章」にすぎない。

 「JST」から支給された52億円に同様の問題はないか。

 また、いくら斎藤容疑者が天才でも審査する「NEDO」や「JST」は科学技術のプロ集団で、二重三重のチェック機能を持っている。

 そこを突破するのに、政官界にも幅広い人脈を持つ斎藤容疑者が、何らかの工作を依頼、それを受けて動いた者はいないか。

 そして、ペジー社顧問となっていた「安倍首相と最も近いジャーナリスト」といわれる山口敬之・元TBSワシントン支局長の関与はないのか。

 山口氏の退社は16年5月なので、今回の逮捕案件となった「NEDO」の助成金詐取には絡んでいないが、「JST」の助成が決まったのは17年1月である。

 安倍首相、麻生太郎財務相などの大物政治家、官邸を中心に官僚にもパイプを有する山口氏が、顧問としてどんな働き掛けをしたのか。

 年明け以後、あらゆる角度からの捜査が行われ、スパコン事件は来年1月の通常国会で、与野党が論戦を繰り広げることが予想される。

 そこでは、「実績もないのに国から巨額資金を引っ張った詐欺師」という斎藤容疑者の一面だけが強調され、“天才”がスパコン業界に残した足跡は、残念ながら、掻き消されることになりそうである。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 


2018年1月19日配信<0510archives>「月刊『Hanada』で復活を果たした山口敬之氏の暴論と限界」<事件>


 
(伊藤詩織著・文藝春秋)


 

 

 颯爽とデビュー、確固とした地位を築いていた言論人の“転落”は、目にしたくないものである。


 元TBSテレビのワシントン支局長だった山口敬之氏が、退社後にフリーとなり、2016年5月、『総理』(幻冬舎)を著した時、「迫真のリアリティをもって描く政権中枢の人間ドラマ」という惹句がピッタリの内容で、安倍晋三首相をはじめとする政権中枢への食い込みに、読者は驚嘆した。

 が、そこからの“転落”は早かった。

 1年後の17年5月、「山口氏にレイプされた」と、ジャーナリストの伊藤詩織さん(28)が記者会見を開き、顔を出して告発した。

 それまで山口氏は、報道番組などに頻繁に登場、政権擁護発言をするジャーナリストとして知られていたが、一切、表には出なくなった。

 同氏がマスメディアから忌避されたのは、「レイプ疑惑の主」だったからではない。

 詩織さん(告発当初は姓を名乗らなかった)の訴えを警視庁は受理して捜査、山口氏を送検したものの、検察の結論は嫌疑不十分で不起訴処分だった。

 記者会見は、詩織さんの検察審査会への申し立てを理由とするものだったが、この時、山口氏がメディアに対して、真摯な対応をしていれば、「山口バッシング」は起きなかっただろう。

 だが、同氏は「私は被疑者でも容疑者でもない」と強調、「間違った記述があれば、法的措置も辞さない」という強気のコメントは、取材者たちを鼻白ませた。

 要は、メディアを味方に付けることができなかった。

 詩織さんの検察審査会への申し立ては、4ヶ月後の17年9月、「不起訴相当」の議決となって認められなかった。

 詩織さんは納得できず、翌月『ブラックボックス』(文藝春秋)を著して、告発を続けた。

 それを受けて、山口氏は初めて反論に出た。

 保守派の言論雑誌で「親安倍路線」の『月刊Hanada』(12月号)で、「私を訴えた伊藤詩織さんへ」を、同じ路線の『月刊Will』(12月号)で「安倍総理の“どす黒い孤独”」を、それぞれ寄稿した。

 これまではメディアの記者、報道局、編集部などとのやりとりだけだったが、自分の思いを新たに表明すると同時に、“ジャーナリスト復帰宣言”ともいうべき記事だった。

 しかし、両作とも高い評価は受けられなかった。

 

 「詩織さんへ」と題する記事は、検察の「不起訴」と検察審査会での「不起訴相当」をもって自己弁護する内容で、「合意なくホテルに連れ込み、セックスに及んだこと」への道義的倫理的な反省はまったくなく、読者に不快感を残した。


 安倍首相への応援歌となった記事は相変わらずだったが、切り込みも分析も不十分で、政界と官邸から距離を置かれた?ジャーナリストの悲哀を感じさせた。

 「やはり『臨時国会冒頭』しか、(安倍首相の)解散の選択肢はなかったのである」と、最後にまとめた記事を誰が興味をもって読むだろうか。

 11月25日発売の『月刊Hanada』(1月号)は、さらに悲哀を感じさせる内容だった。

 「伊藤詩織問題 独占スクープ第2弾」として「記者を名乗る活動家 金平茂紀(TBS報道特集キャスター)と望月衣塑子の正体」と題し、自分に向けられた批判に対して反論しているのだが、罵詈雑言の類で、およそ読者の共感は得られないし、不快感ばかりが残る記事だ。

 冒頭、「取材依頼がなく、意見も聞かないから2人は記者ではない」というのだが、金平氏も望月氏も記者会見やインタビューでの発言であり、山口氏に取材依頼をして確認すべき内容ではない。

 なにより、山口氏は公式コメンを出したり、記事を発表しているのだから、それをもとに論評ないし、記者会見やインタビューで発言するのは認められる行為である。

 挙げ句、「金平という男は、気に入らない政治家を貶めるためなら、記者としての基本動作も放棄し、同僚や部下を平気で裏切り、自分だけは生き残ろうとする唾棄すべき人物である」と、言い切っている。

 この名誉毀損以外の何物でもない文章を執筆するにあたり、山口氏は金平氏に取材依頼をしたのだろうか。

 細かく書き連ねても仕方があるまい。

 

 何ら反省することなく、向かってきた勢力はすべて敵とみなして噛み付く!――レイプ疑惑は、刑事事件としては不起訴でも、そう疑われるような行為があったことをまず反省、そのうえで被害者やそれを報じようとするメディアにどう対応するかを山口氏は、真摯に考えるべきだろう。【戌】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年12月29日配信「大林を突破口に鹿島・大成・清水。――摘発されたスーパーゼネコン4社が摘発されたリニア新幹線談合事件の“共犯”はJR東海⁉」<事件>

 
リニア中央新幹線(☚wikipedia)

 

 東京地検特捜部にとってリニア中央新幹線で常態化していた談合の摘発は、「特捜の復活」を内外に知らしめる格好の案件だった。

 まず、9兆円に達する巨大プロジェクトで世間の耳目を引くこと。次に自主(自首?)申告の課徴金減免制度を使ったために立件が容易なこと。さらに談合事件は過去に何度も手がけており“リハビリ”としては最適なことなど、三拍子揃った事件だからである。

 予想通りの展開である。

 マスコミの食いつきは良く、連日、大きく報道されて特捜案件の“凄み”を見せつけた。

 2010年、証拠改ざんの大阪地検特捜部事件以降、7年近く「最強の捜査機関」が眠り続けていただけに、司法を担当するマスコミの記者は、リニア談合事件と同時並行で行われている「スパコンの天才」といわれる斎藤元章被告の助成金詐取事件と合わせ、特捜の復活を歓迎している。

 しかし、真価が問われるのは「談合事件の先」である。

 官製談合の側面もある事件だけに、「JR東海」の事件への関与をどう立証するのか。

 さらに、リニア中央新幹線を準国家プロジェクトに押し上げた政官界や「JR東海」の工作にまで迫れるのか。

 最初の家宅捜索先は、偽計業務容疑で入った「大林組」だった。

 きっかけはゼネコン業界からの内部告発だったという。

 「大林組」、「鹿島建設」、「大成建設」、「清水建設」のスーパーゼネコン4社が官公需も民需もすべて仕切ることへの不満が、中堅以下のゼネコンにはあり、告発はその証明だった。

 特捜部は、それまでにもたらされていた情報や資料でリニア談合の実態をある程度、掴んでいた。

 そこで、家宅捜索を機に「大林組」を締め上げ、自主的に罪を認めれば刑事・民事で罪が減じられる課徴金減免制度に誘導、自白させた。

 これで「立件」への道筋は整った。

 まず、「大林組」を偽計業務妨害罪で立件し、次に4社の談合を独禁法違反事件として仕上げるのは容易だが、難しいのは、“その先“である。

 偽計業務妨害容疑捜査の段階で「JR東海」の担当幹部が「大林組」の担当幹部に工事費の積算に関する情報を漏らしていることは判明している。

 また、談合事件の際には、4社の受注調整に「JR東海」が関与した疑いもあり、どの業者が受注するのが望ましいかを伝えていたという。

 そこには傘下企業の「JR東海建設」に受注させたいという思惑もあり、事実、同社がJVトップで受注した工区もある。

 偽計業務妨害も独禁法違反の談合も、構図的には「JR東海」が“被害者”である。

 ところが、同社が両事件に、直接間接に関与していたのが明白なら、特捜部は関与した「JR東海」の担当者を“共犯”とするかどうかの難しい判断を迫られることになる。

 そればかりではなく、まだ「その先」がある。

 特捜部がこの難しい案件に手を出したのは、純粋に民間事業ではなく、9兆円のうち3兆円が財政投融資の準国家プロジェクトだからである。

 リニア中央新幹線は、大動脈の東海道新幹線を持ち、資金的に余裕のある「JR東海」が、超電導磁気浮上方式のリニアを完成、実用化させることで、世界の鉄道技術を牽引するという夢を膨らませて着手した。

 しかし、東海道新幹線の客がリニアに乗り換えれば、「ドル箱」を失うに等しく、しかも現在の東京―大阪間の2時間30分を1時間強にしたところで、他の路線との接続が悪く、乗り換えに時間を要する。

 しかも9割がトンネルで観光客を見込めないなど、「実用化されなかった超音速航空機のコンコルドになるのではないか」と、異論が多かった。

 それだけに、「JR東海」は純粋な民間事業としてスタート、「リスクは自分たちで取る。その代わり、政官に文句は言わせない」と、強気だった。

 ところが、16年に入ってから関西財界や関西地区選出の政治家が、「2045年大阪開業を早めて欲しい」と、声を上げるようになり、それに呼応する形で安倍政権が成長戦略に組み入れて、財政投融資の投入を決めた。

 ただ、そのためには鉄道建設・運輸施設整備支援機構法を改正しなければならず、16年10月、強引に法案を通した。

 そこまで安倍政権が入れ込んだ背景に、「安倍首相の最大の応援団長」といわれる葛西敬之JR東海名誉会長に対する配慮はなかったのか。

 特捜部の捜査がそこまで及ぶとは思えない?が、そうした構造を明らかにすることが、「特捜部の役割」であることを考えれば、“復活の狼煙”を大きく上げるためにも、「そこ」にこそ踏み込むべきなのだが…。【酉】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年12月19日配信「富岡八幡宮殺人事件の背景に女性宮司を認めない神社本庁の“罪”!?」<事件>


富岡八幡宮(☚wikipedia)


 「深川の八幡さま」で知られる富岡八幡宮で起きた富岡長子宮司(58)殺害事件は、日を追うにつれ、弟・茂永容疑者(56)の奇矯な行動がクローズアップされ、「骨肉の争いが嵩じた末の殺人事件」という見方が定まってきた。

 過去には長子さんに対する脅迫状による逮捕歴があり、援助を受けながら暮らしていた福岡でも近隣住民とトラブル続き。素行の悪さで宮司を下ろされた過去を考えると復帰の芽などないのに、責任役員や総代に長子さんへの誹謗中傷を繰り返していた。

 ただ、前後の見境がつかなくなった茂永容疑者が、日本刀で長子さんを殺し、加担した妻を殺害、自死した猟奇殺人事件というだけでは、事件の背後にある「神社本庁の闇」を封印してしまうことになる。

 八幡神を祀る八幡宮は、全国に2万5000社もあり、神社本庁傘下8万社の中核を成すが、なかでも歴史が最も古く総本宮と呼ばれる宇佐八幡(大分県)、平安京の鎮守となった岩清水八幡宮(京都府)、鎌倉時代に源氏の氏神として分霊された鶴岡八幡宮(神奈川県)は、「3大八幡宮」として名高い。

 富岡八幡宮は、それに次ぐ社格を持ち東京最大。「深川八幡祭り」は江戸三大祭りのひとつであり、同時に勧進相撲発祥の地で、境内には「横綱力士碑」がある。

 参拝客は多く、氏子など神社を支える組織もしっかりしており、財政的にも潤沢。富岡家が代々、宮司を務めるが、長子さんの祖父・盛彦氏は、神社本庁トップの事務総長(現総長)を務めた家柄だ。

 神社本庁は、富岡八幡宮の骨肉の争いを十分に認識していた。

 茂永容疑者は、90年代に父・興永氏から宮司を引き継いだが、素行の悪さから01年に辞任。興永氏が高齢をおして復帰したものの、体調悪化で10年に引退。以降は、長子さんが宮司代務者として歳事などを執り行ってきた。

 宮司になるには、神社規則に則り、責任役員会などの決定を経て神社本庁に具申し、本庁の認可を受けなければならない。

 長子さんが宮司代務者となって以降、富岡八幡宮の責任役員会は神社庁に対し3度にわたり具申したものの、「実力不足」を理由に認可せず、氏子総代、神輿総代、職員などの嘆願書も無視したという。

 7年もの宮司不在は異常事態。我慢できなくなった富岡八幡宮は、今年3月、3回目の具申を神社本庁が認めなかったために本庁からの離脱を決め、東京都の認証手続きを経て、単立の宗教法人となった。

 晴れて宮司となった長子さんだが、絶望感に駆られたのが茂永容疑者である。

 神社本庁傘下であれば、揺さぶり続ければ「自分の息子を宮司に」という夢が叶うかも知れない。

 だが、激しい骨肉の争いを続けた姉が、新たな宗教法人のトップになった以上、自分たちの復帰の芽は完全に絶たれたことで自暴自棄となって犯行に走ったのだろう。

 それにしても、神社本庁はなぜ長子さんが宮司になるのを認めなかったのか。

 「結局、神社界は、今も男性優位の男社会です。女性宮司も次々に誕生していますが、神社本庁が特別扱いする『別表神社』では、なかなか女性を認めません。宇佐神宮でも代々、宮司を務める到津家が女性宮司を具申したのですが、経験不足を理由に拒否し続け、結局、神社本庁の幹部が後任になりました」

 神社本庁の田中恒清総長は、10年の就任以来、3期目に入って、ますますその権勢を強めているが、石清水八幡宮の宮司でもあり、八幡神社の総本山である宇佐神宮の宮司が女性となることに我慢がならなかったという。

 同じ発想で、富岡八幡宮の女性宮司を拒否し続け、トラブルを知りながら、仲介に乗り出すこともなく放置。事態をややこしくしたとすれば、今回の事件の責任の一端は神社本庁にも少なからずあるのではないだろうか。【寅】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年12月13日配信「都議会自民党の復活に便乗、『万葉倶楽部』が豊洲・千客万来施設でゴネ得狙って虎視眈々!」<事件>

 豊洲・千客万来施設のイメージ図
(☚Wikipedia)

 

 

 都議会自民党が完全に復活している。

 7月の都議選では“グリーン旋風”に吹き飛ばされる形で破れ、意気消沈していたのがウソのようだ。

 落選した高木啓・前都議会自民党幹事長は、10月の衆院選で当選(比例東京ブロック)して代議士になり、「都議会のドン」といわれた内田茂・前自民党都連幹事長は、政界を引退したものの、今も都議会に来て、肩で風を切って歩いている。

 失速したのが小池百合子都知事都民ファーストの会である。

 「しがらみのない政治」を標榜していたのだから都の官僚やゼネコンなどの業者との関係が薄く、その分、癒着もないのだが、薄さがアダとなって誰も相手にしない。

 その象徴が豊洲市場だろう。

 豊洲市場は、小池都知事が、「一丁目一番地」と位置づけ、見直しに入って、盛り土問題を指摘、都の官僚や石原慎太郎・元都知事らを追い込んだ。

 そのうえで、開場のためには「安全と安心」を得ることが欠かせないとして、水産卸売棟などの地下ピット室の床面にコンクリートを敷設する工事や、地下水管理システムを強化する工事を入札にかけたのだが、誰もいうことを聞かない。

 「9月から9工区に分けて入札が始まったのに不調の連続で、結局、12月まで入札がズレ込み、来年10月11日に予定されている開場が危ぶまれています。原因は、官僚とゼネコンのサボタージュ。『小池のいうことなんか、聞いていられるか』と、苛めているのです」

 その後ろにいるのが、今も隠然たる実力を持つ内田氏がリードする都議会自民党で、小池氏が壊そうとした「都官僚+ゼネコン+都議会自民党」のトライアングルが、完全に復活した。

この機を逃さず、有利な条件を引き出そうとしているのが豊洲市場で集客施設を受注した「万葉倶楽部」である。

 「横浜みなとみらい万葉倶楽部」など、神奈川県を中心に「万葉の湯」という温浴施設を全国展開。同時に、熱海や箱根湯本などで「ニュー八景園」「天成園」などのホテル事業を展開している。

 年商約110億円の中規模レジャー業者だが、全国区で有名になったのは、トラブル続きで引き受け手がいなかった豊洲市場の「千客万来施設」に名乗りを上げてからである。

東京都と築地市場関係者の話し合いがつかず、条件が刻々と変わるのを嫌気して、当初の業者である「すしざんまい」を展開する「喜代村」が、涙を呑んで撤退。替わって無名の「万葉倶楽部」が手を上げた時、「どんな勝算があるんだろう?」と、首を傾げる向きが多かった。

 その後、小池氏の見直し方針で、開場が遅れに遅れたうえ、「築地を残し、一部を食のテーマパークにする」という小池方針に反発した「万葉倶楽部」は今、「撤退も辞さない」と、開き直っている。

 都議会関係者が明かす。

 「もともとゴタついていたうえ、180億円ものプロジェクトですから、経験のない『万葉倶楽部』には荷が重いと見られていました。また、売上高より借金が多いなど財政的にも厳しく、六本木や田原町の地上げを巡って“勇名”を馳せたS氏とタッグを組み、神奈川県内の霊園事業に手を出したもののトラブルになるなど、問題も抱えていました。結局、業績不振企業が、豊洲でイチかパチかの“勝負”をかけた?のではないでしょうか」

 豊洲市場の着工の遅れは、ギリギリのところで採算を弾いていた「万葉倶楽部」にとっては死活問題であり、「資材・人件費の高騰に配慮して欲しい」と、都に申し入れたり、マスコミの取材に応じて撤退を示唆するなど東京都を揺さぶっているのだが、「捨てる神あれば 拾う神あり」――それを“支援”する動きを見せているのが、山崎孝明・江東区長である。

「千客万来施設の整備など、設備面が確定しない限り、市場の受け入れを再考せざるを得ない」と発言するなど、小池氏を追い詰めている。

 集客施設の整備が江東区の市場受け入れの条件だったのは事実だが、「ドン内田」の子飼いといわれる山崎区長には「主君の仇討」の思惑もあるのだろう。

 山崎区長の反旗は、「万葉倶楽部」にとっては、起死回生の追い風!――ここを先途とばかりに、小池都政に反転攻勢を強める勢力に便乗、“剣が峰のゴネ得”を狙っているのかも…。【巳】

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年11月18日配信「電通ワークスLED詐欺事件は二審も無罪で警視庁と東京地検の大失態!」<事件>

 

 去る9日、東京高裁で行われた「電通ワークスLED詐欺事件」の控訴審判決で大熊一之裁判長は、検察側の控訴を棄却。被告5人は、東京地裁の判決通り「被告人全員が無罪」となった。

 この事件は、詐欺罪に問われたLED製造・販売会社「WWE」(ワールド・ワイド・エンジニアリング)長谷川篤志代表やオーナーの津田悦資氏らが、電通100%子会社の「電通ワークス」に架空取引を持ちかけ、約56億円をだまし取ったというもの。

 架空取引が行われたのは2010年頃で、警視庁組織犯罪対策4課が捜査に乗り出し、13年末、長谷川、津田の両氏らを逮捕。東京地検が詐欺罪で起訴したが、そもそも詐欺罪という事件の構図が歪んでいた。

 WWE経営陣らが捜査段階で認めていたのは「電通ワークス」が承知の「循環取引」であり、それで起訴していれば一審も二審も無罪となるような失態は犯さなかった。

 「電通ワークス」が「WWE」に発注した最後の大型案件は、10年9月22日、ドラッグストアチェーン店向けなどのLED77万本、約114億円分だった。

 1枚の発注書で、なぜこれだけ巨額の発注がなされたか。

 循環取引で発生した各種の歪みを一気に調整するためのもので、ひとえに「電通ワークス」側の事情だった。

 だが、警視庁は循環取引を認めなかった。

 なぜならば、それを認めると「電通ワークス」も絡む事件となり、100%子会社の粉飾は上場会社である「電通」にも波及、社会的影響が大きいと“配慮”したからであろう。

 「電通ワークス」の担当者はOグループ長である。

 素直にO氏が絡む循環取引事件にすればいいものを、「電通」と「電通ワークス」は「純然たる被害者」を貫き通した。

 勘ぐれば、巨大企業「電通」に天下りも含めて持ちつ持たれつの関係にある警察が、配慮した結果だった。

 そして検察もまたその構図を認めた。

 そこにも警察と同様の配慮があったのではないか。

 が、裁判所は辛辣だった。

 普段、99%以上の有罪判決を出し、検察と一心同体にある裁判所が、電通と警察・検察の“握り”を排除した。

 一審の江見健一郎裁判長は、「架空取引とは知らなかった」と主張するO氏の証言に対し、強い口調でこう否定した。

 「自己の責任回避という強い動機があり信用できない。架空取引と知っていた」

 この姿勢は東京高裁の大熊一之裁判長も同じだった。

 いや、訴訟指揮を見れば、それ以上に検察の主張を認めなかった。

 昨年3月の一審判決の後、東京地検の控訴趣意書が提出されたのは、昨年10月のことである。

 それに対して、弁護側が反論もしくは意見書を提出したのが今年2月に入ってからだ。

 その後、控訴趣意書の補足などが出された後、7月20日、第一回目の公判が行われた。

 検察側からは、新たな証拠や証人申請などが出されたものの、大熊裁判長は「すべて却下」し15分で終了。――これで勝負はあった。

 2回目の期日が11月9日で判決を言い渡したが、予想通りに一審を支持して控訴を却下した。

 大熊裁判長は、判決文のなかで「(電通ワークス側に)循環取引によって、売り上げを仮装する動機があったことは否定できない」とし、「詐欺罪は成立しない」と結論づけた。

 言うまでもないことだが、循環取引は犯罪である。

 米のエネルギー商社「エンロン」は、循環取引で400億ドルもの負債を隠し、米経済を震撼させた。

 日本では東証一部上場の老舗企業「加ト吉」が、循環取引で決算を粉飾。挙句、「JT」(日本たばこ産業)に吸収合併されて長い歴史の幕を閉じた。

 循環取引という“立派”な犯罪を、警視庁と「電通」が握り、それを検察が認めて事件を歪めた。

 しかし、裁判所は地裁段階でそれを認めず、高裁では審理に値しないと退けた。

 ここは、「判・検・警」の“連係プレー”による有罪判決が当たり前の風潮にストップをかけた裁判所の「良識」を認めるべきであろう。【辰】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年11月15日配信<0510archives>「共謀罪適用第1号は暴力団⁉――ヤクザ利用を察知した『6代目山口組』が傘下組員に配布した『共謀罪対策マニュアル』の切実な中身」<事件>

金田勝年前法相(官邸HP)


 

 スッタモンダの挙句、強引に成立した共謀罪が7月11日に施行された。

 「国会ではテロ等準備罪と説明され、『テロ集団や暴力団が取り締まりの対象であり、一般人に適用されることはない』と、答弁されてきただけに、法律の“実績作り”のために、ヤクザが集中的に対象とされる可能性が高い」

 先般、山口組が傘下組員に対して配布した「共謀罪を考える」と題した共謀罪対策マニュアルは、冒頭の「はじめに」で、こう記されている。

 実に簡潔にして「国家の思惑」をよく捉えている”対策文書”である。

 国会で民進党などの野党が攻撃したのは「一般人に及ぶ危険性」で、政府の見解は揺れ動いた。

 が、結局のところ「組織的犯罪組織の周辺者」も共謀罪の対象になるのだから、捜査機関のさじ加減ひとつで「一般人」””も共謀罪の対象となるのは明らかだ。

 ただ、反対が多く、今も国民の多くが「心の内を裁く法律」と恐れているので、最初の段階で危うい境界線に踏み込むことはない。

 特に第一弾は、誰もが納得する集団。つまり「暴力団」になるのは濃厚で、マニュアルは、それを踏まえて作成されている。

 その危機感は至当で、認識も間違ってないのだが、「では、どうすべきか」という傘下組員の“悩み”に答えるものではない。

 「要は、電話は盗聴を前提としろ、ラインやメールで大事なことは話すな、なるべく外で集まるな、ということだが、それは共謀罪が施行されなくてもやっていたことや。共謀罪でどこがどう変わるかは分かるけど、じゃあ、何に気をつければいいのかがわからない」(六代目山口組三次団体幹部)

 確かに、共謀共同正犯の拡大解釈、使用者責任の判例増加によって、最終的な罪はピラミッド型組織の頂点にいる組長のものとなった。

 組長を守るために、これまでも山口組はさまざまな形で勉強会を重ね、暴対法改正や暴力団排除条例に備えており、共謀罪が施行されたからといって、新たな“備え”が必要になるわけではない。

 マニュアルで指摘される「運用例」には、以下のようなものがある。

 ・対立組織幹部の殺害を計画、拳銃購入資金の用意など事前準備の段階で殺人の共謀が成り立つ。故に殺人計画がでっちあげられ、ATMで金を下ろしたことが準備行為となる。

 ・二代目大石組の井上茂樹組長が逮捕され、不起訴となった殺人予備事件でも、共謀罪が適用されれば、マンションを借りたことが準備行為とされ有罪とされる可能性が大きい。

 ・薬物事犯などでは、実際に薬物を購入、販売していなくとも「計画段階」で処罰の対象となり、計画したとされる人物と会っていた、カネのやり取りがあったなどで、広範な組員、場合によっては親分クラスも共謀罪となる。

 またマニュアルは、共謀罪の「自首減免制度」にふれ、既に法制化された司法取引と同じように、<チクられた側に反論する場がなく、チクった側の言いなりで冤罪が生み出されることになる>と、警告。対象犯罪が拡大されたばかりの盗聴法(通信傍受法)の対象犯罪に共謀罪が取り入れられるだろう、と予測している。

 そのうえで、「まとめ」として、既にヤクザに対しては共謀罪と同様の扱いが行われているが、今後はハードルがさらに低くなるとして、「個人的な犯罪であっても、当たり前のように組織的とされ、広範な組員に共謀罪が適用されるようになるだろう」として、注意を喚起している。

 確かに、度重なる暴対法改正とトドメを刺すような暴排条例で、暴力団構成員は「存在自体が悪」となり、どんな行為も拡大解釈で罪とされ、今更、共謀罪で何か新たな準備をする必要もない。

 そういう意味で、マニュアルに殊更、驚くような指摘はないのだが、国家はここまで追い詰めた暴力団を「法律の実績作りのため」に使い、狙われる側もそれを承知しているあたりに、「暴力団の制度的利用」も“最終章”を迎えたのではないか。【申】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年11月8日配信<0510archives>「震災を“食い物”にした老詐欺師・三木誠が遂に逮捕!」<事件>


"詐欺のレジェンド"に懲役3年の実刑判決!


 

 「根っからの詐欺師」とは、こういう人のことをいうのだろう。

 三木(旧姓・篠原)誠、御年84歳――。

 「娑婆と刑務所を出たり入ったり」と、表現される犯罪者は少なくないが、三木の場合は圧倒的に刑務所にいる期間の方が長い。

 1985年10月、青森県むつ市で5億円強奪事件が発生し話題になったが、当時、篠原姓だった三木は、主犯格として裁かれ、懲役11年の刑を受けて服役した。

 出所後、すぐに小切手偽造、手形詐欺事件などを引き起こして逮捕・起訴され、2000年に懲役11年の実刑判決を受けて、岐阜刑務所で服役した。

 出所したのは12年12月である。

 そこから手を染めたのが震災復興絡みの“仕掛け”である。「ボランティア活動をやっている(やりたい)」といって資産家に近付き、資金提供を受ける。あるいは、補助金付きの事業を手がける。

 それから4年余りが経過。各地で“悪評”を撒き散らしていたが、今年2月21日、宮城県警石巻署に逮捕された。

 逮捕容疑は詐欺未遂。三木は、配下の唐島基成(52)、徳田貴光(43)とともに、宮城県東松島市の68歳の男性に対し、「外国のカネを使って復興支援をしたいが、口座から資金を引き下ろすのに諸経費が必要。ついては資金支援して欲しい」と、100万円を振込送金させようとした。

 未遂だし金額も小さいが、詐欺の常習犯であり、公判になれば厳しい結果となることが予想される。

 また、多くの余罪があり、今後、他の事件に発展することも考えられる。

 長身で背筋が伸び、80代には見えないといわれる三木だが、実刑判決を受ければ、これからの懲役は辛いものになるだろう。

 娑婆より長い服役生活を思えば、「凄腕」といっていいのかどうか疑問だが、懲役という結果はともかく「騙しのテクニック」は超一流である。

 岐阜刑務所の受刑者であった時から目を付けていたのが、宗教法人「幸福の科学」大川隆法総裁の前妻・大川きょう子女史である。

 出所後、すぐに、震災後、「みちのく衛生の会」というNPO法人を立ち上げ、ボランティア活動をしていた大川女史に電話をかけ、「自分も手伝いたい」と持ちかけ、翌年1月には面談、1億数千万円を引き出している。

 どうして簡単に騙すことができたのか。

 次のように申し向け、巧みに相手の“欲”を刺激するからだ。

 「香港のナンバーアカウント口座に150億円以上のカネがある。ただ、(懲役で)長期間不在だったので口座を凍結していたこともあって、簡単にカネを下ろせない。当面の活動資金として、カネを貸してもらえないだろうか。凍結解除になれば、どんなお礼でもするから…」

 

 とにかく、カネは借りた方が強い。

 一度、貸すと、関係を切られ取り戻せなくなるのが怖くて、ズルズルと借金の求めに応じてしまうのである。

 三木に対する大川女史の債権は7億5000万円にも達したが、三木は、弁護士を通じた大川の返還要求に対し、「返すつもりはあるがカネがない」と回答するのみ。要するに踏み倒しである。

 大川女史だけではない。

 出所後、上野・御徒町界隈を根城にしていた三木は、小料理屋の女将、スナック経営のママなどからもカネを借り、ボランティア活動に引き込んだ。

 篠原から三木姓となったのは、13年6月、当時、スナックのママだった女性との婚姻によるものである。

 三木と大川女史の決裂は、いつまで経っても口座が開かず、返済されない借金問題が大きかったが、そのほか収益活動はしないハズなのに、三木が夫人を代表にコールセンター事業を始めたことも原因だった。

 コールセンター事業とは、「震災に伴う国の雇用創出事業を利用した詐欺まがいの会社」と、後に叩かれた「DIOジャパン」(代表は日清紡時代に元社会人卓球チャンピオンになった本門のり子)と組んで設立した「おいらせコールセンター」である。

 この会社を巡っては、14年11月、町と交わした補助金に関する契約関係書類が、山梨県でパチンコ屋を経営する会社に流れていたことが判明、町で大騒ぎとなった。

 書類は、山梨の会社を信用させるために担保替わりに預けたもので、後にこの会社は三木らを刑事告訴、一時は山梨県警が捜査に当たっていた。

 そして、「おいらせコールセンター」の事務局長を名乗っていたのが、今回、一緒に逮捕された徳田だった。

 詐欺師人生一直線!――事件化こそしなかったが、秋田県の有名観音像を巡る詐欺未遂事件など、小誌が知るだけでも余罪は数件ある。

 

 遵法精神の欠片もない三木が、再びの懲役生活を迎えるのは間違いなかろう。(敬称略)【卯】

 

    ※仙台高裁が1審判決(懲役3年の実刑)を支持して控訴棄却!

 

 

 

 

 

 

 

 

 



profile

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>

selected entries

categories

archives

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

還暦川柳
還暦川柳 (JUGEMレビュー »)
公益社団法人 全国老人福祉施設協議会

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

テレビはなぜおかしくなったのか
テレビはなぜおかしくなったのか (JUGEMレビュー »)
金平 茂紀,永田 浩三,水島 宏明,五十嵐 仁

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM