検察捜査が本格化!?鳩山政権を崩壊に追い込む政治資金報告書「四つの爆弾」

検察庁

 民主党の大勝を受けて、しつこくゼネコン、サブコンの幹部を責め立てていた東京地検特捜部の「小沢(一郎民主党幹事長)捜査」が完全にストップ、終息に向かっている。
 「検察幹部が、千葉(景子)法務相に『小沢先生への捜査はありません』と、明言したそうです。民主党政権に恭順の意を表したということでしょう。その代わり、検事総長の人事権は認めるという“握り”があったと見るのが自然です」(司法記者)

 法務・検察も、しょせんは「霞が関の一員」であることの証明である。国家秩序を揺るがすような捜査はしない。
 しかし、「小沢捜査」に続いて始まった「鳩山(由紀夫首相)捜査」は止めるわけにはいかない。既に検察は、鳩山氏の政治団体である友愛政経懇話会で「故人献金」など政治資金規正法違反があったとする告発を受理、捜査に着手している。なんらかの結論を出さなければならないが、鳩山事務所は会計担当の勝場啓二秘書が「勝手にやった」として同氏を馘首、違法性を認めているのだから、最低限、勝場氏を起訴しなければならない。

 ここまでは想定内のシナリオ。検察も本音では、そのあたりでとどめておきたい。だが、自民党が許さない。完膚なきまで叩きつぶされ、手負いの獅子となった自民党は、総力をあげて「鳩山献金問題」を追及する。それに抗することができればいいが、鳩山首相の報告書には「四つの爆弾」があり、どれが炸裂しても政権の命取りになる。

 第一は既に明らかとなった「故人献金」などの虚実記載。この件で勝場秘書だけでなく会計責任者の芳賀大輔氏も起訴されると、鳩山氏は監督責任を問われて連座、議員辞職に追い込まれることもある。

 第二は報告書に記載されていない5万円以下の匿名献金。年平均4000万円超となる匿名献金も虚偽の可能性があるが、報告書に記載はなくとも帳簿上の記載は義務づけられており、検察捜査で事実関係はすぐに確認できる。自民党が国会でこの問題をしつこく追求すれば、検察も踏み込まざるを得ず、金額と規模からして「故人献金」以上の問題に発展しよう。

 第三は数千万円の献金が偽装だった場合の出所。記者会見で鳩山サイドは、「勝場秘書に預けていた個人預金1000万円の範囲内でやった」と、説明したが、匿名献金も含めるとそれでは通らず、噂通り、資産家の母・安子さんからの資金提供が原資だとすれば、実質的な贈与税逃れということになる。

 第四は寄付金控除の問題。故人も献金者にしてしまうほど名前が欲しかった鳩山事務所は、献金者の実際の献金以上の献金額を報告書に記載している可能性がある。鳩山系の道議、市議らが毎年、鳩山氏が代表を務める「民主党北海道9区総支部」に数十万円を“上納”しているという記載は、それに相当するのではないか。その際、実際額以上の献金をしたと虚偽の税控除申請を行い、還付金を受け取っていたとすれば、詐欺罪に相当しよう。
 鳩山首相はこれだけの爆弾を抱えて船出した。外交デビューは大成功だったが、その前途は決して洋々ではない。【伯】

東京オリンピック招致が唯一の希望だが、「失敗すれば引退」という石原都知事の悲しい晩節

石原慎太郎東京都知事 10月2日(金)、デンマークの首都コペンハーゲンで、第121次国際オリンピック委員会(IOC)総会が開かれる。2016年夏季オリンピックの開催地に選ばれるのは、東京、シカゴ、マドリード、リオデジャネイロの4都市のうちのどこなのか…。

 世界が関心を集めるなか、東京への招致を最も望んでいる日本人のひとりが、石原慎太郎都知事であるのは間違いない。都知事の周辺が言う。
 「招致に失敗すれば、都知事は引退を表明するでしょう。総選挙に先立つ都議選の民主党圧勝で、都議会における石原与党体制は崩壊、針のムシロの議会運営となっています。最後の望みが東京オリンピック。それすらなくなれば、ええかっこしいの石原さんが都知事を続けるはずがありません」

 三選を果たした石原都知事だが、首長としての評価は決して高くない。
 政治家と作家の二足のわらじ、週に3〜4日の勤務体制、朝令暮改の一貫性のなさ、特別秘書・参与といった側近が握る利権…。
 それでも都民は、石原氏の持つダンディズムと、故・裕次郎氏を含む石原ファミリーの華やかさに惹かれ、石原氏を支持してきたが、政策については見事に失敗続きである。

 なにより石原都知事が、「都政の目玉」としてきた築地市場の移転新銀行東京が惨憺たるありさまだ。
 移転先の東京ガス工場跡地で高濃度の土壌汚染が見つかり、市場関係者から幅広い反対運動を受けながらも石原都知事と側近の浜渦武生参与は、移転を強引に推し進めた。

 また、中小企業の救済を名目にスタートした新銀行東京は、旧経営陣の甘過ぎる融資基準とそれに乗じた政治家の口利きによって不良債権が急拡大、2005年4月の開業ながら1000億円超の赤字を抱え、都が400億円の追加出資に追い込まれた。

 築地市場の移転担当である浜渦氏は、「大型公共工事を仕切る」といわれており、現在の移転先も浜渦氏の調整によってなされ、移転後の市場跡地の再開発においても浜渦氏が辣腕を振るうといわれてきた。
 新銀行東京に口利きした政治家のトップは石原ファミリーで、同行の内部資料には、石原宏高前代議士、兵藤茂、高井英樹の両特別秘書、浜渦参与、鈴木晶雅、田中豪の両都議らの名が記載されていた。鈴木、田中の両氏は元秘書である。

 石原都知事は、築地移転を強引に進め、新銀行東京も元都銀幹部に社長を委ねて継続を図ろうとしたが、民主党など野党が議会を握った時点でほぼ不可能になった。それどころか都議会は、9月25日、築地と新銀行で特別委員会の設置を決めた。この場が石原都知事を「糾弾する場」になるのは必至である。
 そうした事態は、イメージをなにより大事にする誇り高い石原氏には耐えられまい。苦戦が予想されるオリンピック招致の失敗が、「引退の口実」になりそうだ。【宙】

亀井郵政・金融相の誕生で“宿敵4人組”(西川・竹中・宮内・木村)に吹く秋風

亀井静香郵政担当・金融大臣 「郵政改革を見直し、返済猶予関連法案を提出するという亀井(静香)大臣は本気で時計の針を逆転させるつもりなのか」
 外資系金融機関の経営幹部が発したこの言葉が、マーケットの声を代弁している。どちらも国の力を大きくし、民間活力の低下につながる。そうなれば「日本売り」だが、亀井郵政・金融相はそのことをわかっているのだろうか、という問いかけである。

 亀井氏は、国内外マーケット関係者の反発は、十分、承知している。だが、ひるまない。日本を壊し、世界を恐慌に叩き込んだのは「金融」だと思っている。だから日本郵政は、もう一度国営化、全国をカバーさせるし、「平成の徳政令」を実施、貸し渋りや貸し剥がしに走った金融機関に責任を取らせる。

 日本郵政という会社と、欧米流金融資本主義の担い手となった現在の銀行は、「小泉(純一郎)―竹中(平蔵)改革」によってつくられた。それが許せず、党を割って国民新党を立ち上げた亀井氏に、鳩山由紀夫首相は郵政と金融を任せたのだから、「逆回転」という結論は出ている。

 ただ、老練な政治家である亀井氏が、どこかで現実路線を歩むのは間違いない、同時に興味深いのは、亀井流の判断基準で日本をダメにした4人組と思っているに違いない「竹中、西川、宮内、木村」の処遇である。
 金融相として金融行政を担った竹中氏、同氏と組んで三井住友銀行頭取時代に外資のゴールドマン・サックスに膝を屈した西川善文日本郵政社長、その西川氏から便宜供与のような形で「かんぽの宿」を手にしようとした宮内義彦オリックス会長、竹中氏を金融庁顧問として支えつつ我田引水で銀行を立ち上げた木村剛日本振興銀行会長……。

 72歳となって枯れた感のある亀井金融相だが、「造反組」と指差され、ホリエモンのような「モラルなき若造」を刺客として送り込まれた4年前の屈辱の選挙戦を決して忘れてはいない。権力の座に復帰、証券取引等監視委員会を押さえ、古巣の警視庁、金融庁と“親戚筋”の国税庁という捜査・調査機関を手にした亀井氏は、前述の4氏にとって、一挙に怖い存在となった。

 むろん、亀井氏が公権力を私的に使うわけではないが、既に4氏には、その前から秋風が吹いている。
 西川氏はかんぽの宿で刑事告訴され、竹中氏は人材派遣のパソナ会長に就任して逆風を浴びている。仮に事件化すれば、西川氏とともに追い詰められる宮内氏だが、不動産にのめり込み過ぎて本体のオリックスの業績が悪化、日銀と日本政策投資銀行に“救済”されている。木村氏にしても、本誌前号で詳述したSFCGの貸出債権の二重売りなど多くの問題を抱え、金融庁の判断待ちだ。
 そこに郵政・金融相として亀井氏が立ちふさがった。「秋風」どころではなく、「首筋が寒い」のである。【伯】

千葉景子法務相で「仲良くしよう」という民主党のメッセージを受け取った検察の複雑な心境

千葉景子法務大臣 23年前の参院選初当選の時の愛称が「トマトちゃん」で、今も後援会は「トマトクラブ」。人権派としての筋は通すものの、人付き合いが良く、あまり喧嘩は好まない……。
 これが、法務相に就任した千葉景子参院議員の簡略な横顔である。弁護士で法務委員会筆頭理事という経歴、民主党ネクストキャビネットで法務大臣という実績を考えれば、鳩山由紀夫首相の法務相指名はおかしなものではない。

 むしろ参院4期目という議員歴も考え合わせると、「適材適所」というべきだろう。
 だが、東京地検特捜部が西松建設事件に絡んで小沢一郎民主党幹事長の政治資金捜査を継続、同時に刑事告訴を受けて「故人献金」などの問題を抱える鳩山首相の政治資金規正法違反捜査に着手していることを考えれば、別のメッセージを感じることもできよう。

 検察関係者が、あいまいな表情を浮かべていう。
 「小沢べったりで、それこそ指揮権でも発動しかねない『反検察』を法務相に持ってきて、予算と人事で締め上げるという選択肢も民主党にはあった。でも、そうはしなかった。
 千葉参院議員は、無茶をしそうにない。ただ、すべての取り調べをオープンにする可視化法案の推進役だし、根っからの死刑反対論者。だから我々にとっては、敵でも味方でもない人で、新政権は、『仲良くやろう』という無難なメッセージを送ってきたんだと思う」

 就任会見で千葉法相は、西松建設の献金捜査や首相の献金問題について、「特別なことではない。適正な判断をしていきたい」と述べ、「小沢幹事長の秘書逮捕は検察の暴走と思うか」と、問われて「そうは思わない」と答えている。
 各官庁は「政治主導」といわれているが、政界との距離を必要とする法務・検察だけは今まで通りを踏襲すると考えてよかろう。となれば、検察は民主党を牽制するために、「小沢と鳩山」に振り上げたこぶしを、どこに下すかが課題となる。

 水面下の小沢捜査はそのまま終了すればいいが、鳩山首相自身が政治資金規正法違反を認めている捜査については、勝場啓二、芳賀大輔両秘書の在宅起訴は免れない。
 その際、鳩山首相の責任論に発展するのは必至。検察は、本格着手をいつにするのか。頭を悩ませることになりそうである。【潤】

「小泉―竹中路線」の“残滓”、日本振興銀行を民主党政権はどう“整理”するのか?

日本振興銀行本社

 自民党政権は、リーマン・ショック後の金融恐慌を、なりふり構わぬ金融財政政策で乗り切ったが、「非常事態宣言」をいつまでも続けるわけにはいかず、ダメな金融機関には引導を渡し、マーケットからの退場を言い渡さなければならない。

 その厳しい役回りを担うのは、発足したばかりの民主党政権である。検査を通じて金融庁は、各金融機関の傷んだ経営事情を熟知、ただ総選挙前に金融機関を再編整理、地域経済に悪影響を与えてはならないと、黙って見守ってきた。

 しかし、新政権下で金融機関が腐っていくのを見逃してはならない。金融機関を業績不振のまま放置すれば、日本経済そのものが揺らぐことを、我々はバブル崩壊後の「失われた10年」で思い知らされた。手は迅速に打たねばならず、現在、その最有力候補といわれているのが日本振興銀行新銀行東京である。

 両行とも「小泉純一郎首相―竹中平蔵金融相」のもとで行われた構造改革の一環として、「ミドルリスクーミドルリターンの銀行が日本にも必要だ」という観点から、04年から05年にかけて、貸し渋りの横行のなかで設立された。
 が、結果は失敗だった。少なくとも石原慎太郎都知事が旗を振った新銀行東京は、「東京都の銀行」という脇の甘さ、真剣味のなさが役員から社員にまで及び、税金で追加融資を余儀なくされたうえに、不正融資の嵐で刑事事件まで引き起こした。

 竹中氏の盟友の木村剛氏が立ち上げた日本振興銀行は、不正や業績不振が表面化しているわけではないが、高利で集めたカネを業績不振企業に回し、回収するというビジネスモデルはまだ確立していない。そのため同行は、「中小企業振興ネットワーク」という同行と親しい任意団体に属する企業群に融資しているが、情実融資の恐れがある。

 また、同行には商工ローンのSFCG問題がある。SFCGから貸出債権を買い、回収をSFCGに任せて金利を稼ぐというビジネスモデルだったが、倒産間際の断末魔だったSFCGは、日本振興銀行に売却した貸出債権の大半の約900億円分を信託銀行などにも売却、つまり二重譲渡していた。
 これについて、信託銀行サイドが次々に譲渡が早かった分の民事訴訟を起こしており、裁判所が「先行」を認めれば、日本振興銀行は引当金を積めねばならず、自己資本の薄い同行は、それだけで債務超過に転落する。

 もともと民主党は、竹中路線には反対の立場。新銀行東京の結果と合わせ、「ミドルリスクーミドルリターン」というビジネスモデルが成り立たないのは明確で、日本振興銀行にこのまま1日20億円以上といわれる預金集めをさせることの是非は、総選挙前から同行への検査を行った金融庁のなかでも議論されていた。
 日本振興銀行を生かすのか殺すのか、すべては金融担当相、副大臣を始めとした民主党金融スタッフに委ねられることになる。【伯】

外資が困惑する温暖化ガスを“本気”で削減するという鳩山新首相「経済戦略」の真意!

産経新聞(9月10日朝刊) 外資系証券の幹部が困惑している。
 「鳩山発言は本気だろうか。何の国家戦略も持たず、温暖化ガスを大幅に削減すれば、明らかに経済にとってはマイナス。日本株は『売り』と判断せざるを得ない」
 「鳩山発言」とは、9月7日に開かれた「地球環境フォーラム」で、「あらゆる政策を動員して、温暖化ガスの90年比25%削減を目指す」と、宣言したことを指す。

 二酸化炭素(CO2)を始めとする温暖化ガスの削減は、地球温暖化が進行するなかで世界各国が取り組む共通課題だとして、EUが90年比20~30%減、米国が05年比14%減、ロシアが90年比10%〜15%減といった2020年までの中期目標を挙げている。

 この削減目標が、あまりに高いと経済成長の阻害要因になるものの、低いと批判を浴びるということで、国家間で虚々実々の駆け引きが行われている。米国が05年比としているのは削減幅を大きく調整できるからで、90年比だと0%、日本も同様に麻生政権下では、05年15%減と削減をアピールしていたが、90年比では8%に過ぎなかった。

 それを鳩山新政権では一気に25%減……。
 この目標だと、国内総生産(GDP)は3・2%低下し、失業率は1・3%上がり、官民合同の負担は年間10兆円にのぼるという。

 温暖化ガスの削減は、英国、ドイツ、フランスといった欧州先進国の国家戦略としてスタートした。BRICsなど新興国を「二酸化炭素の排出は地球環境を汚す」として牽制、合わせて脱石油エネルギーを進めて中近東への資金流出を防ぎ、エコカーを始めとする環境技術で新興国をリードすることで、経済的優位を保とうとする戦略だった。温暖化ガスに価格をつけて売買、排出権取引として金融先物の世界に引き込んだのはその象徴で、英国は気候取引所をほぼ独占、CO2売買の9割を仲介している。

 中国やインドは、先進国の思惑が透けて見えるから「まず、先進国が範を示せ」と、厳しい要求は出すものの、削減目標は示さず、石油業界の支援を受けた米国のブッシュ政権は、国連の契約国会議(COP)から離脱した。「グリーンニューディール」を掲げるオバマ政権は、環境投資で産業を振興、雇用を確保しようとしているが、これは失業対策として行われているもので、環境対策ではない。

 つまり世界各国は、温暖化ガスを軸に、自国の権益をグローバル化する国際経済の枠組みのなかで、どう有利に展開するかという駆け引きを行っているのであり、放置すれば100年後に2度から4度上昇するという地球温暖化対策のためではない。
 ところが鳩山政権は本気だ。国家戦略なしに、市民運動レベルの感性でこの問題に取り組んでいる。そのナイーブさにシビアな外資の投資家は半ば呆れ、「そんなユートピア政権の経済運営がうまく行くはずがない」と、「売り」の判断に傾いている。【悌】

「コシ・トラスト事件第2幕」 ようやくの住友銀行関係者逮捕で、お相伴の有名人が続々登場!

三井住友銀行高円寺支店

 「もう事件に関与した行員は処分、銀行に責任が及ばない形になっています。警視庁捜査2課は、月内にコシ・トラストの中林明久元社長を再逮捕、関与した三井住友銀行の元行員らも逮捕する予定です」
 こう警視庁関係者は漏らす。

 不動産業のコシ・トラストは1億円を騙し取ったという小さな詐欺事件を引き起こしたが、奥はとてつもなく深かった。
 なにしろ中林元社長は、612億円の融資を引き出し、164億円を焦げ付かせていたものの、その手口は悪質で、売上高など財務データも法人税確定申告書も土地鑑定書もすべて偽造だった。それでも銀行審査をすり抜けることができたのは、歴代行員を取り込んでいたからである。

 当然、行員らの犯罪を問わなければ事件は完結しないし、コシ・トラストに流れたカネは暴力団筋にも渡り、組織犯罪対策4課が捜査に協力していた。
 「1億円の詐欺」で中林元社長が逮捕されたのは今年5月21日で、本誌は5月25日号で「三井住友銀行詐欺事件の第2幕は。行員逮捕と暴力団ルートの解明」と、書いた。それから4ヶ月も経って、ようやく「第2幕」が始まるのである。

 捜査が難航したのは、コシ・トラストを担当した3人の行員が、それぞれにしたたかで、“過剰”な接待を受けたのは認めたものの、偽造など「違法行為は、頑として否定したからである。
 最初に担当した高円寺法人営業部の堀某は家賃援助をしてもらい、ソープランド接待まで受けていたものの、「違法なことはしていない」と突っぱね、新宿法人営業部第2部に勤務していた広田某はリゾートクラブの会員カードを渡されて、ゴルフに飲食にと、それを自由に使っていたのに「知らぬ存ぜぬ」を通していた。
 さらに堀某の後任の高円寺営業部の行員などには、飲食はともかく、「車代などの名目で現金を渡していた」(コシ・トラスト元幹部)との指摘もあり、捜査関係者は「事件を想定したような用心深さだった」という。


 「中林社長は暴力団関係者との付き合いを隠さず、格闘技のK−1選手のタニマチになったり、おもちゃコレクターとして著名なおもちゃ博物館北原照久館長と組んでフィギュアバーを経営したり、とにかく脇が甘い。当然のことながら、銀行員としては付き合ってはならないタイプの社長だが、そに分、自分のノルマは達成しやすい。堀某ら事件に関係した行員は、事件化に備えて見て見ぬふりを遠し、証拠を残さなかったのだろう」(捜査関係者)
 しかし164億円の焦げ付きという事実は残り、銀行も最後まで庇うつもりはなく退職に追い込んだ。…万事休す。彼らに持久戦に備えるだけの気力はもはや残っていなかったのである。【伯】

吉と出るか、凶と出るか!? 竹中平蔵を会長に迎えた「パソナ」南部靖之社長の“逆目戦略”!

 小泉純一郎政権下で経済財政担当相などを歴任、労働者派遣法の改正などで規制を緩め、ワーキングプアを増やし、二極化を推進したとして“悪評”の高い竹中平蔵氏を、人材派遣大手パソナは、8月末、会長として迎え入れた。

 普通に考えれば、パソナは竹中氏とともに時代の逆風を受けることになる。第一に、規制強化で人材派遣業の経営が苦しくなるのは間違いない。ましてパソナは、総務省傘下の「人材バンク」の仲介業務を受注している。

 総務相として閣内にいた頃、「官庁が天下りを斡旋することが問題だ」と指摘していた竹中氏は、民間に転出して半年後の07年2月にパソナの顧問となり、翌3月、パソナは「人材バンク」から仲介業務を受注、「民間側から天下り対策に関与した」(『朝日新聞』07年3月16日)と批判されたのに、今度は堂々と常勤の会長職に就いた。

 竹中氏の意識では、この会長就任は「天下り」ではなく、米国流の「回転ドア」。政治任用の政府関係者が、政権交代とともに民間企業の経営者に就任するのは当然だという立場の確信犯である。だが、パソナの南部靖之社長は、友に批判を受けることを承知しているのだろうか。

 南部氏と親しい上場企業経営者が、“特異”だという南部氏の性格から解説する。
 「南部さんは、カンで動く経営者です。しかも、世評は気にしないし、むしろ裏道を行こうとするタイプです。今回、バッシングを受けている竹中さんと連帯、話題性を集めるとともに、反規制強化の論陣を、人材派遣業の代表として張ろうとしているのでしょう」

 確かに、南部氏は「世間の目」は気にしない。
 いささか古い話だが、92年10月、投資ジャーナルの中江滋樹氏が4年の服役を終えて出所する時、下着からスーツまで用意、リムジンで迎えに行った。また、セクハラを内部告発されるなど女性問題は絶えないが、「女性重視」の経営戦略は変えない。
 とにかく、すべてにおいてポジティブ思考で、誰とでも気兼ねなく付き合う。支援している政治家の数は少なくないし、格闘技会場で暴力団幹部と席を並べている南部氏を見かけたとして、脇の甘さを指摘する金融関係者も少なくない。

 それでも南部氏が批判されることがなかったのは、「叩くほど大きな存在ではなかった」(全国紙社会部記者)からであろう。「ベンチャーの旗手」として1990年代は評価されたものの、その後はグッドウィル・グループやフルキャストなど新興の派遣ベンチャーが台頭、目立つ存在ではなくなったことが幸いしたのである。

 しかし、竹中氏とタッグを組むとなると別だ。竹中氏は、今後、民主党政権によって「小泉時代の遺物」と目の敵にされるのは必至である。
 しかも、組織をガタガタにされた財務省など官僚機構が税金問題などで竹中氏の“アラさがし”をしようとしているにもかかわらず、いくら“恩”があるとはいえ、そんな竹中氏を迎え入れるのが得策だろうか。場合によっては、南部氏にも火の粉が飛んでくる虞さえある。
 吉と出るか、凶と出るか!南部氏得意の「逆目戦略」が、今度も旨く行くとは限らない…。

総選挙後に本格化する井上工業事件とトランスデジタル事件の挟み撃ちで“大物金融屋”がいよいよ窮地に!

井上工業

 創業明治21年の老舗ゼネコンで、越後から上京した田中角栄元首相が、東京支店で「住み込み奉公」していたこともあるという群馬の名門・井上工業が、証券界の魑魅魍魎に取り付かれて倒産、それを警視庁組織犯罪対策三課が捜査着手するまでの概略を、本誌は7月27日号でお伝えした。

 猛暑のなか捜査は進展、組対三課は宮崎純行元社長が、自分の息子の会社に約11億円を情実融資、約4億5500万円を焦げ付かせたという特別背任容疑で、10月にも逮捕する方針を固めている。もちろんこれは「入口」に過ぎない。

 資本調達で生き残るしかなかった井上工業は、宮崎元社長を解任した後、中村剛前社長のもとで第三者割当増資と新株予約権で約30億円の調達を画策したが、そのスキームを携えてやってきた金融ブローカー、総会屋、金融業者などが、昨年8月25日から増資が行われた9月24日までのわずか1か月の間に、15億2000万円分の株券、1億8000万円の現金、約5億円分の不動産を収奪したのだった。

 その鮮やか過ぎる手口から当局は、中村氏ら前経営陣が、金融ブローカーらに取り込まれていた可能性もあると見ている。
 ただ、それにしても増資に応じたグループが、井上工業に渡した金額はわずか1億2000万円。それだけでどうして「株」に「カネ」に「土地」を収奪できるのか。池波正太郎の世界でいう「急ぎ働き」だが、その仕掛けに関与した「大物金融屋」の存在が、この事件を奥深いものにしている。

 入手した不動産登記簿謄本をもとに、足取りを追ってみたい。
 18億2000万円の第三者割当増資引き受けの中心人物は、アップル有限責任事業組合奥村英氏と藤本順二氏。8月28日の取締役会で増資の承認を取り付けた井上工業経営陣は、それを東証で適時開示、9月24日の調達に向けて彼らと会合を重ねるようになった。その過程で、奥村氏から「(群馬県安中市の)安中工場を担保提供してもらえないだろうか」という要求が出された。

 切羽詰まっていた経営陣は、「10月20日には返済する」という言葉に負けて担保提供、9月12日、奥村氏の会社であるリケンを債務者に融資した。債権者は港区虎ノ門に本社を置く有限会社京都太秦ホテル。極度額は1億2000万円。同社は、高利の街金として知られる永本壹桂氏の関係会社である。

 この「大物金融屋」の存在が、「鮮やか過ぎる収奪」を納得させた。同時に、「永本と仲間たちを狙えるチャンス」(捜査関係者)と、警視庁を奮い立たせた。
 資本調達に、間接的に登場する日本最大の暴力団勢力や井上工業に取りついた大物総会屋は事件に関与するのかしないのか…。組対が手がける久々の大型経済事件に対する警視庁への期待は大きい。【伯】

子会社を売却整理しても9月期が乗り切れない!? CDS指数では既に倒産しているサラ金大手・アイフルの断末魔!

8515 東1 アイフル週足
     アイフル株価チャート(週足)

 経営危機説が何度も流れながら、創業者の福田吉孝社長が私財を投げ打って持ちこたえてきた消費者金融大手のアイフルが、いよいよ重大な危機に直面している。

 8月24日、アイフルは連結子会社のワイド、トライト、ティーシーエム、パスキーの4社をネオラインキャピタルに売却すると発表した。譲渡価格は1株1円。4社の貸付金約482億円も約103億円で譲渡する。「叩き売り」である。

 過払い返還を認めた最高裁判決と、それをビジネスチャンス捉えた弁護士や司法書士によって、大手4社だけで1兆2000億円もの過払い金返還を余儀なくされた消費者金融業界は、利率を20%以下にするという貸金業法の改正もあって、ビジネスモデルが完全に壊れてしまった。

 そのなかでも独立系のアイフルと武富士は、アコムの三菱UFJ、プロミスの三井住友のような“支え”がないだけに厳しく、「余命は2年から4年」と、囁かれていたのだが、その時期は早まり、証券関係者は「アイフルは9月末決算を乗り切れないのではないか」と、厳しい目を向けている。

 ネオラインキャピタルへの「叩き売り」はその第一弾。業績不振のノンバンクを引き受けることで知られるネオラインキャピタルは、「ハイエナ」の異名を取る。アイフルは粘り強い回収を放棄、103億円を手にしたがこれも焼け石に水。民事再生法の適用申請など「倒産処理」に回ると目されている。

 CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)指数はもっと冷酷だ。取引先の倒産などに備えるCDSは、リスク回避の金融商品だが、そのCDS指数が、8月28日の時点で4260ベーシックポイントにも達している。

 これは、通常金利に42・6%もの金利をプラスしなければリスクの引き受け手がないことを意味する。例えば、アイフル向けに100億円の債権を保有していたとすれば、2%程度の通常金利に42・6%分を上乗せ、約45億円の保証料を払わなければCDSの引き受け手はいない。もちろんアイフルのCDS指数は、上場企業のなかでもダントツの一位で、「倒産指数」といっていい。

 ビジネスモデルが破壊された以上、アイフルが倒産するのはやむを得ないし、武富士、アコム、プロミスと、消費者金融各社はいずれ倒産か再編整理の道を辿ることになろう。
 「ハイエナ弁護士」だけが儲かり、大手4社だけで2万人を超える雇用の業界がなくなり、ヤミ金が跋扈するような時代の到来を許していいのか…。
 アイフルの危機を前に、「無担保貸し付け」の金融業界が持つ意味と意義を、もう一度、考え直した方がいい。【孝】


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