辻恵代議士5億円供託金返還請求事件の「黒幕」は数々の経済事件に登場する大津洋三郎!



 マスコミ各社が取材合戦を続けるなか、早さでは定評のある「産経新聞」がスクープしたのが『辻恵代議士5億円供託金返還請求事件』だった。

 医薬品大手の富士薬品が、民主党の辻恵代議士に対し、不動産処分禁止の仮処分申請に必要な供託金を預けていたところ、手続きが終わったにもかかわらず、供託金返還義務を果たさないことから、約5億円の返還を求めて東京地裁に提訴した。

 辻代議士は当選2回。落選中の2007年10月に引き受けた事件とはいえ、代議士となったからにはこの種のトラブルを報じられるのも仕方ない。ただ、辻代議士を「主語」に報じると、事件が見えなくなる。

 仮処分申請は、辻代議士が東京・六本木の「TSKビル」の不動産処分禁止を求める不動産会社の代理人として提出したもの。 「TSKビル」といえば、暴力団組織・東声会を率いた町井久之氏が建設、その権利関係の複雑さから町井氏の死後、さまざま組織や企業が乗り込んで混乱、仮処分を申請した不動産会社はそのなかの1社の東洋不動産。辻代議士は、一切、そのゴタゴタに関知していない。

 事情通が首を傾げる。
 「朝鮮総連事件に連動するぐらいTSKビルはややこしい案件だった。それに加えて、仮処分を申請した東洋不動産の大津洋三郎といえば、トラブル案件を得意とする人間。幾らもらったかは知らないけど、そんな危険な仕事を落選中とはいえ名のある弁護士が、よく引き受けたものだと驚いた」

 予想通りトラブルとなった。辻代議士は、供託金の取り戻し請求権を譲渡するという書類を偽造され、その書類をもとに「供託金の回収を困難にした」として、供託金の出し手である富士薬品に提訴された。既に、辻代議士は偽造した暴力団関係者を警視庁に有印私文書偽造で告訴、「私は被害者だ」と、殺到する取材に答えている。

 事件の「黒幕」は大津氏である。「TSKビル」の地上げに早くから関与、その権利を主張して仮処分を申請しようとしたが資金がない。そこで、不動産事業を積極的に展開していた富士薬品に供託金の支援を求めたが、「信用不足」を理由に「信頼できる人の介在」を求められ、そこで辻代議士に「ハンコ料」での代理を依頼したのだった。

 ところが、供託金をただ積んでいるのはもったいないと、大津氏は「取戻請求権」の利用を検討、辻代議士が質権設定を承諾したという「覚書」を作成したこともあった。そうした各種工作の過程で、暴力団関係者による偽造が発生した。

 その偽造に大津氏が関与したとされるわけではないが、ホテルニュージャパン跡地、新橋・木利屋ビルの地上げ、永代信組絡みの不動産、TSKビル、朝鮮総連本部ビルなど「大津案件」はややこしいものばかりである。
 辻代議士は、そこに顔を突っ込んだがゆえにトラブルに巻き込まれたのであり、産経報道ではまったく触れられていないこの「黒幕」の正体を知ることなしに、事件は解読できない。【凛】

羽田空港D滑走路を「建廃処分場」にした鹿島と暴力団と国交省!

羽田空港

 羽田空港のD滑走路は、「羽田」を24時間利用可能な国際空港にしたい民主党政権の期待を担った国家プロジェクトである。総工費6000億円。国にとっては不要だが、官僚や地元土建業者にとっては必要な「ダム」とは比較にならない重みを持つ。

 その国家プロジェクトで、ゼネコン業界のリーダー役として工事をまとめた鹿島が、滑走路の埋立地に自社が横浜市で請け負った建設工事で出た建廃(建設廃棄物)を、1000立方メートルもぶち込み、「国家への詐欺」で捜査対象となっていることが判明した。

 捜査を進めているのは警視庁組織犯罪対策3課。普段は、暴力団などの組織犯罪を摘発する組対3課が乗り出しているのは、当初、「鹿島が暴力団関係者に恐喝されている」という情報からスタートしたからだ。

 「横浜に、鹿島を主な顧客とする建設ブローカーのSがいて、この人間の関与によって、横浜市の放送施設跡地から出た建廃を、密かに海洋投棄する話が進み、玉砂利を中心とする残土が運ばれていった。ところが鹿島はSに手数料を払わない。そこでSと鹿島がトラブルになり、最初は鹿島の訴えでSを恐喝で調べていたものの、捜査の過程で『鹿島の犯罪』であることが判明、『詐欺』に切り替えた」(捜査関係者)

 組対3課が総動員される捜査の過程で、「事件の闇」が深くなっている。
 計画では投棄する予定の建廃は約5000立方メートル。1000立方メートルの段階で発覚したということだが、それでも隙間があって水より比重の軽い砂利の場合、10トントラックで150台はピストン輸送することになるという。

 被疑者は、不法投棄場所の鹿島の工区長であるAとブローカーのSだが、廃棄物であることが誰にもわかる砂利を、現場責任者の判断で投棄できるわけがないということで、国土交通省の現場責任者の関与や、鹿島の総責任者が「黙認」していたのではないか、という疑いも浮上している。

 そうなると、造船業界を押しのけて6000億円事業をまとめた鹿島が、暴力団関係者と国土交通省の担当者を巻き込んで、国家の最重要課題の新滑走路に、価格タダの廃棄物を不法投棄、本来、投棄すべき「築堤材」の費用をだまし取ったというとんでもない事件となる。

 組対3課にとっては少々、荷が重いが、それだけにやる気は十分で、縦横に延ばすことを想定、11月の早い時期に捜査着手する方針を固めている。【伯】

海千山千の「人脈屋」に転がされる民主党新人代議士143人の危うさ!

民主党本部

 民主党代議士308人のうち過半近い143人が新人である。
 既に、ヌードで映画出演していた田中美絵子代議士、自己破産していた渡辺義彦代議士、名前を貸していただけのフリーター・磯谷香代子代議士らが話題を集めているが、彼らは極端にせよ、政権党の過半が右も左もわからない新人なのだから怖い。

 ただ、前歴はどうあれ、代議士に当選しただけで、議員会館に部屋と三人の秘書を与えられ、都心の一等地に10万円以下で宿舎を提供され、「先生」と呼ばれ、霞が関の官僚が電話一本で飛んでくるのだから、9月16日の初登院から40日以上が経過した今、しみじみと「当選の有難味」を噛みしめていることだろう。

 なにしろ9月16日には、8月の歳費と文書通信費などで、約230万円が一律、支給された。8月の実働は、投開票のあった30日と31日の2日だけ。世間の常識では日割り計算だが、歳費の返納は公職選挙法で禁じられており、満額支給だった。
 これではみんな勘違いする。小泉チルドレンの時の杉村太蔵氏のように、「料亭に行きてぇー!」という連中も出てくる。また、それを見計らったように、民主党新人に「人脈屋」が接触しているという。

 民主党大物のベテラン秘書が心配する。
 「永田町には、業界や企業の政界担当、政界と業界をつなぐコンサルタント、企業の代弁をするロビイスト、利権やビジネスチャンスを探る情報屋といった有象無象が、山ほどいます。人脈が命の彼らが今、民主党新人代議士の“青田刈り”をやっています。注意はしても、地元の後援者や先輩ルートで接触してくれば、断れない。料亭やクラブでの接待が続けば、必ず取り込まれます」

 1回生議員に力はない。あくまで将来の先行投資。ただ、代議士でなければ入手できない情報もあって、使えないこともない。飲み食いの接待に車代など安いもので、何百万円分のパーティー券を押しつけられるうえに、横並びのつきあいしかしてくれない自民党大物代議士とのつきあいにくらべれば、“お座敷”を喜ぶ民主党新人など可愛いものだ。

 自民党には派閥という教育機関があり、近づく有象無象に対するベテラン議員の監視の目があった。しかし、与党になったばかりで上から下まで浮かれる民主党には、そんな排除システムはなく、基本は議員の自己管理。それにつけ込む「人脈屋」たちが、永田町にようやく慣れた新人たちを、夜な夜な引っぱり回している。
 民主党政権が続けば、5年後、10年後の政界汚職のうちのいくつかは、こうした人間関係の果てに築かれたものであるのは間違いあるまい。【伯】

「楽天・三木谷」の逮捕騒動の元となった秀吉ビル売却の企業舎弟に地検特捜部がメス!

秀吉ビル 3年前、捜査当局が狙う「MMH」の最後のひとりとして、三木谷浩史・楽天社長の逮捕情報が流れたことがある。
 「MMH」とは、第4の権力であるマスコミに手をかけた村上ファンドの村上世彰、ライブドアの堀江貴文、そして楽天の三木谷の3氏である。
 乗っ取りを仕掛けられたフジテレビやTBSが「秩序の側」で、仕掛けた「MMH」が「秩序の破壊者」であるという位置づけは間違っているが、普段、マスコミの支援を受けて“正義”を執行する検察が、泣きついてきたテレビ局に“恩を”売るために「MMH」を狙ったのは間違いない。

 しかし三木谷氏については、TBS買収劇を洗ったものの、逮捕に至る不正は見当たらなかった。逆に、05年7月、楽天系の不動産会社が行った「秀吉ビル」の買収で、暴力団筋への「利益供与」が行われたとして06年夏に問題となり、右翼団体が楽天本社に街宣をかけ、週刊誌等が「三木谷逮捕説」を報道する騒動となった。

 結果は「誤報」で、逮捕説を流した週刊誌は楽天に訴えられて敗訴したのだが、「秀吉ビル」の売買に、社会的問題があるのは事実だった。楽天系不動産会社に売却したのは港区の不動産会社である湊開発。ミニバブルを映して、約70平方メートルの借地権の売買価格は約46億円。それに対して湊開発の購入価格は、長い年月をかけてはいるものの半値以下だったという。

 東京国税局からの告発を受けた東京地検特捜部は、警視庁組織犯罪対策4課などの応援も入れて、10月6日、湊開発とその関係先を法人税法違反で家宅捜索した。国税当局が特捜部の力を借りたのは、湊開発が稲川会系組織の企業舎弟と目されているからで、今は引退しているその組織の組長も、摘発される可能性がある。

 「秀吉ビル」は、90年代末、銀座から始まった不動産の「局地バブル」を象徴する物件で、その権利関係の複雑さから、稲川会系だけでなく、会津小鉄会系、山口組系など東西の組織がさまざまな思惑で群がり、地価高騰の恩恵を受けて、富を分け合った。

 最終購入者は楽天系だが、正確に言えば、購入の三ヵ月後、楽天に買収された不動産会社であり、しかも同社と湊開発の間には、中間登記省略の形で、別の不動産業者が介在、言い方を変えれば、「それだけの業者が群がっても儲かる不動産バブル」だった。
 「正直申告」であれば何の問題もない。しかし、そこでごまかしたくなるのが地上げ屋の“性”のようなもの。今回の摘発は、不動産が主たる収入源という変わらぬアングラ経済の実態を暴くことにもなりそうだ。【凛】

東京地検特捜部は「小沢一郎政治資金疑惑再捜査」で陸山会のウラ金に切り込むのか!



 「これは反乱だ! 東京地検の情報管理はどうなっているのか!」
 最高検察庁首脳は、10月15日の『読売新聞』(朝刊)を見て、激高したという。
 「小沢氏団体 記載に虚偽」
 こう書かれた一面トップ記事は、民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」が、2005年分の政治資金収支報告書に購入費を支出計上した都内の土地が、実際は04年に約3億4000万円の代金を支払っていたことを伝えるものだった。

 政治資金収支報告書の記載ミスは多く、それが悪質なら刑事罰を問われるのだが、今回、「陸山会」が報告を1年遅らせたことのどこに問題があるのか。また、どうして検察首脳が怒ったのか。

 検察関係者が解説する。
 「記載漏れといった単純な問題ではありません。陸山会には収入と支出に2億円のズレがあり、報告書に届け出ている収入より、支出の方が多い。それは、ウラ金の存在を意味します。つまり、プールしたウラ金で土地を購入したのではないか、というのが記事の主旨です。そうした情報は、小沢捜査にあたった東京地検特捜部からしか出てこない。だから首脳はブチ切れた」

 特捜部は、政治資金規正法違反で公設秘書の大久保隆規被告を逮捕後、総選挙が始まる直前まで「小沢捜査」を継続していた。ゼネコンとその下請け業者を呼び、「陸山会にウラ金を持って行ったのではないか」と、責め立てた。
 陸山会が届け出た収入では、マンション10戸(うち2戸は売却・譲渡)を含む資産30億円の説明ができないからだ。

 その結果、ウラ金を運んだと供述した業者がいたし、資産形成のカラクリの一部が判明した。しかし、総選挙で民主党が大勝。同じ政治資金規正法違反で鳩山由紀夫首相の捜査を開始していることもあって、「民主党ばかりを攻撃しているという批判がある。難しそうな小沢捜査は中断」の判断が下された。

 当然、捜査現場は反発する。
 「政治資金で不動産を買い、それを小沢一郎個人の名義で登記、陸山会代表の小沢(甲)が、個人である小沢(乙)と交わした確認書をもとに、『個人名義は形だけ』といってのける政治家を許しておいていいのか、ということです。そんな詭弁は許されないことを徹底捜査で証明したい」

 それに賛同した読売が、リークされた情報をもとに記事化、追随するマスコミが、小沢攻撃を始めると、穏便に処理したい検察首脳も、「再捜査」を認めざるを得ない。
 そうなると、政治資金規正法違反だけでなく、小沢氏個人の脱税や胆沢ダムに絡む斡旋収賄などの疑惑も再浮上、「民主党のドン」が窮地に立たされることもありそうだ。【伯】

「グッドウィルM&A脱税事件」で家宅捜索を受けた「ワールド」畑崎広敏氏の懲りない仕手体質

久間章生

 大手アパレルメーカーのワールドを一代で築き上げた畑崎正敏氏は、仕手株好きの投資家として知られる。
 大株主として名を連ねているのは、バナーズ、アイビーダイワ、CHOYA、宮入バルブ製作所、ユナイテッドアローズ、キムラタンなど、業績不振で株価が低迷、わずかな“材料”で株価が乱高下する株が多い。

 その畑崎氏の自宅が、10月15日、東京地検特捜部の家宅捜索を受けた。グッドウィルM&A脱税事件に絡む関係先としてである。
 約50億円の申告を除外、約20億円を脱税したとして逮捕状が出ているのは公認会計士の中村(旧姓中澤)秀夫容疑者。畑崎氏は、この中村容疑者が買収した東邦グローバルアソシエイツ(旧千年の杜)の大株主として、中村容疑者に株を売却した。そういう意味で脱税事件としては遠いのだが、なぜ目をつけられたのか。

 「特捜部の狙いは、主犯の中村が海外逃亡しているので、強制捜査を通じて彼を追い詰めることと、千年の杜の仕手戦に絡んだ久間章生元防衛相の関わりを解明すること。だから畑崎に対する捜査も欠かせなかった」(事件を追う全国紙記者)
 千年の杜株は、08年1月から2月にかけて、2014年に黒海沿岸のロシア・ソチ市で開催される冬季五輪向けに人工島を建設すると発表したことで高騰した。直前まで20円台で低迷していた“ボロ株”が400円を突破、証券界で話題になった。

 この計画に信憑性を与えたのが久間氏。ソチ冬季五輪協力委員会で会長を務め、パーティーでは、「オールジャパンで推進する!」と、ぶち上げた。
 しかし千年の杜は、従業員わずか14名で経常欠損が続く企業。人工島建設を遂行する能力はなく、事実、計画はすべて絵に描いたモチに終わり、株価は暴落、元の“ボロ株”に戻った。

 畑崎氏は、黒木正博氏(マザーズ上場1号のリキッドオーディオ・ジャパンのオーナー)の要請に従って出資、それを黒木氏は証券ブローカーの鬼頭和孝氏を通じて中村容疑者に売却した。特捜部は、その過程で起こった仕手戦と久間氏の登場に、畑崎氏も関与しているのではないかと見ている。

 淡路島に生まれ地元の商業高校を卒業、23歳で独立してワールドを立ち上げ、有数のアパレルメーカーにした畑崎氏は、97年、60歳の若さで社長を退いた。その立志伝はよく知られ、去り際の潔さに対する評価も高いのに、なぜか投資では西田晴夫、小林達也、黒木正博といった名うての仕手筋、金融ブローカーと組んでしまう。

 それは、仕手株好きの“性”なのかも知れないが、今回は政界を巻き込む大型経済事件に関与しただけに、神戸経済同友会幹事、神戸商工会議所副会頭を歴任、2011年ラグビーワールドカップ日本招致委員会委員を務める関西の有力財界人としての顔を汚すことになるかも知れない。【悌】

【スクープ!!】 警視庁の捜査線上にいる大物金融屋・永本壹柱氏が開いた朝青龍の「優勝祝&誕生会」

レストラン「T」

 大物金融屋として知られる永本壹桂氏には二つの顔がある。
 ひとつは上場企業の資本調達に暗躍、「最後の出し手」として登場、荒稼ぎする「資本のハイエナ」としての顔である。
 上場企業とはいえ、金融機関から見捨てられ、増資でしか生きられない企業に資金を投じるのだからリスクは高い。そこに永本氏は度胸よく出資、代わりに高利を得る。その過程には、株価操縦、金融商品取引法違反、インサイダー取引などの疑惑が生じることが多く、永本氏は常に捜査当局にマークされている。

 もうひとつは豊富な資金を活用、芸能人やプロスポーツ選手を支援するとしての顔である。
 ロック歌手の内田裕也が、毎年11月に開く誕生パーティーは、盛り沢山な演出と華やかな出席者で知られているが、その主宰者が永本氏。出席者のジョー山中、白竜、シーナ&ロケッツ、野村克也、張本勲、江本孟紀、佐々木主浩、青木功、アントニオ猪木などは、永本氏人脈でもある。

 そのタニマチぶりを見せつけたのが、大相撲秋場所千秋楽の翌々日の9月29日、渋谷区代官山のイタリアレストラン「T」で開かれた朝青龍24回目の優勝祝いだった。
 場所前は右ひざの故障もあって不安視されたが、優勝決定戦で白鵬を豪快なすくい投げで下して4場所ぶりの優勝を飾った。
 永本氏は、それに29歳の誕生祝いも兼ねて祝福、朝青龍はスポーツ界の気の置けない仲間やせんだみつお、田代まさしなどの芸能人ら100人以上の出席者に囲まれ、ご機嫌だった。

 実は、永本氏がこうした派手なパーティーを企画するのは久しぶりである。本業の金融で警視庁の捜査線上にその名があがり、今年に入ってからは自粛していた。
 警視庁捜査二課が、経営陣を連日のように呼んで捜査しているのがトランスデジタル事件。同社は、昨年9月、民事再生法の適用を申請して倒産したが、その直前に発行した新株予約権で、「31億円を調達」と発表しながら、その翌日には小切手などで不渡りを出した。「架空増資」の疑いが濃く、新株予約権を行使した永本氏は、野呂周介氏とともに、経営陣らと「架空増資」を“演出”した疑いを持たれている。

 同じ警視庁でも組織犯罪対策三課が手がけているのは井上工業事件。既に、特別背任容疑での強制捜査が行われており、組対三課は「経営者の罪」の先に、増資ブローカーの責任を追及しようとしており、そこに資金を投入した永本氏の役割にも注目している。

 「いつ着手してもおかしくない」(捜査関係者)といわれる二つの大型経済事件の捜査線上に名が挙がっている永本氏。大人しくしているのも嫌になって、朝青龍の復活を祝い、憂さを晴らしたくなったのだろうが、時期が時期だけに、少しばかりタイミングが悪かったのでは…。【紘】

押尾事件で“やり部屋”を提供したミカジョンをワコールが庇うのはなぜか?

六本木ヒルズ 押尾学被告の再捜査が始まった。
 当然だろう。亡くなった銀座ホステスを全裸のまま救急車も呼ばずに三時間も放置、過失致死や保護責任者遺棄(保護すべき人を放置した罪)を疑えるのに、所轄の麻布署は「事件性はない!」と、早々に断言した。まともな捜査すらしないことに、女性の遺族は怒り狂い、「押尾と親しいクスリ仲間に大物政治家の二世がいて、そこから圧力がかかった」といった情報がネットにあふれた。

 そうした疑惑を払拭、国民を納得させるためにも捜査は徹底的になされるべきで、10月7日から始まった押尾の事情聴取には、精鋭の捜査一課があたっている。「押尾の罪」が再捜査されるのはもちろん、クスリの入手ルートや“やり部屋”で行われていた“余罪”も調べられることになる。

 その際、問題となってくるのは、“やり部屋”を契約、押尾に自由に使わせていた下着通販のピーチ・ジョンで社長を務める野口美佳氏の社会的責任だろう。
 「ミカジョン」の名で呼ばれる野口氏は、その奔放なライフスタイルで知られている。ピーチ・ジョン前会長の野口正二氏と二度結婚して二度離婚。その間、二児を儲け、離婚後に父親の名を明かさないまま三番目の子供を出産、現在、四番目の子供を妊娠中だが、その子の父親も明かしていない。

 高卒の女性が、売上高170億円の会社を築いたのは間違いなくサクセス・ストーリーだが、野口氏にはそれに加えて、ライブドアの堀江貴文元社長に吉川ひなのを紹介、一緒にプライベートジェット機で海外旅行を楽しむなど、「社長とモデル」を結ぶノリの良さがあり、それが「ミカジョン」の魅力だった。

 だが、長所は短所でもある。六本木ヒルズ住宅棟に複数、部屋を借り、それを押尾のような“遊び人”に使わせたことが今回の悲劇につながったわけだが、「信頼を裏切られた」といったコメントで逃れられるものではなく、そうしたライフスタイル自体が問題となる。

 ピーチ・ジョンが未上場の時代ならまだ許されたかも知れない。だが、野口氏は07年11月、保有株をワコール株と交換、ワコールの100%子会社となった。
 ピーチ・ジョンの買収は、新機軸を打ち出せず、停滞していたワコールにとって大きな賭けだったが、ミカジョンの持つ若さとパワーは、「京都の老舗」に活力を与えたという。
 だが、その奔放さが今回の事件を引き起こした以上、野口氏は責任を取るべきだが、ワコールは「沈黙は金」とばかりに、何のコメントも発しないし、動こうともしない。
 それが、「塚本能交社長は、ミカジョンにタレントやモデルを紹介されるなど、ビジネス以外でも世話になっていたのでは?」(社内関係者)といった疑心暗鬼にもつながっているにもかかわらずである。
 押尾事件の余波は、まだまだ続きそうである。【伯】

最終的には法的整理!? 財務省・国交省・チーム前原…三つ巴の主導権争いに翻弄されるJALの惨状!

JAL関連記事 日本航空(JAL)の迷走が続き、連日の報道にもかかわらず、内部で何が起きているのかさっぱり分からない。
 「JAL班」に投入されている全国紙経済部記者が、苦笑して解説する。
 「みんなが手前勝手に思惑で情報を発信、それをマスコミが細大漏らさず報道するから混乱している。国交省、財務省、前原誠司国交相、それにJALの思惑を、論点整理すれば分かりやすくなる。

 まず国交省は、二階俊博・前経済産業相をはじめとする自民党の運輸族とともに、JALとANA(全日空)を従えて日本の航空行政を担ってきたという自負があり、今後ともそのポジションを守りたい。
 JALの自主再建をどこよりも望んでいるのは国交省で、米デルタ航空との資本提携など、世界の航空秩序のなかでJALの再建が進むのが最も望ましいとマスコミにリークしている。

 当事者意識のないJALの経営陣は、これまでもそうであったように、ひたすら苦境を訴えて「国家の救済」を待っている。従って、内心では国交省案に賛成しているが、自主再建に望みをかけているのは、それが給与・手当・年金といった自分たちの待遇にやさしいからで、「自主」の気概などどこにもない。

 これに対して財務省は、JALに徹底的なリストラを呑ませたうえで、政府系金融機関と化した日本政策投資銀行を通じたJAL支配を望んでいるのだが、これには半ば成功した。
 9月末を目途にした有識者会議を舞台にした再建計画案は、勝栄二郎主計局長が全体のシナリオを描き、それに説得された元事務次官の藤井秀人政投銀副社長が、銀行団をまとめて通すつもりだった。もしJALが呑まなければ、法的整理も視野に入れていた。

 だが、周知のように民主党政権の誕生ですべてのシナリオは白紙となり、前原国交相が組織した旧産業再生機構のメンバーを中心とする「チーム前原」によって、11月末に再建案が作成されることになった。前原氏もまた自主再建にこだわり、公的資金の注入も口にしている。
 前原国交相はもちろん、鳩山由紀夫首相まで「自主再建派」であるのは、8つの組合に分かれている複雑怪奇な労組に対する遠慮からだ。それだけ民主党は今回の総選挙で連合の世話になった。

 しかし、機材などの「隠れ負債」を合わせると、JALは2500億円もの佐愛無超過となってしまい、危機感のないJAL労使の現状を考えれば法的整理しかない。
 「チーム前原」も結局、そうした結論を出すといわれており、しかもそこには、したたかな財務省の“毒”が回っている。

 「チーム前原の人選を含めて、前原国交相に再建のシナリオを提示したのは大臣と個人的にも親しい財務官僚でした。労組の力で大勝したものの、理屈に合わない国費の投入はできない。結局、株主にもOBを含めた従業員にも応分の責任を取らせるという意味で、倒産処理のうえで公的資金を投入、一からやり直すしかありません」(業界事情通)

 高慢な高給取りだったJAL役職員。それだけに同情の声はなく、声もまた騒動を横目に、一度潰すしかないと思っている。【伯】
 

 

大手消費者金融各社の縮小整理を尻目に急成長する“ソフトヤミ金”の実態!

消費者金融 ヤミ金は怖い。10日で1割の「トイチ」や10日で3割の「トサン」といった金利で、返済を怠れば、身ぐるみ剥がされ、女なら回されたうえで苦界へ、男ならヤキを入れられたうえで飯場に、身ひとつで放り込まれるというイメージがある。
 しかし、それは古い。今時、流行らない。今は「ソフトヤミ金」の時代なのさという。怖いから成り立つ「ヤミ金」の世界で、「ソフト」な「ヤミ金」は論理矛盾のはずだが、ならばどうやって成り立つのか。

 「連絡先が携帯のシステム金融のような暴力金融は、今も存在するし、今後もなくならない。ただ、そんな怖い世界にいきなり飛び込む人はいない。これまで消費者金融のせわになっていた人が、審査の厳格化で借りられなくなって、まず借りに行くのがソフトヤミ金である。元業者が新たに開業、あるいは登録業者が“副業”として始めることが多く、金利は月に一割前後で、回収も穏やかだ」(金融業者)

 消費者金融業者のビジネスモデルが完全に崩壊、アイフルが事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を使って私的整理に入り、武富士は10月1日に米格付け会社・スタンダード&プアーズが、一気に5段階も“格下げ”したことで、資金の自立調達はほぼ不可能、整理作業に入るのは時間の問題となった。さらにプロミス、アコムも後に続くのは確実だ。

 再建に向けて、金融各社は一斉に貸付の蛇口を閉めて、回収に力を入れるようになった。今は審査の段階で、客の6割から7割が断られる。
 借りられなくなった人はどこへ行くのか。
 最初に頼るのは親類縁者に友人、知人。だが、それにも限界がある。そこに、無登録だが無担保融資に精通した業者が“ソフトな貸出”を行う。
 廃業が相次ぐ業者の名簿をもとにダイレクトメールなどで営業を行い、それに口コミや紹介などもあって急成長している業者は少なくない。

 統計はないので業者数や貸出金額は不明だが、前年同月比で2割、3割と落ち込む消費者金融業者の肩代わりは、かなりの部分「ソフトヤミ金」が行っている。
 1980年代前半の嵐のような「サラ金批判キャンペーン」を経て、消費者金融業界は貸金業法によって認知され、行政に監督されて末端金融を担ってきた。
 それが、来年6月に完全施行される改正貸金業法によって存続が厳しい金利に追い込まれ、しかも最高裁が認めた過払い請求訴訟によって、経営は急激に悪化、業者は転廃業を余儀なくされている。

 悪徳業者の一掃、多重債務者問題の解決といった規制強化の理屈は分かるが、消費者金融でしか借りられない信用のない貧困層が存在するのも事実である。彼らは「今日のシノギ」のために、違法を承知で「ソフトヤミ金」に走り、そこでしか当座のカネを借りられないから返済をキッチリ行う。…結果として、金利100%の“昔のサラ金”が復活しているのである。【黎】


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